JP2014145142A - パルプモールド成型体 - Google Patents

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Abstract

【課題】内面と外面のいずれにも耐水層が形成されたパルプモールド成型体について、製造コストを低減させる。
【解決手段】内容器11の内面と外容器12の外面にそれぞれ熱可塑性フィルムを吸引して溶着させ、その内容器11を内側に外容器12を外側に重ね合わせることで、両面に耐水層15が形成されたパルプモールド容器10を吸引方式のみにより作製可能とする。別途手作業でフィルムを容器の外面または内面に貼り合わせる必要がなく、製造コストを低減させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明はパルプモールド成型体およびその製造方法に関する。
食品などを収納する容器として、合成樹脂材料を成型したプラスチック容器や、板紙からなるブランクを折り曲げて接着剤で貼り合わせた紙容器が知られている。これらは、軽量かつ安価で使い捨てできることから汎用されているが、プラスチック容器は燃焼ごみとして廃棄することができず、また紙容器は内容物の熱により接着がはがれてしまう欠点を有する。
そこで、葦やサトウキビのようなパルプ材を原料とし、この原料を金型で成型してなるパルプモールド容器も用いられている。パルプモールド容器は、プラスチック容器とは異なり燃焼ごみとして廃棄可能であり、また紙容器とは異なり全体を一体に成型するものであるため、接着がはがれてしまうような事態も生じない。
このようなパルプモールド容器やその蓋(以下、総称してパルプモールド成型体という)は、プラスチック容器とは異なり耐水性に劣るため、食品などの水分が多く含まれた内容物を収納するものについては、特許文献1のように、内面に熱可塑性フィルムを積層して耐水層を形成するのが一般的である。
ところで、このようにパルプモールド成型体の内面に耐水層を形成する場合には、通常は特許文献1のように、パルプモールド成型体を多数の吸引孔が形成された金型にセットし、この金型とその上方に配置されたヒータとの間に熱可塑性フィルム供給し、ヒータにより加熱された熱可塑性フィルムを金型の吸引孔の吸引力によりパルプモールド成型体の内面に向けて吸引し、溶着させる方法による。
このような吸引方式は、パルプモールド自体が空気透過性を有することを利用したものであるが、成型体の内面に耐水層を形成した時点で、その空気透過性は失われることになる。したがって、さらに耐水性を向上させるために、成型体の外面にも耐水層を形成したい場合には、吸引方式を用いることができない。
パルプモールド成型体の外面については、手作業でフィルムを貼り付けるなど他の方式を用いることも可能であるが、手間がかかり製造コストが高騰してしまう。
特開2012−158160号公報
そこで本発明の解決すべき課題は、内面と外面のいずれにも耐水層が形成されたパルプモールド成型体について、製造コストを低減させることである。
上記した課題を解決するため、発明にかかるパルプモールド成型体として、パルプモールドからなる内成型体と、前記内成型体と略相似形でありかつ内成型体の外側に重ね合わされたパルプモールドからなる外成型体と、前記内成型体から前記外成型体にかけて架け渡され、前記内成型体の内面の全面および前記外成型体の外面の全面に溶着された熱可塑性フィルムからなる耐水層と、を備える構成としたのである。
成型体が容器である場合には、内成型体と外成型体はそれぞれ内容器と外容器に、成型体が蓋である場合には、内成型体と外成型体はそれぞれ内蓋と外蓋となる。
ここで、前記内成型体の内面の耐水層と前記外成型体の外面の耐水層とは、溶着されているのが好ましい。
また、発明にかかるパルプモールド成型体の製造方法として、パルプモールドからなる内成型体と前記内成型体と略相似形であるパルプモールドからなる外成型体とを間隔をあけて並列させる工程と、熱可塑性フィルムを前記内成型体から前記外成型体にかけて架け渡し、前記内成型体の内面の全面および前記外成型体の外面の全面に溶着する工程と、前記熱可塑性フィルムがそれぞれ溶着された内成型体を内側に外成型体を外側に重ね合わせる工程と、を含む構成を採用したのである。
ここで、重ね合わされた前記内成型体の内面の耐水層と前記外成型体の外面の耐水層とを溶着するステップをさらに含むのが好ましい。
本発明によれば、内成型体の内面と外成型体の外面にそれぞれ熱可塑性フィルムを吸引して溶着させ、その内成型体を内側に外成型体を外側に重ね合わせることで、両面に耐水層が形成されたパルプモールド成型体を吸引方式のみにより作製可能であるため、別途手作業でフィルムを成型体の外面または内面に貼り合わせる必要がなく、製造コストを低減させることができる。
