JP2014019347A - 車両のランプ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のランプECUを接続する制御ラインに障害が生じた場合でも制御信号の伝送を可能にしてランプ制御のフェイルセイフを確保する。
【解決手段】少なくとも2つのランプLHL,RHLと、各ランプにそれぞれ設けられたマスターECU100,スレーブECU200を備え、これらランプECUを複数本の制御ラインL1,L2で接続してマスターECU100からスレーブECU200にランプ制御信号を伝送する。制御ラインL1,L2を監視するとともに、重要度の高いランプ制御信号が割り当てられている制御ラインL1に異常が生じたときに、当該重要度の高いランプ制御信号を正常な制御ラインL2に切り替えて割り当てるライン監視・設定手段105を備える。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも2つのランプLHL,RHLと、各ランプにそれぞれ設けられたマスターECU100,スレーブECU200を備え、これらランプECUを複数本の制御ラインL1,L2で接続してマスターECU100からスレーブECU200にランプ制御信号を伝送する。制御ラインL1,L2を監視するとともに、重要度の高いランプ制御信号が割り当てられている制御ラインL1に異常が生じたときに、当該重要度の高いランプ制御信号を正常な制御ラインL2に切り替えて割り当てるライン監視・設定手段105を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は自動車等の車両に配設される複数のランプの点灯・消灯や配光等の各種制御を行うためのランプ制御装置に関し、特に障害発生時のフェイルセイフを可能にしたランプ制御装置に関するものである。
近年の車両、特に自動車では、ヘッドランプの点消灯、配光、ランプ照射方向等の各種ランプ制御を行うために専用の電子回路ユニット(以下、ランプECUと称する)が設けられている。このランプECUは車両の走行に伴って車両に設けたスイッチや各センサから順次出力されてくるスイッチ信号や、車速や操舵角等の各種検出信号に基づいてランプ制御を実行し、当該走行の状況に適した点灯状態に制御することが可能とされている。このランプECUは個々のランプにそれぞれ対応して設けられるが、例えば左右のヘッドランプに設けた各ランプECUがそれぞれ独立して動作すると、左右のヘッドランプのランプ制御に食い違いが生じることがあり好ましくない。そのため、特許文献1では自動車の左右に設けられたヘッドランプの一方に配設したランプECUをマスターECUとして構成し、他方のヘッドランプに配設したランプECUをスレーブECUとして構成し、マスターECUにおいて主となる処理を行って得られた制御信号に基づいて自身側の一方のランプを制御すると同時に、当該得られた制御信号をスレーブECUに伝送し、この伝送した制御信号に基づいてスレーブECUにより他方のランプを制御する技術が提案されている。このように一方のヘッドランプに設けたマスターECUからスレーブECUに制御信号を伝送することで、同じ制御信号に基づいて左右のヘッドランプを一体的にランプ制御することが可能になる。
この特許文献1のようなマスター・スレーブ方式を採用したランプ制御装置では、マスターとスレーブの各ランプECU間での制御信号の伝送をLIN(Local Interconnect Network)通信で行っており、そのために両ランプECUをLINラインとして構成された制御ライン(ハーネス)で接続している。そして、複数のランプ制御、例えばヘッドランプの点消灯を制御する点灯状態制御、ロービームやハイビーム等の配光を制御する配光制御、ランプ光軸を水平左右方向に偏向制御するスイブル制御、ランプ光軸を鉛直上下方向に偏向制御するレベリング制御等を行うランプ制御装置では、これら各制御信号を伝送するために両ランプECUを2本の制御ラインで接続し、1本をスイブル制御専用の制御ラインとし、他の1本を点灯状態制御およびレベリング制御の制御用の制御ラインとして構成している。これは、スイブル制御は車両の走行に伴って頻繁に行われて当該スイブル制御信号の時間当たりの伝送容量が大きいため、1本の制御ラインを伝送容量の大きなスイブル制御用に専用化するためである。その一方で点灯制御、配光制御、レベリング制御は制御の頻度が少なくてこれらの制御信号の時間当たりの伝送容量が小さいため、他の1本の制御ラインで点灯制御、配光制御、レベリング制御を行うようにしている。
