JP2014117657A - 石炭粉砕装置の制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミルに給炭される石炭の水分率に拘わらず、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量を増加する場合の応答性を改善する。
【解決手段】石炭粉砕装置の制御装置50は、ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御装置50であって、前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される微粉炭の出炭水分率M2を演算する出炭水分率演算部51と、出炭水分率M2のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を出炭水分率M2の状態により調整する温度指令値補正部52と、発電機の負荷変動時に、出炭水分率M2から求めた温度制御の先行信号Sを前記ミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部53と、を具備してなることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】石炭粉砕装置の制御装置50は、ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御装置50であって、前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される微粉炭の出炭水分率M2を演算する出炭水分率演算部51と、出炭水分率M2のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を出炭水分率M2の状態により調整する温度指令値補正部52と、発電機の負荷変動時に、出炭水分率M2から求めた温度制御の先行信号Sを前記ミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部53と、を具備してなることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、発電プラントのボイラ等に供給される微粉炭を生成する石炭粉砕装置の制御装置およびその制御方法に関するものである。
石炭焚き火力発電所では、石炭粉砕装置によって石炭を粉砕して微粉炭を生成し、この微粉炭をボイラに供給して効率良く燃焼させている。石炭を粉砕する際に石炭の水分率が高いと、石炭粉砕装置のミル(粉砕部)における粉砕性が低下するとともに、粉砕後に分級器にて所定の粒径以下の微粉炭だけを分級してボイラ側に送り出す際に、微粉炭同士が凝集して粒径が大きくなってしまい、分級器を通過できる大きさを超えるために粉砕部に戻される率が増加する。したがって、微粉炭の出炭量が減少してしまう。
このため、水分率の高い石炭を給炭する時には、ミルの内部に供給される空気流の温度を昇温することにより、微粉炭の水分を乾燥させてボイラに供給している。一般に、ミルには熱空気を供給する熱空気ダンパと、冷空気(常温の空気)を供給する冷空気ダンパとが設けられており、これらのダンパの開度比によってミル内部温度が調節されている。ミル内部の温度を昇温する場合は熱空気の供給割合を多くする。
発電機の運転負荷の上昇に伴ってミルへの給炭量C1を増加させる場合に、給炭される石炭の水分率が高いと、ミル内部温度を昇温させたとしても、ミルからの出炭量の増加に応答遅れが生じ、この応答遅れがボイラの蒸気温度や蒸気圧力制御の外乱となって安定した制御を行うことができなかった。
従来では、このような石炭の水分率に起因する出炭遅れを抑制するべく、特許文献1に記載されているボイラ制御装置のように、ミルの入口空気温度、出口空気温度、ミルケーシング温度、石炭温度、石炭流量、およびミルの入口空気流量等からボイラの入熱と出熱を算出し、これらのバランスから石炭の性状や水分率を計算し、それに見合うように分級器を駆動してミル出口の微粉炭粒度を調整するものがあった。
しかしながら、特許文献1に開示されているボイラ制御装置は、あくまでも石炭の性状や水分率に応じて微粉炭粒度を調整するものであるため、発電機の負荷が上昇させる場合には、それに見合う出炭量となるまでに応答の遅れが発生し、発電機の負荷が上昇するまでにタイムラグが発生してしまう問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、ミルに給炭される石炭の水分率に拘わらず、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量を増加する場合の応答性を改善することのできる石炭粉砕装置の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る石炭粉砕装置の制御装置は、ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御装置であって、前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される前記微粉炭の出炭水分率を演算する出炭水分率演算部と、前記出炭水分率のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を前記出炭水分率の状態により調整する温度指令値補正部と、前記発電機の負荷変動時に、前記出炭水分率から求めた温度制御の先行信号を前記ミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部と、を具備してなることを特徴とする。
即ち、本発明に係る石炭粉砕装置の制御装置は、ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御装置であって、前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される前記微粉炭の出炭水分率を演算する出炭水分率演算部と、前記出炭水分率のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を前記出炭水分率の状態により調整する温度指令値補正部と、前記発電機の負荷変動時に、前記出炭水分率から求めた温度制御の先行信号を前記ミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部と、を具備してなることを特徴とする。
上記構成によれば、出炭水分率演算部において、ミルから出炭される微粉炭の出炭水分率が演算され、温度指令値補正部において、前記出炭水分率のPID出力値が補正量としてミル温度指令値に加算されて該ミル温度指令値が出炭水分率の状態により調整される。そして、発電機の負荷変動時には、先行信号演算部において、前記出炭水分率から求めた温度制御の先行信号がミル温度指令値に付加され、ミル温度指令値が補正される。
このため、例えばミルに給炭される石炭の水分率が高い時に発電機負荷を高めることになっても、先行信号演算部が温度制御の先行信号をミル温度指令値に付加することにより、実際の出炭タイミングに先行してミル温度が上昇制御され、給炭される石炭および粉砕された微粉炭の乾燥が促進される。したがって、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量を増加する場合の応答性を改善することができる。
上記構成において、前記先行信号演算部は、前記発電機の負荷変化幅が大きい程、前記先行信号の変化幅を大きくすることが好ましい。
また、上記構成において、前記先行信号演算部は、前記発電機の負荷変化率が大きい程、前記先行信号の上げ側変化率を大きく設定することが好ましい。
さらに、上記構成において、前記先行信号演算部は、前記出炭水分率が高くなる程、前記先行信号の変化幅を大きく設定することが好ましい。
さらに、上記構成において、前記先行信号演算部は、前記出炭水分率が高くなる程、前記先行信号の変化幅を大きく設定することが好ましい。
さらにまた、上記構成において、前記先行信号演算部は、前記出炭水分率が高くなる程、前記先行信号の変化率のレートリミットを大きく設定することが好ましい。
上記の好ましい各設定により、出炭量を増加する際の応答性をより向上させることができる。
また、上記構成において、前記出炭水分率は、前記ミルに給炭される石炭の水分率と、前記ミルにおける乾燥効率との相関関係から演算されることが好ましい。
これにより、ミルから出炭される微粉炭の水分率を正確に算出し、先行信号演算部において演算される先行信号の値を最適化して出炭応答性を向上させることができる。
また、本発明に係る石炭粉砕装置の制御方法は、ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御方法であって、前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される前記微粉炭の出炭水分率を演算し、前記出炭水分率のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を前記出炭水分率の状態により調整するとともに、前記発電機の負荷変動時に、前記出炭水分率から求めた温度制御の先行信号を前記ミル温度指令値に付加して該ミル温度指令値を補正することを特徴とする。
上記制御方法によれば、例えばミルに給炭される石炭の水分率が高い時に発電機負荷を高めることになっても、温度制御の先行信号がミル温度指令値に付加されることにより、実際の出炭タイミングに先行してミル温度が上昇制御され、給炭される石炭および粉砕された微粉炭の乾燥が促進される。したがって、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量を増加する場合の応答性を改善することができる。
