JP2014148657A - 表面処理用組成物、表面処理された物品の調製方法及び表面処理された物品 - Google Patents

表面処理用組成物、表面処理された物品の調製方法及び表面処理された物品 Download PDF

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Abstract

【課題】機器表面の汚れ及び/又はしみを防止するための基材の表面処理のための組成物を提供する。また、表面処理された物品を調製する方法を提供する。この方法は、表面処理用組成物を物品の表面上に適用して、物品の表面上に層を形成することを含む。
【解決手段】表面処理用組成物は、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。この組成物は、洗浄するのが容易である層であって、しみ及び汚れ耐性などの優れた物理的特性を有する層を形成する。加えて、層の耐久性及び摩擦係数は、組成に基づいて選択的に制御され得る。表面処理された物品及びこの組成物で表面処理された物品を調製する方法も開示される。
【選択図】なし

Description

本発明は、概して組成物、より具体的には、表面処理用組成物、及びこの組成物で表面処理された物品を調製する方法に関する。
電子及び光学機器/部品の表面は、多くの場合、手及び指の油により汚れやすく、しみが付きやすい。例えば、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイなどの電子機器(例えば、スマートフォン)は、使用時に、一般に、指紋、皮脂、汗、化粧品などのしみが付く。いったん、これらの汚れ及び/又はしみがこれらの機器の表面に付着すると、これらの汚れ及び/又はしみは容易に除去されない。更に、このような汚れ及び/又はしみは、これらの機器の使い勝手を低下させる。
このような汚れ及びしみの出現及び蔓延を最小化しようと、従来の表面処理組成物が、従来の層を形成するよう様々な機器/部品の表面に適用されてきた。このような従来の表面処理組成物は、典型的には、フッ素化ポリマーと溶媒とを含む。しかしながら、このようなフッ素化ポリマーは、典型的には、製造又は入手するのに高価である。加えて、特定の用途のために、このような従来の表面処理組成物から形成された従来の層は、望ましくないことに高いすべり摩擦係数を有する。
本発明は、基材の表面処理のための組成物を提供する。この組成物は、繰り返し単位RSiO2/2を含むシロキサンポリマーを含み、式中、Rは、独立して選択される置換又は非置換のヒドロカルビル基である。この組成物は、シロキサンポリマーとは異なる溶媒を更に含む。シロキサンポリマーは組成物中に組成物の合計重量に基づいて0.01重量%〜0.5重量%で存在し、溶媒は組成物中に90.0重量%〜99.99重量%の量で存在する。
本発明はまた、表面処理された物品を調製する方法を提供する。この方法は、表面処理用組成物を物品の表面上に適用して、物品の表面上に層を形成することを含む。
最後に、本発明は、この方法に従って形成される、表面処理された物品を提供する。
この組成物は、洗浄するのが容易である層であって、汚れ及びしみ耐性などの優れた物理的特性を有する層を形成する。更に、この組成物から形成される層は、組成物中で利用されるシロキサンポリマーの種類により、摩擦係数が選択的に制御される。更に、この層及び組成物は、従来の組成物から形成される従来の層よりも非常に低いコストで調製することができ、一方、このような優れた物理的特性を依然として維持しながら、更なる利益をもたらすことができる。
本発明は、表面処理用組成物、表面処理された物品の調製方法、及びこの方法に従って製造される表面処理された物品を提供する。この組成物は、洗浄するのが容易である層であって、しみ及び汚れ耐性などの優れた物理的特性を有する層を形成する。更に、この組成物から形成される層は、望ましい摩擦係数を有し、フッ素化ポリマーを含む従来の組成物から形成された従来の層と比較して著しくコストが低下する。
この組成物は、シロキサンポリマーを含む。このシロキサンポリマーは、繰り返しRSiO2/2単位を含み、式中、Rは、独立して選択される置換又は非置換のヒドロカルビル基である。例えば、Rは、脂肪族、芳香族、環式、脂環式などであり得る。更に、Rは、エチレン性不飽和を含み得る。「置換」により、炭化水素の1個以上の水素原子が水素以外の原子(例えば、塩素、フッ素、臭素などのようなハロゲン原子)で置き換えられ得ること、あるいは、R鎖内の炭素原子が炭素以外の原子で置き換えられ得ること、すなわち、Rが鎖内に酸素、イオウ、窒素などのようなヘテロ原子を1個以上含み得ることが意味される。Rは典型的には1〜10個の炭素原子、あるいは、1〜6個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を含有する置換又は非置換のヒドロカルビル基は、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。Rにより表されるヒドロカルビル基の例としては、限定されるものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル)、アルケニル(例えば、ビニル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル及びナフチル)、アルカリル(例えば、トリル及びキシリル)、並びに、アラルキル(例えば、ベンジル及びフェネチル)が挙げられる。Rにより表されるハロゲン置換ヒドロカルビル基の例は、限定されるものではないが、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル及び2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルが挙げられる。
Rにより表される基に加えて、シロキサンポリマーは、任意の末端又は側鎖位に追加の置換基又は官能基を含んでもよい。例えば、シロキサンポリマーは、ケイ素が結合したヒドロキシル基、水素原子、アミン基、シラザン基、(メタ)アクリレート基、エポキシ基などを含んでもよい。このような基又は原子は、繰り返しD単位(以下に記載)で、又は、末端M単位(1個以上のRがこれらの追加の置換基又は官能基のうちの1つにより置き換えられない限り、一般に式RSiO1/3を有する)で、表され得る。最も典型的には、存在する場合には、このような基は、シロキサンポリマーの末端に存在する。
シロキサンポリマーはRSiO2/2単位を含むため、シロキサンポリマーは、直鎖部分を有する。しかしながら、シロキサンポリマーは、場合により分枝鎖であってもよく、部分的に分枝鎖であってもよく、並びに/あるいは、三次元ネットワーク構造を有する樹脂性部分を含んでもよい。このような実施形態では、シロキサンポリマーは、RSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を更に含む。RSiO2/2単位は一般にD単位と示され、RSiO3/2単位は一般にT単位と示され、SiO4/2単位は一般にQ単位と示される。シロキサンポリマーからの分枝鎖、又は、存在する場合にはシロキサンポリマーの樹脂性部分は、T及び/又はQ単位の存在に帰せられる。
