JP2014146718A - 照明光学装置、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被照射面上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整することのできる照明光学装置。
【解決手段】 光源からの光により被照射面を照明する照明光学装置は、照明光学装置の光路を横切る第1面に並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、第1面に入射する光の向きを第1面内での位置に応じて変化させる可変部材とを備えている。オプティカルインテグレータの波面分割要素には、入射する光の向きの変化に応じて当該波面分割要素を経た光が被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の収差が付与されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 光源からの光により被照射面を照明する照明光学装置は、照明光学装置の光路を横切る第1面に並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、第1面に入射する光の向きを第1面内での位置に応じて変化させる可変部材とを備えている。オプティカルインテグレータの波面分割要素には、入射する光の向きの変化に応じて当該波面分割要素を経た光が被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の収差が付与されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、照明光学装置、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。
半導体素子等のデバイスの製造に用いられる露光装置では、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光は、コンデンサーレンズにより集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。マスクに形成されたパターンは微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
マスクの微細パターンをウェハ上に正確に転写するために、例えば輪帯状や複数極状(2極状、4極状など)の瞳強度分布を形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が提案されている(特許文献1を参照)。
マスクの微細パターンをウェハ上に正確に転写するには、瞳強度分布を所望の形状に調整するだけでなく、最終的な被照射面としてのウェハ上の各点に関する瞳強度分布をそれぞれほぼ均一に調整する必要がある。ウェハ上の各点での瞳強度分布の均一性にばらつきがあると、ウェハ上の位置毎にパターンの線幅がばらついて、マスクの微細パターンを露光領域の全体に亘って所望の線幅でウェハ上に正確に転写することができない。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、被照射面上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整することのできる照明光学装置を提供することを目的とする。また、本発明は、被照射面上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整する照明光学装置を用いて、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学装置において、
前記照明光学装置の光路を横切る第1面に並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
前記第1面に入射する光の向きを前記第1面内での位置に応じて変化させる可変部材とを備え、
前記オプティカルインテグレータの前記波面分割要素には、入射する光の向きの変化に応じて当該波面分割要素を経た光が前記被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の収差が付与されていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
前記照明光学装置の光路を横切る第1面に並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
前記第1面に入射する光の向きを前記第1面内での位置に応じて変化させる可変部材とを備え、
前記オプティカルインテグレータの前記波面分割要素には、入射する光の向きの変化に応じて当該波面分割要素を経た光が前記被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の収差が付与されていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第2形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学装置において、
並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
前記オプティカルインテグレータにより波面分割された複数の光束を前記被照射面で重畳させるコンデンサー光学系と、
前記オプティカルインテグレータの入射側に配置されて、前記波面分割要素が有する光学面における前記光束が通過する位置を変更して前記光束が前記被照射面に形成する照度分布を変化させる可変部材とを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
前記オプティカルインテグレータにより波面分割された複数の光束を前記被照射面で重畳させるコンデンサー光学系と、
前記オプティカルインテグレータの入射側に配置されて、前記波面分割要素が有する光学面における前記光束が通過する位置を変更して前記光束が前記被照射面に形成する照度分布を変化させる可変部材とを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
