JP2014125592A - 封止用樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

封止用樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形時のワイヤ流れを十分に低減し、かつ成形性を十分に向上させることができる、圧縮成形法に適した封止用樹脂組成物、及びそのような組成物を用い半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)ビフェニル型エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)球状シリカを必須成分とし、下記式で定義される圧縮度が12%以上19%以下である封止用樹脂組成物、。
圧縮度(%)={(タップかさ密度−初期かさ密度)/タップかさ密度}×100
また、そのような封止用樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止してなる半導体装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子等の電子部品の封止材料として使用される樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関する。
トランジスタ、IC、LSI等の半導体装置における封止材料として、エポキシ樹脂をベースとし、これに硬化剤や硬化促進剤、さらにはシリカ粉末等の無機充填剤、着色剤等を配合した樹脂組成物が広く用いられている。
従来、このような封止材料を用いた封止プロセスは、トランスファ成形が一般的であった。しかし、近時、半導体素子上の封止の厚みが薄かったり、あるいはボンディングワイヤが細線かつ長い場合に有用な方法として、圧縮成形法が注目されてきている。
すなわち、近年、電子部品のプリント配線板への高密度実装化に伴い、半導体装置はピン挿入型のパッケージから表面実装型のパッケージにその主流が移ってきており、さらに、表面実装型パッケージも薄型化・小型化が進んでいる。薄型化・小型化された表面実装型パッケージでは、半導体素子のパッケージに対する占有体積も大きくなり、半導体素子を覆う被覆の肉厚は薄くなる。また、半導体素子の多機能化、大容量化に伴い、チップ面積の増大、多ピン化が進み、さらには電極パッド数の増加によって、パッドピッチ、パッドサイズの縮小化、いわゆる狭パッドピッチ化も進んでいる。
一方、半導体素子を搭載する基板は、半導体素子ほどの電極パッドの狭ピッチ化ができないため、半導体装置から引き出すボンディングワイヤのワイヤ長を長くしたり、ワイヤを細線化したりすることにより多端子化に対応している。しかしながら、ワイヤが細くなると、後の樹脂封止工程でワイヤが樹脂の注入圧力により流されやすくなる。特に、サイドゲート方式のトランスファ成形ではこの傾向が著しい。
そこで、トランスファ成形に代わる封止プロセスとして、圧縮成形法が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、被封止物(例えば、半導体素子を実装した基板等)を上型に吸着させる一方、これに対向させるように、下型に粉粒状樹脂(封止材料)を供給し、下型を上昇させながら、被封止物と封止材料を加圧して封止成形するものである。圧縮成形法によれば、溶融した粉粒状樹脂が被封止物の主面と略平行な方向に流動するため、流動量を少なくすることができ、樹脂の流れによる被封止物(例えば、半導体素子を実装した基板におけるワイヤや配線等)の変形・破損を低減させることが期待できる。
しかしながら、従来のトランスファ成形に用いる封止材料を圧縮成型法に適用しても、その充填性の低さ等から、上記のような所期の効果を十分に得ることはできなかった。圧縮成形法に適した封止材料としては、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤等を含有し、粒径100μm〜3mmの粒子が85質量%以上である粒度分布を有する粉粒状の樹脂組成物(例えば、特許文献2参照。)、圧縮度を6〜11%の範囲内に設定することにより、ホッパ等への付着や架橋現象を防止し、流動性の安定化、計量精度の向上を図ったもの(例えば、特許文献3参照。)、固めかさ密度を0.8g/cm以上、1.1g/cmとすることにより、搬送性や秤量精度等を向上させたもの(例えば、特許文献4参照。)等が提案されている。
しかしながら、いずれも、封止の厚みが薄く、また、細く、かつ長いボンディングワイヤによって接続された半導体素子を封止する材料としては、特に、ワイヤの変形・破損(ワイヤ流れ)の低減や成形性の改善等の点で十分ではなかった。
特開2008−279599号公報 特開2011−153173号公報 特開2000−232188号公報 特開2008−303366号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、圧縮成形法に好適で、成形時のワイヤ流れを十分に低減し、かつ成形性を十分に向上させることができる封止用樹脂組成物、及びそのような封止用樹脂組成物を用いて封止された高い信頼性を有する半導体装置を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、後述するような、粉粒状の封止用樹脂組成物の圧縮度が、圧縮成形法におけるワイヤ流れの低減や成形性を左右する「樹脂の融け性」の重要な指標であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様に係る封止用樹脂組成物は、(A)ビフェニル型エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)球状シリカを必須成分とする粉粒状の半導体封止用樹脂組成物であって、下記式で定義される圧縮度が12%以上19%以下であることを特徴としている。