しかし、このようにランプ制御のための複数の制御信号を2本の制御ラインに割り当てると、制御ラインが断線、地絡する等の障害が生じたときにランプ制御のフェイルセイフが確保されなくなるという問題が生じる。スイブル制御用の制御ラインに障害が生じたときにはスイブル制御が行われなくなるが、そのときにはランプ光軸を所定位置に固定してしまえば以降において特に問題になることは少ない。一方、他の制御ラインに障害が生じたときには、レベリング制御についてはスイブル制御と同様に所定位置に固定してしまえば特に問題になることは少ないが、点灯制御や配光制御、特に点灯制御が行われなくなると、ランプを点灯することができなくなる状況が生じ、安全走行の点で極めて重要な問題が生じることになる。
本発明の目的は複数のランプECUを接続する制御ラインに障害が生じた場合でも安全走行に必要とされるランプ制御用の制御信号の伝送を可能にしてフェイルセイフを確保することが可能な車両のランプ制御装置を提供するものである。
本発明は、少なくとも2つのランプと、各ランプにそれぞれ設けられたランプ制御手段とを備え、これらランプ制御手段を複数本の制御ラインで接続して当該制御ラインを介して1つのランプ制御手段から他のランプ制御手段にランプ制御信号を伝送する車両用ランプ制御装置であって、制御ラインを監視するとともに、重要度の高いランプ制御信号が割り当てられている制御ラインに異常が生じたときに、当該重要度の高いランプ制御信号を正常な制御ラインに切り替えて割り当てるライン監視・設定手段を備えることを特徴とする。このライン監視・設定手段は、異常が生じた制御ラインに割り当てられていた重要度の低いランプ制御を停止又は抑制する構成となる。
本発明は、具体的には、車両に配設された2つのヘッドランプと、一方のヘッドランプに設けられたマスターランプ制御手段と、他方のヘッドランプに設けられたスレーブランプ制御手段を備え、これらのランプ制御手段を第1および第2の制御ラインで接続し、当該制御ラインを介してマスターランプ制御手段からスレーブランプ制御手段にランプ制御信号を伝送する車両用ランプ制御装置であって、第1と第2の制御ラインを監視するとともに、ヘッドランプの点灯・消灯を制御するための点灯制御信号が割り当てられている第1制御ラインに異常が生じたときに、当該点灯制御信号を正常な第2制御ラインに切り替えて割り当てるライン監視・設定手段を備えることを特徴とする。
ライン監視・設定手段は、第2制御ラインにランプ光軸を左右に偏向制御するためのスイブル制御信号を割り当てており、点灯制御信号を当該第2制御ラインに割り当てたときに、スイブル制御信号の伝送を停止し、またはその伝送容量を低減させる構成とする。さらに、ライン監視・設定手段は、第1制御ラインに点灯制御信号の他に配光制御信号とレベリング制御信号の少なくとも一つを割り当てる構成とする。
本発明によれば、車両の安全走行における重要度の高いランプ制御が割り当てられている制御ラインが異常と判定されたときには、他の正常な制御ラインに割り当てられているランプ制御を停止または抑制し、当該正常な制御ラインに当該重要度の高いランプ制御を割り当てる。これにより、正常な制御ラインを用いて1つのランプ制御手段から他のランプ制御手段に重要度の高いランプ制御の制御信号を伝送することが確保でき、フェイルセイフを確保したランプ制御が実現できる。
すなわち、本発明を車両に配設された2つのヘッドランプに適用した場合には、一方のヘッドランプに設けられたマスターランプ制御手段と、他方のヘッドランプに設けられたスレーブランプ制御手段を第1および第2の制御ラインで接続し、第1と第2の制御ラインを監視するとともに、ランプ制御に際して重要度の高いヘッドランプの点灯・消灯を制御するための点灯制御信号が割り当てられている第1制御ラインに異常が生じたときに、当該点灯制御信号を正常な第2制御ラインに切り替えて割り当てるので、最低でも2つのヘッドランプの点灯状態を保持するという点灯制御を確保することができ、フェイルセイフを確保したランプ制御が実現できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車の左右のヘッドランプLHL,RHLについて、その点消灯を行う点灯制御と、ランプの配光をハイビーム配光とロービーム配光に切替えて制御する配光制御と、ランプ光軸を水平左右に偏向制御するスイブル制御と、ランプ光軸を鉛直上下方向に偏向制御するレベリング制御を行うランプ制御装置に適用した実施形態の概念構成図である。図1には表れない自動車の前部の左右に右ヘッドランプRHLと左ヘッドランプLHLが配設されており、左ヘッドランプLHLには左ランプECU100が配設され、右ヘッドランプRHLには右ランプECU200が配設されている。これら左右の各ランプECU100,200は後述するように各ヘッドランプLHL,RHLに設けたランプユニットの光源、可変シェード、スイブル機構、レベリング機構をそれぞれ制御することが可能とされている。そして、この実施形態では、一方のヘッドランプ、ここでは左ランプLHLに設けた左ランプECU100はマスターECUとして構成されており、他方の右ヘッドランプRHLに設けた右ランプECU200はスレーブECUとして構成されている。
