JP2014105252A - グリース組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、グリース組成物に関する。
自動車等の動力伝達部及び操舵機構部は、軸方向の変位を吸収するために、通常は伸縮軸を備える。伸縮軸は、通常は雄スプライン軸と雌スプライン軸とを嵌合させたスプライン部を有する。雄スプライン軸及び雌スプライン軸は、例えばホブ加工によってスプライン溝を形成することによって作製される。
前記雄スプライン軸及び雌スプライン軸の嵌合部には、伸縮軸の軸方向の摺動抵抗を軽減するために、グリースが塗布される。スプライン部のような摺動部材に用いられるグリースは、通常、基油及び増ちょう剤を含有する。グリースに含有される増ちょう剤としては、石鹸系材料及び非石鹸系材料を挙げることができる。石鹸系材料としては、例えば、リチウム石鹸等が使用される。また、非石鹸系材料としては、例えば、ジウレア化合物のような有機系材料に加えて、シリカ粉末、チタニア、アルミナ又は炭素繊維のような無機系材料が使用される。
例えば、特許文献1は、車両のステアリングシャフトに組み込み、雄スプライン軸と雌スプライン軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、前記雄スプライン軸と雌スプライン軸のいずれか一方又は双方の軸のスプライン嵌合部表面にナイロン樹脂の皮膜を形成し、且つ、少なくとも基油と増ちょう剤を含むグリースを前記雄スプライン軸と雌スプライン軸の間に介在させ、前記基油が合成炭化水素油と鉱油からなる群から選択される少なくとも1種の炭化水素油を含むと共に40℃において20 mm2/s以上の動粘度を有し、前記増ちょう剤が金属石鹸又は金属複合石鹸を含むことを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸を記載する。当該文献は、スプライン軸の嵌合部の表面にナイロン樹脂の皮膜が形成され、さらに摺動部にグリースが塗布されることにより、摺動抵抗が低減され、且つ耐摩耗性が向上すると記載する。
摺動部材に用いられるグリースは、基油及び増ちょう剤に加えて、摺動特性を維持又は向上させる手段として、極圧剤又は摩耗防止剤等の添加剤を含有する場合がある。前記添加剤としては、例えば、S系添加剤、P系添加剤及びMo系添加剤を挙げることができる。
特許文献2は、基油、増ちょう剤及び添加剤を含有するグリース組成物において、基油の40℃の動粘度が50〜200 mm2/sであり、増ちょう剤が一般式(I):R1-NHCONH-R2-NHCONH-R3[式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基、R1及びR3は同一又は異なる基であり、シクロヘキシル基、炭素数8〜22の直鎖又は分岐アルキル基を示す]で表されるジウレア化合物を含有し、添加剤が、ナフテン酸金属塩、炭素数6〜10の脂肪酸と炭素数6〜10の脂肪族アミンの塩、及び有機スルホン酸金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするグリース組成物を記載する。当該文献は、前記グリース組成物が、転がり軸受けのような機械部品の軸受け部等に用いられることを記載する。
特許文献1に記載の伸縮軸では、ホブ加工されたスプライン軸の嵌合部の表面に皮膜を形成する必要がある。このため、伸縮軸の製造工程が複雑になり、結果として伸縮軸の製造コストが上昇する可能性がある。また、前記伸縮軸を長期に亘って使用する場合、嵌合部表面の皮膜が剥離する可能性がある。皮膜が剥離すると、嵌合部へのグリース流入が不足し、著しい性能低下を引き起こす可能性がある。
それ故、本発明は、ホブ加工されたスプライン部の嵌合部において、長期に亘る使用でも焼付きの発生を実質的に防止又は軽減し、且つ/又は摩擦係数を低い範囲に維持し得る手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、グリースに含有される基油、増ちょう剤及び添加剤の材料を最適化することにより、該グリースの焼付き特性を向上し得ることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 40℃において100〜300 mm2/sの範囲の動粘度を有する基油と、式(I):
[式中、
R1及びR2は、互いに独立して、C6〜C20アルキルである。]
で表されるジウレア化合物からなる増ちょう剤と、5μm以下の平均粒径を有する真球状ポリマーからなる添加剤とを含有するグリース組成物。