シロキサンポリマーは、シロキサンポリマーの主鎖内にシロキサン結合(Si−O−Si)を含み得る。あるいは、シロキサンポリマーは、例えば、CH連結基といった1個以上の二価の基により分離されたシロキサン結合を含み得、ここで、CHは最大で例えば10回繰り返される。このような二価の基の存在又は不在は一般に、シロキサンポリマーが形成される反応機構に帰すことができ、シロキサン結合を含むシロキサンポリマーは縮合により形成され、1個以上の二価の基を含むシロキサンポリマーはヒドロシリル化から形成される。
シロキサンポリマーは場合により、ケイ素が結合したアルケニル基、ケイ素が結合したヒドロキシル基、ケイ素が結合したアルコキシ基のような官能基を有し得る。このような官能基を含む様々な実施形態では、官能基は、末端、側鎖又はその両方に存在し得る。典型的には官能基は末端に存在する。例えば、シロキサンポリマーは、ジメチルビニル末端ブロック、ジビニルメチル末端ブロック、ジメチルヒドロキシル末端ブロック、ジヒドロキシルメチル末端ブロックなどであり得る。特定の実施形態では、シロキサンポリマーは、加水分解可能な基、アルケニル基から選択される末端基又はこれらの組み合わせを含む。一般に、組成物から形成される層の物理的特性は、シロキサンポリマーがこのような末端基を含む場合に改善される。
シロキサンポリマーが直鎖である様々な実施形態では、シロキサンポリマーは以下の一般式(A)を有する:
(X)3−a(R)−Si−(CH−(O)−((SiR−O)−SiR−(CH−[((SiR−O)−SiR−(CH−((SiR−O)−SiR−(O)−(CH−Si−(X)3−p(R)
式中、Xは独立して選択される加水分解可能な基であり:Rは上記に定義されており、a及びpはそれぞれ0〜3から独立して選択される整数であり、b、f、i及びnはそれぞれ0〜10から独立して選択される整数であり、c及びmはそれぞれ独立して0又は1であり、d、g及びkはそれぞれ0又1〜200から独立して選択される整数であり、但し、d、g及びkが同時に0になることはなく、e、h及びlはそれぞれ0及び1から独立して選択される整数であり、但し、e、h及びlが同時に0になることはなく、jは0〜5から選択される整数であり、但し、添字dが0である場合には、添字eも0であり、添字dが0を超える場合には、添字eは1であり、添字gが0である場合には、添字h、i及びjも0であり、添字gが1を超える場合には、添字hは1であり、添字jは少なくとも1であり、添字kが0である場合、添字lも0であり、添字kが0を超える場合、添字lは1である。
一般式(A)においてXにより表される加水分解可能な基は、H、ハロゲン化物基、−OR、−NHR、−NR、−OOC−R、O−N=CR、O−C(=CR)R及び−NRCORから独立して選択され、R、R及びRはそれぞれH及びC〜C22炭化水素基から独立して選択され、R及びRは場合によりアルキルアミノ基中で環式アミンを形成し得る。
上記の一般式(A)において、添字d、g及びkは、シロキサンポリマーの繰り返しRSiO2/2単位を表す。
様々な実施形態では、添字c及びmは0であり、添字b、d、e、f、g、h、i、j、k、l及びnはそれぞれ1以上の整数である。添字jが1である場合、得られるシロキサンポリマーは、それぞれ二価の連結基により分離された繰り返しシロキサン結合の3つのセグメントを含み、このような二価の連結基はそれぞれ添字b、f、i及びnにより表される。これらの実施形態では、シロキサンポリマーは典型的にはヒドロシリル化から形成され、以下の一般式により表され得る:
(X)3−a(R)−Si−(CH−((SiR−O)−SiR−(CH−[((SiR−O)−SiR−(CH−((SiR−O)−SiR−(CH−Si−(X)3−p(R)
典型的には、添字d、g及びkが1以上である場合には、添字jは1であり、上記で定義されている通り、添字dが0を超えているので添字eは1であり、添字gが0を超えているので添え字hは1である。これらの実施形態では、シロキサンポリマーは、以下の一般式を有する:
(X)3−a(R)−Si−(CH−(SiR−O)−SiR−(CH−(SiR−O)−SiR−(CH)i−(SiR−O)−SiR−(CH−Si−(X)3−p(R)
最も典型的には、添字d及びkはそれぞれ1であり、添字gは、添字gにより表されるブロックがシロキサンポリマー内に繰り返し単位RSiO2/2をもたらすように、1を超える整数である。これらの実施形態では、シロキサンポリマーは、以下の一般式を有する:
(X)3−a(R)−Si−(CH−SiR−O−SiR−(CH−(SiR−O)−SiR−(CH−SiR−O−SiR−(CH−Si−(X)3−p(R)
上記で紹介された特定の実施形態では、添字a及びpはそれぞれ、シロキサンポリマーが各末端にてケイ素が結合した加水分解可能な基(Xにより表される)で末端ブロックされるように、0である。しかしながら、上記で注記したように、シロキサンポリマーは、必ずしも添字a及びpがそれぞれ3であるようケイ素が結合した加水分解可能な基を有さなくてもよい。a及びpがそれぞれ0である実施形態では、シロキサンポリマーは、以下の一般式を有する:
(X)−Si−(CH−SiR−O−SiR−(CH−(SiR−O)−SiR−(CH−SiR−O−SiR−(CH−Si−(X)
これらの実施形態では、添字b、f、i及びnはそれぞれ2である。したがって、Xにより表される加水分解可能な基がそれぞれ、例えば、メトキシ基といった、アルコキシ基である場合、シロキサンポリマーは以下の一般式を有する:
(OCH−Si−CHCH−SiR−O−SiR−CHCH−(SiR−O)−SiR−CHCH−SiR−O−SiR−CHCH−Si−(OCH
すぐ上の一般式内のシロキサンポリマーの具体的な種が例示目的のみのために以下に記載されており、各Rは独立して、メチル又はCHCHCFである:

,及び
上記のように、Rは、添字gにより表される繰り返しブロック内においても、異なるブロック内のRにより表される異なる置換基が存在し得るように、独立して選択される。例えば、上記第一構造において、Rは独立して、メチルとCHCHCFとで変わり得る。
他の実施形態では、添字c及びmは1であり、添字b、f、i及びnはそれぞれ0である。これらの実施形態では、シロキサンポリマーは典型的には縮合から形成され、以下の一般式により表され得る:
(X)3−a(R)−Si−O−((SiR−O)−SiR−[((SiR−O)−SiR]j−((SiR−O)−SiR−O−Si−(X)3−p(R)
Rは独立して選択され、異なるRSiO2/2単位において変わり得るので、上の一般式は、添字e、h、j及びlのすべてが同時に0にならない限り、これらの添字により表されるブロックのいずれかを除外するように書き改めてもよい。例えば、上の一般式は、添字d、添字h、添字j及び/又は添字lにより表されるブロック内にRSiO2/2単位を含んでさえいれば、シロキサンポリマーが200を超えるRSiO2/2単位を含む実施形態で分子量において生じ得る差異は別にして、これらの式のそれぞれが互いに重複し得るように、書き改めることができる。ほんの一例としては、上で紹介された一般式は、以下で、添字d、e、k及びlが0であり、添字gが1を超え、添字h及びjが1であるように書き改められる:
