JP2014125657A - 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents
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Abstract
【課題】低サイクル疲労特性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を提供する。
【解決手段】好適には、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、所望によりMg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.30%の1種又は2種を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成のAl−Mn系アルミニウム合金芯材2の一面にAl−Si系合金ろう材3がクラッドされ、合金芯材2の他面に厚さ50μm以上でAl純度99.9%以上の皮材4がクラッドされ、600℃のろう付相当熱処理後における皮材4の表面が、pH3〜4、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中で測定されるアノード分極曲線及びカソード分極曲線に基づいて得られる孔食電位と腐食電流密度が、孔食電位で−770mV以上(vs.SCE)、腐食電流密度で0.1mA/cm2以下である。
【選択図】図1
【解決手段】好適には、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、所望によりMg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.30%の1種又は2種を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成のAl−Mn系アルミニウム合金芯材2の一面にAl−Si系合金ろう材3がクラッドされ、合金芯材2の他面に厚さ50μm以上でAl純度99.9%以上の皮材4がクラッドされ、600℃のろう付相当熱処理後における皮材4の表面が、pH3〜4、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中で測定されるアノード分極曲線及びカソード分極曲線に基づいて得られる孔食電位と腐食電流密度が、孔食電位で−770mV以上(vs.SCE)、腐食電流密度で0.1mA/cm2以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱交換器に用いられる熱交換器用アルミニウム合金クラッド材に関するものである。
従来から、自動車熱交換器用部材として用いられるアルミニウム合金クラッド材では、材料強度を向上させることにより、熱交換器の耐圧強度、疲労強度の向上が図られてきている。しかし、近年、自動車熱交換器の使用環境は苛酷化しており、自動車搭載時に各部材にその塑性域に達するような高い応力が繰り返し負荷される場合がある。このようにいわゆる低サイクル疲労を受ける環境下では、部材の材料強度の向上が必ずしも熱交換器の疲労強度の向上に繋がらないという問題がある。
疲労強度を向上するために、熱交換器用アルミニウム合金扁平管について、中心線平均粗さとビッカース硬さとを用いた所定の関係式、または中心線平均粗さと1mm2当たりの三重点個数とを用いた所定の関係式を満足する芯材と内皮材のとの2層構造とすることが提案されている(特許文献1及び2参照)。
しかし、上記特許文献で提案されているものも含めて、従来のアルミニウム合金クラッド材では、十分な低サイクル疲労特性を有するには至っておらず、繰り返し負荷に対する耐性に優れた熱交換器を得たいという要望に応えることができないという問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、低サイクル疲労特性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材のうち、第1の本発明は、Al−Mn系アルミニウム合金芯材の一方の面にAl−Si系合金ろう材がクラッドされ、前記芯材の他方の面に厚さ50μm以上で99.9%以上のAlを含有する純アルミニウム皮材がクラッドされた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材であって、600℃のろう付相当熱処理後における前記皮材表面が、pH3〜4、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中で測定されたアノード分極曲線およびカソード分極曲線に基づいて得られた孔食電位および腐食電流密度において、前記孔食電位で−770mV以上(vs.SCE)、前記腐食電流密度で0.1mA/cm2以下であることを特徴とする。
