JP2014015586A - 樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いた光半導体装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた可撓性及び耐衝撃性を有する樹脂硬化物を得ることが可能であり、且つ、注型作業等の作業性が良好となる適度な粘度を実現可能な、樹脂組成物を提供する。
【解決手段】少なくともエポキシ化合物、酸無水物、硬化促進剤及び多価アルコールを配合してなる樹脂組成物であって、前記エポキシ化合物が、下記式(1−1)などの特定の構造を有する脂環式のエポキシ化合物であり、前記多価アルコールの配合量が、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である、樹脂組成物。
[式中、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
【選択図】なし
【解決手段】少なくともエポキシ化合物、酸無水物、硬化促進剤及び多価アルコールを配合してなる樹脂組成物であって、前記エポキシ化合物が、下記式(1−1)などの特定の構造を有する脂環式のエポキシ化合物であり、前記多価アルコールの配合量が、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である、樹脂組成物。
[式中、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。]
【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ化合物を含有する樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いた光半導体装置に関する。
近年、種々の表示板、画像読み取り用光源、交通信号、大型ディスプレイ用ユニット等に実用化されている発光ダイオード(LED)等の発光素子や受光素子等の光半導体装置は、大部分が封止樹脂を用いて製造されている。このような封止用の樹脂としては、耐熱性、接着性、耐湿性、機械的強度および電気特性等に優れていることから、エポキシ樹脂が一般的に使用されている。
従来、封止材としては、ビスフェノール系ジグリシジルエーテルやフェノール系ノボラック型のエポキシ樹脂が一般的に用いられてきた。しかし、近年実用化されてきている青色から近紫外域の発光波長を有する窒化物系LEDをこれら従来のエポキシ樹脂により封止した場合には、エポキシ樹脂の芳香環が短波長光を吸収することによって黄変し、LEDの発光強度が著しく低下してしまうという問題を生じる。このような光や熱による劣化を抑制するため、光や熱により劣化しにくい脂環式エポキシ樹脂の実用化が進んでいる。
一方で、こういった脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物が強靭性に乏しく、温度等の条件変化によってクラックを生じやすいという欠点があった。これを解決するためにエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物を強靭化する方法としては、種々の高分子からなる改質剤を用いる手法が知られている。
例えば、特許文献1には、ブテン重合体の末端のビニリデン二重結合と不飽和酸無水物とを付加反応により結合して得られるエポキシ樹脂硬化剤の使用による可撓性の改良が提案されている。
また、特許文献2にはアルキル基を有するジカルボン酸を硬化剤として併用する方法が提案されている。
ところで、従来、シクロペンタジエンと1,3−ブタジエンとの反応によってビニルノルボルネンを合成する際に、テトラヒドロインデンが副生することが知られている。そして近年、このテトラヒドロインデンの有効な利用法が求められている。例えば、特許文献3には、テトラヒドロインデンから、分子内に2個の脂環骨格を有するエポキシ化合物であるテトラヒドロインデンのジエポキシドを製造する方法が開示されている。
特許文献4には、ガラス基板の代替品として、(A)非エステル型脂環エポキシ化合物、(B)上記(A)と異なるエポキシ化合物及び(C)カチオン重合開始剤を所定量配合してなる熱硬化型樹脂組成物を用いることが開示され、(A)非エステル型脂環エポキシ化合物としてテトラヒドロインデンのジエポキシドが例示されている。
本発明は、優れた可撓性及び耐衝撃性を有する樹脂硬化物を得ることが可能であり、且つ、注型作業等の作業性が良好となる適度な粘度を実現可能な、樹脂組成物を提供することを目的とする。また本発明は、該樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物及び該樹脂組成物を用いて封止された光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくともエポキシ化合物、酸無水物、硬化促進剤及び多価アルコールを配合してなる樹脂組成物であって、上記エポキシ化合物が、下記式(1−1)で表される化合物、下記式(1−2)で表される化合物、下記式(1−3)で表される化合物及び下記式(1−4)で表される化合物からなる群より選択されるエポキシ化合物であり、上記多価アルコールの配合量が、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である、樹脂組成物に関する。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。複数存在するR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。複数存在するR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。]