前記マスターECU100は、内蔵されているCAN(Controller Area Network)インターフェース107を介してCANラインL0に接続されている。このCANラインL0は、自動車に設けた各種スイッチSWや各種センサSS、さらには図1には表れないが自動車の総合的な制御を行う車両ECUが接続されている。また、マスターECU100とスレーブECU200はそれぞれに設けたLINインターフェース106,206を介して第1および第2の制御ラインL1,L2によって相互に接続されている。これら第1と第2の制御ラインL1,L2はLINラインとして構成されており、マスターECU100とスレーブECU200の間で制御信号を伝送することが可能とされている。
前記CANラインL0に接続されている各種スイッチSWについての説明は省略するが、例えばイグニッションスイッチ、ヘッドランプを点灯・消灯するためのランプ点灯スイッチ、ヘッドランプの配光をロービーム配光とハイビーム配光に切り替えるためのディマースイッチが設けられる。また、各種センサSSについての説明も省略するが、例えば撮像カメラCAMで撮像した映像に基づいて他車等を検出する他車両検出センサ、自車両の車速を検出する車速センサ、自車両の操舵方向を検出する操舵角センサ、自車両の前後の車高を検出して自車両の傾き角、すなわちピッチ角を検出するための車高センサが設けられる。これら各種スイッチSWの切替信号や、各種センサSSの検出信号はそれぞれCANラインL0を通して図示を省略した車両ECUに入力され、ここで所定の処理が行われて第1次のランプ制御信号が生成され、この生成された第1次のランプ積信号は前記CANラインL0を通して前記マスターECU100に入力される。
前記左右のヘッドランプLHL,RHLは左右が対称であることを除けば同じ構成である。図2は左ヘッドランプLHLの概略構成を示す縦断面図であり、前面を開口した容器状のランプボディ11と、このランプボディ11の前面開口に取着される透光性の前面カバー12とでランプハウジング1が構成されており、このランプハウジング1内にプロジェクタ型のランプユニット2が内装されている。このランプユニット2はランプベース21上に光源としてのLED22が搭載されるとともに、このLED22を覆うように回転楕円面の一部で構成されたリフレクタ23が配設されている。また、ランプベース21の前端部には照射レンズ24が支持されるとともに、この照射レンズ24と前記リフレクタ23との間に可変シェード3が配設されている。
このランプユニット2では、LED22が発光したときに出射された光をリフレクタ23により前方に向けて反射し、当該リフレクタ23で反射された反射光ないしLED22から直接出射された光を照射レンズ24によりランプユニット2の前方に向けて照射する。また、可変シェード3を制御することによりLED22から出射した光の一部を遮光し、あるいは遮光することなく照射レンズ24に入射する光束を制御し、ハイビーム配光とロービーム配光を切り替えることができる。前記可変シェード3は支点31を中心にして上下方向に傾動されるシェード体32と、このシェード体32を駆動するソレノイドアクチュエータ等のシェードアクチュエータ33で構成されており、シェードアクチュエータ33によってシェード体32はLED22から出射される光の光路に対して進退され、進出したときに遮光を行ってロービーム配光とし、後退したときに遮光することなくハイビーム配光とする。
前記ランプユニット2はランプハウジング1内において支点61においてランプ前後方向に傾動可能に軸支された傾動フレーム6に搭載されている。この傾動フレーム6の一部にはレベリング機構4が連結されており、このレベリング機構4が駆動されたときに傾動フレーム6をランプ前後方向に傾動してランプユニット2のランプ光軸Lxを上下方向に偏向制御することが可能とされている。レベリング機構4は、ここでは軸転するスクリューロッド42を有してランプボディ11に固定支持されたモータ41を有しており、スクリューロッド42に螺合されたナット43を前記傾動フレーム6に取着することで、スクリューロッド42の軸転に伴ってナット43を螺進させ、これと共に傾動フレーム6を傾動させる公知の構成を採用している。
また、前記ランプユニット2は水平方向に回動するスイブル機構5に連結されており、このスイブル機構5が駆動されたときにランプユニット2のランプ光軸Lxを左右方向に偏向制御することが可能とされている。スイブル機構5は前記傾動フレーム6の下面部に支持されたスイブル駆動ユニット51を有しており、このスイブル駆動ユニット51の回転出力軸52を前記ランプユニット2のベース21に連結したものである。回転出力軸52の回転により、これと一体的にランプユニット2は傾動フレーム6の下面部上において左右方向に偏向動作される。
