JP2014155145A - イヤホンマイク - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供する。
【解決手段】イヤホンマイクは、1つのスピーカと、差動マイクロホンと、本体筐体とを備える。差動マイクロホンは第1及び第2集音孔を有する。本体筐体には、外部に連通する第1及び第2開口部と、第1開口部に連通する第1音響空間と、第2開口部に連通する第2音響空間とが形成される。第1音響空間には、第1集音孔に入力される音声が伝播する。第2音響空間には、スピーカが配置されるとともに、第2集音孔に入力される音声が伝播する。第2音響空間は、第2開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能する。
【選択図】図3
【解決手段】イヤホンマイクは、1つのスピーカと、差動マイクロホンと、本体筐体とを備える。差動マイクロホンは第1及び第2集音孔を有する。本体筐体には、外部に連通する第1及び第2開口部と、第1開口部に連通する第1音響空間と、第2開口部に連通する第2音響空間とが形成される。第1音響空間には、第1集音孔に入力される音声が伝播する。第2音響空間には、スピーカが配置されるとともに、第2集音孔に入力される音声が伝播する。第2音響空間は、第2開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能する。
【選択図】図3
Description
本発明は、イヤホンマイクに関し、特にスピーカとマイクロホンとを搭載するイヤホンマイクに関する。
従来、スピーカとマイクロホンとを内蔵するイヤホンマイクが知られている。ユーザは、耳に装着したイヤホンマイクを通じて、スピーカから出力される話し声などの音声を聴きながら、マイクロホンに入力されるユーザの音声を送話することができる。そのため、携帯電話機などのハンズフリー通信などに利用されている。
ところが、ユーザの外耳道内に放音されるスピーカの音声は、ユーザの鼓膜や外耳道内などで反響し、イヤホンマイクにノイズ(エコー成分)として入力される。そのため、イヤホンマイクに内蔵されるマイクロホンは、ユーザの音声のほかに、スピーカから出力される音声のエコー成分も拾ってしまう。従って、イヤホンマイクから送話される音声にエコー成分がノイズとして混ざるという問題があった。
そのため、たとえば特許文献1のように、エコーキャンセル機能を有するイヤホンマイクが知られている。特許文献1のイヤホンマイクでは、2つのスピーカと、マイクロホンとを内蔵している。一方のスピーカは話し声などの音声を出力し、他方のスピーカは、一方のスピーカから出力される音声のエコー成分を打ち消すための音声を出力する。マイクロホンには、一方のスピーカから出力される音声のエコー成分と、他方のスピーカの音声とを入力させ、両者を互いに打ち消し合わせることにより、エコー成分を抑制している。
しかしながら、特許文献1のイヤホンマイクは、本体筐体に複数のスピーカを内蔵するため、本体筐体の内部において、スピーカ及びその音道を搭載するためのスペースが増加する。従って、本体筐体を小型化し難いという問題があった。また、製造コストがかかるため、比較的高価になるという問題もあった。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一の局面によるイヤホンマイクは、1つのスピーカと、第1及び第2集音孔を有する差動マイクロホンと、本体筐体とを備え、本体筐体には、外部に連通する第1及び第2開口部と、第1開口部に連通する第1音響空間と、第2開口部に連通する第2音響空間とが形成され、第1音響空間には、第1集音孔に入力される音声が伝播し、第2音響空間には、スピーカが配置されるとともに、第2集音孔に入力される音声が伝播し、第2音響空間は、第2開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能する。
上記構成によれば、イヤホンマイクは1つのスピーカを備える。また、第1及び第2音響空間はそれぞれ第1及び第2開口部を介して本体筐体の外部に連通する。また、第2音響空間にはスピーカが配置される。また、第2音響空間は、第2開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能する。そのため、外部音源からの入力音声は、第2音響空間にて共振した後、第2集音孔に入力される。このとき、第2音響空間での共振周波数付近の周波数帯域では、第1及び第2集音孔に入力される入力音声の音圧に差が生じる。従って、第1及び第2集音孔に入力される入力音声は、互いに打ち消し合うことなく、差動マイクロホンに集音される。また、スピーカの出力音声は、第2音響空間、第2開口部、本体筐体の外部、第1開口部、及び第1音響空間を経由して第1集音孔に入力される。また、出力音声は、第2音響空間内において第2集音孔に直接入力される。そして、第1及び第2集音孔に入力される出力音声が互いに弱め合うことにより、出力音声の集音が抑制される。従って、イヤホンマイクは、複数のスピーカを必要とすることなく、スピーカの出力音声のエコー抑制機能を実現することができる。さらに、イヤホンマイクは、スピーカの出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、入力音声を送話することができる。よって、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供することができる。
