JP2014129962A - 冷凍装置 - Google Patents

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Kaname Otsuka
要 大塚
Norihide Yamaguchi
典英 山口
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Abstract

【課題】冷媒回路と油循環回路とを有する冷凍装置において、冷凍能力を低下させることなく、圧縮機の軸受部を良好に潤滑する。
【解決手段】冷凍装置に、軸受部を囲む収容室を有するハウジング部材を設けて、この収容室を油循環回路(5)に接続するとともに、この油循環回路(5)内の圧力を上記冷媒回路(1)内の圧力よりも低くする減圧機構(4)をさらに設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒回路と油循環回路とを備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、スクリュー圧縮機において、圧縮行程途中に潤滑油を圧縮機の圧縮室へ注入する冷媒回路が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
一方、上記圧縮機の圧縮室へ潤滑油を注入するのではなく、圧縮室へ上記冷媒回路の液冷媒を噴射する、いわゆるOIF(Oil Injection Free)システム(リキッドインジュクションシステム、オイルフリーシステム)が実用化されている。このシステムを導入することにより、油の粘性抵抗による動力損失が低減され、機械効率の向上が図れるとともに、吐出ガス温度を高圧相当の飽和温度まで低減でき、運転中の焼き付きに対する信頼性を向上させることができる。
しかし、回転軸を支持する軸受部には、該軸受部の潤滑のために潤滑油の供給が必要であり、以下のような油供給システムが採用されている。
この油供給システムは、冷媒回路を循環する冷媒の一部を加熱して潤滑油を分離する油精製部を備えている。このシステムでは、上記冷媒回路の冷媒中に少量の潤滑油をあらかじめチャージしておく。そして、上記冷凍装置の運転中に上記冷媒回路から潤滑油を含んだ冷媒の一部を分岐させた後で加熱し、冷媒だけを蒸発させて潤滑油を精製する。そして、この潤滑油を上記油循環回路を介して軸受部へ供給して該軸受部の潤滑を行い、潤滑後の油は上記冷媒回路へ戻す。このように潤滑油が循環することにより、大型圧縮機の軸受部が良好に潤滑される。
また、潤滑油を直接、各軸受部に供給して潤滑を行い、その潤滑油を冷媒中に排出する方法もある。
特開昭59−119088号公報
しかしながら、従来のOIFシステムでは、常時、軸受部を潤滑するために、液冷媒中に含まれている微少な潤滑油を精製しなければならず、その精製により、発生する冷媒ガスが加熱されるため、システムの冷凍能力を低下させてしまう。
又、上記システムの冷媒に含ませる潤滑油の量が多すぎると、この潤滑油に起因して上記システムの蒸発器又は凝縮器の性能が低下する。又、冷媒に含まれる潤滑油の量が少なすぎると、冷媒の量を増やさなければ所望の量の潤滑油を得られなくなり、冷媒ガス量が大きくなり能力低下が大きくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒回路と油循環回路とを有する冷凍装置において、該冷凍装置の冷凍能力を過度に低下させることなく、圧縮機の軸受部を良好に潤滑することにある。
第1の発明は、圧縮機(10)と凝縮器(11a)と膨張弁(11b)と蒸発器(11c)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(1)を備え、上記圧縮機(10)は、ケーシング(20)と、該ケーシング(20)内に収容された圧縮機構部(30)及び電動機(80)を上記ケーシング(20)内で連結する回転軸(85)と、該回転軸(85)をケーシング(20)内で回転支持する軸受部(86,87)とを有する冷凍装置を前提としている。
そして、上記冷凍装置において、上記軸受部(86,87)を囲む収容室(2)と、該収容室(2)に開口するとともに上記軸受部(86,87)に支持された回転軸(85)が貫通する貫通孔部(6)と、該貫通孔部(6)及び上記回転軸(85)の間を摺動自在にシールするシール部(7)とを有するハウジング部材(3)と、上記収容室(2)に接続されて、上記軸受部(86,87)を潤滑するための潤滑油が循環する油循環回路(5)とを備え、上記油循環回路(5)は、上記潤滑油を貯留する貯留タンク(8)と、該貯留タンク(8)の潤滑油を昇圧する油ポンプ(9)と、該油ポンプ(9)で昇圧した潤滑油を上記軸受部(86,87)へ供給する油供給配管(5a)と、上記軸受部(86,87)を潤滑した後の潤滑油を上記貯留タンク(8)へ戻す油戻し配管(5b)とを含み、上記油循環回路(5)内の圧力を上記ケーシング(20)内の圧力よりも低くする減圧機構(4)とをさらに備えていることを特徴としている。
第1の発明では、上記ハウジング部材(3)で軸受部(86,87)を覆うことにより、該ハウジング部材(3)と軸受部(86,87)との間に収容室(2)を形成する。そして、この収容室(2)に油循環回路(5)を接続している。この油循環回路(5)を循環する潤滑油は収容室(2)内を流通し、その流通の際に上記軸受部(86,87)の摺動部分を潤滑する。そして、上記減圧機構(4)で上記油循環回路(5)の圧力を上記圧縮機(10)におけるケーシング(20)内の圧力よりも低くすることにより、油循環回路(5)の潤滑油がケーシング(20)内へ洩れ出さないようにしている。
第2の発明は、第1の発明において、上記減圧機構(4)は、上記シール部(7)の隙間から上記油循環回路(5)へ浸入した冷媒を上記冷媒回路(1)へ排出しながら上記油循環回路(5)内の圧力を上記ケーシング(20)内の圧力よりも低くするように構成されていることを特徴としている。
第2の発明では、上記ハウジング部材(3)には貫通孔部(6)が形成され、この貫通孔部(6)を上記軸受部(86,87)で支持された回転軸(85)が挿通している。そして、このハウジング部材(3)には、貫通孔部(6)と回転軸(85)とを摺動自在にシールするシール部(7)が設けられている。
