JP2014136548A - 車両用ヒートポンプ装置、車両用空調システムおよび電力用半導体冷却方法 - Google Patents

車両用ヒートポンプ装置、車両用空調システムおよび電力用半導体冷却方法 Download PDF

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徹 藤澤
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Abstract

【課題】電力用半導体の過熱保護および空調性能の変動抑制を両立する車両用ヒートポンプ装置、車両用空調システムおよび電力用半導体冷却方法を提供すること。
【解決手段】この車両用ヒートポンプ装置は、吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動モータを有する電動圧縮機と、電源から給電される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータへ供給する電力用半導体と、前記電力用半導体が放熱可能なように前記電力用半導体と隣接し、前記冷却液が流れる通路と、前記冷却液を輸送するウォータポンプと、前記電力用半導体および前記ウォータポンプの駆動を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記電力用半導体が前記電動モータへ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記ウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う構成を採る。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両用ヒートポンプ装置、車両用空調システムおよび電力用半導体冷却方法に関する。
電気で走行する自動車では、空調装置の冷媒を圧縮する圧縮機として電動圧縮機が採用される。電動圧縮機は、圧縮機構を動かす電動モータと、電動モータを駆動する駆動回路(例えばインバータ回路)とを備える。駆動回路は発熱するため冷却する必要がある。駆動回路を冷却する技術として、例えば、特許文献1に開示の負荷駆動装置の過熱保護装置が知られている。
特許文献1には、温度センサが絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)近傍の金属ケースに固定またはIGBTチップに集積され、金属ケースの反実装面に設けられたフィンが空冷される過熱保護装置が開示されている。この過熱保護装置は、温度センサが検出した温度変化速度が上昇方向に大きい場合に、IGBTの通電電流の減少速度を増大させることでIGBTの過熱を防止する。なお、IGBTは、電力用半導体であり、パワー半導体、パワー素子とも呼ばれる。
特開2000−83383号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の過熱保護装置では、IGBTの過熱保護を行う際、IGBTの通電電流の減少速度を増大させるため、電動圧縮機の回転数が減少し、最大空調能力を維持することができないという問題がある。また、このような空調性能の変動に伴って、車室内に吹出される空調風の温度が変動し、車室内の快適性が損なわれるおそれがある。
本発明の目的は、電力用半導体の過熱保護および空調性能の変動抑制を両立する車両用ヒートポンプ装置、車両用空調システムおよび電力用半導体冷却方法を提供することである。
本発明の一態様に係る車両用ヒートポンプ装置は、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置であって、吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動モータを有する電動圧縮機と、電源から給電される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータへ供給する電力用半導体と、前記電力用半導体が放熱可能なように前記電力用半導体と隣接し、前記冷却液が流れる通路と、前記冷却液を輸送するウォータポンプと、前記電力用半導体および前記ウォータポンプの駆動を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記電力用半導体が前記電動モータへ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記ウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う構成を採る。
