JP2014100911A - プリフォームおよびその製造方法 - Google Patents

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真明 山崎
Seiji Tsuji
誠司 辻
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【課題】台布として用いられるベース基材が成形後の成形品中に異物としては残らないようにし、効率の良いプリフォームの作製を行いつつ、成形品の成形までを考慮した全工程を効率良くかつ安価に実行可能なプリフォームの製造方法、およびその方法により製造されるプリフォームを提供する。
【解決手段】ベース基材上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォームを作製する方法であって、ベース基材として、プリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられ、該成形後に成形品中に残される基材を用いることを特徴とするプリフォームの製造方法、およびプリフォーム。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられるプリフォームおよびその製造方法に関する。
繊維強化プラスチックを製造するに際し、強化繊維材を予め所定形状に賦形してプリフォームを作製し、作製したプリフォームに樹脂を含浸し、含浸した樹脂を硬化させて所望形状の繊維強化プラスチック成形品を成形する方法はよく知られている。このプリフォームは、強化繊維材のみを用いて作製することも可能であるが、より簡便かつ迅速に所定形態のプリフォームを作製するために、近年、TFP(Tailored Fiber Placement)プロセスと呼ばれる技術が知られている。
このTFPプロセスは、例えば図1に示すように、X、Y方向に移動制御される枠体1に張設された台布としてのベース基材2上に、所定形態の(例えば、テープ状の)強化繊維材3を順次供給し、ヘッド部4から上糸5を供給するとともに下方から下糸6を供給し、強化繊維材3をベース基材2上に縫製していく技術である。このTFPプロセスでは、比較的自由な形状のプリフォームを自動で高精度に作製することができるという長所がある反面、プリフォームの作製に台布(ベース基材)を必要とするため、このプリフォームを用いて繊維強化プラスチックを成形する場合に、例えばこのプリフォームを積層して繊維強化プラスチックを成形する場合に、本来積層構成に必要としない台布が成形後の成形品の中に残るという問題があった。
上記のようなTFPプロセスを用いたプリフォームの製造技術として、以下のような技術が知られている。特許文献1には、TFPプロセスにより台布としてのベース基材に強化繊維材を縫い付けて繊維構造プリフォームを製造した後、縫い付け糸の一部を溶融させてベース基材をプリフォームから除去する技術が開示されている。この技術では、不要なベース基材を含まない成形品を製造することが可能である。しかし、この技術では、プリフォーム作製後に台布を除去できる構成としているが、除去のために工程が増え、コスト高の原因となっている。
また、特許文献2には、熱可塑プリプレグテープを任意の向きおよび任意の方向に着接しながらステッチすることで、多層構造からなる成形品のニヤーネットシェイプを縫成する技術が開示されている。この技術では、ベース基材には、熱可塑プリプレグのマトリックス樹脂と同一の材質からなるシートを選択しており、成形後はベース基材が異物としては残らないようになっている。しかし、この技術は、ベース基材にマトリックス樹脂と同一の材料を用いているが、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂として使用する方法では、成形のために液状の熱硬化性樹脂を供給する際に既に硬化したベース基材が樹脂流路中に存在することとなるため、適用が困難である。
特許第4882079号公報 特開2011−207198号公報
そこで本発明の課題は、上記のようなTFPプロセスを用いてプリフォームを作製するに際し、台布として用いられるベース基材が成形後の成形品中に異物としては残らないようにし、TFPプロセスの長所を最大限活かして効率の良いプリフォームの作製を行いつつ、成形品の成形までを考慮した全工程を効率良くかつ安価に実行可能なプリフォームの製造方法、およびその方法により製造されるプリフォームを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るプリフォームの製造方法は、ベース基材上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォームを作製する方法であって、前記ベース基材として、前記プリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられ、該成形後に前記成形品中に残される基材を用いることを特徴とする方法からなる。
このような本発明に係るプリフォームの製造方法においては、ベース基材として、上記プリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に必要な機能を有する基材が用いられ、該ベース基材は、成形後にも上記成形品中に残される。成形に必要な機能を有するベース基材であるから、成形後に成形品中に残されても成形品にとって異物とはならない。また、ベース基材を成形後の成形品中に残してもよいので、前述の特許文献1のようにそれを除去する工程は不要であり、所望のプリフォームを迅速かつ安価に作製可能となる。また、プリフォーム中に残されるベース基材は、該プリフォームを用いた繊維強化プラスチック成形品の成形に有効に用いられるので、成形品の成形までを考慮した全工程を効率良くかつ安価に実行可能となる。