(1) 40℃において100〜300 mm2/sの範囲の動粘度を有する基油と、式(I):
R1及びR2は、互いに独立して、C6〜C20アルキルである。]
で表されるジウレア化合物からなる増ちょう剤と、5μm以下の平均粒径を有する真球状ポリマーからなる添加剤とを含有するグリース組成物。
(2) 前記真球状ポリマーが、前記グリース組成物の総質量に対して1〜15質量%の範囲で含有される、前記(1)に記載のグリース組成物。
(3) 前記真球状ポリマーが、架橋ポリメタクリレート、フェノール樹脂、ナイロン樹脂及びポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種のポリマーである、前記(1)又は(2)に記載のグリース組成物。
本発明により、ホブ加工されたスプライン部の嵌合部において、長期に亘る使用でも焼付きの発生を実質的に防止又は軽減し、且つ/又は摩擦係数を低い範囲に維持し得る手段を提供することが可能となる。
本発明は、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含有するグリース組成物に関する。
本発明のグリース組成物に含有される増ちょう剤は、式(I):
で表されるジウレア化合物からなることが必要である。式中、R1及びR2は、互いに独立して、C6〜C20アルキルであることが必要である。本明細書において、前記式(I)で表されるジウレア化合物を、「脂肪族ジウレア化合物」と記載する場合がある。
本発明のグリース組成物に含有される増ちょう剤は、式(I):
本発明者らは、グリース組成物に含有される増ちょう剤として、流入性に優れた脂肪族ジウレア化合物を使用することにより、ホブ加工されたスプライン部の嵌合部に該グリース組成物が安定して供給されることを見出した。前記の効果は、リチウム石鹸のような石鹸系材料、或いはジウレア部分に脂環式基又は芳香族基を有するジウレア化合物(以下、「脂環式・芳香族ジウレア化合物」とも記載する)を増ちょう剤として使用した場合には得られない優れた効果である。それ故、式(I)で表される脂肪族ジウレア化合物を増ちょう剤として含有することにより、本発明のグリース組成物は、ホブ加工されたスプライン部の嵌合部において、長期に亘る使用でも焼付きの発生を実質的に防止又は軽減し、且つ/又は摩擦係数を低い範囲に維持することが可能となる。
なお、本発明のグリース組成物の焼付き特性及び摩擦係数は、例えば、高速往復動摩擦試験機を用いて評価することができる。
本明細書において、「ホブ加工されたスプライン部」は、通常は、ホブ加工の深さが2〜10μmの範囲であり、幅が0.5〜5 mmであるスプライン部を意味する。前記の形状を有するスプライン部に本発明のグリース組成物を塗布することにより、長期に亘る使用でも焼付きの発生を実質的に防止又は軽減することができる。
式(I)において、R1及びR2は、互いに独立して、直鎖状又は分岐鎖状のC6〜C20アルキルであることが好ましく、オクタデシル又はオクチルであることがより好ましく、オクチルであることが特に好ましい。特に好ましくは、式(I)で表されるジウレア化合物は、N,N’’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス[N’-オクチル尿素]、N,N’’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビス[N’-オクタデシル尿素]及びN-[(1-{[(オクタデシルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)メチル]フェニル-N’-オクチル尿素から選択される。前記の特徴を有する式(I)で表されるジウレア化合物を増ちょう剤として含有することにより、本発明のグリース組成物は、高い流入性を発現することができる。
前記増ちょう剤は、混和ちょう度が250〜350の範囲となる量で本発明のグリース組成物に含有されることが好ましい。前記混和ちょう度は、280〜325の範囲であることがより好ましい。前記要件を満たす増ちょう剤の含有量は、グリース組成物の総質量に対して通常は7.0〜15.0質量%の範囲であり、典型的には7.5〜15.0質量%の範囲であり、特に9.0〜11.0の範囲である。増ちょう剤の含有量が7.0質量%以上の場合、剪断時にグリース組成物が軟化することを実質的に抑制することができる。これにより、グリース組成物が塗布部から漏洩することを防止することができる。増ちょう剤の含有量が15.0質量%以下の場合、グリース組成物を塗布した部材(例えばホブ加工されたスプライン部)の駆動時にトルクが上昇することを実質的に抑制することができる。これにより、グリース組成物の使用時に該グリース組成物の流動性が低下することを防止することができる。