圧縮度(%)={(タップかさ密度−初期かさ密度)/タップかさ密度}×100
なお、上記式中、タップかさ密度及び初期かさ密度は、それぞれJIS R1628に準拠して測定される値である。
また、本発明の他の態様に係る半導体装置は、上記封止用樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止してなることを特徴としている。
本発明によれば、圧縮成形法に好適で、成形時のワイヤ流れを十分に低減し、かつ成形性を十分に向上させることができる封止用樹脂組成物、及びそのような封止用樹脂組成物を用いて封止された信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の封止用樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
本発明に用いられる(A)成分のビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂であれば、分子構造、分子量等に制限されることなく一般に電子部品の封止材料に使用されているものを広く用いることができる。なお、本発明におけるビフェニル骨格には、ビフェニル環のうち少なくとも一方の芳香族環水素添加してなるものも含まれる。
ビフェニル型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール、または4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールのようなビフェノール化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェニルのグリシジルエーテルが好ましい。ビフェニル型エポキシ樹脂は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ビフェニル型エポキシ樹脂として使用される市販品を例示すると、例えば、三菱化学(株)製のYX−4000(エポキシ当量185、軟化点105℃)、同YX−4000H(エポキシ当量193、軟化点105℃)、日本化薬(株)製のNC−3000(エポキシ当量273、軟化点58℃)、同NC−3000H(エポキシ当量288、軟化点91℃)(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。
ビフェニル型エポキシ樹脂の使用により、後述する(D)成分の球状シリカを高い含有量で使用しても組成物の溶融粘度を好的な範囲に維持することができ、耐熱性に優れる封止用樹脂組成物を得ることができる。
本発明の封止用樹脂組成物には、ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂の1種以上を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環型エポキシ樹脂、スチルベン型二官能エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明に用いられる(B)成分のフェノール樹脂硬化剤としては、上記(A)成分のビフェニル型エポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得るフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用される。具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、シクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂等を使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)成分のフェノール樹脂硬化剤としては、流動性、難燃性の観点から、下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂が好ましい。
Figure 2014125592
式(1)中、Rはフェノール性水酸基を有する1価の有機基、Rはフェノール性水酸基を有する2価の有機基、nは1〜5の整数である。
は、下記式(1−1)〜(1−3)で示される基から選ばれることが好ましく、Rは、下記式(1−4)〜(1−6)で示される基から選ばれることが好ましい。原料の入手のしやすさの観点からは、Rは下記式(1−1)で示される基がより好ましく、Rは下記式(1−4)で示される基がより好ましい。
Figure 2014125592
Figure 2014125592
式(1−2)、(1−3)、(1−5)、(1−6)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、及びメトキシ基、エトシキ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれ、なかでも水素原子、メチル基、メトキシ基が好ましく、水素原子がより好ましい。式(1−3)、及び(1−6)において、複数のRはすべてが同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、例えば、Rが上記式(1−1)、Rが上記式(1−4)で表される基の場合、次式に示すように、酸性触媒の存在下、イミダゾリジリノン、フェノール、及びホルムアルデヒドを反応させることにより合成することができる。
Figure 2014125592