ここで、このシール部(7)は貫通孔部(6)と回転軸(85)とを摺動自在でシールするため、このシール部(7)には微小隙間(7a)が形成される。そして、上述したように、上記減圧機構(4)で油循環回路(5)の圧力を下げることにより、この微小隙間(7a)から上記ケーシング(20)内の冷媒が浸入することが考えられる。この冷媒の浸入により油循環回路(5)の圧力がケーシング(20)の圧力に近くなり、油循環回路(5)からケーシング(20)に油が流出することを防ぐため、上記減圧機構(4)により、該油循環回路(5)の圧力をケーシング(20)の圧力よりも低くするように構成されている。
尚、上記油循環回路(5)に侵入してくる冷媒ガスは、上記シール部(7)の微小隙間(7a)を通じて浸入するため、上述した従来の圧縮機とは違い、冷凍装置の冷凍能力を低下させるほど多量ではない。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記減圧機構(4)は、上記冷媒回路(1)に接続されたエジェクタ(4)であり、上記エジェクタ(4)は、上記冷媒回路(1)における圧縮機(10)及び凝縮器(11a)の間の冷媒配管に連通する駆動流路(4a)と、上記貯留タンク(8)の潤滑油における油面の上方にある上方空間に連通する吸引流路(4b)と、上記冷媒回路(1)における蒸発器(11c)及び圧縮機(10)の間の冷媒配管(15)又は該冷媒配管(15)に接続される接続配管(16)に連通する噴出流路(4c)とを有していることを特徴としている。
第3の発明では、上記油循環回路(5)に浸入した冷媒ガスは該油循環回路(5)を循環する潤滑油とともに上記貯留タンク(8)へ流入し、この貯留タンク(8)に貯留している潤滑油の油面の上側に溜まるようになる。そして、この貯留タンク(8)に溜まった冷媒ガスをエジェクタ(4)によって圧縮機(10)の吸入側へ戻している。
このエジェクタ(4)は、その駆動流路(4a)が圧縮機(10)の吐出側に接続されて、噴出流路(4c)が圧縮機(10)の吸入側に接続されている。つまり、このエジェクタ(4)では、圧縮機(10)から吐出された吐出冷媒ガスの一部を吸入側へ戻す際に、その吐出冷媒ガスを絞ることで該吐出冷媒ガスの流速を上げ、上記貯留タンク(8)に溜まった冷媒ガスを上記吸引流路(4b)を通じて吸引している。この吸引された冷媒ガスは、上記噴出流路(4c)を通じて吐出冷媒ガスとともに圧縮機(10)の吸入側へ噴出される。このように、上記エジェクタ(4)を用いることにより、上記冷媒回路(1)における圧縮機(10)の吐出冷媒を利用して上記油循環回路(5)に浸入した冷媒ガスが排出される。
第4の発明は、第1の発明において、上記貯留タンク(8)内で上記シール部(7)の隙間から浸入した冷媒を含む潤滑油を加熱して該潤滑油中の冷媒を蒸発させる加熱部(8a,12,13)を備えていることを特徴としている。
第4の発明では、上記加熱部(8a,12,13)で上記貯留タンク(8)の潤滑油を加熱することにより、上記油循環回路(5)へ浸入して該油循環回路(5)の潤滑油に溶け込んでしまった冷媒を蒸発させる。そして、潤滑油から冷媒を分離する。この分離した冷媒は、貯留タンク(8)の上部にガスとして溜まり、例えば上述したエジェクタ(4)で上記油循環回路(5)から排出される。
第5の発明は、第4の発明において、上記加熱部は、上記冷媒回路(1)の圧縮機(10)から凝縮器(11a)へ向かう高圧冷媒が流通するとともに上記貯留タンク(8)の潤滑油に少なくとも一部が浸漬する吐出配管(12)であることを特徴としている。
第5の発明では、上記冷媒回路(1)の吐出配管(12)を通過する高温の冷媒ガスを利用して上記貯留タンク(8)内の潤滑油を加熱している。そして、この加熱によって潤滑油から冷媒を分離する。
第6の発明は、第4の発明において、上記加熱部は、上記冷媒回路(1)の凝縮器(11a)から膨張弁(11b)へ向かう高圧冷媒が流通するとともに上記貯留タンク(8)の潤滑油に少なくとも一部が浸漬する高圧液配管(13)であることを特徴としている。
第6の発明では、上記冷媒回路(1)の高圧液配管(13)を通過する高温の液冷媒を利用して上記貯留タンク(8)内の潤滑油を加熱している。そして、この加熱によって潤滑油から冷媒を分離する。
第7の発明は、第4の発明において、上記貯留タンク(8)内には、上記冷媒回路(1)の凝縮器(11a)と膨張弁(11b)との間に接続されて冷媒を貯留する冷媒貯留部(8b)と、上記油循環回路(5)に接続されて潤滑油を貯留する油貯留部(8c)とが設けられていることを特徴としている。
第7の発明では、上記貯留タンク(8)内に冷媒及び潤滑油を別々に貯留することができるようになる。
第8の発明は、第7の発明において、上記加熱部は、上記貯留タンク(8)に係る上記冷媒貯留部(8b)と上記油貯留部(8c)とを仕切る隔壁(8a)であることを特徴としている。
第8の発明では、上記貯留タンク(8)の隔壁(8a)を通じて、該貯留タンク(8)の冷媒貯留部(8b)に溜まった高温の液冷媒の熱が上記油貯留部(8c)に溜まった潤滑油へ伝わる。これにより、上記潤滑油が加熱されて該潤滑油から冷媒が分離する。
第9の発明は、第1から第8の何れか1つの発明において、上記圧縮機(10)は複数設けられ、上記油循環回路(5)は、1つの貯留タンク(8)及び1つの油ポンプ(9)で各圧縮機(10)の軸受部(86,87)へ潤滑油を供給するように構成されていることを特徴としている。
第9の発明では、各軸受部(86,87)ごとに貯留タンク(8)及び油ポンプ(9)を設けずに、1つの貯留タンク(8)及び1つの油ポンプ(9)で複数の軸受部(86,87)へ潤滑油を供給する。
上記第1の発明によれば、上記油循環回路(5)の潤滑油を上記冷媒回路(1)へ洩らさないようにすることができる。これにより、従来とは違い、上記冷媒回路(1)を循環する潤滑油混じりの冷媒から潤滑油を分離させて上記軸受部(86,87)へ供給しなくてもよくなる。この結果、冷凍装置の冷凍能力を過度に低下させることなく、圧縮機(10)の軸受部(86,87)を良好に潤滑することができる。