以上のように、本発明に係る石炭粉砕装置の制御装置および制御方法によれば、ミルに給炭される石炭の水分率に拘わらず、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量を増加する場合の応答性を改善することができる。
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用可能な石炭粉砕装置の一例を示す縦断面図である。この石炭粉砕装置1は、発電プラントのボイラに供給される微粉炭を生成する周知の構成を持つものであり、そのミル(粉砕部)2が中空の円筒形状をなすハウジング(筐体)3を備えている。このハウジング3の天頂中央部から石炭供給管4がハウジング3の内部に鉛直に突入するように装着され、その下端部がハウジング3の内部に開放されている。
図1は、本発明を適用可能な石炭粉砕装置の一例を示す縦断面図である。この石炭粉砕装置1は、発電プラントのボイラに供給される微粉炭を生成する周知の構成を持つものであり、そのミル(粉砕部)2が中空の円筒形状をなすハウジング(筐体)3を備えている。このハウジング3の天頂中央部から石炭供給管4がハウジング3の内部に鉛直に突入するように装着され、その下端部がハウジング3の内部に開放されている。
ハウジング3内の下部には、石炭供給管4の開放口に対向して皿状の粉砕テーブル5が配置され、テーブル駆動機構6により回転駆動されるようになっている。そして、この粉砕テーブル5の上面の周縁部に対して離接可能に複数の粉砕ローラ7が配置されている。これらの粉砕ローラ7は支持装置8によって回転自在に支持されるとともに、押圧駆動装置9によって粉砕テーブル5に押し付けられている。
ハウジング3の内部において、石炭供給管4の周囲には遠心式の分級器11が回転自在に軸支され、ハウジング3の上部に設置された分級器駆動装置12によって回転駆動されるようになっている。分級器11の回転速度は後述する制御装置によって制御される。
ハウジング3の、粉砕テーブル5よりも低い位置には一次空気供給管13が接続されている。この一次空気供給管13は、図示しない空気供給装置から供給される一次空気をハウジング3内に高速で供給する。この一次空気は、ボイラの排熱等と熱交換されて加熱された熱空気と、常温の冷空気とが所定の割合で混合された熱気であり、図示しない熱空気ダンパと冷空気ダンパの開度比によりハウジング3の内部温度が調整される。
また、ハウジング3の天頂部には出口管15が接続されている。この出口管15は図示しないボイラの火炉(バーナ)に通じている。
石炭供給管4は、図示しない石炭供給装置から粉砕テーブル5の上に石炭を供給する。石炭供給管4には、給炭量C1を計測する流量センサ17と、給炭温度を計測する温度センサ18とが設けられている。
また、一次空気供給管13には、一次空気の流量、即ちミル2の入口空気流量を計測する流量センサ20と、一次空気の温度、即ちミル2の入口空気温度を計測する温度センサ21とが設けられている。
さらに、出口管には、ミル2の出口圧力を計測する圧力センサ23と、ミル2の出口空気温度を計測する温度センサ24と、ミル2と火炉との差圧を計測する圧力センサ25とが設けられている。
また、一次空気供給管13には、一次空気の流量、即ちミル2の入口空気流量を計測する流量センサ20と、一次空気の温度、即ちミル2の入口空気温度を計測する温度センサ21とが設けられている。
さらに、出口管には、ミル2の出口圧力を計測する圧力センサ23と、ミル2の出口空気温度を計測する温度センサ24と、ミル2と火炉との差圧を計測する圧力センサ25とが設けられている。
このように構成された石炭粉砕装置1において、石炭供給管4から粉砕テーブル5の上に供給された石炭は、粉砕テーブル5の回転に伴う遠心力によって外周側に移動し、粉砕ローラ7と粉砕テーブル5との間に入り込んで粉砕される。この時、粉砕ローラ7は押圧駆動装置9によって粉砕テーブル5側に押圧されているために、粉砕テーブル5の回転に連動して回転する。
石炭は粉砕ローラ7に粉砕されて微粉炭となり、粉砕テーブル5の下部の一次空気供給管13からミル2(ハウジング3)の内部に高速で流入する一次空気により上方に搬送され、分級器11によって粒度を分級される。そして、所定の粒径以下の微細な粒子のみが空気と共に出口管15からボイラの火炉に供給される。微細な粒子は着火性が良く、ボイラのバーナで効率良く燃焼することができる。一方、粒径の大きな粒子は分級器11の回転羽根ではじかれて粉砕テーブル5上に落下し、再び粉砕ローラ7により粉砕され、粒径をより小さくされて分級器11を経てボイラの火炉に供給される。
一次空気供給管13からミル2の内部に供給される一次空気は、前述のように、高温な熱空気と常温の冷空気とが所定の割合で混合された熱気であるため、ミル2の内部に給炭される石炭と、この石炭が粉砕されて生成された微粉炭とに含有されている水分を乾燥させることができる。石炭および微粉炭の水分率が高くなる程、熱空気ダンパの開度割合が大きくされて一次空気の温度が高くなるように制御される。
