JP2014105144A - ガラス板およびその製造方法 - Google Patents

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正隆 川口
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Abstract

【課題】環境負荷が低く、欠陥が少ないガラス板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、MnO2 0.3〜5%を含有することを特徴とする。好ましくは、ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、SiO2 45〜68%、Al2O3 11〜18%、B2O3 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 1〜20%、SrO 0〜20%、BaO 0〜10%、MnO2 1〜2%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス板およびその製造方法に関するものである。
フラットパネルディスプレイの基板やイメージセンサーのカバーガラスには実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラスが使用されている。これらの用途では、ガラス中の泡欠陥が重大な問題となる。
このような泡欠陥が発生する原因の一つとして、溶融ガラスが、溶融設備や成形設備に用いられる白金あるいは白金合金と接触した際に生じるリボイルガス(酸素ガス)が挙げられる。
多価酸化物であるAs2O3やSb2O3を清澄剤として使用した場合、降温時にこれらの清澄剤がリボイルガスを吸収するため、泡欠陥の発生が抑制されると考えられている。しかしながら、As2O3やSb2O3の使用は環境負荷が高いという問題がある。このような問題を鑑み、近年、As2O3やSb2O3の代わりにSnO2が清澄剤として使用されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−509180号公報
SnO2は、As2O3やSb2O3に比べ清澄性に劣るため、その含有量を増加させる必要がある。しかしながら、SnO2の含有量を増加させると、SnO2が析出したり、ガラスが分相したりして、欠陥が増加しやすくなるという問題があった。
このような課題に鑑み、本発明は、従来品に比べて環境負荷が低く、欠陥が少ないガラス板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のガラス板は、ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、MnO2 0.3〜5%を含有することを特徴とする。
本発明のガラス板は、ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、SiO2 45〜68%、Al2O3 11〜18%、B2O3 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 1〜20%、SrO 0〜20%、BaO 0〜10%、MnO2 1〜2%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことが好ましい。
本発明のガラス板は、厚さが0.5mm以下であることが好ましい。
本発明のガラス板は、波長400〜800nmにおける最小透過率が82%以上であることが好ましい。
本発明のガラス板は、白金上に載置し1000℃で10分間加熱した後に1500℃で30分間熱処理した場合に、ガラス板と接触する白金界面の面積をSp、白金界面における泡の総面積をSbとして式(A)で表される発泡率Rの値が0.4以下であることが好ましい R=Sb/Sp×100 …(A)
本発明のガラス板の製造方法は、ガラス原料を調合した後に溶融し、得られた溶融ガラスを板状に成形するガラス板の製造方法であって、ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、MnO2 0.3〜5%を含有するガラスとなるようガラス原料を調合し、溶融ガラスの流路表面の少なくとも一部が白金または白金合金により形成されていることを特徴とする。
本発明のガラス板およびその製造方法によれば、MnO2を清澄剤として0.3〜5%含有することによって従来品に比べて環境負荷が低く、欠陥が少ないガラス板を得ることができる。特に、ガラスと接触する白金界面において発生するリボイルガスに起因する泡欠陥を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態のガラス板について説明する。先ず、本発明のガラスを構成する成分の作用と、その含有量を上記のように規定した理由を説明する。なお、以下の説明において各成分の含有量を示す%表示は質量%を指す。