上記本発明に係るプリフォームの製造方法においては、ベース基材として、繊維強化プラスチック成形品の成形において上記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用いることができる。樹脂拡散媒体が存在することで、成形時に樹脂を所望領域全域にわたって素早く拡散させることが可能になり、プリフォームの強化繊維材中に迅速にかつ均一に含浸させることが可能になる。このような樹脂拡散媒体として、例えば、メッシュや不織布、織物、編物、または面上に樹脂流動用溝が刻設された樹脂拡散媒体などを使用することができる。
上記の樹脂拡散媒体の材質として、例えば、メッシュを用いる場合にはナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられ、必要に応じてプラズマ処理やコロナ処理を施して接着性を高めたものを用いてもよい。不織布や織物、編物を用いる場合には、用いられる繊維として、例えば、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等が挙げられる。不織布や織物、編物の場合、単一の繊維で構成するだけでなく、複数の繊維から構成されるものも用いることができる。不織布の形態としては、例えば、ランダムマットやコンティニュアスストランドマットが挙げられ、織物の組織としては、平織りや綾織り、朱子織り等の組織や一方向に繊維を配置した織物が挙げられる。編物の組織としては、平編、リブ編、両面編、パール編等の緯編組織や、トリコット編、ラッセル編等の経編組織が挙げられる。以上、メッシュや不織布、織物、編物について、それらの材質および形態の例を示したが、形態は単一の形態に限られず、複数の形態を含有する形態、例えば、織物と不織布が一体化されたものや編物と一方向強化繊維基材が一体化されたもの等、さまざまな形態を採ることができる。
また、上記ベース基材として、繊維強化プラスチック成形品の成形において上記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用いる場合、該樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗は上記強化繊維材の樹脂流動抵抗の1/3以下であることが好ましい。強化繊維材の樹脂流動抵抗よりもはるかに低い樹脂流動抵抗の樹脂拡散媒体を用いることで、強化繊維材中に樹脂を含浸させる前に、あるいは強化繊維材中に樹脂を含浸させながら、含浸されるべき樹脂を所望領域全域にわたって素早く拡散させることができ、成形品の品質の均一化に寄与することができる。樹脂流動抵抗の定義については後述する。
樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗は低いほうが好ましく、より好ましくは強化繊維基材の樹
脂流動抵抗の1/10以下であることが好ましい。このように流動抵抗が低ければ、樹脂拡散媒体に注入された樹脂の強化繊維基材の面方向への拡散性が十分に確保されるため、繊維強化材厚みが厚い場合でも、樹脂拡散媒体中に注入された樹脂は、強化繊維基材表面に沿う方向に迅速に拡散されつつ、強化繊維基材の厚み方向にも迅速に含浸されていくことになる。
また、上記ベース基材として、繊維強化プラスチック成形品の成形において上記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用いる場合、該樹脂拡散媒体の一面上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォーム材を少なくとも2体作製し、作製した2体のプリフォーム材を、それらの樹脂拡散媒体同士が当接されるように積層して、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されたプリフォームを作製するようにすることも可能である。このようにすれば、積層体のプリフォームは、縫い付けられた強化繊維材間に樹脂拡散媒体が介在する形態に形成されるので、両側に位置する強化繊維材に対してプリフォーム全体の内部側において樹脂を迅速に拡散させることができるようになり、一層良好な樹脂拡散、強化繊維材への迅速かつ均一な樹脂含浸が可能になり、成形の効率化、成形品の品質の均一化に寄与することができる。また、積層体のプリフォームの外面側を強化繊維材で形成でき、外面側に樹脂拡散媒体が現れないようにすることができるので、成形品の表面品位を向上することも可能になる。
あるいは、上記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材を用いることができる。このような接着用基材を用いることで、TFPプロセスで作製されたプリフォームを複数、接着用基材の接着機能を利用して容易に積層できるようになるので、とくに積層体構成のプリフォームが要求される場合に、極めて簡便にかつ迅速に所望のプリフォームを作製できるようになり、そのプリフォームの所望の積層体形態を成形完了まで良好に維持できるようになる。
また、上記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材を用いる場合、該接着用基材の一面上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォーム材を少なくとも2体作製し、作製した少なくとも2体のプリフォーム材を、それらの接着用基材同士が当接されるように積層して、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されたプリフォームを作製することも可能である。このようにすれば、強化繊維材が縫い付けられたプリフォーム材同士を、接着用基材同士の接合を利用してより強固に接着、積層できるようになる。また、容易に、積層体のプリフォームの外面側を強化繊維材で形成し、外面側に接着用基材が現れないようにすることができるので、成形品の表面品位を向上することも可能になる。