また、上記構成において、第1音響空間は、第1開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能し、第2音響空間の体積は第1音響空間よりも大きくてもよい。
この構成によれば、本体筐体の外部から第1及び第2開口部を経由して第1及び第2音響空間に伝播する音声はヘルムホルツ共振により共振する。さらに、第2音響空間の体積は第1音響空間の体積よりも大きい。そのため、第1及び第2音響空間の体積比により、第1音響空間の共振周波数は、第2音響空間の共振周波数よりも高い周波数帯域に現れる。従って、第2音響空間の共振周波数を含む周波数帯域において、第1及び第2集音孔に入力される外部音源からの入力音声を互いに打ち消し合わせないようにすることができる。なお、スピーカが第2音響空間に配置されているため、第2集音孔に入力されるスピーカの出力音声は共振しない。従って、上述の周波数帯域において、第1及び第2集音孔に入力されるスピーカの出力音声を互いに弱め合わせることができる。よって、イヤホンマイクは、スピーカの出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、差動マイクロホンに入力される外部音源からの入力音声を送話することができる。
さらに、上記構成において、第1及び第2音響空間の体積比は、第1開口部を経由して第1音響空間に伝播する音声が少なくとも所定の周波数帯域内で共振せず、第2開口部を経由して第2音響空間に伝播する音声が所定の周波数帯域内で共振するように設定されてもよい。
この構成によれば、所定の周波数領域において、第1及び第2集音孔に入力される外部音源からの入力音声を互いに打ち消し合わせないようにすることができる。さらに、第1及び第2集音孔に入力されるスピーカの出力音声を互いに弱め合わせることができる。従って、イヤホンマイクは、たとえば差動マイクロホンの使用周波数帯域などの所定の周波数領域において、エコー抑制機能を実現することができる。
また、上記構成において、第1音響空間に対する第2音響空間の体積比は5以上且つ800以下であってもよい。
この構成によれば、第1及び第2開口部を経由して第1及び第2音響空間に伝播する音声に対して、第1音響空間での共振周波数を、第2音響空間での共振周波数よりも十分に大きくすることができる。従って、イヤホンマイクはエコー抑制機能を確実に実現することができる。
また、上記構成において、第1開口部を経由して第1音響空間に伝播する音声の共振周波数は4kHz以上であり、第2開口部を経由して第2音響空間に伝播する音声の共振周波数は1kHz以上且つ2kHz以下であってもよい。
この構成によれば、第1開口部を経由して第1音響空間に伝播する音声の共振周波数を差動マイクロホンの使用周波数帯域(たとえば300Hz〜3.4Hz)外とすることができる。さらに、第2開口部を経由して第2音響空間に伝播する音声の共振周波数を差動マイクロホンの使用周波数帯域内とすることができる。従って、差動マイクロホンの使用周波数帯域において、イヤホンマイクは、スピーカの出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、差動マイクロホンに入力される外部音源からの入力音声を送話することができる。
本発明によれば、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイクを提供することができる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<イヤホンマイクの構成>
<イヤホンマイクの構成>
図1は、イヤホンマイクの外観斜視図である。イヤホンマイク1は、たとえば携帯電話機などの電子機器(不図示)に接続される放集音装置である。図1に示すように、イヤホンマイク1は、本体部2と、ケーブル4と、コネクタ5と、を備えている。