(X)3−a(R)−Si−O−(SiR−O)−SiR−O−Si−(X)3−p(R)
更に、Rは独立して選択されるので、すぐ上で紹介された一般式は、更に以下のように縮合することができる:
(X)3−a(R)−Si−O−(SiR−O)−Si−(X)3−p(R)
添字a及びpはそれぞれ独立して、これらの実施形態のシロキサンポリマーが必ずしもシリコーンが結合した加水分解可能な基を有さなくてもよいように、0〜3であり得る。すぐ上の一般式内のシロキサンポリマーの具体的な種は、例示目的のみのために以下に記載される:







,及び
これらの実施例のそれぞれにおいて、添字gは、繰り返しRSiO2/2単位を表し、gは、シロキサンポリマーの所望の分子量及び粘度に基づいて選択される。
シロキサンポリマーが加水分解可能な基(この場合、メトキシ基)を含む場合のシロキサンポリマーの更なる例は、例示目的のみのために以下に記載される:



,及び
これらの実施例のそれぞれにおいて、添字gは、繰り返しRSiO2/2単位を表し、gは、シロキサンポリマーの所望の分子量及び粘度に基づいて選択される。添字bは、任意繰り返しCH基を表し、上記に定義されている。
シロキサンポリマーの単一種が利用されてもよく、あるいは、シロキサンポリマーの複数の異なる種の様々な組み合わせが組成物中で互いに調和するように利用されてもよい。例えば、異なる二種のシロキサンポリマーが、互いに組み合わされて利用されてもよく、あるいは、シロキサンポリマーが、例えばMQ樹脂といったシリコーン樹脂と組み合わされて利用されてもよい。
シロキサンポリマーの分子量又は粘度は、一般に、組成物がウェットコーティング方法で利用される場合には制限されない。これらの実施形態では、シロキサンポリマーの粘度は、典型的には、シロキサンポリマーを含む組成物が流動可能なようになっている。しかしながら、組成物が例えば、物理蒸着といった、他の方法で利用される場合には、シロキサンポリマーの分子量又は粘度は、典型的には、シロキサンポリマーが揮発するように選択される。これらの実施形態では、シロキサンポリマーは典型的には25℃にて50〜500,000cst(5E−〜0.5m/s)、あるいは100〜300,000cst(0.0001〜0.3m/s)、あるいは0.003〜0.1m/s(300〜100,000cSt)の粘度を有する。
組成物中で利用されるシロキサンポリマーの相対量は、組成物から形成される層の所望の物理的特性並びにその層が形成される方法に依存して変わり得る。例えば、組成物がウェットコーティング用途で利用される場合には、シロキサンポリマーは組成物中に組成物の合計重量に基づいて0.01重量%〜0.5重量%、あるいは0.05重量%〜0.35重量%、あるいは0.10重量%〜0.30重量%の量で存在する。
この組成物は、シロキサンポリマーとは異なる溶媒を更に含む。この組成物の溶媒は、シロキサンポリマーを可溶化することができる任意の溶媒であり得る。この溶媒は典型的には、この溶媒がシロキサンポリマーに対して又はシロキサンポリマーと、非反応性であるように、選択される。この溶媒は一般にシロキサンポリマーよりも小さな分子量及び粘度を有する。
特定の実施形態では、溶媒はシロキサン流体を含む。溶媒がシロキサン流体を含む場合、様々な実施形態では、シロキサン流体は揮発性メチルシロキサン流体を含む。この組成物の溶媒の目的に好適な揮発性メチルシロキサン流体の具体例としては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びこれらの組み合わせが挙げられる。揮発性メチルシロキサン流体は、例えば、Dow Corning(登録商標)Corporation(Midland,MI)からのOS−10、OS−20又はOS−30のように、市販されている。
他の実施形態では、組成物の溶媒は無極性炭化水素溶媒であり、これは芳香族、脂肪族、環式、脂環式などであり得る。シロキサンポリマーを可溶化するのに好適な脂肪族炭化水素溶媒の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられる。シロキサンポリマーを可溶化するのに好適な芳香族炭化水素溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなどが挙げられる。
組成物中で利用される溶媒の種類に依存せず、溶媒は典型的には組成物中に、利用される具体的な溶媒には依存せずに、組成物の合計重量に基づいて90重量%〜99.99重量%、あるいは95重量%〜99.99重量%、あるいは97重量%〜99.99重量%、あるいは99重量%〜99.9重量%の量で存在する。溶媒の量は、以下に更に詳細に記載されるように、組成物中に採用される様々な任意成分の不在又は存在により、すぐ上に記載の範囲から変動し得る。
この組成物は、加えて、カップリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、色素、触媒及びこれらに類するものなどの任意の他の好適な成分を含んでもよい。しかしながら、様々な実施形態では、この組成物は、シロキサンポリマー及び溶媒から本質的になり、又はこれらからなる。
触媒は場合により、組成物による表面改質を促進するために利用され得る。これらの触媒は、ポリフルオロポリエーテルシランの加水分解可能な基と物品の表面との間の反応を促進する。これらの触媒は個々に使用されてもよく、あるいは、組成物中で2種以上の組み合わせとして使用されてもよい。好適な触媒化合物の例としては、カルボン酸などの酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び/又は吉草酸)、塩基、有機酸の金属塩(例えば、ジオクタン酸ジブチルスズ、ステアリン酸鉄及び/又はオクタン酸鉛)、チタン酸エステル(例えば、チタン酸テトライソプロピル及び/又はチタン酸テトラブチル)、キレート化合物(例えば、アセチルアセトナトチタン)、アミノプロピルトリエトキシシラン及びこれらに類するものが挙げられる。利用される場合、触媒は典型的には組成物の100重量部に基づいて0重量%〜5重量%、あるいは0.01重量%〜2重量%の量で利用される。
あるいは又は上記に加えて、この組成物は、この組成物から形成される層の接着性及び/又は耐久性を改善するために様々な添加化合物を更に含んでもよい。添加化合物の例は、シラン(例えば、テトラキス(ジメチルアミン)シラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、トリエチルシラン、イソブチルトリメトキシシラン)及びシロキサン(例えば、ヘプタメチルトリシロキサン、テトラメチルジシロキサン)などである。
上記に示されているように、本発明は、表面処理された物品と、表面処理された物品の調製方法を更に提供し、これらは総じて下記に更に詳細に説明される。