また、本発明に係るプリフォームの製造方法においては、上記繊維強化プラスチック成形品の成形は、例えばRTM(Resin Transfer Molding)によって行うことができる。すなわち、成形型内に上記のような方法によって製造された所定形態のプリフォームを配置し、型内に樹脂を注入して注入された樹脂を強化繊維材中に含浸させる成形方法である。RTMとしては、樹脂を加圧注入する方法、型内を減圧し、その真空圧を利用して樹脂を型内に導入する方法のいずれも使用可能である。
繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。
また、上記強化繊維材を構成する強化繊維の種類は特に限定しないが、成形品の高い機械特性が得られ、目標とする機械特性の設計が容易な炭素繊維が含まれていることが好ましい。
本発明に係るプリフォームは、ベース基材上に強化繊維材を縫い付けることによって作製されたプリフォームであって、前記ベース基材として、前記プリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられ、該成形後に前記成形品中に残される基材が用いられていることを特徴とするものからなる。
上記本発明に係るプリフォームにおいては、上記ベース基材として、上記繊維強化プラスチック成形品の成形において上記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体が用いられている形態を採ることができる。
また、上記ベース基材として、上記繊維強化プラスチック成形品の成形において上記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体が用いられている場合、該樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗は上記強化繊維材の樹脂流動抵抗の1/3以下であることが好ましく、より好ましくは上記強化繊維材の樹脂流動抵抗の1/10以下である。
また、上記ベース基材として、上記繊維強化プラスチック成形品の成形において上記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体が用いられている場合、該樹脂拡散媒体の一面上に強化繊維材を縫い付けることによって作製された少なくとも2体のプリフォーム材の樹脂拡散媒体同士が当接されるように積層されて、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されている形態を採ることができる。
また、上記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材が用いられている形態を採ることもできる。
また、上記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材が用いられている場合、該接着用基材の一面上に強化繊維材を縫い付けることによって作製された少なくとも2体のプリフォーム材の接着用基材同士が当接されるように積層されて、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されている形態を採ることができる。
上記の接着剤成分を含む接着用基材として、例えば、粉体、帯状、またはシート状のうち少なくとも1つの形態を採った接着剤成分をベース基材に一体化させた基材や、ベース基材を構成する繊維の少なくとも一部に接着剤成分からなる繊維を用いている基材を用いることができる。接着剤成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいはこれらを混合させたものが挙げられ、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、それらの組み合わせ等の樹脂、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂およびビスマレイミド樹脂、それらの組み合わせ等の樹脂が挙げられる。
また、繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能であり、上記強化繊維材を構成する強化繊維の種類は特に限定しないが、成形品の高い機械特性が得られ、目標とする機械特性の設計が容易な炭素繊維が含まれていることが好ましい。
このように、本発明に係るプリフォームおよびその製造方法によれば、TFPプロセスを用いてプリフォームを作製するに際し、台布として用いられるベース基材が成形後の成形品中に異物としては残らないようにすることができ、TFPプロセスの長所、つまり、比較的自由な形状のプリフォームを自動で高精度に作製することができるという長所を最大限活かして効率良く所望のプリフォームを作製することができるとともに、ベース基材の除去が不要でかつベース基材自体を成形のために有効に活用できることから、成形品の成形までを考慮した全工程を効率良くかつ安価に実行することが可能になる。
TFPプロセスを説明するための概略構成図である。 (A)は、図1のTFPプロセスで作製されたプリフォームを例示した概略部分平面図、(B)は、図1のTFPプロセスで作製されたプリフォームを例示した概略部分断面図である。 本発明の第1実施態様に係るプリフォームの概略断面図である。 本発明の第2実施態様に係るプリフォームの概略断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係るプリフォームは、ベース基材上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォームを作製する、いわゆるTFPプロセスで作製されるものであって、TFPプロセスは、図1に例示したようなプロセスである。本発明では、このTFPプロセスによるプリフォームの作製において、台布となるベース基材として、作製されるプリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられ、該成形後に成形品中に残される基材が用いられる。