第2の本発明の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材は、前記第1の本発明において、前記孔食電位および前記腐食電流密度が前記アノード分極曲線および前記カソード分極曲線に基づいて外挿法により得られたものであることを特徴とする。
第3の本発明の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材は、前記第1または第2の本発明において、前記アルミニウム合金芯材が、質量%で、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
第4の本発明の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材は、前記第4の本発明において、前記芯材が、さらに、質量%で、Mg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.3%のうち1種または2種を含有することを特徴とする。
第5の本発明の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、前記ろう材が、さらに、質量%でZn:0.1〜5.0%を含有することを特徴とする。
以下に、本発明における規定の限定理由について説明する。なお、成分量についてはいずれも質量%で示される。
1.芯材組成
芯材組成は、Al−Mn系合金に限られる。好適には、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成が示される。
芯材組成は、Al−Mn系合金に限られる。好適には、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成が示される。
Mn:1.0〜2.0%
Mnは、芯材素地中にAl−Mn系金属間化合物として分散し、耐食性を低下させることなく芯材の強度を向上させる作用を有する。また、Siと同時に含有させることで、微細なAl−Mn−Si系金属間化合物が形成され、芯材の強度を向上させる作用を有する。Mn含有量が1.0%未満であると上記作用が十分に得られず、2.0%を超えると粗大な化合物により鋳造性や圧延性などの製造性が低下する。したがって、Mn含有量を1.0〜2.0%とする。なお、同様の理由により、Mn含有量は、下限を1.2%、上限を1.8%とするのが望ましい。
Mnは、芯材素地中にAl−Mn系金属間化合物として分散し、耐食性を低下させることなく芯材の強度を向上させる作用を有する。また、Siと同時に含有させることで、微細なAl−Mn−Si系金属間化合物が形成され、芯材の強度を向上させる作用を有する。Mn含有量が1.0%未満であると上記作用が十分に得られず、2.0%を超えると粗大な化合物により鋳造性や圧延性などの製造性が低下する。したがって、Mn含有量を1.0〜2.0%とする。なお、同様の理由により、Mn含有量は、下限を1.2%、上限を1.8%とするのが望ましい。
Cu:0.1〜1.0%
Cuは、マトリックスに固溶して芯材の強度を向上させ、また芯材の電気化学的性質を貴にし、皮材およびろう材との電位差を大きくする作用を有する。Cu含有量が0.1%未満では上記作用が十分に得られず、1.0%を超えると、割れ感受性が高くなり、鋳造性などの製造性が低下する。したがって、Cu含有量を0.1〜1.0%とする。なお、同様の理由により、Cu含有量は、下限を0.2%、上限を0.9%とするのが望ましい。
Cuは、マトリックスに固溶して芯材の強度を向上させ、また芯材の電気化学的性質を貴にし、皮材およびろう材との電位差を大きくする作用を有する。Cu含有量が0.1%未満では上記作用が十分に得られず、1.0%を超えると、割れ感受性が高くなり、鋳造性などの製造性が低下する。したがって、Cu含有量を0.1〜1.0%とする。なお、同様の理由により、Cu含有量は、下限を0.2%、上限を0.9%とするのが望ましい。
Si:0.3〜1.0%
Siは、Mnと共存させることによりAl−Mn−Si化合物となって芯材素地中に分散、あるいはマトリックスに固溶して芯材の強度を向上させる作用を有する。また、Mgと同時に含有させることでろう付後に微細な金属間化合物として析出し、時効硬化により著しく芯材の強度を向上させる作用を有する。Si含有量が0.3%未満では、上記作用が十分に得られず、1.0%を超えると、芯材の融点を低下させてろう付性の低下を招き、さらに顕著な粒界腐食が発生する。したがって、Si含有量を0.3〜1.0%とする。なお、同様の理由により、Si含有量は、下限を0.4%、上限を0.9%とするのが望ましい。