さらに内成型体の側の耐水層と外成型体の側の耐水層を両成型体が重ねあわされた状態で溶着すると、内成型体と外成型体が分解してしまうことが防止される。
実施形態のパルプモールド容器の斜視図 実施形態のパルプモールド容器の断面図 実施形態のパルプモールド容器の製造工程の概略図
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1および図2のように、実施形態のパルプモールド容器10は、内容器11および外容器12と、内容器11の内面および外容器12の外面に積層された耐水層15とからなる。その内容物は特に限定されるものではないが、主として弁当やグラタン等の食品を収納するのに好適に用いられる。
内容器11および外容器12の形状は内容器11を外容器12の内側に重ね合わせ下方である限りにおいて、特に限定されるものではないが、図1および図2では、内容器11と外容器12は相似形である。そして、それぞれ平面視円形の底壁11a、12aと、底壁11a、12aの周縁から広がって立ち上がる周壁11b、12bと、周壁11b、12bの上縁からほぼ水平に張り出すフランジ11c、12cと、を有している。
内容器11および外容器12は、葦やサトウキビのようなパルプ材を原料とし、これを成型することで得られる。
その製造方法としては、公知の方法を利用可能であり、たとえば、パルプ懸濁液を準備し、このパルプ懸濁液から網型でパルプを抄き上げ、この抄き上げ物を加熱しながら雌雄のプレス金型によりプレスして、成型物を成型することが例示できる。
パルプの種類、バインダーの種類、網型のメッシュ数、加熱温度、プレス圧、プレス時間、雌雄のプレス金型間のクリアランス等は特に限定されない。
内容器11および外容器12の肉厚も特に限定されないが、小さすぎると強度が確保できず、大きすぎると材料コストが嵩むこと等の理由から、0.2mm〜2.0mmであることが好ましい。
内容器11と外容器12のそれぞれ底壁11a、12aの中央部の同じ位置には、相似形で円形の欠落部13、14が形成されている。なお、欠落部13、14の数、位置、形状、大きさについては、両欠落部13、14の位置が合致する限りにおいて、特に限定されず、複数設けたり、長円形や多角形としたり、周壁11b、12bに設けたりしてもよい。また、欠落部13、14は、省略することもできる。
図1および図2のように、耐水層15は、透明性の高い複層の熱可塑性フィルムを内容器11の欠落部13を含めた内面から外容器12の欠落部14を含めた外面にかけての全面に加熱溶着させることで形成されている。この耐水層15により、耐水性に劣る内容器11および外容器12に食品の水分が浸み込むのが防止されている。
とくに、内容器11や外容器12の欠落部13、14も耐水層15に覆われて封鎖されることで、欠落部13、14を通じて内容物が漏れ出したり、逆に外部から塵埃等が侵入したりすることが防止されている。
このようにして、透明な耐水層15に覆われた欠落部13、14は、ここを通じて内部を視認可能なパルプモールド容器10の窓13、14となっており、食品等の内容物の状態を確認できるようになっている。
また内容器11と外容器12とは、その間に架け渡された耐水層15によって連結されている。
耐水層15は柔軟性の良好な熱可塑性フィルムからなるため、外容器12は、耐水層15の内容器11との連結箇所16を中心に、図1(b)および図2(b)のような、重ね合わされた位置と、図1(a)および図2(a)のような、分解した位置との間で、回動可能となっている。
このような回動の中心となるものとして、耐水層15の内容器11と外容器12との連結箇所は、ヒンジ部16となっている。
なお、内容器11と外容器12を重ね合わせた状態で、内容器11のフランジ11c上の耐水層15と、外容器12のフランジ12c上の耐水層15とを溶着して、内容器11と外容器12とが分離しないように結合することができる。この場合、両耐水層15を両フランジ11c、12cの外縁から多少はみ出るくらいに形成しておくと耐水層15同士の溶着面積が大きくなり、結合不良の発生を阻止することができる。
また、内容器11と外容器12とを別途接着剤等を用いて結合することもできる。
このような耐水層15を構成する熱可塑性フィルムの種類は特に限定されないが、ポリプロピレン(PP)系フィルム、ポリエチレン(PE)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)系フィルムが例示できる。
耐水層15の厚みも特に限定されないが、5〜200μmが例示できる。パルプモールドに熱可塑性フィルムが積層されていても、この程度の厚みの小さなものであれば、燃焼ごみとして処理可能である(容器リサイクル法では、紙容器に分類される)。内容器11等の全体がプラスチックで形成されている場合に比較して、環境への負荷が大きいプラスチックの使用量を大幅に削減可能である。
