JP2014119552A - 防眩フィルムおよびそのための金型の製造方法、防眩フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘイズを増加させることなく透過鮮明度を低下させることができ、ムラやモアレなどを効果的に解消できる防眩フィルム、当該防眩フィルムを製造するための金型を製造する方法、ならびに、当該金型を用いた防眩フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムであって、該微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下であることを特徴とする防眩フィルム、防眩フィルム製造のための金型の製造方法および防眩フィルムの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムであって、該微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下であることを特徴とする防眩フィルム、防眩フィルム製造のための金型の製造方法および防眩フィルムの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、防眩フィルムおよびそのための金型の製造方法、防眩フィルムの製造方法に関する。
最近の画像表示装置は携帯性、利便性、省電力化などのために薄型化および軽量化が進んでおり、以下の(1)〜(3)に挙げるようなムラなどの不具合が発生する:
(1)省電力化のため輝度向上シートを使用すると輝度向上シートと液晶セルの干渉によってモアレが発生する、
(2)使用する部材の薄肉化と機械強度向上のために、部材に延伸フィルムを使用した際には位相差に起因する色ムラが発生する、
(3)液晶パネルと背面のバックライトシステムとの隙間が狭いため、液晶パネルとバックライトシステムとの接触に起因する、円形状のムラ、ニュートンリングが発生する。
(1)省電力化のため輝度向上シートを使用すると輝度向上シートと液晶セルの干渉によってモアレが発生する、
(2)使用する部材の薄肉化と機械強度向上のために、部材に延伸フィルムを使用した際には位相差に起因する色ムラが発生する、
(3)液晶パネルと背面のバックライトシステムとの隙間が狭いため、液晶パネルとバックライトシステムとの接触に起因する、円形状のムラ、ニュートンリングが発生する。
防眩フィルムには一般的に防眩性、画像表示装置の表面に配置した際に良好なコントラストを発現すること、画像表示装置の表面に配置した際に散乱光によって表示面全体が白っぽくなり、表示が濁った色になる、いわゆる「白ちゃけ」の発生を抑制すること、および、画像表示装置の表面に配置した際に画像表示装置の画素と防眩フィルムの表面凹凸形状とが干渉し、結果として輝度分布が発生して見えにくくなる、いわゆる「ギラツキ」の発生を抑制することが要望されている。これらの一般的な特性に加えて、上記したムラを解消することも防眩フィルムには求められている。
防眩フィルムとして、たとえば特開2009−116109号公報(特許文献1)には、光源と液晶パネルとの間に配置された輝度向上シートと液晶パネルによって発生するモアレを解消するために透過鮮明度を150%以下とした防眩フィルムが記載されている。また、透過鮮明度は100%以下であることがより好ましいことが開示されている。防眩フィルムの製造方法としてブラスト加工によって凹凸形状を形成した金型を用いる方法、微粒子を分散させた樹脂溶液を透明支持体上に塗布し、塗布膜厚を調整して微粒子を塗布膜表面に露出させることでランダムな凹凸をシート上に形成する方法が開示されている。
また、たとえば特開2009−156938号公報(特許文献2)には、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層が形成された防眩フィルムであって、防眩フィルムの全ヘイズをH%とし、透過鮮明度をTc%としたときに、関係式Tc≦8Hを満たすことを特徴とする防眩フィルムが開示されている。また、防眩フィルムの製造方法としては微粒子を分散させた樹脂溶液を透明支持体上に塗布し、塗布膜厚を調整して微粒子を塗布膜表面に露出させることでランダムな凹凸をシート上に形成する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された防眩フィルムは、十分に透過鮮明度を低下させることができておらず、モアレやムラなどの解消効果が不十分であった。また特許文献2に開示された防眩フィルムについても、十分に透過鮮明度を低下させることができておらず、ムラの解消効果が不十分であった。
また特許文献2に開示された防眩フィルムでは、さらに防眩層の凹凸表面が微粒子を分散させることによって形成されているため、ヘイズが高くなっており、画像表示装置に配置した際に輝度の低下、コントラストの低下などが発生していた。
上述したムラを解消するための方法としては、たとえば、防眩フィルムのヘイズを向上させる、防眩フィルムの透過鮮明度を低下させる方法などが挙げられる。しかしながら、防眩フィルムのヘイズを向上させる方法の場合には、防眩フィルムを画像表示装置に配置した際に輝度の低下、コントラストの低下が発生するという問題があった。また防眩フィルムの透過鮮明度を低下させる方法の場合には、ムラは解消されるが、どのように透過鮮明度を低下させるかが不明確であったため、結局は防眩層に添加する微粒子の部数を増加させることによって透過鮮明度を低下させていた。一方、微粒子の添加部数を増加させた場合にはヘイズも増加することとなり、輝度の低下、コントラストの低下といった問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ヘイズを増加させることなく透過鮮明度を低下させることができ、ムラやモアレなどを効果的に解消できる防眩フィルムを提供することにある。また本発明は、上述のような防眩フィルムを製造するための金型を製造する方法、ならびに、当該金型を用いた防眩フィルムの製造方法を提供することもその目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下である防眩フィルムはヘイズを増加させることなく透過鮮明度を低下させることが可能となり、ムラやモアレなどを効果的に解消できることが分かった。
本発明の防眩フィルムは、透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムであって、該微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下であることを特徴とする。
本発明の防眩フィルムは、暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度の合計が50%以下であることが好ましい。
本発明の防眩フィルムは、ヘイズが1%以上10%以下であることが好ましい。
本発明はまた、上述した本発明の防眩フィルムを製造するために用いられる金型を製造する方法であって、金型用基材の表面に銅めっきを施す第1めっき工程と、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する研磨工程と、研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、現像された感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、めっき面に凹凸を形成する第1エッチング工程と、エッチング処理後に感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、第1エッチング工程によって形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、第2エッチング工程によって鈍らされた凹凸面にクロムめっきを施す第2めっき工程とを含み、前記パターンのパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.030μm−1以下にのみ極大値を有することを特徴とする防眩フィルム製造用金型の製造方法についても提供する。
本発明はまた、上述した本発明の防眩フィルムを製造するために用いられる金型を製造する方法であって、金型用基材の表面に銅めっきを施す第1めっき工程と、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する研磨工程と、研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、現像された感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、めっき面に凹凸を形成する第1エッチング工程と、エッチング処理後に感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、第1エッチング工程によって形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、第2エッチング工程によって鈍らされた凹凸面にクロムめっきを施す第2めっき工程とを含み、前記パターンのパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.030μm−1以下にのみ極大値を有することを特徴とする防眩フィルム製造用金型の製造方法についても提供する。
