JP2014113784A - 木質板の製造方法と木質板 - Google Patents

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Abstract

【課題】芯層の強度が十分確保され、低比重でも実加工が可能なチップボード由来の木質板を容易に製造する方法とこの木質板の製造方法によって製造された木質板を提供すること。
【解決手段】接着剤が塗布されたチップを積層して熱圧成形し、全体の比重を0.70以下としたチップボードの端面に、実の形成が可能とされた木質板を製造するにあたって、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が10質量%〜30質量%であり、かつ表裏層におけるチップ含水率に対して芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍のチップを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、木質板の製造方法と木質板に関するものである。
木質床材は、基材となる板上に、突板や化粧シートといった化粧材料を複合し、その上に塗装を施すことで構成されている。木質床材のほぼ大半は基材で占められており、床材の材料費も基材価格によって大きく変動する。従来、この基材には寸法安定性が良く、加工性も高い合板が主に使われてきた。しかし近年、市場では合板価格が高騰しており、さらに高値で変動しているため、合板基材を用いた木質床材は、必然的にコスト高になるといった問題があった。
このような市場環境の中、価格変動が小さい代替基材としてチップボードが注目されてきた。チップボードは、間伐材、建築解体材またはさとうきび搾汁後の残渣であるバガス等の農産廃棄物等から得られる木材小片や木質繊維を熱硬化性樹脂等で接着して板状に成形したものである。このため、木質資源の有効利用といった観点から環境にやさしい材料である。
一般的に、チップボードを製造する工程では、接着剤を塗布した木質由来または植物由来のパーティクルを積層して、そのまま高温のプレスを用いて熱圧し、ボードに成形する。その際、表裏層の比重が高く、芯層の比重が低い状態になるように製造している。こうすることで、芯層では低比重のために剥離強度等が低くなるが、表裏層では比重が高くなるため、非常に曲げ強度の高いボードを製造することが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された多層パーティクルボードの製造方法では、ホルムアルデヒド系縮合樹脂を主体とするバインダーを塗布したフレーク状木片を表裏層部とし、水発泡性ウレタン樹脂を主体とするバインダーを木片に塗布した針状またはフレーク状木片を芯層部として積層し、熱圧成形する。
特開昭62−059004号公報
ところで、従来の木質床材の施工方法は根太工法が主流であったため、曲げ強度が重視されてきたが、近年は捨て貼り工法が主流となっており、木質床材に要求される性能として曲げ強度は以前ほど重視されなくなりつつある。
一方、チップボード基材を木質床材として利用する際の最も大きな課題の一つとして、実部分の強度が弱いという課題がある。中心部が低比重であるため、中心部のみで構成される実部分の強度が低く、非常に欠けやすい。特許文献1に記載された多層パーティクルボードの製造方法により得られる多層パーティクルボードも同様に、芯層部が十分な実強度を備えているとは言い切れない面がある。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、芯層の強度が十分確保され、低比重でも実加工が可能なチップボード由来の木質板を容易に製造することのできる木質板の製造方法とこの木質板の製造方法によって製造された木質板を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明の木質板の製造方法は、接着剤が塗布されたチップを積層して熱圧成形し、全体の比重を0.70以下としたチップボードの端面に、実の形成が可能とされた木質板を製造する方法であって、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が10質量%〜30質量%であり、かつ前記表裏層におけるチップ含水率に対して芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍であるチップを用いることを特徴としている。
この木質板の製造方法では、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が15質量%〜25質量%の間であることが好ましい。
また、この木質板の製造方法では、チップが木材またはバガスを粉砕したパーティクルであることが好ましい。
また、本発明の木質板は、上記の木質板の製造方法のいずれかで製造され、比重が0.70以下であり、端面に実が形成されたことを特徴としている。
本発明の木質板の製造方法によれば、芯層の強度が十分確保され、低比重でも実加工が可能なチップボード由来の木質板を容易に製造することができる。
