JP2014116518A - 描画装置及び物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上における各荷電粒子線の強度のばらつきを低減するのに有利な描画装置を提供する。
【解決手段】複数の荷電粒子線で基板に描画を行う描画装置であって、前記複数の荷電粒子線のそれぞれを整形するための複数の開口を有する開口アレイと、前記開口アレイよりも荷電粒子線を放射する荷電粒子源側に配置されて前記複数の荷電粒子線のそれぞれを偏向する複数の第1偏向器を含み、前記複数の第1偏向器のそれぞれの駆動によって前記複数の荷電粒子線のそれぞれの前記開口アレイ上の照射位置を個別に変更するための偏向部と、前記基板上における前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度のばらつきが低減されるように、前記複数の第1偏向器による荷電粒子線の偏向を制御する制御部と、を有することを特徴とする描画装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、描画装置及び物品の製造方法に関する。
荷電粒子線で基板に描画を行う描画装置においては、スループットを向上させるために、荷電粒子光学系(照明光学系)の大画角化が要求されている。但し、荷電粒子光学系の大画角化を図ると、荷電粒子光学系の収差が増大してしまうため、テレセントリシティの悪化や照度むらの発生が懸念される。
そこで、アパーチャで分割した複数の荷電粒子線を個別に偏向することでテレセントリシティを改善する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、荷電粒子線を分割する開口の大きさが位置に応じて異なるアパーチャを用いて照度むらを補正する技術も提案されている(特許文献2参照)。
特開2009−32691号公報 特開2010−41055号公報
しかしながら、開口の大きさが位置に応じて異なるアパーチャでは、予め想定される系統的な照度むらは補正することができるが、照度むらが想定値からずれた場合や系統的でない(ローカルな)成分が大きい場合には、照度むらを補正することが困難となる。また、照度むらが想定値からずれるたびに、それに応じた新たなアパーチャを製造して描画装置に用いる(即ち、アパーチャを交換する)ことも考えられるが、描画装置のダウンタイムを増加させることになり、スループットの低下やコストの増加を招いてしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、基板上における各荷電粒子線の強度のばらつきを低減するのに有利な描画装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての描画装置は、複数の荷電粒子線で基板に描画を行う描画装置であって、前記複数の荷電粒子線のそれぞれを整形するための複数の開口を有する開口アレイと、前記開口アレイよりも荷電粒子線を放射する荷電粒子源側に配置されて前記複数の荷電粒子線のそれぞれを偏向する複数の第1偏向器を含み、前記複数の第1偏向器のそれぞれの駆動によって前記複数の荷電粒子線のそれぞれの前記開口アレイ上の照射位置を個別に変更するための偏向部と、前記基板上における前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度のばらつきが低減されるように、前記複数の第1偏向器による荷電粒子線の偏向を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、基板上における各荷電粒子線の強度のばらつきを低減するのに有利な描画装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態における描画装置の構成を示す概略図である。 図1に示す描画装置において、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理を説明するための図である。 図1に示す描画装置において、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきの補正を説明するための図である。 図1に示す描画装置において、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきの変化を模式的に示す図である。 図1に示す描画装置において、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきの変化を模式的に示す図である。 図1に示す描画装置において、基板に照射される各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理を説明するためのフローチャートである。 図1に示す描画装置において、基板に照射される各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における描画装置の構成を示す概略図である。 図8に示す描画装置において、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態における描画装置の構成を示す概略図である。 図10に示す描画装置において、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における描画装置100Aの構成を示す概略図である。描画装置100Aは、複数の荷電粒子線で基板に描画を行う、即ち、複数の荷電粒子線を用いて基板にパターンを描画するマルチ荷電粒子線方式の描画装置として具現化される。また、荷電粒子線は、電子線に限定されるものではなく、例えば、イオンビームなどであってもよい。
描画装置100Aは、制御部101と、荷電粒子源108と、コリメータレンズ110と、アパーチャアレイ111と、偏向部114と、投影アパーチャアレイ115とを有する。また、描画装置100Aは、ブランカーアレイ117と、偏向器118と、絞りアレイ119と、投影レンズアレイ121と、ステージ123と、ファラデーカップ124とを有する。
荷電粒子源108は、クロスオーバCIを形成する。クロスオーバCIから広角を有して放射された荷電粒子線は、コリメータレンズ110によって略平行となり、アパーチャアレイ111を照射する。ここで、荷電粒子源108は、例えば、LaB又はBaO/W(ディスペンサーカソード)などを含む熱電子型の荷電粒子源である。また、コリメータレンズ110は、単孔をそれぞれ有する3枚の電極を有し、3枚の電極のうち中間の電極には負の電位を印加し、上下の電極は接地する、所謂、アインツェル型の静電レンズで構成される。