本発明はさらに、上述した本発明の防眩フィルム製造用金型の製造方法により製造された金型の凹凸面の形状を透明樹脂フィルムに転写した後、金型の凹凸面の形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法についても提供する。
本発明によれば、ヘイズを増加させることなく透過鮮明度を低下させることができ、ムラやモアレなどを効果的に解消できる防眩フィルムを提供することができる。また本発明によれば、上述のような防眩フィルムを好適に製造するための金型を製造する方法、ならびに、当該金型を用いた防眩フィルムの製造方法を提供することができる。
<防眩フィルム>
本発明の防眩フィルムは、透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む。さらに、本発明の防眩フィルムは、該微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下であることを特徴とする。本発明者らが鋭意検討した結果、防眩フィルムの表面凹凸形状が50μm〜100μmの周期の表面凹凸形状を主に有していれば、低ヘイズ化した際にも効果的に透過鮮明度が低下し、ムラやモアレを十分に解消しながらも、良好なコントラストを示すものとなることが分かった。すなわち、本発明によれば、微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有すれば、ムラやモアレを十分に解消しつつ良好なコントラストを示す防眩フィルムとなることが分かった。
本発明の防眩フィルムは、透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む。さらに、本発明の防眩フィルムは、該微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下であることを特徴とする。本発明者らが鋭意検討した結果、防眩フィルムの表面凹凸形状が50μm〜100μmの周期の表面凹凸形状を主に有していれば、低ヘイズ化した際にも効果的に透過鮮明度が低下し、ムラやモアレを十分に解消しながらも、良好なコントラストを示すものとなることが分かった。すなわち、本発明によれば、微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有すれば、ムラやモアレを十分に解消しつつ良好なコントラストを示す防眩フィルムとなることが分かった。
まず、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高のパワースペクトルについて説明する。図1は、本発明の防眩フィルム1の表面を模式的に示す断面図であり、図2は、本発明の防眩フィルム1の表面を模式的に示す斜視図である。図1に示されるように、本発明の防眩フィルム1は、透明支持体2の上に、その表面に微細な凹凸3が形成された防眩層4を有する。ここで、本発明でいう「微細凹凸表面の標高」とは、防眩フィルム1表面の任意の点Pと、微細凹凸表面の標高を測定した際の平均より求められる平均面(標高は基準として0μm)5との間の、上記主法線方向(微細凹凸表面の平均面に垂直な方向)6における直線距離を意味する。防眩フィルム1表面の任意の点Pが平均面より低い場合(透明支持体側に位置する場合)には標高は負の値となり、平均面より高い場合(微細凹凸表面側に位置する場合)には標高は正の値となる。微細凹凸表面の平均面内の直交座標を(x,y)で表示した場合、微細凹凸表面の標高は座標(x,y)の二次元関数h(x,y)と表わすことができる。
微細凹凸表面の標高は、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定される表面形状の三次元情報から求めることができる。測定機に要求される水平分解能は、少なくとも5μm以下、好ましくは2μm以下であり、また垂直分解能は、少なくとも0.1μm以下、好ましくは0.01μm以下である。この測定に好適な非接触三次元表面形状・粗さ測定機としては、New View 5000シリーズ(Zygo Corporation社製、日本ではザイゴ(株)から入手可能)、三次元顕微鏡PLμ2300(Sensofar社製)などを挙げることができる。測定面積は、標高のパワースペクトルの分解能が0.005μm−1以下である必要があるため、少なくとも200μm×200μm以上とするのが好ましく、より好ましくは、500μm×500μm以上である。
次に、二次元関数h(x,y)より標高のパワースペクトルを求める方法について説明する。まず、二次元関数h(x,y)より、式(1)で定義される二次元フーリエ変換によって二次元関数H(fx,fy)を求める。
ここでfxおよびfyはそれぞれx方向およびy方向の周波数であり、長さの逆数の次元を持つ。また、式(1)中のπは円周率、iは虚数単位である。得られた二次元関数H(fx,fy)を二乗することによって、二次元パワースペクトルH2(fx,fy)を求めることができる。この二次元パワースペクトルH2(fx,fy)は防眩フィルムの微細凹凸表面の空間周波数分布を表している。
以下、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高の二次元パワースペクトルを求める方法をさらに具体的に説明する。上記の共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡などによって実際に測定される表面形状の三次元情報は一般的に離散的な値、すなわち、多数の測定点に対応する標高として得られる。図3は、標高を表す関数h(x,y)が離散的に得られる状態を示す模式図である。図3に示すように、フィルム面内の直交座標を(x,y)で表示し、フィルム投影面8上にx軸方向にΔx毎に分割した線およびy軸方向にΔy毎に分割した線を破線で示すと、実際の測定では微細凹凸表面の標高はフィルム投影面8上の各破線の交点毎の離散的な標高値として得られる。
得られる標高値の数は測定範囲とΔxおよびΔyによって決まり、図3に示すようにx軸方向の測定範囲をX=(M−1)Δxとし、y軸方向の測定範囲をY=(N−1)Δyとすると、得られる標高値の数はM×N個である。
図3に示すようにフィルム投影面8上の着目点Aの座標を(jΔx,kΔy)(ここでjは0以上M−1以下であり、kは0以上N−1以下である。)とすると、着目点Aに対応するフィルム面上の点Pの標高はh(jΔx,kΔy)と表すことができる。
ここで、測定間隔ΔxおよびΔyは測定機器の水平分解能に依存し、精度良く微細凹凸表面を評価するためには、上述したとおりΔxおよびΔyともに5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。また、測定範囲XおよびYは上述したとおり、ともに200μm以上が好ましく、ともに500μm以上がより好ましい。
このように実際の測定では、微細凹凸表面の標高を表す関数は、M×N個の値を持つ離散関数h(x,y)として得られる。測定によって得られた離散関数h(x,y)と式(2)で定義される離散フーリエ変換によって離散関数H(fx,fy)が求まり、離散関数H(fx,fy)を二乗することによって二次元パワースペクトルの離散関数H2(fx,fy)が求められる。式(2)中のlは−M/2以上M/2以下の整数であり、mは−N/2以上N/2以下の整数である。また、ΔfxおよびΔfyはそれぞれx方向およびy方向の周波数間隔であり、式(3)および式(4)で定義される。
ここで、図4は、本発明の防眩フィルムの微細凹凸表面の標高を二次元の離散関数h(x,y)で表した図である。図4に示したように、本発明の防眩フィルムの微細凹凸表面は凹凸がランダムに形成されているため、周波数空間(空間周波数領域)における二次元パワースペクトルH2(fx,fy)は原点(fx=0,fy=0)を中心に対称となる。よって、二次元関数H2(fx,fy)は、周波数空間における原点からの距離f(単位:μm−1)を変数とする一次元関数H2(f)に変換することができる。本発明の防眩フィルムは、この一次元関数H2(f)で表される一次元パワースペクトルが一定の特徴を有するものである。
図5は、二次元パワースペクトルH2(fx,fy)を周波数空間における原点からの距離fで平均化する方法を説明する模式図である。具体的には、まず、図5に示すように周波数空間において、原点O(fx=0,fy=0)から(n−1/2)Δf以上(n+1/2)Δf未満の距離に位置する全ての点(図5中の黒丸の点)の個数Nnを計算する。図5に示した例ではNn=16個である。次に、原点Oから(n−1/2)Δf以上(n+1/2)Δf未満の距離に位置する全ての点のH2(fx,fy)の合計値H2n(図5中の黒丸の点におけるH2(fx,fy)の合計値)を計算し、式(5)に示すように、その合計値H2nを点の個数Nnで割ったものをH2(f)の値とした。
ここで、M≧Nの場合、nは0以上N/2以下の整数であり、M<Nの場合、nは0以上M/2以下の整数である。なお、MおよびNは、図3に示されるように、それぞれx軸方向の測定点の数およびy軸方向の測定点の数を意味する。また、Δfは(Δfx+Δfy)/2とした。