そして、前記マスターECU100はランプハウジング1内に配設されており、当該マスターECU100によって前記LED22の点灯・消灯の点灯制御、前記可変シェード3による配光制御、前記レベリング機構4によるレベリング制御、前記スイブル機構5によるスイブル制御を実行するようになっている。このことは右ヘッドランプRHLについても同じであり、図1に示した右ヘッドランプRHLのランプハウジング1内にスレーブECU200が配設されており、このスレーブECU200によって右ヘッドランプRHL内のランプユニット2に対してLED22の点灯制御、可変シェード3による配光制御、レベリング機構4によるレベリング制御、スイブル機構5によるスイブル制御を実行するようになっている。
図1に示すように、前記マスターECU100は前記したCANインターフェース107およびLINインターフェース106の他に、左ヘッドランプLHLのランプユニット2のLED22を点灯制御するための点灯制御部101と、可変シェード3を制御するための配光制御部102と、レベリング機構4を制御するためのレベリング制御部103と、スイブル機構5を制御するためのスイブル制御部105を備えている。これらの制御部は前記CANラインL0を通して入力される第1次のランプ制御信号に基づいてそれぞれ点灯制御、配光制御、レベリング制御、スイブル制御を実行するための第2次のランプ制御信号を演算し、演算した第2次の各ランプ制御信号に基づいて左ヘッドランプLHLのLED22、可変シェード3、レベリング機構4、スイブル機構5の制御を実行する。なお、以降において単に制御信号と称するものは第2次のランプ制御信号のことである。
また、マスターECU100はライン監視・設定部105を備えている。このライン監視・設定部105は、後述するように第1および第2の制御ラインL1,L2の状態を監視するとともに、監視結果に基づいて第2次のランプ制御信号を前記2本の制御ラインL1,L2のいずれで伝送するかの割り当てを設定することが可能とされている。ライン監視・設定部105での監視は、ここでは所定の監視信号を制御ラインL1,L2を通してスレーブECU200に伝送し、後述するようにスレーブECU200から返送される確認信号を受信することによって制御ラインL1,L2が正常であるか異常であるかを判定する。ライン監視・設定部105での制御信号の割り当て設定は、2本の制御ラインL1,L2が正常であると判定した時には基準設定として、時間当たりの伝送容量が小さい点灯制御信号、配光制御信号、レベリング制御信号を第1制御ラインL1に割り当て、時間当たりの伝送容量が大きなスイブル制御信号のみを第2制御ラインL2に割り当てる設定を行う。また、このライン監視・設定部105では安全走行を確保する際の必要度に基づいて前記した各制御に重要度を設定している。ここではヘッドランプの点灯制御を最も高い重要度とし、次いで配光制御、レベリング制御、スイブル制御の順に重要度を設定している。
スレーブECU200も同様に点灯制御部201、配光制御部202、レベリング制御部203、スイブル制御部204を備えているが、これらの各制御部はここではマスターECU100から第1および第2の制御ラインL1,L2を通して伝送されて来る第2次の各制御信号に基づいて右ヘッドランプRHLのLED、可変シェード、レベリング機構、スイブル機構の制御を実行するように構成されており、第2次のランプ制御信号を生成する必要がない点でマスターECU100の各制御部よりも構成を簡略化することができる。また、スレーブECU200はライン監視部205を備えており、このライン監視部205は第1および第2制御ラインL1,L2を通してマスターECU100のライン監視・設定部105から伝送されて来た監視信号を確認信号として第1および第2制御ラインL1,L2を通してマスターECU100のライン監視・設定部105に返送するようになっている。