アパーチャアレイ111を照射した荷電粒子線は、アパーチャアレイ111に形成された複数の開口112によって、複数の荷電粒子線CPに分割される。複数の荷電粒子線CPのそれぞれは、後段の投影アパーチャアレイ115に形成された複数の開口116(のサイズ)によって、その径が規定(整形)された荷電粒子線となる。投影アパーチャアレイ115は、後段の投影系に対する物体面位置に配置されている。従って、投影アパーチャアレイ115の開口116によって規定された荷電粒子線が、投影系によって縮小投影されて基板上に結像される。
投影アパーチャアレイ115の近傍(絞りアレイ119よりも荷電粒子源側)には、投影アパーチャアレイ115で規定された複数の荷電粒子線CPのそれぞれを偏向する複数の偏向器(第1偏向器)114aを含む偏向部114が配置されている。また、複数の偏向器114aは、絞りアレイ119の面方向に対して平行な面内に配置されている。偏向部114は、偏向器114aのそれぞれの駆動によって複数の荷電粒子線CPのそれぞれの絞りアレイ119の上(開口アレイ上)の照射位置を個別に変更する。具体的には、偏向器114aに対して、個別の偏向信号(印加電圧値)を与えることで、荷電粒子線CPごとに異なる方向及び大きさの偏向を行うことができる。本実施形態では、荷電粒子線CPごとに個別の偏向信号を与えるが、このような構成が困難である場合には、例えば、荷電粒子線CPを複数のグループに分け、同一グループには同一の偏向信号を与えるようにして構成を簡略化してもよい。例えば、複数の荷電粒子線の数を10000本とし、かかる荷電粒子線を100本ごとにグループに分けるとすると、グループの数は100となるため、偏向信号の数は100でよいことになる。このようなグループ化を行って偏向信号(偏向部114)を簡略化した場合であっても、本発明の適用範囲内とみなすことができる。
偏向部114と同様に、投影アパーチャアレイ115の近傍には、ブランカーアレイ117が配置されている。ブランカーアレイ117は、2値の偏向信号が与えられ、荷電粒子線CPのそれぞれを高速に制御可能(偏向可能)な複数の偏向電極対、即ち、複数の偏向器(第2偏向器)117aを含むデバイスである。ブランカーアレイ117は、ブランキング信号に基づいて、荷電粒子線CPに対して個別にブランキングを行う。荷電粒子線をブランキングしない場合には、ブランカーアレイ117の偏向器117aに電圧を印加せず、荷電粒子線をブランキングする場合には、ブランカーアレイ117の偏向器117aに電圧を印加すればよい。ブランカーアレイ117で偏向された荷電粒子線は、後段の絞りアレイ119によって遮断されてブランキング状態となる。このように、ブランカーアレイ117は、絞りアレイ119と協同して、偏向器117aのそれぞれの駆動によって基板122への荷電粒子線の照射又は非照射を行うブランキング偏向部として機能する。
ここで、偏向部114(偏向器114a)の機能とブランカーアレイ117(偏向器117a)の機能との差異について説明する。偏向部114の偏向器114aには、偏向信号(荷電粒子線ごとの偏向量)を多値(例えば、アナログ信号)で与えるが、その駆動(応答)は低速でもよい。一方、ブランカーアレイ117はブランキングのみを制御すればよいため、偏向器117aには、偏向信号を2値(例えば、オン信号又はオフ信号)で与えるが、その駆動(応答)には高速が要求される。なお、偏向信号として、多値、且つ、高速駆動可能な信号を与えることが可能な偏向デバイス(偏向器)を構成できる場合には、偏向部114の機能とブランカーアレイ117の機能とを兼ね備えた偏向デバイスを構成してもよい。
投影アパーチャアレイ115の開口116によって規定された荷電粒子線は、絞りアレイ119に照射される。絞りアレイ119は、アパーチャアレイ111の複数の開口112のそれぞれに対応して複数の開口120が形成された導体板で構成されている。絞りアレイ119は、投影レンズアレイ121の前側焦点面位置、即ち、荷電粒子線が結像する結像面(基板122が配置される面)に対して瞳面となる位置と光学的に共役な位置に配置された開口アレイである。従って、絞りアレイ119は、投影系のNA(開口率)を規定する絞りの機能を有する。
絞りアレイ119でNAを規定された荷電粒子線は、投影レンズアレイ121によって集束されて基板122の上に結像する。投影レンズアレイ121は、多孔をそれぞれ有する3枚の電極を有し、3枚の電極のうち中間の電極には負の電位を印加し、上下の電極は接地する、所謂、アインツェル型の静電レンズで構成される。また、投影レンズアレイ121は、例えば、1/100倍程度の投影倍率を有する。従って、投影アパーチャアレイ115の開口116の径を2μm程度とすると、基板122の上には、20nm程度のスポット径を有する荷電粒子線が形成される。
偏向器118は、基板122の上での荷電粒子線の偏向(走査)を行う。偏向器118は、互いに対向する電極対で構成され、例えば、x方向及びy方向のそれぞれについて2段の偏向を行うため、4段の電極対で構成される。偏向器118は、制御部101からの信号に従って駆動される。
基板122を保持して移動するステージ123には、基板上における複数の荷電粒子線のそれぞれの強度(電流量)を検出する検出部として、ファラデーカップ124が配置されている。ファラデーカップ124で検出された各荷電粒子線の電流量に基づいて、制御部101において、荷電粒子線のそれぞれの電流量のばらつきが算出される。なお、荷電粒子線の強度を検出する検出部はファラデーカップ124に限定されるものではなく、ファラデーカップ124の代わりに、荷電粒子線の電流量を検出可能な他の素子を用いてもよい。
制御部101は、CPUやメモリなどを含み、描画装置100Aの全体(動作)を制御する。例えば、制御部101は、基板122にパターンを描画する描画処理を制御する。また、制御部101は、本実施形態では、基板上における荷電粒子線の電流量のばらつき(照度むら)が低減されるように、偏向部114(偏向器114aによる荷電粒子線の偏向)を制御する。
パターンを描画する際には、基板122を保持するステージ123をx方向に連続的に移動させながら、偏向器118によって基板122の上の荷電粒子線をy方向に偏向させるとともに、描画すべきパターンに応じてブランカーアレイ117でブランキングを行う。この際、偏向器118による荷電粒子線の偏向(走査)は、レーザ測長器による実時間でのステージ123の測長結果を基準として行われる。
描画装置100Aは、ブランキング機能を実現する構成(ブランカーアレイ117及び絞りアレイ119)とは別に、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつき(照度むら)を補正(低減)する機能を実現する構成(偏向部114)を有する。換言すれば、描画装置100Aでは、偏向部114を用いて、基板122に照射される各荷電粒子線の電流量を調整することが可能である。