表面処理された物品は、表面を呈する物品を含む。層は、物品の表面に堆積させる。層は組成物から形成され、表面処理された物品を調製するために物品の表面上に適用される。例えば、表面処理された物品の調製方法は、物品の表面上に層を形成するために物品の表面上に組成物を適用することを含む。物品は任意の物品であり得るが、本発明の組成物から得られる優れた物理的特性のために、物品は典型的には電子物品、光学物品、民生用機器及び部品、自動車車体及び部品などである。最も典型的には、物品は、指紋や皮脂から生じる汚れ及び/又はしみを低減することが望ましい物品である。
電子物品の例は典型的には、例えば、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、プラズマディスプレイなどといった、電子ディスプレイを有するものが挙げられる。これらの電子ディスプレイは、多くの場合、コンピュータモニター、テレビ、スマートフォン、GPSユニット、ミュージックプレイヤー、リモコン、ポータブルリーダーなどのような様々な電子デバイスにおいて利用される。代表的な電子物品としては、皮膚とよく接触し、しばしば汚れ及び/又はしみを呈する、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ又は他の部品を有するものが挙げられる。
上記で紹介したように、物品はまた、民生用機器及び部品のような金属物品であってもよい。代表的な物品は、食器洗浄機、ストーブ、電子レンジ、冷蔵庫、冷凍庫などであり、典型的には、例えば、ステンレス鋼、艶消しニッケルなどのような光沢のある金属外観を有する。
あるいは、物品は、自動車車体又は部品であり得る。例えば、この組成物は、自動車車体に光沢のある外観を付与する層であって、審美的に心地良く、埃などの汚れ及び指紋からのしみを防ぐ層を形成するために、自動車車体のトップコート上に直接適用され得る。
好適な光学物品の例としては、ガラス板、無機層を含むガラス板、セラミックス及びこれらに類するものなどの無機材料が挙げられる。好適な光学物品の更なる例としては、透明なプラスチック材料、無機層を含む透明なプラスチック材料などのような有機材料が挙げられる。光学物品の具体例としては、反射防止フィルム、光学フィルター、光学レンズ、メガネレンズ、分光器、プリズム、鏡などが挙げられる。
有機材料の中で、透明なプラスチック材料の例としては、様々な有機ポリマーを含む材料が挙げられる。透明性、屈折率、分散性及びこれらに類するものといった光学特性、並びに、衝撃耐性、耐熱性及び耐久性などの様々な他の特性の観点から、光学部材として使用される材料は、通常、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66など)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファンなど)又はこのような有機ポリマーのコポリマーを含む。これらの材料が眼科用素子において利用され得ることも評価されることになる。眼科用素子の非限定例としては、補正又は非補正レンズ(例えば、二焦点、三焦点及び多重焦点レンズのようなシングルビジョン又はマルチビジョンレンズ−仕切りされているか又は仕切りされていないかのいずれかであり得る−)、並びに、視覚の補正、保護又は改善のために使用される他の素子(限定するものではないが、例えば、コンタクトレンズ、眼球内レンズ、拡大レンズ及び保護レンズ又は遮光板が挙げられる)が挙げられる。眼科用素子に好ましい材料は、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレートから選択される1種以上のポリマー、並びに、ポリカーボネートコポリマー、ポリオレフィン、特にポリノルボルネン、ジエチレングリコール−ビス(アリルカーボネート)ポリマー−CR39として既知−及びコポリマー、(メタ)アクリルポリマー及びコポリマー、特にビスフェノールAから誘導される(メタ)アクリルポリマー及びコポリマー、チオ(メタ)アクリルポリマー及びコポリマー、ウレタン及びチオウレタンポリマー及びコポリマー、エポキシポリマー及びコポリマー、並びに、エピスルフィドポリマー及びコポリマーを含む。
上記物品に加えて、本発明の組成物は、自動車又は飛行機用の窓部材などの他の物品上に層を形成するために適用することができ、これにより、機能性の向上をもたらす。表面硬度の更なる改善のために、この組成物とTEOS(テトラエトキシシラン)を組み合わせて用いるいわゆるゾル−ゲルプロセスにより表面改質を行うことも可能である。
層を形成するために組成物が適用され得る1つの具体的な対象基材は、Corning Incorporated(Corning,New York)から市販されている任意の世代のGorilla(登録商標)Glassである。
特定の実施形態では、層を形成するために物品の表面上に組成物を適用する工程は、ウェットコーティング方法を含む。
この方法に好適なウェットコーティング方法の具体例としては、ディップコーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スパッタリング、スロットコーティング及びこれらの組み合わせが挙げられる。
代替的方法では、表面処理された物品は、堆積装置を用いて形成されてもよい。例えば、堆積装置が利用される場合、堆積装置は典型的には物理蒸着装置を備え得る。これらの実施形態では、堆積装置は、典型的には、スパッタリング装置、原子層堆積装置、真空装置及び直流マグネトロンスパッタリング装置から選択される。これらの物理蒸着装置のそれぞれの最適な制御パラメータは、利用される組成物、層が形成されることになる物品などに基づく。特定の実施形態では、堆積装置は、真空装置を備える。
例えば、層が物理蒸着(PVD)を用いて形成される場合には、この方法は、含浸ペレットを形成するように組成物とペレットを組み合わせることを含む。ペレットは、典型的には、金属、合金又は他の頑丈な材料(例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、炭素、銅、セラミックなど)を含む。典型的には、ペレットは、シロキサンポリマーが結合する大きな表面積を呈するためにそこに配置された多孔質材料(例えば、スチールウールのような繊維性材料)を含む。多孔質材料は、例えば、SiO、TiO、ZrO、MgO、Al、CaSO、Cu、Fe、Al、ステンレス鋼、炭素又はこれらの組み合わせであり得る。多孔質材料は、金属、合金又は他の頑丈な材料を含むケーシング内のプラグであり得る。組成物は、多孔質材料とシロキサンポリマーが組み合わされるのであれば、いかなる方法でも、ペレットの中又はペレットに対して組み込まれ得る。例えば、ペレットは組成物中に沈められてもよく、あるいは、組成物は、多孔質材料が組成物に含浸されるようにケーシング内に配置されてもよい。これらの実施形態では、この方法は、堆積前に未加工のペレットを形成するために、含浸させたペレットから溶媒を除去することを更に含む。例えば、溶媒は、加熱によりペレットから勢いよく流され得る。あるいは、溶媒は、室温又はわずかに高温にて、場合により真空又は圧縮空気の存在下で、乾燥させることにより、ペレットから除去され得る。