Siは、Mnと共存させることによりAl−Mn−Si化合物となって芯材素地中に分散、あるいはマトリックスに固溶して芯材の強度を向上させる作用を有する。また、Mgと同時に含有させることでろう付後に微細な金属間化合物として析出し、時効硬化により著しく芯材の強度を向上させる作用を有する。Si含有量が0.3%未満では、上記作用が十分に得られず、1.0%を超えると、芯材の融点を低下させてろう付性の低下を招き、さらに顕著な粒界腐食が発生する。したがって、Si含有量を0.3〜1.0%とする。なお、同様の理由により、Si含有量は、下限を0.4%、上限を0.9%とするのが望ましい。
Fe:0.1〜0.5%
Feは、Al−Fe、Al−Fe−Mn、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を生成し、芯材の強度を向上させる作用を有する。また、Feは、ろう付後の再結晶粒を微細にする作用を有し、強度や成形性を向上する。Fe含有量が0.1%未満では上記作用が十分に得られず、0.5%を超えると巨大晶出物が生成し、鋳造性、圧延性などの製造性が低下する。また、Fe系化合物がカソード反応を促進し、耐食性が低下する。したがって、Fe含有量は0.1〜0.5%とする。なお、同様の理由により、Fe含有量は、下限を0.2%、上限を0.4%とするのが望ましい。
Feは、Al−Fe、Al−Fe−Mn、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を生成し、芯材の強度を向上させる作用を有する。また、Feは、ろう付後の再結晶粒を微細にする作用を有し、強度や成形性を向上する。Fe含有量が0.1%未満では上記作用が十分に得られず、0.5%を超えると巨大晶出物が生成し、鋳造性、圧延性などの製造性が低下する。また、Fe系化合物がカソード反応を促進し、耐食性が低下する。したがって、Fe含有量は0.1〜0.5%とする。なお、同様の理由により、Fe含有量は、下限を0.2%、上限を0.4%とするのが望ましい。
上記芯材は、さらに、Mg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.30%のうち1種または2種を含有することができる。
Mg:0.1〜0.5%
Mgは、Siと同時に含有させることでろう付後に微細な金属間化合物として析出し、時効硬化により著しく芯材の強度を向上させる作用を有する。Mg含有量が0.1%未満では上記作用が十分に得られず、0.5%を超えるとろう付時にフラックスと反応し、ろう付け性が低下する。したがって、Mgを含有させる場合、Mg含有量は0.1〜0.5%とする。なお、同様の理由により、Mg含有量は、下限を0.15%、上限を0.45%とするのが望ましく、さらに下限を0.20%、上限を0.40%とするのが一層望ましい。
Mgは、Siと同時に含有させることでろう付後に微細な金属間化合物として析出し、時効硬化により著しく芯材の強度を向上させる作用を有する。Mg含有量が0.1%未満では上記作用が十分に得られず、0.5%を超えるとろう付時にフラックスと反応し、ろう付け性が低下する。したがって、Mgを含有させる場合、Mg含有量は0.1〜0.5%とする。なお、同様の理由により、Mg含有量は、下限を0.15%、上限を0.45%とするのが望ましく、さらに下限を0.20%、上限を0.40%とするのが一層望ましい。
Ti:0.02〜0.30%
Tiは、Al3Tiを形成して芯材の強度をさらに高める作用を有する。しかし、Ti含有量が、0.02%未満では上記作用が十分に得られず、0.30%を超えると巨大晶出物が生成し、鋳造性、圧延性などの製造性が低下する。したがって、Tiを含有させる場合、Ti含有量は0.02〜0.30%とする。なお、同様の理由により、Ti含有量は、下限を0.05%、上限を0.15%とするのが望ましい。
Tiは、Al3Tiを形成して芯材の強度をさらに高める作用を有する。しかし、Ti含有量が、0.02%未満では上記作用が十分に得られず、0.30%を超えると巨大晶出物が生成し、鋳造性、圧延性などの製造性が低下する。したがって、Tiを含有させる場合、Ti含有量は0.02〜0.30%とする。なお、同様の理由により、Ti含有量は、下限を0.05%、上限を0.15%とするのが望ましい。
2.ろう材
Si:5〜12%
Al−Si系合金ろう材のSi量は特に限定されるものではないが、5〜12%を好適例として示すことができる。