第3形態では、前記被照射面に設置された所定のパターンを照明するための第1形態または第2形態の照明光学装置を備え、前記所定のパターンを基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第4形態では、第3形態の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
本発明の照明光学装置では、被照射面上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整することができる。本発明の露光装置およびデバイス製造方法では、被照射面上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整する照明光学装置を用いて、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができる。
以下、実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、実施形態にかかる照明光学装置の構成を概略的に示す図である。図1において、被照射面16の法線方向(光軸AXの方向)に沿ってZ軸を、被照射面16の面内において図1の紙面に平行な方向にX軸を、被照射面16の面内において図1の紙面に垂直な方向にY軸をそれぞれ設定している。
図1を参照すると、本実施形態の照明光学装置1では、光源11から射出された光がコリメートレンズ12により平行光束に変換され、変倍光学系13を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)14に入射する。変倍光学系13は、光軸AXに沿って固定された負レンズ(または負レンズ群)13aと、その後側に配置されて光軸AXに沿って移動可能な正レンズ(または正レンズ群)13bとを有する。変倍光学系13の作用については後述する。
マイクロフライアイレンズ14は、例えば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズ(波面分割要素)14aからなる光学素子であって、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
マイクロフライアイレンズ14として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号明細書に開示されている。図1では、図面の明瞭化のために、マイクロフライアイレンズ14を構成する微小レンズ14aの数を実際よりもはるかに少なく表示している。この点は、図2、図3、図7および図8においても同様である。
マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bには、例えば光軸AXを中心とする円形状の照野が形成される。マイクロフライアイレンズ14における各微小レンズ14aの入射側の面(すなわち単位波面分割面)は、例えばX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状であって、被照射面16上において形成すべき照明領域16aの形状と相似な矩形状である。
マイクロフライアイレンズ14に入射した光束は二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍の位置(ひいては照明瞳の位置)には、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした円形状の二次光源(多数の小光源からなる実質的な面光源:瞳強度分布)が形成される。マイクロフライアイレンズ14の直後の照明瞳に形成された二次光源からの光は、コンデンサー光学系15を介して、被照射面16を重畳的に照明する。こうして、被照射面16には、X方向に沿って細長い矩形状の照明領域16aが形成される。
本実施形態の照明光学装置1は、変倍光学系13の正レンズ13bを光軸AXに沿って移動させる駆動部17と、照明光学装置1の射出瞳面(マイクロフライアイレンズ14の直後の照明瞳面14c)における瞳強度分布を計測する瞳強度分布計測部18と、瞳強度分布計測部18の計測結果に基づいて駆動部17を制御する制御系CRとを備えている。瞳強度分布計測部18は、例えば照明光学装置1の射出瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、被照射面16上の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が照明光学装置1の射出瞳位置に形成する瞳強度分布)を計測する。
本実施形態の照明光学装置1が走査型の露光装置に適用される場合、被照射面16上の照明領域16aと光学的に共役な領域として、例えばX方向に沿って細長い矩形状の静止露光領域が、投影光学系を介してウェハ(感光性基板)上に形成される。静止露光領域内の1点に入射する光が照明瞳(例えば投影光学系の瞳)に形成する瞳強度分布が入射点の位置に依存して大きく異なる場合、ウェハ上の位置毎にパターンの線幅がばらついて、マスクの微細パターンを露光領域の全体に亘って所望の線幅でウェハ上に正確に転写することができない。
静止露光領域では、走査方向(スキャン方向)であるY方向に沿った照度分布の均一性よりも、走査方向と直交する走査直交方向すなわちX方向に沿った照度分布の均一性の方が重要である。また、静止露光領域においてY方向に沿った各点での瞳強度分布の均一性よりも、X方向に沿った各点での瞳強度分布の均一性の方が重要である。これは、静止露光領域におけるY方向に沿った照度ムラおよびY方向に沿った各点での瞳強度分布のばらつきの影響が、Y方向に沿った走査露光により平均化されるからである。
したがって、本実施形態の照明光学装置1が露光装置に、とりわけ走査型の露光装置に適用される場合、照明領域16aにおけるX方向に沿った照度分布の均一性、および照明領域16aにおけるX方向に沿った各点での瞳強度分布の均一性を確保することが重要である。本実施形態では、後述するように、変倍光学系13とマイクロフライアイレンズ14との協働作用により、照明領域16aにおけるX方向に沿った各点での瞳強度分布を調整する。