一般的に前記した方法によって求められる一次元パワースペクトルは測定の際の雑音を含んでいる。ここで一次元パワースペクトルを求めるのに際して、この雑音の影響を除くためには、防眩フィルム上の複数箇所の微細凹凸表面の標高を測定し、それぞれの微細凹凸表面の標高から求められる一次元パワースペクトルの平均値を一次元パワースペクトルH2(f)として用いることが好ましい。防眩フィルム上の微細凹凸表面の標高を測定する箇所の数は3箇所以上が好ましく、より好ましくは5箇所以上である。図6に、図4に示した二次元関数h(x,y)から計算された複素振幅を離散フーリエ変換して得られた微細凹凸表面の標高の一次元パワースペクトルH2(f)を示す。図6の一次元パワースペクトルH2(f)は防眩フィルム上の5箇所の異なる箇所の微細凹凸表面の標高から求められた一次元パワースペクトルを平均したものである。図6に示した標高の一次元パワースペクトルH2(f)は0.019μm−1に極大値を有している。
本発明の防眩フィルムは、微細凹凸表面の標高から計算される一次元パワースペクトルH2(f)が、空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有することを特徴とする。この結果、防眩フィルムの表面凹凸形状は50μm〜100μmの周期を有する表面形状で主に形成されることとなる。
また、本発明の防眩フィルムは、JIS B 0601の規定に準拠した断面曲線のスキューネスPskの絶対値が0.5以下であることが好ましい。断面曲線のスキューネスPskの絶対値が小さいことは微細凹凸表面の平均高さより低い領域と高い領域の面積が近いことを意味しており、そのような特性を有する表面は連続的な凹凸で表面形状が形成されることとなる。断面曲線のスキューネスPskの絶対値が0.5より大きいと、微細凹凸表面の平均高さより低い領域もしくは高い領域が相対的に平均高さより高い領域もしくは低い領域より多く存在することとなり、ムラやモアレを効果的に解消できなくなる傾向がある。ここで断面曲線のスキューネスPskの絶対値は好ましくは0.4以下、より好ましくは0.25以下である。
本発明の防眩フィルムは、透過鮮明度が50%以下であることが好ましい。ここで、防眩フィルムの透過鮮明度は、JIS K 7105の規定に準拠し、暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機(株)製)にて測定された値の合計値を指す。この定義による透過鮮明度の最大値は400%となる。この透過鮮明度が50%を超える防眩フィルムを用いた場合には、ムラやモアレを十分に解消することができない虞がある。
また、本発明の防眩フィルムのヘイズは1%以上10%以下であることが好ましい。ここで、防眩フィルムのヘイズは、JIS K 7136に準拠して測定される。ヘイズが10%を上回る場合には画像表示装置に配置した際に輝度が低下し、コントラストが低下する可能性があるため好ましくない。また、ヘイズが1%を下回る場合には防眩性が低下する虞があるし、ムラやモアレを効果的に解消できない可能性があるため好ましくない。本発明の防眩フィルムのヘイズは2%以上5%以下であることがより好ましい。
本発明の防眩フィルムのヘイズは防眩フィルム表面の微細凹凸によって主に発生していることが好ましい。従来の防眩フィルムは微粒子を分散させた樹脂溶液を透明支持体上に塗布し、塗布膜厚を調整して微粒子を塗布膜表面に露出させることでランダムな凹凸をシート上に形成する方法などによって製造されている。このような微粒子を分散させることにより製造された防眩フィルムは、防眩フィルム表面の微細凹凸以外にバインダー樹脂と微粒子との間の屈折率差によって発生するヘイズ(内部ヘイズ)を有していることが多い。そのような防眩フィルムを画像表示装置の表面に配置した際には、微粒子とバインダー樹脂界面における光の散乱によって、コントラストが低下するため好ましくない。従って、コントラストの低下の原因となる内部ヘイズは小さければ小さいほど好ましい。また、内部ヘイズを発生させないために防眩フィルムは光を散乱させる微粒子を含まないことが好ましい。
<金型の製造方法>
本発明は、上述した本発明の防眩フィルムを製造するために用いられる金型を製造する方法であって、以下の工程を含む金型の製造方法についても提供する。本発明の金型の製造方法は、(1)第1めっき工程、(2)研磨工程、(3)感光性樹脂膜形成工程、(4)露光工程、(5)現像工程、(6)第1エッチング工程、(7)感光性樹脂膜剥離工程、(8)第2エッチング工程、ならびに、(9)第2めっき工程を含み、露光工程において感光性樹脂膜上に露光するパターンを、そのパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.030μm−1以下にのみ極大値を有するようにすることを大きな特徴とする。ここで、「パターン」とは、本発明の防眩フィルムの微細凹凸表面を形成するための画像データや透光部と遮光部を有するマスクのことなどを意味する。このようなパターンとすることで、上述のような特性を有する表面凹凸形状が再現良く形成された防眩フィルムを製造することができる。
本発明は、上述した本発明の防眩フィルムを製造するために用いられる金型を製造する方法であって、以下の工程を含む金型の製造方法についても提供する。本発明の金型の製造方法は、(1)第1めっき工程、(2)研磨工程、(3)感光性樹脂膜形成工程、(4)露光工程、(5)現像工程、(6)第1エッチング工程、(7)感光性樹脂膜剥離工程、(8)第2エッチング工程、ならびに、(9)第2めっき工程を含み、露光工程において感光性樹脂膜上に露光するパターンを、そのパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.030μm−1以下にのみ極大値を有するようにすることを大きな特徴とする。ここで、「パターン」とは、本発明の防眩フィルムの微細凹凸表面を形成するための画像データや透光部と遮光部を有するマスクのことなどを意味する。このようなパターンとすることで、上述のような特性を有する表面凹凸形状が再現良く形成された防眩フィルムを製造することができる。
パターンのパワースペクトルは、たとえば画像データであれば、画像データの階調を二次元関数g(x,y)で表し、式(6)で定義される二次元フーリエ変換によって二次元関数G(fx,fy)を求める。
ここで、xおよびyは画像データ面内の直交座標を表し、fxおよびfyはx方向の周波数およびy方向の周波数であり、長さの逆数の次元を持つ。また、式(6)中のπは円周率、iは虚数単位である。さらに<g>は二次元関数g(x,y)の平均値である。得られた二次元関数G(fx,fy)を二乗することによって、二次元パワースペクトルG2(fx,fy)を求めることができる。
実際のパターンのパワースペクトルを求める場合には、階調の二次元関数g(x,y)は離散関数として得られる場合が一般的である。よって得られた離散関数g(x,y)と式(7)で定義される離散フーリエ変換によって離散関数G(fx,fy)が求まり、離散関数G(fx,fy)を二乗することによって二次元パワースペクトルの離散関数G2(fx,fy)が求められる。
ここで、MおよびNはそれぞれパターンのx方向およびy方向のデータ数であり、lは−M/2以上M/2以下の整数であり、mは−N/2以上N/2以下の整数である。また、ΔxおよびΔyはx方向およびy方向のデータ間隔であり、ΔfxおよびΔfyはそれぞれx方向およびy方向の周波数間隔である。ここで、精度良くパターンの特性を評価するためには、データ間隔ΔxおよびΔyは5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。また、データ数MおよびNは200個以上が好ましく、ともに500個以上がより好ましい。
ここで、本発明の防眩フィルムの微細凹凸表面は凹凸をランダムに形成するため、周波数空間(空間周波数領域)における二次元パワースペクトルG2(fx,fy)は原点(fx=0,fy=0)を中心に対称となる。よって、二次元関数G2(fx,fy)は、周波数空間における原点からの距離f(単位:μm−1)を変数とする一次元関数G2(f)に変換することができる。具体的には微細凹凸表面の標高のパワースペクトルの二次元関数H2(fx,fy)から、一次元関数H2(f)に変換した際と同様に計算することによって、一次元関数G2(f)が得られる。
図7は、本発明の防眩フィルムを製造するために用いた(後述する実施例1〜3)パターンである画像データの一部を表わした図である。図7に示したパターンである画像データは33mm×33mmの大きさで、12800dpiで作製した。
図8は、図7に示した画像データの階調の二次元離散関数g(x,y)を離散フーリエ変換して得られたパワースペクトルG2(fx,fy)を原点からの距離fの関数として表した図である。これより図8に示したパターンは空間周波数0.026μm-1にのみ極大値を持つことが分かる。
防眩フィルムを製造するためのパターンのパワースペクトルが0.010μm-1以上0.030μm-1以下にのみ極大値を持つ場合には、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高のパワースペクトルが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有するようになり、得られる防眩フィルムがムラやモアレを十分に解消しつつ良好なコントラストを示すものとなる。