実施形態のパルプモールド容器10の構成は以上のようであり、次にその製造方法について説明する。
まず内容器11および外容器12をそれぞれあらかじめ成型しておく。この場合、内容器11と外容器12を一体に成型しておいて、カッタ等により切断して分離させてもよい。
そして、図3(a)のように、その内容器11、外容器12のそれぞれ一部をカッタ等でくりぬいて欠落部13、14を形成しておく。
このように欠落部13、14が形成された内容器11および外容器12を、図3(b)のように、金型Mにセットし、上下が反転しかつ並列した状態に保持する。この金型Mには、図示省略の吸引孔が多数形成されているものとする。
そして、金型Mとその上方に配置されたヒータHとの間に、熱可塑性フィルムfを供給し、ヒータHにより加熱する。
次いで、加熱された熱可塑性フィルムfを、金型Mの吸引孔から真空引き等することにより、内容器11の内面および外容器12の外面に向けて吸引する。ここで内容器11および外容器12は、パルプモールド製であって空気透過性を有するため、吸引孔の吸引力を妨げることはない。その吸引力が不充分である場合には、内容器11および外容器12に多数の微細孔を形成して、その空気透過性を高めておいてもよい。
こうして、図3(c)のように、熱可塑性フィルムfを内容器11の内面および外容器12の外面に沿った形状に変形させて溶着させることで耐水層15を形成し、パルプモールド容器10が完成する。このような耐水層15の形成技術自体は公知であり、その熱可塑性フィルムfの加熱温度、金型Mの吸引孔の吸引力の大きさ、加熱や吸引の時間等は、公知技術の範囲で適宜調整可能である。
このような耐水層15の形成と同時に、内容器11および外容器12の欠落部13、14がそれぞれ耐水層15で覆われることで、窓13、14が形成され、内容器11と外容器12との間が耐水層15で連結されることで、ヒンジ部16が形成されることになる。
さらに、これら内容器11を内側に外容器12を外側に重ね合わせ、その耐水層15同士を加熱により溶着させる工程を付加してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
たとえば、実施形態ではパルプモールド容器10として内容器11と外容器12から構成したが、パルプモールド蓋として内蓋と外蓋から構成してもよい。また蓋付きのパルプモールド容器としてもよく、その場合には容器を内容器11と外容器12とから、蓋を内蓋と外蓋とから構成することで、容器も蓋もその両面に耐水層を形成することが可能となる。蓋付きのパルプモールド容器の場合、熱可塑性フィルムfを、たとえば内容器11から蓋の内面または外面へと架け渡し、溶着することによって、容器と蓋とを連結することができる。その連結箇所は、ヒンジ部となって、ここを中心に、蓋を容器の開口を閉鎖する位置と開放する位置との間で回動させることが可能となる。
実施形態では、熱可塑性フィルムを複層としたが、単層でもよい。
10 パルプモールド容器
11 内容器
11a 底壁
11b 周壁
11c フランジ
12 外容器
12a 底壁
12b 周壁
12c フランジ
13、14 窓(欠落部)
15 耐水層
16 ヒンジ部
M 金型
H ヒータ
f 熱可塑性フィルム

Claims (4)

  1. パルプモールドからなる内成型体と、
    前記内成型体と略相似形でありかつ内成型体の外側に重ね合わされたパルプモールドからなる外成型体と、
    前記内成型体から前記外成型体にかけて架け渡され、前記内成型体の内面の全面および前記外成型体の外面の全面に溶着された熱可塑性フィルムからなる耐水層と、を備えるパルプモールド成型体。
  2. 前記内成型体の内面の耐水層と前記外成型体の外面の耐水層とは、溶着されている請求項1に記載のパルプモールド成型体。
  3. パルプモールドからなる内成型体と前記内成型体と略相似形であるパルプモールドからなる外成型体とを間隔をあけて並列させる工程と、
    熱可塑性フィルムを前記内成型体から前記外成型体にかけて架け渡し、前記内成型体の内面の全面および前記外成型体の外面の全面に溶着する工程と、
    前記熱可塑性フィルムがそれぞれ溶着された内成型体を内側に外成型体を外側に重ね合わせる工程と、を含むパルプモールド成型体の製造方法。
  4. 重ね合わされた前記内成型体の内面の耐水層と前記外成型体の外面の耐水層とを溶着する工程をさらに含む請求項3に記載のパルプモールド成型体の製造方法。
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