JP2014117964A - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギ吸収部材のエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる構造を実現する。
【解決手段】略L字状の板状部材から成るエネルギ吸収部材13aの一部に、塑性変形してその長さが伸長する伸長部34を設ける。又、この伸長部34を、貫通孔35、36、37と、幅方向両端部に形成された切り欠き38、38と、長さ方向に対して傾斜した状態で設けられた複数個の塑性変形素子40a、40bから成る塑性変形部39とで構成する。そして、エネルギ吸収部材13aを、支持ブラケット11aの結合板部16aの上側面と、同じく前後側板部28の前側面とに沿う状態で配置すると共に、エネルギ吸収部材13aの前端部を前後側板部28aの一部に支持固定し、且つ、後端部を車体に対して支持固定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、衝突事故の際に運転者の身体からステアリングホイールに加わった衝撃エネルギを吸収しつつこのステアリングホイールの前方への変位を可能とする、衝撃吸収式ステアリング装置の改良に関する。具体的には、衝突事故の際の衝撃エネルギを吸収する為のエネルギ吸収部材の構造を工夫する事により、設計の自由度の向上及び低コスト化を
図ると共に、エネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる構造を実現するものである。
自動車用ステアリング装置は、図4に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。
上述の様な自動車用ステアリング装置は、衝突事故の際に、衝撃エネルギを吸収しつつ、前記ステアリングホイール1を前方に変位させる構造にする事が、運転者の保護の為には必要である。即ち、衝突事故の際には、自動車が他の自動車等にぶつかる一次衝突に続いて、運転者の身体が前記ステアリングホイール1に衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和して、運転者の保護を図る為に、前記ステアリングホイール1を支持した前記ステアリングコラム6を車体に対して、二次衝突に伴う前方への衝撃荷重により前方に脱落可能に支持すると共に、前記ステアリングコラム6と共に前方に変位する部分と車体10との間に、塑性変形する事で前記衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材を設ける事が、例えば特許文献1に記載される等により従来から知られており、且つ、広く実施されている。
図5〜9は、特許文献1に記載された、衝撃吸収機能を備えた自動車用ステアリング装置の構造の1例を示している。この自動車用ステアリング装置は、ステアリングホイール1(図4参照)の上下位置を調節する為のチルト機構を備えたもので、ステアリングコラム6aと、支持ブラケット11と、このステアリングコラム6aの内径側に回転自在に支持したステアリングシャフト5aと、このステアリングコラム6aの中間部に固定されたコラム側ブラケット12と、1対のエネルギ吸収部材13、13とを有する。尚、この様な自動車用ステアリング装置が備えるチルト機構は、例えば、特許文献3〜4に記載される等により従来から知られており、且つ、広く実施されている構造と同様であり、本発明の要旨とは関係しない為、説明は省略する。
前記支持ブラケット11は車体10(図4参照)に対し二次衝突に基づく衝撃荷重により前記ステアリングコラム6aと共に前方への変位(離脱)を可能に結合支持している。この様な支持ブラケット11は、それぞれが鋼板等の、十分な強度及び剛性を有する金属板製であり、下端(図5の下端)の前側(図5の左側)で幅方向に連続した左右1対の支持板部15、15と、これら両支持板部15、15の上端(図5の上端)から幅方向外方(幅方向とは、車体の幅方向を言い、図6の上下方向。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に折り曲げた状態で延出した1対の結合板部14、14とを有する。これら両結合板部14、14の幅方向中央部には、それぞれがこれら両結合板部14、14の後端縁(図6の右端縁)に開口する切り欠き17、17を形成し、これら両切り欠き17、17部分に、カプセル18、18を装着している。
