JP2014143878A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりもターンオンサージ電圧をよりいっそう良好に抑制することができる構成を提供すること。
【解決手段】ハーフブリッジ回路(31)における一つのアーム(312)には、第一の半導体スイッチング素子(322a)と第二の半導体スイッチング素子(322b)とが並列に設けられている。制御回路(35)は、第一の半導体スイッチング素子及び第二の半導体スイッチング素子がともにオフである状態から、第二の半導体スイッチング素子をオフに保持しつつ第一の半導体スイッチング素子をオンさせ、所定時間経過後に、第一の半導体スイッチング素子をオンに保持しつつ第二の半導体スイッチング素子をオンさせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の半導体スイッチング素子によって形成されたハーフブリッジ回路と、これらの半導体スイッチング素子の各々に向けて駆動信号を出力するように設けられた制御回路と、を備えた、半導体装置に関する。
この種の装置において、スイッチング時のサージ電圧を抑制するための様々な試みがなされている。例えば、特開2008−79475号公報に開示された構成においては、上アーム側のIGBT1に対して、ダイオードD1及びMOSFET1が並列に設けられている。また、下アーム側のIGBT2に対しても、ダイオードD2及びMOSFET2が並列に設けられている。そして、IGBT1及び2がオフで下アーム(ダイオードD2)側にてフリーホイール状態であるところからIGBT1をオンする際のサージ電圧(ターンオンサージ電圧)を抑制するために、IGBT1のオン時間内にMOSFET2が一時的に導通される。
特開2008−79475号公報
上述した従来技術においては、短時間ではあるものの、上アーム側のIGBT1と下アーム側のMOSFET2とが同時に導通される。このため、上述した従来技術においては、上下アーム短絡が生じる可能性がある。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、従来よりもターンオンサージ電圧をよりいっそう良好に抑制することができる構成を提供するものである。
本発明の半導体装置は、ハーフブリッジ回路と制御回路とを備えている。前記ハーフブリッジ回路は、直流電源における一対の端子間に設けられている。このハーフブリッジ回路は、複数の半導体スイッチング素子によって形成されている。複数の前記半導体スイッチング素子の各々は、これに付随する、還流ダイオード成分及び容量成分を有している(かかる還流ダイオード成分及び容量成分は、当該半導体スイッチング素子の寄生成分であってもよいし、当該半導体スイッチング素子に対して外部的に並列接続されたものであってもよい。)。前記制御回路は、前記ハーフブリッジ回路に設けられた複数の前記半導体スイッチング素子の各々に向けて、駆動信号を出力するように設けられている。
本発明においては、前記ハーフブリッジ回路における一つのアーム(上アーム及び下アームのうちの少なくともいずれか一方)には、第一の半導体スイッチング素子と第二の半導体スイッチング素子とが並列に設けられている。本発明の特徴は、前記制御回路が、前記第一の半導体スイッチング素子及び前記第二の半導体スイッチング素子がともにオフである状態から、前記第二の半導体スイッチング素子をオフに保持しつつ前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせ、所定時間経過後に、前記第一の半導体スイッチング素子をオンに保持しつつ前記第二の半導体スイッチング素子をオンさせるような、前記駆動信号を出力するようになっていることにある。ここで、上述の「所定時間」とは、具体的には、前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせてから、前記第二の半導体スイッチング素子における前記容量成分からの放電が開始するまでの間の所要時間よりも長い時間である。
かかる構成を有する、本発明の半導体装置においては、前記一つのアームにおける前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせてから、前記第二の半導体スイッチング素子をオンさせるまでの間に、前記第二の半導体スイッチング素子における前記容量成分からの放電電流が、前記第一の半導体スイッチング素子の両端における配線インダクタンスに通流する。これにより、前記一つのアームとは異なる他のアームの前記還流ダイオード成分におけるリカバリ電流の変化率が緩和される。したがって、前記一つのアームにおけるターンオン時の、前記他のアーム側におけるサージ電圧(ターンオンサージ電圧)が、良好に抑制される。
