JP2014118535A - エチレン重合体並びに延伸成形体、微多孔膜、及び電池用セパレーター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘度平均分子量(Mv)が400,000以上700,000以下であり、
分子量分布(Mw/Mn)が8.0以上15.0以下であり、
クロス分別クロマトグラフィー(以下、「CFC」という。)で測定した103℃の溶出量が全溶出量の0.1質量%以上10質量%未満である、
エチレン重合体。
【選択図】なし
Description
〔1〕
粘度平均分子量(Mv)が400,000以上700,000以下であり、
分子量分布(Mw/Mn)が8.0以上15.0以下であり、
クロス分別クロマトグラフィー(以下、「CFC」という。)で測定した103℃の溶出量が全溶出量の0.1質量%以上10質量%未満である、
エチレン重合体。
〔2〕
単独重合体である、前項〔1〕に記載のエチレン重合体。
〔3〕
直鎖状である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のエチレン重合体。
〔4〕
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が、133℃以上138℃以下である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
〔5〕
CFCで測定した40℃以上96℃未満の積分溶出量が、全溶出量の10質量%以下である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
〔6〕
CFCで測定した96℃以上100℃未満の積分溶出量が、全溶出量の55質量%以上であって、
CFCで測定した100℃以上104℃未満の積分溶出量が、全溶出量の35質量%以下である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
〔7〕
CFCで測定した101℃以上の溶出量において、最高溶出量になる温度での重量平均分子量(Mw)が、500,000以上である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
〔8〕
ポリエチレン換算における分子量1000,000以上の成分が、10質量%以上である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
〔9〕
前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含む、延伸成形体。
〔10〕
前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含む、微多孔膜。
〔11〕
前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含む、電池用セパレーター。
本実施形態のエチレン重合体は、粘度平均分子量(Mv)が400,000以上700,000以下であり、分子量分布(Mw/Mn)が8.0以上15.0以下であり、クロス分別クロマトグラフィー(以下、「CFC」ともいう。)で測定した103℃の溶出量が0.1質量%以上10質量%未満である。以下、上記要件について説明する。
本実施形態のエチレン重合体の粘度平均分子量(Mv)は、400,000以上700,000以下であり、好ましくは420,000以上680,000以下であり、より好ましくは450,000以上650,000以下である。エチレン重合体の粘度平均分子量(Mv)は、後述する重合条件等を適宜調整することで調整することができる。具体的には、重合系内に連鎖移動剤として水素を存在させるか、又は重合温度を変化させること等によって粘度平均分子量(Mv)を調節することができる。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
本実施形態のエチレン重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、8.0以上15.0以下であり、好ましくは9.0以上14.8以下であり、より好ましくは10.0以上14.5以下である。本実施形態のエチレン重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、後述する重合条件等を適宜調整することで調整することができる。なお、本実施形態の触媒を使用するか、重合系内の条件(水素濃度、温度、エチレン圧力等)を一定に保つことで、エチレン重合体の分子量分布は小さく(15.0以下)することができる。一方、エチレン重合体の分子量分布を大きくする方法としては、重合中の条件を変化させる(例えば、連鎖移動剤である水素の濃度を重合中に変化させる等)、或いは異なる分子量のエチレン重合体を混合する等の手法が挙げられる。
本実施形態のエチレン重合体のCFCで測定した103℃の溶出量は、全溶出量の0.1質量%以上10質量%未満であり、好ましくは0.3質量%以上9.5質量%未満、より好ましくは0.5質量%以上9.0質量%未満である。103℃の溶出量が全溶出量の0.1質量%以上10質量%未満であることにより、分子量が高いエチレン重合体であっても容易に溶融、融解することができ、成形加工性に優れる。そのため、本実施形態のエチレン重合体を含む微多孔膜等の成形体は、機械強度に優れ、寸法精度にも優れるものとなる。
本実施形態のエチレン重合体の製造に使用される触媒成分は特に限定されず、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等を使用して製造することが可能である。
(A−1):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bY1 c ・・・式1
(式中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Y1はアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4、R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Y1はそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦b/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(A−2):Ti(OR7)dX1 (4−d)・・・・・式2
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
群(2)R2とR3とが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であることが好ましく、より好ましくはR2が炭素原子数2又は3のアルキル基であり、R3が炭素原子数4以上のアルキル基であること。
群(3)R2、R3の少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくはR2、R3に含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
(A−2):Ti(OR7)dX1 (4−d)・・・・・式2