前記両カプセル18、18は、通常状態では前記両切り欠き17、17から抜け出る事はないが、前記支持ブラケット11に前方に向いた大きな衝撃荷重が加わった場合には、前記両切り欠き17、17との係合部(例えば、前記両結合板部14、14と前記両カプセル18、18との間に掛け渡された止めピン)を裂断して、前記両切り欠き17、17から後方に抜け出る。又、前記両カプセル18、18の中央部には、前記支持ブラケット11を前記車体10に結合支持する為のボルト或はスタッド(図示省略)を挿通する為の通孔19、19を設けている。
前記支持ブラケット11を前記車体10に結合支持するには、例えば、前記両カプセル18、18の通孔19、19を下から上に挿通したボルト(図示省略)を、前記車体10に形成したねじ孔、或いはこの車体10に溶接等により固定したナット(図示省略)に螺合し更に締め付ける。この様な構成により、衝突事故に伴う二次衝突の際、前記支持ブラケット11に対して前方に向いた大きな衝撃荷重が加わった場合にのみ、この支持ブラケット11が前記車体10に対し、前記ステアリングコラム6aと共に前方に脱落可能に結合支持される。この結果、前記ステアリングホイール1も前方に変位し、このステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和できる。
尚、前記車体10の下面に固定したスタッド(図示省略)を前記両カプセル18、18の各通孔19、19を上から下に挿通し、このスタッドの下端部にナット(図示省略)を螺合し更に締め付ける事により、前記支持ブラケット11を前記車体10に対して結合支持する事もできる。
又、前記両エネルギ吸収部材13、13は、図7〜9に示す様に板状部材を略L字状に折り曲げて構成しており、後側取付板部20と、破断板部21と、前側係合板部22とを備えている。
このうちの後側取付板部20は、前記両エネルギ吸収部材13、13を前記車体10に対して結合支持する為のボルト或はスタッド(図示省略)を挿通する為の通孔23を有する。
又、前記破断板部21は、前記後側取付板部20の前端から下方に折り曲げた状態で設けられており、その上端の幅方向外側半部(図7の左半部、図9の下半部)で、前記後側取付板部20と連続している。又、破断板部21の幅方向中央の上方寄り部分に、スリット24が形成されており、このスリット24の下端から、前記破断板部21の下端に掛けての部分に、上下方向に連続又は不連続に形成された溝により構成された破断誘導線25が形成されている。
又、前記前側係合板部22は、前記破断板部21の上端の幅方向内側半部から、前方に折れ曲がった状態で形成されている。この様な前側係合板部22は、その先端部26の幅方向寸法が、その基端部27の幅方向寸法よりも大きい、
この様な両エネルギ吸収部材13、13は、前記後側取付板部20を、前記通孔23に、前記両カプセル18、18を前記車体10に結合支持する為のボルト或はスタッド(図示省略)を挿通した状態で、前記両カプセル18、18と共に前記車体10に結合支持する。
又、前記前側係合板部22の先端部26を、前記支持ブラケット11の両結合板部14、14の前端部から下方に折れ曲がった状態で設けられた前後側板部28に形成された係止孔29に係止する。
上述の様な従来構造の自動車用ステアリング装置の場合、二次衝突の際、前記支持ブラケット11が前記ステアリングコラム6aと共に、前記車体10に対し前方に変位(脱落)すると、この支持ブラケット11の前後側板部28に係止された前記両エネルギ吸収部材13、13の前側係合板部22は、前記支持ブラケット11に前方に引っ張られて前方に変位する。一方、前記両エネルギ吸収部材13、13の後側取付板部20は、前記車体10及び両カプセル18、18に対して支持結合されている為、前方に変位する事はない。
この様に前記前側係合板部22が前記支持ブラケット11と共に前方に変位しようとする際、前記破断板部21の幅方向内側半部は前記前側係合板部22に引っ張られて前方に変位しようとするのに対して、同じく幅方向外側半部は、前記後側取付板部20に引っ張られてその場に止まろうとする。この際、前記破断板部21の破断誘導線25部分に剪断力が作用して、この破断誘導線25の上端から下端に掛けて徐々に破断が進行する。
前述の様な自動車用ステアリング装置の場合、二次衝突の際、前記支持ブラケット11が前記車体10に対し、前方に変位(脱落)するのに伴って、前記両エネルギ吸収部材13、13に前述の様な破断が生じる。この破断時の抵抗により、前記二次衝突の際、運転者の身体から、前記ステアリングシャフト5a及び前記ステアリングコラム6aを介して前記支持ブラケット11に伝わった衝撃エネルギを吸収し、運転者の身体に加わる衝撃を緩和する事ができる。