図2(a)乃至図2(d)を参照して、描画装置100Aにおいて、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきを補正する、即ち、基板122に照射される各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理について説明する。
図2(a)は、アパーチャアレイ111から絞りアレイ119までの構成を示す図である。図2(a)を参照するに、3本の荷電粒子線CP1、CP2及びCP3のうち、荷電粒子線CP3のみが偏向部114によって偏向されている。これにより、偏向部114によって偏向した後の荷電粒子線CP3の絞りアレイ119の上の照射位置が、偏向部114によって偏向する前の荷電粒子線CP3の絞りアレイ119の上の照射位置からシフトすることになる。ここで、偏向部114によって偏向する前の荷電粒子線CP3の絞りアレイ119の上の照射位置が、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線CP3の電流量が最大となる位置に調整されていたとする。この場合、偏向部114によって荷電粒子線CP3を偏向すると、照射位置に対する荷電粒子線CP3の形状が完全な矩形形状でない限り、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線CP3の電流量は減少する。
図2(b)は、荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置が、開口120を通過する荷電粒子線の電流量が最大となる位置に調整されている場合における荷電粒子線の電流量の分布を示している。図2(c)は、荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を、図2(b)に示す状態から、開口120を通過する荷電粒子線の電流量が減少する位置に偏向部114によって意図的にシフトさせた場合における荷電粒子線の電流量の分布を実線で示している。また、図2(c)には、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量が最大となる場合における荷電粒子線の電流量の分布(即ち、図2(b)に示す分布)も点線で示している。
図2(b)及び図2(c)を参照するに、荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を偏向部114によって連続的に変更することで、開口120を通過する荷電粒子線の電流量は、ピーク電流量以下のターゲット電流量(目標強度)に調整可能である。図2(d)は、偏向器114による照射位置のシフトによって、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量を、ピーク電流量I_peakからターゲット電流量I_targetに調整する様子を示している。ここで、図2(d)では、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量を縦軸に採用している。但し、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量をターゲット電流量に調整するためには、開口120を通過する荷電粒子線の電流量を検出することが必要である。そこで、本実施形態では、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量を、ステージ123に配置されたファラデーカップ124で検出する。
図3(a)乃至図3(d)を参照して、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきの補正について説明する。図3(a)は、偏向器114によって照射位置をシフトする前における絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量を示している。また、図3(b)及び図3(c)は、偏向器114によって照射位置をシフトした後における絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量を示している。なお、図3(b)及び図3(d)では、偏向器114によって照射位置をシフトする前の各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量を黒点で示し、偏向器114によって照射位置をシフトした後の各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量を白点で示している。
図3(a)に示すように、描画装置100Aにおいては、一般的に、照明系の照度むらなどに起因して、基板上における各荷電粒子線の電流量にばらつきが生じている。但し、上述したように、偏向器114によって各荷電粒子線CP1乃至CP7の照射位置をシフトさせることで、絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量を、ピーク電流量以下の電流量に調整することが可能である。
図3(b)では、荷電粒子線CP4の電流量をターゲット電流量I_targetとしている。そして、各荷電粒子線CP1、CP2、CP3、CP5及びCP6の電流量がターゲット電流量I_targetとなるように、偏向器114によって各荷電粒子線CP1、CP2、CP3、CP5及びCP6の絞りアレイ119の上の照射位置をシフトさせている。ここで、荷電粒子線CP7の電流量(ピーク電流量)は、ターゲット電流量I_target(荷電粒子線CP4の電流量)よりも低い電流量となっている。このような場合、偏向部114を用いても、荷電粒子線のピーク電流量よりも大きい電流量に調整することはできないため、荷電粒子線CP7の電流量を、ターゲット電流量I_targetに調整することはできない。このような荷電粒子線の電流量とターゲット電流量とのずれが、許容範囲内であれば、その荷電粒子線をパターンの描画に用いることができるが、許容範囲外であれば、その荷電粒子線をパターンの描画に用いることはできない(不良な荷電粒子線とする)。図3(b)では、荷電粒子線CP7を不良な荷電粒子線と特定し、ブランカーアレイ117によって荷電粒子線CP7を偏向して、荷電粒子線CP7が基板122に照射されないようにしている。