また、上記第2の発明によれば、上記シール部(7)の隙間を通じて上記油循環回路(5)へ浸入した冷媒を上記冷媒回路(1)へ排出しながら上記油循環回路(5)内の圧力を下げることができる。ここで、上記冷媒回路(1)から上記油循環回路(5)へ浸入した冷媒を再び冷媒回路(1)へ戻す場合において、この冷媒は、上記シール部(7)の微小隙間(7a)を通じて浸入しているため、その量は微量である。したがって、上記油循環回路(5)の冷媒を上記冷媒回路(1)へ戻す場合であっても、従来の冷凍装置とは違い、該冷凍装置の冷凍能力が低下するほど多量ではない。
また、上記第3の発明によれば、上記エジェクタ(4)を用いて、上記油循環回路(5)へ浸入した冷媒ガスを上記冷媒回路(1)へ排出することができる。このエジェクタ(4)の駆動力は高圧ガスであり、動作後は低圧側に戻されるため、吸入量が低減するが、その量は従来の供給システムと比べるとはるかに少なく、実用上は問題ない。
また、上記第4の発明によれば、上記油循環回路(5)を循環する潤滑油に冷媒が溶け込んでしまった場合でも、上記加熱部(8a,12,13)を用いることにより、上記貯留タンク(8)で潤滑油から冷媒を分離させることができる。そして、上述したエジェクタ(4)で上記油循環回路(5)から排出することができる。このように、上記油循環回路(5)内へ浸入した冷媒を確実に上記冷媒回路(1)から排出することができる。
また、上記第5の発明によれば、上記冷媒回路(1)の吐出配管(12)を利用して、上記貯留タンク(8)の潤滑油を加熱することができる。この吐出配管(12)による加熱は、上記冷凍装置へ供給される電力の一部を直接的に利用するものではないので、上記冷凍装置の供給電力を増加させることなく、上記貯留タンク(8)の潤滑油から冷媒を分離することができる。
また、上記第6の発明によれば、上記冷媒回路(1)の高圧液配管(13)を利用して、上記貯留タンク(8)の潤滑油を加熱することができる。この高圧液配管(13)による加熱は、上記冷凍装置へ供給される電力の一部を直接的に利用するものではないので、上記冷凍装置の供給電力を増加させることなく、上記貯留タンク(8)の潤滑油から冷媒を分離することができる。
尚、上記第5の発明と上記第6の発明によれば、液冷媒の噴射により湿り状態となった吸入ガスが上記油循環回路(5)に混入してくると、上記油循環回路(5)を循環する潤滑油の温度が低下して潤滑油中の冷媒含有率が高くなり油粘度が低下する。このため、潤滑油を加熱する必要がある。この場合に、電気ヒータで加熱するのが一般的であるが、電気ヒータの代わりに吐出配管(12)や高圧液配管(13)による加熱を行うことで省エネ性を向上させることができる。
また、上記第7の発明によれば、上記貯留タンク(8)内に冷媒及び潤滑油を貯留することができる。これにより、冷媒を貯留するタンクや潤滑油を貯留するタンクを別々に設ける必要がなく、上記冷凍装置を簡素化することができる。
また、上記第8の発明によれば、上記貯留タンク(8)の隔壁(8a)を通じて、上記冷媒貯留部(8b)における高温の液冷媒の熱で上記油貯留部(8c)に溜まった潤滑油を加熱することができる。この加熱は、上記冷凍装置へ供給される電力の一部を直接的に利用するものではないので、上記冷凍装置の供給電力を増加させることなく、上記貯留タンク(8)の潤滑油から冷媒を分離することができる。
また、上記第9の発明によれば、各軸受部(86,87)ごとに貯留タンク(8)及び油ポンプ(9)を設けずに、1つの貯留タンク(8)及び1つの油ポンプ(9)で各圧縮機(10)の軸受部(86,87)へ潤滑油を供給する。このように、各軸受部(86,87)に対して貯留タンク(8)及び油ポンプ(9)を共通化することにより、上記油循環回路(5)を簡素化することができる。
図1は、本実施形態の冷凍装置に係る回路図である。 図2は、本実施形態の冷凍装置に係る圧縮機の概略図である。 図3は、圧縮機における軸受部の概略断面図である。 図4は、本実施形態の冷凍装置に係る貯留タンクの概略図である。 図5は、本実施形態に係るスクリュー圧縮機の概略断面図である。 図6は、スクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。 図7は、圧縮部の動作を示す図であり、(a)は吸込行程を示し、(b)は圧縮行程を示し、(c)は吐出行程を示す。 図8は、その他の実施形態の冷凍装置に係る回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の冷凍装置は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(1)と、該冷媒回路(1)に接続される圧縮機(10a,10b)の軸受部(86,87)へ潤滑油を供給する油循環回路(5)とを備えている。
〈冷媒回路〉
図1に示すように、上記冷媒回路(1)は、圧縮機(10a,10b)と凝縮器(11a)と膨張弁(11b)と蒸発器(11c)とを主な構成機器として備え、これらの構成機器が冷媒配管で接続されている。又、この冷媒回路(1)には、これらの構成機器の他にエジェクタ(4)と貯留タンク(8)と電磁弁(SV1,SV2-1,SV2-2)と逆止弁(CV1,CV2)等が接続されている。
−圧縮機−
上記圧縮機(10a,10b)は、2台のスクリュー圧縮機である。各圧縮機(10a,10b)は、図2に示すように、ケーシング(20)と、圧縮機構部(30)と、電動機(80)とを備えた半密閉型である。圧縮機構部(30)及び電動機(80)は、ケーシング(20)に収容されている。また、圧縮機構部(30)と電動機(80)は、回転軸(85)を介して互いに連結されている。
上記ケーシング(20)には、該ケーシング(20)の内部を低圧空間(72)(図2の左側)と高圧空間(71)(図2の右側)とを仕切る隔壁部(22)が設けられている。そして、このケーシング(20)には、上記低圧空間(72)に連通する冷媒吸入口(27)と上記高圧空間(71)に連通する冷媒吐出口(25)とが形成されている。
図1、図2に示すように、ケーシング(20)内の低圧空間(72)には電動機(80)が設置されている。尚、2つの圧縮機(10a,10b)における電動機(80)の一方には、図示しないインバータを介して電力が供給される。このインバータの出力周波数を変更することにより、一方の圧縮機(10b)(以下、インバータ圧縮機(10b)という。)の回転数が変更可能に構成されている。又、他方の電動機(80)には、商用電源からの電力がそのまま供給され、他方の圧縮機(10a)(以下、一定速圧縮機(10a)という。)の回転数は一定である。