パワースペクトルが0.010μm−1以上0.030μm−1以下に極大値を持つパターンを作製するためには、50μm以上100μm未満のドット径をランダムかつ均一に配置すればよい。ランダムに配置するドット径は1種類でも良いし、複数種類でも良い。また、このようにドットをランダムに配置して作製したパターンから、空間周波数において0.010μm−1以上である特定の空間周波数以下の成分を除去するハイパスフィルターを通過させて得られたパターンを用いて、防眩フィルム製造用のパターンとしても良い。さらに、ドットをランダムに配置して作製したパターンから、空間周波数において0.010μm−1以上の空間周波数以下の成分と0.030μm−1以下である特定の空間周波数以上の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて得られたパターンを用いて、防眩フィルム作製用のパターンとしても良い。ハイパルフィルターやバンドパスフィルターなどを通過させる手法を用いてパターンを作製する場合には、フィルターを通過させる前のパターンとして、乱数もしくは計算機によって生成された擬似乱数により濃淡を決定したランダムな明度分布を有するパターンを用いることもできる。
以下、本発明の金型の製造方法における各工程について説明する。
(1)第1めっき工程
まず、第1めっき工程では、金型用基材の表面に、銅めっきを施す。これは、被覆性が高く、平滑化作用が強い銅めっきを施すことにより、金型用基材の微小な凹凸や鬆などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。
(1)第1めっき工程
まず、第1めっき工程では、金型用基材の表面に、銅めっきを施す。これは、被覆性が高く、平滑化作用が強い銅めっきを施すことにより、金型用基材の微小な凹凸や鬆などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。
第1めっき工程において用いられる銅としては、銅の純金属であってもよく、銅を主体とする合金であってもよい。したがって、本明細書でいう「銅」は、銅および銅合金を含む意味である。銅めっきは、それぞれ電解めっきで行っても無電解めっきで行ってもよいが、通常は電解めっきが採用される。銅めっきを施す際には、めっき層が余り薄いと、下地となる金型用基材の表面の影響が排除しきれないことから、その厚みは50μm以上であるのが好ましい。形成される銅めっき層の厚みの上限は、コストの観点から、一般的には500μm程度で十分である。
なお、金型用基材の形成に好適に用いられる金属材料としては、コストの観点からアルミニウム、鉄などが挙げられる。さらに取扱いの利便性から、軽量なアルミニウムがより好ましい。ここでいうアルミニウムや鉄も、それぞれ純金属であることができるほか、アルミニウムまたは鉄を主体とする合金であってもよい。
また、金型用基材の形状は、当分野において従来より採用されている適宜の形状であれば特に制限されず、平板状であってもよいし、円柱状または円筒状のロールであってもよい。ロール状の基材を用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができるという利点がある。
(2)研磨工程
続く研磨工程では、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する。当該工程を経て、銅めっき層の表面を鏡面に近い状態に研磨する。これは、金型用基材(金属板や金属ロールなど)は、その表面形状を所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っており、銅めっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあり、また、めっきした状態で表面が完全に平滑になるとは限らないためである。すなわち、このような加工目などが残った表面に後述する工程を施したとしても、各工程を施した後に形成される凹凸よりも加工目などの凹凸の方が深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性があり、そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。
続く研磨工程では、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する。当該工程を経て、銅めっき層の表面を鏡面に近い状態に研磨する。これは、金型用基材(金属板や金属ロールなど)は、その表面形状を所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っており、銅めっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあり、また、めっきした状態で表面が完全に平滑になるとは限らないためである。すなわち、このような加工目などが残った表面に後述する工程を施したとしても、各工程を施した後に形成される凹凸よりも加工目などの凹凸の方が深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性があり、そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。
銅めっき層の表面を研磨する方法については特に制限されるものではなく、機械研磨法、電解研磨法、化学研磨法のいずれも使用できる。機械研磨法としては、超仕上げ法、ラッピング、流体研磨法、バフ研磨法が例示される。また、研磨工程において切削工具を用いて鏡面切削することによって、銅めっき層の表面を鏡面としてもよい。その際の切削工具の材質や形状などは特に制限されるものではなく、超硬バイト、CBNバイト、セラミックバイト、ダイヤモンドバイトなどを使用することが出来るが、加工精度の観点からダイヤモンドバイトを用いることが好ましい。
(3)感光性樹脂膜形成工程
続く感光性樹脂膜形成工程では、上述した研磨工程で研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する。感光性樹脂としては従来公知の感光性樹脂を用いることができ、たとえば、感光部分が硬化する性質をもったネガ型の感光性樹脂としては分子中にアクリル基またはメタアクリル基を有するアクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスアジドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート系化合物などを用いることができる。また、現像により感光部分が溶出し、未感光部分だけが残る性質をもったポジ型の感光性樹脂としてはフェノール樹脂系やノボラック樹脂系などを用いることができる。また、感光性樹脂には、必要に応じて、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤などの各種添加剤を配合してもよい。
続く感光性樹脂膜形成工程では、上述した研磨工程で研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する。感光性樹脂としては従来公知の感光性樹脂を用いることができ、たとえば、感光部分が硬化する性質をもったネガ型の感光性樹脂としては分子中にアクリル基またはメタアクリル基を有するアクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスアジドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート系化合物などを用いることができる。また、現像により感光部分が溶出し、未感光部分だけが残る性質をもったポジ型の感光性樹脂としてはフェノール樹脂系やノボラック樹脂系などを用いることができる。また、感光性樹脂には、必要に応じて、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤などの各種添加剤を配合してもよい。
これらの感光性樹脂を銅めっき層の表面に塗布する際には、良好な塗膜を形成するために、適当な溶媒に希釈して塗布することが好ましく、セロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、高極性溶媒などを使用することができる。
感光性樹脂溶液の塗布形式としては、該溶液の物性に応じて従来公知の形式を適宜選択しうるが、中でも、回転塗布、ロール塗布、ワイヤーバー塗布、リングコートが好ましく採用される。また、感光性樹脂溶液を塗布した後、加熱、乾燥処理を施すのが好ましい。
(4)露光工程
続く露光工程では、形成された感光性樹脂膜上に、上述したパターンを露光する。露光工程に用いる光源は塗布された感光性樹脂の感光波長や感度などに合わせて適宜選択すればよく、たとえば、高圧水銀灯のg線(波長:436nm)、高圧水銀灯のh線(波長:405nm)、高圧水銀灯のi線(波長:365nm)、半導体レーザ(波長:830nm、532nm、488nm、405nmなど)、YAGレーザ(波長:1064nm)、KrFエキシマーレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマーレーザ(波長:193nm)、F2エキシマーレーザ(波長:157nm)などを用いることができる。