本体部2は、ユーザの耳に装着され、出力音声を放音するとともに、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)を集音する。この本体部2の具体的な構成については後に詳述する。ケーブル4は、本体部2とコネクタ5との間に接続され、イヤホンマイク1が接続される電子機器(不図示)と本体部2との間の信号をコネクタ5を介して送受信する信号線である。コネクタ5は、電子機器(不図示)のインターフェースに接続される入出力端子である。
図2は、イヤホンマイクがユーザの外耳道に装着された状態を示す図である。図2に示すように、イヤホンマイク1は、ユーザの耳EARに装着され、電子機器(不図示)から出力される音声信号に基づく音声をユーザの鼓膜E1に向けて放音する。また、ユーザが発声する音声は口から発せられるだけではなく、その音声の一部は、頭蓋骨や顔の筋肉などを伝わって鼓膜E1から外耳道E2に放音される。イヤホンマイク1は、そのようなユーザの話し声などの音声(すなわち外部音源からの入力音声)を集音し、さらに、集音した音声に基づく音声信号を生成して電子機器(不図示)に出力する。なお、イヤホンマイク1が接続される電子機器は特に限定されない。
ここで、イヤホンマイク1からユーザの外耳道E2内に放音される出力音声は、ユーザの鼓膜E1や外耳道E2などで反響し、イヤホンマイク1にノイズとして入力される。以下では、このノイズをエコー成分と呼ぶ。イヤホンマイク1は、後述するように、このようなエコー成分に由来するノイズを抑制するためのエコー抑制機能を有している。そのため、イヤホンマイク1は、ノイズ(特に出力音声のエコー成分)が抑制された鮮明な音声を集音することができる。
次に、本体部2の構成について詳細に説明する。図3は、本体部の断面図である。また、図4は、ユーザの外耳道側から見た本体部の正面図である。また、図5は、本体部の側面図である。なお、図3は、図4の一点鎖線A−Aに沿う本体部2の断面構造を示している。
図3に示すように、本体部2は、スピーカ21と、マイクロホン22と、本体筐体23と、イヤーパッド25と、を含んで構成されている。
スピーカ21は、出力音声を出力する放音孔21aを有する音声出力部である。スピーカ21は、ケーブル4と電気的に接続され、ケーブル4及びコネクタ5を介して電子機器(不図示)から伝送される音声信号に基づく出力音声を出力する。なお、図3では、スピーカ21の放音孔21aは本体筐体23の長手方向と略垂直な方向に向いているが、スピーカ21の向きは図3の例示に限定しない。スピーカ21の向きは、たとえば本体筐体23の長手方向と略平行な方向であってもよい。
マイクロホン22は、本体筐体23の長手方向に並んで配置される第1及び第2集音孔221a、221bを有する差動マイクロホンであり、ケーブル4と電気的に接続されている。このマイクロホン22は、特に限定しないが、たとえば、MEMSマイク、ECMマイクなどを用いることができる。マイクロホン22は、第1集音孔221aに入力される音声に基づいて第1音声信号を生成するとともに、第2集音孔221bに入力される音声に基づいて第2音声信号を生成する。また、マイクロホン22は、第1集音孔221aに入力される音声の音圧と、第2集音孔221bに入力される音声の音圧との差に基づく差分音声信号を生成する。マイクロホン22は、これらの信号をケーブル4及びコネクタ5を介して電子機器(不図示)に出力する。
本体筐体23には、1つのスピーカ21と、マイクロホン22とが搭載されている。また、本体筐体23には、図3〜図5に示すように、挿通部23aが形成されている。この挿通部23aには、本体部2が図2のようにユーザの耳EARに装着される際にユーザの鼓膜E1と対向する面に、図4に示すように、イヤホンマイク1に音声を入出力するための第1及び第2開口部231a、231bが同心円状に形成されている。
なお、挿通部23aに形成される第1及び第2開口部231a、231bの形状は特に限定されない。図6A〜図6Dは、第2及び第3開口部の他の形成例を示す正面図である。第1及び第2開口部231a、231bは、図6A〜図6Dに示すように、たとえば所定の距離離れた2つの開口であってもよい。また、第1及び第2開口部231a、231bの形状は、たとえば、半円形(図6A参照)、円形(図6B参照)、四角形(図6C参照)及び三角形(図6D参照)などの多角形状であってもよい。また、第1及び第2開口部231a、231bの形状及びサイズは、ほぼ同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
また、本体筐体23の内部には、図3に示すように、第1及び第2音響空間232a、232bが形成されている。
第1音響空間232aは、第1集音孔221a及び第1開口部231aと連通し、第1集音孔221aに入力される音声が伝播する音響空間である。第1音響空間232aには、本体筐体23の外部から第1開口部231aを経由して音声が伝播する。この音声は、たとえば、スピーカ21の出力音声のエコー成分、外部音源からの入力音声(たとえば鼓膜E1及び外耳道E2を経由して伝播するユーザの話し声など)などである。第1音響空間232aはこれらの音声を第1集音孔221aに導く。
