JP2014018100A - バイオマスからの酢酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマスの原料懸濁液を連続一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の加水分解処理懸濁液から分離した一次加水分解処理液を加水分解処理の温度及び圧力を保った状態で取り出し、取り出した一次加水分解処理液を培養槽に移送し前記培養槽内で酢酸生成菌を用いて酢酸を製造する方法において、培養槽へ供給される一次加水分解処理液に含まれるフルフラール濃度を0.5質量%以下に維持して酢酸を製造する。
【選択図】 図1
Description
を培養し酢酸を製造する方法(特許文献4)、リグノセルロースの加水分解物にCystein・HCl・H2Oを0.05〜0.1g/L添加した培地でClostridium thermoaceticumを培養し酢酸を製造する方法(特許文献5)が報告されている。しかし、工業的規模での酢酸の生産を目指す場合、連続的な方法で効率的に酢酸を生産する必要があり、さらに効率的な酢酸の製造方法の開発が望まれている。
本発明で用いるバイオマスとしては、六炭糖及び(又は)五炭糖を構成糖として含む材料であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、木質系原料であれば、樹木、林地残材、間伐材、廃材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生するおが屑、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、広葉樹、針葉樹共に用いることができる。草本系として、ケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等のリグノセルロース系バイオマスが挙げられる。また、バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等を原料として利用することができる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであっても用いることができる。バイオマスが乾燥固形物または水分を含んだ固形物であれば、水と混合させスラリー状態にした後に、加水分解反応装置に供給することが好ましい。
本発明の方法で用いる一次加水分解装置は、連続的にバイオマスを加圧・加熱条件下に加水分解処理することができると共に、加水分解処理されたバイオマスと単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類及びその他の有機酸等の加水分解生成物を含む水溶液とよりなる加水分解処理懸濁液から、加水分解処理温度と圧力を維持した状態の加水分解生成物を含む水溶液よりなる加水分解処理液を連続的に分離して取り出すことができる加圧、加熱加水分解処理装置である。
このように2箇所以上の中間取出口を設け、各々の中間取出口から加水分解処理液を取り出すと同時に水性液供給口から水性液を一次加水分解装置内へ供給することにより合計量としてオリゴ糖類、単糖類、フルフラール類の収率が向上する。
本発明の方法において、一次加水分解装置R1内での加水分解処理は、加圧下における熱水処理、酸処理、アルカリ処理等の方法を用いて行うことができるが、生成する単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を効率的に回収するためには、加圧、加熱状態の水又は酸水溶液を用いた処理が望ましい。加圧、加熱状態の水による処理の場合、バイオマスを水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理の方法としては、バイオマスを酸を含む水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理で用いる酸は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等を用いることができる。
加水分解処理の温度としては、120〜250℃で行うことができるが、140〜230℃が好ましく、150〜180℃がより好ましい。
加水分解処理の圧力は、0.35MPa〜2.8MPaであることが好ましい。
バイオマスと混合する水性液体とバイオマスの質量比(水性液体/バイオマス)は2〜8の範囲が好ましい。バイオマスと水性液体を混合して水性懸濁液原料を調製し、加水分解装置に供給して加水分解装置内で所定の温度と圧力で加水分解処理する。
以上の条件下での加水分解処理により、セルロースを主体とする加水分解処理バイオマスと、バイオマス由来の加水分解生成物であるフルフラール、オリゴ糖類、単糖類などを含有する加水分解処理液よりなる加水分解処理懸濁液が得られる。
また、管路7によって蒸解工程に送られてパルプの製造原料として用いることができるので、本発明の加水分解方法は、溶解パルプ製造工程でクラフト蒸解の前工程である前加水分解工程とすることもできる。
本発明の方法で用いる培養装置は、連続的あるいは断続的に酢酸生成菌を培養することができる連続式あるいはバッチ式の培養装置であれば制限なく使用することができる。培養装置の形態は特に限定されない。
本発明の方法において、前記一次加水分解処理液を酢酸生産菌の基質として用いる。前記一次加水分解処理液への栄養源の添加は必須ではないが、必要に応じて酢酸生成菌の生育に必要な栄養源を添加することが望ましい。前記栄養源は、酢酸生成菌が生育し酢酸の生産に適した栄養源であれば特に制限なく用いることができる。
培養槽REの供給口4から供給する一次加水分解処理液に含まれるフルフラール濃度を0.5質量%以下になるように制御することにより、フルフラールが酢酸生産菌に対して及ぼす阻害作用が抑制されて、酢酸生成菌によるオリゴ糖、単糖等からの酢酸への変換が促進される。また、フルフラールを低濃度に維持することにより、フルフラールと糖類(オリゴ糖、単糖)の副反応が抑制されて、酢酸の収率が向上する。