本発明の一態様に係る車両用空調システムは、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置を備える車両用空調システムであって、吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動モータを有する電動圧縮機と、電源から給電される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータへ供給する電力用半導体と、前記電力用半導体が放熱可能なように前記電力用半導体と隣接し、前記冷却液が流れる通路と、前記冷却液を輸送するウォータポンプと、前記電力用半導体の駆動を制御する制御部と、前記制御部は、前記電力用半導体が前記電動モータへ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記ウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う構成を採る。
本発明の一態様に係る電力用半導体冷却方法は、冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置における電力用半導体冷却方法であって、制御部は、前記冷媒を圧縮して吐出する電動圧縮機に電力を供給する電力用半導体の温度を取得し、取得した前記電力用半導体の温度が所定の温度以上であるか否かを判定し、前記電力用半導体が前記電動圧縮機へ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記冷却液を輸送するウォータポンプの回転数を増加させる制御を行うようにした。
本発明によれば、電力用半導体の過熱保護および空調性能の変動抑制を両立することができる。
本実施の形態に係る車両用ヒートポンプ装置を示す斜視図 本実施の形態の車両用ヒートポンプ装置を示す一部破断図 本実施の形態の車両用ヒートポンプ装置の冷媒および冷却液の流れについて説明する図 車両用ヒートポンプ装置を用いた車両温度調整システムについて説明する図 車両用ヒートポンプ装置を用いた車両温度調整システムについて説明する図 車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す一部破断の斜視図 車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す断面図 図7のD−D線断面図 車両用ヒートポンプ装置のインバータの周辺を示す一部破断の斜視図 図9のE−E線断面図 実施の形態のインバータ周辺の構成を示すブロック図 暖房時における車両用ヒートポンプ装置の制御部の処理手順を示すフロー図 パワー素子温度とウォータポンプ回転数との関係の一例を示す図 冷房時における車両用ヒートポンプ装置の制御部の処理手順を示すフロー図 パワー素子温度とラジエータファン回転数との関係の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<車両用ヒートポンプ装置の構成>
まず、本発明の実施の形態における各構成について、図1および図2を用いて説明する。図1および図2は、本実施の形態に係る車両用ヒートポンプ装置の構成を示す図である。
車両用ヒートポンプ装置1は、車両に搭載される装置であり、低温側水冷媒熱交換器110と、高温側水冷媒熱交換器111と、冷媒を圧縮し吐出する電動圧縮機112と、コンプレッサ筐体109等を備える。ここで、車両とは、例えば、電気自動車である。電気自動車とは、例えば、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、またはHEV(Hybrid Electric Vehicle)等、車両に搭載されている蓄電池を用いて走行する車両である。
車両用ヒートポンプ装置1は、その内部にヒートポンプを有し、ヒートポンプの冷媒と低温側の冷却液(第2の冷却液に相当)および高温側の冷却液(第1の冷却液に相当)との間で熱交換を行う。低温側の冷却液と高温側の冷却液とは、車両用ヒートポンプ装置1の外部から導入される。
冷媒は、例えば、二酸化炭素(CO2)など、電気自動車に要求される極低温の環境下でもヒートポンプサイクルの効率を向上できる一方、作動圧力が高くなるものが採用される。
冷却液は、例えば、エチレングリコール水溶液などの液体である。冷却液は、不凍液であれば良く、エチレングリコール水溶液以外にプロピレングリコール水溶液を用いることも可能である。
高温側の冷却液は、高温側導入管104を介してコンプレッサ筐体109の外部から導入される(図1の矢印B)。この導入された冷却液は、高温側水冷媒熱交換器111にて加熱され、高温側導出管105から導出される(図1の矢印B)。冷却液は、高温側ウォータポンプ101が備える電動モータの駆動力にて輸送される。
高温側水冷媒熱交換器111は、高温高圧の冷媒が流れる通路と高温側の冷却液が流れる通路とを備え、これら通路の間で熱を移動させるように構成されている。
低温側の冷却液は、低温側導入管106を介して車両用ヒートポンプ装置1の外部から導入される(図1の矢印A)。導入された冷却液は、低温側水冷媒熱交換器110にて冷却され、低温側導出管107から導出される(図1の矢印A)。冷却液は、低温側ウォータポンプ102が備える電動モータの駆動力にて輸送される。
