JP2014145217A - 砂質土の改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加する増粘剤が1種類であり、その添加量が少量でありながら、土粒子と水との分離を抑制しつつ適度な流動性を確保できる簡便な砂質土の改質方法を提供する。
【解決手段】砂質土2に、アクリル系増粘剤またはセルロース系増粘剤のいずれか1種類の増粘剤3を所定の割合で添加することにより、シリンダーフロー(CF)値が10cm以上の適度な流動性を有し、かつ、土粒子と水との分離が生じない改質土1を得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、砂質土の改質方法に関し、さらに詳しくは、添加する増粘剤が1種類であり、その添加量が少量でありながら、土粒子と水との分離を抑制しつつ適度な流動性を確保できる簡便な砂質土の改質方法に関するものである。
土砂をポンプ圧送するために土砂の流動性を向上させるには、土砂に加水する方法が一般的である。砂質土の場合は粘性が低いため、少量の水を加えるだけで流動性が向上するが、土粒子と水との分離が生じ易くなり、圧送管内で砂分が沈降し、圧送管の閉塞などにつながりやすくなる。したがって、砂質土をポンプ圧送する場合は、大量に加水して、含泥率(土砂と水の混合物における土粒子の体積割合)を5%〜10%程度の状態にして行う方法がとられる。この場合、ポンプ圧送後に分離した細粒分を含んだ大量の泥水が発生し、濁水処理やその後処理が必要となる。
そこで、粘土分が多い建設発生土やベントナイトなどの市販の粘土をスラリ状にしてから砂質土に添加して粘性を高めることにより、土粒子と水との分離を防止する方法がある。粒度が一定の建設発生土を入手することが困難な場合は、一般的に市販のベントナイトを用いることになる。しかしながら、これらの方法では多量の粘土またはベントナイトが必要になる。砂質土が浚渫土や建設発生土であり、その再利用を行うことが目的の場合、改質土の量に対する砂質土の含有率が低くなり、砂質土の利用効率を向上させるには適していない。
また、加水した砂質土に増粘剤を添加して粘度を高める方法も考えられる。例えば、砂、土砂、礫等の骨材と、水溶性セルロースエーテルおよび水溶性ポリアクリルアミドからなる増粘剤と、水とからなるポンプ圧送性に優れた透水性組成物が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このように2種類(複数種類)の増粘剤を用いると、それぞれの増粘剤の添加量を適切に設定する必要があり、その添加作業の際の添加割合の管理や在庫管理等が煩雑になる。また、構成材料の大部分が砂分である砂質土の場合は、このように2種類の増粘剤を用いることが、得られる改質土の性状やコストの観点等から最適とは言えない。
そのため、添加する増粘剤が1種類であり、その添加量が少量であっても、土粒子と水との分離を抑制し、かつ、適度な流動性を確保できる簡便な改質方法が要望されていた。
特開平6−192650号公報
本発明の目的は、添加する増粘剤が1種類であり、その添加量が少量でありながら、土粒子と水との分離を抑制しつつ適度な流動性を確保できる簡便な砂質土の改質方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の砂質土の改質方法は、砂質土に増粘剤を添加する砂質土の改質方法において、砂質土に、アクリル系増粘剤またはセルロース系増粘剤のいずれか1種類の増粘剤を所定の割合で添加することにより、シリンダーフロー値が10cm以上であり、かつ、土粒子と水との分離がない改質土を得ることを特徴とする。
ここで、例えば、前記砂質土の粒度組成が重量割合で、細粒分含有率が5%以上であり、粒径が2mm以上の礫分含有率が15%以下の場合を対象にする。前記砂質土に添加する増粘剤は、例えばアクリル系増粘剤であり、この増粘剤を砂質土1mに対して2.5g以上の割合で添加することもできる。或いは、前記砂質土に添加する増粘剤は例えばセルロース系増粘剤であり、この増粘剤を砂質土1mに対して25g以上の割合で添加することもできる。