変倍光学系13では、上述したように、負レンズ13aと正レンズ13bとの間隔が可変に構成されている。したがって、変倍光学系13に入射した平行光束は、負レンズ13aと正レンズ13bとの可変間隔に応じた可変角度の発散光束または収束光束に変換される。すなわち、変倍光学系13は、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する光束を所望の可変角度の発散光束または収束光束に変換する可変部材を構成している。また、別の表現によれば、変倍光学系13は、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する光の向きを入射側の面14b内での位置に応じて変化させる可変部材を構成している。
図2は、マイクロフライアイレンズ14の複数の微小レンズ14aを経た部分光束が被照射面16上で重畳される様子を示している。図2において、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに光束が入射すると、入射光束は複数の微小レンズ14aにより波面分割され、各微小レンズ14aの直後には1つの小光源が形成される。マイクロフライアイレンズ14の直後の照明瞳面14cに沿って二次元的に形成された各小光源からの光束は、コンデンサー光学系15を介して被照射面16上で重畳される。
マイクロフライアイレンズ14およびコンデンサー光学系15が無収差の理想状態にあり且つ均一な光強度分布を有する平行光束がマイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する場合、被照射面16上の所定位置に互いに同じ性状を有する複数の光強度分布(すなわち複数の均一な光強度分布)が重畳され、ひいては被照射面16上に均一な照度分布16bを有する照明領域16aが形成される。
図3は、マイクロフライアイレンズ14の直後の照明瞳面14cと被照射面16上の照明領域16aとの間の光線の対応関係を示している。照明領域16aの中心点P1に垂直入射する光線L1は、マイクロフライアイレンズ14の光軸AX上の微小レンズ14aを経て形成された小光源K1から光軸AXの方向(Z方向)に射出された光線L1に対応している。中心点P1に対してXZ平面に沿って最大角度で入射する光線L2,L3は、光軸AXからX方向に最も離れた微小レンズ14aを経て形成された小光源K2,K3から光軸AX方向に射出された光線L2,L3に対応している。
照明領域16aにおいて光軸AXから+X方向に最も離れた周辺の点P2および−X方向に最も離れた周辺の点P3に垂直入射する光線L4,L5は、光軸AX上の小光源K1からXZ平面に沿って光軸AXに対して最大角度で射出された光線L4,L5に対応している。周辺の点P2およびP3に対してXZ平面に沿って最大角度で入射する光線L6,L7およびL8,L9は、光軸AXからX方向に最も離れた小光源K2,K3からXZ平面に沿って光軸AXに対して最大角度で射出された光線L6,L7およびL8,L9に対応している。
このように、小光源K1〜K3が形成される照明瞳面14cにおける位置情報は、コンデンサー光学系15のフーリエ変換作用により、照明領域16a(すなわち被照射面16)における角度情報に変換される。逆に、照明瞳面14cにおける角度情報は、コンデンサー光学系15のフーリエ変換作用により、照明領域16aにおける位置情報に変換される。したがって、図示を省略するが、YZ平面における照明瞳面14cと照明領域16aとの間の光線の対応関係は、図3に示すXZ平面における光線の対応関係と同様である。
図4は、照明領域16a上の各点P1,P2,P3に関する瞳強度分布H1,H2,H3について説明する図である。図3を参照して説明したように、照明領域16aの中心点P1に垂直入射する光線L1は、光軸AX上の微小レンズ14aから光軸AX方向に射出された光線L1に対応している。中心点P1に最大角度で入射する光線(L2,L3など)は、光軸AXから最も離れた微小レンズ14aから光軸AX方向に射出された光線に対応している。
したがって、中心点P1に関する瞳強度分布H1の中央領域(例えば円形状の領域)の分布は、マイクロフライアイレンズ14において光軸AXを中心とした中央領域にある複数の微小レンズ14aから光軸AXに対して比較的小さい角度で射出された光線、すなわち中央領域にある複数の微小レンズ14aを経て照明領域16a上の中央領域に達する光線により形成されている。その結果、瞳強度分布H1における中央領域の分布には、中央領域にある複数の微小レンズ14aが被照射面16上に形成する各照野の中央領域における光強度分布が反映される。
瞳強度分布H1の周辺領域(例えば輪帯状の領域)の分布は、マイクロフライアイレンズ14において光軸AXから離れた周辺領域にある複数の微小レンズ14aから光軸AXに対して比較的小さい角度で射出された光線、すなわち周辺領域にある複数の微小レンズ14aを経て照明領域16a上の中央領域に達する光線により形成されている。その結果、瞳強度分布H1における周辺領域の分布には、周辺領域にある複数の微小レンズ14aが被照射面16上に形成する各照野の中央領域における光強度分布が反映される。
また、図3を参照して説明したように、照明領域16a上の周辺の点P2,P3に垂直入射する光線(L4,L5など)は、光軸AX上の微小レンズ14aから光軸AXに対して最大角度で射出された光線L4,L5に対応している。周辺の点P2およびP3に最大角度で入射する光線(L6〜L9など)は、光軸AXから最も離れた微小レンズ14aから光軸AXに対して最大角度で射出された光線に対応している。
したがって、周辺の点P2,P3に関する瞳強度分布H2,H3の中央領域の分布は、中央領域にある複数の微小レンズ14aから光軸AXに対して比較的大きい角度で射出された光線、すなわち中央領域にある複数の微小レンズ14aを経て照明領域16a上の周辺領域に達する光線により形成されている。その結果、瞳強度分布H2,H3における中央領域の分布には、中央領域にある複数の微小レンズ14aが被照射面16上に形成する各照野の周辺領域における光強度分布が反映される。
瞳強度分布H2,H3の周辺領域の分布は、周辺領域にある複数の微小レンズ14aから光軸AXに対して比較的大きい角度で射出された光線、すなわち周辺領域にある複数の微小レンズ14aを経て照明領域16a上の周辺領域に達する光線により形成されている。その結果、瞳強度分布H2,H3における周辺領域の分布には、周辺領域にある複数の微小レンズ14aが被照射面16上に形成する各照野の周辺領域における光強度分布が反映される。