また、二次加水分解処理の前工程、あるいは後工程として、例えば、加水分解処理液(オリゴ糖、単糖、フルフラールを主成分として含む)に含まれるフルフラールを減圧蒸留装置、フラッシュタンク、フラッシュサイクロン等の装置により加水分解処理液からフルフラール(気相)を除去(分離)しておくこともできる。
ユーカリ・ペリータのチップ(厚さ2mm)とイオン交換水とを、チップ(乾燥)1質量部に対してイオン交換水5質量部の割合で混合して原料バイオマスを含有する原料懸濁液を調製した。
図1に示す一次加水分解装置R1(木村化工機製)の頂部供給口に接続している原料懸濁液供給管路1から上記原料懸濁液を連続的に400質量部/時で供給し、一次加水分解装置R1で140℃、0.36MPaで加水分解処理を行い、加水分解処理された原料懸濁液を加水分解装置の底部排出口より減圧バルブVPを開いて加水分解処理懸濁液排出管路2に連続的に排出した。加水分解装置内の滞留時間は3時間に設定した。
装置底部の洗浄液供給装置Wから洗浄水供給管路6により洗浄水を400質量部/時で供給して、加水分解装置の中央部における目開き80μmのステンレス製金網(固液分離装置S)が設置されている一次加水分解装置R1の中央部の中間取出口Gから下方に移動する加水分解処理懸濁液と向流接触させた。
原料懸濁液の供給開始3時間後から、中間取出口G(加水分解処理時間1.5時間の位置)より、加水分解装置内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理懸濁液から一次加水分解処理液(260質量部/時)を一次加水分解処理液取出管路3の減圧バルブVPを開いて取り出し、冷却器COへ移送し一次加水分解処理液の温度が60℃になるまで冷却した。
冷却した一次加水分解処理液を培養槽REへ移送し、一次加水分解処理液に培地A(下記)を添加し、培養槽RE内の培地(一次加水分解処理液を含む)の最終液量が50Lになるように調製した。液量を調製した時点で管路3の減圧バルブVPを閉じた。培地A(1L当り):KH2PO4 、1.5g、Na2HPO4・12H2O 4.2g、NH4Cl 0.5g、MgCl2・6H2O、酵母エキス2g、レサズリン(0.1%溶液)1ml、NaOH(0.2N)200ml、Na2S・9H2O 2.5g、Cysteine・H2O、ビオチン20mg、p−アミノ安息香酸50mg、葉酸20mg、パントテン酸カルシウム50mg、ニコチン酸50mg、ビタミンB12 1.0mg、塩酸チアミン5mg、塩酸ピリドキシン100mg、チオクト酸50mg、リボフラビン5mg、ニトリロ三酢酸1.5g、MgSO4・7H2O 3g、MnSO4・H2O 500mg、NaCl 1g、FeSO4・7H2O 100mg、Co(NO3)2・6H2O 100mg、CaCl2 100mg、ZnSO4・7H2O 100mg、CuSO4・5H2O 10mg、AlK(SO4)210mg、ホウ酸10mg、Na2MoO4・2H2O 10mg、Na2SeO3 1mg。
次に、培養槽RE内を窒素ガスで置換し嫌気状態にした後、予め前培養したClostridium thermocellum(ATCC27405)、及びClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を各々密度が1x108/mlになるように前記培地に添加し、60℃で培養を開始した。24時間培養後、一次加水分解処理液(260質量部/時)を培養槽REの供給口4から連続的に添加した。また、培地Aの10倍濃縮液(20質量部/時)を培養槽RE内に連続的に供給した。一方、培養槽RE内の培養液(280質量部/時)を培養槽REの排出口5から連続的に排出した。
培養槽REの供給口4へ供給される一次加水分解処理液、及び培養槽REの排出口5から排出される培養液に含まれるフルフラール類、全糖、酢酸、ギ酸の含有量を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
試料溶液に最終濃度が4質量%となるように硫酸を添加し、120℃で1時間加水分解を行った後、糖分析を実施し、試料中の各単糖の含有量を求め、その合計値を全糖量とした。
[フルフラール類の定量]
フルフラール類の定量にはAgilent Technоlоgies社製HPLCシステムを用いた。カラムは、Bio−Rad社製Aminex HPX87P(7.8 X 300mm)を用い、5mM硫酸を溶離液とし、1ml/minの流速でフルフラール類を溶出させた。検出にはUV−Vis検出器を用いた。フルフラール類の標品として、フルフラールを用い、検量線を作成し、試料中の含有量を求めた。
[有機酸(酢酸、ギ酸)の定量]
酢酸及びギ酸の定量にはAgilent Technоlоgies社製HPLCシステムを用いた。カラムは、Bio−Rad社製Aminex HPX87P(7.8 X 300mm)を用い、5mM硫酸を溶離液とし、1ml/minの流速で酢酸、ギ酸を溶出させた。検出にはUV−Vis検出器を用いた。酢酸、ギ酸を標品として検量線を作成し、試料中の含有量を求めた。
一次加水分解装置R1で150℃、0.48MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で160℃、0.62MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で170℃、0.79MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で180℃、1.00MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で200℃、1.56MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で230℃、2.80MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
一次加水分解装置R1で250℃、3.98MPaで加水分解処理を行なった以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