低温側水冷媒熱交換器110は、低温低圧の冷媒が流れる通路と低温側の冷却液が流れる通路とを備え、これらの通路の間で熱を移動させるように構成されている。
電動圧縮機112は、電動モータ112aと圧縮機構112bとにより構成される。圧縮機構112bは、電動モータ112aが発生する駆動力により冷媒を圧縮して吐出する機構である。圧縮機構112bは、例えば、スクロール型を用いることができる。電動モータ112aは、インバータ(駆動回路に相当)113により電気的に駆動される。インバータ113は電力用半導体(例えばIGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を有しており、給電部103から給電される直流電力を3相交流電力に変換して電動モータ112aへ供給する。電力用半導体は、パワー半導体、パワー素子とも呼ばれる。
また、車両用ヒートポンプ装置1は、電動圧縮機112の冷媒の入口の上流にアキュムレータ108を備える。アキュムレータ108は、冷媒を気体と液体に分離させることで、電動圧縮機112へ気体の冷媒のみを供給する役割をなす。電動圧縮機112の破壊を防止するためである。
また、車両用ヒートポンプ装置1は、低温側水冷媒熱交換器110の冷媒の入口の上流に膨張弁114を備える。膨張弁114は、熱量を変化させずに高圧の冷媒を膨張させて低圧にすることで、冷媒を低温にして低温側水冷媒熱交換器110へ送る。
また、車両用ヒートポンプ装置1は、車両用ヒートポンプ装置1の外部から電源供給を受けるための給電部103を備える。給電部103は、コンプレッサ筐体109の外壁に備える。給電部103へ供給された電気エネルギーは、電動圧縮機112、高温側ウォータポンプ101、および、低温側ウォータポンプ102のそれぞれが備える電動モータの駆動に用いられる。
<車両用ヒートポンプ装置の動作>
次に、図3を用いて車両用ヒートポンプ装置1の冷媒と冷却液の流れについて説明する。
始めに、冷媒の流れを説明する。図3の矢印Cは冷媒の流れる方向を示している。冷媒は、電動圧縮機112、高温側水冷媒熱交換器111、膨張弁114、低温側水冷媒熱交換器110を、この順で流れる。この冷媒の流れにより、ヒートポンプサイクルが構成される。
電動圧縮機112で圧縮された高温高圧の冷媒は、高温側水冷媒熱交換器111にて熱を放出して液体となる。液体となった冷媒は、膨張弁114にて急激に膨張され、低温低圧の冷媒となる。この低温低圧の冷媒は、低温側水冷媒熱交換器110にて熱を吸収して蒸発する。蒸発した冷媒はアキュムレータ108を通過して電動圧縮機112にて再度、圧縮される。
続いて、冷却液の流れを説明する。高温側導入管104を介してコンプレッサ筐体109の外部から導入された冷却液は、インバータ113から発せられた熱を吸熱し、高温側水冷媒熱交換器111にて高温の冷媒と熱交換を行って加熱される。加熱された冷却液は、高温側導出管105から導出される。
低温側導入管106を介して車両用ヒートポンプ装置1の外部から導入された冷却液は、低温側水冷媒熱交換器110にて低温の冷媒と熱交換を行って冷却され、低温側導出管107から導出される。
このように、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1では、装置内だけで冷媒を循環させてヒートポンプサイクルを実現している。さらに、高温側水冷媒熱交換器111および低温側水冷媒熱交換器110は、空気ではなく液体(冷却液)と冷媒との間で熱交換を行う。この構成により、車両用ヒートポンプ装置1は、冷却液を介して車両用ヒートポンプ装置1から離れた箇所から熱を吸収し、車両用ヒートポンプ装置1から離れた箇所へ熱を放出することができる。
<車両温度調整システム>
次に、図4および図5を用いて、車両用ヒートポンプ装置1を用いた車両温度調整システムについて説明する。図4は車両温度調整システムの暖房運転時の説明図、図5は車両温度調整システムの冷房運転時の説明図である。
高温側導出管105から導出した加熱された冷却液、および、低温側導出管107から導出した冷却された冷却液は車両用空調装置2へ導入され、冷房もしくは暖房に用いられる。車両用空調装置2は、ファイアウォール7の車室側に配置され、車室内の空調を行う装置である。車両用ヒートポンプ装置1は、ファイアウォール7の車室外の側に配置される。
車両用空調装置2は、冷房用空気水熱交換器200、暖房用空気水熱交換器201、ブロワファン202、および、切換ドア203を備える。
冷房用空気水熱交換器200は、ブロワファン202により送風された空気と、低温側導出管107から導出した冷却された冷却液との間で熱交換を行い、空気を冷却するものである。冷却された空気は車室内へ導かれ、車室内の冷房に用いられる。
冷房用空気水熱交換器200にて加熱された冷却液は、低温側導入管106を介して、再度、車両用ヒートポンプ装置1へ導入される。