以下、説明を単純化するために、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bには、変倍光学系13を経て形成された可変角度の発散光束が入射するものとする。図5は、マイクロフライアイレンズ14の光軸AX上の微小レンズ31を経た部分光束が被照射面16上に照野41を形成する様子を示している。図6は、マイクロフライアイレンズ14において光軸AXから+X方向に最も離れた微小レンズ32を経た部分光束が被照射面16上に照野42を形成する様子を示している。
マイクロフライアイレンズ14に発散光束が入射する場合、図5に示すように、光軸AX上の微小レンズ31の入射側の面31aには、ほぼ平行な光束が光軸AXに沿った向きに入射する。入射側の面31aの屈折作用を受けて微小レンズ31の内部を伝搬した光は、その射出面31b上の中央領域31baを通過し、ひいては中央領域31baの屈折作用により集光して光軸AX上に小光源K1を形成する。小光源K1を形成した光は、コンデンサー光学系15を介して、被照射面16上に照明領域16aと同じ外形形状の照野41を形成する。
一方、図6に示すように、光軸AXから+X方向に最も離れた微小レンズ32の入射側の面32aには、ほぼ平行な光束が光軸AXに対して可変角度θだけ傾いた向きに入射する。入射側の面32aの屈折作用を受けて微小レンズ32の内部を伝搬した光は、その射出面32b上において図5に示す中央領域31baとは位置の異なる周辺寄りの領域32baを通過し、ひいては周辺寄りの領域32baの屈折作用により集光して、微小レンズ32の要素光軸AXeから+X方向に位置ずれした位置に小光源K2を形成する。小光源K2を形成した光は、コンデンサー光学系15を介して、被照射面16上に照明領域16aと同じ外形形状、ひいては照野41と同じ外形形状の照野42を形成する。
複数の微小レンズ14aからなるマイクロフライアイレンズ14が無収差の理想状態にある場合、例えば各微小レンズ14aの入射側の面および射出面が所望の面形状に形成されている場合、光軸AX上の微小レンズ31に均一な光強度分布を有する平行光束が光軸AXに沿った向きに入射すると、被照射面16上に形成される照野41の照度分布は図5中破線で示すように均一な分布になる。同様に、光軸AXから最も離れた微小レンズ32に均一な光強度分布を有する平行光束が光軸AXに対して傾いた向きに入射しても、被照射面16上に形成される照野42の照度分布は図6中破線で示すように均一な分布になる。
本実施形態では、マイクロフライアイレンズ14の各微小レンズ14aの射出面が、光の通過する領域の変化に応じて当該射出面を経た光が被照射面16に形成する照度分布が変化するように所要の非球面状に形成されている。換言すると、マイクロフライアイレンズ14の各微小レンズ14aには、入射する光の向きの変化に応じて当該微小レンズ14aを経た光が被照射面16に形成する照度分布が変化するように、所要の収差(例えば歪曲収差など)が付与されている。
したがって、光軸AX上に位置する微小レンズ31の射出面31b上の中央領域31baを経た部分光束が被照射面16上に形成する照野41の照度分布は、各微小レンズ14aに積極的に付与された収差の影響により、例えば図5中実線で示すように中心において強度が最も大きくX方向に沿って周辺に向かうにつれて強度が単調に減少するような凸状の分布41aになる。
一方、光軸AXから+X方向に最も離れた微小レンズ32の射出面32bにおける周辺寄りの領域32baを経た部分光束が被照射面16上に形成する照野42の照度分布は、光束の通過領域32baが微小レンズ31における光束の通過領域31baと異なるため、各微小レンズ14aに積極的に付与された収差の影響により、照野41の照度分布41aとは異なる分布、例えば図6中実線で示すように中心において強度が最も小さくX方向に沿って周辺に向かうにつれて強度が単調に増大するような凹状の分布42aになる。
図示を省略したが、光軸AXから−X方向に最も離れた微小レンズ33の射出面33bにおける周辺寄りの領域33baを経た部分光束が被照射面16上に形成する照野43の照度分布は、光束の通過領域33baが微小レンズ31における光束の通過領域31baと異なるため、各微小レンズ14aに積極的に付与された収差の影響により、照野41の照度分布41aとは異なる分布43aになる。一例として、照野43の照度分布43aは、微小レンズ32が形成する照野42の照度分布42aと同じような凹状の分布になる。
この場合、照明領域16a上の中心点P1に関する瞳強度分布H1の中央領域の分布は、中央領域にある複数の微小レンズ14a(微小レンズ31など)が被照射面16上に形成する各照野(照野41など)の中央領域における光強度分布が反映されるため、その光強度は比較的大きくなる。瞳強度分布H1の周辺領域の分布は、周辺領域にある複数の微小レンズ14a(微小レンズ32,33など)が被照射面16上に形成する各照野(照野42,43など)の中央領域における光強度分布が反映されるため、その光強度は比較的小さくなる。
一方、照明領域16a上の周辺の点P2,P3に関する瞳強度分布H2,H3の中央領域の分布は、中央領域にある複数の微小レンズ14a(微小レンズ31など)が被照射面16上に形成する各照野(照野41など)の周辺領域における光強度分布が反映されるため、その光強度は比較的小さくなる。瞳強度分布H2,H3の周辺領域の分布は、周辺領域にある複数の微小レンズ14a(微小レンズ32,33など)が被照射面16上に形成する各照野(照野42,43など)の周辺領域における光強度分布が反映されるため、その光強度は比較的大きくなる。
このことは、変倍光学系13の作用によりマイクロフライアイレンズ14に入射する発散光束(一般的には発散光束または収束光束)の角度が変化すると、すなわち各微小レンズ14aに入射する光の向きが変化すると、その入射光の向きの変化に応じて、中心点P1に関する瞳強度分布H1と周辺の点P2,P3に関する瞳強度分布H2,H3とが互いに異なる態様にしたがって変化することを意味している。すなわち、駆動部17が制御系CRからの指令にしたがって正レンズ13bを光軸AXに沿って移動させることにより、その移動量に応じて、照明領域16aにおけるX方向に沿った各点での瞳強度分布を調整することができる。
本実施形態では、瞳強度分布計測部18が、照明光学装置1の射出瞳面(マイクロフライアイレンズ14の直後の照明瞳面14c)における瞳強度分布を計測する。制御系CRは、瞳強度分布計測部18の計測結果に基づいて、駆動部17を制御する。すなわち、駆動部17は、瞳強度分布計測部18からの出力を用いて変倍光学系13の正レンズ13bを光軸AXに沿って移動させ、ひいては被照射面16上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整する。