この電動機(80)は、図示していない固定子と回転子を備えている。そして、この回転子に回転軸(85)が取り付けられている。この回転軸(85)は、回転子よりも冷媒吐出口(25)寄りの部分が玉軸受(86)を介して回転自在に支持され、回転子よりも冷媒吸入口(27)寄りの部分がころ軸受(87)を介して回転自在に支持されている。
ここで、図3に示すように、玉軸受(86)の摺動部分を潤滑する潤滑油が上記ケーシング(20)の内部へ洩れないようにハウジング部材(3)で覆われている。このハウジング部材(3)の内部には収容室(2)が形成され、この収容室(2)内にある潤滑油で玉軸受(86)の潤滑が行われる。尚、玉軸受(86)の収容室(2)は、いずれも低圧空間となるように仕切られている。
又、このハウジング部材(3)には、上記油循環回路(5)が有する油供給配管(5a)が接続される給油口(3a)と上記油循環回路(5)が有する油戻り配管(5b)が接続される排油口(3b)とが設けられている。この給油口(3a)を通じて上記油循環回路(5)の油貯留部(8c)(図1を参照)から収容室(2)へ潤滑油が供給され、この排油口(3b)を通じて上記収容室(2)から上記油循環回路(5)の油貯留部(8c)へ潤滑油が排出される。
又、上記ハウジング部材(3)には、上記玉軸受(86)で回転支持された回転軸(85)が内嵌する貫通孔部(6)が形成されている。そして、この貫通孔部(6)と回転軸(85)との間がラビリンスシール(シール部)(7)でシールされている。このラビリンスシール(7)により、上記収容室(2)の潤滑油がハウジング部材(3)の外側へ洩れるのを抑制している。このように、上記油循環回路(5)から軸受部(86,87)のみへ潤滑油が供給される。尚、上記油循環回路(5)については、詳しく後述する。又、上記ころ軸受(87)に係るハウジング部材の構成については、玉軸受(86)に係るハウジング部材(3)と同じであるため、説明を省略する。
図5、図6に示すように、上記圧縮機構部(30)は、ケーシング(20)内に形成された円筒壁(39)と、該円筒壁(39)の中に配置された1つのスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。スクリューロータ(40)の外周面が円筒壁(39)の内周面と摺接するように構成されている。そして、円筒壁(39)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(50)の歯部(51)とによって囲まれた空間が圧縮室(43)となる。
又、この圧縮機構部(30)には、圧縮室(43)の吐出付近に開口するインジェクションポート(図示なし)が形成されている。このインジェクションポートには、上記冷媒回路(1)の冷媒貯留部(8b)から延びる冷媒インジェクション配管(17)が接続されている。この冷媒インジェクション配管(17)を通じて噴出される冷媒によって、上記圧縮機構部(30)の吐出冷媒ガスが冷却される。尚、この冷媒インジェクション配管(17)には、各圧縮機(10a,10b)に対応する電磁弁(SV2-1,SV2-2)が接続されている。これらの電磁弁(SV2-1,SV2-2)の開動作によって冷媒が各圧縮機構部(30)へインジェクションされる。
このように、従来の圧縮機とは違い、玉軸受及びころ軸受(86,87)(以下、単に軸受部(86,87)という。)と吐出冷媒ガスとの両方を潤滑油で行わず、上記軸受部(86,87)へ潤滑油を供給して該軸受部(86,87)を潤滑し、上記圧縮機構部(30)へ冷媒を供給して吐出冷媒ガスを冷却している。これにより、従来の圧縮機(10a,10b)に比べて、該圧縮機(10a,10b)へ供給する潤滑油の量を減らすことができ、この潤滑油により生じる圧縮機(10a,10b)の摺動損失が低減される。
−圧縮機に接続される冷媒配管−
図1、図2に示すように、各圧縮機(10a,10b)の吐出側には、吐出配管(12)が接続されている。この吐出配管(12)の入口側は2つに分岐して各圧縮機(10a,10b)の冷媒吐出口(25)に接続されている。又、この吐出配管(12)の出口端は上記凝縮器(11a)の冷媒流入口に接続されている。そして、吐出配管(12)の各分岐管には逆止弁(CV1,CV2)が設けられている。この逆止弁(CV1,CV2)は、各圧縮機(10a,10b)から凝縮器(11a)へ向かう冷媒の流れを許容して逆方向への冷媒の流れを阻止する向きに接続されている。この逆止弁(CV1,CV2)により、各圧縮機(10a,10b)が停止したときの凝縮器(11a)側から圧縮機(10a,10b)側への冷媒の逆流を防ぐことができる。
各圧縮機(10a,10b)の吸入側には、吸入配管(15)が接続されている。この吸入配管(15)の入口端は上記蒸発器(11c)の冷媒流出口に接続されている。又、この吸入配管(15)の出口側は2つの分岐出口管(15a,15b)に分岐し、各分岐出口管(15a,15b)が各圧縮機(10a,10b)の冷媒吸入口(27)に接続されている。
又、上記吐出配管(12)に係る一定速圧縮機(10a)側の分岐管と上記吸入配管(15)との間にはバイパス配管(接続配管)(16)が接続されている。そして、このバイパス配管(16)に電磁弁(SV1)が設けられている。この電磁弁(SV1)が開いたときに、一定速圧縮機(10a)から吐出された高圧ガス冷媒が上記吸入配管(15)へ戻るようになっている。これにより、一定速圧縮機(10a)の起動時の負荷を低減でき、起動渋滞を防ぐことができる。
−凝縮器とその周辺の冷媒配管−
凝縮器(11a)は、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器である。この熱交換器は、密閉型の円筒形のシェルと、該シェル内部に設けられた複数の伝熱管とを備えている。このシェルには、該シェルの内部に開口する冷媒流入口と冷媒流出口とが形成されている。この冷媒流入口には上記圧縮機(10a,10b)から延びる吐出配管(12)が接続され、この冷媒流出口には上記冷媒回路(1)の高圧液配管(13)の一端が接続されている。この高圧液配管(13)の他端は上記貯留タンク(8)に接続されている。上記吐出配管(12)を通じて上記圧縮機(10a,10b)から上記シェルの内部へ流入した高圧ガス冷媒は、そのシェルの内部で複数の伝熱管を流れる水と熱交換して凝縮する。この冷媒の凝縮により伝熱管の水が加熱される。そして、この凝縮した高圧液冷媒が上記高圧液配管(13)から流出する。