第2音響空間232bは、第2集音孔221b及び第2開口部231bと連通し、第2集音孔221bに入力される音声が伝播する音響空間である。この第2音響空間232bには、スピーカ21が配置されている。そのため、スピーカ21の出力音声は、第2音響空間232b及び第2開口部231bを経由して本体筐体23の外部に伝播するとともに、第2集音孔221bに直接入力される。
また、第1及び第2音響空間232a、232bは、第1及び第2開口部221a、221bを経由して伝播する音声に対して、ヘルムホルツ共振器7として機能する。ここで、ヘルムホルツ共振器7について簡単に説明しておく。図7は、ヘルムホルツ共振器の原理図である。ヘルムホルツ共振器7は、断面積Sの開口71aが形成された体積Vの容器71と、開口71aに連通する長さLの筒状の首部72と、で構成される。外部から首部72及び開口71aを経由して容器71の内部に音声が伝播する際、その音声はヘルムホルツ共振周波数fで共振する。このヘルムホルツ共振周波数fは次の数式1で与えられる。
f=(C/2π)*{S/(L*V)}1/2 (数式1)
なお、数式1において、Cは音速を示す。
f=(C/2π)*{S/(L*V)}1/2 (数式1)
なお、数式1において、Cは音速を示す。
数式1に示すように、ヘルムホルツ共振周波数fは、首部72の断面積Sの平方根に比例し、首部72の経路長Lの平方根に反比例する。特に、ヘルムホルツ共振周波数fは容器71の体積Vの平方根に反比例する。そのため、容器71の体積Vが小さいほど、ヘルムホルツ共振周波数fは高い周波数帯域に現れる。本実施形態では、本体筐体23の長手方向から見た第1及び第2開口部231a、231bの断面積S1、S2がヘルムホルツ共振器7の開口71aの断面積Sに対応する。また、本体筐体23の長手方向における第1及び第2開口部231a、231bの経路長L1、L2がヘルムホルツ共振器7の首部72の経路長Lに対応する。また、第1及び第2音響空間232a、232bの体積V1、V2がヘルムホルツ共振器7の容器71の体積Vに対応する。そのため、本体筐体23の外部から第1及び第2開口部231a、231bを経由して第1及び第2音響空間232a、232bに伝播する音声は、上述の数式1により与えられるヘルムホルツ共振周波数f1、f2で共振する。
本実施形態では、第1音響空間232aが連通する第1開口部231aの断面積S1はたとえば0.7〜3.2(mm2)であり、本体筐体23の長手方向における第1開口部231aの経路長L1はたとえば0.2〜2.0(mm)である。また、第1音響空間232aの体積V1はたとえば3.5〜60(mm3)である。そのため、本体筐体23の外部から第1開口部231aを経由して第1音響空間232aに伝播する音声のヘルムホルツ共振周波数f1は、おおよそ4kHz以上となり、マイクロホン22が一般的に使用する周波数帯域(たとえば300Hz〜3.4kHz)外に現れる。
また、本実施形態では、第2音響空間232bが連通する第2開口部231bの断面積S2はたとえば0.7〜12(mm2)であり、本体筐体23の長手方向における第2開口部231bの経路長L2はたとえば0.2〜4.0(mm)である。また、第2音響空間232bの体積V2はたとえば300〜2400(mm3)である。そのため、本体筐体23の外部から第2開口部231bを経由して第2音響空間232bに伝播する音声のヘルムホルツ共振周波数f2は、マイクロホン22が一般的に使用する周波数帯域内に現れる。
なお、第1及び第2音響空間232a、232bの体積比(V2/V1)は、上述の各体積V1、V2から導き出される範囲の数値をとり得るが、実際には、5.0〜800の範囲にあることが望ましい。
このように、本実施形態では、第1音響空間232aの体積V1は第2音響空間232bの体積V2よりも小さい。そのため、第1音響空間232aでのヘルムホルツ共振周波数f1は、第2音響空間232bでのヘルムホルツ共振周波数f2よりも高い周波数帯域に現れる。
イヤーパッド25は、たとえば樹脂材料を用いて形成されており、挿通部23aに被せられている。本体部2がユーザの耳EARに装着される際(図2参照)、イヤーパッド25は、挿通部23aはとともに、ユーザの外耳道E2内に挿通される。このとき、イヤーパッド25は、挿通部23aとユーザの外耳道E2の開口部との間をほぼ隙間なく密閉する。そのため、挿通部23aと外耳道E2の開口部との間から入り込む外部の音をほぼ遮断することができる。
<イヤホンマイクのエコー抑制機能>
<イヤホンマイクのエコー抑制機能>