未加工のペレットは、堆積装置において利用されるまで、保存され得る。様々な実施形態では、きちんと整えられたペレットは、真空密封アルミニウムバッグの中に保存される。
組成物から層を形成するのに好適な真空装置の一具体例は、(株)韓一真空(Hanil Vacuum Machine Co., Ltd.)(韓国、仁川)から市販されているHVC−900DA真空装置である。堆積装置の別の例は、Edwards(Sanborn,NY)から市販されているEdwards AUTO 306である。
きちんと整えられたペレットは一般に、堆積装置のチャンバ内の基材上に、コーティングされる物品と共に配置され、シロキサンポリマーは抵抗加熱蒸発を用いて蒸発させられ、これにより物品の表面上に層を形成する。
層が形成される方法に依存せずに、いったん層が組成物から物品の表面上に形成されると、層は更に加熱、加湿、触媒後処理、光照射、電子ビーム照射などにかけられ得る。例えば、組成物が堆積装置を用いて適用される場合、それから形成される層は一般に、例えば、80〜150℃といった高温に、例えば、45〜75分といった時間にわたって、加熱される。
典型的には、組成物から形成される層の厚さは、1〜1,000nm、あるいは1〜200nm、あるいは1〜100nm、あるいは5〜75nm、あるいは10〜50nmである。
上記で注記したように、この組成物から形成される層は、望ましいすべり(運動)摩擦係数を有する。これは、組成物が適用されるのがウェットコーティング方法を用いてなのか又は堆積装置を用いてなのかによらず当てはまる。例えば、すべり(運動)摩擦係数は、物体と層の間で選択材料(例えば、法的文書の標準的断片)を用いて、組成物から形成された層を含む表面処理された物品上に表面積及び質量が測定済みの物体を配置することにより、測定され得る。次に、力を重力に対して垂直に適用し、物体に層を横切って所定の距離を滑らせることで、層のすべり摩擦係数を計算する。すべり摩擦係数及び耐久性は、組成物中で利用される具体的なシロキサンポリマーに依存して、変わり得る。例えば、分子量(及び対応する粘度)並びにシロキサンポリマー中の任意の末端官能基は一般に、得られる層の物理的特性に影響する。組成物から形成される層の耐久性は一般に、層を摩耗試験にかけた後の層の水接触角により判定される。例えば、耐久性が低い層ほど、摩耗後に水接触角は減少し、これは通常、層が少なくとも部分的に劣化したことを示す。したがって、この組成物は、シロキサンポリマーの選択に基づいて具体的用途に望ましい特定の物理的特性を達成するように、注文製造することができる。
特定の実施形態では、組成物から形成される層は、層を摩耗試験にかける前後で、75〜125、あるいは80〜120、あるいは90〜110の水接触角を有する。これらの実施形態では、層はまた典型的には、0.1μ未満のすべり(運動)摩擦係数を有する。
添付の請求項は、「発明を実施するための形態」に記載の表現並びに具体的な化合物、組成物又は方法に制限されず、これらは具体的実施形態の間で変動し得るが、添付の請求の範囲内に入ることは理解されよう。様々な実施形態の具体的な特徴及び態様を説明するために本明細書において依拠されている任意のマーカッシュ群に関して、異なる、特殊な及び/又は不測の結果は、すべての他のマーカッシュ群の構成員から独立して、各マーカッシュ群のそれぞれの構成員から得られるものとする。マーカッシュ群のそれぞれの構成員は、個別に及び/又は組み合わせて依拠され得るものであり、添付の請求の範囲内の具体的な実施形態について適切なサポートを提供する。
更に、本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠される任意の範囲及び部分範囲は独立して及び総じて、添付の請求の範囲内に入り、たとえ、本明細書にその中の全部及び/又は一部の値が明記されていなくても、そのような値を包含する全範囲を説明及び想到するものと理解される。当業者は、列挙された範囲及び部分範囲が本発明の様々な実施形態を十分に説明し及び可能にすること、並びに、このような範囲及び部分範囲が対応する1/2、1/3、1/4、1/5の範囲まで更に示され得ること、を容易に認識する。ほんの一例としては、「0.1〜0.9」の範囲は、下側の1/3の範囲(すなわち、0.1〜0.3)、真ん中の1/3(すなわち、0.4〜0.6)、上側の1/3(すなわち、0.7〜0.9)まで更に示され得、これらは独立に及び総じて添付の請求項の範囲内にあり得、独立に及び/又は総じて依拠され得、添付の請求の範囲内の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。加えて、「少なくとも」、「超える」、「未満」、「以下」及びこれらに類するもののような範囲を定義又は修正する用語に関して、このような用語は部分範囲及び/又は上限若しく下限を包含するものと理解される。別の例としては、「少なくとも10」の範囲は、本質的には少なくとも10〜35の部分範囲、少なくとも10〜25の部分範囲、少なくとも25〜35の部分範囲などを包含し、各部分範囲は独立して及び/又は総じて依拠され得、添付の請求の範囲内の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。最後に、開示されている範囲内の個々の数は依拠され得るものであり、添付の請求項の範囲内の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。例えば、「1〜9」の範囲は、3のような様々な個々の整数、並びに、4.1のような小数点を含む個々の数(分数)を包含し、これらは依拠され得るものであり、添付の請求項の範囲内の具体的な実施形態に適切なサポートを提供する。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図されており、決して本発明の範囲を限定するものとして見られるものではない。
表面処理用組成物は、主題の開示に従って調製される。具体的には、下記の組成物のそれぞれは、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。別途記載のない限り、以下に記載の任意の百分率は重量百分率に関する。
下記の表1は、6種の異なる組成物を示す(実施例1〜6に対応する)。具体的には、以下の組成物のそれぞれは、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。以下の表1内のすべての値は、それぞれ対応する組成物の合計重量に基づいた重量部に関する。
シロキサンポリマー1〜6のそれぞれは一般式:
式中、g’は、分子量及び対応する粘度がシロキサンポリマー1〜6のそれぞれで異なるように、シロキサンポリマー1〜6中で変わる。