通常、ろう付熱処理は約600℃の温度で実施されるが、ろう付でチューブ造管を行なう熱交換器の場合、ろう材中のSi含有量を5〜12%の範囲に制御すると溶融ろうの供給量が最適となり、さらにろう付温度でろう材の一部が固相(初晶)となりろうの流動性が低下し、ろう付の安定性が向上する。ろう材中のSi含有量が5%未満であると、溶融ろうの量が不足するため接合部でろうの充填不良が発生し、一方、Si含有量が12%を超えると、ろう付温度でほとんど全てが液相となり過剰な溶融ろうが供給されてチューブにエロージョンが発生する。したがって、ろう材中のSi含有量を5〜12%とするのが望ましい。同様の理由により、Si含有量は、下限を6%、上限を11%とするのが一層望ましい。
Si:5〜12%
Al−Si系合金ろう材のSi量は特に限定されるものではないが、5〜12%を好適例として示すことができる。
通常、ろう付熱処理は約600℃の温度で実施されるが、ろう付でチューブ造管を行なう熱交換器の場合、ろう材中のSi含有量を5〜12%の範囲に制御すると溶融ろうの供給量が最適となり、さらにろう付温度でろう材の一部が固相(初晶)となりろうの流動性が低下し、ろう付の安定性が向上する。ろう材中のSi含有量が5%未満であると、溶融ろうの量が不足するため接合部でろうの充填不良が発生し、一方、Si含有量が12%を超えると、ろう付温度でほとんど全てが液相となり過剰な溶融ろうが供給されてチューブにエロージョンが発生する。したがって、ろう材中のSi含有量を5〜12%とするのが望ましい。同様の理由により、Si含有量は、下限を6%、上限を11%とするのが一層望ましい。
Zn:0.1〜5.0%
ろう材は、残部がAlと不可避不純物からなるものであってもよいが、その他の成分としてZnを0.1〜5.0%含有することができる。Znは、ろう材の電位を卑にし、芯材に対する犠牲陽極効果によって芯材に腐食が進行するのを防止する作用を有する。Zn含有量が0.1%未満では上記作用を十分に得ることができず、5.0%を超えると腐食速度が増大し過ぎる。したがって、Znを含有させる場合、Zn含有量は0.1〜5.0%とする。なお、同様の理由により、Zn含有量は、下限を0.5%、上限を4.5%とするのが望ましい。
ろう材は、残部がAlと不可避不純物からなるものであってもよいが、その他の成分としてZnを0.1〜5.0%含有することができる。Znは、ろう材の電位を卑にし、芯材に対する犠牲陽極効果によって芯材に腐食が進行するのを防止する作用を有する。Zn含有量が0.1%未満では上記作用を十分に得ることができず、5.0%を超えると腐食速度が増大し過ぎる。したがって、Znを含有させる場合、Zn含有量は0.1〜5.0%とする。なお、同様の理由により、Zn含有量は、下限を0.5%、上限を4.5%とするのが望ましい。
なお、上記ろう材のクラッド率は、特に限定されるものではないが、例えば5〜15%とすることができる。
3.皮材
皮材には、純度99.9%以上の純アルミニウムが用いられる。その他は不可避不純物である。純アルミニウムを用いることにより優れた耐食性を有することができる。
皮材には、純度99.9%以上の純アルミニウムが用いられる。その他は不可避不純物である。純アルミニウムを用いることにより優れた耐食性を有することができる。
上記皮材表面は、600℃のろう付相当熱処理後において、飽和カロメル電極(SCE)基準で孔食電位が−770mV以上(vs.SCE)であり、腐食電流密度が0.1mA/cm2以下である。孔食電位および腐食電流密度は、前記ろう付相当熱処理後に、pH3〜4、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中で測定されるアノード分極曲線およびカソード分極曲線の交点に基づいて得られるものである。
なお、本発明における600℃のろう付相当熱処理は、実際のろう付処理を想定した基準となるものであり、実際のろう付処理を規定するものではない。例えば580〜610℃程度の温度1〜10分加熱する熱処理である。
なお、本発明における600℃のろう付相当熱処理は、実際のろう付処理を想定した基準となるものであり、実際のろう付処理を規定するものではない。例えば580〜610℃程度の温度1〜10分加熱する熱処理である。
孔食電位:−770mV以上(vs.SCE)
孔食電位は、動電位分極測定において、孔食の発生(進展)に対応する腐食電流の急増が見られる限界電位と定義されている。孔食電位が−770mV(vs.SCE)未満であると、孔食抑制効果が得られない、一方、孔食電位が−770mV(vs.SCE)を超えると、電流密度の増加(腐食)が抑えられる。したがって、孔食電位は−770mV以上(vs.SCE)とする。
孔食電位は、動電位分極測定において、孔食の発生(進展)に対応する腐食電流の急増が見られる限界電位と定義されている。孔食電位が−770mV(vs.SCE)未満であると、孔食抑制効果が得られない、一方、孔食電位が−770mV(vs.SCE)を超えると、電流密度の増加(腐食)が抑えられる。したがって、孔食電位は−770mV以上(vs.SCE)とする。