続く露光工程では、形成された感光性樹脂膜上に、上述したパターンを露光する。露光工程に用いる光源は塗布された感光性樹脂の感光波長や感度などに合わせて適宜選択すればよく、たとえば、高圧水銀灯のg線(波長:436nm)、高圧水銀灯のh線(波長:405nm)、高圧水銀灯のi線(波長:365nm)、半導体レーザ(波長:830nm、532nm、488nm、405nmなど)、YAGレーザ(波長:1064nm)、KrFエキシマーレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマーレーザ(波長:193nm)、F2エキシマーレーザ(波長:157nm)などを用いることができる。
本発明の金型の製造方法において表面の凹凸形状を精度良く形成するためには、露光工程において、上述した特徴を有するパターンを感光性樹脂膜上に精密に制御された状態で露光することが好ましい。本発明の金型の製造方法においては、上述したパターンを感光性樹脂膜上に精度よく露光するために、コンピュータ上でパターンを画像データとして作製し、その画像データに基づいたパターンを、コンピュータ制御されたレーザヘッドから発するレーザ光によって描画することが好ましい。レーザ描画を行うに際しては印刷版作製用のレーザ描画装置を使用することができる。このようなレーザ描画装置としては、たとえばLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)などが挙げられる。
(5)現像工程
続く現像工程では、パターン露光された感光性樹脂膜を現像する。感光性樹脂膜にポジ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光された領域は現像液によって溶解され、露光されていない領域のみが銅めっき層上に残存し、続く第1エッチング工程においてマスクとして作用する。また、感光性樹脂膜にネガ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光されていない領域のみ現像液によって溶解され、露光された領域が銅めっき層上に残存し、続く第1エッチング工程におけるマスクとして作用する。
続く現像工程では、パターン露光された感光性樹脂膜を現像する。感光性樹脂膜にポジ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光された領域は現像液によって溶解され、露光されていない領域のみが銅めっき層上に残存し、続く第1エッチング工程においてマスクとして作用する。また、感光性樹脂膜にネガ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光されていない領域のみ現像液によって溶解され、露光された領域が銅めっき層上に残存し、続く第1エッチング工程におけるマスクとして作用する。
現像工程に用いる現像液については従来公知のものを使用することができる。たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジンなどの環状アミン類などのアルカリ性水溶液、キシレン、トルエンなどの有機溶剤などを挙げることができる。
現像工程における現像方法については特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法を用いることができる。
(6)第1エッチング工程
続く第1エッチング工程では、現像された感光性樹脂膜をマスクとして、主に銅めっき層のマスクの無い領域をエッチングし、めっき面に凹凸を形成する。第1エッチング工程におけるエッチング処理は、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH3)4Cl2)などを用いて、金属表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。第1エッチング工程におけるエッチング処理は1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。エッチング量(エッチングにより削られる基材の厚み)は、エッチング処理の手法、エッチング処理に使用する処理液の組成、エッチング処理温度、エッチング処理時間などを調整することにより、制御することができる。
続く第1エッチング工程では、現像された感光性樹脂膜をマスクとして、主に銅めっき層のマスクの無い領域をエッチングし、めっき面に凹凸を形成する。第1エッチング工程におけるエッチング処理は、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH3)4Cl2)などを用いて、金属表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。第1エッチング工程におけるエッチング処理は1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。エッチング量(エッチングにより削られる基材の厚み)は、エッチング処理の手法、エッチング処理に使用する処理液の組成、エッチング処理温度、エッチング処理時間などを調整することにより、制御することができる。
(7)感光性樹脂膜剥離工程
続く感光性樹脂膜剥離工程では、第1エッチング工程でのエッチング処理後に、感光性樹脂膜を剥離する。感光性樹脂膜剥離工程では、通常、剥離液を用いて感光性樹脂膜を溶解する。剥離液としては、上述した現像液と同様のものを用いることができるが、pH、温度、濃度および浸漬時間などを変化させること、たとえば、現像液よりもpH、温度、濃度を高くしたり、浸漬時間を長くしたりすることによって、ネガ型の感光性樹脂膜を用いた場合には露光部の、ポジ型の感光性樹脂膜を用いた場合には非露光部の感光性樹脂膜を完全に溶解して除去する。感光性樹脂膜剥離工程における剥離方法についても特に制限されず、浸漬剥離、スプレー剥離、ブラシ剥離、超音波剥離などの方法を用いることができる。
続く感光性樹脂膜剥離工程では、第1エッチング工程でのエッチング処理後に、感光性樹脂膜を剥離する。感光性樹脂膜剥離工程では、通常、剥離液を用いて感光性樹脂膜を溶解する。剥離液としては、上述した現像液と同様のものを用いることができるが、pH、温度、濃度および浸漬時間などを変化させること、たとえば、現像液よりもpH、温度、濃度を高くしたり、浸漬時間を長くしたりすることによって、ネガ型の感光性樹脂膜を用いた場合には露光部の、ポジ型の感光性樹脂膜を用いた場合には非露光部の感光性樹脂膜を完全に溶解して除去する。感光性樹脂膜剥離工程における剥離方法についても特に制限されず、浸漬剥離、スプレー剥離、ブラシ剥離、超音波剥離などの方法を用いることができる。
(8)第2エッチング工程
続く第2エッチング工程では、第1エッチング工程によって形成された凹凸形状を、エッチング処理によって鈍らせる。この第2エッチング処理によって、第1エッチング処理によって形成された凹凸形状における表面傾斜が急峻な部分がなくなり、得られた金型を用いて製造された防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。
続く第2エッチング工程では、第1エッチング工程によって形成された凹凸形状を、エッチング処理によって鈍らせる。この第2エッチング処理によって、第1エッチング処理によって形成された凹凸形状における表面傾斜が急峻な部分がなくなり、得られた金型を用いて製造された防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。
第2エッチング工程のエッチング処理も、第1エッチング工程と同様に、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH3)4Cl2)などを用い、表面を腐食させることによって行われるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。
エッチング処理を施した後の凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、エッチング手法、および第1エッチング工程により得られた凹凸のサイズと深さなどによって変わりうるが、鈍り具合を制御する上で最も大きな因子は、エッチング量である。ここでいうエッチング量も、第1エッチング工程と同様に、エッチングにより削られる銅めっき層の厚みである。第2エッチング工程におけるエッチング処理についても、第1エッチング工程と同様に、1回のエッチング処理によって行ってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行ってもよい。
(9)第2めっき工程
続く第2めっき工程では、第2エッチング工程によって鈍らされた凹凸面に、クロムめっきを施す。クロムめっきの種類は特に制限されないが、いわゆる光沢クロムめっきや装飾用クロムめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するクロムめっきを用いることが好ましい。クロムめっきは通常、電解によって行われ、そのめっき浴としては、無水クロム酸(CrO3)と少量の硫酸を含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、クロムめっきの厚みを制御することができる。微細な凹凸形状が形成された銅めっき層の表面に、クロムめっきにより被覆性の高い保護めっき層を形成することによって、工業的に有利に凹凸形状が鈍らせられ、その凹凸形状が防眩フィルム製造用金型として好ましい方向に変化する。
