JP2014129181A - エレベータのロープ状態モニタ方法および装置 - Google Patents

エレベータのロープ状態モニタ方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エレベータのロープ状態モニタにおける改善された方法および装置を提示。
【解決手段】エレベータのロープ状態モニタ方法において、少なくとも、エレベータの懸架ロープおよび/または伝動ロープ(R)の第1の点(R’)と第2の点(R”)の間の電気抵抗の1回目の測定を行ない、この測定に基づいて閾値を決定し、エレベータを乗客および/または物品の輸送に使用し、懸架ロープおよび/または伝動ロープ(R)の第1の点(R’)と第2の点(R”)の間の電気抵抗の2回目の測定を行ない、2回目の測定結果を閾値と比較し、2回目の測定が閾値に一致すると、所定の動作を行なう。本発明は、エレベータのロープ状態モニタ装置にも関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗客および/または物品の輸送に適したエレベータのロープ状態モニタ方法および装置を対象とする。
エレベータシステムにおいて、懸架ロープおよび伝動ロープは、エレベータかご、釣合い重りもしくはその両方を支持および/または動かすのに使用される。エレベータロープは一般に、金属線もしくは金属繊維から撚り出して作られ、実質的に円形の断面形状を有する。金属ロープの問題点は、金属の材料特性が故にその引張り剛性および引張り強さに比べて重量が大きく、また太いことである。
巻上げ機械用の懸架ロープの幅がロープの横断方向の厚さより広い軽量懸架ロープも公知である。このロープは複合材料で作られた負荷支持部を含み、複合材料は、ポリママトリックス材内に非金属強化繊維を含んでいる。材料の構造および選択によって、曲げ方向に薄い構造と、優れた引張り剛性および引張り強さとを有する軽量の懸架ロープおよび/または伝導ロープを達成することが可能である。加えて、ロープ構造は、曲げても実質的に不変であり、このことが長期使用に役立っている。
開示されたいくつかの機械的および電気的方法では、エレベータ懸架ロープおよび伝動ロープの状態モニタ用ツールが提供されている。従来技術で知られているものに、例えば、コード状に巻いてエレベータシステムのベルト内のジャケットに収納したスチールストランドの状態をモニタする方法がある。耐用期間中の繊維強化ポリマの損傷を検出可能な非破壊制御の開発は、エレベータ技術においても多くの実際の適用例で重要な問題となっている。これらの非破壊試験の多くは、高価な機器による複合要素の周期的検査を必要とする。さらに、ロープの電気特性の試験に用いる際の問題点は、ロープごとに初期値が変化し、しかもエレベータにロープを実装後は、異なってしまう場合があることである。したがって、エレベータの全寿命を通して損傷をその場でモニタ可能なセンサを一体化して、費用効率がよく信頼性のあるエレベータのモニタ方法の必要性が高まっている。
本発明は、エレベータのロープ状態のモニタにおける改善された方法および装置を提示することを目的とする。本発明は、とりわけ、発明の説明において後に論じる公知の方式の欠点および問題点を解消することを目的とする。さらに、複合材料で構成されたエレベータの懸架ロープおよび/または伝動ロープの損傷をエレベータの全寿命を通してその場でモニタ可能であって費用効率がよく信頼性のある状態モニタ装置および方法を可能にすることを目的とする。
とりわけ、前記エレベータロープにおける非金属製、好ましくは炭素繊維強化ポリマ複合材の負荷支持部の簡易で安全かつ効率的な損傷検出を容易に行なえる実施例を提示する。また、状態モニタ手段へのアクセスがよく、安全な作業位置と優れた人間工学を保証可能な実施例を提示する。エレベータの耐用期間を通して信頼性のあるその場のロープ状態モニタが可能であり、エレベータの安全性が改善された実施例を提示する。
エレベータの非金属製軽量ロープのロープ状態モニタにおける新規の方法および装置を提示する。好適な実施例では、エレベータ懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の1回目の測定を行ない、次いで、その測定に基づいて閾値を決定し、その後、エレベータを使用して乗客および/または物品を輸送し、その後、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の2回目の測定を行ない、その後、この2回目の測定結果を前記閾値と比較し、2回目の測定が閾値に一致すると所定の動作を行なう。
