JP2014128233A - 乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】調理製造時の加熱では溶けてしまうことがなく、最終調理場面での加熱によりジューシーな食感をハンバーグなどの食品及び冷凍食品に与えることが可能な乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品を提供する。
【解決手段】サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品である。また、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを含み、アルカリを添加して使用することを特徴とする乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品である。
【選択図】なし
【解決手段】サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品である。また、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを含み、アルカリを添加して使用することを特徴とする乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品である。
【選択図】なし
Description
本発明は、よりジューシーな食感をハンバーグなどの食品及び冷凍食品に与えることが可能な乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品に関する。
冷凍流通・保存が発達した今日、様々な食品や食材が冷凍品で流通し末端の消費者まで届けられている。また、女性の社会進出や社会のスピードの変化から、内食・中食・外食と食の場面も多様化し、家庭での調理時間も少なくなり、最終調理形態やそれに近い加工食品も冷凍食品として多く作られている。さらに、近年、核家族化や高齢化に伴い、給食や宅配サービス食などとして、弁当や惣菜などの調理完成品での用途も増えている。食品流通として、これらの弁当や惣菜も冷凍保管され流通されるケースが多い。このような状況下において、冷凍食品の食感の向上が求められており、例えば、餃子や小籠包、ロールキャベツ、ハンバーグなどの冷凍食品については、よりジューシーな食感が求められている。特に、小籠包などは加熱時に肉汁が出来るだけ多いことが好まれている。
冷凍食品の食感を向上させるものとして、様々な研究がされている。例えば、特許文献1には、ゼラチン及びジェランガムを含むゼリーが分散混入されてなることを特徴とする食肉加工食品が記載され、ジェランガムのうち、特にネイティブ型ジェランガムを使用することで冷凍耐性に優れ、冷凍食品に優れるゼリーとなり、冷凍食品に応用できるというメリットがあることが記載されている。また、特許文献2には、寒天、ゼラチン、及びカラギナンから選ばれる少なくとも1種とヒアルロン酸及び/又はその塩とを含むゲル状物を中種に配合することを特徴とする肉含有包子が記載されている。
さらに、特許文献3には、蛋白素材中に、ゼラチン、寒天、カラギナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロースから選択された2種以上のハイドロコロイド、油脂及び水分を含有する乳化物が存在することを特徴とする加熱後に喫食する冷凍食品用の食感改良用乳化組成物が記載されている。また、特許文献4には、生地中に最大径1〜15mmの多糖類性含水ゲルが分散してなる冷凍食品が記載されている。
しかしながら、冷凍食品の場合、最終調理場面での加熱(喫食時の加熱)でジューシー感を付与しようとしても、冷凍以前の弁当や惣菜など加工食品としての調理製造時の加熱でゲルが溶けてしまい喫食時の加熱の際までゲルの形状を保てないという問題がある。また、逆に、調理製造時に加熱してもゲルが溶けないように耐熱性をつけると、用時に料理し食する場合にゲルが溶けずジューシー感を付与できないという問題がある。
また、特許文献1に記載されたジェランガムやアルギン酸ナトリウムのゲルは、混合される食品中のミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)に影響されて、バラツキや加工適正にも問題がある。さらにそのゲルが糊状感を有し好ましい食味にならないという問題もある。さらにネイティブ型ジェランガムは、冷凍耐性があるため冷凍解凍後の離水がなくジューシー感に劣るという問題がある。また、ゼリーに油脂が含まれていないため味的にジューシー感に物足りないものがあった。さらにまた、ゲルに油脂を含ませることは乳化作用が不十分なため行うことができないという問題もある。
特許文献2に記載されたものは、冷凍食品を想定していないため、通常の寒天を使用しており加熱調理時に寒天が完全に溶解してしまう。このため、過剰にドリップが生じてしまい中種への染み込みが避けられないという問題がある。さらに、冷凍解凍により冷凍変性したゲルが喫食時に糊状感を有するという問題がある。
特許文献3に記載された加熱により蛋白が凝固して破断強度500g/cm2以下の脆い熱不可逆性のゲルを冷凍解凍したものは、組織が残り食感に影響してしまうという問題がある。
特許文献4に記載されたものは、保形性を持たせるための使用濃度で用いると冷凍解凍後の離水量が少なく、また冷凍解凍後のゲルも組織がしっかりしており食感に違和感を与えてしまうという問題がある。さらに、ゼリーに油脂が含まれていないため味的にジューシー感に物足りないものがあった。さらにまた、ゲルに油脂を含ませることは乳化作用が不十分なため行うことができないという問題もある。