続く第2めっき工程では、第2エッチング工程によって鈍らされた凹凸面に、クロムめっきを施す。クロムめっきの種類は特に制限されないが、いわゆる光沢クロムめっきや装飾用クロムめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するクロムめっきを用いることが好ましい。クロムめっきは通常、電解によって行われ、そのめっき浴としては、無水クロム酸(CrO3)と少量の硫酸を含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、クロムめっきの厚みを制御することができる。微細な凹凸形状が形成された銅めっき層の表面に、クロムめっきにより被覆性の高い保護めっき層を形成することによって、工業的に有利に凹凸形状が鈍らせられ、その凹凸形状が防眩フィルム製造用金型として好ましい方向に変化する。
上述のような各工程を経て、かつ、パターンを、そのパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.030μm−1以下にのみ極大値を有するようにすることで、上述した特性を備える防眩フィルムを製造するために好適な金型を製造することができる。
<防眩フィルムの製造方法>
本発明の防眩フィルムは、上述のようにして製造された防眩フィルム製造用金型の表面の凹凸形状を透明樹脂フィルムに転写した後、該凹凸形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む製造方法により、製造することができる。
本発明の防眩フィルムは、上述のようにして製造された防眩フィルム製造用金型の表面の凹凸形状を透明樹脂フィルムに転写した後、該凹凸形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む製造方法により、製造することができる。
たとえば、上述のようにして製造された防眩フィルム製造用金型の表面の凹凸形状を、透明支持体上の光硬化性樹脂層などに転写し、次いで該凹凸形状が転写された防眩層と透明支持体とを金型から剥がすことによって、防眩フィルムを作製することを特徴とするエンボス法によって製造することができる。
ここで、エンボス法としては、光硬化性樹脂を用いるUVエンボス法、熱可塑性樹脂を用いるホットエンボス法が例示され、中でも、生産性の観点から、UVエンボス法が好ましい。UVエンボス法は、透明支持体の表面に光硬化性樹脂層を形成し、その光硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が光硬化性樹脂層に転写される方法である。具体的には、透明支持体上に紫外線硬化型樹脂を塗工し、塗工した紫外線硬化型樹脂を金型の凹凸面に密着させた状態で透明支持体側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、その後金型から、硬化後の紫外線硬化型樹脂層が形成された透明支持体を剥離することにより、金型の凹凸形状を紫外線硬化型樹脂に転写する。
UVエンボス法を用いる場合、透明支持体としては、実質的に光学的に透明なフィルムであればよく、たとえばトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。
また、UVエンボス法を用いる場合における紫外線硬化型樹脂の種類は特に限定されないが、市販の適宜のものを用いることができる。また、紫外線硬化型樹脂に適宜選択された光開始剤を組み合わせて、紫外線より波長の長い可視光でも硬化が可能な樹脂を用いることも可能である。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能アクリレートをそれぞれ単独で、あるいはそれら2種以上を混合して用い、それと、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などの光重合開始剤とを混合したものを好適に用いることができる。
一方、ホットエンボス法は、熱可塑性樹脂で形成された透明支持体を加熱状態で金型に押し付け、金型の表面形状を透明支持体に転写する方法である。ホットエンボス法に用いる透明支持体としては、実質的に透明なものであればいかなるものであってもよく、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどを用いることができる。これらの透明樹脂フィルムはまた、上で説明したUVエンボス法における紫外線硬化型樹脂を塗工するための透明支持体としても好適に用いることができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
〔1〕防眩フィルムの表面形状の測定
(表面の標高の測定)
三次元顕微鏡PLμ2300(Sensofar社製)を用いて、防眩フィルムの表面の標高を測定した。サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。測定の際、対物レンズの倍率は10倍として測定を行った。水平分解能ΔxおよびΔyはともに1.66μmであり、測定面積は1270μm×950μmであった。
(表面の標高の測定)
三次元顕微鏡PLμ2300(Sensofar社製)を用いて、防眩フィルムの表面の標高を測定した。サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。測定の際、対物レンズの倍率は10倍として測定を行った。水平分解能ΔxおよびΔyはともに1.66μmであり、測定面積は1270μm×950μmであった。
(微細表面凹凸の標高のパワースペクトル)
上で得られた測定データの中央部から512個×512個(測定面積で850μm×850μm)のデータをサンプリングし、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高を二次元関数h(x,y)として求めた。二次元関数h(x,y)を離散フーリエ変換して二次元関数H(fx,fy)を求めた。二次元関数H(fx,fy)を二乗して二次元パワースペクトルの二次元関数H2(fx,fy)を計算し、原点からの距離fの関数である一次元パワースペクトルの一次元関数H2(f)を計算した。各サンプルにつき5箇所の表面の標高を測定し、それらのデータから計算される一次元パワースペクトルの一次元関数H2(f)の平均値を各サンプルの一次元パワースペクトルの一次元関数H2(f)とした。
上で得られた測定データの中央部から512個×512個(測定面積で850μm×850μm)のデータをサンプリングし、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高を二次元関数h(x,y)として求めた。二次元関数h(x,y)を離散フーリエ変換して二次元関数H(fx,fy)を求めた。二次元関数H(fx,fy)を二乗して二次元パワースペクトルの二次元関数H2(fx,fy)を計算し、原点からの距離fの関数である一次元パワースペクトルの一次元関数H2(f)を計算した。各サンプルにつき5箇所の表面の標高を測定し、それらのデータから計算される一次元パワースペクトルの一次元関数H2(f)の平均値を各サンプルの一次元パワースペクトルの一次元関数H2(f)とした。
(断面曲線のスキューネスPskの絶対値)
防眩フィルムの微細凹凸表面の断面曲線のスキューネスPskの絶対値はJIS B 0601:2001に規定される方法で測定した。具体的には、この規格に準拠した小形表面粗さ測定機 サーフテスト SJ−310(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定を行った。
防眩フィルムの微細凹凸表面の断面曲線のスキューネスPskの絶対値はJIS B 0601:2001に規定される方法で測定した。具体的には、この規格に準拠した小形表面粗さ測定機 サーフテスト SJ−310(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定を行った。
(透過鮮明度)
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて、防眩フィルムの透過鮮明度を測定した。この場合も、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層の微細な凹凸形状面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。この状態でガラス側から光を入射させ、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部との幅がそれぞれ0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。この場合の透過鮮明度の最大値は400%となる。
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて、防眩フィルムの透過鮮明度を測定した。この場合も、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層の微細な凹凸形状面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。この状態でガラス側から光を入射させ、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部との幅がそれぞれ0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。この場合の透過鮮明度の最大値は400%となる。