シロキサンポリマー1は、25℃にて5E−5m/s(50センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー2は、25℃にて0.0001m/s(100センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー3は、25℃にて0.00035m/s(350センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー4は、25℃にて0.001m/s(1,000センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー5は、25℃にて0.005m/s(5,000センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー6は、25℃にて0.01m/s(10,000センチストークス)の粘度を有する。
溶媒1は、オクタメチルトリシロキサンを含む。
実施例1〜6の組成物はそれぞれ、フローコーティングを用いて基材の表面に適用される。具体的には、これらの組成物は、ピペットを用いるフローコーティングを用いてガラス基材に適用される。各組成物は、基材に適用したならば、室温にて約24時間にわたって硬化させ、基材上に層を形成する。
組成物から形成された層の物理的特性が測定される。具体的には、各層の物理的特性は、下記のように、層を摩耗耐性試験にかける前後で測定される。
各層の水接触角(WCA)は、VCA Optima XE測角器(AST Products,Inc.(Billerica,MA)から市販)により測定される。測定される水接触角は、各層上の2μL液滴に基づく静的接触角である。この水接触角は、以下の表2において水接触角(初期)として示される。
すべり摩擦係数(COF)もまた、層のそれぞれについて測定される。すべり摩擦係数は、約156グラムの荷重を有するスレッドを、各層とスレッドとの間に配置された一片の標準紙を用いて、各層上に配置することにより、測定される。スレッドは、25ミリメートル×25ミリメートルの面積を有する。力を重力に対し垂直な方向に適用し、約2.5ミリメートル/秒の速度にて約42ミリメートルの距離にわたって各層に沿ってスレッドを動かし、すべり摩擦係数を測定する。
各層は、次に摩耗試験にかけられる。磨耗耐性試験は、往復式摩耗試験機モデル5900(Taber Industriesから市販)を利用する。利用される被摩耗材料は、Kimberly−Clark Corporation(Dallas,TX)から市販されているWypAllマイクロファイバークロス(83630)である。往復式摩耗試験機は、2.54cm(1インチ)のストローク長さ及び5Nの荷重で、毎分40サイクルの速度にて1,500サイクルにわたって操作される。
水接触角(WCA)は、上記手順に従う摩耗耐性試験後に再び測定される。一般に、水接触角が大きいほど、層の耐久性も大きい。言い換えれば、摩耗試験を介する層の劣化が大きいほど、摩耗後の水接触角は小さい。
以下の表2は、実施例1〜6の層についての、水接触角(初期)、すべり(運動)摩擦係数、及び摩耗後の水接触角を示す。
上記の表2から容易に明らかなように、すべり摩擦係数は概して、シロキサンポリマーの粘度が増加するにつれて減少する。すべり摩擦係数は、利用される測定手順にとって高過ぎるため、実施例1及び2については測定できなかった。
下記の表3は、6種の異なる組成物を示す(実施例7〜12に対応する)。具体的には、以下の組成物のそれぞれは、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。以下の表3内のすべての値は、それぞれ対応する組成物の合計重量に基づいた重量部に関する。
シロキサンポリマー7〜12のそれぞれは一般式:
式中、g’は、分子量及び対応する粘度がシロキサンポリマー7〜12のそれぞれで異なるように、シロキサンポリマー7〜12中で変わる。
シロキサンポリマー7は、25℃にて6.5E−5m/s(65センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー8は、25℃にて0.00019m/s(190センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー9は、25℃にて0.00045m/s(450センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー10は、25℃にて0.002m/s(2,000センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー11は、25℃にて0.0095m/s(9,500センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー12は、25℃にて0.055m/s(55,000センチストークス)の粘度を有する。
実施例7〜12の組成物はそれぞれ、フローコーティングを用いて基材の表面に適用される。具体的には、これらの組成物は、ピペットを用いるフローコーティングを用いてガラス基材に適用される。各組成物は、基材に適用したならば、室温にて約24時間にわたって硬化させ、基材上に層を形成する。
組成物から形成された層の物理的特性が測定される。具体的には、各層の物理的特性は、実施例1〜6に関して上記で説明した手順に従って層を摩耗耐性試験にかける前後で測定される。
以下の表4は、実施例7〜12の組成物から形成される各層の物理的特性を表す。
上記の表4から容易に明らかなように、すべり摩擦係数は概して、シロキサンポリマーの粘度が増加するにつれて減少する。更に、水接触角(初期)及び水接触角(摩耗後)は概して、実施例1〜6から形成された層と比較して、実施例7〜12から形成された層で改善されており、これはシロキサンポリマー7〜12のビニル官能性に帰すのがもっともらしい。
下記の表5は、4種の異なる組成物を示す(実施例13〜16に対応する)。具体的には、以下の組成物のそれぞれは、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。以下の表5内のすべての値は、それぞれ対応する組成物の合計重量に基づいた重量部に関する。
シロキサンポリマー13〜16のそれぞれは一般式:
式中、g’は、分子量及び対応する粘度がシロキサンポリマー13〜16のそれぞれで異なるように、シロキサンポリマー13〜16中で変わる。
シロキサンポリマー13は、25℃にて4.1E−5m/s(42センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー14は、25℃にて7.2E−5m/s(72センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー15は、25℃にて0.002m/s(2,000センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー16は、25℃にて0.0135m/s(13,500センチストークス)の粘度を有する。