−貯留タンクとその周辺の配管−
貯留タンク(8)は密閉容器に構成されている。図4に示すように、この貯留タンク(8)の内部は隔壁(8a)で仕切られ、この隔壁(8a)を挟んで一方側(図4の左側)に冷媒貯留部(8b)が形成されて他方側(図4の右側)に油貯留部(8c)が形成されている。
そして、上記凝縮器(11a)から延びる高圧液配管(13)は、この油貯留部(8c)側の壁部と上記隔壁(8a)とを貫通して上記冷媒貯留部(8b)に開口している。この高圧液配管(13)を通じて凝縮器(11a)から流出した高圧液冷媒が冷媒貯留部(8b)に貯留される。尚、この高圧液配管(13)の一部は、上記油貯留部(8c)に貯留する潤滑油に浸漬するように配置されている。
この貯留タンク(8)には、フロートバルブ(18)と膨張弁(11b)とが設けられている。このフロートバルブ(18)によって、未凝縮ガスが蒸発器(11c)に流入し、該蒸発器(11c)の性能が低下することを防いでいる。そして、このフロートバルブ(18)を通過した高圧液冷媒が上記膨張弁(11b)で所定の圧力まで減圧される。
又、この貯留タンク(8)には、上記冷媒貯留部(8b)に開口する冷媒流出口と、上記油貯留部(8c)の側方に開口する図示していないポンプ取付口と、上記油貯留部(8c)の上部空間に共に開口するガス抜き口及び油流入口とが形成されている。
図1に示すように、上記油流入口には上記油循環回路(5)の油戻し配管(5b)が接続されている。又、上記ガス抜き口にはガス抜き配管(5c)の一端が接続されている。このガス抜き配管(5c)の他端は上記エジェクタ(4)の吸引流路(4b)に接続されている。尚、この油循環回路(5)及びエジェクタ(4)については、詳しく後述する。
又、上記冷媒流出口には上記冷媒回路(1)の低圧冷媒配管(14)の一端が接続されている。この低圧冷媒配管(14)の他端は上記蒸発器(11c)に接続されている。この低圧冷媒配管(14)にはドライヤ(19)が接続されている、このドライヤ(19)により冷媒中の水分が除去される。
−蒸発器−
図1に示すように、蒸発器(11c)は、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器である。この熱交換器は、密閉型の円筒形のシェルと、該シェル内部に設けられた複数の伝熱管とを備えている。このシェルには、該シェルの内部に開口する冷媒流入口と冷媒流出口とが形成されている。この冷媒流入口には上記貯留タンク(8)から延びる低圧冷媒配管(14)が接続され、この冷媒流出口には上記圧縮機(10a,10b)の吸入配管(15)が接続されている。上記低圧冷媒配管(14)を通じて上記膨張弁(11b)から上記シェルの内部へ流入した低圧冷媒は、そのシェルの内部で複数の伝熱管を流れる水と熱交換して蒸発する。この冷媒の蒸発により伝熱管の水が冷却される。そして、この蒸発した低圧ガス冷媒が上記吸入配管(15)から流出する。
〈油循環回路〉
図1、図3に示すように、上記油循環回路(5)は、上述した油貯留部(8c)と油供給配管(5a)と油戻し配管(5b)とを備えている。
上記油貯留部(8c)は、上述した貯留タンク(8)の内部に区画されている。そして、この油貯留部(8c)に油ポンプ(9)が設けられている。この油ポンプ(9)は、上記貯留タンク(8)のポンプ取付口に挿入固定されている。この油ポンプ(9)の吸込口は上記油貯留部(8c)内に開口し、上記油ポンプ(9)の吐出口は上記貯留タンク(8)の外側に開口している。この吐出口に上記油供給配管(5a)の流入端が接続されている。
又、上記油供給配管(5a)の流出側は、2つの油供給分岐管(28a,28b)に分岐して各油供給分岐管(28a,28b)が上記各圧縮機(10a,10b)におけるハウジング部材(3)の給油口(3a)に接続されている。この油供給配管(5a)を通じて、上記貯留タンク(8)の潤滑油が両方の圧縮機(10a,10b)の軸受部(86,87)へ供給される。
尚、図1に示すように、上記各油供給分岐管(28a,28b)は、上記各圧縮機(10a,10b)に係るケーシング(20)を貫通して高圧空間(71)から各ハウジング部材(3)へ延びているが、これに限定されず、上記各油供給分岐管(28a,28b)が、上記各圧縮機(10a,10b)に係るケーシング(20)を貫通して低圧空間(72)から各ハウジング部材(3)へ延びていてもよい。
ここで、上記油ポンプ(9)の吐出圧力によって、上記軸受部(86,87)における収容室(2)の圧力が上がらないようにするため、上記給油口(3a)の内面を絞り形状で構成している。この絞り形状は上記収容室(2)へ向かって口径が徐々に小さくなる形状であるのが好ましい。尚、この形状に限定されず、例えば段差状に口径が小さくなる形状であってもよい。これにより、上記油ポンプ(9)から吐出された潤滑油は、この絞り形状で減圧された後に上記収容室(2)へ流入する。
上記油戻し配管(5b)の流出端は、上記貯留タンク(8)の油流入口に接続されている。又、上記油戻し配管(5b)の流入側は、2つの油戻し分岐管(29a,29b)に分岐して各油戻し分岐管(29a,29b)が上記各圧縮機(10a,10b)におけるハウジング部材(3)の排油口(3b)に接続されている。この油戻し配管(5b)を通じて、両方の圧縮機(10a,10b)の軸受部(86,87)を潤滑した潤滑油が上記貯留タンク(8)へ戻される。
尚、上記油戻し配管(5b)に係る潤滑油の圧力損失を低減するため、該油戻し配管(5b)の内径を上記油供給配管(5a)の内径よりも大きくしている。これにより、油戻し配管(5b)及び油供給配管(5a)の内径が共に同一の場合に比べて、上記収容室(2)から上記油貯留部(8c)へ向かって潤滑油がスムーズに流れるようになる。尚、この形態に限定されず、例えば、上記油戻し配管(5b)と上記油供給配管(5a)とを同じ内径にして、上記排油口(3b)の流路断面積をこれらの配管(5a,5b)の流路断面積よりも上記収容室(2)に対して口径が徐々に大きくなる形状であっても同様の効果が得られる。
〈エジェクタ〉