また、本発明の木質板は、芯層の強度が十分確保され、低比重でも実の強度が十分確保されたチップボード由来の木質板となる。
以下に、本発明の木質板の製造方法と木質板について詳細に説明する。
通常、木質床材の基材となるチップボードでは、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率を15質量%〜20質量%に設定し、芯層におけるチップ含水率を5質量%〜10質量%に設定している。これは、1)熱圧成形時に表裏層を選択的に高比重化させ、2)チップ中心部への熱伝導を高くし、3)チップボードのパンクを抑制するためである。
木質由来または植物由来の材料は、主にセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの3成分から構成され、剛直なセルロースの直鎖間にリグニンが充填され、ヘミセルロースがそれらを結合する構造をとっている。上記3成分の中で、セルロースの軟化温度は水分の影響をほとんど受けないが、リグニンおよびヘミセルロースの軟化温度は水分の影響を大きく受ける。このため、チップ含水率が高い状態と低い状態では、チップを圧縮するために必要な力が大きく異なってくる。そこで、熱圧成形する前のチップ含水率を表裏層のみ高くし、芯層のチップ含水率を低くすることによって、表裏層のみが高比重化し、芯層が低比重であるチップボードが製造される。全体が均一な比重であるチップボードと比較すると、表裏層が高比重である一方、芯層が低比重であるチップボードにおいては、曲げモーメントが大きくなるために曲げ強度は高くなるが、中心部の強度である剥離強度や木質床材に加工した際の実強度は弱くなってしまう。
また、乾燥したチップを熱圧成形した場合、芯層まで熱が伝わる前に表裏層のチップが焼けてしまう。木材の熱伝導率は0.15W/m・K〜0.25W/m・Kであるのに対し、水の熱伝導率は約0.5W/m・Kであり、木材の熱伝導率の約1/3〜1/5である。このため、木材中に水分が含まれていると、熱の伝導速度は速くなり、芯層まで効率的に加熱することが可能となる。しかし、同時に水の沸点は100℃であるため、水分が多すぎると、100℃以上の加熱が困難となり、硬化不良を引き起こすことになる。
さらに、チップボードを熱圧成形する際、表裏層が高比重に圧締され、そこに含まれる水分が、熱媒体になると同時に芯層側へと移行し、低比重の芯層より外部に放出される。熱圧成形時、大部分の蒸気はこのような経路で移動しており、チップボードは、上下の熱盤により大気圧以上の圧力がかかっているため、形状を保つことができる。しかし、蒸気は、開圧時に一気に大気圧へと戻るため、チップボードの内部に残留する蒸気は、表裏層および芯層から外部へと放出される。蒸気の放出時に発生する応力に接着力が耐えられない場合、チップボードにはパンクが発生する。発生箇所としては、高比重である表裏層よりも低比重である芯層の接着力が弱いために、芯層が主となる。また、チップボードの比重が高い場合には、特に蒸気の抜けがより遅くなってしまうため、よりパンクが発生しやすくなる。
しかし、本発明の木質板の製造方法が対象としているチップボードは、全体の比重が0.70以下である低比重のものであるため、蒸気の抜けが速く、したがって、芯層におけるチップ含水率が高いとしても、パンクを発生させることなく成形することが可能となる。
また、本発明の木質板の製造方法では、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率は10質量%〜30質量%であることが適正である。チップ含水率が高い程、チップが軟化しやすく、表裏層におけるチップ含水率が30質量%以下であれば、水分量が適当であり、パンクが発生しにくくなる。また、表裏層におけるチップ含水率が10質量%以上であれば、熱伝導が十分となり、接着剤の硬化がスムーズに進行しやすくなる。
さらにまた、芯層におけるチップ含水率を従来より高くすることで、表裏層の比重の低下に伴い、曲げ強度は低下するものの、芯層の比重が高くなり、実加工した場合の実強度を向上させることが可能となる。芯層におけるチップ含水率が表裏層におけるチップ含水率の0.8倍未満になると、芯層の高比重化が不十分となる。また、芯層におけるチップ含水率が表裏層におけるチップ含水率の1.0倍を超えると、表裏層の比重が低くなり、曲げ強度が著しく低下し、また、ボードの表面性が損なわれてしまう。このため、本発明の木質板の製造方法では、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率に対して、芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍のチップを用いる。
また、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率は、好ましくは、15質量%〜25質量%である。
したがって、本発明の木質板の製造方法により得られるチップボードは、従来品と比較して、表裏層と芯層の間における比重差が小さい。このため、チップ中心部への熱伝導を高くしたまま、チップボードのパンクを抑制することができ、しかも、芯層の比重を従来品よりも高めることができる。その結果、チップボードに実加工する場合の実強度を向上させることができる。
