JP2014125347A - シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置 - Google Patents

シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014125347A
JP2014125347A JP2012285547A JP2012285547A JP2014125347A JP 2014125347 A JP2014125347 A JP 2014125347A JP 2012285547 A JP2012285547 A JP 2012285547A JP 2012285547 A JP2012285547 A JP 2012285547A JP 2014125347 A JP2014125347 A JP 2014125347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
separation
paper
mobility
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012285547A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Sato
佐藤  修
Yasufumi Nakazato
保史 中里
Akira Takehisa
章 武久
Mikiko Honjo
三記子 本城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012285547A priority Critical patent/JP2014125347A/ja
Publication of JP2014125347A publication Critical patent/JP2014125347A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材の劣化を感度よく検出することができる劣化検出装置、シート供給装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙コロ230や分離コロ235などのシート供給用部材に接触して移動する供給対象のシートの移動量を検出するシート移動量検出手段270を備える。シート移動量検出手段270の検出結果に基づいて、互いに検出時間帯が重複しない複数の区間それぞれで検出された単位時間あたりのシートの移動量の比を算出する。また、前記移動量の比の算出値と基準値との比較結果に基づいて、シート供給用部材の劣化を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材の劣化を検出する劣化検出装置、並びに、その劣化検出装置を備えたシート供給装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、原稿を供給する自動原稿供給装置(ADF)や画像形成対象の用紙を供給する給紙装置などのシート供給装置が知られている。また、これらのシート供給装置において複数枚の原稿や用紙などからなるシート束から1枚ずつシートを分離して搬送する方法として、摩擦を利用した方法が知られている。この方法では、シートと給紙コロなどのシート供給用部材との間の摩擦係数とシート間の摩擦係数との大小関係を規定することで、シート束からシートを1枚ずつ分離して供給する分離供給を実現している。実際の自動原稿供給装置(ADF)や給紙装置などのシート供給装置では、分離コロ方式、分離パッド方式、コーナー爪方式などが広く採用されている。分離コロ方式は、シートのおもて面側から接する給紙コロと、シートの裏面側で所定の負荷で逆転する分離コロとを用いた方式である。分離パッド方式は、給紙コロと分離パッドとを用いた方式であり、コーナー爪方式は、給紙コロとシートの角部に配設した爪とを用いた方式である。
上記従来のシート供給装置では、シートの分離搬送に利用される給紙コロ(給紙ローラや分離コロ(分離ローラ)などのシート供給用部材とシートとの摩擦状態を長期にわたって安定に維持することが難しい。そのため、給紙コロなどのシート供給用部材を経時的に劣化する部品として扱い、予め設定した所定の通紙枚数でシート供給用部材を交換するのが一般的である。しかし、シート供給用部材の表面のオイル付着や経時劣化に伴う摩擦係数の低下、シートの種類(紙種)による分離余裕度の不足などによって、上記所定の通紙枚数に達する以前にシート供給用部材が劣化してしまう場合がある。そのため、シート供給用部材の劣化を検出し、シート供給用部材の交換時期を予測することが求められている。シート供給用部材の交換時期を予測できれば、上記所定の通紙枚数でシート供給用部材を一律に交換するのではなく、適切なタイミングでシート供給用部材を交換することができる。
特許文献1には、互いに接触してニップを形成する給紙コロ及び分離コロのうち何れが寿命近くまで劣化したのかを特定することができる劣化判定装置が開示されている。この劣化判定装置は、分離コロの表面移動量を検知する移動量検知手段(ホール素子)と、シートの移動速度をシートおもて面側から検知するシート速度検知手段(速度センサ)とを備える。そして、移動量検知手段による検知結果に基づいて、給紙コロ及び分離コロの対について所定の度合いまで劣化が進行したと判定し、シート速度検知手段による検知結果に基づいて、給紙コロ及び分離コロの何れが所定の度合いまで劣化したのかを判定する。
しかしながら、本発明者らが上記特許文献1の劣化判定装置について長期間の通紙試験を行ったところ、シート速度検知手段の検知感度の低下によって給紙コロや分離コロの劣化を感度よく検出できない場合があることがわかった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材の劣化を感度よく検出することができる劣化検出装置、シート供給装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材の劣化を検出する劣化検出装置であって、前記シート供給用部材に接触して移動する供給対象のシートの移動量を検出するシート移動量検出手段と、前記シート移動量検出手段の検出結果に基づいて、互いに検出時間帯が重複しない複数の区間それぞれで検出された単位時間あたりのシートの移動量の比を算出する算出手段と、前記移動量の比の算出値と基準値との比較結果に基づいて、前記シート供給用部材の劣化を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材の劣化を感度よく検出することができる。
本発明の一実施形態に係る劣化判定装置を備えたシート供給装置としての給紙装置の構成例を示す概略構成図。 本実施形態の給紙装置における用紙の分離メカニズムを説明するためのモデルの一例を示す説明図。 分離コロから用紙が受ける戻し力Tと分離コロ235の押圧力Pとの関係の一例を示すグラフ。 分離コロ方式における正常1枚送り状態の各コロの挙動を示す説明図。 分離コロ方式における正常分離状態の各コロの挙動を示す説明図。 分離コロ方式におけるピックアップコロ240の摩擦係数μが低下した状態のコロ挙動を示す説明図。 分離コロ方式における給紙コロまたは分離コロの摩擦係数μが低下した状態の各コロの挙動を示す説明図。 給紙動作前後の分離部前における用紙状態変化の一例を示す説明図。 給紙動作前後の分離部前における用紙状態変化の他の例を示す説明図。 給紙動作前後の分離部前における用紙状態変化の更に他の例を示す説明図。 給紙センサによる用紙先端検知を時間基準として表した、運転開始時の移動度の重ね合わせ波形の一例を示すグラフ。 給紙センサによる用紙先端検知を時間基準として表した、給紙装置が故障状態になる前における移動度の重ね合わせ波形の一例を示すグラフ。 給紙センサによる用紙先端検知を時間基準として表した、給紙装置が故障状態になった後における移動度の重ね合わせ波形の一例を示すグラフ。 給紙センサによる用紙先端検知を時間基準として表した、給紙ジャムが発生したときの移動度の重ね合わせ波形の一例を示すグラフ。 搬送センサによる用紙先端検知時を基準にして、図13の移動度の重ね合わせ波形を表した一例を示すグラフ。 給紙コロの連れ回り開始時を基準にして、図13の移動度の重ね合わせ波形を表した一例を示すグラフ。 2次元移動度センサによる用紙後端検知時を基準にして、図13の移動度の重ね合わせ波形を表した一例を示すグラフ。 用紙のピックアップによる用紙挙動を通紙枚数1135k枚で取得した移動度の観測データを、給紙開始時を時間基準として表したグラフ。 用紙の分離動作がある場合の給紙センサによる用紙先端検知時を時間基準として表した移動度の観測データの重ね合わせ波形を示すグラフ。 分離部での分離動作がある場合の2次元移動度センサによる用紙後端検知時を時間基準として表した移動度の観測データの重ね合わせ波形を示すグラフ。 図20の0.2〜0.3[s]の区間における移動度の自乗和(移動度4)を給紙動作毎に算出し、分離動作の有無別に表した時系列プロットのグラフ。 図19における移動度2の累積移動度を分離動作の有無別に表した時系列プロットのグラフ。 分離動作無しの場合の移動度のデータを抽出した上で新たな指標値である移動度比βを給紙動作毎に時系列プロットしたグラフ。 通紙枚数5k枚毎のデータ取得タイミングで得られた分離動作無しの場合の約40枚分の移動度データから算出した移動度比βの平均及び標準偏差の時系列プロットのグラフ。 図24の時系列プロットのデータを、平均と標準偏差の2次元プロットで表したグラフ。 2次元移動度センサを用いたシート供給用部材の劣化の判定を含む給紙装置の故障予測方法の手順の一例を示すフローチャート。 分離部前の用紙状態を判定する手順の一例を示すフローチャート。 分離部前の用紙状態を判定する手順の他の例を示すフローチャート。 分離部前の用紙状態を判定する手順の更に他の例を示すフローチャート。 2次元移動度センサの評価のために行った実験装置の概略を示す斜視図。 LED方式の2次元移動度センサの構造の一例を示す断面図。 LD方式の2次元移動度センサの構造の一例を示す断面図。 2次元移動度センサの撮像素子の撮像面と平行な1方向に速度入力を与えたときの出力波形を示すグラフ。 2次元移動度センサの出力の平均化に必要なデータ数を把握するために、平均移動度のデータ収束の速さを調べたグラフ。 種々の速度入力を与えたときの速度と2次元移動度センサの出力(=平均移動度)との関係を示すグラフ。 2次元移動度センサを0°配置状態から回転させて45°配置状態に移るまでのセンサ出力(=平均移動度)を角度θとの関係で表したグラフ。 2次元移動度センサの速度に対する感度(センサ感度)の角度θ依存性を示すグラフ。 2次元移動度センサの45°配置状態で微小な角度θの検出が可能かについて調べた結果を示すグラフ。 0°配置状態において2次元移動度センサの撮像素子によって捉えられた対象物の特徴の移動の様子の一例を示す説明図。 45°配置状態において2次元移動度センサの撮像素子によって捉えられた対象物の特徴の移動の様子の一例を示す説明図。 2次元移動度センサの深度特性を評価するために用いた実験装置の概略構成を示す斜視図。 観測点の線速を1[m/s]に設定して測定したLD方式の2次元移動度センサの深度特性の一例を示すグラフ。 観測点の線速を628[mm/s]に設定して測定したLED方式の2次元移動度センサの深度特性の一例を示すグラフ。 2次元移動度センサの下方に位置する給紙トレイの上昇・下降機構の一例を示す斜視図。 2次元移動度センサの姿勢変化やギャップ変動を抑えるセンサ支持機構の一例を示す斜視図。 図44の給紙トレイの上昇・下降機構と図45のセンサ支持機構とを備えた給紙トレイにおける用紙満載時の2次元移動度センサの姿勢を示す説明図。 用紙減少時の2次元移動度センサの姿勢を示す説明図。 用紙無し時の2次元移動度センサの姿勢を示す説明図。 給紙トレイ引き出し時の2次元移動度センサの姿勢を示す説明図。 給紙トレイの上昇・下降機構におけるガイドの構成例を示す側面図。 同ガイドの断面図。 分離コロの挙動を検出する手段の構成例を示す説明図。 図52に示した構成においてホールセンサの出力を観測したときの波形の一例を示すグラフ。 図52に示した構成においてホールセンサの出力を観測したときの波形の他の例を示すグラフ。 図53及び図54に示した二つのホールセンサの出力を分離コロの回転角に変換するときに用いる回転角度の象限の一例を示す説明図。 二つのホールセンサ237X,237Yの出力から分離コロの絶対的な回転位置である総回転角を求める手順の一例を示すフローチャート。 図53及び図54で得られた二つの二つのホールセンサの出力を分離コロの回転角データに変換した波形を示すグラフ。 時刻t=0[s]を基準とする分離コロの回転角(相対角)の観測波形のグラフ。 給紙装置の故障の予兆を抽出すべきデータ群を層別するため、分離条件別に観測データを層別した散布図。 分離パッド方式を採用した給紙装置に2次元移動度センサを適用した例を示す説明図。 コーナー爪分離方式を採用した給紙装置に2次元移動度センサを適用した例を示す説明図。 本発明を適用可能な画像形成装置の全体構成の一例を示す概略構成図。 本発明の実施形態に係る劣化検出装置の構成例を機能ブロック図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る劣化判定装置を備えたシート供給装置としての給紙装置の構成例を示す概略構成図である。なお、本実施形態では、供給対象のシートが画像形成可能な用紙(転写紙)であり、シート供給用部材がコロ(ローラ)である場合について説明するが、本発明は、シートの材質や用途などに限定されることなく適用することができる。また、本発明は、シート供給部材の種類に限定されることなく適用することができ、例えば、本発明は、シート供給部材がベルトである場合にも適用することができる。
図1において、本実施形態の給紙装置は、いわゆる分離コロ方式で用紙Pを供給するものであり、複数のシート供給用部材として、給紙コロ230と分離コロ235とピックアップコロ240とを備えている。各コロ230、235、240は、図示しない駆動手段によって所定の回転方向(図中矢印方向)に回転駆動することができる。
給紙コロ230は、自らの移動する表面を供給対象の用紙Pのおもて面Ps1に接触させて用紙Pを次工程に供給するように所定の搬送方向に搬送する供給搬送部材として機能する。
分離コロ235は、給紙コロ230に当接してニップNを形成しながら、そのニップNで給紙コロ230の表面移動方向とは逆方向に表面が移動する分離部材として機能する。つまり、分離コロ235は、ピックアップコロ240によって取り出されて送出された用紙Pから余分な用紙を分離する。
ピックアップコロ240は、シート収容部(用紙収容部)としての給紙トレイ201に収容されている供給対象の用紙Pの最上面に接触して、前記ニップNに向けて用紙Pを送出する送出部材として機能する。つまり、ピックアップコロ240は、給紙トレイ201の底板201’上に積載された複数の用紙から1枚以上の用紙を取り出し、給紙コロ230及び分離コロ235が互いに対向するニップNが位置する分離部へ向けて送出する。
