JP2014142013A - 変速機構造 - Google Patents

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Mitsuru Manita
満 真仁田
Ikuo Omori
生雄 大森
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Abstract

【課題】 比較的少ない部品を追加することで、変速機の伝達効率の悪化を抑制しつつ、低回転時における異音の発生を確実に防止することができる変速機構造を提供する。
【解決手段】 入力軸11の他端側においてケーシング1aに支持され、入力軸11と同軸に配置されたテーパコーンリング61と、入力軸11に設けられたハブ52と、ハブ52に係止され、内周面がテーパコーンリング61の外周面に接触可能に配置されたシンクロナイザリング63と、入力軸11上に取り付けられた遠心機構70と、テーパコーンリング61の内周側且つ遠心機構70と接触する位置に設けられた作動部材68とを備え、作動部材68の接触面68aは凹部68bを有し、遠心機構70のローラ75は低回転時に凹部68bで作動部材68と接触し、停止時及び高回転時に凹部68b以外の接触面68a1,68a2で作動部材68と接触する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、歯車を使用する変速機構造に関し、特に噛合する歯車のバックラッシュに起因する異音が低回転時に発生することを防止するための変速機構造に関する。
変速機の歯車の低回転時に発生する異音は、ガタ音あるいはガラ音などと呼ばれるもので、噛合する歯車のバックラッシュに起因して発生するものである。特許文献1にはこの異音の発生を防止する装置が示されている。この装置は、変速機の出力軸に回転自在に支持された歯車と、この歯車に固定され、テーパコーン面を有するスプラインと、このスプラインのテーパコーン面に対応する内周コーン面を周するシンクロナイザリングと、出力軸に固定されたクラッチハブとを備える同期機構を有し、シンクロナイザリングの外周に、その内周コーン面と同方向に傾斜するコーン面が形成され、このコーン面に対応する摩擦面を有する摩擦部材が、クラッチハブの外周部に設けられている。摩擦部材は、スプリングによってシンクロナイザリングの外周コーン面に押しつけた状態で配設される。
スプリングの付勢力は、クラッチハブの高回転時に摩擦部材がシンクロナイザリングから離れるように設定されている。したがって、摩擦部材は低回転時のみシンクロナイザリングを押圧して歯車の回転を抑制し、異音の発生を防止する。
実公昭60−23574号公報
上記従来の異音発生防止装置は、変速機が備える複数の歯車対のそれぞれに対応して設ける必要があり、変速機の伝達効率を低下させ、燃費を悪化させる要因となる。また各変速段の同期機構に設置する必要があるため、部品点数が増加し、コスト増加要因となる。さらに、異音発生防止装置によって歯車の回転が規制されるため、発進変速段(第1速)を確立する(インギヤ操作)ときに、歯車に固定されたスプラインとスリーブスプラインとの引っ掛かりが発生し、円滑なインギヤ操作を阻害するおそれがある。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、比較的少ない部品を追加することで、変速機の伝達効率の悪化を抑制しつつ、低回転時における異音の発生を確実に防止することができる変速機構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、原動機出力軸(10a)にクラッチ(20)を介して接続可能な入力軸(11)と、前記入力軸(11)に平行に配置された出力軸(12)と、前記入力軸上に設けられた入力歯車(31a〜36a)及び前記出力軸上に設けられた出力歯車(31b〜36b)によって構成される複数の歯車セット(31〜36)とを備え、前記入力軸及び出力軸はケーシング(1a)によって回転可能に支持され、前記入力軸(11)の一端に前記クラッチ(20)が設けられるとともに、前記入力軸の他端はベアリング(21)を介して前記ケーシング(1a)に支持された変速機構造において、前記入力軸(11)の他端側において前記ケーシング(1a)に第1スプリング(62)を介して支持され、前記入力軸と同軸に配置された環状プレート(61)と、前記入力軸上の、前記環状プレート(61)より前記一端側に配置されたハブ(52)と、前記ハブ(52)に係止され、内