本発明の一実施形態が適用された車載電動機システムの概略構成を示す図。 図1に示されている制御回路の概略構成を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示すタイムチャート。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1に示されているインバータ回路の動作の様子を示す図。 図1及び図2に示されている回路構成による効果を示すグラフ。 図2に示されている制御回路の一変形例の概略構成を示す図。 図12に示されているオンタイミング切替回路の具体的な回路構成の一例を示す図。 図2に示されている制御回路の他の変形例の概略構成を示す図。 図14に示されているオンタイミング制御回路の具体的な回路構成の一例を示す図。 図1に示されているハーフブリッジ回路の一変形例の概略構成を示す図。 図16に示されているハーフブリッジ回路の実装状態を示す図。 図16に示されているハーフブリッジ回路の構成による効果を示すグラフ。
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、変形例は、当該実施形態の説明中に挿入されると首尾一貫した一実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<構成>
図1を参照すると、本発明の一実施形態が適用された車載電動機システムSは、いわゆるハイブリッド自動車あるいは電気自動車に搭載されている。車載電動機システムSは、電動機及び発電機として動作可能な三相交流式のモータジェネレータである負荷10と、充放電可能な二次電池である直流電源20と、負荷10と直流電源20との間に設けられたインバータ回路30と、を備えている。なお、図1は、図示及び説明の簡略化のため、三相のうちの一相分のみを抜き出して示したものである。このため、図1においては、負荷10について、一相分の誘導性負荷L1のみが示されている。また、直流電源20は、一対の端子間に設けられたキャパシタC1で示される電源容量を有している。
以下、本発明の「半導体装置」に相当するインバータ回路30の具体的構成について説明する。インバータ回路30は、ハーフブリッジ回路31を備えている。ハーフブリッジ回路31は、上述のキャパシタC1と並列接続となるように、直流電源20における一対の端子間に設けられている。なお、インバータ回路30にて直流電源20とハーフブリッジ回路31との間の配線に生じるインダクタンス(配線インダクタンス)は、図中「Ls0」として示されている。
ハーフブリッジ回路31は、複数の半導体スイッチング素子32によって形成されている。本実施形態においては、半導体スイッチング素子32は、いわゆる「パワーMOSFET」であって、その内部に寄生ダイオードとしてのフリーホイールダイオード33及び寄生コンデンサ34を有している。すなわち、半導体スイッチング素子32は、トランジスタ成分と、これに付随する、還流ダイオード成分であるフリーホイールダイオード33及び容量成分である寄生コンデンサ34とが、並列に設けられた構造を有している。
また、インバータ回路30は、制御回路35を備えている。制御回路35は、ハーフブリッジ回路31に設けられた複数の半導体スイッチング素子32の各々に向けて、駆動信号であるゲート信号を出力するように設けられている。この制御回路35は、インバータ回路30における種々の遅れ時間を加味して、所定タイミングにて実際に半導体スイッチング素子32の各々におけるオン動作を開始させるべく、ゲート信号を生成し出力するようになっている。かかる制御回路35の詳細については後述する。
本実施形態のハーフブリッジ回路31においては、上アーム311にて、2個の半導体スイッチング素子32(上側第一素子321a及び上側第二素子321b)が並列に接続されている。同様に、下アーム312にて、2個の半導体スイッチング素子32(下側第一素子322a及び下側第二素子322b)が並列に接続されている。すなわち、本実施形態においては、上側第一素子321aと上側第二素子321bとの並列接続体と、下側第一素子322aと下側第二素子322bとの並列接続体とが、直流電源20における一対の端子間にて直列接続されている。そして、かかる直接接続のノードと、直流電源20の正極側における上アーム311の入力端との間に、上述の誘導性負荷L1が設けられている。