本発明によれば、砂質土に、アクリル系増粘剤またはセルロース系増粘剤のいずれか1種類の増粘剤を所定の割合で添加するので、その添加作業の際の添加割合の管理や在庫管理等が簡便化される。そして、セルロース系増粘剤またはアクリル系増粘剤のいずれの増粘剤であっても、ベントナイトスラリ等に比して遥かに少量を砂質土に添加することで、シリンダーフロー値が10cm以上の適度な流動性を有しつつ、土粒子と水との分離が生じない改質土を得ることが可能になる。これにより、土粒子と水とが分離しない状態で改質土をポンプ圧送するには有利になる。
その他、本技術は静的圧入工法の注入材料(骨材)の代替材としての活用も期待できる。静的圧入工法とは、流動化させた砂質土を地盤内に静的にポンプ圧入し、周囲の緩い砂地盤の密度を上げることで液状化対策を行う工法であり、具体的には、CPG工法やSAVE−SP工法などがあげられる。
砂質土に増粘剤を添加して混合する工程を例示する説明図である。 シリンダーフロー試験を側面視で例示する説明図である。 シリンダーフロー試験を平面視で例示する説明図である。 土粒子と水とが分離した状態を例示する説明図である。 砂質土の粒径構成を例示するグラフ図(粒径加積曲線)である。 実施例で作製したサンプルの説明図である。 アクリル系増粘剤の添加量と改質土のシリンダーフロー値との関係を例示するグラフ図である。 セルロース系増粘剤の添加量と改質土のシリンダーフロー値との関係を例示するグラフ図である。 ベントナイトスラリの添加量と改質土のシリンダーフロー値との関係を例示するグラフ図である。
以下、本発明を図に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に例示するように、本発明の砂質土の改質方法では、例えば、攪拌機5の中に、砂質土2を投入し、この砂質土2にアクリル系増粘剤またはセルロース系増粘剤のいずれか1種類の増粘剤3を所定の割合で添加して混合する。これにより、シリンダーフロー値(以下、CF値という)が10cm以上であり、かつ、土粒子と水Wとの分離が生じない改質土1を得る。
図2、図3に例示するように、CF値は、JHS 313−1999(1.2 シリンダー法)に規定されているシリンダー4a(内径80mm、高さ80mmの黄銅製または硬質プラスチック製の円筒)と鋼製または硬質プラスチック板4bを用いて、シリンダー法試験を行って得た測定値である。土粒子と水Wとの分離が生じない改質土1とは、図4に例示するように、シリンダーフロー試験後、直後に改質土1の外縁または表面から、改質土1に含まれていた水Wが分離して滲み出ることが目視できないことをいう。
アクリル系増粘剤としては、例えば、事前混合処理土工法で分離防止材として使用されているアクリル系分離抵抗材を用いることができる。具体的にはポリアクリルアミド系の凝集剤のアコフロックA−110(MTアクアポリマー社製)等を例示できる。
セルロース系増粘剤としては、例えば、水中コンクリート用のセルロース系水中不分離性混和剤を用いることができる。具体的には、ユニショットA−10(第一工業製薬社製)、アスカクリーン(信越化学工業社製)、アクリス(BASFジャパン社製)等を例示できる。
増粘剤3としてアクリル系増粘剤を用いる場合は、例えば、1mの砂質土2に対して、この増粘剤3を2.5g以上の割合で添加する。添加量が2.5g未満では、改質土1の土粒子と水Wとの分離を防止することが難しくなる。アクリル系増粘剤の添加量の上限は例えば10g/mである。
増粘剤3としてセルロース系増粘剤を用いる場合は、例えば、1mの砂質土2に対して、この増粘剤3を25g以上の割合で添加する。添加量が25g未満では、改質土1の土粒子と水Wとの分離を防止することが難しくなる。セルロース系増粘剤の添加量の上限は例えば100g/mである。
砂質土2に予め適度な量の水Wを加えて砂質土2の流動性を高めておき、その後、上記した所定範囲で、増粘剤3をある濃度であらかじめ水に溶かした状態のものを徐々に添加、混合するとよい。これにより、増粘剤が均一にかつ短時間で分散、混合され、改質土1の流動性(CF値)を調整し易くなる。