周面が前記環状プレート(61)の外周面に接触可能に配置された摩擦プレート(63)と、前記入力軸(11)の他端と前記ハブ(52)との間に配置され、前記入力軸(11)上に取り付けられた遠心機構(70)と、前記環状プレート(61)の内周側且つ前記遠心機構(70)と接触する位置に設けられた作動部材(68)とを備え、前記第1スプリング(62)は前記環状プレート(61)を前記一端方向へ付勢し、前記遠心機構(70)は、前記入力軸(11)に固定されたカラー(71)と、該カラー(71)に設けられた支持軸(72)に一端が支持され、該支持軸(72)を中心として回動可能なブラケット(73)と、該ブラケット(73)の他端側に設けられたローラ軸(74)と、該ローラ軸(74)に回転可能に支持された転動部材(75)と、前記ブラケット(73)を前記入力軸方向へ付勢する第2スプリング(76)とを有し、前記作動部材(68)は前記転動部材(75)の先端部と接触するように配置され、且つ前記転動部材(75)と接触する接触面(68a)は、前記他端側から前記一端側に向かって前記入力軸(11)との間隔が増加するように構成され、且つ前記他端側の接触部(68a1)は前記支持軸(72)との第1距離が所定値(DR,DR’)となるように構成されるとともに、前記接触面(68a)は前記他端側接触部(68a1)より前記一端側に凹部(68b)を有し、該凹部(68b)は前記支持軸(72)との第2距離(DC)が前記第1距離より大きくなるように設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の変速機構造において、前記作動部材(68)の前記凹部(68b)より前記一端側の接触面(68a2)は、該接触面と前記支持軸(72)との距離が前記所定値(DR,DR’)となるように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、原動機出力軸(10a)にクラッチ(20)を介して接続可能な入力軸(11)と、前記入力軸(11)に平行に配置された出力軸(12)と、前記入力軸上に設けられた入力歯車(31a〜36a)及び前記出力軸上に設けられた出力歯車(31b〜36b)によって構成される複数の歯車セット(31〜36)とを備え、前記入力軸及び出力軸はケーシング(1a)によって回転可能に支持され、前記入力軸(11)の一端に前記クラッチ(20)が設けられるとともに、前記入力軸の他端はベアリング(21)を介して前記ケーシング(1a)に支持された変速機構造において、前記入力軸(11)の他端側において前記ケーシング(1a)に第1スプリング(62)を介して支持され、前記入力軸と同軸に配置された環状プレート(61)と、前記入力軸上の、前記環状プレート(61)より前記一端側に配置されたハブ(52)と、前記ハブ(52)に係止され、内周面が前記環状プレート(61)の外周面に接触可能に配置された摩擦プレート(63)と、前記入力軸(11)の他端と前記ハブ(52)との間に配置され、前記入力軸(11)上に取り付けられた遠心機構(70)と、前記環状プレート(61)の内周側且つ前記遠心機構(70)と接触する位置に設けられた作動部材(68)とを備え、前記第1スプリング(62)は前記環状プレート(61)を前記一端方向へ付勢し、前記遠心機構(70)は、前記入力軸(11)に固定されたカラー(71)と、該カラー(71)に設けられた支持軸(72)に一端が支持され、該支持軸(72)を中心として回動可能なブラケット(73)と、該ブラケット(73)の他端側に設けられたローラ軸(74)と、該ローラ軸(74)に回転可能に支持された転動部材(75)と、前記ブラケット(73)を前記入力軸方向へ付勢する第2スプリング(76)とを有し、前記作動部材(68)は前記転動部材(75)の先端部と接触するように配置され、且つ前記転動部材(75)と接触する接触面(68a)は、前記他端側から前記一端側に向かって前記入力軸(11)との間隔が増加するように構成され、且つ前記一端側の接触部(68a2)は前記支持軸(72)との第1距離が所定値(DR,DR’)となるように構成されるとともに、前記接触面(68a)は前記一端側接触部(68a2)より前記他端側に凹部(68b)を有し、該凹部(68b)は前記支持軸(72)との第2距離(DC)が前記第1距離より大きくなるように設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の変速機構造において、前記作動部材(68)の前記凹部(68b)より前記他端側の接触面(68a1)は、該接触面と前記支持軸(72)との距離が前記所定値(DR,DR’)となるように構成されていることを特徴とする