腐食電流密度:0.1mA/cm2以下
腐食電流密度は、動電位分極測定において、得られたアノード分極曲線の交点における電流密度と定義される。腐食電流密度が0.1mA/cm2を超えると腐食速度は大きくなる。したがって、腐食電流密度は0.1mA/cm2以下とする。なお、同様の理由により、0.05mA/cm2以下であるのが望ましい。
腐食電流密度は、動電位分極測定において、得られたアノード分極曲線の交点における電流密度と定義される。腐食電流密度が0.1mA/cm2を超えると腐食速度は大きくなる。したがって、腐食電流密度は0.1mA/cm2以下とする。なお、同様の理由により、0.05mA/cm2以下であるのが望ましい。
ろう付後において上記のような孔食電位および腐食電流密度を皮材表面が有することにより、熱交換器の使用環境下において、クラッド材の表面腐食を抑制することができ、腐食ピットを低減することができる。腐食ピットには、熱交換器において繰り返し応力が負荷される際に応力が集中する。このように応力が集中する腐食ピットを低減することにより、熱交換器用アルミニウム合金クラッド材のろう付後における耐圧強度を向上して優れた低サイクル疲労特性を得ることができる。
皮材の厚さ:50μm以上
皮材の厚さが50μm未満であるとろう付処理により芯材からの元素拡散が顕著であり所望の耐食性が得られない。したがって、皮材の厚さは50μm以上とする。
皮材の厚さが50μm未満であるとろう付処理により芯材からの元素拡散が顕著であり所望の耐食性が得られない。したがって、皮材の厚さは50μm以上とする。
以上説明したように、本発明によれば、優れた低サイクル疲労特性を得ることができ、繰り返し負荷に対する耐性に優れた熱交換器が得られる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
芯材用アルミニウム合金として、質量%で、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、所望によりMg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.30%の1種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成に調製する。
また、ろう材用アルミニウム合金として、Al−Si系合金を調製する。ろう材用アルミニウム合金は、さらに、質量%でZn:0.1〜5.0%を含有するものであってもよい。ろう材用アルミニウム合金としては、例えばJIS A 4343合金、4047合金、4045合金、4343合金、4047合金等にZnを含有する合金、またMg、Cu、Li等を含有する合金を用いることができる。
また、皮材用アルミニウム合金として、純度が99.9%以上の純アルミニウム組成に調製する。
芯材用アルミニウム合金として、質量%で、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、所望によりMg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.30%の1種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成に調製する。
また、ろう材用アルミニウム合金として、Al−Si系合金を調製する。ろう材用アルミニウム合金は、さらに、質量%でZn:0.1〜5.0%を含有するものであってもよい。ろう材用アルミニウム合金としては、例えばJIS A 4343合金、4047合金、4045合金、4343合金、4047合金等にZnを含有する合金、またMg、Cu、Li等を含有する合金を用いることができる。
また、皮材用アルミニウム合金として、純度が99.9%以上の純アルミニウム組成に調製する。
芯材素材の一方の面にろう材を重ね合わせ、芯材素材の他方の面に皮材素材を重ね合わせて熱間圧延、冷間圧延を行ってクラッドする。
冷間圧延後、200〜280℃×3〜12時間の加熱に最終焼鈍を行う。
冷間圧延後、200〜280℃×3〜12時間の加熱に最終焼鈍を行う。
上記工程を経ることにより、図1(a)に示すように、芯材2の一方の面にろう材3がクラッドされ、他方の面に皮材4がクラッドされた熱交換器用のアルミニウム合金クラッド材1が得られる。得られたアルミニウム合金クラッド材1では、600℃のろう付相当熱処理後において、皮材4表面が、pH3〜4、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中で測定されたアノード分極曲線およびカソード分極曲線に基づいて得られる孔食電位および腐食電流密度について、孔食電位が−770mV以上(vs.SCE)、腐食電流密度が0.1mA/cm2以下になっている。