このような樹脂組成物によれば、優れた可撓性及び耐衝撃性を有する樹脂硬化物を得ることができる。また、このような樹脂組成物は、注型作業等の作業性が良好となる適度な粘度を実現でき、成形加工性に優れる。さらに、本発明の樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、耐湿性及び耐酸性にも優れる。このため、上記樹脂組成物は、パワーデバイス用封止材・光半導体用封止材等の機能性封止材用途、ダイシング・ダイボンディング等の実装材料としての用途、接着用途、注型用途、積層用途などの用途に好適に用いることができる。
本発明において、上記エポキシ化合物は、ガスクロマトグラフィー分析により得られるクロマトグラムにおいて、上記エポキシ化合物に由来するピークのピーク面積Aに対する、上記エポキシ化合物より保持時間が長い重質量分に由来するピークのピーク面積Bの比B/Aが、2.0×10−3以下となるように精製されたものであることが好ましい。これにより、樹脂組成物の硬化物が可視光のみならず紫外光に対しても十分な光透過性を有するものとなる。そのため、このようなエポキシ化合物を配合した樹脂組成物は、特に光半導体素子を封止するための封止材等の用途において、一層好適に用いることができる。
なお、特許文献4に記載されているのは、液晶パネル等に使用されるガラス基板の代替品として用いられる熱硬化型樹脂組成物であり、このような分野では可視光線以外の光(例えばUV−A(315〜400nm)等の紫外光)に対する透過性は必ずしも必要としない。そのため、特許文献4には可視光線以外の光に対する光透過性の評価はなされていないし、紫外光に対する透過性を得るための示唆等はなされていない。さらに、特許文献4には、テトラヒドロインデンのジエポキシドを用いた実施例が記載されているが、当該実施例はその他の実施例と比較して光透過性に劣るものとなっている。
本発明において、上記エポキシ化合物は、好ましくは式(1−1)で表される化合物であり、より好ましくは下記式(1−1−1)で表される化合物である。これらのエポキシ化合物によれば、上述の本発明の効果が一層顕著に奏される。
本発明の樹脂組成物は、下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物及び下記式(5)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物がさらに配合されていてもよい。
[式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Zは連結基を示す。複数のRa、Rb、Rc、Rd、Re及びRfはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Zは連結基を示す。複数のRa、Rb、Rc、Rd、Re及びRfはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。]
本発明はまた、上記樹脂組成物を硬化して得られる、樹脂硬化物に関する。本発明の樹脂硬化物は優れた可撓性及び光透過性を有する。
本発明はさらに、上記樹脂組成物を用いて封止された光半導体装置に関する。
本発明によれば、優れた可撓性及び耐衝撃性を有する樹脂硬化物を得ることが可能であり、且つ、注型作業等の作業性が良好となる適度な粘度を実現可能な、樹脂組成物が提供される。また本発明によれば、該樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物及び該樹脂組成物を用いて封止された光半導体装置が提供される。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、少なくともエポキシ化合物、酸無水物、硬化促進剤及び多価アルコールを配合してなる樹脂組成物であり、本実施形態において、上記エポキシ化合物は、下記式(1−1)で表される化合物、下記式(1−2)で表される化合物、下記式(1−3)で表される化合物及び下記式(1−4)で表される化合物からなる群より選択されるエポキシ化合物である。また、本実施形態において、上記多価アルコールの配合量は、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である。
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。複数存在するR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物によれば、優れた可撓性及び耐衝撃性を有する樹脂硬化物を得ることができる。また、本実施形態に係る樹脂組成物は、注型作業等の作業性が良好となる適度な粘度を実現でき、成形加工性に優れる。さらに、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、耐湿性及び耐酸性にも優れる。このため、本実施形態に係る樹脂組成物は、パワーデバイス用封止材・光半導体用封止材等の機能性封止材用途、ダイシング・ダイボンディング等の実装材料としての用途、接着用途、注型用途、積層用途などの用途に好適に用いることができる。
以下、場合により、式(1−1)で表される化合物、式(1−2)で表される化合物、式(1−3)で表される化合物及び式(1−4)で表される化合物からなる群より選択されるエポキシ化合物を「(A)成分」と称し、酸無水物を「(B)成分」と称し、硬化促進剤を「(C)成分」と称し、多価アルコールを「(D)成分」と称する。
<(A)成分>
(A)成分は、式(1−1)で表される化合物、式(1−2)で表される化合物、式(1−3)で表される化合物及び式(1−4)で表される化合物からなる群より選択されるエポキシ化合物である。
(A)成分は、式(1−1)で表される化合物、式(1−2)で表される化合物、式(1−3)で表される化合物及び式(1−4)で表される化合物からなる群より選択されるエポキシ化合物である。