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の変速機構造において、前記第2スプリング(76)の付勢力は、前記入力軸(11)が停止している状態で前記第1スプリング(62)の付勢力より大きくなるように設定されていること特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の変速機構造において、前記第2スプリング(76)の付勢力は、前記入力軸(11)が所定回転速度(NIDL)の近傍の速度で回転している状態において、前記転動部材(75)が前記凹部(68b)において前記作動部材(68)と接触するように設定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、入力軸の停止時は、遠心機構のブラケットに作用する遠心力が「0」であるため、第2スプリングの付勢力によって転動部材が他端側接触部において作動部材と接触する状態となり、環状プレートは第1スプリングの付勢力に抗して軸方向の他端側に移動し、摩擦プレートから離れる。したがって、入力軸はその回転が規制されない状態となり、ニュートラルから第1速変速段へのインギヤ操作時において、同期機構における引っ掛かりがなく円滑な操作が可能となる。また入力軸の低回転時は、遠心機構のブラケットに作用する遠心力が第2スプリングの付勢力より大きくなり、ブラケットが入力軸から離れる方向に回動し、転動部材が凹部において作動部材と接触する状態となる。この状態では、環状プレートが第1スプリングの付勢力によって一端側へ移動し、摩擦プレートと接触して摩擦力が発生する。したがって、入力軸の回転変動を減衰させて、噛合する歯車における異音の発生を防止することができる。この異音防止効果は、変速機の複数の歯車セットのすべてについて得られるため、各歯車セットに対応して異音防止機構を設ける必要がなく、部品点数の増加を最小限に抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、作動部材の凹部より一端側の接触面は、該接触面と支持軸との距離が所定値となるように構成されるので、入力軸の回転速度が高くなると、ブラケットに作用する遠心力が増加してさらに回動し、転動部材が一端側接触面で作動部材と接触する状態となる。その結果、環状プレートは軸方向の他端側に移動して摩擦プレートから離れ、変速機の伝達効率の低下を回避することができる。
請求項3に記載の発明によれば、入力軸の低回転時は、遠心機構のブラケットに作用する遠心力が第2スプリングの付勢力より大きくなり、ブラケットが入力軸から離れる方向に回動し、転動部材が凹部において作動部材と接触する状態となる。この状態では、環状プレートが第1スプリングの付勢力によって一端側へ移動し、摩擦プレートと接触して摩擦力が発生する。したがって、入力軸の回転変動を減衰させて、噛合する歯車における異音の発生を防止することができる。この異音防止効果は、変速機の複数の歯車セットのすべてについて得られるため、各歯車セットに対応して異音防止機構を設ける必要がなく、部品点数の増加を最小限に抑えることができる。また入力軸の高回転時は、遠心機構のブラケットに作用する遠心力が増加してさらに回動し、転動部材が一端側接触面で作動部材と接触する状態となる。その結果、環状プレートは第1スプリングの付勢力に抗して他端側に移動して摩擦プレートから離れ、変速機の伝達効率の低下を回避することができる。
請求項4に記載の発明によれば、作動部材の凹部より他端側の接触面は、該接触面と支持軸との距離が第1の値となるように構成されるので、入力軸の回転が停止すると、遠心機構のブラケットに作用する遠心力が「0」であるため、第2スプリングの付勢力によって転動部材が他端側接触面において作動部材と接触する状態となり、環状プレートは軸方向の他端側に移動して摩擦プレートから離れる。したがって、入力軸はその回転が規制されない状態となり、ニュートラルから第1速変速段へのインギヤ操作時において、同期機構における引っ掛かりがなく円滑な操作が可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、第2スプリングの付勢力は、入力軸が停止している状態で第1スプリングの付勢力より大きくなるように設定されるので、入力軸の停止時において環状プレートを摩擦プレートから確実に離すことができる。