暖房用空気水熱交換器201は、ブロワファン202により送風された空気と、高温側導出管105から導出した加熱された冷却液との間で熱交換を行い、空気を加熱するものである。加熱された空気は車室内へ導かれ、車室内の暖房に用いられる。
暖房用空気水熱交換器201にて冷却された冷却液は、高温側導入管104を介して、再度、車両用ヒートポンプ装置1へ導入される。なお、第1のラジエータ5は、冷房時の冷却液の放熱に用いられる。
車両用ヒートポンプ装置1が導出する冷却液は、発熱体3の冷却に用いることも可能である。ここで、発熱体3とは、例えば、電気自動車に用いられる走行用モータ、走行用モータを駆動するためのインバータ、走行用モータへ電気エネルギーを供給するための蓄電池、車両外部から蓄電池を充電するための充電器、蓄電池の電圧変換を行うためのDC−DC変換器などの、発熱部材である。これら発熱部材は電気自動車の走行中等に冷却を必要とする。
発熱体3から放出される熱は、冷却液に吸熱させる。すなわち、冷却液は加熱される。この加熱された冷却液は、低温側導入管106へ導かれ、車両用ヒートポンプ装置1にて冷却される。この加熱された冷却液は、第2のラジエータ6で放熱させることで、冷却することもできる。
車両用空調装置2を車室内の暖房に用いる場合は、発熱体3から放出された熱を、冷却液に吸熱させる。すなわち、冷却液は加熱される。この加熱された冷却液は、低温側導入管106へ導かれ、低温側水冷媒熱交換器110にて冷却される。
この際、冷媒に回収(吸熱)された熱を、高温側水冷媒熱交換器111にて高温側の冷却液に回収(吸熱)させ、この冷却液を高温側導出管105から導出させ、暖房用空気水熱交換器201に導くことで、車室内の空気の加熱に利用する事も可能である。
車両温度調整システムでは、図4と図5とに示すように、複数の三方弁Tによる冷却液の経路の切り替え、ならびに、切換ドア203による車室内へ向かう空気の経路の切り替えにより、車室内の暖房および冷房等の切り替えを行うことができる。
<高温側水冷媒熱交換器の詳細>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1におけるコンプレッサ筐体109側の構成を詳細に説明する。
図6は、車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す一部破断の斜視図である。図7は、車両用ヒートポンプ装置のコンプレッサ筐体側の構成を示す断面図である。図8は、図7のD−D線断面図である。
高温側水冷媒熱交換器111および電動圧縮機112は、コンプレッサ筐体109に収められて一体化されている。コンプレッサ筐体109は、密閉性を有し、冷却液および冷媒の各導入口および各導出口を除いて、高温側水冷媒熱交換器111と電動圧縮機112とを内部に閉じ込める。
高温側水冷媒熱交換器111は、図6〜図8に示すように、冷媒が流れる通路111aと、冷却液が流れる通路111bとを備えている。
冷却液の通路111bは、例えば、電動圧縮機112の周囲に沿って二次元方向(図6のX−R方向)に広がる空間により構成され、通路111bの一端および他端に冷却液の導入口111binと導出口111boutとが設けられている。導出口111boutは、高温側ウォータポンプ101に通じている。また、通路111bの一部は、コンプレッサ筐体109の壁体により構成されている。
冷媒の通路111aは、例えば、複数の直線状且つ筒状の配管により構成され、冷却液の通路111bを横切るように通路111bを囲う空間内に配置されている。図8に示すように、複数の通路111aは、電動圧縮機112の周方向(図6のR方向)に分散して配置されている。各通路111aの一端は、図7に示すように、電動圧縮機112の冷媒導出口につながる冷媒室111cに通じ、各通路111aの他端は、膨張弁114につながる冷媒室111dに通じている。冷媒室111c、111dの一部は、コンプレッサ筐体109の壁体により構成されている。
高温側水冷媒熱交換器111は、図6〜図8に示すように、電動圧縮機112(電動モータ112aおよび圧縮機構112b)の周囲を囲うように配置され、電動圧縮機112と高温側水冷媒熱交換器111とは熱的に結合している。
冷媒は、導入口142(図7を参照)を介して、低温側水冷媒熱交換器110から電動圧縮機112へ導入される。また、冷媒は、導出口141(図7を参照)を介して、高温側水冷媒熱交換器111から膨張弁114へ導出される。
<インバータの冷却構造>
図9は、車両用ヒートポンプ装置のインバータの周辺を示す一部破断の斜視図である。図10は、図9のE−E線断面図である。
本実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1は、図9に示すように、回路収容部120と、回路冷却用通路130とを備えている。