アルミニウム合金クラッド材1は、熱交換器のチューブ、ヘッダ、タンクとして用いることができ、好適には、タンクとして用いることができる。
例えば、図1(b)に示すように、皮材を内側にしてアルミニウム合金クラッド材1を型形状に折り曲げ、それら両側部をろう付により接合した熱交換器用チューブ10が得られる。
例えば、図1(b)に示すように、皮材を内側にしてアルミニウム合金クラッド材1を型形状に折り曲げ、それら両側部をろう付により接合した熱交換器用チューブ10が得られる。
半連続鋳造により、芯材用アルミニウム合金、ろう材用アルミニウム合金、および皮材用アルミニウム合金をそれぞれ鋳造した。各アルミニウム合金の組成を表1に示す。なお、芯材用アルミニウム合金の組成および皮材用アルミニウム合金の組成については、残部がAlおよび不可避不純物である。また、ろう材用アルミニウム合金の組成については、表1に示すZnのほかにSiを8質量%含有し、残部がAlおよび不可避不純物である。
上記で得られた芯材素材および皮材素材について、480℃の条件で均質化処理を実施した。芯材素材の一方の面にろう材素材を重ね合わせ、芯材素材の他方の面に皮材素材を重ね合わせて、熱間圧延、冷間圧延によりクラッド材とした。クラッド材のクラッド率は、皮材:芯材:ろう材=10%:80%:10%とした。
上記のようにして得られた供試材について、以下の項目について評価を行った。
(孔食電位および腐食電流密度)
上記供試材について600℃、3分のろう付相当熱処理を実施した後、15mm×60mmの試験片を作製した。作製した試験片について、測定面積を1cm2を暴露し、それ以外はマスキングで保護し、前処理を行った後、分極測定を実施した。分極測定前の前処理としては、試験片を温度50℃の5%NaOH水溶液に30秒浸漬し、その後、温度25℃の30%HNO3水溶液に60秒浸漬した。分極測定では、pH3、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中に試験片を5分浸漬し自然電位が安定した後、掃引速度0.5mV/sで電位を上昇させてアノード分極測定を実施し、これによりアノード分極曲線を得た。
また、自然電位から電位を同掃引速度で下降させてカソード分極測定を実施し、これによりカソード分極曲線を得た。これらアノード分極曲線およびカソード分極曲線を図2に示す。
得られたアノード分極曲線において、著しく電流密度が増加し、増加率が小さくなる転換点の電位を孔食電位とし、アノード分極曲線およびカソード分極曲線の交点における電流密度を腐食電流密度とした。
上記供試材について600℃、3分のろう付相当熱処理を実施した後、15mm×60mmの試験片を作製した。作製した試験片について、測定面積を1cm2を暴露し、それ以外はマスキングで保護し、前処理を行った後、分極測定を実施した。分極測定前の前処理としては、試験片を温度50℃の5%NaOH水溶液に30秒浸漬し、その後、温度25℃の30%HNO3水溶液に60秒浸漬した。分極測定では、pH3、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中に試験片を5分浸漬し自然電位が安定した後、掃引速度0.5mV/sで電位を上昇させてアノード分極測定を実施し、これによりアノード分極曲線を得た。
また、自然電位から電位を同掃引速度で下降させてカソード分極測定を実施し、これによりカソード分極曲線を得た。これらアノード分極曲線およびカソード分極曲線を図2に示す。
得られたアノード分極曲線において、著しく電流密度が増加し、増加率が小さくなる転換点の電位を孔食電位とし、アノード分極曲線およびカソード分極曲線の交点における電流密度を腐食電流密度とした。
(疲労強度)
上記供試材について600℃、3分のろう付相当熱処理を実施した後、疲労試験片(JIS Z 2275 1号試験片)を作製した。この試験片を常温にてクラッド材の内面皮材側平坦部に周波数20Hzにて一定応力(70MPa)を繰り返し負荷する片振り平面曲げ疲労試験(JIS Z 2275に準拠)を実施し、クラッド材の破断寿命を測定した。測定された破断寿命が200万回以上を◎と評価し、100万回以上200万回未満を○と評価し、100万回未満を×と評価した。評価結果を表1に示す。
上記供試材について600℃、3分のろう付相当熱処理を実施した後、疲労試験片(JIS Z 2275 1号試験片)を作製した。この試験片を常温にてクラッド材の内面皮材側平坦部に周波数20Hzにて一定応力(70MPa)を繰り返し負荷する片振り平面曲げ疲労試験(JIS Z 2275に準拠)を実施し、クラッド材の破断寿命を測定した。測定された破断寿命が200万回以上を◎と評価し、100万回以上200万回未満を○と評価し、100万回未満を×と評価した。評価結果を表1に示す。