一方、図3(c)に示すように、荷電粒子線CP7の電流量をターゲット電流量I_targetとすれば、荷電粒子線CP1乃至CP6の電流量をターゲット電流量I_targetに調整することが可能である。従って、荷電粒子線CP1乃至CP7の全てをパターンの描画に用いることができる。このように、荷電粒子線CP7の電流量をターゲット電流量I_targetとした場合には、基板上における各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量のばらつきを補正することはできる。但し、基板上における各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量の合計(総電流量)が著しく減少する可能性がある。
図3(d)は、図3(a)に示す状態(initial)、図3(b)に示す状態(case1)及び図3(c)に示す状態(case2)のそれぞれにおける各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量及び総電流量を示している。図3(d)を参照するに、基板上における各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量のばらつきを補正する場合(case1及び2)には、各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量のばらつきを補正しない場合(initial)と比較して、総電流量が減少する。但し、ターゲット電流量を適切な電流量(即ち、各荷電粒子線の電流量の和が最大となるような電流量)に設定することで、総電流量の低下を抑えながら、各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量のばらつきを補正することができる。
図3(d)に示すcase1とcase2とを比較すると、case2では、荷電粒子線CP1乃至CP7の全てをパターンの描画に用いることができるが、各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量が著しく減少し、総電流値が大きく低下してしまっている。一方、case1では、荷電粒子線CP7を不良な荷電粒子線と特定しているため、荷電粒子線CP7をパターンの描画に用いることはできないが、荷電粒子線CP1乃至CP6の1本当たりの電流量の減少が抑えられている。これにより、各荷電粒子線CP1乃至CP7の電流量のばらつきを低減しながらも、総電流量の低下を抑えることができる。
但し、図3(d)に示すcase1がcase2よりも優れているとは限らない。例えば、基板122に描画すべきパターンによっては、荷電粒子線CP7を用いないと描画を行うことができない、或いは、2回の描画が必要となる場合がある。このような場合、case2は、case1よりも描画装置100Aのスループットを向上させることができる可能性がある。このように、ターゲット電流量の設定や不良な荷電粒子線の特定は、描画装置100Aの仕様に依存する。但し、絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線の電流量を、偏向部114による照射位置のシフト(変更)によってターゲット電流量に調整する構成については全て本発明の適用範囲内である。
図4(a)及び図4(b)は、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきの変化の一例を模式的に示す図である。図4(a)は、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整する前の荷電粒子線の電流量の分布を示し、図4(b)は、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整した後の荷電粒子線の電流量の分布を示している。図4(a)及び図4(b)では、荷電粒子線の電流量を縦軸に採用し、荷電粒子線の本数(度数)を横軸に採用している。なお、荷電粒子線の電流量の分布は、厳密には、離散分布となるが、図4(a)及び図4(b)では、連続分布として示している。
図4(a)を参照するに、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整する前の荷電粒子線の電流量の分布は、上述したように、照明系の照度むらなどによって、一定のばらつき(偏差)を有する分布となっている。図4(a)に示す分布において、各荷電粒子線の電流量がターゲット電流量I_targetとなるように調整することを考える。図4(a)には、偏向部114による許容調整量(Allowable max_shift)が示されている。かかる許容調整量は、例えば、偏向部114の偏向器114aによる荷電粒子線の最大偏向量や各荷電粒子線の電流量の調整による収差劣化などに基づいて決定される。また、偏向器114aによる荷電粒子線の最大偏向量は、描画装置100Aの仕様から決定される量であり、各荷電粒子線の電流量の調整による収差劣化は、かかる収差劣化を補正可能な範囲内とする。
ここで、偏向部114による許容調整量(Allowable max_shift)を超えて荷電粒子線の電流量を調整することはできない。従って、荷電粒子線のうち、その電流量とターゲット電流量I_targetとの差分が許容調整量以上である荷電粒子線については、ターゲット電流量I_targetへの調整を行うことができない。このような荷電粒子線については、不良な荷電粒子線と特定して、例えば、ブランカーアレイ117によって偏向して基板122に照射されないようにする(即ち、パターンの描画に用いないようにする)とよい。
また、上述したように、ピーク電流量がターゲット電流量I_targetよりも低い荷電粒子線についても、ターゲット電流量I_targetへの調整を行うことができない。但し、ピーク電流量がターゲット電流量I_targetよりも低い荷電粒子線の全てを不良な荷電粒子線として特定する必要はない。例えば、ピーク電流量とターゲット電流量I_targetとの差分が許容範囲(allowable min_I)に収まる荷電粒子線については、ピーク電流量がターゲット電流量I_targetよりも低くても、パターンの描画に用いてもよい。なお、ピーク電流量とターゲット電流量I_targetとの差分が許容範囲(allowable min_I)に収まらない荷電粒子線については、不良な荷電粒子線と特定して、パターンの描画に用いないようにする必要がある。
このようにして、図4(a)に示す分布において、基板上における各荷電粒子線の電流量がターゲット電流量I_targetとなるように調整すると、図4(b)に示す分布が得られる。図4(b)を参照するに、基板上における各荷電粒子線の電流量がターゲット電流量I_targetに局在し、ばらつき(偏差)の少ない分布となっている。