ここで、分離コロ235は次のような特徴的な動作を示す。分離コロ235は、トルクリミッタを介して給紙コロ230とは逆方向に駆動されており、所定負荷以上では給紙コロ230と連れ回り状態にある。そして、ニップNに複数枚の用紙が進入したり、給紙コロ230や分離コロ235と用紙Pとの摩擦係数(μ)が低下したりして、分離コロ235の表面に作用する外力が所定負荷以下になると、分離コロ235の回転方向は逆転する。この分離コロ235の動作によって、複数枚の用紙がピックアップされた場合に、1枚の用紙だけを分離することができる。以上の分離コロ235の挙動は、回転角度検出手段としてのホールセンサによって検出することができる。なお、このホールセンサについては、図1では省略されているが、後で詳述する。
また、本実施形態の給紙装置は、前述のホールセンサのほか、2次元移動度センサ270と給紙センサ275と分離前センサ280と搬送センサ285とを備えている。
2次元移動度センサ270は、ピックアップコロ240近傍の用紙面に対向するように配設され、ピックアップコロ240や給紙コロ230等に接触して移動するシートの移動量を検出するシート移動量検出手段として機能する。また、2次元移動度センサ270は給紙トレイ201に積載されている用紙群の最上部にある供給対象のシートの上面に対向する検出位置と、給紙トレイ201から離間した待機位置との間で移動可能に構成されている。この2次元移動度センサ270を検出位置と待機位置との間で移動させる接離手段を設けてもよい。この接離手段は、例えば、バネなどの付勢手段、カム機構、そのカム機構を回転させるモータなどの駆動源等で構成することができる。付勢手段は、2次元移動度センサ270を給紙トレイ201から離間する向きに付勢し、カム機構は、自身が回転することにより、付勢手段の付勢力に抗して2次元移動度センサ270を所定のタイミングで給紙トレイ201側に押圧する。なお、後述の通紙実験では、2次元移動度センサ270の接離を手動で行うようにしたため、2次元移動度センサ270の姿勢が不安定になり、そのセンサの検出値が変動することがあった。また、後述の通紙実験では、2次元移動度センサ270として、発光部に半導体レーザを用いたLD(Laser Diode)方式のセンサを使用したが、この方式に限定されるものではない。2次元移動度センサ270の詳しい構成例などについては後述する。
給紙センサ275は、ニップNが位置する分離部に用紙移動方向下流側から隣接する位置に配設された第1のシート検知手段として機能し、例えばフォトインタラプタなどの光学式のセンサで構成される。給紙センサ275は、分離コロ235で分離された用紙の有無(不給紙か否か)及び用紙の搬送時間を検出することができる。
分離前センサ280は、給紙センサ275の用紙移動方向下流側であってピックアップコロ240と給紙コロ230との間に配設された第2のシート検知手段として機能し、例えばフォトインタラプタなどの光学式のセンサで構成される。分離前センサ280は、ニップNが位置する分離部へ搬送される用紙の有無や、分離コロ235によって供給対象の用紙からの分離された分離残シートしての分離残紙の有無を検出する。
前記ニップNが位置する分離部の用紙移動方向下流側には、図中A方向で示すように用紙を次工程へ向けて搬送するための搬送ローラ対が配設されている。この搬送ローラ対は、例えば図示のように駆動ローラからなる搬送ローラ245と、その搬送ローラ245にそれぞれ接触対向する2つの従動ローラからなる搬送ローラ250、255とを用いて構成され、分離部で分離された用紙の安定搬送を担う。
搬送センサ285は、上記搬送ローラ対がある用紙搬送経路の出口側、すなわち、搬送ローラ対245、255とが接触対向しているニップに用紙搬送方向下流側から隣接する位置に配設された第3のシート検知手段として機能する。搬送センサ285は、例えばフォトインタラプタなどの光学式のセンサで構成される。この搬送センサ285による用紙先端検知をトリガとして、給紙コロ230は、自身と分離コロ235とによる分離搬送のための回転から、用紙Pを介した搬送ローラ245に対する連れ回りの回転に切り替わる。
なお、図1の給紙装置において、全てのセンサが必要とされるわけではない。例えば、分離前センサ280とホールセンサとは、後述の通紙実験の目的で配設したものであり、通常の用紙供給動作の場合には設けなくてもよい。
図2は、本実施形態の給紙装置における用紙の分離メカニズムを説明するためのモデルの一例を示す説明図である。また、図3は、分離コロ235から用紙Pが受ける戻し力Tと分離コロ235の押圧力Pとの関係の一例を示すグラフである。なお、図2及び図3に記載されている各記号は、次のような力や摩擦係数を意味している。また、本明細書において「摩擦係数」は静止摩擦係数を意味する。
:給紙コロ230から用紙Pが受ける搬送力(=μr×P
:分離コロ235の押圧力
:分離コロ235から用紙Pが受ける戻し力
μp:用紙間の摩擦係数
μr:給紙コロ230と用紙Pとの間の摩擦係数
図2において、1枚目の用紙Pの給送条件と2枚目の用紙P’の分離条件とから、分離適正条件は用紙の自重を無視して、次の(1)式で表すことができる。
上記(1)式を満たす分離適正範囲を図で表すと、図3のようになる。但し、ここでは、給紙コロ230に着目しており、摩擦係数μrは給紙コロ230の劣化を含んでいる。従って、摩擦係数μrが低下すれば、不送り領域が設定条件Xに近づいて不送りしやすくなる。また、図3において、分離コロ235の劣化は、設定条件Xが左方向に移動することで表すことができる。その結果、設定条件Xは、重送領域に近づいて重送しやすくなる。設定条件Xがそれぞれの境界に近づくと各コロのスリップが大きくなる。例えば、設定条件Xが不送り境界に近づくと、給紙コロ230と用紙との間のスリップが大きくなり、設定条件Xが重送境界に近づくと、分離コロ235と用紙との間のスリップが大きくなり、やがて不送りや重送といった不具合につながる。
図4は、分離コロ方式における正常1枚送り状態の各コロの挙動を示す説明図である。ピックアップコロ240から送出された用紙Pは、給紙コロ230と分離コロ235とのニップNが位置する分離部へ搬送される。前述の図1の説明でも述べたように、給紙コロ230によって搬送される用紙から分離コロ235が受ける摩擦力は、分離コロ235を駆動するトルクリミッタの伝達トルクを上回るため、分離コロ235は連れ回り状態となり、1枚の用紙Pが次工程へ搬送される。
図5は、分離コロ方式における正常分離状態の各コロの挙動を示す説明図である。複数枚の用紙が分離部へ進入すると、分離コロ235がトルクリミッタの作用で逆回転して用紙を押し戻す。押し戻された下部の用紙P’は、そのままの状態で停止するか、最上部の用紙に引きずられて再び分離部へ進入し分離コロ235によって押し戻される。この動作を繰り返す結果、分離コロ235は微小な正逆回転を繰り返すことになり、分離部から1枚の用紙Pが分離されて次工程へ搬送される。
図6は、分離コロ方式におけるピックアップコロ240の摩擦係数μが低下した状態のコロ挙動を示す説明図である。用紙に対するピックアップコロ240の摩擦係数μが低下すると、ピックアップコロ240が対向しているピックアップ部で用紙Pのスリップが起こり、用紙Pの搬送速度が低下且つ不安定になる。
図7は、分離コロ方式における給紙コロ230または分離コロ235の摩擦係数μが低下した状態の各コロの挙動を示す説明図である。給紙コロ230または分離コロ235の摩擦係数μが低下すると、分離コロ235は逆転状態となるが、用紙の搬送状態は次の(1)又は(2)になる。
(1)給紙コロ側のμ低下状態では不送り。
(2)分離コロ側のμ低下状態あるいは逆転トルク低下状態では重送。
このように、分離コロ235の挙動は同一でも、原因によって現れる現象が異なる。
図8〜10はそれぞれ、給紙動作前後の分離部前(分離部の用紙搬送方向上流側におけるピックアップ部と分離部との間の位置)における用紙状態変化の一例を示す説明図である。ここで、不送りや重送の分離不良が無いとすると、用紙の状態は、次の4つの状態(状態1,2,3,4)に分類される(表1参照)。
状態1:ピックアップされた1枚の用紙がそのまま給紙された状態
状態2:1枚の分離残の用紙がそのまま給紙された状態
状態3:複数枚の用紙がピックアップされ、正常な分離動作によって最上部の1枚の用紙が給紙された状態
状態4:複数枚の分離残の用紙があり、最上部の1枚の用紙が給紙された状態
図8に示すように、給紙動作前の状態が状態1又は状態3の場合は、分離前の位置に分離残の用紙が存在しないので、分離前センサ280によって用紙は検知されない。この状態1又は状態3から給紙動作が実行されると、状態1(図8)又は状態2(図9)に変化する。
また、図9に示すように、給紙動作前の状態が状態2の場合は、分離前の位置に1枚の分離残の用紙が存在するので、分離前センサ280によって分離残の用紙が検知される。この状態2から給紙動作が実行されると、状態3(図8)又は状態4(図10)に変化する。
また、図10に示すように、給紙動作前の状態が状態4の場合は、分離前の位置に複数枚の分離残の用紙が存在するので、分離前センサ280によって分離残の用紙が検知される。この状態4から給紙動作が実行されると、状態3(図8)又は状態4(図10)に変化する。
次に、本実施形態の給紙装置を用いて行った通紙実験について説明する。
図11〜25はそれぞれ、通紙実験で取得した用紙の移動度の波形とその解析結果を示すグラフである。ここで、用紙の「移動度」とは、前述の2次元移動度センサ270で検出された用紙の単位時間当たりの移動量である。以下の通紙実験では、2次元移動度センサ270として用紙の画像を撮影する撮像装置を用いて所定の解像度(2400[pixel/inch])で撮影された画像を解析した。この解析結果に基づいて、上記用紙の「移動度」を、1ミリ秒当たりに移動した用紙の移動量に対応する画素数[pixel/ms]で表した。この移動度のデータ取得は、5k枚の通紙毎に45枚分行った。用紙サイズはA4であり、通紙方向は用紙の短手方向に通紙する短手送りのみである。また、1135k枚で給紙コロ230のスリップによる給紙ジャム(不送り)が発生し、その時点で通紙実験を終了した。なお、図11〜25における縦軸の移動度の数値が後述の図33等と異なるのは、図11〜25の移動度のデータを取得したときの2次元移動度センサ270の解像度が異なるためである。具体的には、2次元移動度センサ270の解像度が、図11〜25では2400[pixel/inch]であり、後述の図42では800[pixel/inch]であり、後述の図33等では400[pixel/inch]である。
図11〜14はそれぞれ、給紙センサ275による用紙先端検知を時間基準として表した移動度の重ね合わせ波形の一例を示すグラフである。ここで、データのサンプリング周期は1[ms]である。また、各図における移動度の波形と対応する給紙動作との関係は、次の(1)〜(3)のとおりである。
(1)約−0.1[s]の時点から給紙動作が開始され、約−0.03[s]の時点までは、ピックアップコロ240により用紙が単独搬送される。
(2)給紙センサ275が用紙先端を検知した用紙先端検知時から約0.02sだけ経過した時点で、分離部は加速して用紙搬送を速める。これは連続通紙時に紙間隔を小さくすることが目的であり、結果として、同じ線速度のまま生産性を高めることができる。(従って、加速部分は必ずあるとは限らない。)
(3)搬送センサ285が用紙先端を検知した用紙先端検知時から約70[ms]だけ経過した後に、分離部のコロ230、235は減速して停止する。この停止の後、分離部の給紙コロ230は、用紙を介した搬送ローラ245に対する連れ回り状態になる。その結果として、供給対象の用紙の後端が分離部を通過した後、分離された用紙が引きずられて分離部に進入しようとしても、搬送方向への駆動力が作用していないため、分離部への進入を阻止される。移動度の波形の終端は、用紙の後端が2次元移動度センサ270の検出範囲から抜けた時刻を表しており、上記給紙コロ230の連れ回り区間は用紙サイズ(搬送方向の長さ)に依存する。
表2は、図11〜14それぞれの移動度の重ね合わせ波形を測定したときの通紙枚数、給紙装置の状態、分離動作の有無及び給紙ジャム(不送り)の有無を示している。
図11は、運転開始時における移動度の観測データの波形(重ね合わせ波形)の例である。この場合、用紙挙動に現れる変動は極小さい。
図12は、給紙装置が故障状態になる前における移動度の観測データの波形(重ね合わせ波形)の例である。この場合、分離部における加速時に微小なスリップが発生し、用紙挙動に現れる変動は図11に比べると大きくなっている。
図13は、給紙装置が故障状態になった後における移動度の観測データの波形(重ね合わせ波形)の例である。この場合、分離部における加速時にスリップが発生し、用紙挙動に現れる変動は非常に大きくなっている。
図14は、通紙枚数が1135k枚になって給紙ジャムが発生したときの移動度の観測データの波形(重ね合わせ波形)の例である。この観測データは、給紙装置の状態の正常/故障の判定にのみ使用し、上記各コロの劣化を判定するときの指標値の算出には使用しない。つまり、給紙ジャムの発生によって、図13で示される1135k枚の取得データ群が故障状態にあると判断される。図12及び図13の場合と同様に、分離部の加速時にスリップが発生している。この結果から、図12及び図13の観測データに給紙装置の故障の予兆が現れていることが確認できる。図12及び図13の場合と図14の場合との違いは、タイムアウトで給紙ジャムとなるかどうかの違いだけである。
また、図11〜14の観測データの波形の比較から、次のことが確認できる。
・スリップが発生しているのは分離部における用紙の加速時であり、0〜0.1[s]の間に移動度の変化が現れている。
・スリップが発生すると、その後の用紙挙動に遅れが生じる。
そこで、0〜0.1[s]の区間で移動度を累積した累積移動度(以下、「移動度2」という。)の値を、給紙コロ230の状態を表す特徴量としてもよい。
図15〜17はそれぞれ、図13で表した移動度の重ね合わせ波形を、時間基準を変えて表したものである。表3は、図15〜17それぞれの移動度の重ね合わせ波形を測定したときの通紙枚数及び時間基準を示している。
後述するように、2次元移動度センサ270の姿勢変化などによって、移動度は必ずしも安定ではなく変動する。この移動度の変動が、給紙コロ230などの劣化(スリップ)や給紙装置の故障の予兆を捉える際にノイズとなり、予兆の検出感度を損なう。そこで、対策として、用紙の移動度の観測波形のなかで安定動作をしている部分の移動度を基準として対象部分を相対比較することによって、状態を判定する方法が考えられる。