好適な実施例では、エレベータ懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の1回目の測定は、エレベータを乗客および/または物品の輸送に供する前、またはエレベータの組立て中に行なう。
好適な実施例では、エレベータかごを前記ロープに懸架し、前記1回目および2回目の測定をこのロープに対して行なう。
好適な実施例では、第1の点および第2の点は、懸架ロープおよび/もしくは伝動ロープの非金属製負荷支持部の点、または懸架ロープおよび/もしくは伝動ロープの電気的に接続された複数の非金属製負荷支持部の点である。有利には、第1の点および第2の点は、炭素繊維強化ポリママトリックス複合材、好ましくは一方向炭素繊維強化ポリママトリックス複合材などの繊維強化ポリママトリックス複合材で作られた懸架ロープおよび/または伝動ロープの負荷支持部の点である。
好適な実施例では、前記2回目の測定値がエレベータ懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間で前記閾値と一致すると、ロープ状態手段によってエラー信号が出る。有利には、前記エラー信号が出ると、ロープごとにロープ状態モニタ手段のロープ状態モニタ装置のLEDディスプレイもしくはLCDディスプレイ上にロープ識別コードおよびエラーレベル表示を表示する。エラー信号をエレベータ制御部に送って、エレベータの運行を変更し、またはエレベータを運休する。ロープ状態モニタ手段は、各ロープの状態、前記閾値および前記測定値を所定の時間間隔で、好ましくは毎秒1回モニタする。
好適な実施例では、炭素繊維強化ポリマ複合材の負荷支持部は曲げを繰り返すが、負荷支持部の電気抵抗を測定する。電気抵抗の増大と曲げ係数の増大の間の相関は、観察可能である。一方向炭素繊維強化ポリマ複合材は、一方向繊維の長手方向の電気抵抗が横断方向のそれよりかなり小さく、複合材の損傷は、いずれか一方を測定することによって検出できる。電気抵抗は、カーボン/エポキシ積層体について、例えば、とくに繊維の破損検出に優れた損傷検出器である。
好適な実施例では、電気抵抗の変化には3つの特徴的段階がある。まず、応力が増すと、電気抵抗はわずかに増大する。これは通常の経年劣化過程である。応力がさらに増すと、炭素繊維強化ポリマ内の個々の繊維が割れ始め、電気抵抗がかなり速く増大し、応力電気抵抗曲線の勾配が変化する。繊維が完全に壊れると、電気抵抗は急速に増す。
好適な実施例では、電気抵抗を測定するDC測定法を用いる。DC測定法は主として、繊維破壊を測定できるが、電気容量を測定するAC測定は、層間マトリクス亀裂および層間剥離の進行に関する情報が得られる。したがって、軽量のエレベータロープの負荷支持部内などの一方向繊維複合材の場合、電気抵抗測定法は、エレベータの懸架ロープおよび/または伝動ロープの安全な使用の観点で有用な情報が得られる。
好適な実施例では、一方向炭素繊維強化ポリマは、軽量のエレベータ懸架ロープおよび/または伝動ロープにおいてスチールに代わって負荷支持要素として使用される。本発明によれば、炭素繊維強化ポリマ複合材で作られた負荷支持部を有するロープの状態モニタ装置および方法が開発された。電気抵抗は、炭素繊維強化ポリマ複合材料全体の状態に対する優れた指標である。繊維の応力が増すと、または繊維破壊が生ずると、抵抗が変化する。エレベータロープにおける抵抗変化を使用してロープの磨耗もしくは損傷を検出することができる。
好適な実施例では、ロープ状態モニタ装置は、釣合い重り付エレベータにおいて使用されるが、釣合い重りなしのエレベータにも適用可能である。さらに、例えばクレーンの懸架ロープおよび/または伝動ロープとして、他の巻上げ機に関連して使用することもできる。ロープが軽量であれば、とくに加速状況において利点を生じる。なぜなら、ロープの速度変更に必要なエネルギーは、その質量に左右されるからである。軽量であることはさらに、釣合いロープが別に必要なロープ方式において利点を生じる。なぜなら、釣合いロープの必要性が減少し、もしくは全く無くなるからである。軽量であればまた、ロープの取扱いも容易になる。