したがって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、調理製造時の加熱では溶けてしまうことがなく、最終調理場面での加熱によりジューシーな食感をハンバーグなどの食品及び冷凍食品に与えることが可能な乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、サイクロデキストリンと改質コンニャクマンナン又はコンニャクマンナンとを含む乳化物を作製し、この乳化物を冷凍食品の具材に添加することで、調理製造時の加熱では溶けてしまうことがなく、最終調理場面での加熱によりジューシーな食感をハンバーグなどの食品及び冷凍食品に与えることができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする乳化用組成物に関する。さらに、本発明は、水と油とを乳化させた乳化物であって、サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする乳化物に関する。
また、本発明は、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを含み、アルカリを添加して使用することを特徴とする乳化用組成物に関する。さらに、本発明は、水と油とを乳化させた乳化物であって、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを水に溶解・膨潤させた膨潤液と、アルカリ溶液と、油とを乳化させたことを特徴とする乳化物に関する。
さらにまた、本発明は、上記乳化物を含むことを特徴とする食品及び冷凍食品に関する。
以上のように、本発明によれば、調理製造時の加熱では溶けてしまうことがなく、最終調理場面での加熱によりジューシーな食感をハンバーグなどの食品及び冷凍食品に与えることが可能な乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品を提供することができる。
本発明は、ハンバーグ等の食品及び冷凍食品に添加してジューシー感を与える乳化物を提供することを目的とする。この乳化物は、冷凍食品の調理製造時の加熱では乳化が安定していて油を保持しているが、冷凍することにより乳化が破壊し、喫食時の加熱においては油が流出し冷凍食品にジューシー感を与えることができるものである。本発明において、「調理製造時の加熱」とは、食品及び冷凍食品を製造する時に行う調理加熱のことであり、具体的には、80℃以上で具材を調理する加熱を示す。また、「乳化が安定」しているとは、乳化状態が破壊されずに乳化状態を保っており、具体的には、80℃以上で加温して品温が80℃に達した時に乳化物から生じる液体が加熱前の乳化物の20%以下であることをいう。また、「乳化が破壊」するとは、乳化物を冷凍解凍することにより乳化が破壊されて乳化物の成分である水と油が分離して乳化物から流出する現象であり、具体的には、乳化物を冷凍させた冷凍物を60℃以上に加温して品温が60℃に達したときに乳化物から生じる液体が冷凍前の乳化物の40%以上であることをいう。本発明の乳化物は、後述するように、本発明の乳化用組成物を水に溶解・膨潤させた膨潤液と油とを攪拌し乳化させることにより製造することができる。
まず、本発明の乳化用組成物について説明する。本発明の乳化用組成物は、サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする。より具体的には、水と油とを含む乳化物を乳化させる乳化用組成物であって、サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含み、加熱時には乳化が安定しているが冷凍解凍により乳化が破壊される乳化物を形成させることを特徴とする乳化用組成物である。上記加熱は、上記調理製造時の加熱と同様に、80℃以上での加熱を示す。また、冷凍解凍とは、加熱後の乳化物を乳化物が冷凍する温度(0℃以下)で冷凍させ、その後、0℃より高い温度にて解凍させる工程である。また、本発明の乳化用組成物は、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを含み、アルカリを添加して使用することを特徴とする。より具体的には、水と油とを含む乳化物を乳化させる乳化用組成物であって、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを含み、さらにアルカリを添加して使用することにより、加熱時には乳化が安定しているが冷凍解凍により乳化が破壊される乳化物を形成させることを特徴とする乳化用組成物である。
本発明の乳化用組成物に用いられるコンニャクマンナン(グルコマンナン)は、改質されたコンニャクマンナンを使用することが好ましい。改質コンニャクマンナンとは、こんにゃく粒の膨潤を抑制した状態で、こんにゃく粉がアルカリ溶液とともに加熱処理されて改質された改質こんにゃく粉であって、水に分散して分散液とした後に加熱処理又は撹拌処理されるとゲル化するように調製されることにより、高いゲル強度を有し、かつpHの低いゲル化物を容易に得ることができるコンニャクマンナンである。すなわち、こんにゃく粒の膨潤を抑制した状態で、こんにゃく粉がアルカリ溶液とともに加熱処理されて改質された改質こんにゃく粉であって、水に分散して分散液とした後に加熱処理又は撹拌処理されるとゲル化するように調製されていることを特徴とする改質こんにゃく粉であり、改質コンニャクマンナンは、例えば特開2011−072304に記載された方法により作製されたものであれば、いずれも使用することができる。改質コンニャクマンナンの特徴は、水に膨潤後に撹拌するだけで熱不可逆性のゲルを作製できることであり、膨潤液をアルカリ性にする必要がなく中性でコンニャク様ゲルが作製できることである。製品としては、商品名:ウルトラマンナン(伊那食品工業株式会社製)などが挙げられる。また、改質されたコンニャクマンナンを使用しなくても、通常のコンニャクマンナンを水に膨潤させた後アルカリを添加し、熱不可逆性のゲルを作製してもよい。