分離部のみによって用紙が搬送される区間、すなわち用紙が分離部に到達してから搬送センサ285による用紙先端検出前までの区間では、分離コロ235による負荷が働いており、用紙の搬送速度が安定しているとはいえない。また、分離部の給紙コロ230が搬送ローラ245に連れ回りしている連れ回り区間は、移動度の観測波形に周期性な変動が現れ、また、用紙サイズが小さい場合では短いため、安定な移動度のデータを抽出することができない。そこで、分離部及び搬送ローラ245の両者によって用紙の搬送が行われている区間、その中でも用紙の減速開始前の区間が、移動度の観測データが最も安定している区間ということができる。しかしながら、前述の図13に示すように、移動度を抽出する時間基準が給紙センサ275による用紙先端検知時のままでは、スリップが発生したときに移動度の波形に遅れが生じ、正しい移動度を抽出可能な適切な安定区間を設定することができない。そこで、本実施形態では、異なるタイミングで波形を捉え直すことを考える。このときの時間基準としては、次の4種類(1)〜(4)を挙げることができる。
(1)搬送センサ285による用紙先端検知時
(2)給紙コロ230の連れ回り開始時
(3)2次元移動度センサ270による用紙後端検知時
(4)給紙センサ275による用紙後端検知時
図15〜17はそれぞれ、前述の図13の移動度の観測データの波形を、上記(1)〜(3)を時間基準にして表している。図15〜17中の破線で囲んだ「移動度3算出区間」が、移動度の波形が安定している安定区間を意味する。なお、上記(4)給紙センサ275による用紙後端検知時を時間基準にした場合の移動度の波形は、図17とほとんど同じになるので、省略する。
上記(1)又は(2)を時間基準にした場合は、時間基準が用紙先端位置に対応して決まり、用紙サイズの影響を受けない。このため、給紙装置が原稿サイズ混載の自動原稿供給装置(ADF)に対応することができる。
また、上記(3)又は(4)を時間基準にした場合は、用紙後端が分離部を抜けた後の動作を基準としているため、後述する分離残有無の判定用の波形データとしてそのまま利用できる。
図18は、用紙のピックアップによる用紙挙動を通紙枚数1135k枚で取得した移動度の観測データを、給紙開始時を時間基準として表したグラフである。
前述の図13及び15〜17では分離動作がない条件で移動度の観測データを抽出したが、図18の例では、給紙開始時点で分離残が無い条件で移動度の観測データを抽出した。その理由は、分離残の用紙がある場合、用紙先端は分離部の用紙搬送方向上流側の直前にあるため、給紙開始時の用紙挙動はピックアップではなく分離部に支配されてしまい、ピックアップ時の有効な用紙挙動を示す観測データが得られないためである。そこで、図18の観測データの結果から、ピックアップ時の用紙挙動を示す区間として、図18中の破線で囲んだ「移動度1算出区間」を利用できる。
図19は、用紙の分離動作がある場合の給紙センサ275による用紙先端検知時を時間基準として表した移動度の観測データの重ね合わせ波形を示すグラフである。図19において、通紙枚数は1135k枚であり、前述の図13と比較すると分離部の加速時の移動度に大きな変動が現れている。これは、加速時の負荷変動に対して分離コロ235が過渡的に反応することが原因である。この結果、図19中の破線で囲んだ「移動度2算出区間」(0〜0.1[s]の区間)の累積移動度(移動度2)は変動する。また、図19においては0.6[s]付近に比較的大きなピークが現れている。これは、給紙された用紙の後端が分離部を通過した直後に、分離残の用紙が引きずられて分離部に進入しようとして阻止されたときの挙動を表している。これは給紙後に分離残の用紙がある場合すなわち分離動作がある場合の特徴的な波形である。
図20は、分離部での分離動作がある場合の2次元移動度センサ270による用紙後端検知時を時間基準として表した移動度の観測データの重ね合わせ波形を示すグラフである。2次元移動度センサ270による用紙後端挙動を時間基準とすることで、用紙後端挙動をきっかけとして発生する現象のタイミングを揃えることができる。また、図20においては、前述の図17と比較すると、0.23〜0.25[s]付近に大きなピークが同タイミングで発生していることが確認できる。この場合は、図20中の破線で囲んだ「移動度4算出区間」(0.2〜0.3[s]の区間)の移動度を利用することができる。
なお、2次元移動度センサ270による用紙後端検知を時間基準とする以外に、給紙センサ275による用紙後端検知を時間基準としても同様に、用紙後端挙動をきっかけとして発生する現象のタイミングを揃えることができる。
図21は、図20の0.2〜0.3[s]の区間における移動度の自乗和(移動度4)を給紙動作毎に算出し、分離動作の有無別に表した時系列プロットのグラフである。図21において、分離動作無しの場合は、移動度の自乗和(移動度4)の値は小さく狭い範囲に集中している。一方、分離動作有りの場合は、移動度の自乗和(移動度4)は広い範囲に分布している。分離動作有りで移動度の自乗和(移動度4)の値が小さいものがあるため、分離動作の有無を完全に分離できるわけではないが、閾値を例えば0.3とすれば90%以上の分離動作有りデータを除くことができる。
図22は、前述の図19における移動度2の累積移動度を分離動作の有無別に表した時系列プロットのグラフである。図22において、通紙枚数が約100〜400k枚で、主に2次元移動度センサ270の姿勢変化に伴う移動度の変動が現れている。また、通紙枚数が約800〜1100k枚でも移動度の落ち込みが現れている。全体で見ると、分離動作有りの移動度のデータは値が小さくばらつきが大きいことが示されている。この図22の結果から、用紙やセンサの姿勢変化を吸収できる指標値を求める必要があること、及び、分離動作が無いときの移動度のデータを抽出する必要があること、が分かる。
図23は、分離動作無しの場合の移動度のデータを抽出した上で、次の(2)式で定義される新たな指標値である移動度比βを給紙動作毎に時系列プロットしたグラフである。
図23から、移動度比βの場合は、前述の図22に現れたような変動が抑えられていることが確認できる。
図24は、通紙枚数5k枚毎のデータ取得タイミングで得られた分離動作無しの場合の約40枚分の移動度データから算出した移動度比βの平均及び標準偏差の時系列プロットのグラフである。図24に示すように、故障発生直前で、移動度比βの平均及び標準偏差がともに大きく変化していることが確認でき、移動度比βが指標値として有効であるといえる。
図25は、図24の時系列プロットのデータを、平均と標準偏差の2次元プロットで表したグラフである。図25から、通紙枚数1125k枚以上のデータがそれ以前のデータから分離していることがわかる。この結果から、移動度比βの平均を用いる場合は、故障予測の閾値として例えば3.94を設定することができ、また、移動度比βの標準偏差を用いる場合は、故障予測の閾値として例えば0.1を設定することができる。つまり、故障(給紙ジャム)発生前のデータを閾値で分離できるので、故障予測が可能であることが示されたことになる。
次に、以上の通紙実験における解析結果に基づいて、本実施形態の給紙装置における給紙コロ230、分離コロ235、ピックアップコロ240などのシート供給用部材の劣化の判定や故障予測の方法、並びにその方法を実施可能な判定装置の構成例について説明する。
図26は、2次元移動度センサ270を用いたシート供給用部材の劣化の判定を含む給紙装置の故障予測方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図26において、「給紙回数n計数」(S101)は、本実施形態の給紙装置の給紙回数を計数するステップであり、移動度データ取得待ちの状態を意味する。もし、サンプリングによらず全給紙データを対象とする移動平均で状態監視する場合は、このステップは不要である。
「n=N?」(S102)は、本実施形態の給紙装置の給紙回数と所定の給紙回数間隔Nとを比較して、移動度データ取得時期に達したかどうかを判定するステップである。
「給紙実行」(S103)は、移動度データ取得を行う給紙動作を実行するステップである。
「移動度データ取得」(S104)は、2次元移動度センサ270による移動度データ取得を行うステップである。
「タイミングデータ取得」(S105)は、給紙スタート信号、2次元移動度センサ270の検知信号、給紙センサ275の検知信号、搬送センサ285の検知信号及び給紙コロ230の連れ回りスタート信号から、所定の時間データを取得するステップである。
「状態1?」(S106)は、図27〜29のフローチャートで示す手順により、前述の表1の状態1であるか否かを判定するステップである。
「状態2?」(S112)は、図27〜29のフローチャートで示す手順により、前述の表1の状態2であるか否かを判定するステップである。
「状態3?」(S116)は、図27〜29のフローチャートで示す手順により、前述の表1の状態3であるか否かを判定するステップである。
「移動度1算出」(S109,S117)は、移動度データの時間基準を変更して、ピックアップ動作時の累積移動度(移動度1)を算出するステップである。
「移動度2算出」(S108,S113)は、移動度データの時間基準を変更して、分離搬送時の累積移動度(移動度2)を算出するステップである。
「移動度3算出」(S109,S114,S118)は、移動度データの時間基準を変更して、安定搬送時の累積移動度(移動度3)を算出するステップである。
「移動度比α算出」(S112,S110,S119)は、移動度比α=(移動度1)/(移動度3)を算出するステップである。
「移動度比β算出」(S111,S115)は、移動度比β=(移動度2)/(移動度3)を算出するステップである。
「k=K?」(S120)は、移動度比αの取得データ数が所定の値に達したかどうか判定するステップである。ここで、状態2が発生するためには、状態3が発生することが必要条件であり、給紙毎の状態を時系列で表すと、次のようなパターンとなる。
(状態3)→{(状態4)→(状態4)→・・・・・→(状態4)}→(状態2)
つまり、状態2は必ず状態3の後に現れる。サンプリングによる移動度データ取得の場合、状態2から観測される場合もあり得るが、通紙実験の結果では、状態2の出現数mと状態3の出現数kとの関係は、k>mである。つまり、K=Mに設定すれば(通常はK=Mである)状態3の方が先に規定値に達する。従って、k→mの順に取得データ数のチェックを行うのである。もし、サンプリングによらず全給紙データを対象とする移動平均で状態監視する場合は、このS114のステップは不要であり、その時点からk,mだけ遡ったデータの平均を算出することになる。
「k>K?」(S121)は、移動度比αの取得データ数が所定の値を超えたかどうか判定するステップである。ここで、「k>K?」でN(否定)ならば、取得データ数がまだ不足なので、移動度データ取得のステップに戻る。一方、「k>K?」でY(肯定)ならば、取得データ数が所定の値を超えているので、移動比βの取得データ数の確認のステップに移る。
「αの平均算出」(S122)は、移動比αの平均を算出するステップである(必要ならば標準偏差も算出する。)
「α<A?」(S123)は、指標値としての移動度比αが閾値Aを下回ったかどうか判定するステップである。なお、指標値によっては故障状態に向かって増大する場合もあるので、不等号の向きは一律に決まるものではない。
「ピックアップコロ交換要求」(S124)は、前ステップS117で異常判定された場合に、ピックアップコロ240又はそれを含むユニットの交換を促す動作を実行するステップである。この動作としては、操作パネル上の表示や通信回線を経由した保守要員への報知などがある。
「m=M?」(S125)は、移動度比βの取得データ数が所定の値に達したかどうか判定するステップである。もし、サンプリングによらず全給紙データを対象とする移動平均で状態監視する場合は、このS119のステップは不要であり、その時点からk,mだけ遡ったデータの平均を算出することになる。(なお、通常はK=Mである。)
「βの平均算出」(S126)は、移動比βの平均を算出するステップである(必要ならば標準偏差も算出する。)
「β<B?」(S127)は、指標値βが閾値Aを下回ったかどうか判定するステップである。なお、指標値によっては故障状態に向かって増大する場合もあるので、不等号の向きは一律に決まるものではない。
「給紙コロ交換要求」(S128)は、前ステップS120で異常と判定された場合に、給紙コロ又はそれを含むユニットの交換を促す動作を実行するステップである。この動作としては、操作パネル上の表示や通信回線を経由した保守要員への報知などがある。
図27は、分離部前の用紙状態を判定する手順の一例を示すフローチャートである。図27のフローは、2次元移動度センサ270の検知結果に基づいて分離部前の用紙状態を判定する例である。図27のフローでは、給紙前と給紙後で同じ基本動作フローを実行することにより分離残有無を検出する。すなわち、予備給紙を1回行い次の給紙前の分離残有無を判定する。もちろん、給紙前の分離残有無検出は、後述の図29で示すように給紙センサ275の用紙先端検出時間(図29中の「t1<Tf?」で示すステップ)によって行ってもよい。
図27において、「給紙実行」(S201,S207,S215)は、移動度データ取得を行う給紙動作を実行するステップである。
「t1<T1?」(S202,S208,S216)は、給紙スタートから給紙センサ275が用紙先端を検出するまでの時間t1を所定の基準値T1と比較するステップである。
「スリップ判定」(S203,S209,S217)は、前ステップでNであった場合にピックアップ部または分離部でスリップがあったことを判定するステップである。このとき、本実施形態の給紙装置が組み込まれた画像形成装置は、給紙ジャムが発生したとして動作を停止する。
「移動度データ取得」(S204,S210,S218)は、2次元移動度センサ270による移動度データ取得を行うステップである。
「自乗和s算出」(S205,S211,S219)は、取得した移動度データの時間基準を変更して、用紙後端基準の移動度自乗和s(移動度4)を算出するステップである。
「s>S?」(S212,S220)は、移動度自乗和s(移動度4)を所定の基準値Sと比較するステップである。
「状態4判定」(S213)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態4であることを判定するステップである。
「状態2判定」(S214)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態2であることを判定するステップである。
「状態3判定」(S221)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態3であることを判定するステップである。
「状態1判定」(S222)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態1であることを判定するステップである。
以上のステップ(S201〜S222)により、移動度の取得データを分離動作有無と分離残有無とに層別することができる。
図28は、分離部前の用紙状態を判定する手順の他の例を示すフローチャートである。図28のフローは、分離前センサ280の検知結果に基づいて分離部前の用紙状態を判定する例である。
図28において、「スタート信号検出」(S301)は、用紙のピックアップ動作の基準となるスタート信号を検出するステップである。