実施例13〜16の組成物はそれぞれ、フローコーティングを用いて基材の表面に適用される。具体的には、これらの組成物は、ピペットを用いるフローコーティングを用いてガラス基材に適用される。各組成物は、基材に適用したならば、室温にて約24時間にわたって硬化させ、基材上に層を形成する。
組成物から形成された層の物理的特性が測定される。具体的には、各層の物理的特性は、実施例1〜6に関して上記で説明した手順に従って層を摩耗耐性試験にかける前後で測定される。
以下の表6は、実施例13〜16の組成物から形成される各層の物理的特性を表す。
上記の表6から容易に明らかなように、すべり摩擦係数は概して、シロキサンポリマーの粘度が増加するにつれて減少した。更に、水接触角(初期)及び水接触角(摩耗後)は概して、実施例1〜6から形成された層と比較して、実施例13〜16から形成された層で改善されており、これはシロキサンポリマー13〜16のOH官能性に帰すのがもっともらしい。
下記の表7は、2種の異なる組成物を示す(実施例17〜18に対応する)。具体的には、以下の組成物のそれぞれは、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。以下の表7内のすべての値は、それぞれ対応する組成物の合計重量に基づいた重量部に関する。
シロキサンポリマー17は一般式:
を有し、式中、c”及びd”は、シロキサンポリマー1が25℃にて約0.038m/s(38,000センチストークス)の粘度を有するように、選択される。
シロキサンポリマー18は一般式:
式中、e”は、シロキサンポリマー18が25℃にて約0.00065m/s(650センチストークス)の粘度を有するように、選択される。
溶媒2は、ヘキサメチルジシロキサンである。
実施例17〜18の組成物はそれぞれ、スプレーコーティングを用いて基材の表面に適用される。具体的には、これらの組成物は、55.2kPa(8psi)の霧化圧、34.5kPa(5psi)の液圧、50.8〜63.5ミクロン(2〜2.5mil)のストローク、5.3cmのノズル高さ及び約100mm/秒の速度を有する、PVA−1000分注機(PVA(Cohoes,NY)から市販)を用いてガラス基材に適用される。各組成物は、基材に適用したならば、室温にて約24時間にわたって硬化させ、基材上に層を形成する。
組成物から形成された層の物理的特性が測定される。具体的には、実施例1〜6に関する上記手順とは異なり、摩耗試験は、往復式摩耗試験機モデル5900(Taber Industries(North Tonawanda,NY)から市販)を利用する。被摩耗材料には、6.0×12.2mmの寸法を有する摩擦式消しゴムを利用する。往復式摩耗試験機は、2.54cm(1インチ)のストローク長さ及び5Nの荷重で、毎分40サイクルの速度にて1,500サイクルにわたって操作される。摩耗後の水接触角は、実施例1〜6に関する上記手順に従って測定される。
以下の表8は、実施例17〜18の組成物から形成される各層の物理的特性を表す。
特に、水接触角(摩耗後)は、実施例17及び18において形成される層については、他の層のものよりも小さいが、実施例17及び18についての摩耗試験は他の実施例において利用されるものよりも多く研磨されている。
下記の表9は、3種の異なる組成物を示す(実施例19〜21に対応する)。具体的には、以下の組成物のそれぞれは、シロキサンポリマーと溶媒とを含む。以下の表9内のすべての値は、それぞれ対応する組成物の合計重量に基づいた重量部に関する。
シロキサンポリマー1〜18とは異なり、シロキサンポリマー19〜21は、分枝状及び/又は樹脂性網状組織構造を含む。
シロキサンポリマー19は、ケイ素が結合したアルケニル基を含む分枝状ポリマーである。シロキサンポリマー19は、シロキサンポリマー19の分枝以外は、シロキサンポリマー7〜12の一般構造と同様である。シロキサンポリマー19は、25℃にて0.00075m/s(750センチストークス)の粘度を有する。
シロキサンポリマー20は、ビニル化MQ樹脂と、シロキサンポリマー7〜12の一般式を有して25℃にて0.002m/s(2,000センチストークス)の粘度を有するシロキサンポリマーと、のブレンドである。シロキサンポリマー20のブレンドは、25℃にて0.005m/s(5,000センチストークス)の全体粘度を有する。
シロキサンポリマー21は、ビニル化MQ樹脂と、シロキサンポリマー7〜12の一般式を有して25℃にて0.055m/s(55,000センチストークス)の粘度を有するシロキサンポリマーと、のブレンドである。シロキサンポリマー21のブレンドは、25℃にて0.045m/s(45,000センチストークス)の全体粘度を有する。
実施例19〜21の組成物はそれぞれ、フローコーティングを用いて基材の表面に適用される。具体的には、これらの組成物は、ピペットを用いるフローコーティングを用いてガラス基材に適用される。各組成物は、基材に適用したならば、室温にて約24時間にわたって硬化させ、基材上に層を形成する。
組成物から形成された層の物理的特性が測定される。具体的には、各層の物理的特性は、実施例1〜6に関して上記で説明した手順に従って層を摩耗耐性試験にかける前後で測定される。
以下の表10は、実施例19〜21の組成物から形成される各層の物理的特性を表す。
実施例22:
シロキサンポリマー22と揮発性メチルシロキサン溶媒を、スチールウールと銅ケーシングを含むペレットの中に浸透させる。シロキサンポリマー22は、以下の一般式:
式中、g’は、シロキサンポリマー22が25℃にて約0.00038m/s(380センチストークス)の粘度を有するように、選択される。溶媒は、室温にて真空パージ下でペレットから押し出される。シロキサンポリマー22は、抵抗加熱蒸発装置(Edwards(Sanborn,NY)から市販されているEdwards AUTO 306)を用いて堆積される。抵抗加熱蒸発装置は、シロキサンポリマー22をガラスの表面上に堆積させるために、2.67mPa(2.0E−5トル)の圧力で操作する。いったん、シロキサンポリマー22が抵抗加熱蒸発装置を用いてガラスに適用されてから、シロキサンポリマー22を125℃にて約1時間にわたって加熱して、ガラス状に層を形成させる。この層は約45〜55nmの厚さを有する。
シロキサンポリマー22から形成された層の物理的特性を測定する。具体的には、層の物理的特性は、実施例1〜6に関して上記で説明した手順に従って層を摩耗耐性試験にかける前後で測定される。これらの物理的特性は、以下の表11に記載されている。
実施例23:
シロキサンポリマー23と揮発性メチルシロキサン溶媒を、スチールウールと銅ケーシングを含むペレットの中に浸透させる。シロキサンポリマー23は、以下の一般式:
式中、g’は、シロキサンポリマー23が25℃にて約0.00065m/s(650センチストークス)の粘度を有するように、選択される。溶媒は、室温にて真空パージ下でペレットから押し出される。シロキサンポリマー23は、抵抗加熱蒸発装置(Edwards(Sanborn,NY)から市販されているEdwards AUTO 306)を用いて堆積される。抵抗加熱蒸発装置は、シロキサンポリマー23をガラスの表面上に堆積させるために、2.67mPa(2.0E−5トル)の圧力で操作する。いったん、シロキサンポリマー23が抵抗加熱蒸発装置を用いてガラスに適用されてから、シロキサンポリマー23を125℃にて約1時間にわたって加熱して、ガラス状に層を形成させる。この層は約45〜55nmの厚さを有する。