図1に示すように、上記エジェクタ(4)は、駆動流路(4a)と吸引流路(4b)と噴出流路(4c)とを有している。上記冷媒回路(1)の吐出配管(12)から分岐した分岐管(33)が上記駆動流路(4a)に連通している。又、上記冷媒回路(1)のバイパス配管(16)の分岐管(34)が上記噴出流路(4c)に連通している。又、上記貯留タンク(8)のガス抜き口から延びるガス抜き配管(5c)が上記吸引流路(4b)に連通している。
上記駆動流路(4a)へ流入した高圧ガス冷媒は、該駆動流路(4a)を通過する際に該駆動流路(4a)内に設けられたノズルで膨張する。この膨張によってノズルの出口で高圧ガス冷媒の流れが加速され、この加速で生じる負圧によって、上記貯留タンク(8)のガス抜き口から吸引流路(4b)を通じて上記貯留タンク(8)の油貯留部(8c)に溜まった冷媒ガスが吸引される。そして、上記駆動流路(4a)を通過した高圧ガス冷媒と上記吸引流路(4b)を通過した冷媒ガスとが混合され、上記噴出流路(4c)に流入する。上記噴出流路(4c)内に流入した冷媒ガスは、該噴出流路(4c)に設けられたディフューザで減速して昇圧された後に、上記冷媒回路(1)のバイパス配管(16)へ噴出するようになっている。
−運転動作−
〈圧縮機〉
図2、図6に示すように、電動機(80)に通電すると、電動機(80)によってスクリューロータ(40)が駆動される。スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)には、各ゲートロータ(50)の歯部(51)が噛み合っている。このため、スクリューロータ(40)が回転すると、各ゲートロータ(50)は、その軸部(58)の中心軸周りに回転し、吸入行程、圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここでは、図7において網掛けを付した圧縮室(43)に着目して説明する。
図7(a)において、網掛けを付した圧縮室(43)は、低圧空間(72)に連通している。スクリューロータ(40)が回転すると、各ゲートロータ(50)の歯部(51)が螺旋溝(41)の吸入側端部から吐出側端部へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(43)の容積が拡大する。その結果、低圧空間(72)の低圧ガス冷媒が圧縮室(43)へ吸い込まれる。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図7(b)の状態となる。同図において、網掛けを付した圧縮室(43)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(43)が形成されている螺旋溝(41)は、ゲートロータ(50)の歯部(51)によって低圧空間(72)から仕切られている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴って歯部(51)が螺旋溝(41)の吸入側端部から吐出側端部へ向かって移動すると、圧縮室(43)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(43)内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図7(c)の状態となる。同図において、網掛けを付した圧縮室(43)は、高圧空間(71)と連通した状態となっている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴って歯部(51)が螺旋溝(41)の吸入側端部から吐出側端部へ向かって移動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室(43)から高圧空間(71)へ押し出されてゆく。
〈冷媒回路〉
上記圧縮機(10a,10b)を起動すると、上記冷媒回路(1)内を図1の白い矢印の示す方向へ向かって冷媒が循環する。
上記各圧縮機(10a,10b)から吐出された高圧ガス冷媒は、上記吐出配管(12)で合流した後に上記凝縮器(11a)へ流入する。ここで、回転数が可変可能な圧縮機(10b)(図1の右側)から吐出された高圧ガス冷媒の一部は分岐してエジェクタ(4)へ送られる。又、上記バイパス配管(16)の電磁弁(SV1)が開くと、回転数が一定の圧縮機(10a)(図1の左側)から吐出された高圧ガス冷媒の一部が上記バイパス配管(16)を経て上記吸入配管(15)へ流出する。これにより、一定速圧縮機(10a)の低負荷起動が可能になっている。
上記凝縮器(11a)に流入した高圧ガス冷媒は、該凝縮器(11a)のシェル内に配置された複数の伝熱管を通過する水に放熱した後に凝縮して高圧液冷媒となる。この高圧液冷媒は、上記凝縮器(11a)から流出して上記高圧液配管(13)を流れる。
上述したように、上記高圧液配管(13)の一部が上記貯留タンク(8)の油貯留部(8c)に浸漬しているため、この浸漬した部分で高圧液冷媒と上記油貯留部(8c)の潤滑油とが熱交換する。この熱交換で潤滑油が加熱され、該潤滑油中の冷媒が蒸発する。この蒸発した冷媒ガスが上記油貯留部(8c)の上部に溜まる。
この油貯留部(8c)の上部に溜まった冷媒ガスは、上述したように、上記エジェクタ(4)によって上記油貯留部(8c)から上記バイパス配管(16)を通じて排出される。このように、上記油循環回路(5)内の冷媒ガスを排出することにより、上記油循環回路(5)の圧力を上記冷媒回路(1)の圧力よりも低く保つことが可能となる。
上記高圧液配管(13)を通過した高圧液冷媒は、上記貯留タンク(8)の冷媒貯留部(8b)へ流入した後で冷媒貯留部(8b)に貯留される。この冷媒貯留部(8b)では、上記フロートバルブ(18)で適宜に該冷媒貯留部(8b)から膨張弁(11b)へ向かう冷媒の量が調整される。
上記膨張弁(11b)へ流入した高圧液冷媒は、該膨張弁(11b)で所定圧力まで減圧されて二相状態の低圧冷媒となった後で上記膨張弁(11b)を流出する。この膨張弁(11b)を流出した低圧冷媒は、上記低圧冷媒配管(14)を介して上記蒸発器(11c)へ流入する。尚、低圧冷媒は上記低圧冷媒配管(14)を通過する途中で、上記ドライヤ(19)によって上記低圧冷媒に含まれる水分が分離される。