(ろう付性)
上記供試材について、逆T字型流動性試験によりろう付性を評価した。当該クラッド材を垂直材とし、板厚1mmのA3003合金を水平材としてSUSワイヤーにて組み付けて600℃、3分のろう付熱処理を実施した。ろう付熱処理後に垂直材と水平材の接合部にてろう付性良好なものを○を評価し、接合部不十分(流動ろう不足、エロージョン過多等)なものを×と評価した。評価結果を表1に示す。
上記供試材について、逆T字型流動性試験によりろう付性を評価した。当該クラッド材を垂直材とし、板厚1mmのA3003合金を水平材としてSUSワイヤーにて組み付けて600℃、3分のろう付熱処理を実施した。ろう付熱処理後に垂直材と水平材の接合部にてろう付性良好なものを○を評価し、接合部不十分(流動ろう不足、エロージョン過多等)なものを×と評価した。評価結果を表1に示す。
1 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材
2 芯材
3 ろう材
4 皮材
10 熱交換器用チューブ
2 芯材
3 ろう材
4 皮材
10 熱交換器用チューブ
Claims (5)
- Al−Mn系アルミニウム合金芯材の一方の面にAl−Si系合金ろう材がクラッドされ、前記芯材の他方の面に厚さ50μm以上で99.9%以上のAlを含有する純アルミニウム皮材がクラッドされた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材であって、600℃のろう付相当熱処理後における前記皮材表面が、pH3〜4、温度40℃の2.67%AlCl3水溶液中で測定されたアノード分極曲線およびカソード分極曲線に基づいて得られた孔食電位および腐食電流密度において、前記孔食電位で−770mV以上(vs.SCE)、前記腐食電流密度で0.1mA/cm2以下であることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記孔食電位および前記腐食電流密度が前記アノード分極曲線および前記カソード分極曲線に基づいて外挿法により得られたものであることを特徴とする請求項1記載の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記アルミニウム合金芯材が、質量%で、Mn:1.0〜2.0%、Cu:0.1〜1.0%、Si:0.3〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記芯材が、さらに、質量%で、Mg:0.1〜0.5%、Ti:0.02〜0.3%のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求項3に記載の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記ろう材が、さらに、質量%でZn:0.1〜5.0%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
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| JP2012283701A JP2014125657A (ja) | 2012-12-26 | 2012-12-26 | 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3178951A1 (en) | 2015-12-09 | 2017-06-14 | Denso Automotive Deutschland GmbH | Aluminium aloy, semi-manufactured product, especially for manufacturing block joints, method for making such a semi-manufactured product and respective block joint |
| JP2018154890A (ja) * | 2017-03-21 | 2018-10-04 | 三菱アルミニウム株式会社 | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 |
| WO2024258091A1 (ko) * | 2023-06-13 | 2024-12-19 | 성균관대학교산학협력단 | 열 교환기 및 그 제조 방법 |
-
2012
- 2012-12-26 JP JP2012283701A patent/JP2014125657A/ja active Pending
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