好適な実施例では、状態モニタ手段は、各ロープごとに独立した可調整定電流源を有する。学習段階において、測定電流を調節してロープ全体に所望の電圧、好ましくは、例えば2.5Vをかける。エレベータの試運転直後に、学習シーケンスを一度だけ行なう。測定電流を調節し設定すると、ロープ全体の電圧をロープの使用期間中測定し、起こり得る電圧変化、すなわち抵抗変化を検出する。電流と電圧の初期値を不揮発性メモリに保存する。好適な実施例では、1つの状態モニタ装置で多数のロープを、12本まで、もしくはそれ以上でさえ、モニタすることができる。
好適な実施例では、状態モニタ装置は、複数の、好ましくは少なくとも3つの異なる故障を識別することができる。通常のロープ磨耗は、小さい抵抗変化、好ましくは2〜5%の抵抗変化を生じる。破壊したロープコーティングもしくは緩んだロープは、抵抗が低くなるのが好ましく、炭素繊維強化ポリマの破壊もしくは測定ワイヤの緩みは、抵抗が高くなるのが好ましい。
好適な実施例において、前記ロープ状態モニタ装置は、エレベータの使用中のロープの抵抗変化を測定するのに使用される。ロープの抵抗は、ロープの緊張が増すと増大するのが好ましい。繊維破壊が生じなければ、抵抗変化は可逆的であり、非可逆的抵抗変化は、ロープ損傷および繊維破壊を表わすのが好ましい。測定ワイヤの接触不良は抵抗変動を増す。これによって何らかの故障アラームを出すことがあるが、これは、安全の観点から安全側にある。
フィルタリングした結果を閾値と比較し、このフィルタリングした結果が閾値と一致すると、下記のエラーコードになる。
レベル1:前記閾値からの偏差が5%より小さい場合、マイナーエラー。
レベル2:前記閾値からの偏差が20%以下の場合、低抵抗。ロープコーティングが磨耗もしくは破壊し、ロープが駆動綱車によりすり減っている。
レベル3:前記閾値からの偏差が20%を超える場合、高抵抗。ロープ負荷支持部が破壊、または測定ワイヤが切断している。
好適な実施例では、エラー信号をエレベータ制御部へ送り、故障の重度に応じてエレベータの運行を変更でき、またはエレベータを運休できるようにする。したがって、エレベータの安全が改善される。
好適な実施例では、直径750mmのローププーリが使用され、もっと小さい、好ましくは直径540mmもしくは250mmのプーリでさえ、前記エレベータロープに使用することができる。
好適な実施例では、エレベータは、1つ以上、好ましくは少なくとも4つの一方向炭素繊維強化ポリマ負荷支持部を含む軽量ロープを有し、この負荷支持部はポリウレタンコーティングで被覆されている。負荷支持部が4つの場合、ロープは電気的に4つの抵抗としてモデル化できる。好ましい方式は、1本のロープを1つの抵抗として測定することである。このようにして、測定装置は単純に構成され、本方法は信頼性も増す。なぜなら、ワイヤ本数と接続箇所数が最小になるからである。本方法は、a)炭素繊維強化ポリマの負荷支持部を短絡し、b)測定用ワイヤをロープに、好ましくは各負荷支持部の間にセルフタッピング・ネジを螺設することで接続し、隣接する負荷支持部の間の導電路として各ネジを機能させるという簡易で信頼性のある方式を必要とする。釣合い重りの端部では、好ましくは3本のネジを用いて全ストランドを短絡する。エレベータかごの端部では、最外側の2つのストランドを好ましくは互いに接続し、これら2本のネジの下に測定用ワイヤを分割リングコネクタで挿入する。この装置によって、すべての炭素繊維強化ポリマの負荷支持部をモニタし、ロープ全体を1つの抵抗とみなす。
好適な実施例では、モニタ装置はマイクロコントローラを基本としている。抵抗値を直接測定することはできないが、代わりに定電流・電圧測定を用いる。
好適な実施例では、本装置は、数値表示器と、状態ディスプレイとして使用される複数の、好ましくは少なくとも4つのLEDと、データ記録用出力・メモリカードソケットとを有する。
好適な実施例では、1つの装置で複数のロープを、好ましくは12本まで、もしくはそれ以上でさえ、モニタすることができる。好適な実施例では、電流源をデジタル・アナログ変換器DACにより制御する。好ましくは、マイクロコントローラにより駆動されるDACが基準電圧を演算増幅器へ送り、これは、MOSトランジスタのゲート電圧を調整する。好ましくは、ゲート電圧は、MOSトランジスタを流れる電流を決める。好ましくは、シャント抵抗から演算増幅器への帰還によって、基準点における電圧が確実にDACからの制御電圧と同じになる。RCフィルタを使用して発振を防ぐ。