回路冷却用通路130は、図10に示すように、高温側の冷却液が迂回して流れる通路であり、コンプレッサ筐体109に設けられている。回路冷却用通路130は、コンプレッサ筐体109と一体成型された構成としてもよいし、別の金属成型部品をコンプレッサ筐体109に溶接または締結した構成としてもよい。
回路冷却用通路130は、上流端が冷却液の導入口111binにつながり、下流端が高温側水冷媒熱交換器111の通路111bの入口につながっている。回路冷却用通路130は、壁121を挟んで回路収容部120と隣接し、且つ、壁121と接触する面積が大きく構成されている。具体的には、回路冷却用通路130は、壁121側から見た回路冷却用通路130の通路幅が広く形成されている。
回路収容部120は、インバータ113を収容する空間であり、コンプレッサ筐体109に設けられている。回路収容部120は、コンプレッサ筐体109と一体成型された構成としてもよいし、別の金属成型部品をコンプレッサ筐体109に溶接または締結した構成としてもよい。
回路収容部120は、低温側水冷媒熱交換器110と電動圧縮機112との間に配置され、壁121を挟んで回路冷却用通路130と隣接している。なお、回路収容部120は、電動圧縮機112の近傍で、且つ、高温側の冷却液の通路に近接できればどのような配置としてもよい。
インバータ113は、回路収容部120の中で、壁121に接触して固定されている。具体的には、インバータ113に含まれるパワー素子134(図11参照)が、壁121に直接に接触して固定されている。なお、インバータ113のパワー素子134が、熱伝導の高い放熱体を介して壁121に接触した構成としてもよい。
このような構成により、インバータ113は、壁121を介して回路冷却用通路130の冷却液に熱を放出し、高温側の冷却液によって冷却される。
<インバータ周辺の機能ブロック>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1のインバータ113周辺における機能ブロックについて説明する。
図11は、車両用ヒートポンプ装置のインバータ周辺の構成を示すブロック図である。なお、図11では、車両用ヒートポンプ装置1と共に、電力を充放電する蓄電池301、エアコンを制御するエアコン制御装置302、および、冷却液の放熱を行う第1のラジエータ5も記載する。
図11より、車両用ヒートポンプ装置1は、電動圧縮機112、インバータ113、高温側ウォータポンプ101及び低温側ウォータポンプ102を含む。
電動圧縮機112は、電動モータ112aおよび圧縮機構112bを含む。電動圧縮機112は、インバータ113の制御により冷媒を圧縮する。
インバータ113は、サーミスタ131、制御部(パワー素子過熱保護制御部)132、駆動部133およびパワー素子134を含む。インバータ113は、電動モータ112aに対して駆動制御を行う。
高温側ウォータポンプ101は、インバータ113における制御部132の制御により、高温側の冷却液を輸送し、低温側ウォータポンプ102は、インバータ113における制御部132の制御により、低温側の冷却液を輸送する。
インバータ113において、サーミスタ131は、パワー素子134の温度を測定し、測定したパワー素子134の温度を制御部132に出力する。
制御部132は、エアコンの駆動開始を指示する駆動ONのエアコン制御信号がエアコン制御装置302から出力された場合には、駆動部133に対して電動モータ112aの駆動を開始する制御を行う。また、制御部132は、エアコンの駆動停止を指示する駆動OFFのエアコン制御信号がエアコン制御装置302から出力された場合には、駆動部133に対して電動モータ112aの駆動を停止する制御を行う。電動モータ112aの駆動の開始または停止は、制御部132がパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)信号を生成して駆動部133へ出力することによって行われる。
また、制御部132は、エアコン駆動中(パワー素子134が電動モータ112aに電力を供給中)にサーミスタ131から出力されたパワー素子134の温度に基づいて、高温側ウォータポンプ101の回転数、第1のラジエータ5のファン回転数、電動圧縮機112の回転数を制御する。ただし、第1のラジエータ5のファン回転数の制御は、制御部132がエアコン制御信号をエアコン制御装置302に出力し、エアコン制御装置302が第1のラジエータ5を制御する。なお、制御部132の詳細な処理手順については後述する。
駆動部133は、PWM信号を用いた上記制御に従ってパワー素子134を駆動する。すなわち、駆動部133は、制御部132から出力されたPWM信号に従って、パワー素子134を通電または遮断する制御を行う。
パワー素子134は、駆動部133の制御に従って、蓄電池301から供給される直流電力を通電または遮断する。これにより、パワー素子134は、蓄電池301から供給される直流電力を交流電力に変換して電動モータ112aに供給し、電動モータ112aを駆動する。
