JP2014018832A - 金属線入り成形はんだ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テープ状はんだ1に、はんだより融点の高い少なくとも2本の線材2を、テープ状はんだ1の両側端部に沿ってその側端から所定の距離でもって圧入するとともに、線材2の表面の一部が露出するように圧入してなる金属線入り成形はんだ10において、線材2は、予めはんだで被覆された金属線である。
【選択図】図1
Description
このことは、例えば発熱の大きなパワートランジスタなどの半導体チップやモジュールなどの電子部品と放熱板などとの接合において、電流のオン・オフによって大きな温度差が生じるので、特に重要である。放熱の面からは熱伝導性の劣るはんだはできる限り薄い方が良い。
しかしながら、スペーサーとしての上記線材は、接合には寄与しないものであり、特に特許文献1のように線材がはんだ層の中に埋設されていると、線材が所定の位置にあるか否かが外観から確認することができない。そのため、パワートランジスタなどの半導体チップやモジュールなどの電子部品を実装した後になって、その傾きの発生から線材が端部にないことが初めてわかるといった事態になる恐れがある。
これは、金属線入り成形はんだの製造において金属線に表面処理を行っていないと、金属線とテ−プ状はんだとの一体化(一体的結合)が十分でないことが主たる原因である。
図7は、表面処理を行っていない金属線入り成形はんだの断面を拡大した模式断面図である(但し、1本の金属線部分の断面を示す。以下の図3〜9において同じ。)。図7に示すように、金属線2とテープ状はんだ1との境界には空隙5が認められる。このような状態である場合、金属線を圧入した面(図7において上面)を内側としてテープ状はんだを曲げても一体化している。しかし、金属線を圧入した面を外側としてテープ状はんだを曲げると容易に金属線が脱落する。図8は、金属線が脱落した後のテープ状はんだの断面図を示したものである。
金属線の脱落は、テープ状はんだを曲げた場合以外にも生じることがあり、例えば、はんだペレットとするために切断や打ち抜きを行う際にはさらに脱落が生じやすい。すなわち、長尺であるテープ状はんだの場合には、局部的にテープ状はんだと金属線とが一体化していれば脱落しない。しかし、小片であるペレットでは、テープ状はんだと金属線とが一体化していなければ、切断や打ち抜きの衝撃で容易に脱落してしまうのである。
はんだに使われる錫や鉛は、熱伝導性が劣る金属である。したがって、半導体チップやモジュールなどの電子部品と放熱板などの接合に使われるはんだペレットは、厚さが薄いほど放熱に優れる。このため、スペーサーとなる金属線の直径は細く100μm前後である。このように細い線は脱落しても視認が困難である。また、たとえ注意深い観察によって金属線の脱落を確認することができたとしても、量産工程において個々のはんだペレットを逐次検査することは、生産性を損なうことになる。
はんだ付けする際には、母材と同様に金属線表面へもぬれを生じる必要がある。金属線表面がはんだでぬれる前にはんだ付けが終了してしまうと、図9のように空隙(ボイド)5が発生してしまう。これが熱抵抗となり、熱伝導の妨げとなる。
また、本発明の金属線入り成形はんだの製造方法によれば、上記の効果を有する成形はんだを精度良く、かつ安価に提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る金属線入り成形はんだ10の概要を示す平面図(a)と断面図(b)である。
この金属線入り成形はんだ10は、テープ状はんだ1(板状はんだも含めて「テープ状はんだ」と略称する)に、はんだより融点の高い少なくとも2本の線材2を、テープ状はんだ1の両側端部に沿って長手方向に圧入して構成されている。線材2は、予めはんだで被覆された金属線を用いる。例えば、溶融はんだめっきされた金属線を用いることが好ましい。なお、線材2は、2本もしくはそれ以上の本数でもよいが、その場合でもテープ状はんだ1の両側端部に各側端から所定の距離でもってそれぞれ1本ずつ線材2が圧入されていることが必要である。
また、使用する被覆はんだ3は、テープ状はんだ1と同じ組成、もしくは近似した組成を用いる。近似した組成としては、例えば、テープ状はんだ1の組成がSn−Cu−Ni−P系に対して被覆はんだ3はSn−Cu系がある。しかし、両者の組成が異なっていても軟質のはんだであれば一体化できるため、同一組成でなくても同様の効果が得られる。例えば、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Sb系など、様々なはんだ合金が利用できる。
また、金属線入り成形はんだ10の製造方法によれば、上記の効果を有し、かつ安価で精度のよい金属線入り成形はんだ10が得られる。
図2は、本発明の実施の形態2に係る金属線入り成形はんだ10の概要を示す平面図(a)と断面図(b)である。