こうして、照明光学装置1では、変倍光学系13とマイクロフライアイレンズ14との協働作用により、被照射面16上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整することができる。すなわち、変倍光学系13は、マイクロフライアイレンズ14の入射側に配置されて、波面分割要素である微小レンズ14aの射出面(一般には光学面)における光束の通過位置を変更して、当該光束が被照射面16に形成する照度分布を変化させる可変部材を構成している。
なお、上述の実施形態では、変倍光学系13において、負レンズ13aが光軸AXに沿って固定され且つ正レンズ13bが光軸AXに沿って移動可能に構成されている。しかしながら、これに限定されることなく、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する光束を所望の可変角度の発散光束または収束光束に変換する変倍光学系の具体的な構成について、様々な形態が可能である。例えば、図1の構成において、負レンズ13aおよび正レンズ13bのうちの少なくとも一方を光軸AXに沿って移動可能に設定することにより、変倍光学系13と同様の作用を奏する変倍光学系が得られる。
また、図7に示すように、変倍光学系として一対のシリンドリカルレンズ13c,13dを用いる変形例も可能である。図7の変形例にかかる変倍光学系13Aは、光軸AXに沿って固定された負シリンドリカルレンズ(または負シリンドリカルレンズ群)13cと、その後側に配置されて光軸AXに沿って移動可能な正シリンドリカルレンズ(または正シリンドリカルレンズ群)13dとを有する。
負シリンドリカルレンズ13cは、X方向に関して(XZ平面において)負の屈折力を有し且つY方向に関して(YZ平面において)屈折力を有しない。正シリンドリカルレンズ13dは、X方向に関して正の屈折力を有し且つY方向に関して屈折力を有しない。駆動部17Aは、制御系CRからの指令にしたがって、正シリンドリカルレンズ13dを光軸AXに沿って移動させる。
この場合、変倍光学系13Aに入射した平行光束は、XZ平面において、負シリンドリカルレンズ13cと正シリンドリカルレンズ13dとの可変間隔に応じた可変角度の発散光束または収束光束に変換される。すなわち、変倍光学系13Aは、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する光のXZ平面に沿った向きを、入射側の面14b内でのX方向に沿った位置に応じて変化させる。図7の変形例では、負シリンドリカルレンズ13cおよび正シリンドリカルレンズ13dのうちの少なくとも一方を光軸AXに沿って移動可能に設定することもできる。
また、図8に示すように、変倍光学系として曲面状の光学面を有する一対の光学部材13eおよび13fを用いる変形例も可能である。図8の変形例にかかる変倍光学系13Bは、光軸AXと直交する平面状の入射側の面を有し且つX方向に沿って三次曲面状の射出面を有する第1光学部材13eと、その後側に配置されて第1光学部材13eの射出面と補完的な面形状(すなわちX方向に沿って三次曲面状)の入射側の面を有し且つ光軸AXと直交する平面状の射出面を有する第2光学部材13fとを備えている。
第1光学部材13eと第2光学部材13fとは、X方向に沿って相対的に移動可能に構成されている。駆動部17Bは、制御系CRからの指令にしたがって、第1光学部材13eと第2光学部材13fとをX方向に沿って相対移動させる。この場合、変倍光学系13Bに入射した平行光束は、XZ平面において、第1光学部材13eと第2光学部材13fとの相対移動に応じた可変角度の発散光束または収束光束に変換される。すなわち、変倍光学系13Bは、図7の変形例の変倍光学系13Aの場合と同様に、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する光のXZ平面に沿った向きを、入射側の面14b内でのX方向に沿った位置に応じて変化させる。
なお、図8の変形例では、第1光学部材13eが平面状の入射側の面と三次曲面状の射出面とを有し、第2光学部材13fが三次曲面状の入射側の面と平面状の射出面とを有する。しかしながら、これに限定されることなく、第1光学部材13eが三次曲面状の入射側の面と平面状の射出面とを有したり、第2光学部材13fが平面状の入射側の面と三次曲面状の射出面とを有したりしていても良い。
また、上述の実施形態および変形例では、オプティカルインテグレータであるマイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに入射する光の向きを入射側の面14b内での位置に応じて変化させる可変部材として、変倍光学系13,13A,13Bを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、可変部材として、例えば個別に制御される複数のプリズム要素を有するプリズムアレイ、個別に制御される複数のミラー要素を有するミラーアレイ、変形可能な可撓性の反射面を有するミラーなどを用いることもできる。
また、上述の実施形態では、マイクロフライアイレンズ14の波面分割要素である各微小レンズ14aが単一の要素として構成され、各微小レンズ14aの射出面が、光の通過領域の変化に応じて当該射出面を経た光が被照射面16に形成する照度分布が変化するように所要の非球面状に形成されている。しかしながら、これに限定されることなく、図9に示すように、一対の光学要素35a,35bを有する波面分割要素35を並列的に配置して得られるオプティカルインテグレータを用いる変形例も可能である。
具体的に、オプティカルインテグレータの各波面分割要素35は、第1光学要素35aと、第1光学要素35aから間隔を隔てて後側に配置された第2光学要素35bとを有する。なお、図9では、光軸AX上に位置する波面分割要素35を例示している。この場合、第2光学要素35bの入射側の面35baおよび射出面35bbのうちの少なくとも一方を、光の通過領域の変化に応じて第2光学要素35bを経た光が被照射面16に形成する照度分布45が変化するように所要の非球面状に形成すれば良い。