ところで、上述の様な自動車用ステアリング装置を構成する両エネルギ吸収部材13、13のエネルギ吸収特性のチューニングを行う場合、前記破断誘導線25の溝の深さ、又は溝の幅等を調整する事により行う事が考えられる。但し、この様なチューニング方法では、前記エネルギ吸収部材13、13のエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングする事はできない。
又、図示は省略するが、特許文献2に記載された衝撃吸収式ステアリング装置を構成するエネルギ吸収部材は、板状部材であり、その中間部に二次衝突時に塑性変形する事によりその長さが伸長する伸長部を有する。又、この伸長部は、波形の板状部分、或いは千鳥状に配置された菱形状の通孔以外の板状部分から成る。この様なエネルギ吸収部材は、その後端部が車体等の二次衝突時にも前方に変位しない部分に固定されると共に、その前端部が、ステアリングコラムの前端部の外周面に支持固定されている。そして、二次衝突の際、前記ステアリングコラムが前方に変位するのに伴って、前記伸長部が塑性変形する。この塑性変形の抵抗により、前記二次衝突の際、運転者の身体から、前記ステアリングコラムに伝わった衝撃エネルギを吸収し、運転者の身体に加わる衝撃を緩和する事ができる。
ところで、近年、電動式パワーステアリング装置を備えたステアリング装置が広く実施されており、前記ステアリングコラムの一部(前記エネルギ吸収部材の前端部を支持固定する位置近辺)に、この電動式パワーステアリング装置を構成する減速機等を収納する為のハウジング等を結合固定する場合がある。上述の様な特許文献2に記載された構造の場合、前記ステアリングコラムの一部に、前記エネルギ吸収部材の前端部と前記ハウジングとの干渉を回避しつつ、この前端部を支持固定する為のスペースを確保する為の設計が面倒である。
又、上述の様な特許文献2に記載された衝撃吸収式ステアリング装置の場合、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能としたチルト機構、又は、前後位置を調節可能としたテレスコピック機構を組み込む場合に、これら各機構によるステアリングコラムの動作の妨げ(抵抗)とならない様に、エネルギ吸収部材の構造及び配置(組み付け位置)を決定しなければならない。例えば、後述する実施の形態の第1例の様にテレスコピック機構を組み込んだ構造の場合、車体10と、アウタコラム31(図1参照)との間にエネルギ吸収部材を掛け渡すと、テレスコピック機構の動作の妨げとなってしまう。又、チルト機構を組み込んだ構造の場合、前記車体10と前記アウタコラム31との間にエネルギ吸収部材を掛け渡すと、ステアリングコラム6bを昇降させる際の揺動に伴い、このエネルギ吸収部材も揺動し、ステアリングホイール1(図4参照)の高さ位置を調節する際の抵抗になる。この様に上述した特許文献2に記載されたエネルギ吸収部材の場合、前記各機構の構造に合わせて、エネルギ吸収部材を設計しなければならない。この結果、部品点数が増加したり、設計の自由度が低下する等して、製造コストが嵩んでしまう可能性がある。
特開平10−217981号公報 実開平5−75057号公報 特開2012−224297号公報 特開2009−292308号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、省スペース化及び設計の自由度の向上を図ると共に、エネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、ステアリングコラムと、ステアリングシャフトと、支持ブラケットと、1対のエネルギ吸収部材とを備える。
このうちのステアリングコラムは、車体に支持される。
又、前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの後端開口から突出した後端部にステアリングホイールを支持固定可能である。
又、前記支持ブラケットは、二次衝突に伴って前記ステアリングコラムと共に、前記車体に対し軸方向に変位する様に、このステアリングコラムに支持された、このステアリングコラムの左右両側方に突出する1対の結合板部と、これら両結合板部の前端の下方に設けられた前後側板部とを有する。
更に、前記両エネルギ吸収部材は、前記支持ブラケットと、二次衝突時にも前方に変位しない部分との間に設けられ、二次衝突時に塑性変形しつつ前記支持ブラケットが前方に変位する事を許容する。
特に本発明の衝撃吸収式ステアリング装置に於いては、前記両エネルギ吸収部材は、略L字状の板状部材であり、一部に塑性変形する事によりその長さが伸長する伸長部を有する。
又、この伸長部は、貫通孔と、幅方向両端部に形成された切り欠きと、この貫通孔とこれら両切り欠きとの間部分により構成された塑性変形部とにより構成されている。