一般式(1)で表されるフェノール樹脂として市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、昭和電工(株)製のTAM−005(商品名)等が挙げられる。
この(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の配合量は、上記(A)成分のエポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)に対する(B)成分のフェノール樹脂硬化剤が有するフェノール性水酸基数(b)の比(b)/(a)が0.5以上1.6以下となる範囲が好ましく、0.6以上1.4以下となる範囲がより好ましい。比(b)/(a)が0.5以上であれば、硬化物のガラス転移点が良好となり、一方、1.6以下であれば、反応性が良好になるとともに、十分な架橋密度を有することができ、耐熱性に優れ、かつ高強度の硬化物を得ることができる。
本発明に用いられる(C)成分の硬化促進剤としては、イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等のジアザビシクロ化合物及びこれらの塩;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p‐メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の有機ホスフィン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等のテトラ‐またはトリフェニルボロン塩等が挙げられる。これらの中でも、流動性及び成形性が良好であるという観点から、イミダゾール類が好ましい。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(C)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分のビフェニル型エポキシ樹脂と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤の合計量100質量部に対して、通常、0.5質量部以上5.0質量部以下、好ましくは1.5質量部以上4.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以上3.5質量部以下である。配合量が0.5質量部未満では、硬化性の促進にあまり効果がなく、逆に5.0質量部を超えると、組成物の流動性、成形性等が低下する。
本発明に用いられる(D)成分の球状シリカは、全体として、平均粒径が10μm以上30μm以下であることが好ましく、12μm以上25μm以下であることがより好ましい。平均粒径が10μm未満では、樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が損なわれるおそれがある。一方、平均粒径が30μmを超えると、発泡するおそれがある。なお、球状シリカの平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により求めることができ、平均粒径は、同装置で測定された粒度分布において積算重量が50%になる粒径(d50)である。
また、(D)成分の球状シリカは、(D1)粒径5μm未満の球状シリカを15質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上25質量%以下、(D2)粒径5μm以上50μm未満の球状シリカを50質量%以上80質量%以下、(D3)粒径50μm以上の球状シリカを5質量%以上20質量%以下含有することが好ましい。さらに、(D1)粒径5μm未満の球状シリカと、(D2)粒径5μm以上50μm未満の球状シリカの比(D1)/(D2)が、0.15以上0.50以下、さらに好ましくは0.15以上0.45以下の範囲であることが好ましい。
(D)成分の球状シリカが上記要件を満たす粒度分布を有すると、樹脂組成物は良好な融解性を示し、このような封止用樹脂組成物を用いることで、ワイヤ流れや樹脂漏れ等の不具合の発生のない半導体装置を得ることができる。
粒径5μm未満の球状シリカ(D1)の含有量が15質量%未満で、かつ粒径50μm以上の球状シリカ(D3)の含有量が20質量%を超えるか、あるいは、粒径5μm未満の球状シリカ(D1)と、粒径5μm以上50μm未満の球状シリカ(D2)の比(D1)/(D2)が0.50を超えると、樹脂組成物の融解性が高くなって、下型のキャビティ内に供給する際や、減圧下において、加熱溶融した樹脂組成物が飛散する、いわゆる「樹脂漏れ」が発生しやすくなるおそれがある。
また、粒径5μm未満の球状シリカ(D1)の含有量が30質量%を超え、かつ粒径50μm以上の球状シリカ(D3)の含有量が50質量%未満であるか、あるいは、粒径5μm未満の球状シリカ(D1)と、粒径5μm以上50μm未満の球状シリカ(D2)の比(D1)/(D2)が0.15未満であると、樹脂組成物の融解性が低くなって、ワイヤ流れ性が不良になるおそれがある。
(D)成分の球状シリカの配合量は、特に限定されるものではないが、組成物の全量に対して80質量%以上95質量%以下の範囲が好ましく、85質量%以上93質量%以下の範囲がより好ましい。80質量%未満では、線膨張係数が増大して、成形品の寸法精度、耐湿性、機械的強度等が低下し、また、95質量%を超えると、溶融粘度が大きくなって流動性が低下するとともに、成形性が低下するおそれがある。