請求項6に記載の発明によれば、入力軸が所定回転速度の近傍で回転している状態において、転動部材が凹部において作動部材と接触するように第2スプリングの付勢力が設定されるので、所定回転速度を異音が発生しやすい低回転速度に設定することによって、低回転時における異音の発生を確実に防止することができる。
本発明の一実施形態にかかる変速機を含む車両駆動装置のスケルトン図である。 変速機に設けられた異音防止機構の構成を示す断面図である。 異音防止機構を構成する主要部材の斜視図である。 図2に示す異音防止機構を拡大して示す図である。 図2に示す異音防止機構の変位プレートをより詳細に説明するための図である。 図2に示す異音防止機構の動作を説明するための図である。 図2に示す異音防止機構の動作を説明するための図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる変速機を含む車両駆動装置のスケルトン図であり、この車両駆動装置は、内燃機関(以下「エンジン」という)10と、エンジン1のクランク軸10aが接続されたクラッチ20と、変速機1とを備え、変速機1の出力軸12、ファイナルギヤ37、差動ギヤ機構13、及び駆動軸14を介して駆動輪15を駆動するように構成されている。変速機1は5速手動変速機であり、シフトレバー(図示せず)を運転者が操作することにより同期機構が作動し、第1速〜第5速変速段及び後進変速段が確立する。
変速機1は、互い平行に配置され、ケーシング1a(図2参照)に回転可能に支持された入力軸11及び出力軸12と、ケーシング1aに固定されたリバースアイドル軸16とを備えている。入力軸11は一端(エンジン側端部)がクラッチ20に接続され、他端(反エンジン側端部)がベアリング21を介してケーシング1aに回転可能に支持されている。
入力軸11には第1速〜第5速ドライブギヤ31a〜35aがエンジン側から順に配置されており、第1速ドライブギヤ31a及び第2速ドライブギヤ32aは入力軸11に固定され、第3速〜第4速ドライブギヤ33a〜35aは、相対回転可能に入力軸11に支持されている。また入力軸11の第1速ドライブギヤ31aと第2速ドライブギヤ32aとの間には、リバースドライブギヤ36aが固定されている。
出力軸12には第1速〜第5速ドリブンギヤ31b〜35bが第1速〜第5速ドライブギヤ31a〜35aに対向する位置に配置されており、第1速変速段〜第5速変速段を構成するギヤセット31〜35は常時噛合している。第1速及び第2速ドリブンギヤ31b,32bは、相対回転可能に出力軸12に支持され、第3速〜第5速ドリブンギヤ33b〜35bは出力軸12に固定されている。
第1速ドリブンギヤ31bと第2速ドリブンギヤ32bと間には、1−2速同期機構41が設けられ、第3速ドライブギヤ33aと第4速ドライブギヤ34aとの間には、3−4速同期機構42が設けられ、第5速ドライブギヤ35aとベアリング21との間には、5速−リバース同期機構43が設けられている。
1−2速同期機構41を介して第1速ドリブンギヤ31bを出力軸12に接続することにより第1速変速段が確立し、1−2速同期機構41を介して第2速ドリブンギヤ32bを出力軸12に接続することにより第2速変速段が確立し、3−4速同期機構42を介して第3速ドライブギヤ33aを入力軸11に接続することにより第3速変速段が確立し、3−4速同期機構42を介して第4速ドライブギヤ34aを入力軸11に接続することにより第4速変速段が確立し、5速−リバース同期機構43を介して第5速ドライブギヤ35aを入力軸11に接続することにより第5速変速段が確立する。
5速−リバース同期機構43をリバース側に切り換える操作が行われると、後述する異音防止機構によって入力軸11の回転を抑制する摩擦力が一時的に印加され、後進変速段の確立時における異音の発生が防止されるとともに円滑なインギヤ操作が可能となる。
リバースアイドル軸16には、リバースアイドルギヤ36cが相対回転可能かつ摺動可能に支持されている。リバースドリブンギヤ36bは1−2速同期機構41のスリーブ71の外周部に設けられており、リバースアイドルギヤ36cがリバースドライブギヤ36a及びリバースドリブンギヤ36bと同時に噛合する作動位置(図1に破線で示す)に移動することによって、後進変速段が確立される。すなわち、シフトレバーを中立位置からリバース位置へ操作することにより、5速−リバース同期機構43のスリーブ51が反エンジン方向へ移動するとともにリバースアイドルギヤ36cが作動位置に移動し、後進変速段が確立される。