図2は、本発明の一実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
この制御装置50は、ミル2の温度、好ましくは温度センサ24によって計測されるミル2の出口空気温度を制御するものであり、出炭水分率演算部51と、温度指令値補正部52と、先行信号演算部53とを具備して構成されている。
この制御装置50は、ミル2の温度、好ましくは温度センサ24によって計測されるミル2の出口空気温度を制御するものであり、出炭水分率演算部51と、温度指令値補正部52と、先行信号演算部53とを具備して構成されている。
出炭水分率演算部51は、ミル2における各種のプロセス値から、出炭される前記微粉炭の出炭水分率M2を演算する。ここで、各種のプロセス値としては、流量センサ20によって計測されるミル入口空気流量と、温度センサ21によって計測されるミル入口空気温度と、温度センサ24によって計測されるミル出口空気温度と、流量センサ17によって計測される石炭供給管4からの石炭の給炭量C1と、温度センサ18によって計測される給炭温度と、圧力センサ25によって計測されるミル2とボイラの火炉(非図示)との間の差圧と、圧力センサ23によって計測されるミル出口圧力、等を挙げることができる。
出炭水分率演算部51によって演算された出炭水分率M2は、目標となる出炭水分率設定値との差分55を算定され、この差分55が温度指令値補正部52によって給炭量C1の指令値に対するミル出口空気温度指令値(ミル温度指令値)への補正量となる。なお、関数発生部57において、ミル出口空気温度指令値と給炭量指令値との関係は、図2中のグラフ2Aに示すようになっている。温度指令値補正部52は、演算された出炭水分率M2の差分55のPID出力値を補正量として、関数発生部57において決定された補正前のミル出口空気温度指令値に加算し、これにより出炭水分率M2の状態に応じてミル出口空気温度指令値が補正される。
ところで、出炭水分率M2は、ミル2に給炭される石炭の水分率と、ミル2における乾燥効率ηとの相関関係から設定するのが好ましい。図2に示す出炭水分率演算部51においては、出炭水分率M2を求めるために、図3に示すような制御フローが実行される。
即ち、まず出炭量演算部51aにおいて、ミル火炉差圧と、ミル入口空気流量と、ミル出口空気温度と、ミル出口圧力とから、ミル2からの出炭量C2が演算される。要するに、ミル2に流入する空気と、ミル2から流出する空気との差圧から、流通する空気にどれだけの出炭量C2が含まれているかが演算される。
次に、給炭水分率演算部51bにおいて給炭水分率M1が演算される。ここでは、火炉内の熱バランス(入熱と出熱の比率)から給炭の水分率が算出するべく、ミル入口空気流量と、ミル入口空気温度と、ミル出口空気温度と、給炭量C1と、給炭温度と、出炭量演算部51aにて演算された出炭量C2と、後述する乾燥効率ηとから給炭水分率M1が演算される。この給炭水分率M1の演算は、ミル2が静定中の条件下で行う必要がある。
さらに、乾燥効率テーブル51cにおいて乾燥効率ηが設定される。この乾燥効率テーブル51cは、給炭水分率演算部51bで演算された給炭水分率M1の値と、ミル入口空気流量と、ミル出口空気温度と、給炭量C1とをパラメータにして乾燥効率ηの仮定値が設定される。
そして、出炭水分率演算部51において、給炭水分率演算部51bで演算された給炭水分率M1と、乾燥効率テーブル51cで設定された乾燥効率ηの仮定値と、給炭量C1の値とから、出炭水分率M2が演算される。
上記の制御において、乾燥効率テーブル51cで設定された乾燥効率ηの仮定値は、給炭水分率演算部51bに代入されて給炭水分率M1の演算に用いられ、この給炭水分率演算部51bで演算された給炭水分率M1が再び乾燥効率テーブル51cに代入されて乾燥効率ηの仮定値が再設定され…、というルーティンが反復される。この反復演算は、ミル2の入口側の乾燥効率ηと出口側の乾燥効率ηとの差が所定の範囲内に収斂するまで繰り返される。このような反復演算を行うのは、給炭の水分率が定まらないと乾燥効率ηを算出できないためである。
このように、ミル2に給炭される石炭の水分率M1と、ミル2における乾燥効率ηとの相関関係を踏まえて出炭水分率M2を演算することにより、ミル2から出炭される微粉炭の水分率M2を正確に算出することができる。
ここまでの制御によれば、ミル2に給炭される石炭の水分率M1が高い場合であっても、それに応じてミル2の内部温度が高められ、ミル2内に給炭される石炭および粉砕された微粉炭の乾燥が促進され、発電機の負荷が変動する場合における応答性をある程度まで改善することができる。
さらに、図2に示すように、発電機の負荷が変動する時には、先行信号演算部53において出炭水分率M2から求められた温度制御の先行信号Sが、補正後のミル出口空気温度指令値に付加され、このミル出口空気温度指令値がさらに補正される。先行信号演算部53には、発電機負荷と、発電機負荷指令の変化幅および変化率と、出炭水分率演算部51において演算された出炭水分率M2とが代入され、先行信号Sが演算される。