次に、イヤホンマイク1のエコー抑制機能について、スピーカ21の出力音声がマイクロホン22に集音される場合と、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)がマイクロホン22に集音される場合と、に分けて説明する。
<<スピーカの出力音声がマイクロホンに集音される場合>>
<<スピーカの出力音声がマイクロホンに集音される場合>>
まず、スピーカ21の出力音声がマイクロホン22に集音される場合について説明する。図8は、エコー成分を抑制する機構の原理を説明するための概念構成図である。また、図9は、出力音声の集音ブロック図である。また、図10は、エコー成分を抑制する機構の原理を説明するためのグラフである。図10の実線Caは、第1集音孔221aに入力される音声に対するマイクロホン22の感度の周波数特性を示す特性曲線である。また、図10の破線Cbは、第2集音孔221aに入力される音声に対するマイクロホン22の感度の周波数特性を示す特性曲線である。なお、図10では、エコー成分を抑制する機構の原理を理解し易くするために、理想的な状態における特性曲線Ca、Cbを示している。
図8及び図9に示すように、スピーカ21から出力される音圧P1の出力音声は、スピーカ21から第2音響空間232b及び第2開口部231bを経由して外耳道E2に放音される。放音された出力音声は、ユーザの鼓膜E1及び外耳道E2の内壁などで反響される。反響された出力音声は、エコー成分として、第1開口部231aを経由して第1音響空間232aに伝播し、第1集音孔221aに入力される。
このとき、ヘルムホルツの共振現象により、第1音響空間232aに伝播するエコー成分のヘルムホルツ共振周波数f1近傍の周波数帯域において、マイクロホン22の感度が高くなる。しかしながら、第1音響空間232aの体積は前述のように微小である。そのため、ヘルムホルツ共振周波数f1は、図10の特性曲線Caが示すように、マイクロホン22が集音する使用周波数帯域(たとえば300Hz〜3.4kHz)よりも高い周波数帯域に現れる。従って、マイクロホン22の感度は、使用周波数帯域よりも高い周波数帯域では高くなるが、実質的に、使用周波数帯域では高くならずにフラットとなる。
一方、図8及び図9に示すように、スピーカ21の出力音声は、第2音響空間232b内においてスピーカ21から直接第2音孔221bに入力される。そのため、第2集音孔221bに入力される出力音声は、ヘルムホルツの共振現象の影響を受けない。従って、図10の特性曲線Cbが示すように、使用周波数帯域を含む全ての周波数帯域において、マイクロホン22の感度は高くならずにフラットとなる。
よって、マイクロホン22の使用周波数帯域において、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される音声が互いに弱め合うことにより、マイクロホン22に入力されるスピーカ21の出力音声のエコー成分を抑制することができる。
<<外部音源からの入力音声がマイクロホンに集音される場合>>
<<外部音源からの入力音声がマイクロホンに集音される場合>>
次に、外部音源からの入力音声(たとえばユーザの話し声など)がマイクロホン22に集音される場合について説明する。図11は、マイクロホンが入力音声を集音する機構の原理を説明するための概念構成図である。また、図12は、入力音声の集音ブロック図である。また、図13は、マイクロホンが入力音声を集音する機構の原理を説明するためのグラフである。図13では、第1集音孔221aに入力される音声に対するマイクロホン22の感度の周波数特性を示す特性曲線Caを実線で示している。また、第2集音孔221bに入力される音声に対するマイクロホン22の感度の周波数特性を示す特性曲線Cbを破線で示している。なお、図13では、マイクロホン22が入力音声を集音する機構の原理を理解し易くするために、理想的な状態における特性曲線Ca、Cbを示している。
図11及び図12に示すように、イヤホンマイク1が図2のようにユーザの外耳道E2に装着されるとき、音圧P2の入力音声が鼓膜E1及び外耳道E2から第1開口部231aを経由して第1音響空間232aに伝播し、第1集音孔221aに入力される。
このとき、ヘルムホルツの共振現象により、第1音響空間232aに伝播する入力音声のヘルムホルツ共振周波数f1近傍の周波数帯域において、マイクロホン22の感度が高くなる。しかしながら、第1音響空間232aの体積は前述のように微小である。そのため、ヘルムホルツ共振周波数f1は、図13の特性曲線Caが示すように、マイクロホン22が集音する使用周波数帯域よりも高い周波数帯域に現れる。従って、マイクロホン22の感度は、使用周波数帯域外では高くなるが、実質的に、使用周波数帯域では高くならずにフラットとなる。
一方、図11及び図12に示すように、音圧P2の入力音声は鼓膜E1及び外耳道E2から第2開口部231bを経由して第2音響空間232bに伝播し、第2集音孔221bにも入力される。