図2は、本実施形態における異音防止機構60の構成を示す断面図であり、変速機1の入力軸11の反エンジン側端部の近傍の構成が示されている。また図3は、図2に示される主要部材の斜視図であり、図4は図2の一部を拡大して示す図である。
図2に示す異音防止機構60は、ケーシング1aに第1スプリング62を介して支持されたテーパコーンリング61と、5速−リバース同期機構43のハブ52に係止され、内周面63aがテーパコーンリング61の外周面61aに接触可能に配置されたシンクロナイザリング63と、入力軸11の、ハブ52とベアリング21との間に固定されたカラー71を含む遠心機構70と、テーパコーンリング61の内周面61bに固定され、遠心機構70と接触する位置に配置された環状の変位プレート68とを備えている。シンクロナイザリング63とハブ52との間には同期スプリング53が介装されている。変位プレート68には、ストッパ69が固定されている。
遠心機構70は、図4に示すように、入力軸11に固定されたカラー71と、カラー71の凹部71aに設けられた支持軸72に一端が支持され、支持軸72を中心として回動可能なブラケット73と、ブラケット73の他端側に設けられたローラ軸74と、ローラ軸74に回転可能に支持されたローラ75と、ブラケット73を入力軸11方向へ付勢する第2スプリング76とを有し、ローラ75の先端部が変位プレート68の内周面(接触面)68aに接触するように配置されている。
変位プレート68の接触面68aは、図5(a)に示すように支持軸72を中心とした半径DR(支持軸72の中心からローラ75の先端までの長さに相当する)の円弧状に形成されており、接触面68aの一部に凹部68bが設けられている。凹部68bは、支持軸72を中心とした円弧の半径方向外側に向かって凹設されており、凹部68bにおける接触面68aと支持軸72との距離DCは、ローラ75が図5(a)に示す位置にある状態では、半径DRより大きくなる。入力軸11の回転速度の変化によって、ローラ75は接触面68aに常に接触しつつ回動するため、図5(b)に示すようにローラ75が凹部68bにおいて接触面68aと接触している状態では、距離DCは半径DRと等しくなり、凹部68b以外の部分における接触面68aと支持軸72との距離DR’は半径DRより小さくなる。以下の説明では、接触面68aの凹部68bより反エンジン側(図の左側)の部分は、接触面68a1として参照し、凹部68bよりエンジン側(図の右側)の部分は、接触面68a2として参照する。
遠心機構70は、入力軸11の周方向に等間隔(120度間隔で)に3個配置されている。
テーパコーンリング61の外周面61aとシンクロナイザリング63の内周面63aとは平行に構成されており、両面が接触した状態では比較的大きな摩擦力が発生する。テーパコーンリング61は突起部61bを有し、突起部61bはケーシング1aに設けられた凹部1bに摺動可能に支持されている。第1スプリング62はテーパコーンリング61をエンジン方向(図の右方向)に付勢する。シンクロナイザリング63の外周部には、スリーブ51の内周面に形成されたスプラインと噛合可能なスプライン63b及びハブ52のスロット52aに嵌入される係止部63cが形成されている。
スリーブ51はシフトレバーの操作に応じて入力軸11の軸方向(図の左右方向)に移動する。図2に示すスリーブ51の位置は、シフトレバーが中立位置にある場合に対応し、後進変速段が選択されるときは反エンジン方向(図の左方向)へ移動する一方、第5速変速段が選択されるときはエンジン方向(図の右方向)に移動し、図2に示していない5速ドライブギヤ35aのギヤドグと噛合する。
図4(及び図2)は、入力軸11の回転速度が所定アイドル回転速度NIDL近傍にある低回転状態に対応する。この低回転状態では、ローラ75は凹部68bにおいて変位プレート68と接触する位置にあって、遠心機構70のブラケット73(及びローラ軸74、ローラ75)に作用する遠心力と、第2スプリング76の付勢力とがつり合っており、第1スプリング62の付勢力によってテーパコーンリング61はエンジン方向へ移動し、外周面61aはシンクロナイザリング63の内周面63aと接触して、摩擦力が発生する。したがって、入力軸11の回転変動を減衰させて、噛合する歯車における異音の発生を防止することができる。この異音防止効果は、変速機1の第1速〜第5速変速段に対応する歯車セットのすべてについて得られるため、各歯車セットに対応して異音防止機構を設ける必要がなく、部品点数の増加を最小限に抑えることができる。