この様な両エネルギ吸収部材は、前記両結合板部と前記両前後側板部とに沿う状態で配置され、その前端部が前記前後側板部の一部に支持固定されると共に、その後端部が前記車体に対して支持固定される。
上述の様な本発明の衝撃吸収式ステアリング装置を実施する場合に例えば、請求項2に記載した発明の様に、前記伸長部の塑性変形部を、通常状態で長さ方向に対して傾斜した複数個の塑性変形素子により構成する。そして、これら各塑性変形素子が塑性変形して、これら各塑性変形素子の長さ方向に対する傾斜が小さくなる事により、前記伸長部の長さ寸法が大きくなる様に構成する。
上述の様に構成する本発明の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、設計の自由度の向上及び低コスト化を図ると共に、エネルギ吸収部材のエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる。
先ず、設計の自由度の向上を図れる理由は、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置を構成する1対のエネルギ吸収部材を、略L字状の板状部材とし、支持ブラケットの両結合板部と、同じく両前後側板部とに沿う状態で配置しているからである。即ち、本発明の場合、ステアリングコラムの一部に配置される、ステアリング装置の構成部材(例えば、電動式パワーステアリング装置のハウジング等)と干渉する様な位置に、前記両エネルギ吸収部材の前端部を配置しない。この為、前記ハウジング等の構成部材と、前記エネルギ吸収部材の前端部との干渉を回避する為の面倒な設計が不要となり、前記ハウジング等の構成部材の配置等に関する設計の自由度の向上を図れる。
又、低コスト化を図れる理由も、前記両エネルギ吸収部材を略L字状の板状部材とし、支持ブラケットの両結合板部と、同じく両前後側板部とに沿う状態で配置しているからである。即ち、本発明の場合、前記両エネルギ吸収部材をステアリングコラムに直接支持固定しない。この為、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能としたチルト機構、又は、前後位置を調節可能としたテレスコピック機構のうちの何れか一方、又は両方の機構を組み込む場合でも、前記両エネルギ吸収部材の構造を特に変える事なく使用する事ができる。この結果、部品コスト及び設計コストの低減を図れる。
更に、前記両エネルギ吸収部材のエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる理由は、本発明の場合、これら両エネルギ吸収部材の伸長部を、貫通孔と、幅方向両端部に形成された切り欠きと、この貫通孔の周囲に設けられた塑性変形部とにより構成しているからである。即ち、本発明の場合、前記伸長部の貫通孔、切り欠き、又は塑性変形部の形状、数、位置等を所望のエネルギ吸収特性に合わせて適宜設定する事ができる。この結果、前記エネルギ吸収部材のエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる。
又、請求項2に記載した発明の場合、塑性変形部を構成する各塑性変形素子の長さ、又はこれら各塑性変形素子の長さ方向に対する傾斜角度を調整する事により、前記伸長部の長さ方向に関する塑性変形量(衝撃吸収の為のストローク)を柔軟にチューニングできる。
本発明の実施の形態の第1例の衝撃吸収式ステアリング装置を、通常時の状態(a)と、二次衝突が進行した状態(b)とでそれぞれ示す側面図。 同じく、支持ブラケットの一部と、カプセルと、エネルギ吸収部材とを取り出して、通常時の状態(a)と、二次衝突が進行した状態(b)とでそれぞれ示す斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図。 従来から知られている衝撃吸収式ステアリング装置の1例を示す、部分側面図。 同じく、図5の上側から見た正投影図。 同じく、エネルギ吸収部材のみを取り出して、組み付け状態に於ける後方から見た正投影図。 同じく、図7の左側から見た側面図。 同じく、図8の上側から見た平面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明の特徴は、衝撃吸収式ステアリング装置を構成するエネルギ吸収部材13aの構造を工夫した点にある。尚、本例は、本発明を、ステアリングホイールの高さ位置、及び前後位置を調節可能とした構造(チルト・テレスコピック式ステアリング装置)に適用した場合に就いて示している。この様なチルト機構及びテレスコピック機構を含め、本発明の特徴部分以外のステアリング装置の構造は、例えば、特許文献3〜4に記載される等により従来から知られており、且つ、広く実施されている構造と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の衝撃吸収式ステアリング装置を構成するステアリングコラム6bは、前側に配置されたインナコラム30の後部と、後側に配置されたアウタコラム31の前部とを軸方向の相対変位を可能に嵌合させる事により、全長を伸縮可能に構成している。