TFPプロセスで作製されたプリフォームは、例えば、図2に示すような形態に形成される。図2(A)に示す形態のプリフォーム11では、ベース基材12上に供給された強化繊維材13が、ステッチ糸14によりベース基材12の一面に縫製されている。図2(B)に示す形態のプリフォーム15では、ベース基材16上に多重状態に供給された強化繊維材17が、ステッチ糸18によりベース基材16の一面に縫製されている。
上記のような本発明に係るプリフォームにおいて、ベース基材としては、繊維強化プラスチック成形品の成形において強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体や、接着剤成分を含む接着用基材を用いることができる。ベース基材として、メッシュや不織布、織物、または面上に樹脂流動用溝が刻設された樹脂拡散媒体などを用いる場合、成形時に強化繊維材に対してこのような樹脂拡散媒体が存在することで、樹脂が所望領域全域にわたって素早く拡散され、かつ、強化繊維材中に迅速にかつ均一に含浸されることが可能になる。また、ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材を用いる場合、とくに積層体構成のプリフォームが要求される場合に、接着用基材の接着機能を利用して極めて簡便にかつ迅速に所望の積層体構成のプリフォームを作製できるようになる。
また、ベース基材として、繊維強化プラスチック成形品の成形において強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用いる場合、該樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗は強化繊維材の樹脂流動抵抗の1/3以下であることが好ましい。このように、強化繊維材に比べ大幅に低い樹脂流動抵抗の樹脂拡散媒体を用いることで、強化繊維材中に樹脂を含浸させる前に、あるいは強化繊維材中に樹脂を含浸させながら、含浸されるべき樹脂を所望領域全域にわたって素早く拡散させることができ、成形品の品質の均一化に寄与することができる。
上記樹脂流動抵抗は、本発明においては、型内に配置した被測定材の1辺側から他辺側に向けて樹脂または液体を流し、樹脂または液体の流動状態を平面的に観測し、定量的に、以下の(1)、(2)式の通りに定義することができる。
L=√(2・K・T・P/μ) (1)
R=√(1/K) (2)
ここで、
T:所定時間(sec.)
L:所定時間に樹脂または液体が流動した距離(mm)
K:流動係数(mm2
μ:樹脂または液体の粘度(Pa・sec.)
P:型内部と樹脂圧の差圧(Pa)
R:流動抵抗(mm-1
である。
ベース基材として樹脂拡散媒体を用いる場合、ベース基材として接着用基材を用いる場合のそれぞれについて、積層体構成のプリフォームを作製する場合の例を図3、図4に示す。
図3に例示する積層体構成のプリフォーム21においては、樹脂拡散媒体からなるベース基材22の一面上に強化繊維材23を縫い付けることによって作製された2体のプリフォーム材24が、それらの樹脂拡散媒体同士が当接するように積層されて、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材23で形成されたプリフォーム21が作製されている。積層体のプリフォーム21は、縫い付けられた強化繊維材23間に樹脂拡散媒体からなるベース基材22が介在する形態に形成されるので、これら樹脂拡散媒体の両側に位置する強化繊維材23に対してプリフォーム21全体の内部側において樹脂が迅速に拡散されることが可能になり、良好な樹脂拡散、強化繊維材23への迅速かつ均一な樹脂含浸が可能になり、成形の効率化、成形品の品質の均一化が達成される。また、積層体のプリフォーム21の外面側を強化繊維材で形成され、外面側に樹脂拡散媒体が現れない形態のプリフォーム21に樹脂が含浸されるので、成形品の表面品位を向上することも可能になる。
図4に例示する積層体構成のプリフォーム31においては、接着用基材からなるベース基材32の一面上に強化繊維材33が縫い付けられることによって少なくとも2体の、図示例では4体のプリフォーム材34が作製され、これらプリフォーム材34のうち中央部に配置される2体のプリフォーム材34が、それらの接着用基材同士が当接されるように積層され、その両外面側にそれぞれ接着用基材を内側にしてプリフォーム材34が積層され、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材33で形成されたプリフォーム31が作製されている。接着用基材からなるベース基材32の接着機能が利用されて容易に所望の積層体構成のプリフォーム31が作製される。また、積層体の厚み方向中央部においては、接着用基材同士の接合を利用して強固な接着、積層が可能である。さらに、積層体のプリフォーム31の外面側が強化繊維材33で形成され、外面側に接着用基材が現れない形態のプリフォーム31に樹脂が含浸されるので、成形品の表面品位を向上することも可能になる。
上記のようなプリフォーム21、31を用いて、前述したように、例えばRTMによっての製造方法においては、繊維強化プラスチック成形品の成形が行われる。成形に用いられる樹脂としては、前述したように、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。
本発明に係るプリフォームは、あらゆる繊維強化プラスチック成形品の成形に適用可能である。
1 枠体
2 ベース基材
3 強化繊維材
4 ヘッド部
5 上糸
6 下糸
11、15 プリフォーム
12、16 ベース基材