このとき、ヘルムホルツの共振現象により、第2音響空間232bに伝播する入力音声のヘルムホルツ共振周波数f2近傍の周波数帯域において、マイクロホン22の感度が高くなる。ここで、前述のように、第2音響空間232bの体積V2は第1音響空間232aの体積V1と比較しても非常に大きい。そのため、ヘルムホルツ共振周波数f2は、図13の特性曲線Cbが示すように、マイクロホン22が集音する使用周波数帯域内に現れる。従って、使用周波数帯域におけるマイクロホン22の感度は高くなる。
よって、少なくともマイクロホン22の使用周波数帯域において、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される入力音声に対するマイクロホン22の感度の差が大きく現れる。そのため、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される入力音声が互いに打ち消し合うことがない。従って、マイクロホン22は入力音声を集音することができる。すなわち、イヤホンマイク1は、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)を電子機器(不図示)に送話することができる。
<<エコー成分の抑制>>
<<エコー成分の抑制>>
実際には、マイクロホン22では、スピーカ21の出力音声と、外部音源からの入力音声(ユーザの話し声など)とが同時に集音される。図14は、本実施形態におけるマイクロホンの感度特性の一例を示すグラフである。図14の実線C1は、マイクロホン22にスピーカ21の出力音声(又はそのエコー成分)が入力される際のマイクロホン22の感度の周波数特性の一例を示す特性曲線である。また、実線C2は、マイクロホン22に外部音源からの入力音声(ユーザの入力音声)が入力される際のマイクロホン22の感度の周波数特性の一例を示す特性曲線である。破線C3は、イヤホンマイク1が耳に装着される場合での入力音声に対するマイクロホン22の感度の周波数特性の一例を示す特性曲線である。
図14では、第2音響空間232bでのヘルムホルツ共振周波数f2付近の周波数帯域において、特性曲線C1の感度は特性曲線C2及びC3よりも10(dB)以上低くなっている。よって、イヤホンマイク1は良好なエコー抑制機能を発揮している。
また、特性曲線C2及びC3では、1kHz付近にヘルムホルツ共振周波数f2があるため、ヘルムホルツ共振周波数f2付近の周波数帯域(たとえば1〜2kHz)において、大きな感度が得られている。よって、イヤホンマイク1は、外部音源からの入力音声をマイクロホン22の感度に応じた音圧レベルで電子機器に送話することができる。
なお、特性曲線C2では、マイクロホン22の低周波数側の感度は高周波数側よりも低くなっているが、実際には問題ない。イヤホンマイク1が耳に装着される場合(図2参照)には図14の特性曲線C3のように、低周波数側の感度が高くなるためである。
以上、本実施形態では、イヤホンマイク1は、1つのスピーカ21と、第1及び第2集音孔221a、221bを有するマイクロホン22(差動マイクロホン)と、本体筐体23と、を備える。本体筐体23には、外部に連通する第1及び第2開口部231a、231bと、第1開口部231aに連通する第1音響空間232aと、第2開口部231bに連通する第2音響空間232bとが形成される。第1音響空間232aには、第1集音孔221aに入力される音声が伝播する。第2音響空間232bには、スピーカ21が配置されるとともに、第2集音孔221bに入力される音声が伝播する。また、第2音響空間232bは、第2開口部231bを経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器7として機能する。
この構成では、イヤホンマイク1は1つのスピーカ21を備える。また、第1及び第2音響空間232a、232bはそれぞれ第1及び第2開口部231a、231bを介して本体筐体23の外部に連通する。また、第2音響空間232bにはスピーカ21が配置される。また、第2音響空間232bは、第2開口部231bを経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器7として機能する。そのため、外部音源からの入力音声は、第2音響空間232bにて共振した後、第2集音孔221bに入力される。このとき、第2音響空間232bでのヘルムホルツ共振周波数f2付近の周波数帯域では、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される入力音声の音圧に差が生じる。従って、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される入力音声は、互いに打ち消し合うことなく、マイクロホン22に集音される。