なお、本発明の木質板の製造方法においては、チップボードの原料となる木片状のチップは、木質由来では間伐材や建築解体材、植物由来では、バガス、ヤシ等の農産廃棄物を主とすることができる。例えば、間伐材として、マツ、スギ、ヒノキ等の針葉樹、またはラワン、カポール、ポプラ等の広葉樹が例示される。
チップボードは、例えば、従来の製造ラインを用いて製造することができる。製造ラインによるチップボードの製造は、一般に、原料の小片化、マット成形(フォーミング)、熱圧成形、仕上げ工程を経て行われる。
原料の小片化には、例えば、ハンマーミルやディスクリファイナー等を用いることが好ましいが、特に限定はされない。チップは、例えば、厚み0.5mm前後、長さ10mm〜20mmのものが例示される。
上記チップに、接着剤を塗布し、所定の含水率(チップ含水率)となるように水分を塗布することで、表裏層のチップおよび芯層のチップを調製することができる。この調製は、例えば、従来のチップボードの製造ラインに組み込んで行うことができる。例えば、製造ラインを表裏層と芯層の2系列にして、原料、植物系のパーティクル、乾燥度、接着剤等の添加量を別々に制御することができる。
接着剤を添加する際には、グルーブレンダー等の定量供給機を用いることができる。また、植物系のパーティクルおよび接着剤の混合には、従来用いられているリボンブレンダー、高速ミキサー、タンブラー等の混合設備を用いることができる。均一な混合が可能となる。この他、製造ラインに設けたロータリフィーダー、スクリューフィーダー等で植物系のパーティクルに一定量ずつ均一に接着剤を混入して供給するようにしてもよい。
接着剤の添加量は、特に限定されないが、例えば、乾燥状態の植物系のパーティクル100質量部に対して、固形分として表裏層のチップでは10質量部〜15質量部、芯層のチップでは5質量部〜10質量部とすることができる。
表裏層のチップを形成する接着剤には、ワックス等の他の添加剤を適宜添加することもできる。
接着剤としては、チップボードの種類に応じた合成樹脂接着剤を用いることができる。例えば、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDIプレポリマー、TDIプレポリマー等よりなるイソシアネート樹脂接着剤が例示される。また、ユリア樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、ユリア・メラミン共縮合樹脂接着剤、フェノール樹脂接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ウレタン樹脂接着剤、フルフラール樹脂接着剤等が例示される。これらの接着剤は単独で、または2種類以上の併用が可能である。接着剤の選択には、木質板の耐水性や、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの放出量等を考慮することができる。イソシアネート樹脂接着剤は、ホルムアルデヒドを原料としないため、安全性の高い接着剤である。
また、接着剤には、必要に応じて、サイズ剤等を添加することができる。チップにこのような接着剤を塗布することによって、ボード本体の強度を向上させ、また、ハンドリング性を向上させることができる。
チップボードを作製する際には、接着剤が塗布された含水率の異なるチップを、裏層チップ、芯層チップ、表層チップの順に3層に積層し、積層体を熱圧成形して、接着剤を硬化させる。熱圧成形では、例えば、加熱した一対のスチールベルトの隙間に、圧力を加えながら積層体を搬送させる連続プレス装置や、加熱した複数の熱盤間に積層体を挟んで加圧する多段プレス装置等を用いることができる。成形条件は、特に限定されるものではなく、例えば、成形温度80℃〜220℃、成形圧力0.5MPa〜4MPaの範囲が例示される。成形時間は、板厚や成形温度等を考慮して適宜設定することができる。
熱圧成形後に得られるチップボードは、樹脂含有量が5質量%以上40質量%以下のものであり、従来品に比べ樹脂含有量が高いものである。チップボードの厚みは、実の形成が可能であれば特に制限はなく、例えば、6mm〜20mmが例示される。チップボードの強度特性、寸法安定性等を考慮すると、8mm以上とするのが好ましい。
こうして得られるチップボードには、その表面に、表面処理を施して化粧面を形成し、実加工によって端面に実を形成し、最終製品である木質板とすることができる。
表面処理としては、防汚性塗料や耐光性塗料、撥水性塗料等の塗布によるコーティング処理が例示される。また、防汚性や耐光性、撥水性等を有し、木目模様等の種々の模様が施された合成樹脂化粧シート(フィルム)や、天然木を薄くスライスして形成した突板等の化粧シートの貼着が例示される。
なお、上記コーティング処理は、貼着した突板の表面に施すこともできる。
実加工は、チップボードの端面において行うことができる。実加工には、ルーター等の切削加工機等を、これまでと同様に使用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明の木質板の製造方法と木質板は、これらに限定されるものではない。