又、前記アウタコラム31の前端部に、支持ブラケット11aを設けており、この支持ブラケット11aを車体10に対し、二次衝突に基づく衝撃荷重により前方への変位(離脱)を可能に結合支持している。
この様な支持ブラケット11aは、それぞれが鋼板等の、十分な強度及び剛性を有する金属板製である、取付板部32と、左右1対の支持板部15aと、1対の前後側板部28aとを、溶接等により結合固定して成る。
このうちの取付板部32は、その幅方向両端部を、前記支持ブラケット11aを前記車体10に結合支持する為の1対の結合板部16aとしている。これら両結合板部16aの幅方向中央部には、前述した従来構造と同様に、それぞれがこれら両結合板部16aの後端縁(図1の右端縁)に開口する切り欠き(図示省略)を形成し、これら両切り欠き部分に、カプセル18を装着している。尚、これら両カプセル18を前記車体10に結合支持する為の構造は、前述した従来構造と同様である。
又、前記両支持板部15aは、前記アウタコラム31の前端部の下方に、このアウタコラム31と一体に設けられたコラム側ブラケット12aの左右1対の被挟持部33を、幅方向から挟む状態で設けられている。
又、前記両前後側板部28aは、前記両結合板部16aの前端部の下方に、前記両支持板部10の前端部から幅方向外方に延出する状態で設けられている。
又、本例の衝撃吸収式ステアリング装置を構成する1対のエネルギ吸収部材13aは、それぞれが略L字状の板状部材であり、中間部に、塑性変形する事によりその長さが伸長する、伸長部34を設けている。この伸長部34は、複数個の菱形状の貫通孔(中央貫通孔35、外側貫通孔36、内側貫通孔37)と、略V字状の複数個の切り欠き38、38と、これら各貫通孔35、36、37の周囲に設けられた塑性変形部39とにより構成している。
このうちの各貫通孔35、36、37は、幅方向に関して3列形成しており、幅方向外側列を構成する複数個の外側貫通孔36、36、及び、幅方向内側列を構成する複数個の内側貫通孔37、37を、幅方向中央列を構成する複数個の中央貫通孔35、35に対して、長さ方向及び幅方向に所定量(1/2ピッチ程度)だけずらせた状態で(千鳥配置で)形成している。
又、前記切り欠き38、38は、前記エネルギ吸収部材13aの幅方向両端部で、このエネルギ吸収部材13aの長さ方向に関して、前記幅方向中央列を構成する各中央貫通孔35、35と整合する位置に形成している。
又、前記塑性変形部39は、前記各中央貫通孔35、35と前記外側、内側各貫通孔36、37との間、及びこれら外側、内側各貫通孔36、37と前記各切り欠き38、38との間の板状部分で構成されており、長さ方向に対して傾斜した複数個の塑性変形素子40a、40bから成る。尚、前記各塑性変形素子40a、40aと前記各塑性変形素子40b、40bとは、長さ方向に対して互いに反対方向に傾斜している。この様に、前記塑性変形部39は、長さ方向に対する傾斜方向が互いに反対である前記各塑性変形素子40aと前記各塑性変形素子40bとを、網目状に組み合わせて構成されている。
又、前記エネルギ吸収部材13aの前端寄り部分には、前側通孔41を形成しており、同じく後端寄り部分には、後側通孔42を形成している。
上述の様な両エネルギ吸収部材13aは、その前端部を、前記支持ブラケット11aに対して、この支持ブラケット11aの前後側板部28aの下端寄り部分に形成されたねじ孔43と、前記各前側通孔41とを整合させた状態で、ねじ44により結合固定されている。一方、前記エネルギ吸収部材13aの後端部は、この後端部を前記車体10と前記両カプセル18、18との間に配置し、且つ、これら両カプセル18、18の通孔19、19と、前記後側通孔42とを整合させた状態で、これら両通孔19、42を、下から上に挿通したボルト45を、前記車体10に形成したねじ孔46に螺合し更に締め付ける。この様にして、前記両エネルギ吸収部材13aを、前記両結合板部16aの上側面と、前記両前後側板部16aの前側面とに沿う状態で配置している。
前述の様な本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、前述した従来構造と同様に、衝突事故に伴う二次衝突の際に、運転者の身体がステアリングホイール1(図4参照)に衝突すると、前記両カプセル18、18を前記車体10に残したまま、前記支持ブラケット11a及びアウタコラム31を前方に変位させる。