図2中のグラフ2Bに示すように、先行信号演算部53は、発電機の負荷変化幅Haが大きい程、先行信号Sの変化幅Hbを大きく設定する。また、先行信号演算部53は、発電機の負荷変化率Raが大きい程、先行信号Sの上げ側変化率Rbを大きく設定する。つまり、上げ側変化率Rbの傾斜を急角度に設定する。なお、下げ側変化率Rcについては、上げ側変化率Rbのような急角度にする必要は特にない。また、上げ側変化率Rbから下げ側変化率Rcに移行する間には所定の保持時間が設けられる。
図4は、先行信号演算部53における先行信号Sの求め方を示す制御フロー図である。先行信号演算部53には5つの関数発生部53a〜53eが設けられている。まず、関数発生部53aにおいて、グラフ4Aに示すように、発電機負荷帯(50%,60%,70%…等)に応じて、ベースとなる補正量の曲線が関数として設定される。そして、発電機負荷の上げ幅(負荷変化幅Ha)が大きい程、ミル出口空気温度の上昇幅が大きくなるように先行信号Sの変化幅Hbが大きく設定される。
また、関数発生部53bにおいては、グラフ4Bに示すように、発電機の負荷変化率Raが大きくなる程(傾斜が急になる程)、先行信号Sの変化率、特にここでは上げ側変化率Rb(図2参照)が大きくなるように(傾斜が急になるように)演算係数に設定される。
さらに、関数発生部53cにおいては、グラフ4Cに示すように、出炭水分率M2が高くなる程、先行信号Sの変化幅Hbが大きくなるように演算係数が設定される。
また、関数発生部53dにおいては、グラフ4Dに示すように、出炭水分率M2が高くなる程、先行信号Sの温度上げ側の変化率のレートリミットが大きく設定され、関数発生部53eにおいては、グラフ4Eに示すように、出炭水分率M2が高くなる程、先行信号Sの温度下げ側の変化率のレートリミットが大きく設定される。
制御装置50は以上のように構成されている。
上記の説明の通り、この制御装置50は、ミル2における各種のプロセス値から、出炭される微粉炭の出炭水分率M2を演算する出炭水分率演算部51と、この出炭水分率M2のPID出力値を補正量としてミル2へのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を出炭水分率M2の状態により調整する温度指令値補正部52と、発電機の負荷変動時に、出炭水分率M2から求めた温度制御の先行信号Sをミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部53と、を具備している。
上記の説明の通り、この制御装置50は、ミル2における各種のプロセス値から、出炭される微粉炭の出炭水分率M2を演算する出炭水分率演算部51と、この出炭水分率M2のPID出力値を補正量としてミル2へのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を出炭水分率M2の状態により調整する温度指令値補正部52と、発電機の負荷変動時に、出炭水分率M2から求めた温度制御の先行信号Sをミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部53と、を具備している。
そして、発電機の負荷変動時には、先行信号演算部53において、出炭水分率M2から求めた温度制御の先行信号Sがミル温度指令値に付加され、ミル温度指令値が補正される。
このため、例えばミル2に給炭される石炭の水分率が高い時に発電機負荷を高める運転状況になっても、先行信号演算部53が温度制御の先行信号Sをミル温度指令値に付加することにより、実際の出炭タイミングに先行してミル2の出口空気温度が上昇制御され、給炭される石炭および粉砕された微粉炭の乾燥が促進される。したがって、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量C2を増加する場合の応答性を飛躍的に改善することができる。
また、この制御装置50において、先行信号演算部53は、発電機の負荷変化幅Haが大きい程、先行信号Sの変化幅Hbを大きく設定するため、ミル2の出口空気温度の上げ幅を予め大きくすることにより、負荷変化幅Haが大きい場合に、ミル2での乾燥をより早めて出炭量の応答遅れを低減させ、負荷追従性を改善することができる。
さらに、先行信号演算部53は、発電機の負荷変化幅Haが大きい程、先行信号Sの上げ側変化率を大きく設定するため、負荷変化幅Haに応じて予めミル2の出口空気温度の上げ幅を大きくすることにより、負荷変化幅Haが大きい場合に、ミル2での乾燥をより早めて出炭量の応答遅れを低減させ、負荷追従性を改善することができる。