また、本発明の乳化用組成物に用いられるサイクロデキストリンは、重合度6のα−サイクロデキストリン、重合度7のβ−サイクロデキストリン、及び重合度8のγ−サイクロデキストリンのうち少なくとも1以上が好ましいが、水への溶解度が高いα−サイクロデキストリンが特に好ましい。サイクロデキストリンは、一般に市販されているものを用いることができる。本発明におけるサイクロデキストリンの特徴は、他の乳化剤に比べ保形性のある乳化物を作製できることにある。保形性を有することにより、ハンバーグなどの具材に添加した場合、液体のように完全に混ざることが無く不定形の小さな塊りとして混合される。そのため、喫食時の加温により生じた液体状の油がその塊りの部分に局在して存在するようになるために濃厚なジューシー感を得ることができるのである。
本発明の乳化用組成物において、上記改質コンニャクマンナン又はコンニャクマンナンとサイクロデキストリンとの混合比率は、1:0.01〜70が好ましく、1:0.1〜10がより好ましい。上記比率よりも改質コンニャクマンナン又はコンニャクマンナンが多すぎると乳化力が弱くなり、サイクロデキストリンが多すぎると乳化物の耐熱性が悪くなるため好ましくない。
また、本発明においては、乳化物の物性(調理製造時には耐熱性があり、冷凍解凍により乳化破壊がおこる)を損なわない範囲内において添加物を加えてもよい。添加物としては、多糖類、他の乳化剤、色素、香料、調味料、糖類、塩類、機能性素材等が挙げられる。多糖類としては、寒天、低強度寒天、カラギナン、澱粉、乳化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸化澱粉、アセチル化澱粉、酸化澱粉などの加工澱粉、フェヌグリークガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、カシアガム、キサンタンガム、加熱処理され改質されたキサンタンガム、サクシノグリカン、ゼラチン、水溶性ゼラチン、タマリンドガム、ペクチン、セルロース、CMC−Na、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、大豆多糖類、プルラン、アルギン酸Na、カードラン、ジェランガム、ネーティブジェランガムなどが挙げられる。多糖類の添加により、乳化物の保形性を調整したり乳化を補助することができる。他の乳化剤としては、食品に一般的に使用されるものであれば良く、たとえば、レシチン、カゼインNa、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。乳化剤の添加により、本発明による乳化作用を補助することができる。色素、香料、調味料、糖類、塩類、機能性素材は、一般的に食品に使用されるものであればいずれも使用することができ、乳化物に色、におい、味をつけることができ、更に機能性素材を添加することにより付加価値の高い商品を作ることができる。
次に、改質コンニャクマンナンとサイクロデキストリンを使用した乳化物の製造方法の例としては、水にサイクロデキストリン、改質コンニャクマンナン、及び添加物を溶解又は膨潤させた後、その膨潤液に油を加え乳化機等を使用して撹拌して乳化物を得る。この乳化物は、食品及び冷凍食品の具材に添加して使用する。乳化用組成物として改質コンニャクマンナンを使用することにより、アルカリを加えなくても熱不可逆性の乳化物が作製でき、食品の風味等を損なうことがないため好ましい。
また、通常のコンニャクマンナンとサイクロデキストリンを使用した乳化物の製造方法の例としては、水にサイクロデキストリン、コンニャクマンナン、及び添加物を溶解又は膨潤させた後、その膨潤液にアルカリ溶液及び油を加え乳化機等を使用して撹拌して乳化物を得る。アルカリ溶液及び油は、アルカリ溶液を先に加えても、油を先に加えても、両者を同時に加えても良い。また、水と油の混合溶液にサイクロデキストリン、コンニャクマンナン、及び添加物を溶解または膨潤させてからアルカリ溶液を加え乳化機等で乳化を行っても良い。さらにまた、アルカリ溶液は乳化後に添加しても良い。アルカリ溶液に用いられるアルカリ物質としては、特に限定は無いが、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸2カリウム、リン酸3カリウム等が挙げられる。この乳化物は、具材に混ぜる前に加熱処理を行い熱不可逆性とした後具材に混ぜるか、加熱処理前に具材に加えて、調理製造時の加熱で熱不可逆性にすることもできる。
αまたはγ−サイクロデキストリンの使用量は、乳化物に対し0.05重量%〜10重量%が好ましく、0.3重量%〜5重量%が特に好ましい。また、β−サイクロデキストリンの場合の使用量は、乳化物に対し0.1重量%〜1.8重量%が好ましい。サイクロデキストリンが少なすぎると乳化が不十分であり保形性も悪くなる。逆に多すぎると、保形性が高すぎ作業が困難となる。
改質コンニャクマンナン又はコンニャクマンナンの使用量は、乳化物に対し0.05重量%〜5重量%が好ましく、0.1重量%〜2重量%が特に好ましい。改質コンニャクマンナンまたはコンニャクマンナンが少なすぎると、耐熱性が得られず保形性も悪くなる。逆に多すぎると、ゲル化が強すぎて均一で良好な乳化物が得られない。
また、添加物として使用する多糖類の添加量は、乳化物に対し、0.1重量%〜10重量%が好ましい。その他の添加物は、使用目的を考慮し適切量を使用する。