なお、グリース組成物の混和ちょう度は、例えば、JIS K2220 9に従って測定することができる。
本発明のグリース組成物に含有される基油は、40℃において100〜300 mm2/sの範囲の動粘度を有することが必要である。前記40℃における動粘度は、150〜200 mm2/sの範囲であることが好ましい。前記動粘度が100 mm2/s以上の場合、グリース組成物を塗布した部材(例えばホブ加工されたスプライン部)の摺動時に油膜切れが発生することを実質的に防止することができる。前記動粘度が300 mm2/s以下の場合、グリース組成物を塗布した部材の駆動時にトルクが上昇することを実質的に抑制することができる。これにより、グリース組成物の使用時に該グリース組成物の流動性が低下することを防止することができる。
前記基油は、鉱油及び合成炭化水素油からなる群より選択されることが好ましい。前記基油は、鉱油又は合成炭化水素油のいずれかから構成されていてもよく、両材料の混合物として構成されていてもよい。前記基油が鉱油及び合成炭化水素油の混合物として構成されている場合、鉱油及び合成炭化水素油の混合比は、それぞれの質量に基づき、80:20〜20:80の範囲であることが好ましい。前記基油は、鉱油のみからなることが特に好ましい。前記基油が鉱油のみからなる場合、コストを軽減することができる。前記基油に使用される材料は特に限定されず、当該技術分野で通常使用される鉱油及び合成炭化水素油を使用することができる。前記特徴を有する基油を用いることにより、グリース組成物の使用時に所望の流動性を発現することができる。
本発明のグリース組成物に含有される添加剤は、真球状ポリマーからなることが必要である。前記真球状ポリマーは、5μm以下の平均粒径を有することが必要である。前記真球状ポリマーの平均粒径は、1〜5μmの範囲であることが好ましく、2〜4μmの範囲であることがより好ましい。前記真球状ポリマーの平均粒径が5μm以下の場合、グリース組成物を塗布した部材の摺動部(例えばホブ加工されたスプライン部の嵌合部)に該グリース組成物が流入し、所望の効果を発現することができる。
なお、前記真球状ポリマーの平均粒径は、例えば、動的光散乱法又はレーザー回折法により、測定することができる。
前記真球状ポリマーは、架橋ポリメタクリレート、フェノール樹脂、ナイロン樹脂及びポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種のポリマーであることが好ましい。前記真球状ポリマーに使用される材料は特に限定されず、当該技術分野で通常使用される架橋ポリメタクリレート、フェノール樹脂、ナイロン樹脂及び/又はポリエチレンを使用することができる。前記材料から構成される真球状ポリマーを添加剤として含有することにより、本発明のグリース組成物は、高い流入性を発現することができる。
前記真球状ポリマーは、本発明のグリース組成物の総質量に対して1〜15質量%の範囲で該グリース組成物に含有されることが好ましく、1〜10質量%の範囲で該グリース組成物に含有されることがより好ましく、3〜8質量%の範囲で該グリース組成物に含有されることがさらに好ましい。前記含有量が1質量%以上の場合、真球状ポリマーに起因する前記の効果を発現することができる。前記含有量が15質量%以下の場合、真球状ポリマーの使用による材料コスト上昇を抑制することができる。
本発明のグリース組成物は、所望により1又は複数の追加の添加剤を含有してもよい。前記追加の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、錆止め剤、金属腐食防止剤、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤及び固体潤滑剤等を挙げることができる。前記追加の添加剤に使用される材料は特に限定されず、当該技術分野で通常使用される各種材料を使用することができる。
本発明のグリース組成物は、当該技術分野で通常使用される方法を用いて製造することができる。増ちょう剤として使用される式(I)で表される脂肪族ジウレア化合物は、例えば、R1及びR2に対応する脂肪族アミンとジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートとを基油中で反応させることによって調製するか、又は該化合物を購入等して準備すればよい。その後、前記増ちょう剤と基油と添加剤を混合することにより、本発明のグリース組成物を得ることができる。