好適な実施例において、使用されるDACは、複数の出力源を、好ましくは少なくとも12、もしくはそれ以上有する。動作電圧の変動により生じるドリフトおよび干渉を防ぐため、シャント抵抗およびDAC用の基準電圧は、好ましくは同じ点から得る必要がある。これによって、動作電圧が調整不十分であった場合に生じるロープへの測定用供給電流の変動は、完全になくなる。
上の各所で説明したように、本エレベータは、好ましくは建物内に設置するが、必ずしもその必要はない。かごは、好ましくは垂直に走行する。かごは、好ましく2つ以上の乗り場に対応するように配設される。かごは、好ましくは、乗り場からの呼、および/またはかご内からの行き先指令に応答して、乗り場の乗客および/またはエレベータかご内の乗客に対応する。好ましくは、かごは、乗客を受け入れるのに適した内部空間を有し、かごには、閉じた内部空間を形成するドアを設けることができる。
次に、添付図面を参照し、一例として本発明をより詳細に説明する。
本発明の方法の工程を行なうことができる発明の実施例によるエレベータのロープ状態モニタ装置の全体図である。 本発明の実施例によるエレベータロープ状態モニタ装置の電気的モデルを示す図である。 本発明の方法の工程を行なうことができるエレベータロープの実施例の模式的断面図である。
図1は、エレベータロープ状態モニタ装置が配設された好適な実施例を示し、これは、昇降路Sと、昇降路S内を可動のエレベータユニット1とを有する。このエレベータユニットは、乗客および/または物品を輸送するエレベータかご1である。エレベータロープ状態モニタ装置はまた、図示のように釣合い重りCWなどの他のエレベータユニットも有する。エレベータロープ状態モニタ装置は、巻上げ装置M、1本以上の懸架ロープおよび/または伝動ロープRを含む吊上げ手段を有し、これらのロープはそれぞれ、少なくとも1つのエレベータユニット1、CWに接続された少なくとも4つの負荷支持部8a、8b、8c、8dを有する。ロープ状態モニタ手段は、ロープの負荷支持部8a、8b、8c、8dにロープRの第1の点R’および第2の点R”で接続されたネジなどのコネクタ手段と、ロープRの状態をモニタするロープ状態モニタ装置4とから成り、モニタ装置4は、電流源4’、電圧測定装置4”、マイクロコントローラ3およびディスプレイ2を有する。ロープ状態モニタ手段におけるデータを記録する必要がある場合、ロープ状態モニタ手段に接続されたコンピュータ7によってこれを行なうことができる。
好適な実施例では、エレベータロープRは、エレベータの巻上げ機Mによって回転する駆動綱車6と1つ以上の転向プーリ5とによって案内されて、これらを通過する。巻上げ機Mの回転に従って、駆動綱車6は同時に、エレベータかご1と釣合い重りCWを摩擦によりそれぞれを上下方向に動かす。さらに、高層ビルおよび高速エレベータには、釣合いロープCがあり、これは1本以上の平行なロープで形成され、その第1の端部が釣合い重りCWの底端部に、またその第2の端部がエレベータかご1の底端部において、かごのスリングもしくはかご自体に固定されている。釣合いロープCは、例えば釣合いプーリによって緊張状態を保ち、この状態で釣合いロープCが周回する。釣合いプーリは、エレベータ昇降路Sの基盤上の支持構体に接続されているが、支持構体は図示されてない。エレベータかごへの給電および/またはデータ通信を目的とした走行ケーブルTは、その第1の端部がエレベータかご1に、例えばエレベータかご1の底部に、またその第2の端部がエレベータ昇降路の壁の接続点に固定され、この接続点は通常、エレベータ昇降路の高さ方向の中間点、もしくは中間点より上にある。
好適な実施例では、ロープRにかかる電圧は、マイクロコントローラ3によって測定点R”から測定される。マイクロコントローラ3のアナログ・デジタル変換器ADCは、好ましくは12ビットの分解能を有する。ADCの基準電圧は電流源で使用されるものと同じで、やはり動作電圧変動の影響をなくしている。電流源4’は安定な測定電流を供給するので、ロープ抵抗の変化で測定電圧が変わる。
好適な実施例では、このロープ状態モニタ装置4は2つの動作モード、すなわち学習モードとモニタモードを有する。学習モードは、本ロープ状態モニタ装置4の印刷回路基板PCB上にあるボタンを4秒間長押しすることによって起動する。このモードは少なくとも次の動作を行なう。