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
(C−1):(M2)γ(Mg)δ(R8)e(R9)f(OR10)g・・・・・式3
(式中、M2は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R8、R9及びR10はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、γ、δ、e、f及びgは次の関係を満たす実数である。0≦γ、0<δ、0≦e、0≦f、0≦g、0<e+f、0≦g/(γ+δ)≦2、kγ+2δ=e+f+g(ここで、kはM2の原子価を表す。))
(C−2):HhSiCliR11 (4−(h+i)) ・・・式4
(式中、R11は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hとiは次の関係を満たす実数である。0<h、0<i、0<h+i≦4)
(C−4):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bY1 c ・・・式5
(式中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Y1はアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4,R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Y1はそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦b/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(C−5):Ti(OR7)dX1 (4−d) ・・・式6
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
群(2)R8とR9とが炭素数の互いに相異なるアルキル基であることが好ましく、より好ましくはR8が炭素数2又は3のアルキル基であり、R9が炭素数4以上のアルキル基であること。
群(3)R8、R9の少なくとも一方が炭素数6以上の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくはR8、R9に含まれる炭素数の和が12以上になるアルキル基であること。
(C−2):HhSiCliR11 (4−(h+i))・・・・・式4
(式中、R11は炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hとiは次の関係を満たす実数である。0<h、0<i、0<h+i≦4)
(C−4):(M1)α(Mg)β(R2)a(R3)bY1 c ・・・式5
(式中、M1は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R2及びR3は炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、Y1はアルコキシ、シロキシ、アリロキシ、アミノ、アミド、−N=C−R4,R5、−SR6(ここで、R4、R5及びR6は炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。cが2の場合には、Y1はそれぞれ異なっていてもよい。)、β−ケト酸残基のいずれかであり、α、β、a、b及びcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0<a+b、0≦b/(α+β)≦2、nα+2β=a+b+c(ここで、nはM1の原子価を表す。))
(C−5):Ti(OR7)dX1 (4−d)・・・・・式6
(式中、dは0以上4以下の実数であり、R7は炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、X1はハロゲン原子である。)
本実施形態においては、(C−3)に対する(C−5)の担持方法については特に限定されず、(C−3)に対して過剰な(C−5)を反応させる方法や、第三成分を使用することにより(C−5)を効率的に担持する方法を用いてもよいが、(C−5)と有機マグネシウム化合物(C−4)との反応により担持する方法が好ましい。
AlR12 jZ1 (3−j) ・・・式7
(式中、R12は炭素数1以上20以下の炭化水素基、Z1は水素、ハロゲン、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ基からなる群に属する基であり、jは2以上3以下の数である。)
(M2)γ(Mg)δ(R8)e(R9)f(OR10)g・・・・・式3
(式中、M2は周期律表第12族、第13族及び第14族からなる群に属する金属原子であり、R8、R9及びR10はそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、γ、δ、e、f及びgは次の関係を満たす実数である。0≦γ、0<δ、0≦e、0≦f、0≦g、0<e+f、0≦g/(γ+δ)≦2、kγ+2δ=e+f+g(ここで、kはM2の原子価を表す。))
本実施形態のエチレン重合体の製造方法における重合法は、懸濁重合法或いは気相重合法により、エチレン、又はエチレンを含む単量体を(共)重合させる方法が挙げられる。このなかでも、重合熱を効率的に除熱できる懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法においては、媒体として不活性炭化水素媒体を用いることができ、さらにオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
さらに、本実施形態に係るエチレン重合体には、中和剤、酸化防止剤、及び耐光安定剤等の添加剤を添加してもよい。
また、本実施形態のエチレン重合体は、パウダー状、又はペレット状であっても好適に使用することができる。
上記のようにして得られるエチレン重合体は、高い耐熱性を有することができ、成形加工性に優れ、種々の加工方法により加工することができる。例えば、本実施形態のエチレン重合体を、溶媒で溶解して成形する場合には、未溶融物由来のゲルが無い成形体を得ることができる。また、溶媒で溶解しない状態でパウダーをそのまま押出し機で練る場合においても、分子量が高すぎることに由来する溶融流動性低下を抑制でき、溶融混練できない状態(未溶融物が残る、偏肉になる、或いは、押出し機負荷が大きくなり過ぎる)になることを抑制できる傾向にある。
(1)粘度平均分子量(Mv)
実施例及び比較例で製造したエチレン重合体の粘度平均分子量については、以下に示す方法によって求めた。まず、20mLのデカリン(デカヒドロナフタレン)中にエチレン重合体20mgを加え、150℃で2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、ウベローデタイプの粘度計を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、エチレン重合体の重量を変えて3点の溶液を作製し、落下時間を測定した。ブランクとしてエチレン重合体を入れていない、デカリンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従って求めたポリマーの還元粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)とポリマーの還元粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