本発明の封止用樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、シリカ以外の無機充填剤(例えば、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホウ素等);カップリング剤;合成ワックス、天然ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸等の金属塩等の離型剤;カーボンブラック、コバルトブルー等の着色剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力付与剤、ハイドロタルサイト類、イオン捕捉剤等を配合することができる。
カップリング剤としては、エポキシシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、ビニルシラン系、アルキルシラン系、有機チタネート系、アルミニウムアルコレート系等のカップリング剤が使用される。成形性、難燃性、硬化性等の観点からは、なかでもアミノシラン系カップリング剤が好ましく、特に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が好ましい。
カップリング剤の配合量は、組成物全体の0.01質量%以上3質量%以下となる範囲が好ましく、0.1質量%以上1質量%以下となる範囲がより好ましい。組成物全体の0.01質量%未満では、成形性の向上にあまり効果がなく、逆に3質量%を超えると、成形時に発泡して成形品にボイドや表面膨れ等が発生するおそれがある。
本発明の封止用樹脂組成物を調製するにあたっては、(A)ビフェニル型エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)球状シリカ、及び前述した必要に応じて配合される各種成分をミキサー等によって十分に混合(ドライブレンド)した後、熱ロールやニーダ等の混練装置により溶融混練し、冷却後、適当な大きさに粉砕する。粉砕方法は、特に制限されず、一般的な粉砕機、例えば、スピードミル、カッティングミル、ボールミル、サイクロンミル、ハンマーミル、振動ミル、カッターミル、グラインダーミル等を用いることができる。好ましくは、スピードミルである。粉砕物は、その後、篩い分級やエアー分級等によって所定の粒度分布を持つ粒子集合体に調整することができる。
本発明の封止用樹脂組成物は、下記式で定義される圧縮度が12%以上19%以下であり、好ましくは13%以上18%以下である。
圧縮度(%)={(タップかさ密度−初期かさ密度)/タップかさ密度}×100
上記式中、タップかさ密度及び初期かさ密度は、それぞれJIS R1628に準拠して測定される値である。
ここで、樹脂組成物の圧縮度は、樹脂組成物の粒度分布に依存し、Tyler篩による標準篩法で測定される粒度分布において、24メッシュ通過粒子が全体の25質量%未満であると、圧縮度が12%未満となり、成形品の表面に巣が発生するおそれがある。また、24メッシュ通過粒子が50質量%を超えると、圧縮度が19%を超える場合があり、成形時に樹脂漏れが発生しやすくなる。
本発明の封止用樹脂組成物は、さらに、以下の条件(i)〜(iii)の少なくとも1つを満足していることが、圧縮成形装置の安定的な作動や樹脂の成形性の観点から好ましい。条件(i)〜(iii)の2つ以上を満足していることがより好ましく、すべてを満足していることがより一層好ましい。
(i)Tyler篩による標準篩法で得られる粒度分布において、0.2mm超0.6mm以下の粒径範囲、及び0.6mm超1.4mm以下の粒径範囲に、それぞれ1つのピークを有する(以下、0.2mm超0.6mm以下の粒径範囲にあるピークを「第1のピーク」、0.6mm超1.4mm以下の粒径範囲にあるピークを「第2のピーク」ともいう)。
(ii)Tyler篩による標準篩法で得られる粒度分布において、第1のピークを構成する粒子が全体の5質量%以上30質量%以下、第2のピークを構成する粒子が全体の20質量%以下である。第1のピークを構成する粒子が全体の10質量%以上20質量%以下、第2のピークを構成する粒子が全体の5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
(iii)Tyler篩による標準篩法で得られる粒度分布において、粒径0.2mm以下の成分が全体の25質量%未満、粒径1.4mm超の成分が全体の25質量%未満である。粒径0.2mm以下の成分が全体の25質量%以上であると、圧縮成形用金型に供給する際に粒子が舞い上がりやすく、飛散した粒子による汚染や、計量不良等が生ずることがある。また、粒径1.4mm超の成分が全体の25質量%以上であると、硬化物にボイド等の充填不良部が発生するおそれがある。粒径0.2mm以下の成分が全体の0.1質量%以上20質量%以下、粒径1.4mm超の成分が全体の1.0質量%以上15質量%以下であるとより好ましい。
本発明の半導体装置は、上記封止用樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止することにより製造することができる。以下、その方法の一例を記載する。
まず、圧縮成型用金型の上型に、半導体素子を実装した基板を供給した後、下型のキャビティ内に上記封止用樹脂組成物を供給する。次に、上型及び下型を所要の型締圧力にて型締めすることにより、下型キャビティーで加熱溶融した封止用樹脂組成物に半導体素子を浸漬する。次に、下型キャビティー内の加熱溶融した封止用樹脂組成物をキャビティ底面部材で押圧し、減圧下で、所要の圧力を加えて圧縮成形する。成形条件は、温度120℃以上200℃以下、圧力2MPa以上20MPa以下とすることが好ましい。
このようにして得られる半導体装置は、圧縮度を前述した範囲に設定した封止用樹脂組成物により封止されているので、成形時のワイヤ流れ等の発生が抑制され、また、成形性も向上して、高い信頼性を有する半導体装置を得ることができる。