また、乳化に使用する油は、食用油であれば種類を選ばない。一般に市販されている油であればよく、サラダ油、菜種油(キャノーラ油)、大豆油、米油、オリーブ油、ひまわり油、綿実油、アボガド油、ゴマ油、パーム油、ラード、牛脂、中鎖脂肪酸などが挙げられる。
乳化は、通常行われる乳化方法で行うことができる。たとえば、高速撹拌式、ゴーリン式、コロイドミル式などが挙げられる。また、乳化するときの水と油の比率は、1:0.05〜9が好ましい。
本発明の乳化物が加熱調理時には耐熱性を有するが、冷凍解凍により乳化破壊を起こし、喫食時に加温することにより油及び水を出しジューシー感を与えるメカニズムは、次のようである。サイクロデキストリンには乳化効果があるため油を乳化することができる。しかし、サイクロデキストリンのみを使用した乳化物は、耐熱性が無く調理時の加熱で乳化破壊してしまう。そのため、熱不可逆性のゲルを作製する改質コンニャクマンナン、またはコンニャクマンナンとアルカリ(脱アセチルにより熱不可逆)を併用すると相乗効果により耐熱性が付与され、調理時の乳化破壊が起こり難くなる。これらコンニャクマンナンの脱アセチル化したゲル化物(コンニャク状)は、冷凍解凍性が悪く、冷凍することによりゲル構造が破壊されてしまう。そのため乳化状態も破壊され、水と油が分離して具材に浸透しジューシー感を与えることができる。
以上より、本発明の乳化物は、ハンバーグ、小籠包、餃子、春巻き、焼売、肉まん、メンチカツ、はんぺん、しんじょ、つみれ、揚げかまぼこ、ソーセージ、魚肉ソーセージなどの冷凍食品の食感改良剤として好適に用いることができる。本発明の乳化物を冷凍食品の食感改良剤として用いる場合、食品に対し2重量%〜60重量%が好ましい。2重量%未満では冷凍解凍後のジューシー感が得られず、60重量%を超えると冷凍解凍後に生じる油と水の量が多すぎ本来の味や風味を損なうため好ましくない。
さらに、本発明の乳化物は、加熱調理時に耐熱性を有しゲル構造が破壊されにくくされているが、食感に違和感を与えるものではない。そのため、冷凍食品のみならず、通常の食品、例えばハンバーグなどの具材に添加して加熱調理することにより、水や油が溶け出すことが無いため見かけの重量が増し、さらに油も含有するため濃厚感があり、通常の食品の増量剤としても好適に使用することができる。本発明の乳化物を通常の食品の増量剤として用いる場合、食品に対し3重量%〜50重量%が好ましい。3重量%未満では、濃厚感が得られず、50重量%を超えると増量剤の量が多すぎ本来の味や風味を損なうため好ましくない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
(実験例1:乳化物の作製、改質コンニャクマンナン使用、作製量1000g)
表1に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを溶解・膨潤させた。これに油を添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。乳化物の評価は、まず、乳化直後の乳化状態を観察し、保形性を、◎:ペースト状である、○:ペースト状であるが◎より悪い、×:液状または粘性はあるが液状、で評価した。次に、この乳化物100gを耐熱性密閉容器に充填し、100℃に30分間加熱処理し状態を観察した。また生じた液体部分(水と油の混合液)を回収し重量を測定した。さらに、加熱処理した乳化物を冷凍し、60℃に加温して解凍した際に発生した液体(水と油の混合液)の重量を測定した。結果を表2に示す。
表1に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを溶解・膨潤させた。これに油を添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。乳化物の評価は、まず、乳化直後の乳化状態を観察し、保形性を、◎:ペースト状である、○:ペースト状であるが◎より悪い、×:液状または粘性はあるが液状、で評価した。次に、この乳化物100gを耐熱性密閉容器に充填し、100℃に30分間加熱処理し状態を観察した。また生じた液体部分(水と油の混合液)を回収し重量を測定した。さらに、加熱処理した乳化物を冷凍し、60℃に加温して解凍した際に発生した液体(水と油の混合液)の重量を測定した。結果を表2に示す。
以上のように、実施例に係る乳化物は、100℃,30分処理でも乳化は安定していて生じた液体は少なったが、冷凍により乳化が破壊され生じた液体の量は多かった。サイクロデキストリンは、α−サイクロデキストリンの効果が最も良かった。
(実験例2:乳化物の作製、通常のコンニャクマンナン使用、作製量1000g)
表3に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを溶解・膨潤させた。これに油、少量の水で分散した水酸化カルシウムを添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。評価は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
表3に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを溶解・膨潤させた。これに油、少量の水で分散した水酸化カルシウムを添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。評価は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
以上のように、通常のコンニャクマンナンを使用した場合においても、実施例に係る乳化物は、100℃,30分処理でも乳化は安定していて生じた液体は少なったが、冷凍により乳化が破壊され生じた液体の量は多かった。サイクロデキストリンは、α−サイクロデキストリンの効果が最も良かった。