「紙有り?」(S302,S304,S310)は、スタート信号検出時点の分離前センサ280の出力に基づいて用紙有無情報を得るステップである。この結果、状態1,3と状態2,4とが分離される。
「用紙先端検出」(S307)は、前ステップで紙無し状態を検出した場合に、分離前センサ280によって用紙先端を検出するステップである。このステップで、スタート信号から分離前センサ280による用紙先端検出までの所用時間t2を取得できる。また、用紙先端検出時刻を分離コロ回転数検出の基準(トリガ)とすることによって、状態1,3に対して、用紙のピックアップ開始から用紙の分離部進入までのばらつきが含まれることを回避でき、より安定なデータを得ることができる。
「t2<T2?」(S308)は、前ステップで取得した所要時間t2を予め設定した時間T2と比較することによって、ピックアップ時間の遅れ(即ち、ピックアップでのスリップ発生)を検出するステップである。なお、このステップは用紙状態判定とは異なり、ピックアップ部の劣化検出のためのステップである。
「スリップ判定」(S309)は、ピックアップ部のスリップを判定するステップである。
「用紙後端検出」(S303,S310)は、分離部で分離された用紙の後端が給紙センサ275(図1参照)の検知位置を通過したことを検出するステップである。この結果、分離部前における分離残の用紙の有無を検出することが可能になる。
「紙有り?」(S304,S311)は、分離動作終了後における分離残の用紙の有無を検出するステップである。
「状態4判定」(S305)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態4であることを判定するステップである。
「状態2判定」(S306)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態2であることを判定するステップである。
「状態3判定」(S312)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態3であることを判定するステップである。
「状態1判定」(S313)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態1であることを判定するステップである。
以上のステップ(S301〜S313)により、移動度の取得データを分離動作有無と分離残有無とに層別することができる。
図29は、分離部前の用紙状態を判定する手順の更に他の例を示すフローチャートである。図29のフローは、給紙センサ275の検知結果と分離コロの回転角とに基づいて分離部前の用紙状態を判定する例である。
図29において、「スタート信号検出」(S401)は、ピックアップ動作の基準となるスタート信号を検出するステップである。
「分離コロ挙動データ取得」(S402)は、分離コロ235の挙動データを取得するステップである。
「用紙先端検出」(S403)は、給紙センサ275によって用紙先端を検出するステップである。
「t1<T1?」(S404)は、給紙スタートから給紙センサ275が用紙先端を検出するまでの時間t1を所定の基準値T1と比較するステップである。
「スリップ判定」(S405)は、前ステップでNであった場合にピックアップ部または分離部でスリップがあったことを判定するステップである。このとき、本実施形態の給紙装置が組み込まれた画像形成装置は、給紙ジャムが発生したとして動作を停止する。
「t1<Tf?」(S406)は、給紙スタートから給紙センサ275が用紙先端を検出するまでの時間t1を所定の基準値Tfと比較するステップである。この比較結果に基づいて、分離残の用紙の有無が検出される。
「回転角ψ算出」(S407、S411)は、給紙センサ275が用紙先端を検出した後、所定時間の分離コロ回転角ψ(相対角度)を算出するステップである。
「ψ<Ψ?」(S408、S412)は、前ステップで算出した分離コロ回転角ψ(相対角度)を所定の基準値Ψと比較するステップである。
「状態4判定」(S409)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態4であることを判定するステップである。
「状態2判定」(S410)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態2であることを判定するステップである。
「状態3判定」(S413)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態3であることを判定するステップである。
「状態1判定」(S414)は、分離部での分離動作における用紙状態が状態1であることを判定するステップである。
以上のステップ(S401〜S414)により、移動度の取得データを分離動作有無と分離残有無とに層別することができる。
次に、本実施形態に係る給紙装置に設けた2次元移動度センサ270の評価について説明する。
図30は、2次元移動度センサ270の評価のために行った実験装置の概略を示す斜視図である。図30において、2次元移動度センサ270に一定の速度入力を与えるため、ドラム600に検出対象とする用紙を巻き付け、図中矢印方向に所定の回転速度(周速V)でドラム600を連続回転させる。そして、その用紙を巻き付けたドラム600の表面近傍に所定のギャップをもって2次元移動度センサ270を配設し、2次元移動度センサ270の出力を観測する。なお、本実験装置において、ドラム600の直径は100[mm]であり、回転速度20[rpm]〜200[rpm](周速換算で105[mm/s]〜1047[mm/s])の連続回転を与えることができる。以降、ドラム600の回転軸方向をx軸、鉛直方向(重力方向)をy軸とし、x軸を基準にy軸方向に回転する回転角度をθとして説明する。
図31及び図32はそれぞれ、本実施形態で使用可能な2次元移動度センサ270の構造の一例を示す断面図である。図31及び図32の2次元移動度センサ270は、何れもAvago Technologies社製のセンサである。現在、Avago Technologies社製の2次元移動度センサの速度検出方式としては、光源の種類によって二つの方式がある。
図31に示す2次元移動度センサ270の速度検出方式は、光源としてLED(発光ダイオード)141を用いた方式(以下「LED方式」という。)である。LED方式の2次元移動度センサ270では、LED2701から出射した波長λ=639[nm]の可視光Lが、検出対象900の表面に対して斜め方向から照射される。そして、検出対象900の表面の凹凸に対応して生じる陰影や画像そのものが画像パターンとして撮像素子2702で読み取られる。この撮像素子2702で読み取られた画像パターンと、その後に所定時間が経過した後に撮像素子2702で同様に読み取られた画像パターンとの差を計算することにより、上記所定時間の区間での2方向(例えば図中のx方向及びy方向)の移動度を出力する。
一方、図32に示す2次元移動度センサ270の速度検出方式は、LD(レーザダイオード)2703を用いた方式(以下「LD方式」という。)である。このLD方式の2次元移動度センサ270では、LD2703から出射した波長λ=832[nm]〜865[nm]のレーザ光Lが検出対象900の表面に対して斜め方向から照射される。そして、検出対象900の表面の凹凸に対応して生じる干渉パターンが画像パターンとして撮像素子2702で読み取られる。この撮像素子2702で読み取られた画像パターンと、その後に所定時間が経過した後に撮像素子2702で同様に読み取られた画像パターンとの差を計算することにより、上記所定時間の区間での2方向(例えば図中のx方向及びy方向)の移動度を出力する。LD方式では、LED方式と異なり、コヒーレント光であるレーザ光を使うことにより微細な凸凹であっても検出可能な干渉が生じるため、より広範な対象の移動度を検出することができる。
図33は、図30の実験装置において2次元移動度センサ270の撮像素子の撮像面と平行な1方向(図30のy方向)に速度入力を与えたときの出力波形の一例を示すグラフである。図33の例では、ドラム600を回転させることにより、速度入力として419[mm/s]を入力している。データのサンプリング周期は1[ms]である。ここで、2次元移動度センサ270の出力(移動度に対応する出力)は整数(離散値)である。例えばマウスとして移動度情報をコンピュータに与える場合は、この出力をそのまま用いることができるが、連続的に変化する用紙の速度に対応する特性値とするには、中間的な値を取ることができないため、不都合である。そこで、本実施形態では、2次元移動度センサ270の出力を平均化した上で連続量として扱うことを考えた。
図34は、2次元移動度センサ270の出力の平均化に必要なデータ数を把握するために、平均移動度のデータ収束の速さを調べたグラフである。図34は、1[s]間の1000点分のデータから算出した平均を基準として、平均算出区間を変化させたときの相対値を表し、複数の速度条件に対する結果を含んでいる。収束の判断基準として±1%以内を条件とすると、平均移動度は平均算出区間が20[ms]以上のときに条件を満足していることがわかる。つまり、サンプリング周期が1[ms]の場合、20[ms]間の20点分のデータを平均すれば、検出対象の速度と対応する安定した結果が得られることを意味しており、検出対象の速度にもよるが、移動度の連続観測がほぼ可能になったといえる。
図35は、図34で判明した平均算出条件(サンプリング周期=20[ms])に基づいて、種々の速度入力を与えたときの速度と2次元移動度センサ270の出力(=平均移動度)との関係を示すグラフである。図35の結果から、速度が−1[m/s]から1[m/s]までの範囲では、極めて直線性の高い入出力特性が得られていることがわかる。この結果は、2次元移動度センサ270の検知面に平行な互いに直交する二方向(x方向、y方向において同じ結果であった。
図36は、2次元移動度センサ270を0°配置状態から回転させて45°配置状態に移るまでのセンサ出力(=平均移動度)を角度θ(図30参照)との関係で表したグラフである。ここで、「0°配置状態」とは、図30において2次元移動度センサ270の短手方向がx軸方向と平行である(θ=0°)状態である。また、「45°配置状態」とは、図30において2次元移動度センサ270の短手方向がx軸方向を基準にしてy軸方向に45°だけ回転した(θ=45°)状態である。また、速度入力としては、ドラム600の周速(314[mm/s])の正弦成分がx方向のセンサ出力(図中の「◆」)に対応し、ドラム600の周速の余弦成分がy方向のセンサ出力(図中の「■」)に対応する。x方向及びy方向それぞれの平均移動度をX,Yで表すと、その合成移動度は、次の(3)式で表され、ドラム600の周速と一致する。
図36において特徴的な点は、Xが0〜6°の角度範囲で0か極小さいことである。一方、Yはほぼ飽和状態にあるから、0°配置状態では、角度θを検出することができないこと、すなわち角度θに対する感度がないことを意味している。そして、45°配置状態に相当するθ=45°近傍ではX及びYはともに角度θに対して変化があり、角度θを検出することができること、すなわち角度θに対する感度があることを示している。
図37は、2次元移動度センサ270の速度に対する感度(センサ感度)の角度θ依存性を示すグラフである。前述の図36では、平均移動度X及びYがそれぞれドラム600の周速Vの正弦及び余弦に対応することを述べた。そこで、図36で示した角度θに対するセンサ感度の有無を一元的に表すために、図37では、次の(4)式で示す値を指標値として、角度θとの関係を表している。
図37から、角度θが約4°までは全くセンサ感度がなく、角度θが5〜8°の範囲で急激にセンサ感度が現れるが、そのセンサ感度は角度θが25°くらいまでは安定しないことがわかる。この安定しない理由については後述するが、x方向及びy方向それぞれに対するセンサ感度が同等でないことによる。
図38は、2次元移動度センサ270の45°配置状態で微小な角度θの検出が可能かについて調べた結果を示すグラフである。図38では、指標値として次の(5)式から算出した値Aを用い、複数の速度条件(◆:105[mm/s],■:314[mm/s],▲:628[mm/s])での角度θとの対応を示した。
ここで、x方向及びy方向それぞれに対する平均移動度であるXとYとの差をとるのは、Xの変化及びYの変化の両方を取り込み、結果として検出感度を上げるためである。また、合成移動度で除するのは、速度の影響を排するため(規格化)であり、この結果、角度(スキュー)情報と速度情報とを分離することができる。
図38の結果から、角度が0°近傍では角度を10[min]刻みで変化させており、Aの差を認めることができるので、10[min]以下の角度(スキュー)の分解能があることがわかる。
次に、これまで示してきた0°配置状態と45°配置状態との間で、2次元移動度センサ270の出力に現れる収束速度や感度などの効果の違いを説明する。なお、ここでは、便宜上、2次元移動度センサ270の撮像素子2702の画素が16×16の画素(ピクセル)の場合について説明する。
図39及び図40はそれぞれ、0°配置状態及び45°配置状態において2次元移動度センサ270の撮像素子2702によって捉えられた対象物の特徴901の移動の様子を示す説明図である。ここで、図39の撮像素子2702の対象物表面の移動方向(図中上下方向)における画素のピッチはδであり、図40の撮像素子2702の対象物表面の移動方向(図中上下方向)における画素のピッチは2δである。
〔収束速度の向上〕
あるフレームで撮像素子2702の下端に捉えられた対象物の特徴(丸印)901が、次のフレームで上端に移動する場合を考える。
図39の0°配置状態でスキューが検出されるとき、破線丸902の隣の画素で移動後の特徴901’が検出される場合が最小であるから、スキュー角度θ1は、tanθ1=1/15で与えられる。
一方、図40の45°配置状態では、同じ移動度に対して隣接する画素は0°設置状態の場合よりも近く、スキュー角度θ2は、tanθ2=1/21となる。すなわちθ1>θ2であり、見かけ上、スキュー(水平)方向の分解能が高くなる。
2方向における平均移動度の値は、検出された対象物の特徴901が、ある画素とそれに隣接する画素とに捉えられる頻度のバランスによって決定されるので、平均算出区間を十分に大きくとれば、設置条件の差は無い。この場合の45°設置状態の効果は、より短い平均算出区間でデータが収束するということである。
〔2方向の移動度検出値がバランスすることに伴う感度向上〕
(1)2次元移動度センサ270は、わずか30×30ピクセルの撮像素子で1[m/s]超まで変化する速度を連続して検出するために、フレームレートを変化させることで対応する。すなわち、次の対応関係(ア)及び(イ)に示すように、あるフレームで検出された特徴が、次のフレームでも視野の中にあり且つその特徴の移動が捉えられるように、2次元移動度センサ270は適合するフレームレートを使い分ける。
(ア)速度(移動度)が大きい→フレームレート大
(イ)速度(移動度)が小さい→フレームレート小