以上の構成のマスターECU100とスレーブECU200によるランプ制御を図3のフローチャートと、図4の第1および第2の制御ラインL1,L2における制御信号の伝送タイミング図を参照して説明する。この伝送タイミング図は時間軸上においてマスターECU100とスレーブECU200との間で矢印方向に信号が伝送されることを表している図である。時点t1において自動車のイグニッションスイッチがオンされると、マスターECU100はCANラインL0を通して入力される信号に基づいてこれを認識し、直ちにライン監視・設定部105から所定の監視信号をまず第1制御ラインL1を通してスレーブECU200に伝送する。スレーブECU200はライン監視部205においてこの監視信号を受信し、当該監視信号に対応した確認信号を第1制御ラインL1を通して返送する。マスターECU100のライン監視・設定部105はこの返送された確認信号を受信し、これを監視信号と対比することによって第1制御ラインL1が正常であるか否かを判定する(S11)。次いで、ライン監視・設定部105は監視信号を第2制御ラインL2を通してスレーブECU200に伝送し、スレーブECU200から第2制御ラインL2を通して返送された確認信号に基づいて第2制御ラインL2が正常であるか否かを判定する(S12)。
第1および第2の制御ラインL1,L2がいずれも正常のときには、ライン監視・設定部105は第1および第2制御ラインL1,L2を基準設定のままとする。すなわち、第1制御ラインL1により点灯制御信号、配光制御信号、レベリング制御信号を伝送し、第2制御ラインL2によりスイブル制御信号を伝送するように割り当てを設定する(S13)。
しかる上で、ランプスイッチのオン・オフ信号に基づく第1次の点灯制御信号がCANラインL0を通してマスターECU100に入力されると点灯制御部101は点灯又は消灯するための第2次の点灯制御信号を生成し、この第2次の点灯制御信号に基づいて左ヘッドランプLHLのLED22を点灯又は消灯する。これと同時に当該第2次の点灯制御信号を第1制御ラインL1を介してスレーブECU200に伝送する。スレーブECU200の点灯制御部201はこの伝送されてきた第2次の点灯制御信号に基づいて右ヘッドランプRHLのLEDを点灯又は消灯する(S14)。
配光制御についても同様であり、ディマースイッチのオン・オフ信号に基づく第1次の配光制御信号がCANラインL0を通してマスターECU100に入力されると、配光制御部102が第2次の配光制御信号を生成し、この配光制御信号に基づいて左ヘッドランプLHLの可変シェード3を制御する。この制御では、アクチュエータ33によってシェード体32の傾動位置を設定し、LED22から出射された光の一部を遮光し、あるいは遮光しないようにすることでロービーム配光又はハイビーム配光に制御する。これと同時に第2次の配光制御信号を第1制御ラインL1を介してスレーブECU200に伝送することで、スレーブECU200の配光制御部202は右ヘッドランプRHLの可変シェードを制御して配光制御を実行する。
レベリング制御については、車高センサから検出されるピッチ角に基づいて得られる第1次のレベリング制御信号がCANラインL0を通してマスターECU100入力されると、マスターECU100のレベリング制御部103が第2次のレベリング制御信号を生成し、このレベリング制御信号に基づいて左ヘッドランプLHLのレベリング機構4を制御する。この制御では、モータ41でスクリューロッド42を軸転し、ナット43を前後方向に移動して傾動フレーム6の傾動角度を調整することでランプ光軸Lxを上下方向に偏向制御してレベリング制御を実行する。これと同時に第2次のレベリング制御信号を第1制御ラインL1を介してスレーブECU200に伝送することで、スレーブECU200のレベリング制御部203が右ヘッドランプRHLのレベリング機構を制御してレベリング制御を実行する(S14)。
さらに、操舵角センサから検出される操舵角がCANラインL0を通してマスターECU100に入力されると、マスターECU100のスイブル制御部104が第2次のスイブル制御信号を生成し、左ヘッドランプLHLのスイブル機構5を制御する。この制御ではスイブル駆動ユニット51により回転出力軸52を軸転させることで、これに連結されているランプユニット2を水平方向に回動し、ランプ光軸Lxを左右方向に偏向制御してスイブル制御を実行する。これと同時に得られたスイブル制御信号を、ここでは第2制御ラインL2を介してスレーブECU200に伝送する。スレーブECU200のスイブル制御部204はこの第2次のスイブル制御信号を受けて右ヘッドランプRHLのスイブル機構を制御してスイブル制御を実行する(S15)。
なお、各ECU100,200の各制御部におけるそれぞれの制御において、特にレベリング制御とスイブル制御においては、各ヘッドランプLHL,RHLに設けたレベリング機構とスイブル機構から出力されてくる検出信号に基づいてこれらをフィードバック制御するように構成することが可能であることは言うまでもない。