(実験例3:添加剤を添加)
表5に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン、改質コンニャクマンナン及び添加剤を溶解・膨潤させた。ただし、多糖類を添加する場合において、熱水溶解性の多糖類を使用する場合は、半量の水にサイクロデキストリンと多糖類を熱水溶解させ冷却し、残り半量の水に改質コンニャクマンナンを膨潤させ、室温にてこれらを混合した。これに油を添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。評価は、実験例1と同様に行った。結果を表6に示す。
表5に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン、改質コンニャクマンナン及び添加剤を溶解・膨潤させた。ただし、多糖類を添加する場合において、熱水溶解性の多糖類を使用する場合は、半量の水にサイクロデキストリンと多糖類を熱水溶解させ冷却し、残り半量の水に改質コンニャクマンナンを膨潤させ、室温にてこれらを混合した。これに油を添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。評価は、実験例1と同様に行った。結果を表6に示す。
実施例7〜17の保形性は、実施例1よりあり、良好であった。
(実験例4:配合割合,油の量)
表7に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを溶解・膨潤させた。これに油を添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。評価は、実験例1と同様に行った。結果を表8に示す。
表7に示す配合にて乳化物を作製した。具体的には、水にサイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを溶解・膨潤させた。これに油を添加し室温にて高速撹拌機(TKホモミキサー、マークII fモデル、3000rpm、2分、特殊機械社製)を使用して乳化を行った。評価は、実験例1と同様に行った。結果を表8に示す。
実施例18の乳化状態は良好であったが、実施例19〜24に比べ若干悪かった。
(実験例5:冷凍食品(ハンバーグ)に添加)
実施例1、7、8、9で作製した乳化物をハンバーグの具材に20重量%添加してハンバークの餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、電子レンジで加温し60℃にて喫食した。同様に乳化物を添加しないハンバーグも同様に作製した。その結果、実施例1、7、8、9の乳化物を添加したハンバーグは無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに冷凍前の加熱調理時においても無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
実施例1、7、8、9で作製した乳化物をハンバーグの具材に20重量%添加してハンバークの餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、電子レンジで加温し60℃にて喫食した。同様に乳化物を添加しないハンバーグも同様に作製した。その結果、実施例1、7、8、9の乳化物を添加したハンバーグは無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに冷凍前の加熱調理時においても無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
(実験例6:冷凍食品(小籠包)に添加)
実施例1〜6で作製した乳化物を小籠包の具材に30重量%添加して小籠包の餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、蒸し器にて加温し60℃にて喫食した。同様に比較例2で作製した不完全な乳化物を添加した小籠包、乳化物を添加しない小籠包も同様に作製した。その結果、実施例1〜6の乳化物を添加した小籠包は、比較例2添加のもの、無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに、冷凍前の加熱調理時においても比較例2添加のもの、無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
実施例1〜6で作製した乳化物を小籠包の具材に30重量%添加して小籠包の餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、蒸し器にて加温し60℃にて喫食した。同様に比較例2で作製した不完全な乳化物を添加した小籠包、乳化物を添加しない小籠包も同様に作製した。その結果、実施例1〜6の乳化物を添加した小籠包は、比較例2添加のもの、無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに、冷凍前の加熱調理時においても比較例2添加のもの、無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
(実験例7:冷凍食品(春巻き)に添加)
実施例10〜17で作製した乳化物を春巻きの具材に20重量%添加して春巻きの餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、電子レンジで加温し60℃にて喫食した。同様に比較例2で作製した不完全な乳化物を添加した春巻き、乳化物を添加しない春巻きも同様に作製した。その結果、実施例10〜17の乳化物を添加した春巻きは比較例2添加のもの、無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに、冷凍前の加熱調理時においても比較例2添加のもの、無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