(2)一方、スキュー状態は、用紙の送り方向の速度に対してスキュー方向の速度が極端に小さい。例えば、スキュー角度1°のときのスキュー方向の速度は、用紙の送り方向のわずか1.7%である。このとき、2次元移動度センサ270は、速度が大きい方に意味があるから、用紙の送り方向の速度を検出するために、短いフレームレートを設定する。
(3)その結果、スキュー方向の微小速度は検出できなくなる。x方向のセンサ機能がなくなる。フレームレートを固定したとしても、極端に大きさの異なる2方向の速度を同時に検出できるフレームレートは、30×30の画素(ピクセル)という読取条件の下では設定できない。
(4)そこで、x,y両方向の検出値が同等となる45°に2次元移動度センサ270を傾ければ、x,y両方向の速度成分も検出できるフレームレートが設定され、微小な速度成分差(=スキュー)も検出可能になる。
以上が、2次元移動度センサ270を45°設置状態にすることで、2次元移動度センサ270の微小な角度変化が検出可能になる理由である。
なお、画像形成装置では、給紙部の次工程であるレジスト部などで用紙のスキュー補正を行うのが一般的であるので、給紙段階で微小なスキューを検出できることはそれほど重要ではない。給紙部では、用紙と規制部材(サイドガイド)との間にある程度の隙間が必要であるため、必然的に多少のスキューが発生する。また、短い搬送距離の間に複数のコロやローラに搬送される結果、それぞれによって生じるスキューによって蛇行が発生するおそれがある。よって、本実施形態の給紙装置において2次元移動度センサ270を使用する効果は、これらのスキュー(蛇行)やセンサ取付誤差を吸収して用紙搬送速度を無調整で確実に検出できることと、その観測波形から複数の対象(コロ)の挙動を検出できることである。
次に、2次元移動度センサ270の深度特性について説明する。
図41は、2次元移動度センサ270の深度特性を評価するために用いた実験装置の概略構成を示す斜視図である。図41において、円板601に用紙を貼付し、その円板601の中心からR(=80mm)だけ離れた観測点で、2次元移動度センサ270をギャップZで配設する。そして、円板601を観測点の周速が所定速度Vになるようにで回転させ、上記ギャップZを変化させてセンサ出力を得る。このとき、センサ出力の安定範囲から深度余裕を求めることができる。これは、前述の図30で示す評価装置及びその方法によって深度特性を求めると大きな深度依存性が表れることが分かったため、深度特性の評価方法を変更したものである。この事実から、取得データは2次元移動度センサ270(あるいは用紙)の姿勢変動の影響を受けやすいことが分かった。これは、図41の評価装置に対して、図30の評価装置では、対象物の表面が曲面である(曲率がある)ために、2次元移動度センサ270の視野の中で対象物の表面の傾きが深度によって変化すると考えることができる。
図42及び図43はそれぞれ、図41の評価装置で評価した2次元移動度センサ270の深度特性の一例を示すグラフである。ここで、センサ出力(移動度)が安定(=移動度の標準偏差が安定)な範囲を深度余裕度と考えた。
図42は、観測点の線速を1[m/s]に設定して測定したLD方式の2次元移動度センサ270の深度特性である。このLD方式の2次元移動度センサ270の深度余裕度は1.9[mm]である。
図43は、観測点の線速を628[mm/s]に設定して測定したLED方式の2次元移動度センサ270の深度特性である。このLED方式の2次元移動度センサ270の深度余裕度は0.7[mm]である。
なお、上記深度特性は、2次元移動度センサ270に用いられるレンズの特性の影響を大きく受けるので、上記図42及び図43で得られた深度特性及び深度余裕度はそれぞれあくまでも一例として示したものである。
一般に、通紙搬送路における用紙とセンサとのギャップ(隙間)は、最小でも1[mm]程度必要であるとされるので、LED方式の2次元移動度センサ270では余裕度は不足しており、LD方式の2次元移動度センサ270でも十分とはいえない。その上、用紙のカールがあると検出が更に困難になる。また、LED方式の2次元移動度センサ270では移動度が深度に依存して変化しており、この2次元移動度センサ270をそのまま搭載する場合、深度を安定に維持することが重要になる。
以上の結果から、用紙の姿勢が変動する通紙搬送路中への2次元移動度センサ270の配置は非常に困難であり、用紙と2次元移動度センサ270とのギャップを安定に維持する構成が要求される。
図44は、2次元移動度センサ270の下方に位置する給紙トレイ201の上昇・下降機構の一例を示す斜視図である。図44において、給紙トレイ201の奥側にある上昇モータ203の回転により、その上昇モータ203の軸先端部のカップリング203’が底板上昇アーム軸204上のピン205と噛み合い、底板上昇アーム206が回転する。これにより、底板201’が上昇する。上昇モータ203のカップリング203’と底板上昇アーム軸204上のピン205との噛み合いは、給紙トレイ201を引き抜くと解除され、底板201’は自重で落下する。また、上昇モータ203の回転角によって用紙の残量検知を行っている。この結果、最上位の用紙位置が所定の範囲内に収まるように制御される。
なお、分離部の方式が分離パッド方式やコーナー爪方式の場合には、最上位の用紙位置は用紙が給紙コロ230に当接することによって決まるため、モータによる位置制御はなく、バネによる加圧を行っている。
図45は、2次元移動度センサ270の姿勢変化やギャップ変動を抑えるセンサ支持機構の一例を示す斜視図である。図45において、2次元移動度センサ270を直接配設するガイド210は、用紙Pの表面に所定のギャップをもって接触し、ガイド210を揺動支持するアーム211と合わせると、中折れ構造となっている。2次元移動度センサ270は、ガイド210の中央部に形成されている検出窓210bを通して、給紙トレイ201上の用紙Pを検出することができる。ガイド210にはアーム211のストッパ受け部211aと嵌合して待避時の倒れ込みを防止するストッパ210aが設けられている。アーム211は、給紙装置本体側のフレーム212に配設された支持板213に揺動自在に支持され、シャフト214、プーリ215及びタイミングベルト216を介して従動レバー217に連結されている。駆動レバー218は、図示しない付勢手段(バネ)によって図中下方に付勢されている。駆動レバー218の揺動中心は、図44の底板上昇アーム206及び上昇モータ203の回転中心と同一である。給紙トレイ201が未挿入の状態では、駆動レバー218は従動レバー217を図中下方に付勢し、アーム211は2次元移動度センサ270を待避位置へ上昇させる。給紙トレイ201が挿入されると、底板上昇アーム206の動きに応じて駆動レバー218は図中反時計方向に回転し、従動レバー217はフリーとなる。その結果、2次元移動度センサ270は自重で用紙Pの表面に接触し姿勢が維持される。
図46は、図44の給紙トレイの上昇・下降機構と図45のセンサ支持機構とを備えた給紙トレイ201における用紙満載時の2次元移動度センサ270の姿勢を示す説明図である。図44に示すように、用紙Pを昇降させる底板201’は1点を揺動中心とする構造であり、用紙満載時には底板201’の傾斜角は小さい。このとき、アーム211とガイド210が中折れ構造となるため、2次元移動度センサ270は用紙面に沿って一定のギャップを維持する。底板201’の昇降制御は連続的に行われるわけではなく、ある範囲で用紙面高さは変動する。その場合も、ガイド210は用紙面に追従することが可能である。
図47は、用紙減少時の2次元移動度センサ270の姿勢を示す説明図である。図47に示すように、用紙減少時には底板201’の傾斜角は大きくなるが、このときもガイド210は用紙面に追従し、2次元移動度センサ270は用紙面に沿って一定のギャップを維持する。
図48は、用紙無し時の2次元移動度センサ270の姿勢を示す説明図である。図48に示すように、用紙無し時には底板201’の傾斜角は最大となるが、このときもガイド210は用紙面に追従し、2次元移動度センサ270は用紙面に沿って一定のギャップを維持する。更に、底板201’のガイド210に対向する部分に開口201’aを設けると、2次元移動度センサ270はその深度領域内に物体を検出しなくなる。この状態は、2次元移動度センサ270の撮像素子の出力(ダンプ出力)やセンサが備える特定アドレスのレジスタ値を読み出す(Avago Technologies社製のセンサの場合、SQUAL Valueなど)ことで検出することが可能である。従って、2次元移動度センサ270は用紙無しセンサの機能を兼ねることができる。
なお、分離コロ方式による大量給紙装置では、1点を揺動中心とする底板201’ではなく、水平状態を維持したまま昇降動作する給紙テーブルが採用されている。この場合、用紙面の傾斜角が変化することはないが、用紙面高さが変動するので、やはり、上記支持機構は有効である。
図49は、給紙トレイ引き出し時の2次元移動度センサ270の姿勢を示す説明図である。図49に示すように、給紙トレイ引出時には、前述の図45の駆動レバー218が従動レバー217を下方に押し下げ、ガイド210は上方に移動する。その際、ガイド210上のストッパ210aとアーム211上のストッパ受け部211aとの嵌合により、2次元移動度センサ270の倒れ込みが阻止される。その結果、ガイド210は給紙トレイ201に対し隙間をもって待避することになり、給紙トレイ201は難なく出し入れが可能になる。
図50及び図51はそれぞれ、ガイド210の用紙面との接触面積を小さくして貼り付きによる給紙負荷増を回避することができるガイド210の構成例を示す側面図及び断面図である。
図50の構成例では、ガイド210の用紙Pに対向する側の表面210sに、給紙方向と平行なリブ210cが配設されている。
図51の構成例では、給紙方向に転動する複数(望ましくは3箇所以上)のコロ(または拍車)210dを、その外周面の一部がガイド210の用紙Pに対向する側の表面210sから突出するように配設されている。
次に、分離コロ235の挙動を検出する検出方法及びその構成について説明する。
図52は、分離コロ235の挙動を検出する手段の構成例を示す説明図である。図52において、分離コロ235の同軸上に径方向に着磁された円形の磁石236が、分離コロ235と一体的に構成されている。その磁石236の円周上の回転角度が90°だけずれた位置Px,Pyにそれぞれ対向するように、二つの磁気検出手段としてのホールセンサ237X,237Yが非接触に、且つ90°の回転位相差をもって配設されている。
図53及び図54はそれぞれ、図52に示した構成においてホールセンサ237X,237Yの出力を観測したときの波形の一例を示すグラフである。この図53及び図54の波形は、通紙実験の開始時(通信枚数=0k枚)の観測波形であり、45枚の用紙を通紙したときの観測波形を重ね合わせたものである。時刻tの基準は給紙センサ275による用紙先端検知タイミングである。なお、ホールセンサ237X,237Yは90°の回転位相差をもって配設されているので、磁石236を有する分離コロ235が定常回転時の各ホールセンサ237X,237Yの出力は、一方を正弦とすれば他方は余弦の関係になる。
図55は、図53及び図54に示した二つのホールセンサ237X,237Yの出力を分離コロ235の回転角に変換するときに用いる回転角度の象限の一例を示す説明図である。二つのホールセンサ237X,237Yの出力の比から、正接を求めることができる。そして、逆正接を計算すれば、分離コロ235の回転角度が得られるのであるが、正接は回転角度が±90°では∞となるため、回転角度の象限によって計算式を換える必要がある。
表4は、回転角度の象限と計算式と角度の初期値との関係の一例を示している。この例では、正接が±1以内となるように不連続となる90°の手前の45°で、逆正接を求める計算式を逆数に切り換える。
図56は、二つのホールセンサ237X,237Yの出力から分離コロ235の絶対的な回転位置である総回転角を求める手順の一例を示すフローチャートである。
図56において、「オフセット調整」(S501)は、ホールセンサ237X,237Yの個別事情によって生じる出力の偏りを調整するステップである。例えば、波形のピークトゥピークの値の1/2を観測値から差し引く。
「象限判定」(S502)は、正接が±90°で不連続となるので、逆正接が計算不能となることを回避するために、正接の逆数から算出するか判定を行うステップである。
「除算実行」(S503)は、二つのホールセンサ237X,237Yの出力の比によって正接(またはその逆数)を求めるステップである。
「逆正接算出」(S504)は、回転角を求めるステップである。ここで象限を決定する。
「不連続調整」(S505)は、象限の決定と1回転以上である場合の回転角の調整とを行うステップである。
「総回転角算出」(S506)は、時間t=0〜0.6[s]における角度変化(相対角)を求めるステップである。
図57は、図53及び図54で得られた二つの二つのホールセンサ237X,237Yの出力を、図56で示す処理フローに基づいて分離コロ235の回転角データに変換した波形を示すグラフである。角度は絶対角で得られ、初期位相(ここでは、時刻t=−0.2[s]における角度のことである)が−180°〜+180°となるように設定されている。
図58は、前述の通紙実験において時刻t=0[s]を基準とする分離コロ235の回転角(相対角)の観測波形のグラフである。ここで、通紙実験に使用した給紙装置の給紙コロ230の挙動は、次のとおりである。
・t=0.02〜0.25s:倍速での分離搬送
・t=0.3〜0.62s:連れ回り(下流側の搬送ローラ対による用紙搬送)
図58の観測波形では、互いに傾きの異なる二つの直線的変化が確認できる。また、分離コロ235が分離動作を行いほぼ静止している場合、観測波形は角度0°近傍でほとんど変化しない。
図59は、給紙装置の故障の予兆を抽出すべきデータ群を層別するため、分離条件別に観測データを層別した散布図である。図59において、「HH」(◆)、「LH」(▲)、「HL」(●)及び「LL」(×)はそれぞれ、給紙前後の分離前センサ280の出力を表す。分離前センサ280の出力は、用紙検知時にH(高い値)からL(低い値)に変化するので、給紙前後の分離残の用紙の有無を意味する。結果として、「HH」は「状態1」を、「LH」は「状態2」を、「HL」は「状態3」を、「LL」は「状態4」を表す(表1及び図8〜図10参照)。
図59の横軸は分離コロ235の総回転角(t=0〜0.6[s]間の回転角を、便宜上、「総回転角」と称する)を表し、分離動作の有無と対応している。縦軸は、給紙動作開始から給紙センサ275による用紙検出までの所要時間を表し、分離部の手前における分離残の用紙の有無と対応している。図59からわかるように、給紙センサ検出時間によるデータ分離に比較して、明らかに分離コロ235の回転角によるデータ分離が良い。これは図58の観測波形の違いから明らかである。給紙センサ検出時間によるデータ分離が良くないのは、次の2点が原因である。
・給紙開始のタイミングのばらつき(コロ駆動系におけるソレノイドの応答ばらつき)
・分離残の用紙の先端位置のばらつき(途中で用紙が止まってしまう)