このように本発明によれば、砂質土2に添加する増粘剤3が1種類となるので、その添加作業の際の添加割合の管理や在庫管理等が簡便化される。また、アクリル系増粘剤またはセルロース系増粘剤のいずれの増粘剤3であっても、ベントナイトスラリ等を添加する場合に比して、遥かに少量を砂質土2に添加することで、CF値が10cm以上の適度な流動性を有しつつ、土粒子と水Wとの分離がない改質土1を得ることができる。特に、アクリル系増粘剤を使用すると、その添加量を極めて少量にすることが可能になる。したがって、ポンプ圧送が容易であり、水Wの分離が生じない改質土1を簡便に製造することができる。
改質する砂質土2の粒度組成は重量割合で、細粒分含有率が5%以上、かつ、粒径が2mm以上の礫分含有率が15%以下程度であることが望ましい。細粒分とは、砂質土2の構成成分の内の粘土分およびシルト分である。その理由は、アクリル系増粘剤やセルロース系増粘剤は、細粒分との反応によって増粘効果をより発揮すると考えられるためである。また、粒径が2mm以上の粗粒分が多くなると、改質土の流動性を大きく設定した場合に、材料分離が生じ易くなる傾向が現れる可能性が高いためである。
砂質土に、液性限界や粒度組成の異なる市販の粘土(笠岡粘土またはアースゲル)を添加して表1に示すように2種類の砂質土A、Bを作製した。それぞれのベントナイトは、砂質土全体の乾燥重量比で約5%になるように添加した。
これら砂質土A、Bの一般物性、構成割合(重量割合)は表1のとおりである。
図5に砂質土A,Bの粒径加積曲線を示すが、この図に建設工事で“良質な砂質土”として使用されるSCP(サンドコンパクション)用の砂の適用範囲を同時に示している。図5に示すように、今回の砂質土A,Bは、建設工事で一般的に“良質な砂質土”として取り扱われているSCP用の砂の中間的な粒度を示すものである。
尚、本実施例で2種類の砂質土を対象としたのは、粘土分の物性の違いが増粘材の添加による改質効果に与える影響を調べることを目的としたためである。
Figure 2014145217
この実験では、まず予備試験として、2種類の砂質土A、Bに対して、段階的に人工海水を加えて、それぞれシリンダーフロー試験を行い、加水量とCF値の関係を求め、CF値が20cm,30cm,40cmとなるための加水量を求めた。尚、CF値は、上述したようにJHS 313−1999に準拠してシリンダーフロー試験を行って得た測定値である。
次に、2種類の砂質土A、Bに対して、人工海水(水b)を加えてCF値が15cmのものを準備した。次に、増粘剤はそれぞれ人工海水(水c)を加えて、増粘剤aおよび増粘剤bは0.2%溶液(重量比)、増粘剤cは市販の粘土に人工海水(水c)を加えてCF値を15cmに調整してスラリとして準備した。
増粘剤a:セルロース系増粘剤(セルロース系水中コンクリート用不分離剤:第一工業製薬社製の商品名ユニショットA−10)
増粘剤b:アクリル系増粘剤(アニオン系アクリル系高分子凝集剤:MTアクアポリマー社製の商品名アコフロックA−110)
増粘剤c:ベントナイトスラリ
次に、CF値を15cmに調整した砂質土に各増粘剤の水溶液またはスラリを加え、さらに人工海水(水d)を加水して混合して改質土を作製した後に、CF値の測定を行った。ここで、表2に示した各ケースのCF値(20cm、30cm、40cm)は、図6に示すように、改質土内に含まれる全人工海水(水a+水b+水c+水d)と土粒子とを混合した際に得られる値を示したものである。すなわち、CF値が15cmの砂質土に含まれる人工海水の量(水a+水b)と、加水して準備した増粘剤に含まれる人工海水の量(水c)に対して、増粘剤を加えないで加水のみで得られる砂質土のCF値が20cm、30cmまたは40cmとなるために必要な加水量を予備試験結果から水量(水d)を計算して最終的に加水している。
Figure 2014145217