a)マイクロコントローラ3の不揮発性メモリは、接続されたロープRの本数、各電流源の制御値および各ロープRごとの電圧測定結果を含むが、これらを消去する。
b)モニタチャネル1番から始めて電流源を調節し、測定したロープRを流れる電流を増加させ、同時に電圧を測定する。ロープにかかる電圧が限界値、好ましくは2.5 Vまたは動作/基準電圧の半分を超えると、電流調節を停止し、現在の電流値および測定電圧値と閾値を不揮発性メモリに保存する。ロープRの番号も不揮発性メモリに保存されているが、そのチャネルに他のロープが接続されていれば、1つ増加させる。これらの工程は、チャネルのそれぞれに対して、好ましくは前記チャネルのそれぞれに対して繰り返し行なわれる。
c)学習シーケンスが終了すると、本ロープ状態モニタ装置4はモニタモードで動作を続ける。
好適な実施例では、各ロープRにかかる電圧はモニタモードで測定される。測定速度は、好ましくは約1200 1/sである。干渉を避けるため、最後の結果値の浮動平均を計算する。フィルタリングした結果は不揮発性メモリ内の閾値と比較され、このフィルタリングした結果がその閾値に一致した場合、次のようなエラーコードと所定の動作が行なわれる。
レベル1:前記閾値からの偏差が5%より小さい場合、マイナーエラー。
レベル2:前記閾値からの偏差が20%以下の場合、低抵抗。ロープコーティングが磨耗もしくは破損し、ロープが駆動綱車により磨り減っている。
レベル3:閾値からの偏差が20%を超える場合、高抵抗。ロープ負荷支持部が破損、または測定ワイヤが切断している。
好適な実施例では、各エレベータレベルは、ロープ状態モニタ装置4のディスプレイ2上にそれ用の表示LEDを有している。LEDディスプレイ2にはロープ番号が表示され、同時にそのロープの状態がエラーLEDによって表示される。好ましくは、エラーコードがメモリに保存されるが、これは本ロープ状態モニタ装置4をリセットすることで消去することができる。
好適な実施例では、エラー信号がエレベータ制御部へ送られ、故障の重度に応じて、エレベータの運行を変更でき、またはエレベータを運休できるようにする。
好適な実施例では、電源投入後、ロープ状態モニタ装置4は先ず、不揮発性メモリから各値を読み出した後、それぞれの測定チャネルについて電流を設定する。そこで、モニタモードで動作を開始する。本ロープ状態モニタ装置4は、PCB上のボタンを押すことによってリセットされ、長押しによって学習シーケンスを開始する。
好適な実施例では、本ロープ状態モニタ装置4を交換する必要がある場合、マイクロコントローラ3をそのソケットから外して、新規の装置に取り付けることができる。このようにして、不揮発性メモリにセーブした初期値をそのまま使用することができ、これまでのデータを失うことなくモニタリングを継続することができる。データを記録する必要がある場合、ロープ状態モニタ装置4に接続されたコンピュータ6により記録することができる。本ロープモニタ装置4は、好ましくは各ロープRの状態、初期電圧値および電流抵抗値を1秒ごとにエレベータ制御部へ送信する。
図2は、エレベータロープ状態モニタ装置の、とくに前記ロープ状態モニタ手段のロープR部についての電気的モデルの好適な実施例を示す。ロープモニタ装置の好適な実施例では、エレベータは軽量ロープRを含み、これは、1つ以上、好ましくは図2に示すように4つの一方向炭素繊維強化ポリマの負荷支持部8a、8b、8c、8dを有し、これらはポリウレタンコーティング10で被覆されている。図2に示すように負荷支持部8a、8b、8c、8dが4つの場合、ロープRは電気的に4つの抵抗としてモデル化される。好ましい方式は、1本のロープを1つの抵抗として測定することである。このようにして、測定装置を単純化し、方法も信頼性が増すが、これは、ワイヤ本数および接続箇所数が最小になるからである。この方法の場合、簡易で信頼性のある方式が使用されるが、この方式では、好ましくは各負荷支持部8a、8b、8c、8dの間に螺設したセルフタッピング・ネジによって炭素繊維強化ポリマの負荷支持部8a、8b、8c、8dを短絡し、また測定用ワイヤをロープRに接続して、隣接の負荷支持部8a、8b、8c、8dの間でネジが導電路として機能するようにする。このロープRの釣合い重り側端部R”では、好ましくは3本のネジを使って全ストランドを短絡している。このロープRのかご側端部R’では、好ましくは最外側の2つの負荷支持部を相互接続し、これら2本のネジの下へ測定用ワイヤを分割リングコネクタで挿入する。この装置により、すべての炭素繊維強化ポリマの負荷支持部8a、8b、8c、8dをモニタし、ロープ全体を1つの抵抗とみなす。