このように、第1と第2の制御ラインL1,L2がいずれも正常のときには、点灯制御、配光制御、レベリング制御については第1制御ラインL1を介して各制御信号を伝送して各制御を実行し、スイブル制御については第2制御ラインL2を介してスイブル制御信号を伝送してスイブル制御を実行している。これは図4の伝送タイミング図から判るように、スイブル制御は操舵変化に追従した制御であって時間軸上での制御頻度が高く、時間当たりの伝送容量が大きいため、第2制御ラインL2をスイブル制御の専用ラインとして割り当てている。一方、点灯制御、配光制御、レベリング制御はスイブル制御に比較して時間軸上での制御頻度が低く、時間当たりの伝送容量が小さいため、これらの制御信号を第1制御ラインL1で共用して伝送するように割り当てている。これにより、点灯制御、配光制御、レベリング制御、スイブル制御をそれぞれ好適に実行することができる。
ステップS11において第1制御ラインが正常であるが、ステップS12において第2制御ラインL2が異常であると判定したとき、すなわち第2制御ラインL2が断線、地絡する等して第2制御ラインL2を通して返送された確認信号がマスターECU100にまで伝送されず、あるいは伝送された場合でも監視信号と一致しないときには、スイブル制御については停止するとともに(S16)、ステップS13での第1および第2の制御ラインL1,L2の基準設定を行った上で、第1制御ラインL1による点灯制御、配光制御、レベリング制御はそのまま継続する。このスイブル制御の停止は、例えば、ランプ光軸Lxを現在のスイブル角位置に固定する、あるいは予め設定していたデフォルトのスイブル角位置に制御することが考えられる。また、このスイブル制御の停止は、左右ヘッドランプLHL,RHLの光照射の整合性を得るために、第2次のスイブル制御信号を伝送することができないスレーブECU200側の右ヘッドランプRHLはもとより、第2次のスイブル制御信号が得られているマスターECU100側の左ヘッドランプLHLについても行うことが好ましい。これにより、以降はスイブル制御は行われないが、安全走行に最低限必要とされる左右のヘッドランプの点灯制御ないし配光制御は確保される。また、レベリング制御も確保される。
一方、ステップS11において第1制御ラインL1が異常と判定したときには、ステップS21において第2制御ラインL2が正常であるか否かを判定する。第2制御ラインL2も異常であると判定したときには、ライン監視・設定部105は警報信号を出力する(S25)。これにより、運転者は左右のヘッドランプLHL,RHLが正常にランプ制御されない状態にあることを認識し、適切な対応をとることになる。
また、ステップS21において第2制御ラインL2が正常であると判定したときには、ライン監視・設定部105は第1制御ラインL1を第2制御ラインL2に切り替える設定を行う(S22)。すなわち、図5にタイミング図を示すように、時刻t1での監視において第1制御ラインL1の異常と第2制御ラインL2の正常が判定されたときには、点灯制御、配光制御、レベリング制御の各制御信号を第2制御ラインL2を通して伝送するように割り当てる。これとともに、ライン監視・設定部105はスイブル制御信号の伝送を停止し、以降はスイブル制御を停止する設定を行う(S23)。このスイブル制御の停止では、前記したようにランプ光軸Lxを現在のスイブル角位置に固定する。あるいは、ランプ光軸Lxを予め設定していたデフォルトのスイブル角位置に制御する。これにより、以降はスイブル制御は行われないが、正常な第2制御ラインL2を通して安全走行に最低限必要とされる左右のヘッドランプLHL,RHLの点灯制御、配光制御は確保される。また、レベリング制御も確保される(S24)。
このように、第1および第2の制御ラインL1,L2が正常なときには、ランプ制御での時間当たりの伝送容量が大きいスイブル制御信号を第2制御ラインL2に専用に割り当て、他の伝送容量が小さい点灯制御、配光制御、レベリング制御の各制御信号を第1制御ラインL1に割り当てている。そして、車両の安全走行における重要度の高いランプ制御、すなわちこの実施形態では左右のヘッドランプの点灯・消灯を制御する点灯制御が割り当てられた第1制御ラインL1が異常と判定されたときには、当該点灯制御の制御信号を正常な第2制御ラインL2に切り替える。このとき第2制御ラインL2に割り当てられていた重要度の低い制御信号、ここではスイブル制御信号については以降の伝送を停止して第2制御ラインL2を空けるので、第2制御ラインL2を利用して点灯制御信号を伝送する妨げになることはない。これにより、第2制御ラインL2を用いて重要度の高い点灯制御信号の伝送を確保することができ、フェイルセイフを確保した左右のヘッドランプLHL,RHLの好適なランプ制御が実現できる。
なお、この実施形態では、ライン監視・設定部105とライン監視部205による第1および第2の制御ラインL1,L2の監視は定期的に行っており、図4に示したように最初の監視を行った時刻t1から所定の時間を経過した時刻t2でも同様に両制御ラインL1,L2の監視を行っている。この時刻t2での監視においても制御ラインL1,L2が正常のときには同様にして点灯制御、配光制御、レベリング制御、スイブル制御を実行する。また、図6に伝送タイミング図を示すように、時刻t2において第1制御ラインL1の異常が検出されたときには、この時刻t2においてスイブル制御を停止し、点灯制御、配光制御、レベリング制御の各制御信号の伝送を第2制御ラインL2に切り替えて以降の各制御を行うようにする。