さらに、封止用樹脂組成物として、上記粒度分布を有するものを使用した場合には、封止用樹脂組成物を下型のキャビティーに供給する際の飛散や、減圧下で加熱溶融した樹脂が飛散する、いわゆる「樹脂漏れ」が抑制されるため、より一層高い信頼性を有する半導体装置を得ることができる。
なお、本発明の半導体装置において封止される半導体素子は、特に限定されるものではなく、例えば、IC、LS、ダイオード、サイリスタ、トランジスタ等が例示されるが、ワイヤ流れが生じやすい、封止後の厚さが0.2mm以上1.5mm以下となるような半導体素子の場合に、本発明は特に有用である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、以下の記載において、「部」は「質量部」を示すものとする。さらに、得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は、次のような方法で測定したものである。
[圧縮度]
ホソカワミクロン(株)製のパウダーテスターを用い、JIS R1628に準拠して、初期かさ密度(n=10の平均値)及びタップかさ密度(n=10の平均値)を測定し、前述の式(1)より算出した。なお、測定容器として、ステンレス鋼(SUS304)製の容積100ccの有底円筒状の容器を使用した。また、タッピングはタップ高さ20mm、タップ速度60回/分、タップ時間3分間の条件で行った。
(実施例1)
ビフェニルエポキシ樹脂として3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物(三菱化学(株)製 商品名 YX−4000HK;エポキシ当量193、加水分解性塩素量450ppm、軟化点105℃)5.2部、フェノール樹脂として一般式(1)中、Rが式(1−1)で表される基、Rが式(1−4)で表される基、nが1〜2である窒素含有フェノール樹脂(昭和電工(株)製 商品名TAM−105;水酸基当量163、軟化点77℃;フェノール樹脂Iと表記)4.0部、硬化促進剤として2−フェニル−4−ヒドロキチメチル−5−メチルイミダゾール(四国化成(株)製 商品名 2P4MHZ;硬化促進剤Iと表記)0.25部、球状シリカ((株)龍森製 商品名 MSR−8030;平均粒径12μm;球状シリカIと表記)85部、同球状シリカ(アドマテックス(株)製 商品名 SO−25R;平均粒径0.5μm;粒状シリカIIと表記)5部、シランカップリング剤の3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製 商品名 Z−6883)0.30部、及び着色剤としてカーボンブラック(三菱化学(株)製 商品名 MA−100)0.25部を常温でミキサーを用いて混合した後、熱ロールを用いて120℃で加熱混練した。冷却後、五橋製作所(株)製のスピードミルを用いて粉砕した後、10種類の篩(9メッシュ、10メッシュ、12メッシュ、20メッシュ、24メッシュ、28メッシュ、48メッシュ、65メッシュ、及び100メッシュの篩)を通過させる量を表1に示すように調整することで、24メッシュ通過粒子を40.9重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は16.6%であった。
(実施例2)
球状シリカ(MSR−8030)を80部、球状シリカ(SO−25R)を10部用いた以外は実施例1と同様にして、24メッシュ通過粒子を40.9重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は16.6%であった。
(実施例3)
球状シリカ(MSR−8030)を75部、球状シリカ(SO−25R)を15部用いた以外は実施例1と同様にして、24メッシュ通過粒子を40.9重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は16.6%であった。
(実施例4)
粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は実施例2と同様にして、24メッシュ通過粒子を27.5重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は12.8%であった。
(実施例5)
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物(YX−4000HK)及び窒素含有フェノール樹脂(TAM−105)の配合量をそれぞれ5.3部及び4.1部とし、かつ硬化促進剤としてDBU(硬化促進剤IIと表記)を0.10部用いた以外は実施例1と同様にして、24メッシュ通過粒子を40.9重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は16.6%であった。
(実施例6)
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物(YX−4000HK)及び2−フェニル−4−ヒドロキチメチル−5−メチルイミダゾール(2P4MHZ)の配合量をそれぞれ6.1部及び0.20部とし、かつフェノール樹脂として多官能型フェノール樹脂(明和化成(株)製 商品名MEH−7500;水酸基当量97、軟化点109.6℃;フェノール樹脂IIと表記)を3.1部用いた以外は実施例2と同様にして、24メッシュ通過粒子を40.9重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は16.6%であった。
(実施例7)