図5(a)及び図5(b)は、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきの変化の別の例を模式的に示す図である。図5(a)は、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整する前の荷電粒子線の電流量の分布を示し、図5(b)は、基板上における各荷電粒子線の電流量を調整した後の荷電粒子線の電流量の分布を示している。
図4(a)では、上述したように、荷電粒子線のうち、その電流量とターゲット電流量I_targetとの差分が許容調整量(Allowable max_shift)よりも大きい荷電粒子線については、不良な荷電粒子線としている。一方、図5(a)では、このような荷電粒子線についても、その電流量を許容調整量(Allowable max_shift)の範囲内で調整している。換言すれば、図5(a)において、ピーク電流量とターゲット電流量I_targetとの差分が大きい荷電粒子線については、その電流量を許容調整量(Allowable max_shift)だけターゲット電流量I_targetに近づけている。これは、ピーク電流量とターゲット電流量I_targetとの差分が大きい荷電粒子線に対して、別のターゲット電流量を設定していると考えることもできる。このようにして、図5(a)に示す分布において、基板上における各荷電粒子線の電流量がターゲット電流量I_targetとなるように、或いは、近づくように調整すると、図5(b)に示す分布が得られる。
図6及び図7は、描画装置100Aにおいて、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきを補正する、即ち、基板122に照射される各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理を説明するためのフローチャートである。かかる調整処理は、制御部101が描画装置100Aの各部を統括的に制御することで行われる。図6は、ターゲット電流量を調整処理のシーケンスにおいて決定する場合のフローチャートであり、図7は、ターゲット電流量が描画装置100Aの仕様などで予め決定されている場合のフローチャートである。
まず、図6に示す調整処理を説明する。S602では、偏向部114によって、絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線の電流量が最大(即ち、ピーク電流量)となるように、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を調整する。S602において、絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線の電流量がピーク電流量となるため、各荷電粒子線の電流量の合計、即ち、総電流量は最大となる。
S604では、S602で照射位置が調整された各荷電粒子線の電流量を検出する。ここで、各荷電粒子線の電流量は、例えば、ステージ123に配置されたファラデーカップ124で検出する。
S606では、S604で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内であるかどうかを判定する。スループットの観点では、各荷電粒子線の電流量がピーク電流量となる状態で描画を行うとよいが、各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内でない場合には、各荷電粒子線の電流量を調整する必要がある。そこで、S604で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内でない場合には、S606に移行する。一方、S604で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内である場合には、各荷電粒子線の電流量を調整する必要がないため、処理を終了する。
S608では、S604で検出された各荷電粒子線の電流量や偏向部114の偏向器114aによる荷電粒子線の最大偏向量に基づいて、ターゲット電流量を決定する。なお、ターゲット電流量は、図4(a)及び図4(b)や図5(a)及び図5(b)を参照して説明したように決定すればよい。
S610では、S604で検出された各荷電粒子線の電流量、偏向部114の偏向器114aによる荷電粒子線の最大偏向量、及び、S608で決定されたターゲット電流量に基づいて、不良な荷電粒子線を特定する。なお、不良な荷電粒子線は、図4(a)及び図4(b)や図5(a)及び図5(b)を参照して説明したように特定すればよい。
S612では、偏向部114によって、絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線の電流量がS608で決定されたターゲット電流量となるように、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を調整する。また、S610で特定された不良な荷電粒子線は、ブランカーアレイ117によって偏向して基板122に照射されないようにする。
S614では、基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が基準を満たしているかどうかを判定する。偏向部114によって各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を調整すると、基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が変化することがある。従って、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を調整した後に基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状を検出して、それが基準を満たしているかどうかを判定する必要がある。なお、基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状は、例えば、ファラデーカップ124の上にナイフエッジを配置することで検出することができる。
基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が基準を満たしていない場合には、S608に移行して、新たなターゲット電流量を決定する。この際、基板上における照射位置及び形状が基準を満たしていない荷電粒子線を不良な荷電粒子線として特定してもよい。例えば、基板上における照射位置及び形状が基準を満たしていない荷電粒子線が多い場合、各荷電粒子線の偏向による影響が大きいと考えられるため、許容調整量を初期値よりも小さく設定して新たなターゲット電流量を決定するとよい。