図3は、図1および図2のひとつについて説明したようなロープRの断面の好適な実施例を示し、これは、エレベータ、とくに乗用エレベータの懸架ロープおよび/または伝動ロープとして用いられる。本発明による使用では、少なくとも1本のロープR、好ましくは多数本のロープRは、ロープの幅がロープRの横断方向の厚さより広く、エレベータかごを支持して動かすように作られている。このロープRは、複合材料で作られた負荷支持部8a、8b、8c、8dを有し、この複合材料は、ポリママトリックス内に強化繊維、好ましくは一方向炭素繊維を含むものである。懸架ロープおよび/または伝動ロープRは、最も好ましくは一方の端部でエレベータかご1に、また他方の端部で釣合い重りCWに固定されているが、釣合い重りなしのエレベータでの使用にも適用可能である。各図は、1:1の懸垂比および/または伝動比のエレベータを示すのみであるが、この説明のロープRは、1:2の懸垂比のエレベータにも懸架ロープおよび/または伝動ロープとして適用することができる。ロープRは、高い懸垂高さのエレベータ、好ましくは100メートル以上の懸垂高さのエレベータにおいて懸架ロープおよび/または伝動ロープとして使用するのに、とくに良好に適している。説明したロープRを使用して、釣合いロープCなしの新しいエレベータを実現し、または古いエレベータを釣合いロープCなしのものに更改することもできる。ロープRは、懸垂高さが30メートル以上で、釣合いロープCなしに実現されるエレベータへの使用に、良好に適用可能である。釣合いロープCでの実現とは、釣合い重りCWおよびエレベータかご1が釣合いロープCで接続されていないことである。それでも、ことさらこのような釣合いロープCがなくても、エレベータかご1に取り付けられエレベータ昇降路とエレベータかごの間に掛けるように特別に配設された走行ケーブルTで、かごロープ質量の不均衡を補正することができる。釣合いロープCなしのエレベータの場合、釣合い重りが跳ねる状態で釣合い重りガイドレールと係合するように構成された手段を釣合い重りに設けることが有利である。この跳ねる状態は、跳ねモニタ手段によって、例えば釣合い重りCWを支持するロープの張力の減少から検出することができる。
当業者に明らかなように、本発明は、本発明を一例として説明した上述の実施例にのみ限定されず、本発明の多くの改変およびさまざまな実施例が以下に提示の請求項に記載の発明概念の範囲内で可能である。したがって、上述したロープRに歯型面もしくは他の種類のパターン面を設けて駆動綱車6との接触を確実にしてもよいことは、明らかである。やはり明らかなように、抵抗として電気的にモデル化した矩形の複合材負荷支持部8a、8b、8c、8dは、縁部が図示のものより急峻に丸くても、または全く丸くなくてもよい。同様に、ロープRのポリマ層10は、縁部/隅部が図示のものより急峻に丸くても、または全く丸くなくてもよい。同様に、図2および図3の実施例における負荷支持部8a、8b、8c、8dは、ロープRの断面のほとんどを覆うように配設することができることも、明らかである。この場合、負荷支持部8a、8b、8c、8dを囲繞する鞘様ポリマ層10は、負荷支持部8a、8b、8c、8dのロープRの厚さ方向の厚さに比べるとロープRの厚さ方向が薄く作られている。同様に、図2および図3に示した方式に関連して、これらの図示のベルト以外の種類のベルトを使用することができることも、明らかである。また同様に、炭素繊維とガラス繊維の両方を、必要に応じて、同じ複合部品に使用することができることも、明らかである。同様に、ポリマ10層の厚さは、説明したものと異なってもよいことも、明らかである。同様に、剪断抵抗部品を本願に示すいずれかの他のロープ構造とともに追加的要素として使用可能であることも、明らかである。同じく明らかなように、強化繊維9が分散されたマトリックスポリマは、例えばエポキシなどの基礎マトリックスポリマに混入した、例えば強化材、充填材、顔料、難燃剤、安定剤もしくは同様の物質などの補助材料を含有してもよい。同様に明らかなように、ポリママトリックスは、エラストマで構成しないことが好ましいが、エラストママトリックスを用いて本発明を利用することもできる。さらに、繊維9は必ずしも断面が丸い必要はなく、他のなんらかの断面形状を有してよいことも、明らかである。さらに、例えば強化材、充填材、顔料、難燃剤、安定剤もしくは同様の物質などの補助材料を層10の基礎ポリマ、例えばポリウレタンに混ぜてもよいことは、明らかである。同様に、本発明は、上述の巻上げ高さ以外の高さ用に設計されたエレベータにも適用できることも、明らかである。