(A)成分は、ガスクロマトグラフィー分析により得られるクロマトグラムにおいて、(A)成分に由来するピークのピーク面積Aに対する、(A)成分より保持時間が長い重質量分に由来するピークのピーク面積Bの比B/Aが、2.0×10−3以下(より好ましくは1.3×10−3以下)となるように精製されたものであることが好ましい。
これにより、樹脂組成物の硬化物が可視光のみならず紫外光に対しても十分な光透過性を有するものとなる。そのため、このように精製された(A)成分を配合した樹脂組成物は、特に光半導体素子を封止するための封止材等の用途に一層好適である。
なお、特許文献4に記載されているのは、液晶パネル等に使用されるガラス基板の代替品として用いられる熱硬化型樹脂組成物であり、このような分野では可視光線以外の光(例えばUV−A(315〜400nm)等の紫外光)に対する透過性は必ずしも必要としない。そのため、特許文献4には可視光線以外の光に対する光透過性の評価はなされていないし、紫外光に対する透過性を得るための示唆等はなされていない。さらに、特許文献4には、テトラヒドロインデンのジエポキシドを用いた実施例が記載されているが、当該実施例はその他の実施例と比較して光透過性に劣るものとなっている。
比B/Aが2.0×10−3を超える場合、例えば樹脂硬化物の800nm付近の光に対する光透過性は良好であるが、UV−A(315〜400nm)に対する光透過性は著しく低くなる。これに対して、比B/Aが2.0×10−3以下であると、可視光のみならず紫外光(例えばUV−A)に対しても十分な光透過性を有する樹脂硬化物が得られる。
(A)成分は、立体異性体の混合物であってもよい。(A)成分が立体異性体の混合物であるとき、ピーク面積Aは、各立体異性体に由来するピークの総面積を示し、「(A)成分より保持時間が長い重質量分」とは、(A)成分の立体異性体のうち最も保持時間が長いものより、保持時間が長い成分を示す。
なお、図1及び図2は、後述する合成例1で得られたエポキシ化合物のガスクロマトグラフィー分析により得られるクロマトグラムを示す図である。図1及び図2中、a−1、a−2、a−3及びa−4で示したピークが(A)成分の各立体異性体に由来するピークであり、bで示す範囲のピークが重質量分に由来するピークである。
なお、ガスクロマトグラフィー分析は、以下の条件で行うことができる。
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製6850シリーズ
・カラム:Agilent19091Z−413E(HP−1 ジメチルポリシロキサン、キャピラリー30.0m×320μm×0.25μm)
・Inlet:250℃
・Detector:250℃
・Oven:50℃(10min)、250℃(5℃/min)、250℃(20min)
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製6850シリーズ
・カラム:Agilent19091Z−413E(HP−1 ジメチルポリシロキサン、キャピラリー30.0m×320μm×0.25μm)
・Inlet:250℃
・Detector:250℃
・Oven:50℃(10min)、250℃(5℃/min)、250℃(20min)
また、ピーク分析は、下記の条件によるガスクロマトグラフ質量分析により行うことができる。
(a)ガスクロマトグラフ部
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製7890A
・カラム:Agilent19091S−936(HP−1MS ジメチルポリシロキサン、キャピラリー60.0m×250μm×0.25μm)
・Inlet:250℃
・Oven:40℃(10min)、300℃(5℃/min)、300℃(18min)
(b)質量分析部
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製5975C VL MSD
・イオン化法:電子衝撃イオン化方式
・イオン源温度:230℃
・MS四重極温度:150℃
(a)ガスクロマトグラフ部
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製7890A
・カラム:Agilent19091S−936(HP−1MS ジメチルポリシロキサン、キャピラリー60.0m×250μm×0.25μm)
・Inlet:250℃
・Oven:40℃(10min)、300℃(5℃/min)、300℃(18min)
(b)質量分析部
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製5975C VL MSD
・イオン化法:電子衝撃イオン化方式
・イオン源温度:230℃
・MS四重極温度:150℃
例えば、後述する合成例1のエポキシ化合物について、ガスクロマトグラフ質量分析を行うと、図1及び図2のa−1、a−2、a−3及びa−4で示したピークに相当するピークとして、分子量152の化合物に由来するピークが観測される。このことから、a−1、a−2、a−3及びa−4で示したピークが(A)成分に由来するピークであることが確認できる。また、図1及び図2のbで示す範囲のピークに相当するピークとして、分子量155〜168の重質量分の化合物に由来するピークが観測される。
(A)成分において、上記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。アルキル基が置換基を有するとき、当該置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
また(A)成分において、アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基が置換基を有するとき、当該置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