また、先行信号演算部53は、出炭水分率M2が高くなる程、先行信号Sの変化幅を大きく設定するため、出炭水分率M2に応じて予めミル2の出口空気温度の上げ幅を大きくし、出炭水分率M2が大きい場合のミル2での乾燥遅れを低減させることにより、出炭量の応答遅れを低減させ、負荷追従性を改善することができる。
さらにまた、先行信号演算部53は、出炭水分率M2が高くなる程、先行信号Sの変化率のレートリミットを大きく設定するため、出炭水分率M2に応じて予めミル2の出口空気温度を上げる速度を速め、出炭水分率M2が大きい場合のミル2での乾燥遅れを低減させることにより、出炭量の応答遅れを低減させ、負荷追従性を改善することができる。
また、この制御装置50において、ミル2から出炭される微粉炭の出炭水分率M2は、ミル2に給炭される石炭の水分率と、ミル2における乾燥効率ηとの相関関係から演算されるため、出炭水分率M2を正確に算出し、先行信号演算部53において演算される先行信号Sの値を最適化して出炭応答性を向上させることができる。
こうして、本発明に係る石炭粉砕装置の制御装置および制御方法によれば、ミル2に給炭される石炭の水分率に拘わらず、発電機の負荷上昇に合わせて出炭量C2を増加する場合の応答性を改善することができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態においては、先行信号Sによってミル2の出口空気温度が先行調整されるように説明されているが、ミル2の入口空気温度やミル2の入口空気流量を先行調整するようにしてもよい。
1 石炭粉砕装置
2 ミル
50 制御装置
51 出炭水分率演算部
52 温度指令値補正部
53 先行信号演算部
Ha 発電機の負荷変化幅
Hb 先行信号の変化幅
M1 給炭水分率
M2 出炭水分率
Ra 発電機の負荷変化率
Rb 先行信号の上げ側変化率
Rc 先行信号の下げ側変化率
S 先行信号
η ミルにおける乾燥効率
2 ミル
50 制御装置
51 出炭水分率演算部
52 温度指令値補正部
53 先行信号演算部
Ha 発電機の負荷変化幅
Hb 先行信号の変化幅
M1 給炭水分率
M2 出炭水分率
Ra 発電機の負荷変化率
Rb 先行信号の上げ側変化率
Rc 先行信号の下げ側変化率
S 先行信号
η ミルにおける乾燥効率
Claims (7)
- ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御装置であって、
前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される前記微粉炭の出炭水分率を演算する出炭水分率演算部と、
前記出炭水分率のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を前記出炭水分率の状態により調整する温度指令値補正部と、
前記発電機の負荷変動時に、前記出炭水分率から求めた温度制御の先行信号を前記ミル温度指令値に付加し、該ミル温度指令値を補正する先行信号演算部と、
を具備してなることを特徴とする石炭粉砕装置の制御装置。 - 前記先行信号演算部は、前記発電機の負荷変化幅が大きい程、前記先行信号の変化幅を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の石炭粉砕装置の制御装置。
- 前記先行信号演算部は、前記発電機の負荷変化率が大きい程、前記先行信号の上げ側変化率を大きく設定することを特徴とする請求項1または2に記載の石炭粉砕装置の制御装置。
- 前記先行信号演算部は、前記出炭水分率が高くなる程、前記先行信号の変化幅を大きく設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の石炭粉砕装置の制御装置。
- 前記先行信号演算部は、前記出炭水分率が高くなる程、前記先行信号の変化率のレートリミットを大きく設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の石炭粉砕装置の制御装置。
- 前記出炭水分率は、前記ミルに給炭される石炭の水分率と、前記ミルにおける乾燥効率との相関関係から演算されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の石炭粉砕装置の制御装置。
- ミルにより石炭を粉砕して生成した微粉炭を、発電機を駆動する蒸気を発生させるボイラに出炭する石炭粉砕装置に備えられ、前記ミルの温度を制御する石炭粉砕装置の制御方法であって、
前記ミルにおける各種のプロセス値から、出炭される前記微粉炭の出炭水分率を演算し、
前記出炭水分率のPID出力値を補正量として前記ミルへのミル温度指令値に加算することにより、該ミル温度指令値を前記出炭水分率の状態により調整するとともに、
前記発電機の負荷変動時に、前記出炭水分率から求めた温度制御の先行信号を前記ミル温度指令値に付加して該ミル温度指令値を補正する、
ことを特徴とする石炭粉砕装置の制御方法。
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