(ヘイズ)
防眩フィルムのヘイズは、防眩フィルムを光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層形成面とは反対側の面でガラス基板に貼合し、該ガラス基板に貼合された防眩フィルムについて、ガラス基板側から光を入射させ、JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて測定した。
防眩フィルムのヘイズは、防眩フィルムを光学的に透明な粘着剤を用いて防眩層形成面とは反対側の面でガラス基板に貼合し、該ガラス基板に貼合された防眩フィルムについて、ガラス基板側から光を入射させ、JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて測定した。
(ムラ、モアレの解消の評価)
導光板と液晶パネルとの間にプリズムシートと拡散シートが配置されている市販の液晶テレビKDL−32EX710(ソニー(株)製)の液晶セルから表裏両面の偏光板を剥離した。それらオリジナル偏光板の代わりに、背面側および表示面側とも、偏光板スミカランSRDB31E(住友化学(株)製)を、それぞれの吸収軸がオリジナルの偏光板の吸収軸と一致するように粘着剤を介して貼合し、さらに拡散シートを取り除いた状態で導光板/プリズムシート/液晶パネルの順となるように組み立て、プリズムシートと液晶セルの干渉によってモアレが発生した液晶像表示装置を作製した。このモアレが発生した液晶表示装置の視認側表面に防眩フィルムを粘着剤を介して貼り合わせ、その状態でのモアレを目視で評価した。モアレの状態は1から3の3段階で次の基準により評価した。
導光板と液晶パネルとの間にプリズムシートと拡散シートが配置されている市販の液晶テレビKDL−32EX710(ソニー(株)製)の液晶セルから表裏両面の偏光板を剥離した。それらオリジナル偏光板の代わりに、背面側および表示面側とも、偏光板スミカランSRDB31E(住友化学(株)製)を、それぞれの吸収軸がオリジナルの偏光板の吸収軸と一致するように粘着剤を介して貼合し、さらに拡散シートを取り除いた状態で導光板/プリズムシート/液晶パネルの順となるように組み立て、プリズムシートと液晶セルの干渉によってモアレが発生した液晶像表示装置を作製した。このモアレが発生した液晶表示装置の視認側表面に防眩フィルムを粘着剤を介して貼り合わせ、その状態でのモアレを目視で評価した。モアレの状態は1から3の3段階で次の基準により評価した。
モアレ 1:モアレが全く観察されない、
2:モアレがわずかに観察される、
3:モアレが明確に観察される。
2:モアレがわずかに観察される、
3:モアレが明確に観察される。
(白ちゃけの目視評価)
防眩フィルムの裏面からの反射を防止するために、凹凸面が表面となるように黒色アクリル樹脂板に防眩フィルムを貼合し、蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視で観察し、白ちゃけの程度を目視で評価した。白ちゃけは1から3の3段階で次の基準により評価した。
防眩フィルムの裏面からの反射を防止するために、凹凸面が表面となるように黒色アクリル樹脂板に防眩フィルムを貼合し、蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視で観察し、白ちゃけの程度を目視で評価した。白ちゃけは1から3の3段階で次の基準により評価した。
白ちゃけ 1:白ちゃけが観察されない、
2:白ちゃけが少し観察される、
3:白ちゃけが明瞭に観察される。
2:白ちゃけが少し観察される、
3:白ちゃけが明瞭に観察される。
(防眩フィルム製造用のパターンの評価)
作製したパターンデータの階調を二次元の離散関数g(x,y)で表した。離散関数g(x,y)の水平分解能ΔxおよびΔyはともに2μmとした。得られた二次元関数g(x,y)を離散フーリエ変換して、二次元関数G(fx,fy)を求めた。二次元関数G(fx,fy)を二乗して二次元パワースペクトルの二次元関数G2(fx,fy)を計算し、原点からの距離fの関数である一次元パワースペクトルの一次元関数G2(f)を計算した。
作製したパターンデータの階調を二次元の離散関数g(x,y)で表した。離散関数g(x,y)の水平分解能ΔxおよびΔyはともに2μmとした。得られた二次元関数g(x,y)を離散フーリエ変換して、二次元関数G(fx,fy)を求めた。二次元関数G(fx,fy)を二乗して二次元パワースペクトルの二次元関数G2(fx,fy)を計算し、原点からの距離fの関数である一次元パワースペクトルの一次元関数G2(f)を計算した。
<実施例1>
(防眩フィルム製造用の金型の作製)
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面に感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図7に示したパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作製した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像した。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行った。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。
(防眩フィルム製造用の金型の作製)
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面に感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図7に示したパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作製した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光し、現像した。レーザ光による露光、および現像はLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行った。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。
その後、塩化第二銅液で第1エッチング工程としてのエッチング処理を行った。その際のエッチング量は4μmとなるように設定した。第1エッチング工程後のロールから感光性樹脂膜を除去し、再度、塩化第二銅液で第2エッチング工程としてのエッチング処理を行った。その際のエッチング量は12μmとなるように設定した。その後、クロムめっき加工を行い、金型Aを作製した。このとき、クロムめっき厚みが4μmとなるように設定した。
(防眩フィルムの形成)
以下の各成分が酢酸エチルに固形分濃度60%で溶解されており、硬化後に1.53の屈折率を示す紫外線硬化性樹脂組成物Aを入手した。
以下の各成分が酢酸エチルに固形分濃度60%で溶解されており、硬化後に1.53の屈折率を示す紫外線硬化性樹脂組成物Aを入手した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 60部
多官能ウレタン化アクリレート 40部
(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応性生物)
ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド 5部
この紫外線硬化性樹脂組成物Aを厚み60μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、乾燥後の塗布厚みが7μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、先に得られた金型Aの凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層が金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムAを作製した。
多官能ウレタン化アクリレート 40部
(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応性生物)
ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド 5部
この紫外線硬化性樹脂組成物Aを厚み60μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、乾燥後の塗布厚みが7μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、先に得られた金型Aの凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層が金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムAを作製した。
<実施例2>
第1エッチング工程でのエッチング量を5μmとなるように設定し、第2エッチング工程でのエッチング量を12μmとなるように設定したこと以外は実施例1と同様にして金型Bを作製し、金型Bを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムBを作製した。