上記式中、R1、R3、R5及びR7は、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はフッ素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
また、R2、R4、R6及びR8は、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はフッ素原子であってもよく、水素原子であってもよい。
(A)成分としては、式(1−1)で表される化合物を特に好適に用いることができる。式(1−1)で表される化合物においては、上述の本願発明の効果(特に、比B/Aを2.0×10−3以下とすることによる効果)が一層顕著に奏される。
また(A)成分としては、式(1−1−1)で表される化合物がさらに好適である。式(1−1−1)で表される化合物においては、上述の本願発明の効果(特に、比B/Aを2.0×10−3以下とすることによる効果)が一層顕著に奏される。
(A)成分の製造方法の一例として、式(1−1)で表される化合物(以下、場合により「化合物(1−1)」と称する。)の製造方法を以下に示す。
化合物(1−1)は、下記の酸化工程及び精製工程を備える製造方法により製造することができる。酸化工程では、下記式(2)で表される化合物の酸化反応により化合物(1−1)を合成する。
酸化反応の方法は特に限定されず、例えば、特開2004−182648号公報に記載された方法で行うことができる。
また、酸化反応は、従来公知のオレフィン化合物からエポキシ化合物を製造する方法で行うこともできる。このような方法としては、例えば、J.Org.Chem.2000,65,8651に記載の方法、Organic Syntheses,1997,74,91に記載の方法、Organic Syntheses,Coll.1998,9,288に記載の方法等が挙げられる。
また、酸化反応の具体例としては、式(2)で表される化合物、ピリジン、3−シアノピリジン及びメチルトリオキソレニウムを含有するジクロロメタン溶液に30%過酸化水素水を添加して、室温(25℃)で反応させる方法が挙げられる。
精製工程では、ガスクロマトグラフィー分析により得られるクロマトグラムにおいて、化合物(1−1)に由来するピークのピーク面積A1に対する、化合物(1−1)より保持時間が長い重質量分に由来するピークのピーク面積B1の比B1/A1が、2.0×10−3以下となるように、上記酸化工程で得られた化合物(1−1)を精製する。
化合物(1−1)の精製方法としては、比B1/A1が2.0×10−3以下となるような方法であれば特に限定されず、例えば、蒸留精製が挙げられる。
化合物(1−1)は熱的に不安定な化合物であるため、蒸留精製における温度が高すぎたり滞留時間が長すぎたりすると、化合物(1−1)の一部が分解したり、重質量分が生じたりする場合がある。そのため、蒸留精製においては温度を20〜150℃、滞留時間を0.01〜60分とすることが好ましい。蒸留装置としては、例えば、回分式精密蒸留装置、遠心式分子蒸留装置、薄膜蒸留装置等が挙げられる。
より具体的には、蒸留精製は、例えば600Pa、塔底温度30〜80℃の範囲で行い、流出してきた留分を順に分画し、比B1/A1が2.0×10−3以下となる留分を取り出して行うことができる。
(A)成分の塩素含量は、樹脂硬化物の耐湿信頼性が一層向上して光半導体封止用途に一層好適になることから、100ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。なお、塩素含量は、JIS規格K−7243−3に準拠して測定される値であり、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテルに(A)成分を溶解させ、水酸化カリウムアルコール溶液で加熱還流下けん化し、硝酸銀溶液の電位差滴定を行うことで測定される値である。
(A)成分の塩素含量は、上述の蒸留精製で低減することもでき、アルカリ水溶液洗浄、吸着剤処理等の方法で低減することもできる。
(A)成分の金属含量は、樹脂硬化物の機械特性や電気特性が一層向上して光半導体封止用途に一層好適になることから、100ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。なお、金属含量は、(A)成分の10%トルエン溶液を、誘導結合プラズマ発光(ICP発光)分析することにより測定することができる。測定装置は、例えばパーキンエルマー社のOptima4300DVなどが使用できる。この測定では、定性分析で検出された金属種において、それぞれ市販の金属標準液を使用して作成した検量線を用い、定量分析を行うことができる。
(A)成分の金属含量は、上述の蒸留精製で低減することもでき、アルカリ水溶液洗浄、吸着剤処理等の方法で低減することもできる。
(A)成分の配合量は、樹脂組成物の総量基準で12〜45質量%であることが好ましく、14〜38質量%であることがより好ましい。
<(B)成分>
(B)成分は、酸無水物であって、樹脂組成物中のエポキシ化合物と反応して樹脂組成物を硬化させる成分である。(B)成分としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドエチレンテトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
(B)成分は、酸無水物であって、樹脂組成物中のエポキシ化合物と反応して樹脂組成物を硬化させる成分である。(B)成分としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドエチレンテトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