図10は、実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図10において、感光性基板であるウェハWの転写面(露光面)の法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの転写面内において図10の紙面に平行な方向にX軸を、ウェハWの転写面内において図10の紙面に垂直な方向にY軸をそれぞれ設定している。図10に示す露光装置は、図1の実施形態にかかる照明光学装置1(または図7,図8の変形例にかかる照明光学装置1A,1B)を備えている。
なお、照明光学装置1(1A,1B)の露光装置への適用に際して、露光光(照明光)を供給する光源として、たとえば193nmの波長のパルス光を供給するArFエキシマレーザ光源や、248nmの波長のパルス光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。この場合、コリメートレンズ12の設置を省略し、光源と変倍光学系13(13A,13B)との間の光路中に、光の入射側から順に、ビーム送光部、空間光変調器、リレー光学系などを付設することができる。また、コンデンサー光学系15と被照射面16との間の光路中に、光の入射側から順に、マスクブラインド、結像光学系などを付設することができる。
ここで、空間光変調器は、所定面内に配列されて個別に制御される複数のミラー要素と、露光装置の動作を統括的に制御する制御系CRからの制御信号に基づいて複数のミラー要素の姿勢を個別に制御駆動する駆動部とを有する。ビーム送光部は、光源からの入射光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しつつ空間光変調器へ導くとともに、空間光変調器に入射する光束の位置変動および角度変動をアクティブに補正する機能を有する。
リレー光学系は、その前側焦点位置が空間光変調器の複数のミラー要素の配列面の近傍に位置し、且つその後側焦点位置がマイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bの近傍に位置しており、空間光変調器の配列面とマイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bとを光学的にフーリエ変換の関係に設定する。したがって、空間光変調器およびリレー光学系を経た光は、複数のミラー要素の姿勢に応じた光強度をマイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに可変的に分布させる。
照明視野絞りとしてのマスクブラインドは、コンデンサー光学系15の後側焦点位置またはその近傍に配置される。したがって、マイクロフライアイレンズ14の直後の照明瞳14cに形成された二次光源からの光は、コンデンサー光学系15を介して、マスクブラインドを重畳的に照明する。マスクブラインドの矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系の集光作用を受けて、照明光学装置1(1A,1B)における被照射面16の位置に配置されたマスクMを重畳的に照明し、X方向に沿って細長い矩形状の照明領域16aを形成する。
マスクステージMS上に保持されたマスクMには転写すべきパターンが形成されており、パターン領域全体のうちX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状(スリット状)のパターン領域が照明される。マスクMのパターン領域を透過した光は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。すなわち、マスクM上での矩形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上においてもX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状の静止露光領域(実効露光領域)にパターン像が形成される。
こうして、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内において、Y方向(走査方向)に沿ってマスクステージMSとウェハステージWSとを、ひいてはマスクMとウェハWとを同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には静止露光領域のX方向寸法に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有するショット領域(露光領域)に対してマスクパターンが走査露光される。あるいは、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
本実施形態の露光装置は、照明光学装置1(1A,1B)を介した光に基づいて照明光学装置1(1A,1B)の射出瞳面における瞳強度分布を計測する第1瞳強度分布計測部DTrと、投影光学系PLを介した光に基づいて投影光学系PLの瞳面(投影光学系PLの射出瞳面)における瞳強度分布を計測する第2瞳強度分布計測部DTwと、第1および第2瞳強度分布計測部DTr,DTwのうちの少なくとも一方の計測結果に基づいて、変倍光学系13(13A,13B)および空間光変調器を制御し且つ露光装置の動作を統括的に制御する制御系CRとを備えている。
第1瞳強度分布計測部DTrは、照明光学装置1(1A,1B)における瞳強度分布計測部18と同様に、例えば照明光学装置1(1A,1B)の射出瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、照明光学装置1(1A,1B)による被照射面上の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が照明光学装置1(1A,1B)の射出瞳位置に形成する瞳強度分布)を計測する。また、第2瞳強度分布計測部DTwは、例えば投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、投影光学系PLの像面の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が投影光学系PLの瞳位置に形成する瞳強度分布)を計測する。
瞳強度分布計測部18,DTr,DTwの詳細な構成および作用については、例えば米国特許公開第2008/0030707号明細書を参照することができる。また、瞳強度分布計測部18,DTr,DTwとして、米国特許公開第2010/0020302号公報の開示を参照することもできる。