一方、基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が基準を満たしている場合には、S616に移行して、S612で照射位置が調整された各荷電粒子線の電流量を検出する。
S618では、S616で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内であるかどうかを判定する。S616で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内でない場合には、S608に移行して、新たなターゲット電流量を決定する。S616で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内である場合には、処理を終了する。
次に、図7に示す調整処理を説明する。S702では、偏向部114によって、絞りアレイ119の開口120を通過する各荷電粒子線の電流量が予め決定されたターゲット電流量となるように、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を調整する。ここでは、ターゲット電流量(例えば、500pA±10pA)が予め決定されているため、各荷電粒子線の電流量をピーク電流量とすることなく、最初からターゲット電流量にすることが可能である。
S704では、S702で照射位置が調整された各荷電粒子線の電流量を検出する。S706では、S704で検出された各荷電粒子線の電流量に基づいて、不良な荷電粒子線を特定する。このように、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を調整してもターゲット電流量にならない荷電粒子線を不良な荷電粒子線として特定し、ブランカーアレイ117によって偏向して基板122に照射されないようにする。
S708では、S614と同様にして、基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が基準を満たしているかどうかを判定する。基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が基準を満たしていない場合には、S702に移行して、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を再び調整する。この際、予め決定されたターゲット電流量を変更してもよい。また、基板上における各荷電粒子線の照射位置及び形状が基準を満たしている場合には、S710に移行する。
S710では、S704で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内であるかどうかを判定する。S704で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内でない場合には、S702に移行して、各荷電粒子線の絞りアレイ119の上の照射位置を再び調整する。この際、予め決定されたターゲット電流量を変更してもよい。また、S704で検出された各荷電粒子線の電流量のばらつきが許容範囲内である場合には、処理を終了する。
このように、本実施形態の描画装置100Aによれば、偏向部114を用いて、基板上の各荷電粒子線の電流量のばらつきを低減することができる。従って、描画装置100Aは、スループットの低下やコストの増加を抑えながら、基板122にパターンを描画する描画処理を行うことができる。
また、偏向部114は、偏向器114aを用いて荷電粒子線を偏向しているが、偏向器114aの代わりにレンズを用いて荷電粒子線を偏向してもよい。
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態における描画装置100Bの構成を示す概略図である。描画装置100Bは、描画装置100Aと同様な構成を有し、アパーチャアレイ111の後段に配置された集束レンズアレイ500を更に有する。
投影アパーチャアレイ115には、アパーチャアレイ111の1つの開口112に対して、複数の開口(本実施形態では、3×3の開口)116が形成されている。従って、アパーチャアレイ111で分割された荷電粒子線は、投影アパーチャアレイ115の開口116によって更に複数のサブ荷電粒子線に分割される。
ブランカーアレイ117は、投影アパーチャアレイ115の開口116のそれぞれに対して偏向器117aが配置されるように構成されている。換言すれば、サブ荷電粒子線ごとに偏向器117aが配置され、ブランカーアレイ117はサブ荷電粒子線に対して個別にブランキングを行うことができる。
集束レンズアレイ500は、投影アパーチャアレイ115で分割されたサブ荷電粒子線(本実施形態では、3×3のサブ荷電粒子線)のそれぞれが絞りアレイ119の開口120に集束するように設計されたレンズパワーを有する。集束レンズアレイ500は、例えば、投影レンズアレイ121と同様に、アインツェル型の静電レンズで構成される。また、集束レンズアレイ500は、光学的には、3×3のサブ荷電粒子線のそれぞれを、共通の絞りアレイ119の開口120に導くためのフィールドレンズの機能を有する。
絞りアレイ119を通過したサブ荷電粒子線は、後段の投影レンズアレイ121によって基板122の上に縮小投影される。投影レンズアレイ121は、光学的には、投影レンズアレイ121のレンズ(カラム)ごとに、投影アパーチャアレイ115の開口116を縮小投影している。
偏向部114は、描画装置100Aと同様に、投影アパーチャアレイ115に近接して配置されている。偏向部114は、本実施形態では、サブ荷電粒子線をグループごとに(即ち、3×3のサブ荷電粒子線ごとに)個別に偏向することができる。換言すれば、偏向部114は、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量を、サブ荷電粒子線のグループ単位で調整することができる。
図9(a)乃至図9(d)を参照して、描画装置100Bにおいて、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきを補正する、即ち、基板122に照射される各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理について説明する。