図6は、入力軸11が停止している状態に対応し、図示されている構成要素は図4と同一である。図6に示す停止状態では、第2スプリング76の付勢力によってブラケット73はカラー71に接触する位置にあり、ローラ75の先端は変位プレート68の凹部68bから外れて、凹部68bより反エンジン側の接触面68a1で変位プレート68と接触する状態となる。したがって、テーパコーンリング61が第1スプリング62の付勢力に抗して反エンジン方向へ移動し、シンクロナイザリング63から離れる。したがって、入力軸11はその回転が規制されない状態となり、ニュートラルから第1速変速段へのインギヤ操作時において同期機構における引っ掛かりが発生することがなく、円滑なインギヤ操作が可能となる。
図7は、入力軸11の回転速度が所定アイドル回転速度NIDLより高い高回転状態に対応する。この状態ではブラケット73に作用する遠心力が増加し、ブラケット73が右回りに回動する。したがって、ローラ75の先端部は変位プレート68の凹部68bから外れて、凹部68bよりエンジン側の接触面68a2と接触する状態となる。この状態では、テーパコーンリング61がローラ75に押され、第1スプリング62の付勢力に抗して反エンジン方向へ移動し、シンクロナイザリング63から離れる。その結果、テーパコーンリング61とシンクロナイザリング63との間の摩擦力を無くして、変速機1の伝達効率の低下を回避することができる。
第1及び第2スプリング62,76の付勢力は、上述した動作が可能となるように調整されている。具体的には、第2スプリング76の付勢力は、入力軸11が停止している状態で第1スプリング62の付勢力より大きく、ブラケット73を図6に示す状態(カラー71と接する状態)に保持できるように設定されているとともに、入力軸11が所定アイドル回転速度NIDLの近傍の速度で回転している状態において、ローラ75が凹部68bにおいて変位プレート68と接触するように設定されている。
次に後進変速段へのインギヤ操作を行ったときの動作について、図2を参照して説明する。このインギヤ操作が始まると、スリーブ51が同期スプリング53を押圧し、シンクロナイザリング63とテーパコーンリング61との間に同期荷重が発生し始める。その後スリーブ51のチャンファがシンクロナイザリング63のチャンファを押しつけることにより、シンクロナイザリング63とテーパコーンリング61との間に強く同期荷重が印加される。テーパコーンリング61は、その突出部61bがケーシング1aの凹部1bによって動きが規制されるため、同期荷重は入力軸11に印加され、入力軸11は回転を停止する。インギヤ操作が完了すると、同期スプリング53はスリーブ51の溝51aに入り込み、同期荷重は解除される。このように同期荷重が一時的に発生することよって、入力軸11が確実に停止し、後進変速段への円滑なインギヤ操作が可能となる。
本実施形態では、テーパコーンリング61及びシンクロナイザリング63がそれぞれ環状プレート及び摩擦プレートに相当し、ローラ75が転動部材に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では5速変速機を示したが、本発明は変速段数にかかわらず適用可能である。また原動機は内燃機関に限らず、電動機のみ、または内燃機関及び電動機の両方であってもよい。
1 変速機
1a ケーシング
11 入力軸
12 出力軸
20 クラッチ
21 ベアリング
31〜35 歯車セット
51 スリーブ
52 ハブ
53 同期スプリング
61 テーパコーンリング(環状プレート)
62 第1スプリング
63 シンクロナイザリング(摩擦プレート)
68 変位プレート(作動部材)
70 遠心機構
71 カラー
72 支持軸
73 ブラケット
74 ローラ軸
75 ローラ(転動部材)
76 第2スプリング

Claims (6)

  1. 原動機出力軸にクラッチを介して接続可能な入力軸と、前記入力軸に平行に配置された出力軸と、前記入力軸上に設けられた入力歯車及び前記出力軸上に設けられた出力歯車によって構成される複数の歯車セットとを備え、
    前記入力軸及び出力軸はケーシングによって回転可能に支持され、
    前記入力軸の一端に前記クラッチが設けられるとともに、前記入力軸の他端はベアリングを介して前記ケーシングに支持された変速機構造において、
    前記入力軸の他端側において前記ケーシングに第1スプリングを介して支持され、前記入力軸と同軸に配置された環状プレートと、