これまでの記載および添付図面は、本発明の説明を企図しているにすぎないことを理解すべきである。本発明の概念をさまざまに実現できることは、当業者に明らかである。本発明およびその実施例は、上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で変えてもよい。
1 エレベータかご
1、CW エレベータユニット
2 ディスプレイ
4 ロープ状態モニタ装置
8a、8b、8c、8d ロープ負荷支持部
R 懸架ロープおよび/または伝動ロープ
R’ 第1の点
R” 第2の点
S 昇降路

Claims (18)

  1. 少なくとも、
    − エレベータの懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の1回目の測定を行なう工程と、その後、
    − 前記測定に基づいて閾値を決定する工程と、その後、
    − 前記エレベータを使用して乗客および/または物品を輸送する工程と、その後、
    − 前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の2回目の測定を行なう工程と、その後、
    − 該2回目の測定の結果を前記閾値と比較し、該2回目の測定が該閾値に一致すると所定の動作を行なう工程とを含むエレベータのロープ状態モニタ方法において、
    第1の点および第2の点は、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの非金属製負荷支持部の点、または該懸架ロープおよび/または伝動ロープの電気的に接続された複数の非金属製負荷支持部の点であることを特徴とするエレベータのロープ状態モニタ方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の1回目の測定は、前記エレベータを乗客および/または物品の輸送に供する前に行なうことを特徴とするモニタ方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の2回目の測定は、エレベータの組立て中に行なうことを特徴とするモニタ方法。
  4. 請求項1、2または3に記載の方法において、前記エレベータかごを前記ロープで懸架し、前記1回目および2回目の測定を該ロープに対して行なうことを特徴とするモニタ方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、第1の点および第2の点は、炭素繊維強化ポリママトリックス複合材、好ましくは一方向炭素繊維強化ポリママトリックス複合材などの繊維強化ポリママトリックス複合材で作られた前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの負荷支持部の点であることを特徴とするモニタ方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、第2の測定値がエレベータ懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間で前記閾値に一致すると、エラー信号を出すことを特徴とするモニタ方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、前記エラー信号が出ると、ロープごとにロープ状態モニタ装置のLEDディスプレイもしくはLCDディスプレイ上にロープ識別コードおよびエラーレベル表示を表示することを特徴とするモニタ方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記エラー信号をエレベータ制御部へ送り、該エラー信号が与えられるとエレベータの運行を変更し、または該エレベータを運休することを特徴とするモニタ方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の方法において、各ロープの状態、前記閾値および前記測定値を所定の時間間隔で、好ましくは毎秒1回、ロープ状態モニタ手段がモニタすることを特徴とするモニタ方法。