なお、上側第一素子321aの両端に生じる配線インダクタンスは、図中「Lsa1」として示されている。同様に、上側第二素子321bの両端に生じる配線インダクタンスは、図中「Lsb1」として示されている。また、下側第一素子322aの両端に生じる配線インダクタンスは、図中「Lsa2」として示されている。また、下側第二素子322bの両端に生じる配線インダクタンスは、図中「Lsb2」として示されている。
本実施形態においては、制御回路35は、下側第一素子322a及び下側第二素子322bがともにオフである状態にて上側第一素子321aと上側第二素子321bとをともにオンさせるにあたって、上側第一素子321aと上側第二素子321bとのうちの一方を他方よりも所定時間経過後にオンさせるように構成されている。同様に、制御回路35は、上側第一素子321a及び上側第二素子321bがともにオフである状態にて下側第一素子322aと下側第二素子322bとをともにオンさせるにあたって、下側第一素子322aと下側第二素子322bとのうちの一方を他方よりも所定時間経過後にオンさせるように構成されている。さらに、制御回路35は、上側第一素子321aと上側第二素子321bとのオン順序の先後、及び下側第一素子322aと下側第二素子322bとのオン順序の先後を、適宜(具体的には交互に)切替えるように構成されている。
具体的には、本実施形態においては、図2に示されているように、制御回路35は、駆動回路351及び352と、これらの動作を制御するための駆動回路制御部353と、を備えている。駆動回路351、352、及び駆動回路制御部353は、アーム毎に(すなわち上アーム311と下アーム312とにそれぞれ)1つずつ設けられている。すなわち、駆動回路351は、上側第一素子321a(下側第一素子322a)にゲート信号を出力するように、そのゲート端子に接続されている。同様に、駆動回路352は、上側第二素子321b(下側第二素子322b)にゲート信号を出力するように、そのゲート端子に接続されている。
本発明の「駆動順序切替部」としての駆動回路制御部353は、いわゆるマイクロコンピュータを主体として構成されている。この駆動回路制御部353は、上側第一素子321a(下側第一素子322a)のオンタイミングを規定する駆動制御信号Vc1を駆動回路351に出力するとともに、上側第二素子321b(下側第二素子322b)のオンタイミングを規定する駆動制御信号Vc2を駆動回路352に出力するようになっている。
<動作>
以下、本実施形態の構成における動作及び作用・効果について、図3〜図10を用いて説明する。なお、以下の説明及び図3〜図10においては、図1に示したように、「V1」は電源電圧、「VH」は上アーム電圧、「VL」は下アーム電圧、「I1」は誘導性負荷L1を通流する負荷電流、「Ia2」は下側第一素子322aの両端に生じる配線インダクタンスLsa2を通流する電流、「Ib2」は下側第二素子322bの両端に生じる配線インダクタンスLsb2通流する電流、をそれぞれ示す。また、図3のタイムチャートにおいて、横軸は時刻(時間経過)を示し、実線は上アーム311がオフである状態にて下アーム312をオンさせるにあたって下側第一素子322aをオンしてから所定時間Td経過後に下側第二素子322bをオンした場合(本動作例)を示し、破線は両者を同時にオンした場合(比較例)を示す。さらに、図4〜図10において、回路中を通流する電流を一点鎖線で示し、電流が減少する様子を破線で示し、配線インダクタンスに生じる起電力を太線の短い矢印で示す。
図3に示されているように、下側第一素子322aをオンしてから所定時間Td経過後に下側第二素子322bをオンした場合は、両者を同時にオンした場合に比して、上アーム電圧VHにおけるサージ電圧(ターンオンサージ電圧)が良好に抑制されている。以下、そのメカニズムについて詳細に説明する。
図3における時刻t0以前において、下アーム312(下側第一素子322a及び下側第二素子322b)がオフである状態にて上アーム311(上側第一素子321a及び上側第二素子321b)をオンさせる動作が行われた後、上アーム311がオフされたものとする。このため、時刻t0においては、すべての半導体スイッチング素子32がオフ状態となっている。このとき、図4に示されているように、上アーム311と誘導性負荷L1とによって形成される閉回路にて、上側第一素子321a及び上側第二素子321bにおけるフリーホイールダイオード33と誘導性負荷L1との間で循環する電流が通流している(いわゆる「フリーホイール状態」)。