第1エッチング工程でのエッチング量を5μmとなるように設定し、第2エッチング工程でのエッチング量を12μmとなるように設定したこと以外は実施例1と同様にして金型Bを作製し、金型Bを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムBを作製した。
<実施例3>
第2エッチング工程でのエッチング量を10μmとなるように設定したこと以外は実施例1と同様にして金型Cを作製し、金型Cを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムCを作製した。
第2エッチング工程でのエッチング量を10μmとなるように設定したこと以外は実施例1と同様にして金型Cを作製し、金型Cを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムCを作製した。
<実施例4>
図9に示すパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作製した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光したこと以外は実施例1と同様にして金型Dを作製し、金型Dを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムDを作製した。
図9に示すパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作製した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光したこと以外は実施例1と同様にして金型Dを作製し、金型Dを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムDを作製した。
<実施例5>
第1エッチング工程でのエッチング量を5μmとなるように設定し、第2エッチング工程でのエッチング量を12μmとなるように設定したこと以外は実施例4と同様にして金型Eを作製し、金型Eを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムEを作製した。
第1エッチング工程でのエッチング量を5μmとなるように設定し、第2エッチング工程でのエッチング量を12μmとなるように設定したこと以外は実施例4と同様にして金型Eを作製し、金型Eを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムEを作製した。
<実施例6>
第1エッチング工程でのエッチング量を3μmとなるように設定し、第2エッチング工程でのエッチング量を10μmとなるように設定したこと以外は実施例4と同様にして金型Fを作製し、金型Fを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムFを作製した。
第1エッチング工程でのエッチング量を3μmとなるように設定し、第2エッチング工程でのエッチング量を10μmとなるように設定したこと以外は実施例4と同様にして金型Fを作製し、金型Fを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムFを作製した。
<比較例1>
図10に示すパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作製した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光したこと以外は実施例6と同様にして金型Gを作製し、金型Gを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムGを作製した。
図10に示すパターン(ランダムな明度分布を有するパターンから、特定の空間周波数範囲の成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて作製した)を繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザ光によって露光したこと以外は実施例6と同様にして金型Gを作製し、金型Gを使用したこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムGを作製した。
<比較例2>
紫外線硬化性樹脂組成物Aの固形分100部に対して、重量平均粒子径が2.7μmの多孔質シリカ粒子「サイリシア」(商品名、富士シリシア化学(株)製)を3部添加し、紫外線硬化性樹脂組成物Bを調製した。
紫外線硬化性樹脂組成物Aの固形分100部に対して、重量平均粒子径が2.7μmの多孔質シリカ粒子「サイリシア」(商品名、富士シリシア化学(株)製)を3部添加し、紫外線硬化性樹脂組成物Bを調製した。
この紫外線硬化性樹脂組成物Bを厚み60μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、乾燥後の塗布厚みが3μmとなるように塗布し、80℃に設定した乾燥機中で1分間乾燥させた。乾燥後のフィルムの紫外線硬化性樹脂組成物層側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で300mJ/cm2となるように照射して、紫外線硬化性樹脂組成物層を硬化させて、表面に微細な凹凸形状を有する防眩層(硬化樹脂)を形成し、防眩フィルムHを作製した。
<比較例3>
添加する多孔質シリカ粒子の添加部数を5部に変更したこと以外は比較例2と同様にして紫外線硬化性樹脂組成物Cを調整し、紫外線硬化性樹脂組成物Cを使用したこと以外は比較例2と同様にして防眩フィルムIを作製した。
添加する多孔質シリカ粒子の添加部数を5部に変更したこと以外は比較例2と同様にして紫外線硬化性樹脂組成物Cを調整し、紫外線硬化性樹脂組成物Cを使用したこと以外は比較例2と同様にして防眩フィルムIを作製した。
評価結果を表1および表2に示した。また、実施例1〜3で得られた防眩フィルムの標高パワースペクトルを図11、実施例4〜6で得られた防眩フィルムの標高パワースペクトルを図12、比較例1〜3で得られた防眩フィルムの標高パワースペクトルを図13にそれぞれ示す。
本発明の要件を全て満たす実施例1〜6はモアレを完全に解消しつつ、ヘイズが低く、白ちゃけが発生せずに良好なコントラストを示した。一方、本発明の要件を満たさない比較例1および2はモアレがわずかに確認された。また、比較例2および3では白ちゃけが強く発生し、画像表示装置に配置した際にコントラストの低下が確認された。
1 防眩フィルム、2 透明支持体、3 凹凸、4 防眩層、5 仮想的な平面、6 フィルムの主法線方向、8 フィルム投影面。
Claims (5)
- 透明支持体、および、該透明支持体上に形成され該透明支持体と反対側に微細な凹凸を有する微細凹凸表面を備えた防眩層を含む防眩フィルムであって、該微細凹凸表面の標高のパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.020μm−1以下にのみ極大値を有し、かつ、断面曲線のスキューネスの絶対値が0.5以下であることを特徴とする防眩フィルム。
- 暗部と明部の幅が0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度の合計が50%以下である、請求項1に記載の防眩フィルム。
- ヘイズが1%以上10%以下である請求項1または2に記載の防眩フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルムを製造するために用いられる金型を製造する方法であって、
金型用基材の表面に銅めっきを施す第1めっき工程と、第1めっき工程によってめっきが施された表面を研磨する研磨工程と、研磨された面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、感光性樹脂膜上にパターン露光する露光工程と、パターン露光された感光性樹脂膜を現像する現像工程と、現像された感光性樹脂膜をマスクとしてエッチング処理を行い、めっき面に凹凸を形成する第1エッチング工程と、エッチング処理後に感光性樹脂膜を剥離する感光性樹脂膜剥離工程と、第1エッチング工程によって形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程と、第2エッチング工程によって鈍らされた凹凸面にクロムめっきを施す第2めっき工程とを含み、
前記パターンのパワースペクトルを空間周波数に対する強度として表したときのグラフが空間周波数0.010μm−1以上0.030μm−1以下にのみ極大値を有することを特徴とする防眩フィルム製造用金型の製造方法。 - 請求項4に記載の方法により製造された金型の凹凸面の形状を透明樹脂フィルムに転写した後、金型の凹凸面の形状が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを含む防眩フィルムの製造方法。
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2012
- 2012-12-14 JP JP2012273603A patent/JP2014119552A/ja active Pending
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