電動モータ112aは、パワー素子134から供給される交流電流によって回転し、圧縮機構112bを駆動させる。
圧縮機構112bは、電動モータ112aにより駆動されて冷媒を圧縮する。
<制御部における処理手順の詳細>
次に、実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1における制御部132の処理手順を詳細に説明する。
図12は、車両用ヒートポンプ装置における暖房時の制御部の処理手順を示すフロー図である。図12において、ステップ(以下、「ST」と省略する)401では、制御部132は、エアコン制御装置302から駆動ONのエアコン制御信号を取得し、ST402では、取得したエアコン制御信号に基づいて、電動圧縮機112の設定を変更するか否かを判定する。設定を変更する(YES)場合には、ST403に移行し、設定を変更しない(NO)場合には、ST404に移行する。ST403では、制御部132は、パワー素子134への電力供給を制御して、電動圧縮機112の設定を変更する。
ST404では、制御部132は、サーミスタ131からパワー素子134の温度(パワー素子温度Ttr)を取得し、パワー素子温度Ttrが所定の閾値温度Tth以上であるか否かを判定する。パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である(YES)場合には、ST405に移行し、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth未満である(NO)場合には、処理を終了する。なお、閾値温度Tthは、例えば、パワー素子134の動作温度範囲の上限値である。
ST405では、制御部132は、高温側ウォータポンプ101の回転数を増加させる制御を行う。
ST406では、制御部132は、サーミスタ131からパワー素子温度Ttrを再度取得し、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上であるか否かを判定する。パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である(YES)場合には、ST407に移行し、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth未満である(NO)場合には、処理を終了する。
ST407では、制御部132は、電動圧縮機112の回転数を低減させる制御を行い、処理を終了する。なお、電動圧縮機112の回転数の低減は、停止を含む。
図13は、パワー素子温度Ttrとウォータポンプ回転数との関係の一例を示している。ただし、図13では、ウォータポンプ回転数のみを変動させており、その他のパラメータを固定したときのパワー素子温度Ttrを求めている。また、図13では、これらの関係を概念的に示している。図13から分かるように、パワー素子温度Ttrとウォータポンプ回転数とは負の相関関係にあり、ウォータポンプ回転数を増加させると、パワー素子温度Ttrが低下する。
このように、暖房時において、制御部132は、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である場合に、電動圧縮機112の回転数を維持しながら、高温側ウォータポンプ101の回転数を増加させ、回路冷却用通路を流れる高温側の冷却液の流量を増やすことにより、パワー素子温度を低減させつつ、空調能力を維持することができる。制御部132は、高温側ウォータポンプ101の回転数を増加させても、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である場合に初めて電動圧縮機112の回転数を低減することにより、パワー素子134の過熱保護を行いつつ、空調性能の変動を抑制することができる。
図14は、車両用ヒートポンプ装置における冷房時の制御部の処理手順を示すフロー図である。ただし、図14において、図12と共通する部分には、図12と同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
ST406において、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である(YES)と判定された場合、ST501に移行し、ST501では、制御部132は、第1のラジエータ5のファン回転数を増加させる制御を行う。冷房時には、高温側の冷却液の熱を空調に利用することはないため、車外へ放熱することにより、高温側の冷却液の温度を低下させることができる。
ST502では、制御部132は、サーミスタ131からパワー素子温度Ttrを取得し、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上であるか否かを判定する。パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である(YES)場合には、ST407に移行し、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth未満である(NO)場合には、処理を終了する。