以上の実施形態では、給紙装置の分離部の方式として分離コロ方式を採用した場合について説明したが、本発明は、分離部の方式として分離パッド方式やコーナー爪分離方式などの他の方式を採用した場合にも同様に適用することができる。
図60は、分離パッド方式を採用した給紙装置に2次元移動度センサ270を適用した例を示す説明図である。分離パッド方式は、給紙コロ230と用紙Pとの間及び用紙Pと分離パッド290との間それぞれにおける摩擦力の大小関係を規定することによって1枚の用紙を分離するものであり、ピックアップコロは使用しない。用紙移動方向下流側の搬送ローラ対245、255は通常のローラ対であり、分離コロ方式の分離部に比べて搬送上の障害になりにくい。また、レイアウト上、給紙コロ230の径が大きくなるため、給紙コロ230と搬送ローラ245と間の距離は分離コロ分離方式のそれよりも大きい。つまり、給紙コロ230でスキューが発生した場合、その状態を保持しながら用紙Pを搬送する距離が大きいため、スキュー情報やスリップ情報を安定的に取得できる。また通常、給紙コロ230と搬送ローラ245との間には不送りを検出するセンサ(フォトインタラプタ)が配設されているので、その機能を2次元移動度センサ270で置き換えることができ、フォトインタラプタが不要になる。
図61は、コーナー爪分離方式を採用した給紙装置に2次元移動度センサ270を適用した例を示す説明図である。コーナー爪分離方式は、給紙トレイ201に積載された用紙Pの角部に阻止部材としてのコーナー爪295を設け、給紙コロ230によって撓んだ用紙Pがコーナー爪295を乗り越えるときの剛性によって最上部の1枚を分離するものである。コーナー爪分離方式においても、分離パッド方式と同様にピックアップコロ(ピックアップローラ)は使用しない。その他については、分離パッド方式と同様である。
次に、本実施形態の給紙装置を備えた画像形成装置について説明する。
図62は、本発明を適用可能な画像形成装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。本実施形態の画像形成装置は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を用いた2成分現像方式を採用したタンデム型フルカラー電子写真方式の複写機の構成例である。
図62において、画像形成装置500は、装置本体100と、装置本体100が載置されたシート供給装置としての給紙装置である給紙ユニット200とを備えている。給紙ユニット200としては、前述の実施形態に係る各種の給紙ユニット200のいずれかを設けることができる。
更に、画像形成装置500は、装置本体100上に取り付けられた原稿読み取り手段としてのスキャナ300と、スキャナ300の上部に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。装置本体100の上部には、ユーザが操作可能な図示しない表示操作部が設けられている。この表示操作部は、例えば画像形成動作などの各種動作の開始を指示するためのスタートボタンや、テンキー、タッチパネルなどを有する。タッチパネルは、例えば液晶ディスプレイなどで構成され、各種情報や通知情報などを表示可能な表示機能のほか、ユーザが指を接触させて操作可能なタッチセンサ機能とを有する。
本実施形態の画像形成装置500は、例えば、スキャナ300から読み取った画像情報である画像データに基づいて、記録媒体であるシートとしての用紙(転写紙)P上に画像形成を行う。また、画像形成装置500は、パソコン等の外部機器からの印刷データを受け取り、その印刷データ基づいて用紙(転写紙)P上に画像形成を行うこともできる。装置本体100には、図に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色用の4個の像担持体としての感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。
また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの周りには、それぞれ、帯電手段としての帯電器2Y,2M,2C,2K、各色対応の現像手段としての現像装置9Y,9M,9C,9K、クリーニングブレード110を有する像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置4Y,4M,4C,4K、像担持体除電手段としての除電ランプ3Y,3M,3C,3K等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。そして、各感光体ドラム1の上方には、光書き込み手段(露光手段)としての光書込装置17が設けられている。また、各感光体ドラム1の中間転写ベルト5を介して対向する位置には、それぞれ1次転写手段である1次転写ローラが配置されている。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色用の4個の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)はそれぞれ、感光体ドラムと帯電器と現像装置と感光体クリーニング装置と除電ランプとを有するように構成される。これらの画像形成ユニット、光書込装置17、1次転写ローラ、後述の中間転写ベルト5、定着装置18等により、用紙Pに画像を形成する画像形成手段が構成される。
中間転写ベルト5は、支持ローラ11,12,13及びテンションローラ14に架け渡されており、不図示の駆動源により回転駆動される駆動ローラである支持ローラ12の回転により回転駆動される。ここで、支持ローラ13の中間転写ベルト5を介して対向する位置には、ベルトクリーニング装置19が設けられており、2次転写後に中間転写ベルト5上に残留する残トナーを除去する。また、支持ローラ11は、2次転写手段である2次転写ローラ7に対向する2次転写対向ローラであり、中間転写ベルト5を介して2次転写ローラ7との間に2次転写ニップ部を形成する。この2次転写ニップ部の用紙搬送方向下流側には、支持ローラ対16に架張された用紙搬送ベルト15が設けられている。この用紙搬送ベルト15により、トナー像が2次転写された用紙Pが、定着手段としての定着装置18まで搬送される。定着装置18は、加熱ローラと加圧ローラとから構成された定着ローラ対8を備えており、その定着ニップ部で熱及び圧力を加えて、未定着のトナー像を用紙P上に定着する。
上記構成の画像形成装置500では例えば次のようにコピー動作(画像形成動作)が行われる。本実施形態に係る画像形成装置500でフルカラー画像を形成する場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台401に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じて押さえる。その後、ユーザがスタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス301上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体302および第2走行体303が走行を開始する。これにより、第1走行体302からの光がコンタクトガラス301上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体303のミラーで反射されて、結像レンズ304を通じて読取センサ305に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
また、ユーザによりスタートスイッチが押されると、モータ(不図示)が駆動し、駆動ローラである支持ローラ12が回転駆動して中間転写ベルト5が回転駆動する。また、これと同時に、感光体駆動装置(不図示)により、感光体ドラム1Yを図中矢印の方向に回転駆動しながら帯電器2Yで一様帯電する。その後、光書込装置17からの光ビームLyを照射して感光体ドラム1Y上にY静電潜像を形成する。このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
このように現像されて形成されたYトナー像は、感光体ドラム1Yの回転に伴い、感光体ドラム1Yと中間転写ベルト5とが接触する1次転写位置に搬送される。この1次転写位置において、中間転写ベルト5の裏面には、1次転写ローラ6Yにより所定のバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム1Y上のYトナー像を中間転写ベルト5側に引き寄せ、中間転写ベルト5上に1次転写する。以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Kトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。また、2次転写後の中間転写ベルト5上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置19により除去される。
また、ユーザによりスタートボタンが押されると、ユーザが選択した用紙に応じた用紙収容部としての給紙トレイ201又は給紙カセット202のピックアップコロ240が回転する。これにより、給紙トレイ201又は給紙カセット202から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、給紙コロ230と分離コロ235とが対向する分離部で1枚に分離されて給紙路295に入り、搬送ローラ245、250、255により装置本体100内の給紙路101まで搬送される。このようにして搬送された用紙Pは、レジストローラ102に突き当たったところで止められる。また、給紙トレイ201又は給紙カセット202にセットされていない用紙を使用する場合、手差しトレイ105にセットされた用紙Pを給紙コロ104により送り出し、分離コロ108で1枚に分離した後、手差し給紙路103を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ102に突き当たったところで止められる。
中間転写ベルト5上に4色重なった合成トナー像は、中間転写ベルト5の回転にともない、2次転写ローラ7と対向する2次転写位置に搬送される。また、レジストローラ102は、上記のようにして中間転写ベルト5上に形成された合成トナー像が2次転写位置に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始し、用紙Pを2次転写位置に搬送する。そして、この2次転写位置において、2次転写ローラ7により用紙Pの裏面に所定のバイアス電圧が印加される。そのバイアス印加により発生した2次転写電界及び2次転写位置での当接圧により、中間転写ベルト5上の合成トナー像が用紙P上に一括して2次転写される。その後、合成トナー像が2次転写された用紙Pは、用紙搬送ベルト15により定着装置18に搬送されて、定着装置18に設けられた定着ローラ対8により定着処理が行われる。そして、定着処理が行われた用紙Pは、排紙ローラ対106により、装置外に設けられた排紙トレイ107上に排出されてスタックされる。
図63は、本発明の実施形態に係る劣化検出装置800の構成例を機能ブロック図である。劣化検出装置800は、例えばCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェース部などのハードウェアで構成され、所定のプログラムが読み込まれて実行されることにより、前述の各種処理や制御を行うことができる。また、劣化検出装置800の一部又は全体は、所定の機能を実現できるように構成されたデバイスや電子部品で構成してもよい。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やプログラマブルロジックデバイスやFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の電子回路素子で構成してもよい。また、劣化検出装置800は、給紙装置内に制御部が設けられている場合は、その制御部に組み込むようにしてもよい。また、劣化検出装置800は、前述の画像形成装置500の装置本体100に制御部が設けられている場合は、その制御部に組み込むようにしてもよい。
図63において、劣化検出装置800は、本発明に係る基本的な機能を実現する要素として、算出部810と判定部820と故障予測部830とを備える。
算出部810は、2次元移動度センサ270の検出結果に基づいて、互いに検出時間帯が重複しない複数の区間それぞれで検出された単位時間あたりのシートの移動量である移動度の比を算出する。ここで、複数の区間としては、前述の「移動度1算出区間」、「移動度2算出区間」、「移動度3算出区間」、「移動度4算出区間」等が挙げられる。また、その区間の移動としては、前述の「移動度1」、「移動度2」、「移動度3」、「移動度4」、「累積移動度2」、「累積移動度3」、等が挙げられる。また、移動度の比としては、前述の「移動度比α=(移動度1)/(移動度3)」、「移動度比β=(移動度2)/(移動度3)」などが挙げられる。
判定部820は、算出部810で算出された移動量の比の算出値と、基準値との比較結果に基づいて、給紙コロ230や分離コロ235などのシート供給用部材の劣化を判定する。ここで、基準値としては、前述の閾値Aや閾値Bなどが挙げられる。
故障予測部830は、判定部820の判定結果に基づいて、給紙コロ230や分離コロ235などのシート供給用部材の故障の予兆があった場合に、そのシート供給用部材の故障を予測する。また、故障予測部830は、故障が予測された場合、その予測結果を通知する。例えば、この予測結果は、前述の画像形成装置500に設けられた表示操作部700に表示することにより、ユーザやメンテナンスを行うオペレータなどに通知することができる。また、上記予測結果は、通信回線を介して他のコンピュータなどの外部装置に送信することにより、ユーザやメンテナンスを行うオペレータなどに通知してもよい。なお、図63の例では、故障予測部830を設けているが、故障予測部830を設けずに、判定部820の判定結果を通知するようにユーザやメンテナンスを行うオペレータなどに通知するようにしてもよい。
なお、上記各実施形態では、本発明を給紙トレイ201上の用紙を供給する給紙装置に適用した場合について説明したが、本発明は、給紙カセット202や手差しトレイ105上の用紙を供給する給紙装置や自動原稿供給装置(ADF)にも適用することができる。
また、前述の図62では、給紙装置を備えた画像形成装置が、2成分現像方式を採用したタンデム型フルカラー電子写真方式の複写機の場合について説明したが、本発明を適用可能な画像形成装置は、図62の複写機の構成に限定されるものではない。例えば、本発明は、例えば1成分現像剤を用いた現像方式を採用した画像形成装置、タンデム型以外のカラー画像形成装置、モノクロ画像形成装置などにも適用することができる。更に、本発明は、電子写真方式以外の例えばインクジェット方式の画像形成装置にも適用することができる。また、本発明は、複写機のほか、プリンター、ファクシミリ装置、スキャナ装置、又は、それら複数の機能を有する複合機などにも適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