<実施例>
(実施例1)
さとうきび搾汁後の残渣であるバガスを原料とし、ハンマーミルで粉砕したバガスチップを芯層チップとし、この芯層チップをさらにディスクリファイナーで粉砕したものを表裏層チップとした。ドラムブレンダーを用いて、表裏層チップおよび芯層チップにメラミン接着剤(オーシカ製 M32)を11質量%塗布し、表裏層のチップ含水率、芯層のチップ含水率が、ともに25質量%になるように、水分を塗布した。これらをボード全体の比重が0.6、表層チップ/芯層チップ/裏層チップの比率が0.5:1:0.5になるようにフォーミングし、200℃のプレス熱盤間で4.5MPaの圧力をかけながら2分熱圧し、厚さ12mmのチップボードを作製した。
(実施例2)
チップの原料として建築解体材を用い、ボード全体の比重を0.7、表裏層のチップ含水率を18質量%、芯層のチップ含水率を15質量%に調整し、成形時に3分熱圧したこと以外は実施例1と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例3)
ボード全体の比重を0.7、表裏層のチップ含水率を10質量%、芯層のチップ含水率を8質量%に調整したこと以外は実施例1と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例4)
芯層のチップ含水率を8質量%に調整したこと以外は実施例3と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例5)
表裏層のチップ含水率を30質量%、芯層のチップ含水率を24質量%に調整したこと以外は実施例3と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例6)
芯層のチップ含水率を30質量%に調整したこと以外は実施例5と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例7)
表裏層のチップ含水率を10質量%、芯層のチップ含水率を8質量%に調整したこと以外は実施例2と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例8)
芯層のチップ含水率を8質量%に調整したこと以外は実施例7と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例9)
表裏層のチップ含水率を30質量%、芯層のチップ含水率を24質量%に調整したこと以外は実施例7と同様にして、チップボードを作製した。
(実施例10)
芯層のチップ含水率を30質量%に調整したこと以外は実施例9と同様にして、チップボードを作製した。
<比較例>
(比較例1)
芯層のチップ含水率を12質量%にしたこと以外は実施例1と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例2)
芯層のチップ含水率を9質量%にしたこと以外は実施例2と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例3)
表裏層のチップ含水率を10質量%、芯層のチップ含水率を15質量%にしたこと以外は実施例1と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例4)
表裏層のチップ含水率を35質量%、芯層のチップ含水率を20質量%にしたこと以外は実施例1と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例5)
ボード全体の比重を0.8にしたこと以外は実施例2と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例6)
ボード全体の比重を0.7、表裏層のチップ含水率を8質量%、芯層のチップ含水率を7質量%に調整したこと以外は比較例1と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例7)
芯層のチップ含水率を8質量%に調整したこと以外は比較例6と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例8)
表裏層のチップ含水率を32質量%、芯層のチップ含水率を26質量%に調整したこと以外は比較例6と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例9)
芯層のチップ含水率を32質量%に調整したこと以外は比較例8と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例10)
表裏層のチップ含水率を10質量%、芯層のチップ含水率を7質量%に調整したこと以外は比較例6と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例11)
芯層のチップ含水率を11質量%に調整したこと以外は比較例10と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例12)