    前記入力軸上の、前記環状プレートより前記一端側に配置されたハブと、
    前記ハブに係止され、内周面が前記環状プレートの外周面に接触可能に配置された摩擦プレートと、
    前記入力軸の他端と前記ハブとの間に配置され、前記入力軸上に取り付けられた遠心機構と、
    前記環状プレートの内周側且つ前記遠心機構と接触する位置に設けられた作動部材とを備え、
    前記第1スプリングは前記環状プレートを前記一端方向へ付勢し、
    前記遠心機構は、前記入力軸に固定されたカラーと、該カラーに設けられた支持軸に一端が支持され、該支持軸を中心として回動可能なブラケットと、該ブラケットの他端側に設けられたローラ軸と、該ローラ軸に回転可能に支持された転動部材と、前記ブラケットを前記入力軸方向へ付勢する第2スプリングとを有し、
    前記作動部材は前記転動部材の先端部と接触するように配置され、且つ前記転動部材と接触する接触面は、前記他端側から前記一端側に向かって前記入力軸との間隔が増加するように構成され、且つ前記他端側の接触部は前記支持軸との第1距離が所定値となるように構成されるとともに、前記接触面は前記他端側接触部より前記一端側に凹部を有し、該凹部は前記支持軸との第2距離が前記第1距離より大きくなるように設けられていることを特徴とする変速機構造。
  2. 前記作動部材の前記凹部より前記一端側の接触面は、該接触面と前記支持軸との距離が前記所定値となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機構造。
  3. 原動機出力軸にクラッチを介して接続可能な入力軸と、前記入力軸に平行に配置された出力軸と、前記入力軸上に設けられた入力歯車及び前記出力軸上に設けられた出力歯車によって構成される複数の歯車セットとを備え、
    前記入力軸及び出力軸はケーシングによって回転可能に支持され、
    前記入力軸の一端に前記クラッチが設けられるとともに、前記入力軸の他端はベアリングを介して前記ケーシングに支持された変速機構造において、
    前記入力軸の他端側において前記ケーシングに第1スプリングを介して支持され、前記入力軸と同軸に配置された環状プレートと、
    前記入力軸上の、前記環状プレートより前記一端側に配置されたハブと、
    前記ハブに係止され、内周面が前記環状プレートの外周面に接触可能に配置された摩擦プレートと、
    前記入力軸の他端と前記ハブとの間に配置され、前記入力軸上に取り付けられた遠心機構と、
    前記環状プレートの内周側且つ前記遠心機構と接触する位置に設けられた作動部材とを備え、
    前記第1スプリングは前記環状プレートを前記一端方向へ付勢し、
    前記遠心機構は、前記入力軸に固定されたカラーと、該カラーに設けられた支持軸に一端が支持され、該支持軸を中心として回動可能なブラケットと、該ブラケットの他端側に設けられたローラ軸と、該ローラ軸に回転可能に支持された転動部材と、前記ブラケットを前記入力軸方向へ付勢する第2スプリングとを有し、
    前記作動部材は前記転動部材の先端部と接触するように配置され、且つ前記転動部材と接触する接触面は、前記他端側から前記一端側に向かって前記入力軸との間隔が増加するように構成され、且つ前記一端側の接触部は前記支持軸との第1距離が所定値となるように構成されるとともに、前記接触面は前記一端側接触部より前記他端側に凹部を有し、該凹部は前記支持軸との第2距離が前記第1距離より大きくなるように設けられていることを特徴とする変速機構造。
  4. 前記作動部材の前記凹部より前記他端側の接触面は、該接触面と前記支持軸との距離が前記所定値となるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の変速機構造。
  5. 前記第2スプリングの付勢力は、前記入力軸が停止している状態で前記第1スプリングの付勢力より大きくなるように設定されていること特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の変速機構造。
  6. 前記第2スプリングの付勢力は、前記入力軸が所定回転速度の近傍の速度で回転している状態において、前記転動部材が前記凹部において前記作動部材と接触するように設定されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の変速機構造。
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