以上のように、本発明のグリース組成物は、ホブ加工されたスプライン部の嵌合部において、長期に亘る使用でも焼付きの発生を実質的に防止又は軽減し、且つ/又は摩擦係数を低い範囲に維持することができる。それ故、本発明のグリース組成物を自動車等の動力伝達部及び操舵機構部のスプライン部の潤滑剤として使用することにより、スプライン部の嵌合部の焼付き、過大摩耗及び/又は摩擦力増加等を実質的に防止又は軽減することが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<I:グリースの調製>
[実施例1〜5及び比較例3〜5]
4400 gの基油(下記参照)及び589 gのジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートを、試作容器中で混合した。得られた混合物を、70〜80℃に加熱した。4400 gの基油(下記参照)及び611 gのオクチルアミンを、別の試作容器中で混合した。得られた混合物を、70〜80℃に加熱した。前記アミンを含有する混合物を、前記ジイソシアネートを含有する混合物に加えた。前記混合物を、よく撹拌しながら100℃で30分間反応させた。その後、前記反応混合物を撹拌しながら昇温及び放冷して、ベースウレアグリースAを得た。得られたベースウレアグリースAに、所定の割合で真球状ポリマーからなる添加剤(下記参照)を加え、所定の増ちょう剤量となるように基油を加えた。得られた混合物を、三段ロールミル装置(S-2×6;井上製作所)を用いて剪断処理して、所定の混和ちょう度で増ちょう剤を含有する実施例及び比較例のグリースを調製した。
[実施例1〜5及び比較例3〜5]
4400 gの基油(下記参照)及び589 gのジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートを、試作容器中で混合した。得られた混合物を、70〜80℃に加熱した。4400 gの基油(下記参照)及び611 gのオクチルアミンを、別の試作容器中で混合した。得られた混合物を、70〜80℃に加熱した。前記アミンを含有する混合物を、前記ジイソシアネートを含有する混合物に加えた。前記混合物を、よく撹拌しながら100℃で30分間反応させた。その後、前記反応混合物を撹拌しながら昇温及び放冷して、ベースウレアグリースAを得た。得られたベースウレアグリースAに、所定の割合で真球状ポリマーからなる添加剤(下記参照)を加え、所定の増ちょう剤量となるように基油を加えた。得られた混合物を、三段ロールミル装置(S-2×6;井上製作所)を用いて剪断処理して、所定の混和ちょう度で増ちょう剤を含有する実施例及び比較例のグリースを調製した。
[比較例1]
4100 gの基油(下記参照)及び1012 gのジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートを、試作容器中で混合した。得られた混合物を、70〜80℃に加熱した。4100 gの基油(下記参照)、563 gのシクロヘキシルアミン及び225 gのアニリンを、別の試作容器中で混合した。得られた混合物を、80℃に加熱した。前記アミンを含有する混合物を、前記ジイソシアネートを含有する混合物に加えた。前記混合物を、よく撹拌しながら100℃で30分間反応させた。その後、前記反応混合物を撹拌しながら昇温及び放冷して、ベースウレアグリースBを得た。得られたベースウレアグリースBに、所定の割合で真球状ポリマーからなる添加剤(下記参照)を加え、所定の増ちょう剤量となるように基油を加えた。得られた混合物を、三段ロールミル装置(S-2×6;井上製作所)を用いて剪断処理して、所定の混和ちょう度で増ちょう剤を含有する比較例1のグリースを調製した。
4100 gの基油(下記参照)及び1012 gのジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートを、試作容器中で混合した。得られた混合物を、70〜80℃に加熱した。4100 gの基油(下記参照)、563 gのシクロヘキシルアミン及び225 gのアニリンを、別の試作容器中で混合した。得られた混合物を、80℃に加熱した。前記アミンを含有する混合物を、前記ジイソシアネートを含有する混合物に加えた。前記混合物を、よく撹拌しながら100℃で30分間反応させた。その後、前記反応混合物を撹拌しながら昇温及び放冷して、ベースウレアグリースBを得た。得られたベースウレアグリースBに、所定の割合で真球状ポリマーからなる添加剤(下記参照)を加え、所定の増ちょう剤量となるように基油を加えた。得られた混合物を、三段ロールミル装置(S-2×6;井上製作所)を用いて剪断処理して、所定の混和ちょう度で増ちょう剤を含有する比較例1のグリースを調製した。