以上の実施形態では、重要度の高い点灯制御信号の伝送が割り当てられている第1制御ラインL1が異常のときに、スイブル制御を停止して第2制御ラインL2を空けているが、スイブル制御を完全に停止するのではなく、スイブル制御の頻度を低減するように制御することも可能である。例えば、図7に伝送タイミング図を示すように、時刻t1で第1制御ラインL1の異常を検出したときに点灯制御、配光制御、レベリング制御を第2制御ラインL2に割り当てているが、第2制御ラインL2におけるスイブル制御信号の伝送頻度を通常時よりも低減して時間軸上に空き領域を設け、この空き領域を利用して点灯制御信号、配光制御信号、レベリング制御信号を伝送している。この場合にはスイブル制御も最低限必要な範囲で確保することができる。ただし、スイブル制御の制御頻度は正常時よりも低減されるので、安全走行に必要とされる場合にのみ、例えば操舵角が極めて大きく操舵されたような場合についてのみスイブル制御を行うように制御のタイミングを設定するようにすればよい。
前記実施形態ではランプ制御として左右のヘッドランプに対する点灯制御、配光制御、レベリング制御、スイブル制御を行う例について説明したが、複数の異なるランプ制御の各制御信号を複数本の制御ラインを通してマスターECUからスレーブECUに伝送してランプ制御を行うランプ制御装置であれば、実施形態に記載のランプ制御に限定されるものではない。すなわち、本発明は、重要度の異なる複数のランプ制御を行う場合に、最も重要度の高い制御を割り当てている制御ラインが異常になったときに、この制御を正常な制御ラインに割り当てるようにすればよい。当該正常な制御ラインの空き領域に余裕がある場合には、さらに重要度の高い順序で他の制御を割り当てるようにすればよい。また、制御ラインは2本に限られるものではなく、各ECUに制御の余裕がある場合には3本以上の制御ラインを備えるランプ制御装置についても本発明を同様に適用することができる。
本発明のランプ制御の対象となるランプはヘッドランプに限られるものではなく複数個のランプを同じ点灯状態となるようにランプ制御することが要求される車両用のランプであれば適用可能である。
本発明は複数のランプの1つにマスターECUを備え、他のランプにスレーブECUを備え、ランプ制御信号をマスターECUからスレーブECUに伝送してこれらのランプをランプ制御する構成の車両のランプに採用することが可能である。
LHL,RHL 左右のヘッドランプ
L0 CANライン
L1,L2 LINライン(制御ライン)
1 ランプハウジング
2 ランプユニット
3 可変シェード
4 レベリング機構
5 スイブル機構
100 マスターECU
200 スレーブECU
101,201 点灯制御部
102,202 配光制御部
103,203 レベリング制御部
104,204 スイブル制御部
105 ライン監視・設定部
205 ライン監視部
106,206 LINインターフェース
107 CANインターフェース
L0 CANライン
L1,L2 LINライン(制御ライン)
1 ランプハウジング
2 ランプユニット
3 可変シェード
4 レベリング機構
5 スイブル機構
100 マスターECU
200 スレーブECU
101,201 点灯制御部
102,202 配光制御部
103,203 レベリング制御部
104,204 スイブル制御部
105 ライン監視・設定部
205 ライン監視部
106,206 LINインターフェース
107 CANインターフェース
Claims (6)
- 少なくとも2つのランプと、各ランプにそれぞれ設けられたランプ制御手段とを備え、前記ランプ制御手段を複数本の制御ラインで接続し、これらの制御ラインを介して1つのランプ制御手段から他のランプ制御手段にランプ制御信号を伝送する車両用ランプ制御装置であって、前記制御ラインを監視するとともに、重要度の高いランプ制御信号が割り当てられている制御ラインに異常が生じたときに、当該重要度の高いランプ制御信号を正常な制御ラインに切り替えて割り当てるライン監視・設定手段を備えることを特徴とする車両用ランプ制御装置。
- 前記ライン監視・設定手段は、異常が生じた制御ラインに割り当てられていた重要度の低いランプ制御を停止又は抑制することを特徴とする請求項1に記載の車両のランプ制御装置。