図9(a)は、アパーチャアレイ111から絞りアレイ119までの構成を示す図である。図9(a)を参照するに、3つのグループのサブ荷電粒子線群SCP1、SCP2及びSCP3のうち、サブ荷電粒子線群SCP3のみが偏向部114によって偏向されている。これにより、偏向部114によって偏向した後のサブ荷電粒子線群SCP3の絞りアレイ119の上の照射位置が、偏向部114によって偏向する前のサブ荷電粒子線群SCP3の絞りアレイ119の上の照射位置からシフトすることになる。ここで、偏向部114によって偏向する前のサブ荷電粒子線群SCP3の絞りアレイ119の上の照射位置が、絞りアレイ119の開口120を通過するサブ荷電粒子線群SCP3の電流量が最大となる位置に調整されていたとする。この場合、偏向部114によってサブ荷電粒子線群SCP3を偏向すると、照射位置に対するサブ荷電粒子線群SCP3の形状が完全な矩形形状でない限り、絞りアレイ119の開口120を通過するサブ荷電粒子線群SCP3の電流量は減少する。
図9(b)は、サブ荷電粒子線群の絞りアレイ119の上の照射位置が、開口120を通過するサブ荷電粒子線群の電流量が最大となる位置に調整されている場合におけるサブ荷電粒子線群の電流量(電流密度)の分布を示している。図9(c)は、サブ荷電粒子線群の絞りアレイ119の上の照射位置を、図9(b)に示す状態から、偏向部114によって意図的にシフトさせた場合におけるサブ荷電粒子線群の電流量(電流密度)の分布を実線で示している。また、図9(c)には、絞りアレイ119の開口120を通過するサブ荷電粒子線群の電流量が最大となる場合におけるサブ荷電粒子線群の電流量の分布(即ち、図9(b)に示す分布)も点線で示している。
図9(b)及び図9(c)を参照するに、サブ荷電粒子線群の絞りアレイ119の上の照射位置を偏向部114によって変更することで、開口120を通過するサブ荷電粒子線群の電流量は、ピーク電流量以下のターゲット電流量(目標強度)に調整可能である。図9(d)は、偏向器114による照射位置のシフトによって、絞りアレイ119の開口120を通過するサブ荷電粒子線群の電流量を、ピーク電流量I_peakからターゲット電流量I_targetに調整する様子を示している。
このように、描画装置100Bと描画装置100Aとの差異は、投影アパーチャアレイ115によって荷電粒子線が更に複数のサブ荷電粒子線に分割されていることだけである。従って、描画装置100Bでも同様に、絞りアレイ119の開口120を通過する荷電粒子線の電流量を、偏向部114によってサブ荷電粒子線のグループ単位で調整することで、基板上の各荷電粒子線の電流量のばらつきを低減することができる。これにより、描画装置100Bは、描画装置100Aと同様に、スループットの低下やコストの増加を抑えながら、基板122にパターンを描画する描画処理を行うことができる。
また、偏向部114は、本実施形態では、サブ荷電粒子線のグループごとに偏向を行っているが、これに限定されるものではなく、サブ荷電粒子線ごとに偏向を行ってもよい。この場合には、サブ荷電粒子線ごとに偏向器114aを配置して偏向部114を構成すればよい。
<第3の実施形態>
図10は、本発明の第3の実施形態における描画装置100Cの構成を示す概略図である。描画装置100Cは、描画装置100Aと同様な構成を有し、偏向部114の後段に配置された集束レンズアレイ600を更に有する。
偏向部114は、投影アパーチャアレイ115の近傍ではなく、アパーチャアレイ111の近傍に配置されている。偏向部114は、アパーチャアレイ111の開口112のそれぞれに対応して配置された偏向器114aを含み、アパーチャアレイ111で分割されて投影アパーチャアレイ115を照射する荷電粒子線を個別に偏向する。
集束レンズアレイ600は、例えば、投影レンズアレイ121と同様に、アインツェル型の静電レンズで構成される。集束レンズアレイ600は、集束レンズアレイ600の前側焦点面の位置がアパーチャアレイ111の位置に一致するように設計されたレンズパワーを有する。
投影アパーチャアレイ115よりも後段の構成は、描画装置100Aと同様である。従って、描画装置100Cでは、投影アパーチャアレイ115の開口116を、投影レンズアレイ121によって縮小投影している。
描画装置100Cは、描画装置100Aと異なり、荷電粒子線の電流量を調整するための開口として、絞りアレイ119の開口120ではなく、投影アパーチャアレイ115の開口116を用いている。ここで、投影アパーチャアレイ115は、荷電粒子線が結像する結像面(基板122が配置される面)と光学的に共役な位置に配置された開口アレイである。
図11(a)乃至図11(d)を参照して、描画装置100Cにおいて、基板上における各荷電粒子線の電流量のばらつきを補正する、即ち、基板122に照射される各荷電粒子線の電流量を調整する調整処理について説明する。
図11(a)は、アパーチャアレイ111からブランカーアレイ117までの構成を示す図である。図11(a)を参照するに、3本の荷電粒子線CP1、CP2及びCP3のうち、荷電粒子線CP3のみが偏向部114によって偏向されている。これにより、偏向部114によって偏向した後の荷電粒子線CP3の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置が、偏向部114によって偏向する前の荷電粒子線CP3の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置からシフトすることになる。ここで、偏向部114によって偏向する前の荷電粒子線CP3の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置が、投影アパーチャアレイ115の開口116を通過する荷電粒子線CP3の電流量が最大となる位置に調整されていたとする。この場合、偏向部114によって荷電粒子線CP3を偏向すると、照射位置に対する荷電粒子線CP3の形状が完全な矩形形状でない限り、投影アパーチャアレイ115の開口116を通過する荷電粒子線CP3の電流量は減少する。
図11(b)は、投影アパーチャアレイ115の上の照射位置が、開口116を通過する荷電粒子線の電流量が最大となる位置に調整されている場合における荷電粒子線の電流量の分布を示している。図11(c)は、荷電粒子線の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置を、図11(b)に示す状態から、偏向部114によって意図的にシフトさせた場合における荷電粒子線の電流量の分布を実線で示している。また、図11(c)には、投影アパーチャアレイ115の開口116を通過する荷電粒子線の電流量が最大となる場合における荷電粒子線の電流量の分布(即ち、図11(b)に示す分布)も点線で示している。
図11(b)及び図11(c)を参照するに、荷電粒子線の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置を偏向部114によって変更することで、開口116を通過する荷電粒子線の電流量は、ピーク電流量以下のターゲット電流量(目標強度)に調整可能である。図11(d)は、偏向器114による照射位置のシフトによって、投影アパーチャアレイ115の開口116を通過する荷電粒子線の電流量を、ピーク電流値I_peakからターゲット電流量I_targetに調整する様子を示している。