シロキサンポリマー23から形成された層の物理的特性を測定する。具体的には、層の物理的特性は、実施例1〜6に関して上記で説明した手順に従って層を摩耗耐性試験にかける前後で測定される。これらの物理的特性は、以下の表11に記載されている。
表11において例示されているように、例えば、PVD装置といった堆積装置は、ウェットコーティング方法から形成される層と同様の優れた物理的特性(例えば、すべり摩擦係数及び耐久性)を有する層を形成するために、利用され得る。
特に、実施例22及び23において形成される層の厚さはまた、その物理的特性にも影響する。例えば、以下の表12は、それぞれ25nm、50nm及び75nmの厚さにて実施例22及び23において形成される層の物理的特性を示している。しかしながら、特に、以下に列挙された厚さは、抵抗加熱蒸発装置に備えられた結晶モニターを用いて測定されたものであり、したがって、表12における下記の厚さは絶対厚さを表してないかもしれないが、それにもかかわらず、厚さの機能としての物理的特性を示す。
表12において明らかに示されているように、最良の耐久性は、堆積装置を用いて形成される層については、50nmの厚さにて達成された。
本発明は、例示的な様式で説明されており、使用されている用語は限定目的というよりも、むしろ説明のための言葉としての性質が意図されているものと理解されるものである。明らかに本発明の多くの修正及び変更が上記教示から可能である。本発明は、具体的に記載した方法の通り以外の方法でも実施され得る。

Claims (16)

  1. 基材の表面処理用組成物であって、前記組成物は、
    前記組成物中に前記組成物の合計重量に基づいて0.01〜0.5重量%の量で存在し、繰り返すRSiO2/2単位を含むシロキサンポリマーであって、式中、Rは、独立して選択される置換又は非置換のヒドロカルビル基である、シロキサンポリマーと、
    前記シロキサンポリマーとは異なり、前記組成物中に前記組成物の合計重量に基づいて90.0〜99.99重量%の量で存在する、溶媒と、を含む、組成物。
  2. 前記シロキサンポリマーがRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記シロキサンポリマーが、加水分解可能な基、アルケニル基又はこれらの組み合わせから選択される末端基を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記シロキサンポリマーが、以下の一般式(A):
    (X)3−a(R)−Si−(CH−(O)−((SiR−O)−SiR−(CH−[((SiR−O)−SiR−(CH−((SiR−O)−SiR−(O)−(CH−Si−(X)3−p(R)を有し;
    式中、Xは独立して選択される加水分解可能な基であり:Rは上記に定義されており;a及びpはそれぞれ0〜3から独立して選択される整数であり;b、f、i及びnはそれぞれ0〜10から独立して選択される整数であり;c及びmはそれぞれ独立して0又は1であり;d、g及びkはそれぞれ0〜200から独立して選択される整数であって、d、g及びkは同時に0にはならず;e、h及びlはそれぞれ0及び1から独立して選択される整数であって、e、h及びlは同時に0にはならず;jは0〜5から選択される整数であり;
    但し、添字dが0である場合には、添字eも0であり;添字dが0を超える場合には、添字eは1であり;添字gが0である場合には、添字h、i及びjも0であり;添字gが1を超える場合には、添字hは1であり、添字jは少なくとも1であり;添字kが0である場合、添字lも0であり;添字kが0を超える場合、添字lは1である、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 前記シロキサンポリマーの前記一般式(A)においてXにより表される加水分解可能な基が、H、ハロゲン化物基、−OR、−NHR、−NR、−OOC−R、O−N=CR、O−C(=CR)R及び−NRCORから独立して選択され、式中、R、R及びRはそれぞれH及びC〜C22炭化水素基から独立して選択され、R及びRは場合によりアルキルアミノ基中で環式アミンを形成し得る、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記溶媒が揮発性メチルシロキサン流体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記揮発性メチルシロキサン流体が、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びこれらの組み合わせから選択される、請求項6に記載の組成物。
  8. 本質的に、前記シロキサンポリマーと前記溶媒とからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 表面処理された物品を調製する方法であって、前記方法が、請求項1に記載の組成物を物品の表面上に適用して、前記物品の表面上に層を形成する工程を含む、方法。
  10. 前記組成物を適用する工程が、ディップコーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スパッタリング、スロットコーティング及びこれらの組み合わせから選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項9又は10に記載の方法に従って形成される表面処理された物品。
  12. 前記層が、75〜125の水接触角と、0.1μ未満のすべり(運動)摩擦係数と、を有する、請求項11に記載の表面処理された物品。
  13. 表面処理された物品を調製する方法であって、前記方法が、
    繰り返すRSiO2/2単位を含むシロキサンポリマーであって、式中、Rは、独立して選択される置換又は非置換のヒドロカルビル基である、シロキサンポリマー、並びに、前記シロキサンポリマーとは異なる溶媒、を含む表面処理用組成物を供給する工程と、
    前記組成物とペレットを組み合わせて含浸ペレットを形成する工程と、
    前記含浸ペレットから前記溶媒を除去して、非希釈ペレットを形成する工程と、
    堆積装置を用いて、前記非希釈ペレットによって物品の表面上に層を形成する工程と、を含む、方法。
  14. 請求項13に記載の方法に従って形成される表面処理された物品。
  15. 前記層が75〜125の水接触角と、0.1μ未満のすべり(運動)摩擦係数と、を有する、請求項14に記載の表面処理された物品。
  16. 前記層が1〜100nmの厚さを有する、請求項14又は15に記載の表面処理された物品。
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