(B)成分としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸又はこれらの混合物を特に好適に用いることができる。
(B)成分の配合量は、硬化剤としての効果を発揮しうる有効量、すなわち、樹脂組成物中のエポキシ化合物((A)成分及び後述する(A’)成分を含む)のエポキシ1当量に対して、0.6〜1.5当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。
<(C)成分>
(C)成分の硬化促進剤は、樹脂組成物中のエポキシ化合物と(B)成分との反応を促進して、樹脂組成物の硬化反応を促進する成分である。(C)成分としては、三級アミン、イミダゾール類、カルボン酸金属塩、リン化合物等が挙げられる。
(C)成分の硬化促進剤は、樹脂組成物中のエポキシ化合物と(B)成分との反応を促進して、樹脂組成物の硬化反応を促進する成分である。(C)成分としては、三級アミン、イミダゾール類、カルボン酸金属塩、リン化合物等が挙げられる。
三級アミンとしては、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5等が挙げられる。また、イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
カルボン酸金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズ等が挙げられる。また、リン化合物としては、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオエイト等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、樹脂組成物中のエポキシ化合物((A)成分及び後述する(A’)成分を含む)の配合量100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましい。
<(D)成分>
(D)成分の多価アルコールの配合量は、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である。本実施形態においては、上述の特定の(A)成分、(B)成分及び(C)成分と組み合わせて、(D)成分を上記所定量配合することによって、上述の優れた効果が奏される。(D)成分の配合量が少なすぎると硬化物の強度が低下しやすくなり、逆に多すぎると耐熱性が低下しやすくなる。
(D)成分の多価アルコールの配合量は、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である。本実施形態においては、上述の特定の(A)成分、(B)成分及び(C)成分と組み合わせて、(D)成分を上記所定量配合することによって、上述の優れた効果が奏される。(D)成分の配合量が少なすぎると硬化物の強度が低下しやすくなり、逆に多すぎると耐熱性が低下しやすくなる。
(D)成分の配合量は、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましい。このような配合量で(D)成分を配合することにより、上述の効果が一層顕著に奏される。
(D)成分は、三価アルコール又は二価アルコールであることが好ましく、二価アルコールであることがより好ましい。
(D)成分の具体例としては、エチレングリコール及びその脱水縮合物(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール)、プロピレングリコール及びその脱水縮合物(ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリエチレングリコール)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
ポリエチレングリコールとしては、数平均分子量が200〜3000であるものが好ましく、200〜2000であるものがより好ましい。また、ポリプロピレングリコールとしては、数平均分子量が200〜3000であるものが好ましく、200〜2000であるものがより好ましい。数平均分子量が大きすぎる場合には、エポキシ化合物と(D)成分との混和性が低下して、耐水性や耐溶剤性が低下したり、局所的に強靱性や耐屈曲性が低下したりする場合がある。
樹脂組成物は、上記以外の成分が配合されていてもよい。例えば、樹脂組成物は、酸化防止剤(以下、場合により「(E)成分」と称する。)がさらに配合されていてもよい。
(E)成分としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類;等が挙げられる。
(E)成分の配合量は、樹脂組成物中のエポキシ化合物((A)成分及び後述する(A’)成分を含む)の配合量100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜4質量部であることがより好ましい。
また、樹脂組成物には、(A)成分以外のエポキシ化合物(以下、場合により「(A’)成分」と称する。)がさらに配合されていてもよい。
(A’)成分としては、例えば、脂環式エポキシ基を有する化合物が挙げられる。脂環式エポキシ基を有する化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物及び下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
式(3)中、Ra及びRbはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、複数のRa及びRbはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。Ra及びRbはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。なお、Ra及びRbにおけるアルキル基及びアルコキシ基としては、R1〜R12におけるアルキル基及びアルコキシ基と同様の基が例示できる。