13、17 強化繊維材
14、18 ステッチ糸
21、31 積層体構成のプリフォーム
22 樹脂拡散媒体からなるベース基材
23、33 強化繊維材
24、34 プリフォーム材
32 接着用基材からなるベース基材

Claims (15)

  1. ベース基材上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォームを作製する方法であって、前記ベース基材として、前記プリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられ、該成形後に前記成形品中に残される基材を用いることを特徴とするプリフォームの製造方法。
  2. 前記ベース基材として、前記繊維強化プラスチック成形品の成形において前記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用いる、請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  3. 前記ベース基材として、前記繊維強化プラスチック成形品の成形において前記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用い、該樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗は前記強化繊維材の樹脂流動抵抗の1/3以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のプリフォームの製造方法。
  4. 前記ベース基材として、前記繊維強化プラスチック成形品の成形において前記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体を用い、該樹脂拡散媒体の一面上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォーム材を少なくとも2体作製し、作製した2体のプリフォーム材を、それらの樹脂拡散媒体同士が当接されるように積層して、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されたプリフォームを作製する、請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  5. 前記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材を用いる、請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
  6. 前記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材を用い、該接着用基材の一面上に強化繊維材を縫い付けることによってプリフォーム材を少なくとも2体作製し、作製した少なくとも2体のプリフォーム材を、それらの接着用基材同士が当接されるように積層して、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されたプリフォームを作製する、請求項1または5に記載のプリフォームの製造方法。
  7. 前記繊維強化プラスチック成形品の成形がRTMによって行われる、請求項1〜6のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  8. 前記強化繊維材に炭素繊維が含まれている、請求項1〜7のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
  9. ベース基材上に強化繊維材を縫い付けることによって作製されたプリフォームであって、前記ベース基材として、前記プリフォームを使用した繊維強化プラスチック成形品の成形に用いられ、該成形後に前記成形品中に残される基材が用いられていることを特徴とするプリフォーム。
  10. 前記ベース基材として、前記繊維強化プラスチック成形品の成形において前記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体が用いられている、請求項9に記載のプリフォーム。
  11. 前記ベース基材として、前記繊維強化プラスチック成形品の成形において前記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体が用いられ、該樹脂拡散媒体の樹脂流動抵抗は前記強化繊維材の樹脂流動抵抗の1/3以下であることを特徴とする、請求項9または10に記載のプリフォーム。
  12. 前記ベース基材として、前記繊維強化プラスチック成形品の成形において前記強化繊維材中に含浸される樹脂を拡散させる樹脂拡散媒体が用いられ、該樹脂拡散媒体の一面上に強化繊維材を縫い付けることによって作製された少なくとも2体のプリフォーム材の樹脂拡散媒体同士が当接されるように積層されて、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されている、請求項9〜11のいずれかに記載のプリフォーム。
  13. 前記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材が用いられている、請求項9に記載のプリフォーム。
  14. 前記ベース基材として、接着剤成分を含む接着用基材が用いられ、該接着用基材の一面上に強化繊維材を縫い付けることによって作製された少なくとも2体のプリフォーム材の接着用基材同士が当接されるように積層されて、積層体の外面が縫い付けられた強化繊維材で形成されている、請求項9または13に記載のプリフォーム。
  15. 前記強化繊維材に炭素繊維が含まれている、請求項9〜14のいずれかに記載のプリフォーム。
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