本実施の形態2に係る金属線入り成形はんだ10は、線材2として表面が粗化されている金属線をテープ状はんだ1に圧入するものである。すなわち、実施の形態1のはんだ3で被覆した線材2に代えて、表面が粗化された線材(金属線)2を用いるものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。
金属線の表面を粗化する方法としては、粗い研磨材で擦って粗らしたり、化学的なエッチングにより表面を粗化する。粗化による表面の微細な凹凸が、圧入時のはんだへの食い付きを改善し、毛細管現象によりはんだ付時のワイヤ表面へのぬれを改善する。これらの効果を考慮すると、研磨紙で#200〜800程度の粗さが望ましい。
また、実施の形態2に係る金属線入り成形はんだ10の製造方法においても、表面が粗化された線材2をテープ状はんだ1の表面に両側端部に沿って配線し、ついで、圧延機によりその線材2をテープ状はんだ1に圧入することで、製造するものである。
本実施の形態2においては、表面が粗化された線材2であるため、線材2とテープ状はんだ1との結合強度を高めることができ、両者の一体化が可能になる。
したがって、本実施の形態2においても、実施の形態1とほぼ同様の効果を奏する。
実施例1における線材および成形はんだの仕様は以下のとおりである。
・線材:ニッケル線(圧延前の線径:80μm)
はんだめっき(めっき厚:平均1μm)
・成形はんだ:厚さ(0.1mm)×幅(12mm)×長さ(数十m、リール巻き)
実施例1は、上記のように、圧延前のニッケル線を予めはんだめっきした後、テープ状はんだの両側端部に沿って配線した後、圧延機により圧延したものである。
図4は、実施例1による成形はんだのペレットを溶融し凝固した後の断面を示したものである。ニッケル線がスペーサーとなってはんだの厚みを維持していることが分かる。また、ニッケル線とはんだとが良く接合されていることも分かる。図中、20はこの成形はんだにより接合された被接合材である。
実施例2における線材および成形はんだは、比較のため実施例1と同じ寸法のものを使用した。その仕様は以下のとおりである。
・線材:ニッケル線(圧延前の線径:80μm)
表面の粗さ(♯200〜♯400の研磨紙を使用)
・成形はんだ:厚さ(0.1mm)×幅(12mm)×長さ(数十m、リール巻き)
実施例2は、上記のように、圧延前のニッケル線の表面を予め研磨紙にて粗化した後に、テープ状はんだの両側端部に沿って配線した後、圧延機により圧延したものである。
図6は、実施例2による成形はんだのペレットを溶融し凝固した後の断面を示したものである。実施例2においても、ニッケル線がスペーサーとなってはんだの厚みを維持していることが分かる。また、ニッケル線とはんだとが良く接合されていることも分かる。
それぞれの成形はんだにはニッケル線が2本圧入されており、それぞれ20回切断を行った。
表1にみられるように、紙やすりで表面を粗化させたニッケル線は、何も表面処理を行っていないニッケル線と比較し、ニッケル線が外れる確率が半減した。表面にはんだめっきを施したニッケル線は1本も外れることがなく、最も良好な密着性がみられた。
2 線材(金属線)
3 被覆はんだ
4 露出部
5 空隙
6 合金層
10 金属線入り成形はんだ
20 被接合材
Claims (5)
- テープ状はんだに、はんだより融点の高い少なくとも2本の線材を、前記テープ状はんだの両側端部に沿ってその側端から所定の距離でもって圧入するとともに、前記線材の表面の一部が露出するように圧入してなる金属線入り成形はんだにおいて、
前記線材は、予めはんだで被覆された金属線である
ことを特徴とする金属線入り成形はんだ。 - 前記線材は、はんだめっきされた金属線である
ことを特徴とする請求項1に記載の金属線入り成形はんだ。 - テープ状はんだに、はんだより融点の高い少なくとも2本の線材を、前記テープ状はんだの両側端部に沿ってその側端から所定の距離でもって圧入するとともに、前記線材の表面の一部が露出するように圧入してなる金属線入り成形はんだにおいて、
前記線材は、表面が粗化された金属線である
ことを特徴とする金属線入り成形はんだ。 - 請求項1または2に記載の金属線入り成形はんだを製造する方法において、
予めはんだで被覆された金属線を、テープ状はんだの表面に両側端部に沿って配線する工程と、
圧延機により前記配線された金属線を前記テープ状はんだに圧入する工程と、
を有する
ことを特徴とする金属線入り成形はんだの製造方法。 - 請求項3に記載の金属線入り成形はんだを製造する方法において、
表面が粗化された金属線を、テープ状はんだの表面に両側端部に沿って配線する工程と、
圧延機により前記配線された金属線を前記テープ状はんだに圧入する工程と、
を有する
ことを特徴とする金属線入り成形はんだの製造方法。
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