表裏層のチップ含水率を30質量%、芯層のチップ含水率を21質量%に調整したこと以外は比較例6と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例13)
芯層のチップ含水率を33質量%に調整したこと以外は比較例12と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例14)
ボード全体の比重を0.8にしたこと以外は実施例3と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例15)
ボード全体の比重を0.8にしたこと以外は実施例4と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例16)
ボード全体の比重を0.8にしたこと以外は実施例5と同様にして、チップボードを作製した。
(比較例17)
ボード全体の比重を0.8にしたこと以外は実施例6と同様にして、チップボードを作製した。
実施例および比較例で得られたチップボードについて、パンク評価、実強度および曲げ強度を測定し、物性を評価した。評価の基準は下記の通りである。
<パンク評価>
熱圧成形後のチップボードにおいて、表裏層および芯層にパンクが発生していないか目視で観察し、確認した。
○: パンクなし
×: パンクあり
<実強度評価>
実加工後のチップボードから、板厚12mm、長さ60mm、実長さ12.7mmのサンプルを取り出し、アイゾット衝撃強度を測定した。
○: 10kJ/m以上
×: 10kJ/m未満
<曲げ強度評価>
JIS Z 2101「木材の試験方法」に準拠して行った。
○: 15MPa以上
×: 15MPa未満
評価結果を表1に示す。
Figure 2014113784
表1に示されるように、実施例1、実施例3〜6と比較例1、比較例10、比較例12の比較および実施例2、実施例7〜10と比較例2の比較により、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率に対して、芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍の範囲にあれば、実強度、曲げ強度ともに高いチップボードが得られることが確認された。0.8倍未満となると、実強度が低下することが確認された。
実施例1と比較例3、比較例11、比較例13との比較により、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率に対して、芯層におけるチップ含水率が、1.0倍を超えると、曲げ強度が低下することが確認された。
比較例4、比較例8、比較例9より、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が30質量%を超えると、パンクが発生することが確認された。
比較例5、比較例14〜17より、ボード全体の比重が0.7を超えると、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率に対して、芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍の範囲にあっても、パンクが発生することが確認された。
比較例6、比較例7より、表裏層におけるチップ含水率が10質量%未満であると、曲げ強度が低下することが確認された。
このことから、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が10質量%〜30質量%であり、表裏層におけるチップ含水率に対して芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍のチップを用いることによって、木質板の実部の強度が十分確保されることが確認された。また、低比重でも実加工が可能であることが確認された。

Claims (4)

  1. 接着剤が塗布されたチップを積層して熱圧成形し、全体の比重を0.70以下としたチップボードの端面に、実の形成が可能とされた木質板を製造する方法であって、熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が10質量%〜30質量%であり、かつ前記表裏層におけるチップ含水率に対して芯層におけるチップ含水率が、0.8倍〜1.0倍のチップを用いることを特徴とする木質板の製造方法。
  2. 熱圧成形する前の表裏層におけるチップ含水率が、15質量%〜25質量%であることを特徴とする請求項1に記載の木質板の製造方法。
  3. 前記チップが、木材またはバガスを粉砕したパーティクルであることを特徴とする請求項1または2に記載の木質板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の木質板の製造方法で製造され、比重が0.70以下であり、端面に実が形成されたことを特徴とする木質板。
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