MnO2は、酸素リボイルにより発生するリボイルガス(酸素)を吸収して泡欠陥の発生を抑制する成分である。MnO2の含有量は、0.3〜5%、好ましくは0.3〜3%、より好ましくは1〜2%である。MnO2の含有量が0.3%未満であると、リボイルガスを吸収しきれず、泡欠陥を抑制する効果を得にくくなる。MnO2の含有量が5%より多いと、ガラスの着色が濃くなりすぎて、透明度が低下しやすくなる。
SiO2は、ガラス骨格構造を形成する主要成分である。SiO2の含有量は、好ましくは45〜68%、より好ましくは50〜65%、さらに好ましくは55〜62%である。SiO2の含有量が45%より少ないと、耐薬品性が悪化するとともに、歪点が低下し、耐熱性が悪化する。SiO2の含有量が68%より多いと、高温粘度が上昇しガラスの溶融性が悪化するとともに失透物が析出しやすくなる。
Al2O3は、ガラスの耐熱性、耐失透性を高める成分である。Al2O3の含有量は、好ましくは11〜18%、より好ましくは13〜17.5%、さらに好ましくは14〜17%である。Al2O3の含有量が12%より少ないと、失透温度が著しく上昇し、ガラスが失透しやすくなる。Al2O3の含有量が18%より多いと、ガラスの耐酸性が低下しやすくなる。
B2O3は、融剤として働き、高温粘度を低下させ溶融を容易にする成分である。B2O3の含有量は、好ましくは0〜15%、より好ましくは5〜15%、さらに好ましくは8〜13%である。B2O3の含有量が15%より多いと、ガラスの歪点が低下して耐熱衝撃性が悪化しやすくなる。
MgOは、歪点の低下を抑制しつつ高温粘度を低下させて、ガラスの溶融を容易にする成分である。MgOの含有量は、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。MgOの含有量が10%より多いと、ガラスの耐酸性が低下しやすくなる。
CaOは、MgOと同様の働きをする成分であり、その含有量は好ましくは1〜20%、より好ましくは6〜15%、さらに好ましくは7〜12%である。CaOの含有量が20%より多いと、ガラスの耐酸性が低下しやすくなる。CaOが1%未満であると高温粘度が上昇し、ガラスの成形性や生産性が悪化しやすくなる。
SrOは、ガラスの歪点を低下させずに、高温粘度のみを低下させて、ガラスの溶融性を改善する成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜20%、より好ましくは1〜15%、さらに好ましくは3〜10%である。SrOの含有量が20%より多いと、歪点が低下して耐熱衝撃性が悪化しやすくなる。
BaOは、SrOと同様の働きをする成分であり、その含有量は0〜10%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。BaOの含有量が10%より多いと、歪点が低下して耐熱衝撃性が悪化しやすくなる。
また、本発明のガラス板は、上記成分の他に、ZnO、ZrO2、TiO2、SnO2、Fe2O3を合量で5%まで添加して良い。
また、本発明のガラス板は、アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないことが好ましい。アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、アルカリ金属酸化物の含有量が0.1%未満であることを指す。アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないことによって、液晶ディスプレイパネルの製造に適したガラス板を得ることができる。
また、本発明のガラス板は、As2O3、およびSb2O3の含有量が各々0.1%未満であることが好ましい。As2O3、およびSb2O3の含有量を各々0.1%未満とすることで環境負荷を低減することができる。
本発明のガラス板は、厚さが0.5mm以下であることが好ましい。ガラス板の厚さを0.5mm以下とすることによって、高い透過率を得ることができる。
本発明のガラス板は 波長400〜800nmにおける最小透過率が82%以上であることが好ましい。
次に、本発明のガラス板の製造方法について説明する。
まず、上記のガラス組成範囲となるようにガラス原料を調合する。続いて、調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して加熱溶融し、脱泡した後、成形装置に供給して板状に成形し徐冷することでガラス板を得ることができる。
なお、上記ガラス板の製造工程において、溶融ガラスの流路表面の少なくとも一部は白金または白金合金により形成されることが好ましい。具体的には、連続溶融炉から成形装置へ溶融ガラスを流入させるための配管の内面や、成形装置などの溶融ガラスと接触する部位が白金または白金合金により形成されることが好ましい。
また、本発明のガラス板の成形方法としては、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、フロート法、リドロー法等の様々な成形方法を用いることができるが、ダウンドロー法、特に、オーバーフローダウンドロー法で板状に成形することが好ましい。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、他の成形方法と異なり、ガラス板の表面は、成形体と接することがないため、汚染部のないガラス表面を有しており、未研磨であっても、表面品位の高いガラス板を得られ、しかも、比較的安価に大型のガラス板を得やすいためである。