それぞれのサンプルA1〜A3およびB1〜B3に対して、増粘剤aを添加した場合、増粘剤bを添加した場合、増粘剤cを添加した場合の3つの場合における増粘剤添加量(1mの砂質土に対する増粘剤の添加重量)と改質土のCF値との関係を、それぞれ、図7、図8、図9に示す。図7〜図9では、シリンダーフロー試験後、直後に改質土の外縁から水が分離して滲み出ることが目視できなかった場合(即ち、水と土粒子との分離が発生していない場合)を黒塗り、目視できた場合(即ち、水と土粒子との分離が発生している場合)を白抜きでプロットにしている。
図7の結果から、増粘剤a以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が40cm程度であれば、増粘剤aを2.5g/m程度添加すると水と土粒子との分離が防止できることが分かる。一方、増粘剤a以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が凡そ25cm以下の場合、流動性が過小になり、改質土のCF値を10cm以上にすることができないことが予測される。また、砂質土に含まれる粘土分の違いによる差は殆ど認められない。
図8の結果から、増粘剤b以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が30cm以下の場合は、増粘剤bを25g/m程度添加することで、土粒子と水が分離しない改質土を作製することが可能であることが分かる。増粘剤b以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が40cmの場合は、増粘剤bを75g/m程度添加することで、土粒子と水が分離しない改質土を作製することが可能であることがわかる。一方、増粘剤b以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が概ね15cm以下の場合は、改質土のCF値を10cm以上にすることが難しいものと予測される。
また、砂質土に含まれる粘土分の違いによる差は、土粒子と水分の分離に関しては殆ど認められないものの、増粘剤添加前後の流動性の変化には若干差異が認められる。
図9の結果から、増粘剤c以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が30cm以下の場合は、増粘剤bを40,000g/m程度添加加することで、土粒子と水が分離しない改質土を作製することが可能であることが分かる。また、増粘剤c以外の全水量と土粒子とを混合した場合のCF値が40cmの場合は、増粘剤bを80,000g/m程度添加する必要があることが分かる。また、砂質土に含まれる粘土分の違いによる差は殆ど認められない。
図7〜図9の結果から、増粘剤aまたは増粘剤bを使用した場合は、増粘剤cを使用した場合に比して、その添加量を非常に少量にすることができることが分かる。したがって、増粘剤aまたは増粘剤bを使用することで、改質土における増粘剤の含有率を小さくできるので、砂質土を多量に有効使用したい場合には有益である。特に、増粘剤aを使用した場合は、その添加量を著しく少量にすることができる。
1 改質土
2 砂質土
3 増粘剤
4a シリンダー
4b 板
5 攪拌機
W 水

Claims (4)

  1. 砂質土に増粘剤を添加する砂質土の改質方法において、砂質土に、アクリル系増粘剤またはセルロース系増粘剤のいずれか1種類の増粘剤を所定の割合で添加することにより、シリンダーフロー値が10cm以上であり、かつ、土粒子と水との分離がない改質土を得ることを特徴とする砂質土の改質方法。
  2. 前記砂質土の粒度組成が重量割合で、細粒分含有率が5%以上であり、粒径が2mm以上の礫分含有率が15%以下である請求項1に記載の砂質土の改質方法。
  3. 前記砂質土に添加する増粘剤がアクリル系増粘剤であり、この増粘剤を砂質土1mに対して2.5g以上の割合で添加する請求項1または請求項2に記載の砂質土の改質方法。
  4. 前記砂質土に添加する増粘剤がセルロース系増粘剤であり、この増粘剤を砂質土1mに対して25g以上の割合で添加する請求項1または2に記載の砂質土の改質方法。
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