実施例10〜17で作製した乳化物を春巻きの具材に20重量%添加して春巻きの餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、電子レンジで加温し60℃にて喫食した。同様に比較例2で作製した不完全な乳化物を添加した春巻き、乳化物を添加しない春巻きも同様に作製した。その結果、実施例10〜17の乳化物を添加した春巻きは比較例2添加のもの、無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに、冷凍前の加熱調理時においても比較例2添加のもの、無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
(実験例8:冷凍食品(餃子)に添加)
実施例18〜24で作製した乳化物を餃子の具材に10重量%添加して餃子の餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、電子レンジで加温し60℃にて喫食した。同様に比較例2で作製した不完全な乳化物を添加した餃子、乳化物を添加しない餃子も同様に作製した。その結果、実施例18〜24の乳化物を添加した餃子は比較例2添加のもの、無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに冷凍前の加熱調理時においても比較例2添加のもの、無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
実施例18〜24で作製した乳化物を餃子の具材に10重量%添加して餃子の餡を作製した。これを通常通り加熱調理後、冷凍した。冷凍後、電子レンジで加温し60℃にて喫食した。同様に比較例2で作製した不完全な乳化物を添加した餃子、乳化物を添加しない餃子も同様に作製した。その結果、実施例18〜24の乳化物を添加した餃子は比較例2添加のもの、無添加のものに比べ、加熱調理時の離水が無く、また喫食時においては非常に濃厚なジューシー感のあるものになった。さらに冷凍前の加熱調理時においても比較例2添加のもの、無添加のものに比べ味が劣ることは無く増量剤としても有効であった。
Claims (6)
- サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする乳化用組成物。
- 水と油とを乳化させた乳化物であって、サイクロデキストリン及び改質コンニャクマンナンを含むことを特徴とする乳化物。
- サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを含み、アルカリを添加して使用することを特徴とする乳化用組成物。
- 水と油とを乳化させた乳化物であって、サイクロデキストリン及びコンニャクマンナンを水に溶解・膨潤させた膨潤液と、アルカリ溶液と、油とを乳化させたことを特徴とする乳化物。
- 請求項2又は4記載の乳化物を含むことを特徴とする食品。
- 請求項2又は4記載の乳化物を含むことを特徴とする冷凍食品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012288430A JP2014128233A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012288430A JP2014128233A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014128233A true JP2014128233A (ja) | 2014-07-10 |
Family
ID=51407309
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2012288430A Pending JP2014128233A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 乳化用組成物及びそれが含有された乳化物、並びにその乳化物が含有された食品及び冷凍食品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014128233A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016071532A1 (de) * | 2014-11-07 | 2016-05-12 | Frutarom Savory Solutions Gmbh | Verwendung von alpha-cyclodextrin bei der herstellung von lebensmitteln |
-
2012
- 2012-12-28 JP JP2012288430A patent/JP2014128233A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016071532A1 (de) * | 2014-11-07 | 2016-05-12 | Frutarom Savory Solutions Gmbh | Verwendung von alpha-cyclodextrin bei der herstellung von lebensmitteln |
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