ηsp/C=(ts/tb−1)/C (単位:dL/g)
次に下記式Aを用いて、上記極限粘度([η])の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
実施例及び比較例で製造したエチレン重合体20mgとo−ジクロロベンゼン15mLとを混合して、150℃で1時間撹拌することで調製したサンプル溶液について、下記の条件によりゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。測定結果から、市販の単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線に基づいて、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
・装置:Waters社製150−C ALC/GPC
・検出器:RI検出器
・移動相:o−ジクロロベンゼン(高速液体クロマトグラフ用)
・流量:1.0mL/分
・カラム:Shodex製AT−807Sを1本と東ソー製TSK−gelGMH−H6を2本連結したものを用いた。
・カラム温度:140℃
(2)で求めたGPCチャートより、ポリエチレン換算における分子量1,000,000以上の成分の含有率を求めた。
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7型装置)を用い、以下の条件で測定した。1)実施例及び比較例で製造したエチレン重合体試料約5mgをアルミパンに詰め200℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。2)次に、200℃から10℃/分の降温速度で50℃まで降温し、降温完了後5分間保持した。3)次に、50℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この3)の過程で観察される吸熱曲線より融解ピーク位置の最高温度を融点(℃)とした。
実施例及び比較例で製造したエチレン重合体について、昇温溶離分別(TREF)による溶出温度−溶出量曲線を以下のように測定し、各温度での溶出量、溶出積分量、及び高温側溶出ピークの最高溶出量になる温度での重量平均分子量(Mw)を求めた。
まず、充填剤を含有したカラムを140℃に昇温し、エチレン重合体をオルトジクロロベンゼンに溶かした試料溶液を導入して120分間保持した。次に、カラムの温度を、降温速度0.5℃/分で40℃まで降温した後、20分間保持し、試料を充填剤表面に析出させた。
・装置:Polymer ChAR社製Automated 3D analyzer CFC−2
・カラム: ステンレススチールマイクロボールカラム(3/8”o.d x 150mm)
・溶離液:o−ジクロロベンゼン(高速液体クロマトグラフ用)
・試料溶液濃度:試料(エチレン重合体)20mg/o−ジクロロベンゼン20mL
・注入量:0.5mL
・ポンプ流量:1.0mL/分
・検出器:Polymer ChAR社製赤外分光光度計IR4
・検出波数:3.42μm
・試料溶解条件:140℃×120min溶解
実施例及び比較例で製膜した微多孔膜の膜厚は、東洋精機製の微小測厚器(タイプKBM(商標))を用いて室温23℃で測定した。
実施例及び比較例で製膜した微多孔膜の偏肉特性は、フィルムの幅方向に、接触式連続厚み測定装置(ANRITSU K310D安立電気株式会社製)を用いて厚みを測定し、チャート上で、1μm間隔で、ベースラインに対するピークの高さを読みとり、読み取った値により評価した。なお、ピークが複数発現する場合は各ピークの合計値とした。
(評価基準)
◎(非常によい) …0.1μm未満
○(問題なし) …0.1μm以上、0.3μm未満
×(悪い) …0.3μm以上
実施例及び比較例で製膜した微多孔膜中の未溶融ポリマー等に由来する0.5mm2以上の欠点を目視により観測した。50m2分のサンプルの全面の観測を行い、1m2当りの平均欠点数を求めた。
TD方向(垂直方向)引張強度(MPa)及びTD方向引張伸度(%)は、JIS K7127に準拠し、島津製作所製の引張試験機、オートグラフAG−A型(商標)を用いて、実施例及び比較例で製造したポリエチレン重合体のTDサンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について測定した。また、TDサンプルはチャック間を50mmとし、サンプルの両端部(各25mm)の片面にセロハンテープ(日東電工包装システム(株)製、商品名:N.29)を貼ったものを用いた。さらに、試験中のサンプル滑りを防止するために、引張試験機のチャック内側に、厚み1mmのフッ素ゴムを貼り付けた。
〔固体触媒成分[A]の調製〕
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブにヘキサン1,600mLを添加した。10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液800mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液800mLとを1時間かけて同時に添加した。添加後、ゆっくりと昇温し、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1,600mL除去し、ヘキサン1,600mLで3回洗浄することにより、固体触媒成分[A]を調製した。この固体触媒成分[A]1g中に含まれるチタン量は2.95mmolであった。
(1)(B−1)担体の合成
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1,000mLを仕込み、65℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2,550mL(マグネシウム2.68mol相当)を2時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1,800mLのヘキサンで4回洗浄した。この固体((B−1)担体)を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.02mmolであった。
上記(B−1)担体110gを含有するヘキサンスラリー1,970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に15分間かけて添加した。添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1,100mL除去し、ヘキサン1,100mLで1回洗浄することにより、固体触媒成分[B]を調製した。この固体触媒成分[B]1g中に含まれるチタン量は0.70mmolであった。
(エチレン重合体の重合工程)