上記のようにして得られた本発明のガラス板は、液晶ディスプレイの基板やイメージセンサーのカバーガラス、有機EL照明の照明装置等に用いることができる。
本発明のガラス板の実施例について表1〜3に基づいて説明する。表1〜3中の試料No.1〜9は本発明の実施例を示し、試料No.10〜15は比較例を示している。なお、試料No.10〜12はMnO2の含有量を本願発明よりも低減したものである。また、試料No.13〜15はMnO2の代わりにCo3O4、NiO、CuOを各々添加したものである。
先ず、表1〜3に示すガラス組成になるように、天然原料、化成原料等の各種ガラス原料を秤量、混合して、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを白金坩堝で1600℃、18時間溶融した後、カーボン板上に流し出し、板状のインゴットを成形した。さらに、インゴットを徐冷炉内で徐冷した後、室温まで降温した。このインゴットを切断および研磨加工し、厚み0.1mm、0.3mm、0.5mmの板状試料を得た。なお、発泡率を測定するための板状試料は、一方主面が自由表面となるよう作成した。
上記のようにして得られた各試料につき、下記の通り発泡率および透過率を測定した。
発泡率は、リボイルガスに起因する泡欠陥の生じやすさを示す指標である。発泡率は、下記のようにして測定した。先ず、板状試料を白金箔上に、板状試料の自由表面と白金箔表面とが接触するように載置し、1000℃に加熱した第1の電気炉で10分間熱処理した。その後、板状試料および白金箔を第1の電気炉から取り出し、直ちに1500℃に加熱し乾燥空気を流している第2の電気炉に投入し、30分間熱処理した。熱処理した板状試料を徐冷し、板状試料を上方より撮影した画像から画像解析ソフトを用いて、板状試料と接触している白金界面の面積Sp、および白金界面における泡の総面積Sbを計測した。そして、測定した白金界面の面積Sp、泡の総面積Sb、および式(1)に基いて、発泡率R(%)を測定した。
R=Sb/Sp×100 …(1)
発泡率が低いほど、リボイルガスが吸収されやすく、泡欠陥が発生しにくいガラスであると言える。本発明の板ガラスの発泡率は、0.4%以下であることが好ましい。
透過率は、分光光度計を用いて波長400〜800nmの範囲で測定した最小値である。
表1〜3に示すように試料No.1〜3は発泡率が0.2%であり、試料No.1〜9は透過率が82〜90%であった。これに対して比較例である試料No.10〜15は発泡率が0.5〜98.5%であった。また、試料No.13〜15は、透過率が18〜57%であった。すなわち、比較例である試料No.10〜15は、高透過率と低発泡率の両立が困難なガラスであった。

Claims (6)

  1. ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、MnO2 0.3〜5%を含有することを特徴とするガラス板。
  2. ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、SiO2 45〜68%、Al2O3 11〜18%、B2O3 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 1〜20%、SrO 0〜20%、BaO 0〜10%、MnO2 1〜2%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする、請求項1に記載のガラス板。
  3. 厚さが0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガラス板。
  4. 波長400〜800nmにおける最小透過率が82%以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス板。
  5. ガラス板を0.05mm厚の白金上に載置し1000℃で10分間加熱した後に1500℃で30分間熱処理した場合に、前記ガラス板と接触する白金界面の面積をSp、白金界面における泡の総面積をSbとして式(A)で表される発泡率Rの値が0.4以下であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のガラス板。 R=Sb/Sp×100 …(A)
  6. ガラス原料を調合した後に溶融し、得られた溶融ガラスを板状に成形するガラス板の製造方法であって、 ガラス組成として下記酸化物換算の質量%で、MnO2 0.3〜5%を含有するガラスとなるようガラス原料を調合し、
    溶融ガラスの流路表面の少なくとも一部が白金または白金合金により形成されていることを特徴とする、ガラス板の製造方法。
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