  10. エレベータが、
    − 昇降路と、
    − 該昇降路内を可動であり、少なくとも1つのエレベータかごを含む少なくとも1つのエレベータユニットと、
    − 巻上げ装置、および1つ以上の懸架ロープおよび/または伝動ロープを含み、該ロープのそれぞれは、少なくとも1つのエレベータユニットに接続された1つ以上の負荷支持部を含む吊上げ手段と、
    − ロープ状態モニタ手段とを含み、
    − エレベータの懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の1回目の測定を行なう工程と、その後、
    − 前記測定に基づいて閾値を決定する工程と、その後、
    − 前記エレベータを使用して乗客および/または物品を輸送する工程と、その後、
    − 前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の2回目の測定を行なう工程と、その後、
    − 該2回目の測定の結果を前記閾値と比較し、該2回目の測定が該閾値に一致すると所定の動作を行なう工程とを実行するロープ状態モニタ手段が配設されたエレベータのロープ状態モニタ装置において、
    第1の点および第2の点は、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの非金属製負荷支持部の点、または該懸架ロープおよび/または伝動ロープの電気的に接続された複数の非金属製負荷支持部の点であることを特徴とするエレベータのロープ状態モニタ装置。
  11. 請求項10に記載のモニタ装置において、前記エレベータを乗客および/または物品の輸送に供する前に、前記ロープ状態モニタ手段を使用して、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の1回目の測定を行なうことを特徴とするモニタ装置。
  12. 請求項10または11に記載のモニタ装置において、エレベータの組立て中、前記ロープ状態モニタ手段を使用して、前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間の電気抵抗の2回目の測定を行なうことを特徴とするモニタ装置。
  13. 請求項10ないし12のいずれかに記載のモニタ装置において、前記エレベータかごを前記ロープで懸架し、前記1回目および2回目の測定を前記ロープに対して行なうことを特徴とするモニタ装置。
  14. 請求項10ないし13のいずれかに記載のモニタ装置において、第1の点および第2の点は、炭素繊維強化ポリママトリックス複合材、好ましくは一方向炭素繊維強化ポリママトリックス複合材などの繊維強化ポリママトリックス複合材で作られた前記懸架ロープおよび/または伝動ロープの負荷支持部の点であることを特徴とするモニタ装置。
  15. 請求項10ないし14のいずれかに記載のモニタ装置において、第2の測定値がエレベータ懸架ロープおよび/または伝動ロープの第1の点と第2の点の間で前記閾値に一致すると、エラー信号を前記ロープ状態モニタ手段によって出すことを特徴とするモニタ装置。
  16. 請求項10ないし15のいずれかに記載のモニタ装置において、前記ロープ状態モニタ手段はロープ状態モニタ装置を含み、前記エラー信号が出ると、ロープごとに該ロープ状態モニタ装置のLEDディスプレイもしくはLCDディスプレイ上にロープ識別コードおよびエラーレベル表示を表示することを特徴とするモニタ装置。
  17. 請求項10ないし16のいずれかに記載のモニタ装置において、前記ロープ状態モニタ手段からの前記エラー信号をエレベータ制御部へ送り、該エラー信号が与えられるとエレベータの運行を変更し、または該エレベータを運休することを特徴とするモニタ装置。
  18. 請求項10ないし17のいずれかに記載のモニタ装置において、前記ロープ状態モニタ手段は、各ロープの状態、前記閾値および前記測定値を所定の時間間隔で、好ましくは毎秒1回、モニタするロープ状態モニタ装置を含むことを特徴とするモニタ装置。
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