用紙Pなどのシートに接触して移動可能な表面を有する給紙コロ230や分離コロ235などのシート供給用部材の劣化を検出する劣化検出装置であって、前記シート供給用部材に接触して移動する供給対象のシートの移動量を検出する2次元移動度センサ270などのシート移動量検出手段と、前記シート移動量検出手段の検出結果に基づいて、互いに検出時間帯が重複しない複数の区間それぞれで検出された単位時間あたりのシートの移動量(移動度)の比(例えば前述のα又はβ)を算出する算出部810などの算出手段と、前記移動量の比の算出値と基準値との比較結果に基づいて、前記シート供給用部材の劣化を判定する判定部820などの判定手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、互いに検出時間帯が重複しない複数の区間それぞれにおいて、単位時間あたりのシートの移動量(以下、本段落において「移動度」という。)を検出する。このように検出した複数の区間それぞれの移動度の比は、1区間で検出した単位時間あたりのシートの移動量に比して、シート移動量検出手段の姿勢変化の影響を受けにくいので、シート供給用部材の状態に対する感度が高い指標値として用いることができる。すなわち、上記移動度の比に基づいて、シート移動量検出手段の姿勢変化の影響を受けることなく、シート供給用部材が劣化しているか否かの状態を感度よく把握することができる。従って、上記移動度の比と基準値との比較結果に基づいて、シート供給用部材の状態を判定することにより、シート移動量検出手段の姿勢変化の影響を低減し、シート供給用部材の劣化を感度よく検出することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記シート供給用部材にシート移動方向下流側から隣接する位置に設けられた給紙センサ275などの第1のシート検知手段を更に備え、前記複数の区間は、前記第1のシート検知手段によって供給対象のシートの先端が検知されたシート先端検知時を基準として設定された区間である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート供給用部材の劣化に起因したスリップなどの現象が発生するタイミングに近いシート先端検知時を基準として、上記判定に用いる区間における移動度を検出できる。従って、シート供給用部材の故障の兆候となる劣化を確実に捉えることができる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記シート供給用部材の故障を予測する故障予測部830などの故障予測手段を更に備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート供給用部材の劣化に起因した故障を感度よく予測することができる。
(態様D)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、前記シート供給用部材は、自らの移動する表面を供給対象のシートのおもて面に接触させて該シートを所定の搬送方向に向けて供給するように搬送する給紙コロ230などの供給搬送部材と、その供給搬送部材に当接してニップNを形成しながら当該ニップNで供給搬送部材の表面移動方向とは逆方向に表面が移動する分離コロ235などの分離部材と、を含む。
これによれば、上記実施形態について説明したように、供給搬送部材及び分離部材の少なくとも一方の劣化を感度よく検出することができる。
(態様E)
上記態様Dにおいて、複数の区間はそれぞれ、分離部材によるシート分離動作が実行されていない区間である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分離部材によるシート分離動作における分離部材の過渡動作などによるシート挙動の不安定要因を除去することができる。従って、安定した移動度の観測データを取得でき、シート供給用部材の劣化の検出感度が更に向上する。
(態様F)
上記態様D又はEにおいて、前記シート供給用部材は、供給対象のシートに接触してニップNに向けてシートを送出するピックアップコロ240などの送出部材を含み、前記複数の区間は、前記送出部材によるシート送出開始時を基準として、分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートがない条件を満たすように設定された区間を含む。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記区間においてシート供給開始時に分離残シートが無い条件で上記移動度を検出し、その移動度の観測波形から送出部材単独での用紙の搬送状態のデータを抽出できるので、送出部材の劣化が検出可能になる。
(態様G)
上記態様D乃至Fのいずれかにおいて、前記ニップNにシート移動方向下流側から隣接する位置に設けられた給紙センサ275などの第1のシート検知手段と、第1のシート検知手段のシート移動方向下流側に設けられた搬送センサ285などの第2のシート検知手段と、を更に備え、前記複数の区間は、
(1)第2のシート検知手段によって供給対象のシートの先端が検知されたシート先端検知時を基準として設定した区間、
(2)給紙コロ230などの供給搬送部材の連れ回り開始時を基準として設定された区間、
(3)シート移動量検出手段によって供給対象のシートの後端が検知されたシート後端検知時を基準として設定された区間、及び、
(4)第1のシート検知手段によって供給対象のシートの後端が検知されたシート後端検知時を基準として設定された区間、
のいずれか一つの区間を含む。
これによれば、上記実施形態について説明したように、上記(1)及び(2)の区間の場合は、上記移動度を検出する時間基準が、シート先端位置に対応して決まり、シートの紙サイズの影響を受けない。従って、サイズが互いに異なるシートを供給するシート供給装置(例えば、原稿サイズ混載のADF)に対応することができる。また、上記(3)及び(4)の区間の場合は、上記移動度を検出する時間基準が、シート後端が上記ニップが位置する分離部を抜けた後の動作の基準となる。従って、当該期間で検出された移動度の波形データを、分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートを判定するための波形データとしてそのまま利用できる。
(態様H)
上記態様D乃至Gのいずれかにおいて、前記シート移動量検出手段によって供給対象のシートの後端が検知されたシート後端検知時から所定時間経過した後に検出された前記シートの単位時間当たりの移動量の検知結果に基づいて、前記分離部材による分離動作の有無及び該分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートの有無を検出する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート移動量検出手段以外の他の検出手段を用いることなく、分離動作の有無及び分離残シートの有無を検出することにより、シート供給動作前後における分離部前の用紙の状態を精度よく把握することができる。
〜できる。
(態様I)
上記態様D乃至Gのいずれかにおいて、前記ニップNにシート移動方向上流側から隣接する位置に設けられた分離前センサ280などの第3のシート検知手段を更に備え、第3のシート検知手段の検知結果に基づいて、分離部材による分離動作の有無及び分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートの有無を検出する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、フォトインタラプタなどの安価なセンサを適用可能な第3のシート検知手段により、分離動作の有無及び分離残シートの有無を検出し、シート供給動作前後における分離部前の用紙の状態を精度よく把握することができる。
(態様J)
上記態様D乃至Gのいずれかにおいて、前記分離部材の回転角を検出するホールセンサ237X、237Yなどの回転角検出手段を更に備え、その回転角検出手段の検知結果に基づいて、分離部材による分離動作の有無を検出する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分離動作の有無によって大きく異なる分離部材の回転角を回転角検出手段で検出することにより、分離部材による分離動作の有無を精度よく検出することができる。また、回転角検出手段の検出結果と前述のシート移動量検出手段の検出結果とを併用することにより、上記供給搬送部材、分離部材などの複数のシート供給用部材の劣化を個別に検出できるようになる。
(態様K)
上記態様D乃至Gのいずれかにおいて、前記ニップNにシート移動方向下流側から隣接する位置に設けられた給紙センサ275などの第1のシート検知手段を備え、シートの移動開始時から第1のシート検知手段によるシートの先端検知時までの時間に基づいて、分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートの有無を検出する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分離残シートの有無を検出するための新たな検知手段を設けることなく、供給対象のシートを検知する既存の検知手段で分離残シートの有無の判別することができる。しかも、上記時間に基づく分離残シートの有無の検出であるため、検出データの統計処理が容易であり、分離残シートの有無を高い精度で判別できる。
(態様L)
上記態様A乃至Kのいずれかにおいて、前記シート移動量検出手段は、給紙トレイ201などのシート収容部の最上部にある供給対象のシートの上面に所定の間隙で対向するように配置されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、検出対象のシートに対するシート移動量検出手段の姿勢(ギャップや傾き)を維持することができるため、シート移動量検出手段の深度余裕が小さい場合でも、シートの移動量を感度よく検出することができる。更に、シート移動量検出手段の特性に深度依存性あっても、上記移動度の比を上記劣化判定の指標値とするができる。また、シート移動量検出手段と検出対象のシートとの間に、ガイド板などのガイド部材やコロを配設することによって、シート移動量検出手段のシート表面への貼り付きによる負荷増を防ぎつつシート移動量検出手段の姿勢(ギャップや傾き)を維持できるので、検出値が安定する。
(態様M)
上記態様Lにおいて、前記シート移動量検出手段は、前記シート収容部の最上部にある供給対象のシートの上面に対向する検出位置と、前記シート収容部から離間した待機位置との間で移動可能に構成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート収容部を出し入れ可能な場合であっても、そのシート収容部の動作に連動させて、シート移動量検出手段を検出位置と待機位置との間で移動させることができる。従って、シート移動量検出手段の存在を気にすることなく、シート収容部を出し入れすることができる。
(態様N)
上記態様L又はMにおいて、前記シート移動量検出手段は、前記シート収容部におけるシートの有無を検知するシート有無検知手段を兼ねる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート収容部におけるシートの有無を検知するシート有無検知専用のフォトインタラプタなどのシート有無検知手段が不要になる。
(態様O)
上記態様A乃至Nのいずれかにおいて、前記シート移動量検出手段は、供給対象のシートの搬送方向に対して傾いた仮想移動面内で移動可能であり、その仮想移動面における2次元的に分布する複数の検出位置で検出可能に構成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シートの搬送方向やシート移動量検出手段の配設方向が変化しても、複数の検出位置で検出された複数の移動度を合成した合成移動度として検出することができる。合成移動度を用いることにより、シートが短い搬送距離の間に複数のコロやローラに搬送されることによって生じるシートの蛇行や、シート移動量検出手段の取付位置の誤差などを吸収できる。従って、シート移動量検出手段を調整することなくシートの移動度を確実に検出できる。
(態様P)
給紙装置(給紙ユニット)200などのシート供給装置であって、上記態様A乃至Oのいずれかの劣化検出装置と、用紙Pなどのシートが収容される給紙トレイ201などのシート収容部と、シートに接触して移動可能な表面を有する給紙コロ230や分離コロ235などのシート供給用部材と、そのシート供給用部材の表面を移動させるように駆動する駆動手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シート供給装置で使用されているシート供給用部材の劣化を感度よく検出することができる。
(態様Q)
画像形成装置であって、上記態様A乃至Oのいずれかの劣化検出装置と、用紙Pなどのシートが収容される給紙トレイ201などのシート収容部と、シートに接触して移動可能な表面を有する給紙コロ230や分離コロ235などのシート供給用部材と、シート供給用部材の表面を移動させるように駆動する駆動手段と、シート供給用部材によってシート収容部から供給されるシートに画像を形成する感光体ドラム1などの画像形成手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成対象のシートを供給するシート供給装置で使用されているシート供給用部材の劣化を感度よく検出することができる。
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電器
3Y,3M,3C,3K 除電ランプ
4Y,4M,4C,4K 感光体クリーニング装置
5 中間転写ベルト
17 光書込装置
18 定着装置
100 装置本体
200 給紙装置(給紙ユニット)
201 給紙トレイ
201’ 底板
202 給紙カセット
230 給紙コロ
235 分離コロ
240 ピックアップコロ
245 搬送ローラ(駆動ローラ)
250 搬送ローラ(従動ローラ)
255 搬送ローラ(従動ローラ)
270 2次元移動度センサ
275 給紙センサ
280 分離前センサ
285 搬送センサ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
500 画像形成装置
700 表示操作部
800 劣化判定装置
810 算出部
820 判定部
830 故障予測部
P 用紙
N 分離部のニップ
特開2010−208795号公報

Claims (17)

  1. シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材の劣化を検出する劣化検出装置であって、