本実施形態では、マイクロフライアイレンズ14により形成される二次光源を光源として、照明光学装置1(1A,1B)の被照射面16に配置されるマスクM(ひいてはウェハW)をケーラー照明する。このため、二次光源が形成される位置は投影光学系PLの開口絞りASの位置と光学的に共役であり、二次光源の形成面を照明光学装置1(1A,1B)の照明瞳面と呼ぶことができる。また、この二次光源の形成面の像を照明光学装置1(1A,1B)の射出瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面、または投影光学系PLを含めて照明光学装置と考える場合にはウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。
瞳強度分布とは、照明光学装置1(1A,1B)の照明瞳面または当該照明瞳面と光学的に共役な面における光強度分布(輝度分布)である。マイクロフライアイレンズ14による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bに形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。このため、マイクロフライアイレンズ14の入射側の面14bおよび当該入射側の面14bと光学的に共役な面も照明瞳面と呼ぶことができ、これらの面における光強度分布についても瞳強度分布と称することができる。
上述したように、照明光学装置1(1A,1B)では、変倍光学系13(13A,13B)とマイクロフライアイレンズ14との協働作用により、被照射面16上の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整することができる。したがって、本実施形態の露光装置では、被照射面16と光学的に共役な位置に配置されたウェハW上の静止露光領域内の各点での瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整する照明光学装置1(1A,1B)を用いて、マスクMの微細パターンに応じた適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいてはマスクMの微細パターンを露光領域の全体に亘って所望の線幅でウェハW上に正確に転写することができる。
本実施形態において、静止露光領域内の各点に関する瞳強度分布をそれぞれ所要の分布に調整する動作は、瞳強度分布計測部DTr,DTwの計測結果に基づいて行われる。具体的に、瞳強度分布計測部DTr,DTwの計測結果は、制御系CRに供給される。制御系CRは、瞳強度分布計測部DTr,DTwの計測結果に基づいて、例えば投影光学系PLの瞳面における瞳強度分布が所望の分布になるように、照明光学装置1(1A,1B)の駆動部17(17A,17B)に指令を出力する。駆動部17(17A,17B)は、制御系CRからの指令に基づいて変倍光学系13(13A,13B)を駆動し、ウェハW上の静止露光領域内の各点に関する瞳強度分布を所要の分布に調整する。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含む空間光変調素子を用いることができる。空間光変調素子を用いた露光装置は、たとえば米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、上述のような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図11は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図11に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板としてパターンの転写を行う。
図12は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図12に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なパルスレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源、波長146nmのレーザ光を供給するKr2レーザ光源、波長126nmのレーザ光を供給するAr2レーザ光源などを用いることができる。また、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどのCW(Continuous Wave)光源を用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンプレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第WO99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報および特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態において、米国公開公報第2006/0170901号及び第2007/0146676号に開示されるいわゆる偏光照明方法を適用することも可能である。ここでは、米国特許公開第2006/0170901号公報及び米国特許公開第2007/0146676号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスク(またはウェハ)を照明する照明光学装置に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク(またはウェハ)以外の被照射面を照明する一般的な照明光学装置に対して本発明を適用することもできる。
1,1A,1B 照明光学装置
11 光源
12 コリメートレンズ
13,13A,13B 変倍光学系
14 マイクロフライアイレンズ(オプティカルインテグレータ)
15 コンデンサー光学系
16 被照射面
16a 照明領域
17,17A,17B 駆動部
18,DTr,DTw 瞳強度分布計測部
CR 制御系
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
11 光源
12 コリメートレンズ
13,13A,13B 変倍光学系
14 マイクロフライアイレンズ(オプティカルインテグレータ)
15 コンデンサー光学系
16 被照射面
16a 照明領域
17,17A,17B 駆動部