図15は、パワー素子温度とラジエータファン回転数との関係の一例を示している。ただし、図15では、ラジエータファン回転数のみを変動させており、その他のパラメータを固定したときのパワー素子温度Ttrを求めている。また、図15では、これらの関係を概念的に示している。図15から分かるように、パワー素子温度とラジエータファン回転数とは負の相関関係にあり、ラジエータファン回転数を増加させると、パワー素子温度Ttrが低下する。
このように、冷房時において、制御部132は、電動圧縮機112の回転数を維持しながら、高温側ウォータポンプ101の回転数を増加させても、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である場合にラジエータファンの回転数を増加させ、冷却液の車外への放熱量を増やすことにより、パワー素子温度を低減させつつ、空調能力を維持することができる。また、制御部132は、ラジエータファンの回転数を増加させても、パワー素子温度Ttrが閾値温度Tth以上である場合に初めて電動圧縮機112の回転数を低減することにより、パワー素子134の過熱保護を行いつつ、空調性能の変動を抑制することができる。
<実施の形態の効果>
このように、本実施の形態の車両用ヒートポンプ装置1によれば、パワー素子134が高温側の冷却液で冷却される場合において、制御部132が、暖房時には、パワー素子温度Ttrに基づいて、電動圧縮機112の回転数を維持しつつ、高温側ウォータポンプ101の回転数を増加させることにより、パワー素子温度を低減させつつ、空調能力を維持することができる。
また、冷房時には、制御部132が、パワー素子温度Ttrに基づいて、電動圧縮機112の回転数を維持しつつ、高温側ウォータポンプ101の回転数およびラジエータファンの回転数を増加させることにより、パワー素子温度を低減させつつ、空調能力を維持することができる。
なお、本実施の形態では、インバータ113が有するパワー素子134が高温側水冷媒熱交換器111の導入側の冷却液により冷却される構成を例にとって説明した。しかし、パワー素子134は、高温側水冷媒熱交換器111の導出側の冷却液(図3のS1の位置)、低温側水冷媒熱交換器110の導入側の冷却液(図3のS2の位置)、もしくは、低温側水冷媒熱交換器110の導出側の冷却液(図3のS3の位置)により冷却される構成を採用してもよい。
また、本実施の形態では、サーミスタ131がパワー素子134の温度を検出する方法を例にとって説明した。しかし、パワー素子134の温度を検出する方法はこれに限るものでもなく、推定によって求めてもよい。
また、本実施の形態では、車両用ヒートポンプ装置1を一体化した場合を例に説明した。しかし、本発明は、車両用ヒートポンプ装置1を一体化せず、各構成部材をそれぞれ離間して配置してもよい。
本発明にかかる車両用ヒートポンプ装置、車両用空調システムおよび電力用半導体冷却方法は、車両内の各部の温度を調整するシステム等に用いるのに好適である。
1 車両用ヒートポンプ装置
101 高温側ウォータポンプ
102 低温側ウォータポンプ
103 給電部
104 高温側導入管
105 高温側導出管
106 低温側導入管
107 低温側導出管
108 アキュムレータ
109 コンプレッサ筐体
110 低温側水冷媒熱交換器
111 高温側水冷媒熱交換器
111a 冷媒の通路
111b 冷却液の通路
112 電動圧縮機
112a 電動モータ
112b 圧縮機構
113 インバータ
114 膨張弁
120 回路収容部
121 壁
130 回路冷却用通路
2 車両用空調装置
200 冷房用空気水熱交換器
201 暖房用空気水熱交換器
202 ブロワファン
203 切替ドア
3 発熱体
5 第1のラジエータ
6 第2のラジエータ
7 ファイアウォール
131 サーミスタ
132 制御部
133 駆動部
134 パワー素子
301 蓄電池
302 エアコン制御装置

Claims (10)

  1. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置であって、
    吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動モータを有する電動圧縮機と、
    電源から給電される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータへ供給する電力用半導体と、
    前記電力用半導体が放熱可能なように前記電力用半導体と隣接し、前記冷却液が流れる通路と、
    前記冷却液を輸送するウォータポンプと、