製造例1において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例2において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例2と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例3において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例3と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例4において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例4と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例5において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例5と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例6において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例6と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例7において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例7と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例8において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例8と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例9において、酢酸生成菌としてClostridium thermocellum(ATCC27405)を単独で用いた以外は全て製造例9と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
製造例1において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例1と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例2において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例2と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例3において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例3と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例4において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例4と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例5において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例5と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例6において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例6と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例7において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例7と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例8において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例8と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
製造例9において、酢酸生成菌としてClostridium thermoaceticum(ATCC35608)を単独で用いた以外は全て製造例9と同様の方法で実施した。結果を表3に示す。
2:加水分解処理懸濁液排出管路
3:一次加水分解処理液取出管路
4:培養槽の供給口
5:培養槽の排出口
6:洗浄液供給管路
7:固形分移送管路
A:原料懸濁液供給口
B:加水分解処理懸濁液排出口
R1:連続式の一次加水分解装置
G:中間取出口
S:固液分離装置
RE:培養槽
W:洗浄液供給装置
V:バルブ
VP:減圧バルブ
Claims (3)
- バイオマスの原料懸濁液を連続一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の加水分解処理懸濁液から分離した一次加水分解処理液を加水分解処理の温度及び圧力を保った状態で取り出し、取り出した一次加水分解処理液を培養槽に移送し前記培養槽内で酢酸生成菌を培養して酢酸を製造する方法において、前記培養槽へ供給される一次加水分解処理液に含まれるフルフラール濃度を0.5質量%以下に維持して前記酢酸生成菌を培養することを特徴とするバイオマスからの酢酸の製造方法。
- 前記一次加水分解装置の前記排出口の近傍から水性洗浄液を一次加水分解処理装置内に供給して前記固−液分離装置を備えた中間取出口と前記排出口との間で加水分解処理懸濁液と向流接触させることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスからの酢酸の製造方法。
- 前記酢酸生成菌がClostridium属細菌であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバイオマスからの酢酸の製造方法。
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