また、スピーカ21の出力音声は、第2音響空間232b、第2開口部231b、本体筐体23の外部、第1開口部231a、及び第1音響空間232aを経由して、第1集音孔221aに入力される。また、出力音声は、第2音響空間232b内において第2集音孔221bに直接入力される。そして、第1及び第2集音孔221a、221bに入力されるスピーカ21の出力音声が互いに弱め合うことにより、出力音声の集音が抑制される。従って、イヤホンマイク1は、複数のスピーカ21を必要とすることなく、スピーカ21の出力音声のエコー抑制機能を実現することができる。さらに、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声に由来するノイズ(エコー成分)を抑制しつつ、入力音声を送話することができる。従って、小型化が可能で安価なエコー抑制機能を有するイヤホンマイク1を提供することができる。
また、本実施形態では、第1音響空間232aは、第1開口部231aを経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器7として機能する。また、第2音響空間232bの体積V2は第1音響空間232aよりも大きくなる。
この構成では、本体筐体23の外部から第1及び第2開口部231a、231bを経由して第1及び第2音響空間232a、232bに伝播する音声はヘルムホルツ共振により共振する。さらに、第2音響空間232bの体積V2は第1音響空間232aの体積V1よりも大きい。そのため、第1及び第2音響空間232a、232bの体積比(V2/V1)により、第1音響空間232aのヘルムホルツ共振周波数f1は、第2音響空間232bのヘルムホルツ共振周波数f2よりも高い周波数帯域に現れる。従って、第2音響空間232bのヘルムホルツ共振周波数f2を含む周波数帯域において、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される外部音源からの入力音声を互いに打ち消し合わせないようにすることができる。なお、スピーカ21が第2音響空間232bに配置されているため、第2集音孔221bに入力されるスピーカ21の出力音声は共振しない。従って、上述の周波数帯域において、第1及び第2集音孔221a、221bに入力されるスピーカ21の出力音声を互いに弱め合わせることができる。よって、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、マイクロホン22に入力される外部音源からの入力音声を送話することができる。
さらに、本実施形態では、第1及び第2音響空間232a、232bの体積比(V2/V1)は、第1開口部231aを経由して第1音響空間232aに伝播する音声が少なくとも所定の周波数帯域内で共振しないように設定される。且つ、体積比(V2/V1)は、第2開口部231bを経由して第2音響空間232bを伝播する音声が所定の周波数帯域内で共振するように設定される。こうすれば、所定の周波数領域において、第1及び第2集音孔221a、221bに入力される外部音源からの入力音声を互いに打ち消し合わせないようにすることができる。さらに、第1及び第2集音孔221a、221bに入力されるスピーカ21の出力音声を互いに弱め合わせることができる。従って、イヤホンマイク1は、たとえばマイクロホン22の使用周波数帯域などの所定の周波数領域において、エコー抑制機能を実現することができる。
また、本実施形態では、第1音響空間232aに対する第2音響空間232bの体積比(V2/V1)は5以上且つ800以下であることが望ましい。こうすれば、第1及び第2開口部231a、231bを経由して第1及び第2音響空間232a、232bに伝播する音声に対して、第1音響空間232aでのヘルムホルツ共振周波数f1を、第2音響空間232bでのヘルムホルツ共振周波数f2よりも十分に大きくすることができる。従って、イヤホンマイク1はエコー抑制機能を確実に実現することができる。
また、本実施形態では、第1開口部231aを経由して第1音響空間232aに伝播する音声のヘルムホルツ共振周波数f1は4kHz以上である。また、第2開口部231bを経由して第2音響空間232bに伝播する音声のヘルムホルツ共振周波数f2は1kHz以上且つ2kHz以下である。こうすれば、第1開口部231aを経由して第1音響空間232aに伝播する音声のヘルムホルツ共振周波数f1をマイクロホン22の使用周波数帯域(たとえば300Hz〜3.4Hz)外とすることができる。さらに、第2開口部231bを経由して第2音響空間232bに伝播する音声のヘルムホルツ共振周波数f2をマイクロホン22の使用周波数帯域内とすることができる。