上記蒸発器(11c)に流入した低圧冷媒は、該蒸発器(11c)のシェル内に配置された複数の伝熱管を通過する水から吸熱した後に蒸発して低圧ガス冷媒となる。尚、伝熱管を通過する水は、シェル内の低圧冷媒へ放熱することにより冷却される。そして、この低圧ガス冷媒は、上記蒸発器(11c)から流出した後で上記吸入配管(15)を通じて分流し、各圧縮機(10a,10b)に吸入される。
上記各圧縮機(10a,10b)へ吸入された低圧ガス冷媒は、該圧縮機(10a,10b)の圧縮機構部(30)(図2を参照)で所定の圧力まで圧縮されて高圧ガス冷媒となった後で上記各圧縮機(10a,10b)から再び吐出される。各圧縮機(10a,10b)から吐出された高圧ガス冷媒は、上記吐出配管(12)で合流した後で上記凝縮器(11a)へ送られる。このように、上記冷媒回路(1)内を冷媒が循環することにより、該冷媒回路(1)で冷凍サイクルが行われる。
又、図1の破線の矢印で示すように、上記貯留タンク(8)の冷媒貯留部(8b)に溜まった冷媒の一部が、上記冷媒インジェクション配管(17)を経て上記圧縮機構部(30)へインジェクションされる。この冷媒のインジェクションによって、上記圧縮機構部(30)に係るスクリューロータ(40)及びゲートロータ(50)の潤滑及びシールが行われる。又、この冷媒のインジェクションによって、上記圧縮機構部(30)の吐出冷媒ガスが冷却される。
〈油循環回路〉
上記油ポンプ(9)を起動すると、上記油循環回路(5)内を図1の黒い矢印の示す方向へ潤滑油が潤滑する。また、油循環回路(5)はエジェクタ(4)により、吸入圧力以下の圧力に減圧されている。上記油ポンプ(9)から吐出された潤滑油は、上記油供給配管(5a)で2つに分流した後で、図3に示すように、各圧縮機(10a,10b)の軸受部(86,87)を覆うハウジング部材(3)の内部へ流入する。この潤滑油は、上記ハウジング部材(3)の収容室(2)に貯留される。そして、この貯留された潤滑油で上記軸受部(86,87)の摺動部分が潤滑される。ここで、上記ハウジング部材(3)の貫通孔部(6)と上記軸受部(86,87)に回転支持された回転軸(85)との間は、上述したラビリンスシール(7)でシールされる。貫通孔部(6)と回転軸(85)とはラビリンスシール(7)でシールされているため、貫通孔部(6)と回転軸(85)とは非接触であり、接触シールに比べて貫通孔部(6)と回転軸(85)との間の摺動損失を低減することができる。
このラビリンスシール(7)は非接触シールであるため、該ラビリンスシール(7)には微小隙間(7a)が存在し、この微小隙間(7a)を通じて上記圧縮機(10a,10b)のケーシング(20)内の冷媒ガスが上記収容室(2)内へ浸入する。このため、上記収容室(2)内は冷媒ガスと潤滑油とが混在した状態になっている。
尚、この冷媒ガスが上記収容室(2)内へ浸入するのは、上記エジェクタ(4)によって上記油循環回路(5)の圧力が上記冷媒回路(1)の圧力よりも低くなっているからである。上記収容室(2)内の潤滑油が上記ケーシング(20)へ洩れることはない。
このように、上記ラビリンスシール(7)の微小隙間(7a)を通じて上記収容室(2)へ浸入した冷媒ガスは潤滑油とともに上記収容室(2)から流出する。この冷媒ガス混じりの潤滑油は、上記油戻し配管(5b)を通じて合流した後で上記貯留タンク(8)の油貯留部(8c)へ流入する。
この冷媒混じりの潤滑油のうち、該潤滑油に溶け込めなかった冷媒ガスは、上記油貯留部(8c)へ流入する際に潤滑油から分離して上記油貯留部(8c)の上部に溜まる。又、冷媒ガスを分離した潤滑油は上記油貯留部(8c)の下部に溜まる。一方、潤滑油に溶け込んだ冷媒ガスは、上記高圧液配管(13)の管壁を通じて加熱されて蒸発する。又、潤滑油に溶け込んだ冷媒ガスは、上記貯留タンク(8)の隔壁(8a)を通じて上記冷媒貯留部(8b)に溜まった高圧液冷媒で加熱されて蒸発する。これらの蒸発した冷媒ガスは、上記油貯留部(8c)の上部に溜まる。
このようにして油貯留部(8c)内で互いに分離した潤滑油と冷媒ガスのうち、冷媒ガスは上記エジェクタ(4)の吸引流路(4b)を通じて上記冷媒回路(1)のバイパス配管(16)へ排出される。一方、潤滑油は上記油ポンプ(9)に吸入された後で上記油供給配管(5a)へ向かって再び吐出される。このように、上記油循環回路(5)内を潤滑油が潤滑することにより、その潤滑油で各圧縮機(10a,10b)の軸受部(86,87)が潤滑される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記油循環回路(5)の潤滑油を上記冷媒回路(1)へ洩らさないようにすることができる。これにより、従来とは違い、上記冷媒回路(1)を循環する潤滑油混じりの冷媒から潤滑油を分離させて上記軸受部(86,87)へ供給しなくてもよくなり、この分離動作で生じる冷媒ガスを上記圧縮機(10a,10b)の吸入側へ多量に戻す必要がなくなる。以上より、冷凍装置の冷凍能力を低下させることなく、圧縮機(10a,10b)の軸受部(86,87)を良好に潤滑することができる。
又、本実施形態によれば、上記冷媒回路(1)の高圧液配管(13)を利用して、上記油貯留部(8c)の潤滑油を加熱することができる。この高圧液配管(13)による加熱は、上記冷凍装置へ供給される電力の一部を直接的に利用するものではないので、上記冷凍装置の供給電力を増加させることなく、上記油貯留部(8c)の潤滑油から冷媒を分離することができる。
又、本実施形態によれば、上記油貯留部(8c)の隔壁(8a)を通じて、上記冷媒貯留部(8b)における高温の液冷媒の熱で上記油貯留部(8c)に溜まった潤滑油を加熱することができる。この加熱は、上記冷凍装置へ供給される電力の一部を直接的に利用するものではないので、上記冷凍装置の供給電力を増加させることなく、上記油貯留部(8c)の潤滑油から冷媒を分離することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態によれば、上記冷媒回路(1)の高圧液配管(13)を上記貯留タンク(8)の油貯留部(8c)に浸漬させて該油貯留部(8c)の潤滑油を加熱していたが、これに限定される必要はなく、図8に示すように、上記冷媒回路(1)の吐出配管(12)を上記貯留タンク(8)の油貯留部(8c)に浸漬させて該油貯留部(8c)の潤滑油を加熱してもよい。この場合でも、上記潤滑油を加熱することにより、該潤滑油に溶け込んだ冷媒を蒸発させて該潤滑油から分離させることができる。