    前記シート供給用部材に接触して移動する供給対象のシートの移動量を検出するシート移動量検出手段と、
    前記シート移動量検出手段の検出結果に基づいて、互いに検出時間帯が重複しない複数の区間それぞれで検出された単位時間あたりのシートの移動量の比を算出する算出手段と、
    前記移動量の比の算出値と基準値との比較結果に基づいて、前記シート供給用部材の劣化を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする劣化検出装置。
  2. 請求項1の劣化検出装置において、
    前記シート供給用部材にシート移動方向下流側から隣接する位置に設けられた第1のシート検知手段を更に備え、
    前記複数の区間は、前記第1のシート検知手段によって供給対象のシートの先端が検知されたシート先端検知時を基準として設定された区間を含む、ことを特徴とする劣化検出装置。
  3. 請求項1又は2の劣化検出装置において、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記シート供給用部材の故障を予測する故障予測手段を更に備えたことを特徴とする劣化検出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの劣化検出装置において、
    前記シート供給用部材は、自らの移動する表面を供給対象のシートのおもて面に接触させて該シートを所定の搬送方向に向けて供給するように搬送する供給搬送部材と、該供給搬送部材に当接してニップを形成しながら該ニップで該供給搬送部材の表面移動方向とは逆方向に表面が移動する分離部材と、を含むことを特徴とする劣化検出装置。
  5. 請求項4の劣化検出装置において、
    前記複数の区間はそれぞれ、前記分離部材によるシート分離動作が実行されていない区間であることを特徴とする劣化検出装置。
  6. 請求項4又は5の劣化検出装置において、
    前記シート供給用部材は、供給対象のシートに接触して前記ニップに向けて該シートを送出する送出部材を含み、
    前記複数の区間は、前記送出部材によるシート送出開始時を基準として、前記分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートがない条件を満たすように設定された区間を含む、ことを特徴とする劣化検出装置。
  7. 請求項4乃至6のいずれかの劣化検出装置において、
    前記ニップにシート移動方向下流側から隣接する位置に設けられた第1のシート検知手段と、該第1のシート検知手段のシート移動方向下流側に設けられた第2のシート検知手段と、を更に備え、
    前記複数の区間は、
    前記第2のシート検知手段によって供給対象のシートの先端が検知されたシート先端検知時を基準として設定した区間、
    前記供給搬送部材の連れ回り開始時を基準として設定された区間、
    前記シート移動量検出手段によって供給対象のシートの後端が検知されたシート後端検知時を基準として設定された区間、及び、
    前記第1のシート検知手段によって供給対象のシートの後端が検知されたシート後端検知時を基準として設定された区間、
    のいずれか一つの区間を含むことを特徴とする劣化検出装置。
  8. 請求項4乃至7のいずれかの劣化検出装置において、
    前記シート移動量検出手段によって供給対象のシートの後端が検知されたシート後端検知時から所定時間経過した後に検出された前記シートの単位時間当たりの移動量の検知結果に基づいて、前記分離部材による分離動作の有無及び該分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートの有無を検出することを特徴とする劣化検出装置。
  9. 請求項4乃至7のいずれかの劣化検出装置において、
    前記ニップにシート移動方向上流側から隣接する位置に設けられた第3のシート検知手段を更に備え、
    前記第3のシート検知手段の検知結果に基づいて、前記分離部材による分離動作の有無及び該分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートの有無を検出することを特徴とする劣化検出装置。
  10. 請求項4乃至7のいずれかの劣化検出装置において、
    前記分離部材の回転角を検出する回転角検出手段を更に備え、
    前記回転角検出手段の検知結果に基づいて、前記分離部材による分離動作の有無を検出することを特徴とする劣化検出装置。
  11. 請求項4乃至7のいずれかの劣化検出装置において、
    前記ニップにシート移動方向下流側から隣接する位置に設けられた第1のシート検知手段を備え、
    前記シートの移動開始時から前記第1のシート検知手段による該シートの先端検知時までの時間に基づいて、前記分離部材によって供給対象のシートから分離された分離残シートの有無を検出することを特徴とする劣化検出装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの劣化検出装置において、
    前記シート移動量検出手段は、シート収容部の最上部にある供給対象のシートの上面に所定の間隙で対向するように配置されていることを特徴とする劣化検出装置。
  13. 請求項12の劣化検出装置において、
    前記シート移動量検出手段は、前記シート収容部の最上部にある供給対象のシートの上面に対向する検出位置と、前記シート収容部から離間した待機位置との間で移動可能に構成されていることを特徴とする劣化検出装置。
  14. 請求項12又は13の劣化検出装置において、
    前記シート移動量検出手段は、前記シート収容部におけるシートの有無を検知するシート有無検知手段を兼ねることを特徴とする劣化検出装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれかの劣化検出装置において、
    前記シート移動量検出手段は、前記供給対象のシートの搬送方向に対して傾いた仮想移動面内で移動可能であり、該仮想移動面における2次元的に分布する複数の検出位置で検出可能に構成されていることを特徴とする劣化検出装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれかの劣化検出装置と、
    シートが収容されるシート収容部と、
    前記シートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材と、
    前記シート供給用部材の表面を移動させるように駆動する駆動手段と、を備えたことを特徴とするシート供給装置。
  17. 請求項1乃至15のいずれかの劣化検出装置と、
    シートが収容されるシート収容部と、
    前記シート収容部のシートに接触して移動可能な表面を有するシート供給用部材と、
    前記シート供給用部材の表面を移動させるように駆動する駆動手段と、
    前記シート供給用部材によって前記シート収容部から供給されるシートに画像を形成する画像形成手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2012285547A 2012-12-27 2012-12-27 シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置 Pending JP2014125347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012285547A JP2014125347A (ja) 2012-12-27 2012-12-27 シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012285547A JP2014125347A (ja) 2012-12-27 2012-12-27 シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014125347A true JP2014125347A (ja) 2014-07-07

Family

ID=51405141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012285547A Pending JP2014125347A (ja) 2012-12-27 2012-12-27 シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014125347A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019116381A (ja) * 2017-12-26 2019-07-18 キヤノン電子株式会社 シート給送装置、シート給送装置の制御方法、及びプログラム
JP2019189439A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 キヤノン電子株式会社 原稿搬送装置
EP3674236A1 (en) 2018-11-30 2020-07-01 Ricoh Company, Ltd. Sheet conveying device and image forming apparatus incorporating the sheet conveying device
JP2021066544A (ja) * 2019-10-21 2021-04-30 ▲うぇい▼強科技股▲ふん▼有限公司 駆動力調整可能な用紙ピックアップモジュール、及びその駆動力調整方法
US11591175B2 (en) 2017-12-26 2023-02-28 Canon Denshi Kabushiki Kaisha Sheet feeder, control method of sheet feeder, and storage medium

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019116381A (ja) * 2017-12-26 2019-07-18 キヤノン電子株式会社 シート給送装置、シート給送装置の制御方法、及びプログラム
US11591175B2 (en) 2017-12-26 2023-02-28 Canon Denshi Kabushiki Kaisha Sheet feeder, control method of sheet feeder, and storage medium
JP7292787B2 (ja) 2017-12-26 2023-06-19 キヤノン電子株式会社 シート給送装置、シート給送装置の制御方法、及びプログラム
JP2019189439A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 キヤノン電子株式会社 原稿搬送装置
JP7242194B2 (ja) 2018-04-27 2023-03-20 キヤノン電子株式会社 原稿搬送装置
EP3674236A1 (en) 2018-11-30 2020-07-01 Ricoh Company, Ltd. Sheet conveying device and image forming apparatus incorporating the sheet conveying device
US11126127B2 (en) 2018-11-30 2021-09-21 Ricoh Company, Ltd. Sheet conveying device and image forming apparatus incorporating the sheet conveying device
JP2021066544A (ja) * 2019-10-21 2021-04-30 ▲うぇい▼強科技股▲ふん▼有限公司 駆動力調整可能な用紙ピックアップモジュール、及びその駆動力調整方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8570623B2 (en) Deep focus image reading system and image forming apparatus
US8413984B2 (en) Sheet conveying apparatus, belt drive apparatus, image reading apparatus, and image forming apparatus
JP7283099B2 (ja) 測定装置、画像形成装置及び測定方法
US20140147183A1 (en) Image forming apparatus
JP2011095207A (ja) 回転測定装置、シート搬送装置、原稿読取装置、及び画像形成装置
JP2014125347A (ja) シート供給用部材の劣化検出装置、シート供給装置並びに画像形成装置
JP2017132600A (ja) シート給送装置
US20200050139A1 (en) Image forming apparatus
US10377594B2 (en) Sheet feeder and image-forming apparatus
JP6926880B2 (ja) 記録材特性検知装置および画像形成装置
US7802792B2 (en) Image forming apparatus
US8611770B2 (en) Image forming apparatus
US10280019B2 (en) Paper feeder that determines necessity of replacement of retard roller, and image forming apparatus
US20120267848A1 (en) Sheet conveying apparatus and image forming apparatus
JP5233873B2 (ja) 給紙装置及び画像形成装置
JP5304819B2 (ja) 画像形成装置
US9725268B2 (en) Sheet detecting apparatus, image forming apparatus, and image reading apparatus
JP2014182153A (ja) 転写入口搬送機構、及び画像形成装置
US10539917B2 (en) Container and image forming apparatus
JP5590441B2 (ja) 劣化判定装置、シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置
US8297612B2 (en) Apparatus for detecting media edges in a media input tray
JP2014218333A (ja) シート給送装置及び画像形成装置
JP7693340B2 (ja) 画像形成装置
JP6311673B2 (ja) シート搬送装置、画像形成装置、シートの通過タイミング判定方法
JP2024126518A (ja) 画像形成システムおよび画像形成装置