[比較例2]
3750 gの基油(下記参照)、875 gのステアリン酸リチウム及び375 gの12-ヒドロキシステアリン酸リチウムを、試作容器中で混合した。前記反応混合物を撹拌しながら昇温及び放冷して、ベースリチウムグリースを得た。得られたベースリチウムグリースに、所定の割合で真球状ポリマーからなる添加剤(下記参照)を加え、所定の増ちょう剤量となるように基油を加えた。得られた混合物を、三段ロールミル装置(S-2×6;井上製作所)を用いて剪断処理して、所定の混和ちょう度で増ちょう剤を含有する比較例2のグリースを調製した。
3750 gの基油(下記参照)、875 gのステアリン酸リチウム及び375 gの12-ヒドロキシステアリン酸リチウムを、試作容器中で混合した。前記反応混合物を撹拌しながら昇温及び放冷して、ベースリチウムグリースを得た。得られたベースリチウムグリースに、所定の割合で真球状ポリマーからなる添加剤(下記参照)を加え、所定の増ちょう剤量となるように基油を加えた。得られた混合物を、三段ロールミル装置(S-2×6;井上製作所)を用いて剪断処理して、所定の混和ちょう度で増ちょう剤を含有する比較例2のグリースを調製した。
<II:グリースの性能評価>
[混和ちょう度の測定試験]
各実施例及び比較例のグリースの混和ちょう度は、JIS K2220 9に従って測定した。
[焼付き特性及び平均摩擦係数の測定試験]
焼付き特性及び平均摩擦係数の測定試験は、以下の手順で行った。下試験片(ホブ加工プレート)の試験面に、試験対象のグリースを塗布した。前記下試験片を、上試験片(円板)とともに、高速往復動摩擦試験機(TE77;Phoenix Tribology社製)に装着した。下記の試験条件で、試験片を往復運動させた。その後、下試験片を前記試験機から取り外し、焼付きの有無を目視で評価した。焼付きが観察されなかった場合を「○」、焼付きが観察された場合を「×」と評価した。また、各グリースの平均摩擦係数を算出した。平均摩擦係数が0.10未満の場合を「○」、平均摩擦係数が0.10以上の場合を「×」と評価した。
[混和ちょう度の測定試験]
各実施例及び比較例のグリースの混和ちょう度は、JIS K2220 9に従って測定した。
[焼付き特性及び平均摩擦係数の測定試験]
焼付き特性及び平均摩擦係数の測定試験は、以下の手順で行った。下試験片(ホブ加工プレート)の試験面に、試験対象のグリースを塗布した。前記下試験片を、上試験片(円板)とともに、高速往復動摩擦試験機(TE77;Phoenix Tribology社製)に装着した。下記の試験条件で、試験片を往復運動させた。その後、下試験片を前記試験機から取り外し、焼付きの有無を目視で評価した。焼付きが観察されなかった場合を「○」、焼付きが観察された場合を「×」と評価した。また、各グリースの平均摩擦係数を算出した。平均摩擦係数が0.10未満の場合を「○」、平均摩擦係数が0.10以上の場合を「×」と評価した。
上試験片 :円板(高さ:4 mm;直径:11 mm)
下試験片 :ホブ加工プレート(深さ:5μm;幅:2 mm)
荷重 :400 N
周波数 :15 Hz
ストローク :5 mm
試験時間 :3600 s
試験温度 :25℃
グリース塗布量:10 mg
下試験片 :ホブ加工プレート(深さ:5μm;幅:2 mm)
荷重 :400 N
周波数 :15 Hz
ストローク :5 mm
試験時間 :3600 s
試験温度 :25℃
グリース塗布量:10 mg
実施例1〜5及び比較例1〜5のグリースの材料組成と、該グリースの焼付き特性及び平均摩擦係数の測定試験結果とを表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜5のグリースは、焼付き特性及び平均摩擦係数とも良好な結果を示した。これに対し、脂肪族ジウレア化合物に代えて、脂環式・芳香族ジウレア化合物又はリチウム石鹸を増ちょう剤としてそれぞれ含有する比較例1及び2のグリースは、焼付き特性及び平均摩擦係数とも不十分な結果だった。また、40℃における動粘度が1800 mm2/sである比較例3のグリースは、同様に焼付き特性及び平均摩擦係数とも不十分な結果だった。さらに、20μmの平均粒径を有する真球状の架橋ポリメタクリレートからなる添加剤を含有する比較例4及び添加剤を含有しない比較例5のグリースは、焼付き特性及び平均摩擦係数とも不十分な結果だった。
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