すべての半導体スイッチング素子32がオフである状態から、時刻t1にて、下アーム312における下側第一素子322aのみがオンされる。すると、図5に示されているように、下側第一素子322aにて電流Ia2が通流し始める。このとき、上側第一素子321a及び上側第二素子321bにおけるフリーホイールダイオード33に対する逆バイアスの印加が開始するため、当該フリーホイールダイオード33を通流する順方向の電流が減少する。そして、時刻t2にて、図6に示されているように、上側第一素子321a及び上側第二素子321bにおけるフリーホイールダイオード33におけるリカバリ電流が生じ始める。
その後、時刻t3にて、下アーム電圧VLが本格的に低下し始める。このとき、下側第二素子322bにおける寄生コンデンサ34の放電が開始する(なお、かかる寄生コンデンサ34の充電は、上述のように時刻t0以前にて実行された、上アーム311のオン動作中においてなされている。)。この寄生コンデンサ34からの放電電流は、図7に示されているように、下アーム312における、オンされた下側第一素子322aと、オフ状態に保持された下側第二素子322bの寄生コンデンサ34と、によって形成されたループ状回路(閉回路)を通流する。かかる放電電流は、時刻t4にて最大となる。
ここで、本実施形態の構成においては、上述の放電電流が下側第一素子322a(すなわち配線インダクタンスLsa2)を通流することで、かかる配線インダクタンスLsa2にて、上述のリカバリ電流の流れを妨げる方向の逆起電力が生じる(図8参照)。この逆起電力により、電流Ia2の立下り変化率d(Ia2)/dtを緩和して、上アーム電圧VHにおけるサージ電圧を良好に抑制することが可能になる。
そこで、本実施形態においては、下側第一素子322aがオンされた時刻t1から、上述のようにして下側第二素子322bにおける寄生コンデンサ34の放電によるサージ電圧の抑制効果が実現可能となるまでの間、下側第二素子322bのオン動作が待機される。すなわち、下側第二素子322bのオン動作は、時刻t3(本発明の時刻「td」に相当する:これは計算機シミュレーションにより容易に算出可能である)よりも後の時刻となるように、時刻t1から所定時間Td経過後に行われる。
具体的には、本実施形態においては、所定時間Tdは、以下の式で求められた値となる。下記の式において、Cは寄生容量(本動作例では下側第二素子322bにおける寄生コンデンサ34の容量)、Rd及びLdはこの寄生容量からの放電時の放電電流の通流経路(本動作例では下アーム312における上述のループ状回路)の抵抗値及びインダクタンス値である。なお、このとき、下側第二素子322bのオン動作の時刻は、図3におけるt4となる。
α=Rd/(2・Ld)
β={4・(Ld/C)−Rd1/2
Td=t3−t1+{arctan(β/α)}/β
その後、時刻t5(図9参照)にてサージ電圧のピークが生じ、下側第二素子322bがオンされたことによる電流Ib2が時刻t6にて本格的に通流し始める(図10参照)。このとき、引き続いて行われる上アーム311のオン動作時の、下アーム電圧VLにおけるサージ電圧抑制のための、上側第一素子321a又は上側第二素子321bにおける寄生コンデンサ34の充電が行われる。
本実施形態においては、上述のようにして、下アーム312のオン動作時(全ての半導体スイッチング素子32がオフである状態から上アーム311をオフに保持しつつ下アーム312をオンさせる際)に、下側第二素子322bがオフに保持されつつ下側第一素子322aが先にオンされてから所定時間Td後に、下側第一素子322aがオンに保持されつつ下側第二素子322bがオンされる。これにより、上アーム電圧VHにおけるサージ電圧が、下側第二素子322bにおける寄生コンデンサ34の作用で良好に抑制される。このとき、スイッチング動作に伴って半導体スイッチング素子32を通流する電流(上述の動作例における所定期間Td内の電流Ia2)の変化速度は緩和されていない。したがって、サージ電圧の抑制に際して、スイッチング損失の増加が良好に抑制される。
具体的には、計算機シミュレーションを用いれば、以下のように、本実施形態による顕著な効果が確認できる。まず、シミュレーション条件は、以下の通りである。
<V1=650V、C1=1600μF、I1=50A、L1=300μH、Ls0=50nH、半導体スイッチング素子32:CMF20120D・両端の配線インダクタンス7nH>
この結果、Td=80nsとすることで、サージ電圧を130V程度低減することができることが確認された(図3におけるΔVH参照)。