このように、描画装置100Cと描画装置100Aとの差異は、荷電粒子線の電流量を調整する開口アレイとして、絞りアレイ119の代わりに投影アパーチャアレイ115を用いていることだけである。従って、描画装置100Cは、投影アパーチャアレイ115の開口116を通過する荷電粒子線の電流量を偏向部114によって調整することで、基板上の各荷電粒子線の電流量のばらつきを低減することができる。これにより、描画装置100Cは、描画装置100Aと同様に、スループットの低下やコストの増加を抑えながら、基板122にパターンを描画する描画処理を行うことができる。
ここで、本実施形態における集束レンズアレイ600の機能について説明する。集束レンズアレイ600を偏向部114の後段に配置する理由は、偏向部114によって荷電粒子線の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置をシフトさせた場合でも、荷電粒子線の主光線角度が一定に維持されるようにするためである。上述したように、本実施形態では、集束レンズアレイ600の前側焦点面の位置がアパーチャアレイ111の位置に略一致している。従って、アパーチャアレイ111の近傍に配置された偏向部114で荷電粒子線を偏向しても、集束レンズアレイ600の前側焦点面における荷電粒子線の分布は変わらない。これにより、荷電粒子線の投影アパーチャアレイ115の上の照射位置はシフトするが、主光線角度は一定に維持される。このような光学的な構成によって、偏向部114による荷電粒子線の偏向が後段の光学系に与える影響を低減することができる。
<第4の実施形態>
上述した実施形態の描画装置、即ち、描画装置100A、100B及び100Cは、スループットの低下やコストの増加を抑えながら、描画処理を行うことができる。従って、上述した実施形態の描画装置は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上述した実施形態の描画装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板に描画を行う工程)と、かかる工程で潜像パターンを形成された基板を現像する工程(描画を行われた基板を現像する工程)とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (10)

  1. 複数の荷電粒子線で基板に描画を行う描画装置であって、
    前記複数の荷電粒子線のそれぞれを整形するための複数の開口を有する開口アレイと、
    前記開口アレイよりも荷電粒子線を放射する荷電粒子源側に配置されて前記複数の荷電粒子線のそれぞれを偏向する複数の第1偏向器を含み、前記複数の第1偏向器のそれぞれの駆動によって前記複数の荷電粒子線のそれぞれの前記開口アレイ上の照射位置を個別に変更するための偏向部と、
    前記基板上における前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度のばらつきが低減されるように、前記複数の第1偏向器による荷電粒子線の偏向を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする描画装置。
  2. 前記制御部は、前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度が目標強度となるように、前記複数の第1偏向器による荷電粒子線の偏向を制御することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。
  3. 前記制御部は、前記第1偏向器による荷電粒子線の最大偏向量に基づいて、前記目標強度を決定することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
  4. 前記基板上における前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度を検出する検出部を更に有し、
    前記制御部は、前記検出部で検出された強度に基づいて、前記目標強度を決定することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
  5. 前記制御部は、前記偏向部によって偏向された後の前記基板上における前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度の和が最大となるように前記目標強度を決定することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
  6. 前記基板上における前記複数の荷電粒子線のそれぞれの強度を検出する検出部と、
    前記複数の荷電粒子線のそれぞれを偏向する複数の第2偏向器を含み、前記複数の第2偏向器のそれぞれの駆動によって前記基板への荷電粒子線の照射又は非照射を行うブランキング偏向部と、
    を更に有し、
    前記制御部は、前記複数の第1偏向器による荷電粒子線の最大偏向量、及び、前記検出部で検出された強度に基づいて、前記複数の荷電粒子線のうち、前記第1偏向器によって偏向しても前記目標強度とならない荷電粒子線を特定し、当該特定した荷電粒子線が前記基板に照射されないように前記ブランキング偏向部を制御することを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
  7. 前記複数の第1偏向器は、前記開口アレイの面方向に対して平行な面内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の描画装置。
  8. 前記開口アレイは、前記複数の荷電粒子線が結像する結像面に対して瞳面となる位置と共役な位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の描画装置。
  9. 前記開口アレイは、前記複数の荷電粒子線が結像する結像面と共役な位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の描画装置。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の描画装置を用いて基板に描画を行う工程と、
    前記工程で描画を行われた前記基板を現像する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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