この様な前記支持ブラケット11a及びアウタコラム31の前方への変位に伴い、この支持ブラケット11aの前後側板部28aに支持固定された前記エネルギ吸収部材13aの前端部は、この支持ブラケット11により前方に引っ張られるのに対して、前記車体10に支持固定された前記エネルギ吸収部材13aの後端部はその場に止まろうとする。この為、このエネルギ吸収部材13aの伸長部34が、その長さ方向の寸法を大きくする方向に塑性変形する。具体的には、この伸長部34を構成する塑性変形部39の各塑性変形素子40a、40bが、それぞれの長さ方向に対する傾斜角度を小さくする方向に塑性変形する。この様に前記伸長部34が塑性変形しつつ、二次衝突時にステアリングホイール1に加わった衝撃エネルギを吸収し、このステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和する。
前述の様な本例の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、設計の自由度の向上及び低コスト化を図ると共に、前記両エネルギ吸収部材13aのエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる。
先ず、設計の自由度の向上を図れる理由は、本例の前記両エネルギ吸収部材13aを、略L字状の板状部材とし、前記支持ブラケット11aの両結合板部16aと、同じく両前後側板部28aとに沿う状態で配置しているからである。即ち、本例の場合、ステアリングコラム6bの一部に配置される、ステアリング装置の構成部材(例えば、電動式パワーステアリング装置のハウジング等)と干渉する様な位置に、前記両エネルギ吸収部材13aの前端部を配置していない。この為、前記ハウジング等の構成部材と、前記両エネルギ吸収部材13aの前端部との干渉を回避する為の面倒な設計が不要となり、前記ハウジング等の構成部材の配置等に関する設計の自由度の向上を図れる。
又、低コスト化を図れる理由も、前記両エネルギ吸収部材13aを、略L字状の板状部材とし、前記支持ブラケット11aの両結合板部16aと、同じく両前後側板部28aとに沿う状態で配置しているからである。即ち、本例の場合、前記両エネルギ吸収部材13aを前記ステアリングコラム6bに直接支持固定してはいない。この為、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能としたチルト機構、又は、前後位置を調節可能としたテレスコピック機構のうちの何れか一方の機構、又は両方の機構を組み込む場合でも、前記両エネルギ吸収部材13a、13aの構造を特に変える事なく使用する事ができる。この結果、部品コスト及び設計コストの低減を図れる。又、前記ステアリングホイールの位置調節に伴って、前記両エネルギ吸収部材13aが変位する事はないので、この位置調節を円滑に行える。
又、前記両エネルギ吸収部材13aのエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる理由は、前記エネルギ吸収部材13aの伸長部34を、前記各貫通孔35、36、37と、前記各切り欠き38、38と、これら各貫通孔35、36、37の周囲に設けられた塑性変形部39(塑性変形素子40a、40b)とにより構成しているからである。即ち、本例の場合、前記各貫通孔35、36、37、前記各切り欠き38、38、又は前記塑性変形部39(塑性変形素子40a、40b)の形状、数、位置等を所望のエネルギ吸収特性に合わせて適宜設定する事で、前記エネルギ吸収部材13aのエネルギ吸収特性を柔軟にチューニングできる。
又、前記塑性変形部39を構成する塑性変形素子40a、40bの長さ、又はこれら各塑性変形素子40a、40bの長さ方向に対する傾斜角度を調整する事により、前記伸長部34の長さ方向に関する塑性変形量(衝撃吸収の為のストローク)を柔軟にチューニングする事ができる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、エネルギ吸収部材13bの伸長部34aを、長さ方向に1列に形成した複数個の貫通孔47、47と、V字状の複数個の切り欠き38a、38aと、塑性変形部39aとにより構成している。
このうちの各貫通孔47、47は、前述した実施の形態の第一例の各貫通孔35、36、37よりも大きい菱形状としている。
又、前記各切り欠き38a、38aは、前記エネルギ吸収部材13bの幅方向両端部で、このエネルギ吸収部材13bの長さ方向に関して、前記各貫通孔47、47に対して所定量(約1/2ピッチ)だけずらせた位置に形成している。