次に行われる上アーム311のオン動作時には、同様に、上側第一素子321aがオンされてから所定時間Td後に上側第二素子321bがオンされる。これにより、下アーム電圧VLにおけるサージ電圧が、スイッチング損失の増加を抑制しつつ、上側第二素子321bにおける寄生コンデンサ34の作用で良好に抑制される。
また、本実施形態においては、続いて行われる下アーム312のオン動作時には、上述とは逆に、下側第二素子322bがオンされてから所定時間Td後に下側第一素子322aがオンされる。これにより、上アーム電圧VHにおけるサージ電圧が、下側第一素子322aにおける寄生コンデンサ34の作用で良好に抑制される。同様に、さらに続いて行われる上アーム311のオン動作時には、上側第二素子321bがオンされてから所定時間Td後に上側第一素子321aがオンされる。これにより、下アーム電圧VLにおけるサージ電圧が、上側第一素子321aにおける寄生コンデンサ34の作用で良好に抑制される。
このように、本実施形態においては、上アーム311における上側第一素子321aと上側第二素子321bとのオン順序、及び下アーム312における下側第一素子322aと下側第二素子322bとのオン順序の先後が、駆動回路制御部353によって交互に切替えられる。すなわち、駆動回路制御部353は、上側第一素子321a(下側第一素子322a)を先にオンしてから所定時間経過後に上側第二素子321b(下側第二素子322b)をオンする第一の手順と、上側第二素子321b(下側第二素子322b)を先にオンしてから上側第一素子321a(下側第一素子322a)をオンする第二の手順とを、交互に実行する。
図11は、各半導体スイッチング素子32における発熱状態の概要を示すグラフである。図中、縦軸は、半導体スイッチング素子32の1個当たりの発熱量を示し、「FET1」は上側第一素子321a又は下側第一素子322aを示し、「FET2」は上側第二素子321b又は下側第二素子322bを示すものとする。
図11における左側の「オンタイミング切替あり」のグラフは、上述の実施形態の動作例のように、上述の第一の手順と第二の手順とを交互に切替えた場合を示す。一方、右側の「オンタイミング切替なし」のグラフは、上述の動作例とは異なり、上述の第一の手順のみを行った場合を示す。図11に示されているように、オン順序の切替を行った上述の実施形態によれば、サージ電圧が良好に抑制されるとともに、複数の半導体スイッチング素子32における発熱状態が良好に均一化される。これにより、インバータ回路30の冷却系の構成を良好に簡略化(小型化)することができる。
<変形例>
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態の一部、及び、複数の変形例の全部又は一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
半導体スイッチング素子32は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)であってもよい。この場合、フリーホイールダイオード33は、半導体スイッチング素子32の内部に形成された寄生ダイオード成分ではなく、外付けのダイオードである。すなわち、本発明にいう「付随する還流ダイオード成分」は、寄生ダイオード成分に限定されない。同様に、寄生コンデンサ34に加えて、あるいはこれに代えて、外付けのコンデンサ(容量成分)を、半導体スイッチング素子32に並列に接続してもよい。すなわち、本発明にいう「付随する容量成分」は、寄生容量成分に限定されない。
上述の第一の手順と第二の手順とは、常に交互に行われなくてもよい。すなわち、例えば、上アーム311において、第一の手順が連続で所定回(例えば2回)行われた後に、第二の手順が連続で所定回行われてもよい(下アーム312においても同様である)。また、上アーム311と下アーム312とで、第一の手順と第二の手順との実行順が逆になっていてもよい。すなわち、例えば、上アーム311オン(第一の手順)、下アーム312オン(第二の手順)、上アーム311オン(第二の手順)、下アーム312オン(第一の手順)…のようにインバータ回路30の動作が制御されていてもよい。あるいは、上アーム311オン(第一の手順)、下アーム312オン(第一の手順)、上アーム311オン(第二の手順)、下アーム312オン(第二の手順)…のようにインバータ回路30の動作が制御されていてもよい。要するに、上アーム311及び下アーム312のそれぞれにて、オン動作順序を固定せず可変とすることで、発熱量の均一化が良好に図られる。