式(4)中、Rc及びRdはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、複数のRc及びRdはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。Rc及びRdはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。なお、Rc及びRdにおけるアルキル基及びアルコキシ基としては、R1〜R12におけるアルキル基及びアルコキシ基と同様の基が例示できる。
式(5)中、Re及びRfはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Zは連結基を示す。また、複数のRe及びRfはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。Re及びRfはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はフッ素原子であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。なお、Re及びRfにおけるアルキル基及びアルコキシ基としては、R1〜R12におけるアルキル基及びアルコキシ基と同様の基が例示できる。
連結基としては、例えば、単結合、2価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基が挙げられる。
上記2価の炭化水素基の炭素数は1〜18であることが好ましい。また、上記2価の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基(特に、シクロアルキレン基)等が好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。また、2価の脂環式炭化水素基としては、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等が挙げられる。
式(5)で表される化合物の具体例としては、下記式(5−1)〜(5−7)で表される化合物が挙げられる。
また、脂環式エポキシ基を有する化合物としては、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(市販品としては、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業製)など)、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル等も例示できる。
脂環式エポキシ基を有する化合物としては、上記のうち、式(3)で表される化合物、式(4)で表される化合物、式(5)で表される化合物(特に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール及び3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランを好適に用いることができる。
また、(A’)成分としては、脂環式エポキシ基以外のエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。このような化合物としては、ビスフェノールA型及びビスフェノールF型に代表される各種ビスフェノール型のジグリシジルエーテル(市販品としては、エピコート828,806(ジャパンエポキシレジン社製)、YD−128(東都化成製)など);ビスフェノール型エポキシ樹脂の核水添品(市販品としては、HBE−100(新日本理化製)、YX−4000,YX−8000(ジャパンエポキシレジン社製)など);シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル等の環状脂肪族骨格を持ったグリシジルエーテル(市販品としては、DME−100(新日本理化製)など);ノボラック型フェノール樹脂のグリシジルエーテル;DCPD(ジシクロペンタジエン)などを共重合させたノボラック型フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ナフタレンなどの多環芳香族のグリシジルエーテル;脂環骨格に末端エポキシを持つエポキシ樹脂(市販品としては、EHPE−3150,EHPE−3150CE(ダイセル化学工業製)など);エポキシ基を持ったシリコン樹脂(市販品としては、A−186(日本ユニカー製)、KBM303、KBM403、KBM42(信越化学工業製)など);等が挙げられる。
(A’)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A’)成分を配合するとき、(A)成分の配合量Aに対する(A’)成分の配合量A’の比A’/A(質量比)は、1/99〜99/1とすることができ、1/99〜90/10であってもよい。
さらに樹脂組成物には、上記以外の成分として、紫外線吸収剤等の添加剤がさらに配合されていてもよい。