又、前記塑性変形部39aは、前記各貫通孔47、47と、前記各切り欠き38a、38aとの間の板状部分で構成されており、長さ方向に対して傾斜した複数個の塑性変形素子40c、40dから成る。尚、前記各塑性変形素子40c、40cと前記各塑性変形素子40d、40dとは、長さ方向に対して互いに反対方向に傾斜している。その他の部分の構成及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
前述した実施の形態の各例では、本発明を、ステアリングホイールの高さ位置、及び前後位置を調節可能とした構造(チルト・テレスコピック式ステアリング装置)に適用した例を示しているが、本発明は、この様なステアリングホイールの位置調節機能の有無に関わらず実施する事ができる。又、本発明は、電動式パワーステアリング装置を備えた衝撃吸収式ステアリング装置にも適用できる。
又、エネルギ吸収部材の伸長部を構成する貫通孔及び切り欠きの構成は、前述した実施の形態の各例の構成に限定されない。例えば、貫通孔の形状を円形にしたり、貫通孔を任意の複数列に形成する事もできる。又、長さ方向に関して、前記伸長部のパターンを変える事もできる。例えば、前述した実施の形態の第1例の伸長部34の構造と、実施の形態の第2例の伸長部34aの構造とを組み合わせる(長さ方向で互いに異ならせる)事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a、6b ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11、11a 支持ブラケット
12、12a コラム側ブラケット
13、13a、13b エネルギ吸収部材
14 結合板部
15、15a 支持板部
16、16a 結合板部
17 切り欠き
18 カプセル
19 通孔
20 後側取付板部
21 破断板部
22 前側係合板部
23 通孔
24 スリット
25 破断誘導線
26 先端部
27 基端部
28、28a 前後側板部
29 係止孔
30 インナコラム
31 アウタコラム
32 取付板部
33 被挟持部
34、34a 伸長部
35 中央貫通孔
36 外側貫通孔
37 内側貫通孔
38、38a 切り欠き
39、39a 塑性変形部
40a、40b、40c、40d 塑性変形素子
41 前側通孔
42 後側通孔
43 ねじ孔
44 ねじ
45 ボルト
46 ねじ孔
47 貫通孔



Claims (2)

  1. 車体に支持されるステアリングコラムと、
    このステアリングコラムの内側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの後端開口から突出した後端部にステアリングホイールを支持固定可能としたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングコラムと共に、前記車体に対し軸方向に変位する様に、このステアリングコラムに支持された、このステアリングコラムの左右両側方に突出する1対の結合板部と、これら両結合板部の前端の下方に設けられた前後側板部とを有する支持ブラケットと、
    この支持ブラケットと、二次衝突時にも前方に変位しない部分との間に設けられ、二次衝突時に塑性変形しつつ前記支持ブラケットが前方に変位する事を許容する1対のエネルギ吸収部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置に於いて、
    前記両エネルギ吸収部材は、略L字状の板状部材であり、その一部に塑性変形する事によりその長さ寸法が大きくなる伸長部を有しており、
    この伸長部は、貫通孔と、幅方向両端部に形成された切り欠きと、この貫通孔とこれら両切り欠きとの間部分により構成された塑性変形部とにより構成されており、
    前記両エネルギ吸収部材は、両結合板部と前記両前後側板部とに沿う状態で配置され、その前端部がこの前後側板部の一部に支持固定されると共に、その後端部が前記車体に対して支持固定されている事を特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 前記伸長部の塑性変形部が、通常状態で長さ方向に対して傾斜した複数個の塑性変形素子を有し、
    これら各塑性変形素子が塑性変形して、これら各塑性変形素子の長さ方向に対する傾斜が小さくなると、前記伸長部の長さ寸法が大きくなる、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。

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