図2に示されている制御回路35においては、上側第一素子321a(下側第一素子322a)に対応する駆動回路351と、上側第二素子321b(下側第二素子322b)に対応する駆動回路352と、が設けられていた。しかしながら、本発明は、かかる構成に限定されない。
例えば、図12に示されている構成においては、上側第一素子321a(下側第一素子322a)におけるゲート端子と駆動回路351との間には、オンタイミング切替回路354が設けられている。また、図2における駆動回路352に代えて、オンタイミング切替回路355が、上側第二素子321b(下側第二素子322b)におけるゲート端子に接続されている。
駆動回路351は、駆動回路制御部353から出力された後述する駆動制御信号Vc1に基づいて、所定波形のゲート信号を、オンタイミング切替回路354及びオンタイミング切替回路355に出力するようになっている。駆動回路制御部353は、先行してオンされる半導体スイッチング素子32に対応する駆動制御信号Vc1を駆動回路351に出力するとともに、オンタイミング切替のためのパターン信号Vpをオンタイミング切替回路354及びオンタイミング切替回路355に出力するようになっている。オンタイミング切替回路355における、パターン信号Vpの入力段には、反転素子が設けられている。すなわち、オンタイミング切替回路355は、オンタイミング切替回路354に入力されるパターン信号Vpを反転した信号が入力されるようになっている。
パターン信号Vpは、具体的には、例えば、「High」の場合に上側第一素子321aや下側第一素子322aを先にオン(上側第二素子321bや下側第二素子322bを後にオン)する一方で、「Low」の場合に上側第二素子321bや下側第二素子322bを先にオン(上側第一素子321aや下側第一素子322aを後にオン)するように生成される。また、このパターン信号Vpは、各半導体スイッチング素子32における発熱量が均一となるように生成される。)
本変形例において、駆動回路制御部353とともに本発明の「駆動順序切替部」を構成する、オンタイミング切替回路354及び355は、所定の回路時定数でゲート電圧の立ち上がりタイミングを制御するための回路素子(抵抗、インダクタンス、及びコンデンサ)と、かかる回路時定数をパターン信号Vpに基づいて切替えるスイッチング素子(トランジスタ)と、を備えている。なお、本変形例においては、オンタイミング切替回路354及び355は、同一の回路構成を有しているものとする。
かかる変形例の構成においては、上述の実施形態(図2参照)の構成に比して、駆動回路制御部353における処理負荷が良好に軽減される。なお、このようなオンタイミング切替回路354及び355の具体的回路構成は、当業者であれば、技術常識に基づいて容易に実現可能であるが、念のためにその一例を図13に示す(なお、図13(b)においては、上述の例とは逆に、パターン信号Vpが「High」の場合に上側第二素子321bや下側第二素子322bを先にオンするようになっている。)。
なお、上アーム311及び下アーム312のそれぞれにてオン動作順序を固定した場合であっても、インバータ回路30の冷却系を適宜構成することで、複数の半導体スイッチング素子32における発熱量の均一化を問題とすることなくサージ電圧が良好に抑制される。この場合の回路構成は、図2と同一のものでもよいし、図2とは異なるものであってもよい。図14は、上側第一素子321aと上側第二素子321bとのオン順序、及び下アーム312における下側第一素子322aと下側第二素子322bとのオン順序を、上述の第一の手順で固定した場合の、制御回路35の構成例(図2の回路構成に対する変形例)を示す。
かかる構成においては、図2における駆動回路352に代えて、オンタイミング制御回路356が設けられている。オンタイミング制御回路356は、駆動回路351からの出力信号が入力されるとともに、上側第二素子321b(下側第二素子322b)に対するゲート信号を出力するようになっている。具体的には、このオンタイミング制御回路356は、駆動回路351から入力される、上側第一素子321a(下側第一素子322a)に対するゲート信号を、所定の回路時定数で遅延させるための回路素子(抵抗、インダクタンス、コンデンサ、等。)を備えている。
図14に示された構成においては、図2に示された構成に比して、駆動回路制御部353における処理負荷が良好に軽減される。なお、このようなオンタイミング制御回路356の具体的回路構成は、当業者であれば、技術常識に基づいて容易に実現可能であるが、念のためにその一例を図15に示す。