又、上記油貯留部(8c)の潤滑油を加熱するため、上記油循環回路(5)の潤滑油と上記冷媒回路(1)の高圧ガス冷媒又は高圧液冷媒とを熱交換する熱交換器を上記冷凍装置に設けてもよい。
又、本実施形態によれば、上記エジェクタ(4)の噴出流路(4c)が上記バイパス配管(16)に係る分岐管(34)に接続されていたが、これに限定されず、例えば上記吸入配管(15)に接続されていてもよい。この場合であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
又、本実施形態によれば、上記圧縮機(10a,10b)は、一方が一定速圧縮機(10a)であり、他方がインバータ圧縮機(10b)であるが、これに限定されず、両方とも一定速圧縮機(10a)であってもよいし、両方ともインバータ圧縮機(10b)であってもよい。この場合であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷媒回路と油循環回路とを備えた冷凍装置について有用である。
1 冷媒回路
3 ハウジング部材
4 エジェクタ(減圧機構)
5 油循環回路
8 貯留タンク
8a 隔壁(加熱部)
9 油ポンプ
10a 一定速圧縮機(圧縮機)
10b インバータ圧縮機(圧縮機)
11a 凝縮器
11b 膨張弁
11c 蒸発器
12 吐出配管(加熱部)
13 高圧液配管(加熱部)
80 電動機
86 玉軸受(軸受部)
87 ころ軸受(軸受部)

Claims (9)

  1. 圧縮機(10)と凝縮器(11a)と膨張弁(11b)と蒸発器(11c)とが接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(1)を備え、
    上記圧縮機(10)は、ケーシング(20)と、該ケーシング(20)内に収容された圧縮機構部(30)及び電動機(80)を上記ケーシング(20)内で連結する回転軸(85)と、該回転軸(85)をケーシング(20)内で回転支持する軸受部(86,87)とを有する冷凍装置であって、
    上記軸受部(86,87)を囲む収容室(2)と、該収容室(2)に開口するとともに上記軸受部(86,87)に支持された回転軸(85)が貫通する貫通孔部(6)と、該貫通孔部(6)及び上記回転軸(85)の間を摺動自在にシールするシール部(7)とを有するハウジング部材(3)と、
    上記収容室(2)に接続されて、上記軸受部(86,87)を潤滑するための潤滑油が循環する油循環回路(5)とを備え、
    上記油循環回路(5)は、上記潤滑油を貯留する貯留タンク(8)と、該貯留タンク(8)の潤滑油を昇圧する油ポンプ(9)と、該油ポンプ(9)で昇圧した潤滑油を上記軸受部(86,87)へ供給する油供給配管(5a)と、上記軸受部(86,87)を潤滑した後の潤滑油を上記貯留タンク(8)へ戻す油戻し配管(5b)とを含み、
    上記油循環回路(5)内の圧力を上記ケーシング(20)内の圧力よりも低くする減圧機構(4)をさらに備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記減圧機構(4)は、上記シール部(7)の隙間から上記油循環回路(5)へ浸入した冷媒を上記冷媒回路(1)へ排出しながら上記油循環回路(5)内の圧力を上記ケーシング(20)内の圧力よりも低くするように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記減圧機構(4)は、上記冷媒回路(1)に接続されたエジェクタ(4)であり、
    上記エジェクタ(4)は、上記冷媒回路(1)における圧縮機(10)及び凝縮器(11a)の間の冷媒配管に連通する駆動流路(4a)と、上記貯留タンク(8)の潤滑油における油面の上方にある上方空間に連通する吸引流路(4b)と、上記冷媒回路(1)における蒸発器(11c)及び圧縮機(10)の間の冷媒配管(15)又は該冷媒配管(15)に接続される接続配管(16)に連通する噴出流路(4c)とを有していることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1において、
    上記貯留タンク(8)内で上記シール部(7)の隙間から浸入した冷媒を含む潤滑油を加熱して該潤滑油中の冷媒を蒸発させる加熱部(8a,12,13)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記加熱部は、上記冷媒回路(1)の圧縮機(10)から凝縮器(11a)へ向かう高圧冷媒が流通するとともに上記貯留タンク(8)の潤滑油に少なくとも一部が浸漬する吐出配管(12)であることを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項4において、
    上記加熱部は、上記冷媒回路(1)の凝縮器(11a)から膨張弁(11b)へ向かう高圧冷媒が流通するとともに上記貯留タンク(8)の潤滑油に少なくとも一部が浸漬する高圧液配管(13)であることを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項4において、
    上記貯留タンク(8)内には、上記冷媒回路(1)の凝縮器(11a)と膨張弁(11b)との間に接続されて冷媒を貯留する冷媒貯留部(8b)と、上記油循環回路(5)に接続されて潤滑油を貯留する油貯留部(8c)とが設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項7において、
    上記加熱部は、上記貯留タンク(8)に係る上記冷媒貯留部(8b)と上記油貯留部(8c)とを仕切る隔壁(8a)であることを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項1から8の何れか1つにおいて、
    上記圧縮機(10)は複数設けられ、
    上記油循環回路(5)は、1つの貯留タンク(8)及び1つの油ポンプ(9)で各圧縮機(10)の軸受部(86,87)へ潤滑油を供給するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
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