従って、マイクロホン22の使用周波数帯域において、イヤホンマイク1は、スピーカ21の出力音声に由来するノイズを抑制しつつ、マイクロホン22に入力される外部音源からの入力音声を送話することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上述の実施形態において、本体部2には2つの集音孔221a、221bを有するマイクロホン22を内蔵しているが、本発明の適用範囲はこの例示に限定されない、マイクロホン22は、第1集音孔221aを有する第1マイクロホンと、第2集音孔221bを有する第2マイクロホンとで構成されてもよい。また、イヤホンマイク1は、図示しない制御回路部により、第1及び第2音声信号に基づく差分音声信号を生成してもよい。或いは、イヤホンマイク1が接続される電子機器(不図示)により、差分音声信号が生成されてもよい。
また、上述の実施形態では、図1のようにイヤホンマイク1は本体部2を1つ備えているが、本発明の定期用範囲はこの構成に限定されない。イヤホンマイク1は、本体部2を2つ備えていてもよい。さらに、2つの本体部2のうちの一方はエコー抑制機能を有していなくてもよい。言い換えると、一方では、スピーカ21は搭載されるが、マイクロホン22を搭載されない構成であってもよい。こうすれば、ユーザは、両方の耳でイヤホンマイク1の出力音声を聴くことができる。
また、上述の実施形態では、第1音響空間232aはヘルムホルツ共振器7として機能しているが、本発明の定期用範囲はこの構成に限定されない。第1音響空間232aは円筒共振器として機能する音響空間であってもよい。なお、このような場合であっても、第1音響空間232aは微小であるため、図10及び図13と同様に、第1音響空間232aでの共振周波数f1はマイクロホン22の使用周波数帯域外に現れる。従って、スピーカ21の出力音声に対するエコー抑制機能を実現できるとともに、エコー抑制機能により出力音声のエコー成分を抑制した入力音声を電子機器(不図示)に送話することができる。
1 イヤホンマイク
2 本体部
21 スピーカ
21a 放音孔
22 マイクロホン
221a 第1集音孔
221b 第2集音孔
23 本体筐体
23a 挿通部
231a 第1開口部
231b 第2開口部
232a 第1音響空間
232b 第2音響空間
25 イヤーパッド
4 ケーブル
5 コネクタ
7 ヘルムホルツ共振器
71 容器
71a 開口
72 首部
EAR 耳
E1 鼓膜
E2 外耳道
2 本体部
21 スピーカ
21a 放音孔
22 マイクロホン
221a 第1集音孔
221b 第2集音孔
23 本体筐体
23a 挿通部
231a 第1開口部
231b 第2開口部
232a 第1音響空間
232b 第2音響空間
25 イヤーパッド
4 ケーブル
5 コネクタ
7 ヘルムホルツ共振器
71 容器
71a 開口
72 首部
EAR 耳
E1 鼓膜
E2 外耳道
Claims (5)
- 1つのスピーカと、第1及び第2集音孔を有する差動マイクロホンと、本体筐体とを備え、
前記本体筐体には、外部に連通する第1及び第2開口部と、第1開口部に連通する第1音響空間と、第2開口部に連通する第2音響空間とが形成され、
第1音響空間には、第1集音孔に入力される音声が伝播し、
第2音響空間には、前記スピーカが配置されるとともに、第2集音孔に入力される音声が伝播し、
第2音響空間は、第2開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能することを特徴とするイヤホンマイク。 - 第1音響空間は、第1開口部を経由して伝播する音声に対してヘルムホルツ共振器として機能し、
第2音響空間の体積は第1音響空間よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のイヤホンマイク。 - 第1及び第2音響空間の体積比は、
第1開口部を経由して第1音響空間に伝播する音声が少なくとも所定の周波数帯域内で共振せず、
第2開口部を経由して第2音響空間に伝播する音声が前記所定の周波数帯域内で共振するように設定されることを特徴とする請求項2に記載のイヤホンマイク。 - 第1音響空間に対する第2音響空間の前記体積比は5以上且つ800以下であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のイヤホンマイク。
- 第1開口部を経由して第1音響空間に伝播する音声の共振周波数は4kHz以上であり、
第2開口部を経由して第2音響空間に伝播する音声の共振周波数は1kHz以上且つ2kHz以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のイヤホンマイク。
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