上アーム311や下アーム312にて、複数の半導体スイッチング素子32が並列に接続される場合の、半導体スイッチング素子32の並列個数は、上述の実施形態のような2個に限定されない。すなわち、ハーフブリッジ回路31における上アーム311や下アーム312においては、3個以上の半導体スイッチング素子32が並列に接続され得る。この場合、サージ電圧の抑制という観点からは、後からオンされる半導体スイッチング素子32の個数は、先にオンされる半導体スイッチング素子32の個数以上であることが好ましい。
図16は、上アーム311及び下アーム312のそれぞれにおいて、半導体スイッチング素子32が6個並列に接続された例を示す(なお、図示の簡略化のため、図1に示されている寄生コンデンサ34は、図16においては図示が省略されているが、図16における半導体スイッチング素子32のそれぞれが寄生コンデンサ34を備えることはいうまでもない。)。この場合、先にオンされる第一群の半導体スイッチング素子32(上側第一素子321a及び下側第一素子322a)は、少なくとも1個設けられる。同様に、後からオンされる第二群の半導体スイッチング素子32(上側第二素子321b及び下側第二素子322b)も、少なくとも1個設けられる。なお、図16においては、6つ並列されているもののうちの中央寄りの4個については、第一群に属するのか第二群に属するのか不確定な状態で示されている。
図17は、図16に示されている構成において、第一群が2個であり第二群が4個である場合の実装状態を示している(但しオン順序は上述の第一の手順に固定)。図17に示されているように、基板400上には、上側素子ランド401と、下側素子ランド402と、が形成されている。上側素子ランド401には、上アーム311を構成する半導体スイッチング素子32が搭載されている。下側素子ランド402には、下アーム312を構成する半導体スイッチング素子32が搭載されている。また、上側素子ランド401及び下側素子ランド402においては、第一群を構成する半導体スイッチング素子32と第二群を構成する半導体スイッチング素子32とが、可能な範囲で隣り合わせとなるとともに、互いの距離が可能な範囲で最小となるように、6つの半導体スイッチング素子32の各々が配置されている。
図18は、図16に示されている構成において、第一群すなわち上側第一素子321a及び下側第一素子322aのそれぞれの個数を変化させた場合の、サージ電圧(但しシミュレーション結果)の変化を示すグラフである(但しオン順序は上述の第一の手順に固定)。なお、図18におけるシミュレーション条件は、上述と同様である。また、図中の「第一群個数」が「6」の場合は、上アーム311(下アーム312)における6個の半導体スイッチング素子32がすべて上側第一素子321a(下側第一素子322a)の場合であって、これは比較例に対応する。
図18に示されている結果から明らかなように、第一群と第二群との個数比r=(第一群の個数)/(第二群の個数)の値は、小さい方が好ましい。これは、第二群に属する半導体スイッチング素子32の比率が大きくなることで、当該半導体スイッチング素子32に付随する寄生コンデンサ34が多数並列接続されて、上述のようなメカニズムでサージ電圧を抑制するための容量が大きくなるためである。
なお、上述の実施形態のように、オン順序を固定とせず切替可能とする場合、上述の個数比rは1に近い値であることが好ましい(より好ましくは1である)。これにより、サージ電圧の抑制と、発熱状態の均一化とが図られる。
上アーム311と下アーム312とで、半導体スイッチング素子32の並列個数が異なっていてもよい。この場合、上アーム311における第一群と第二群との個数比率と、下アーム312における個数比率とは、可及的に近い値(より好ましくは同じ値)となるように設定されることが好ましい。
上アーム311を構成する複数の半導体スイッチング素子32(上述の実施形態における上側第一素子321a及び上側第二素子321b)は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。下アーム312についても同様である。また、複数の半導体スイッチング素子32が並列に接続されているのは、上アーム311と下アーム312とのうちのいずれか一方のみであってもよい。
本発明の適用対象は、厳密な「ハーフブリッジ回路」に限定されない。すなわち、例えば、いわゆる「フルブリッジ回路」は、並列する2つのハーフブリッジ回路からなるものと解釈することができる。よって、本発明は、このような、半導体スイッチング素子32からなるフルブリッジ回路における、少なくとも一方のハーフブリッジ部分に対して、好適に適用可能であることは、いうまでもない。