    前記電力用半導体および前記ウォータポンプの駆動を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、前記電力用半導体が前記電動モータへ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記ウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う、
    車両用ヒートポンプ装置。
  2. 前記制御部は、前記電動圧縮機の回転数を維持しつつ、前記ウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う、
    請求項1に記載の車両用ヒートポンプ装置。
  3. 前記制御部は、前記ウォータポンプの回転数増加させる制御を行った後に、前記電力用半導体の温度が前記所定の温度以上の場合、前記電動圧縮機の回転数を低減または停止させる制御を行う、
    請求項1または請求項2に記載の車両用ヒートポンプ装置。
  4. 前記制御部は、前記電力用半導体の温度が前記所定の温度以上の場合、前記冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を増加させる制御を行う、
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用ヒートポンプ装置。
  5. 前記電動圧縮機が吐出した高温高圧冷媒から、温熱を輸送する第1冷却液へ、放熱させる高温側水冷媒熱交換器を、さらに具備し、
    前記ウォータポンプは、前記第1冷却液を輸送する、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用ヒートポンプ装置。
  6. 冷熱を輸送する第2冷却液を前記電動圧縮機へ送られる低温低圧冷媒で冷却する低温側水冷媒熱交換器を、さらに具備し、
    前記ウォータポンプは、前記第2冷却液を輸送する、
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両用ヒートポンプ装置。
  7. 前記所定の温度は、前記電力用半導体の動作温度範囲の上限値である、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の車両用ヒートポンプ装置。
  8. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置を備える車両用空調システムであって、
    吸入した前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機構および前記圧縮機構を駆動する電動モータを有する電動圧縮機と、
    電源から給電される直流電力を交流電力に変換して前記電動モータへ供給する電力用半導体と、
    前記電力用半導体が放熱可能なように前記電力用半導体と隣接し、前記冷却液が流れる通路と、
    前記冷却液を輸送するウォータポンプと、
    前記電力用半導体の駆動を制御する制御部と、
    前記制御部は、前記電力用半導体が前記電動モータへ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記ウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う、
    を具備する車両用空調システム。
  9. 前記冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータを、さらに具備し、
    前記制御部は、前記電力用半導体の温度が前記所定の温度以上の場合、前記冷却液の熱を車外へ放熱させるラジエータのファン回転数を増加させる制御を行う、
    請求項8に記載の車両用空調システム。
  10. 冷却液と冷媒との間で熱交換を行う車両用ヒートポンプ装置における電力用半導体冷却方法であって、
    制御部は、
    前記冷媒を圧縮して吐出する電動圧縮機に電力を供給する電力用半導体の温度を取得し、
    取得した前記電力用半導体の温度が所定の温度以上であるか否かを判定し、
    前記電力用半導体が前記電動圧縮機へ電力を供給している際、前記電力用半導体の温度が所定の温度以上となった場合、前記冷却液を輸送するウォータポンプの回転数を増加させる制御を行う、
    電力用半導体冷却方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3076110A1 (de) * 2015-03-30 2016-10-05 Viessmann Werke GmbH & Co. KG Fluidsystem und verfahren zum steuern eines fluidsystems
CN113071288A (zh) * 2021-04-28 2021-07-06 吉林大学 一种太阳能车载辅助空调系统

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