18,DTr,DTw 瞳強度分布計測部
CR 制御系
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
Claims (15)
- 光源からの光により被照射面を照明する照明光学装置において、
前記照明光学装置の光路を横切る第1面に並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
前記第1面に入射する光の向きを前記第1面内での位置に応じて変化させる可変部材とを備え、
前記オプティカルインテグレータの前記波面分割要素には、入射する光の向きの変化に応じて当該波面分割要素を経た光が前記被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の収差が付与されていることを特徴とする照明光学装置。 - 前記可変部材は、前記第1面に入射する光束を所望の可変角度の発散光束または収束光束に変換する変倍光学系を有することを特徴とする請求項1に記載の照明光学装置。
- 前記変倍光学系は、光軸に沿って移動可能なレンズを含むことを特徴とする請求項2に記載の照明光学装置。
- 前記変倍光学系は、第1方向に関して屈折力を有し且つ前記第1方向と直交する第2方向に関して屈折力を有しない複数のシリンドリカルレンズを有することを特徴とする請求項3に記載の照明光学装置。
- 前記変倍光学系は、第1方向に沿って三次曲面状の入射側の面または射出面を有し且つ光軸と直交する平面状の射出面または入射側の面を有する第1光学部材と、該第1光学部材の後側に配置されて前記第1光学部材と補完的な面形状を有する第2光学部材とを備え、前記第1光学部材と前記第2光学部材とは前記第1方向に沿って相対的に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の照明光学装置。
- 前記第1光学部材は三次曲面状の射出面を有し、前記第2光学部材は三次曲面状の入射側の面を有することを特徴とする請求項5に記載の照明光学装置。
- 前記被照射面に形成される照明領域は、前記第1方向に沿って細長い矩形状であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の照明光学装置。
- 各波面分割要素は、単一の要素を有し、
前記単一の要素の射出面は、光が通過する領域の変化に応じて当該射出面を経た光が前記被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の非球面状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明光学装置。 - 各波面分割要素は、第1要素と、該第1要素から間隔を隔てて後側に配置された第2要素とを有し、
前記第2要素の入射側の面および射出面のうちの少なくとも一方は、光が通過する領域の変化に応じて当該第2要素を経た光が前記被照射面に形成する照度分布が変化するように所要の非球面状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明光学装置。 - 前記オプティカルインテグレータにより波面分割された複数の光束を前記被照射面で重畳させるコンデンサー光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の照明光学装置。
- 光源からの光により被照射面を照明する照明光学装置において、
並列的に配置された複数の波面分割要素を有するオプティカルインテグレータと、
前記オプティカルインテグレータにより波面分割された複数の光束を前記被照射面で重畳させるコンデンサー光学系と、
前記オプティカルインテグレータの入射側に配置されて、前記波面分割要素が有する光学面における前記光束が通過する位置を変更して前記光束が前記被照射面に形成する照度分布を変化させる可変部材とを備えていることを特徴とする照明光学装置。 - 前記可変部材は、前記オプティカルインテグレータに入射する光束を所望の可変角度の発散光束または収束光束に変換する変倍光学系を有することを特徴とする請求項11に記載の照明光学装置。
- 前記被照射面に設置された所定のパターンを照明するための請求項1乃至12のいずれか1項に記載の照明光学装置を備え、前記所定のパターンを基板に露光することを特徴とする露光装置。
- 前記所定のパターンの像を前記基板上に形成する投影光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項13に記載の露光装置。
- 請求項13または14に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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|---|---|
| JP (1) | JP2014146718A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20150007264A (ko) * | 2013-07-10 | 2015-01-20 | 칼 짜이스 에스엠티 게엠베하 | 투영 리소그래피용 조명 광학 유닛 |
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2013
- 2013-01-30 JP JP2013014925A patent/JP2014146718A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20150007264A (ko) * | 2013-07-10 | 2015-01-20 | 칼 짜이스 에스엠티 게엠베하 | 투영 리소그래피용 조명 광학 유닛 |
| JP2015038975A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-02-26 | カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー | 投影リソグラフィのための照明光学ユニット |
| KR102413001B1 (ko) | 2013-07-10 | 2022-06-24 | 칼 짜이스 에스엠티 게엠베하 | 투영 리소그래피용 조명 광학 유닛 |
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