S…車載電動機システム、10…負荷、20…直流電源、30…インバータ回路、31…ハーフブリッジ回路、311…上アーム、312…下アーム、32…半導体スイッチング素子、33…フリーホイールダイオード、34…寄生コンデンサ、35…制御回路、353…駆動回路制御部。

Claims (6)

  1. 付随する還流ダイオード成分及び容量成分を有する複数の半導体スイッチング素子(32)によって形成され、直流電源(20)における一対の端子間に設けられた、ハーフブリッジ回路(31)と、
    前記ハーフブリッジ回路に設けられた複数の前記半導体スイッチング素子の各々に向けて駆動信号を出力するように設けられた、制御回路(35)と、
    を備えた、半導体装置(30)であって、
    前記ハーフブリッジ回路における一つのアーム(312)には、第一の半導体スイッチング素子(322a)と第二の半導体スイッチング素子(322b)とが並列に設けられ、
    前記制御回路は、前記第一の半導体スイッチング素子及び前記第二の半導体スイッチング素子がともにオフである状態から、前記第二の半導体スイッチング素子をオフに保持しつつ前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせ、所定時間経過後に、前記第一の半導体スイッチング素子をオンに保持しつつ前記第二の半導体スイッチング素子をオンさせるように、前記駆動信号を出力することを特徴とする、半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置であって、
    前記所定時間Tdは、
    前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせた時刻をt1、
    かかる時刻t1の後であって、前記第二の半導体スイッチング素子における前記容量成分からの放電が開始する時刻をtd、とすると、
    Td>td−t1
    であることを特徴とする、半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置であって、
    前記所定時間Tdは、
    前記容量成分における容量をC、
    前記容量成分からの放電時の放電電流が、前記第一の半導体スイッチング素子と前記第二の半導体スイッチング素子との間で形成されるループ状回路を通流する際の、当該ループ状回路における抵抗値をRd,インダクタンス値をLdとし、
    α=Rd/(2・Ld)、β={4・(Ld/C)−Rd1/2
    とすると、
    Td=td−t1+{arctan(β/α)}/β
    であることを特徴とする、半導体装置。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記第二の半導体スイッチング素子の個数は、前記第一の半導体スイッチング素子の個数以上であることを特徴とする、半導体装置。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
    前記制御回路は、
    前記第一の半導体スイッチング素子及び前記第二の半導体スイッチング素子がともにオフである状態から、前記第二の半導体スイッチング素子をオフに保持しつつ前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせ、前記所定時間経過後に、前記第一の半導体スイッチング素子をオンに保持しつつ前記第二の半導体スイッチング素子をオンさせる、第一の手順の後に、
    前記第一の半導体スイッチング素子及び前記第二の半導体スイッチング素子がともにオフである状態から、前記第一の半導体スイッチング素子をオフに保持しつつ前記第二の半導体スイッチング素子をオンさせ、前記所定時間経過後に、前記第二の半導体スイッチング素子をオンに保持しつつ前記第一の半導体スイッチング素子をオンさせる、第二の手順を実行可能に構成されたことを特徴とする、半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置であって、
    前記制御回路は、
    前記第一の半導体スイッチング素子と前記第二の半導体スイッチング素子とのオン順序の先後を切替える、駆動順序切替部(353)を備えたことを特徴とする、半導体装置。
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