ヘキサン14L(総量)を入れた攪拌装置が付いたベッセル型30L重合反応器にエチレンと水素(エチレンと水素の総量100mol%に対して12〜18mol%)を断続的に水素濃度を変化させながら供給し、重合圧力を0.5MPaとした。助触媒としてトリイソブチルアルミニウム0.025mmolを添加し、その後、固体触媒成分[A]0.02g分を添加することで、重合反応を開始した。重合反応中も、エチレンを0.5L/分の一定速度でフィードした。重合温度はジャケット冷却とコンデンサー冷却により82℃(重合開始温度)から85℃(最高到達温度)に保った。
パウダー状のエチレン重合体100質量部に、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量部添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、エチレン重合体組成物を得た。得られたエチレン重合体組成物を、窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーを介して投入した。さらに流動パラフィン(松村石油(株)製P−350(商標))65部をサイドフィードで押出機に注入し、設定温度200℃、スクリュー回転数240rpmで混練した。溶融混練物を、350メッシュ相当のスクリーンを装着したグノイス社製ディスクフィルタータイプの連続スクリーン交換機内を通過させた後、T−ダイより吐出し、ロールでキャストすることにより、厚み1,250μmのゲル状シートを成形した。
重合工程において、固体触媒成分[A]を用いずに、代わりに固体触媒成分[B]を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、水素濃度を6〜13mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、固体触媒成分[A]を用いずに、代わりに固体触媒成分[B]を用いて、水素濃度を6〜13mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例4のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、水素濃度を17〜23mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、水素濃度を2〜8mol%としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例2のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、重合温度を72℃(重合開始温度)から76℃(最高到達温度)に保ち、エチレンと水素(97/3mol%)を供給しながら重合圧力を常に0.48MPaから0.50MPaに保ったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例3のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、水素濃度を9〜21mol%とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、比較例4のエチレン重合体を得た。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
重合工程において、エチレンの代わりに、エチレンと1−ブテンの96/4mol%混合ガスとし、水素濃度を14〜20mol%とした以外は実施例1と同様な操作により、比較例5のエチレン重合体パウダーを得た。微多孔膜は実施例1と同様な操作によって得た。
ヘキサン、エチレン、水素、及び触媒を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給した。重合圧力は0.5MPaであった。重合温度はジャケット冷却により83℃に保った。ヘキサンは40L/hrで重合器の底部から供給した。固体触媒成分[A]と、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムを使用した。固体触媒成分[A]は0.2g/hrの速度で重合器に添加し、トリイソブチルアルミニウムは10mmol/hrの速度で添加した。エチレン重合体の製造速度は9kg/hrであった。水素を、気相のエチレンに対する水素濃度が7mol%になるようにポンプで連続的に供給した。スラリー濃度は30.0質量%で、触媒活性は65,000g−PE/g−固体触媒成分[A]であった。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05Mpa、温度70℃のフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレン及び水素を分離し、重合スラリーをメタノールに注いで、重合反応を完全に停止した。次に、重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、ポリマーとそれ以外の溶媒等を分離した。その後、熱風乾燥器で85℃、12時間加熱乾燥することで、比較例6のエチレン重合体を得た。以上のような操作で得られたエチレン重合体の特性を表1に示す。微多孔膜は実施例1と同様の操作によって得た。
Claims (11)
- 粘度平均分子量(Mv)が400,000以上700,000以下であり、
分子量分布(Mw/Mn)が8.0以上15.0以下であり、
クロス分別クロマトグラフィー(以下、「CFC」という。)で測定した103℃の溶出量が全溶出量の0.1質量%以上10質量%未満である、
エチレン重合体。 - 単独重合体である、請求項1に記載のエチレン重合体。
- 直鎖状である、請求項1又は2に記載のエチレン重合体。
- 示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が、133℃以上138℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
- CFCで測定した40℃以上96℃未満の積分溶出量が、全溶出量の10質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
- CFCで測定した96℃以上100℃未満の積分溶出量が、全溶出量の55質量%以上であって、
CFCで測定した100℃以上104℃未満の積分溶出量が、全溶出量の35質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン重合体。 - CFCで測定した101℃以上の溶出量において、最高溶出量になる温度での重量平均分子量(Mw)が、500,000以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
- ポリエチレン換算における分子量1000,000以上の成分が、10質量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含む、延伸成形体。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含む、微多孔膜。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含む、電池用セパレーター。
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