- 車両に配設された2つのヘッドランプと、一方のヘッドランプに設けられたマスターランプ制御手段と、他方のヘッドランプに設けられたスレーブランプ制御手段を備え、前記両ランプ制御手段を第1および第2の制御ラインで接続し、これらの制御ラインを介してマスターランプ制御手段からスレーブランプ制御手段にランプ制御信号を伝送する車両用ランプ制御装置であって、前記第1と第2の制御ラインを監視するとともに、ヘッドランプの点灯・消灯を制御するための点灯制御信号が割り当てられている第1制御ラインに異常が生じたときに、当該点灯制御信号を正常な第2制御ラインに切り替えて割り当てるライン監視・設定手段を備えることを特徴とする車両用ランプ制御装置。
- 前記ライン監視・設定手段は、第2制御ラインにランプ光軸を左右に偏向制御するためのスイブル制御信号を割り当てており、前記点灯制御信号を当該第2制御ラインに割り当てたときに、前記スイブル制御信号の伝送を停止し、またはその伝送容量を低減させることを特徴とする請求項3に記載の車両用ランプ制御装置。
- 前記ライン監視・設定手段は、第1制御ラインに前記点灯制御信号の他に配光制御信号とレベリング制御信号の少なくとも一つを割り当てていることを特徴とする請求項4に記載の車両用ランプ制御装置。
- 前記マスター制御手段は、車両のCANラインに接続されており、このCANラインを通して入力される信号から生成される第2次のランプ制御信号に基づいて前記一方のヘッドランプをランプ制御するとともに、当該第2次のランプ制御信号をLINラインとして構成されている前記第1および第2の制御ラインを通して前記スレーブ制御手段に伝送することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の車両用ランプ制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012161068A JP2014019347A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 車両のランプ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012161068A JP2014019347A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 車両のランプ制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014019347A true JP2014019347A (ja) | 2014-02-03 |
Family
ID=50194718
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2012161068A Pending JP2014019347A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 車両のランプ制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014019347A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017162805A (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-14 | ヴァレオ ビジョンValeo Vision | 防眩ヘッドランプ |
| WO2018101060A1 (ja) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | 株式会社小糸製作所 | 車両用ランプの点灯制御装置 |
| DE102021117552A1 (de) | 2020-07-10 | 2022-01-13 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Lampensteuervorrichtung für ein Fahrzeug |
| WO2023189151A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 株式会社小糸製作所 | 車両用灯具システム |
-
2012
- 2012-07-20 JP JP2012161068A patent/JP2014019347A/ja active Pending
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| JP7034593B2 (ja) | 2016-03-02 | 2022-03-14 | ヴァレオ ビジョン | 防眩ヘッドランプ |
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