球状シリカ(MSR−8030)及び球状シリカ(SO−25R)に代えて、球状シリカ(マイクロン社製 商品名 ST7010−25;平均粒径13.3μm;球状シリカIIIと表記)90部を用いた以外は実施例1と同様にして、24メッシュ通過粒子を40.9重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は16.6%であった。
(比較例1)
粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は実施例2と同様にして、24メッシュ通過粒子を12.3重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は9.3%であった。
(比較例2)
粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は実施例2と同様にして、24メッシュ通過粒子を12.3重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は10.5%であった。
(比較例3)
粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は粒度分布が表1に示す粒度分布になるようにした以外は実施例2と同様にして、24メッシュ通過粒子を52.3重量%含む半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた半導体封止用樹脂組成物の圧縮度は20.0%であった。
上記各実施例及び各比較例で得られた封止用樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。結果を組成等とともに表1に示す。
[成形性(ボイド、外観)]
50mm×50mm×0.54mmのFBGA(Fine pitch Ball Grid Array)を、封止用樹脂組成物を用いて、金型温度175℃、成形圧力8.0PMa、硬化時間2分間の条件で圧縮成形した後、得られた成形品(FBGA)の表面における「巣」の発生を目視にて観察し、下記の基準により評価した。
○:「巣」の発生なし
△:「巣」がわずかに発生
×:「巣」が多数発生
[樹脂漏れ]
50mm×50mm×0.54mmのFBGAを、封止用樹脂組成物を用いて、金型温度175℃、成形圧力8.0PMa、硬化時間2分間の条件で圧縮成形し、金型周辺部への樹脂漏れを目視にて観察し、下記の基準により評価した。
○:樹脂漏れなし
△:樹脂漏れがわずかに発生
×:樹脂漏れが多数発生
[ワイヤ流れ率]
50mm×50mm×0.54mmのFBGAを、封止用樹脂組成物を用いて、金型温度175℃、成形圧力8.0PMa、硬化時間2分間の条件で圧縮成形した後、得られた成形品(FBGA)内部のワイヤをX線観察装置(ポニー工業(株)製)で観察し、最大変形部のワイヤ流れ率(封止前のワイヤの位置と封止後のワイヤの位置との最大距離のワイヤの長さに対する比率(%))を求めた。
Figure 2014125592
表1から明らかなように、圧縮度が12%以上19%以下の範囲にある本発明の実施例の封止用樹脂組成物は、成形性、樹脂漏れ及びワイヤ流れ率がいずれも良好であったのに対し、圧縮度が12%未満の比較例1、2では成形性が不良であり、また、圧縮度が19%を超える比較例では樹脂漏れが多数発生した。
本発明の封止用樹脂組成物は、最適な圧縮度を有するため、良好な融け性が発現し、成形性に優れるとともに、成形時のワイヤ流れも低減される。したがって、封止の厚みが薄く、また、長く、かつ細いワイヤによって接続された半導体素子の封止材料として有用であり、信頼性の高い樹脂封止型半導体装置を製造することができる。

Claims (6)

  1. (A)ビフェニル型エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤、及び(D)球状シリカを必須成分とする粉粒状の封止用樹脂組成物であって、
    下記式で定義される圧縮度が12%以上19%以下であることを特徴とする封止用樹脂組成物。
    圧縮度(%)={(タップかさ密度−初期かさ密度)/タップかさ密度}×100
  2. (D)球状シリカは、(D1)粒径5μm未満の球状シリカを15質量%以上30質量%以下、(D2)粒径5μm以上50μm未満の球状シリカを50質量%以上80質量%以下、(D)粒径50μm以上の球状シリカを5質量%以上20質量%以下含有し、かつ(D1)粒径5μm未満の球状シリカと、(D2)粒径5μm以上50μm未満の球状シリカの比(D1)/(D2)が、0.15以上0.50以下の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の封止用樹脂組成物。
  3. Tyler篩による標準篩法で測定される粒度分布において、24メッシュ通過粒子が25質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の封止用樹脂組成物。
  4. (B)フェノール樹脂硬化剤は、下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物。
    Figure 2014125592
    (式(1)中、Rはフェノール性水酸基を有する1価の有機基、Rはフェノール性水酸基を有する2価の有機基、nは1〜5の整数である)
  5. (D)球状シリカの含有量が、組成物全体の80質量%以上95質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物を用いて圧縮成形により半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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