樹脂組成物の粘度は、成形加工性が良好となる観点から、30〜300mPa・sであることが好ましく、80〜200mPa・sであることがより好ましい。本実施形態に係る樹脂組成物では、上記特定の(A)〜(D)成分を採用しているため、容易に上記粘度範囲を達成することができる。例えば、本実施形態においては、樹脂組成物中のエポキシ化合物全体に占める(A)成分の割合を大きくすることにより、樹脂組成物の粘度を低下させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、加熱により硬化して樹脂硬化物を形成する。このようにして形成された樹脂硬化物は、可視光線に対する光透過性のみならず、可視光線以外の光(例えばUV−A(315〜400nm)等の紫外線)に対しても十分な光透過性を有する。そのため、本実施形態に係る樹脂組成物は、光半導体素子を封止するための封止材等、硬化物の光透過性が必要となる用途に好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して光半導体素子を封止することにより、光半導体装置を得ることができる。このような光半導体装置は本実施形態に係る樹脂組成物を封止材として発光体の周辺を保護しているので、黄変による輝度低下や変色等の問題がなく、信頼性の高い光半導体装置として有用である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
撹拌装置を設置した反応槽に、テトラヒドロインデン120g、ピリジン15.8g、3−シアノピリジン20.8g、メチルトリオキソレニウム2.49g、ジクロロメタン440g、30%過酸化水素水450gをこの順に仕込んだ。室温で2時間攪拌した後、油相と水相とを分離した。水相にジクロロメタン200gを加えて攪拌し、水相を洗浄した。洗浄操作によって生じた油相を前の油相と混合して、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、粗生成物を得た。
撹拌装置を設置した反応槽に、テトラヒドロインデン120g、ピリジン15.8g、3−シアノピリジン20.8g、メチルトリオキソレニウム2.49g、ジクロロメタン440g、30%過酸化水素水450gをこの順に仕込んだ。室温で2時間攪拌した後、油相と水相とを分離した。水相にジクロロメタン200gを加えて攪拌し、水相を洗浄した。洗浄操作によって生じた油相を前の油相と混合して、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、粗生成物を得た。
得られた粗生成物を0℃、220Paの条件で蒸留し、式(1−1−1)で表されるエポキシ化合物143gを得た。得られたエポキシ化合物について、ガスクロマトグラフィー分析を行ったところ、エポキシ化合物に由来するピークのピーク面積Aに対する、エポキシ化合物より保持時間が長い重質量分に由来するピークのピーク面積Bの比B/Aは、5.7×10−3であった。このエポキシ化合物を、(A−5)成分とした。
次いで、(A−5)成分100gを精密蒸留器に仕込み、600Pa、塔底温度30〜80℃の範囲で精密蒸留を行い、流出してきた留分を順に分画した。分画した4つの留分についてガスクロマトグラフィー分析を行ったところ、比B/Aは、それぞれ1.0×10−3、1.1×10−3、1.6×10−3、3.0×10−3であった。この4つの留分を、それぞれ(A−1)成分、(A−2)成分、(A−3)成分、(A−4)成分とした。(A−5)成分100gに対して、(A−1)成分の蒸留収量は20g、(A−2)成分の蒸留収量は20g、(A−3)成分の蒸留収量は20g、(A−4)成分の蒸留収量が35gであった。これらの結果を表1に示す。
なお、ガスクロマトグラフィー分析は、以下に示す条件で行った。
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製6850シリーズ
・カラム:Agilent19091Z−413E(HP−1 ジメチルポリシロキサン、キャピラリー30.0m×320μm×0.25μm)
・Inlet:250℃
・Detector:250℃
・Oven:50℃(10min)、250℃(5℃/min)、250℃(20min)
・使用機器:アジレント・テクノロジー社製6850シリーズ
・カラム:Agilent19091Z−413E(HP−1 ジメチルポリシロキサン、キャピラリー30.0m×320μm×0.25μm)
・Inlet:250℃
・Detector:250℃
・Oven:50℃(10min)、250℃(5℃/min)、250℃(20min)
図1は、(A−1)成分のガスクロマトグラフィー分析により得られたクロマトグラムを示す図であり、図2は、(A−5)成分のガスクロマトグラフィー分析により得られたクロマトグラムを示す図である。
分光光度計(日本分光製:V−570)により、(A−1)〜(A−5)成分の350nm、400nm、800nmの波長における光透過率(%)を測定した。測定結果は表2に記載のとおりであった。
(実施例1〜10、比較例1〜3)
各原料を表3、表4又は表5に示す部数(質量部)で配合し、室温下、撹拌することにより液状の樹脂組成物を得た。(A’)成分としては、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)を用いた。また、酸無水物の(B)成分として、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸の7:3(モル比)混合物を用いた。また、硬化促進剤の(C)成分としては、ヒシコーリン PX−4ET(日本化学工業株式会社製、テトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオネート)を用いた。また、多価アルコールの(D)成分としては、ポリプロピレングリコール(数平均分子量400)を用いた。また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(表3〜5中、「(E−1)成分」と表す。)及びトリフェニルホスファイト(表3〜5中、「(E−2)成分)」と表す。)を用いた。
各原料を表3、表4又は表5に示す部数(質量部)で配合し、室温下、撹拌することにより液状の樹脂組成物を得た。(A’)成分としては、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)を用いた。また、酸無水物の(B)成分として、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸の7:3(モル比)混合物を用いた。また、硬化促進剤の(C)成分としては、ヒシコーリン PX−4ET(日本化学工業株式会社製、テトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオネート)を用いた。また、多価アルコールの(D)成分としては、ポリプロピレングリコール(数平均分子量400)を用いた。また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(表3〜5中、「(E−1)成分」と表す。)及びトリフェニルホスファイト(表3〜5中、「(E−2)成分)」と表す。)を用いた。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を以下の方法で評価した。評価結果は表6、表7及び表8に示すとおりであった。
(1)粘度の測定(JIS K7117−2準拠)
装置:TVE−22LT(東機産業製)
試験温度:23℃
コーンロータ:1°23’×R24
サンプル:実施例及び比較例に示す成分のうち、(A−1)成分、(A’)成分、(B)成分、(D)成分の混合物1.1mL
回転数:0.5〜50rpm
静置時間:5分間
測定時間:2分間
装置:TVE−22LT(東機産業製)
試験温度:23℃
コーンロータ:1°23’×R24
サンプル:実施例及び比較例に示す成分のうち、(A−1)成分、(A’)成分、(B)成分、(D)成分の混合物1.1mL
回転数:0.5〜50rpm
静置時間:5分間
測定時間:2分間
(2)硬化物の作製
樹脂組成物60〜70gを3〜5mmHg×2分で真空脱泡し、次いで210mm×100mm×3mmの型に注型し、100℃×2時間の加熱と120℃×2時間の加熱、150℃×10時間の加熱により硬化させ、樹脂硬化物からなる試験片を得た。この試験片を用いて、下記(2−1)、(2−2)及び(2−3)の評価を行った。
樹脂組成物60〜70gを3〜5mmHg×2分で真空脱泡し、次いで210mm×100mm×3mmの型に注型し、100℃×2時間の加熱と120℃×2時間の加熱、150℃×10時間の加熱により硬化させ、樹脂硬化物からなる試験片を得た。この試験片を用いて、下記(2−1)、(2−2)及び(2−3)の評価を行った。
(2−1)硬化物の曲げ試験評価(JIS K6911準拠)
装置:5582型万能材料試験機(インストロン製)
試験片:70mm×25mm×3mm
試験温度:23℃
試験速度:1.5mm/min
支点間距離:48mm
装置:5582型万能材料試験機(インストロン製)
試験片:70mm×25mm×3mm
試験温度:23℃
試験速度:1.5mm/min
支点間距離:48mm
(2−2)硬化物の衝撃試験評価(JIS K6911準拠)
装置:DG−UB型デジタル衝撃試験機(東洋精機製作所製)
試験片:63.5mm×12.7mm×3mm
試験温度:23℃
ノッチ:タイプA、rN=0.25、残り幅10.2mm
ハンマ秤量:0.5J
装置:DG−UB型デジタル衝撃試験機(東洋精機製作所製)
試験片:63.5mm×12.7mm×3mm
試験温度:23℃
ノッチ:タイプA、rN=0.25、残り幅10.2mm
ハンマ秤量:0.5J
(2−3)硬化物の光線透過率試験評価
装置:紫外可視分光光度計V−630(日本分光製)
試験片:30〜40mm×40mm×3mm
波長:400nm
装置:紫外可視分光光度計V−630(日本分光製)
試験片:30〜40mm×40mm×3mm
波長:400nm
Claims (7)
- 少なくともエポキシ化合物、酸無水物、硬化促進剤及び多価アルコールを配合してなる樹脂組成物であって、
前記エポキシ化合物が、下記式(1−1)で表される化合物、下記式(1−2)で表される化合物、下記式(1−3)で表される化合物及び下記式(1−4)で表される化合物からなる群より選択されるエポキシ化合物であり、
前記多価アルコールの配合量が、酸無水物100質量部に対して2〜30質量部である、樹脂組成物。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。複数存在するR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。] - 前記エポキシ化合物が、ガスクロマトグラフィー分析により得られるクロマトグラムにおいて、前記エポキシ化合物に由来するピークのピーク面積Aに対する、前記エポキシ化合物より保持時間が長い重質量分に由来するピークのピーク面積Bの比B/Aが、2.0×10−3以下となるように精製されたものである、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ化合物が、前記式(1−1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる、樹脂硬化物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いて封止された光半導体装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012155809A JP2014015586A (ja) | 2012-07-11 | 2012-07-11 | 樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いた光半導体装置。 |
| PCT/JP2013/067501 WO2014010420A1 (ja) | 2012-07-11 | 2013-06-26 | 樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いた光半導体装置 |
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