JP2014159100A - 熱転写受像シート及び画像形成方法 - Google Patents

熱転写受像シート及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速印画においても、印画感度に優れ、コゲ及び折れジワの発生を防止することができる熱転写受像シート、及び当該熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法を提供する。
【解決手段】基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、前記複合多孔質層が、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備え、前記非孔質スキン層の合計厚みが前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、前記複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであることを特徴とする、熱転写受像シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写受像シートと、当該熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法に関するものである。
従来、種々の熱転写記録方式が知られており、その中でも広く用いられている方式として、感熱昇華型転写方式がある。この方式は、昇華性染料を色材として用い、熱転写シートの染料層中の染料を、熱転写受像シートの染料受容層に熱転写して画像を形成するものである。この方式では、熱転写の際に、プリンターのサーマルヘッドで加熱量を調整して3色又は4色の多数の色ドットを、熱転写受像シートの染料受容層に転移させ、該多色の色ドットを順次重ねて階調印画することにより、フルカラーを再現することができる。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間調の再現性や協調性に優れており、フルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
近年、このような感熱昇華型転写方式による熱転写プリンターの印字速度の高速化に伴い、従来の熱転写シートと熱転写受像シートを用いて印画しても、十分な印画濃度が得られないという問題が生じるようになった。そのため、熱転写シート及び熱転写受像シートを改良する試みが多くなされている。
例えば、特許文献1には、プリント画像の均一性および印画濃度の優れた受像シートを提供することを目的として、空隙構造を有する二軸延伸多孔質フィルム層と、その表面上に形成され、厚さ0.5〜5μmの空隙のない二軸延伸非孔質フィルム層とからなる複合シートの前記二軸延伸非孔質フィルム層上に受像層を設けた受像シートが提案されている。
また、特許文献2には、低いカール性および良好な均質性を示し、かつ効率的な熱転写をもたらす熱染料受像体用の基材を提供することを目的として、ミクロボイドを保有する熱可塑性コア層の両面に実質的にボイドを含まない熱可塑性表面層を設けた複合材料フィルムを、支持体と受容層との間に設けた色素受容素子が提案されている。
特開平5−169865号公報 特開平5−246153号公報
熱転写プリンターの印字速度の高速化が益々進行する中、より進行した高速印画時においても印画感度に優れる熱転写受像シートが求められている。更に近年、熱転写プリンターの印字速度の高速化に伴って、画像形成時の熱転写の際に高エネルギーをかけるようになったことから、黒色の熱転写画像を形成した時の黒色の高濃度部に関して色相変動が起こり、印画物表面がマット化し光沢感が無くなる、「コゲ」と呼ばれる画質不良が発生するようになってきた。また、多孔質層を含む熱転写受像シートの印画物は、曲げられたり折られたりした際の跡(以下、「折れジワ」と称する。)が発生し易いという問題がある。このような折れジワが発生すると、印画物の品質を著しく損ねるため、大きな問題となる。
しかしながら、上記特許文献1及び2の出願当時の熱転写プリンターには上述の「コゲ」と呼ばれる画質不良が発生する問題はなく、従来開示されていた熱転写受像シートでは、これらの問題は未だ解決されていない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、高速印画においても、印画感度に優れ、コゲ及び折れジワの発生を防止することができる熱転写受像シートを提供すること、及び当該熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明に係る熱転写受像シートは、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
前記複合多孔質層が、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備え、前記非孔質スキン層の合計厚みが前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、前記複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであることを特徴とする。
本発明に係る画像形成方法は、熱転写受像シートと、熱移行性染料とバインダーとを含有する染料層を設けた熱転写シートとを重ね、印画速度0.5〜1.5msec/lineで、前記熱移行性染料を熱移行させることにより前記熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法において、
前記熱転写受像シートが、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、前記複合多孔質層が、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備え、前記非孔質スキン層の合計厚みが前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、前記複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであることを特徴とする。
本発明によれば、高速印画においても、印画感度に優れ、コゲ及び折れジワの発生を防止することができる熱転写受像シート、及び当該熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法を提供することができる。
本発明に係る熱転写受像シートの一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る熱転写受像シートの他の一例を模式的に示す断面図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、本発明において、「シート」とは、JIS−K6900の定義におけるシートとフィルムを含む意味である。JIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅のわりには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの及び薄いものの両方の意味を含めて、「シート」と定義する。
本発明に係る熱転写受像シートは、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
前記複合多孔質層が、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備え、前記非孔質スキン層の合計厚みが前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、前記複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであることを特徴とする。
従来の多孔質層及び非孔質層を含む熱転写受像シートは、高速印画においては未だ印画感度が不十分であったり、コゲや折れジワが発生し易くなるという問題があった。また、後述の比較例でも示されるように、印画感度とコゲ、及び折れジワは相反しやすいものであった。感熱昇華型転写方式の画像形成においてコゲが発生する理由は種々考えられるが、基材の平滑性が影響して、熱転写受像シートの平滑性が劣る結果、印画時にサーマルヘッドとの接触の偏りが生じ、局所的に過剰熱が加わることが一因と考えられる。また、折れジワが発生し易くなるのは、多孔質層の空隙構造が影響していると考えられる。
それに対し、本発明に係る熱転写受像シートは、多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層を備えた複合多孔質層を含み、且つ、複合多孔質層全体の厚みに対する両面の非孔質スキン層の合計厚みの割合、及び複合多孔質層全体の密度を、それぞれ上記特定の範囲内とすることにより、高速印画においても、優れた印画感度を達成し、且つ、コゲ及び折れジワの発生が抑えられる。
本発明に係る熱転写受像シートが、上記特定の複合多孔質層を有することにより、上記課題を達成できる作用機構は、未解明ではあるが以下のように推定される。すなわち、本発明においては、複合多孔質層全体の厚みに対する両面の非孔質スキン層の合計厚みの割合、及び複合多孔質層全体の密度に注目し、それぞれを上記特定の範囲内とすることにより、複合多孔質層全体として、多孔質コア層が有する空隙構造による熱伝導性及びクッション性の調整と、非孔質スキン層による平滑性と、復元性とのバランスが適切になるため、高速印画において印画感度が向上するのに適した熱伝導性を確保しながら、印画時に局所的又は全体的に過剰熱が加わることが抑制されてコゲが防止され、且つ、良好な復元性により折れジワが防止されると推定される。
図1及び図2に、本発明に係る熱転写受像シートの一例の断面図を模式的に示す。図1に示す熱転写受像シート10は、基材1と、基材1の一方の面に複合多孔質層2と、染料受容層3とをこの順に有し、複合多孔質層2は、多孔質コア層21と、当該多孔質コア層21の両面に積層された非孔質スキン層22a、22bとを備える。
図2に示す熱転写受像シート11は、図1に示す熱転写受像シート10に、さらに接着層4、中間層5、裏面層6が設けられたものである。すなわち、図2に示す熱転写受像シート11は、基材1と、基材1の一方の面に、接着層4と、複合多孔質層2と、中間層5と、染料受容層3とをこの順に有し、基材1の他方の面に、接着層4と、裏面層6とをこの順に有する。複合多孔質層2は、多孔質コア層21と、当該多孔質コア層21の両面に積層された非孔質スキン層22a、22bとを備える。
以下、本発明に係る熱転写受像シートを構成する各層について、詳細に説明する。
(基材)
本発明に用いられる基材としては、複合多孔質層、染料受容層及び必要に応じて設けられたその他の層を支持し、熱転写時の加熱に耐えられるものであれば特に限定されない。
前記基材としては、特に限定はされないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸シートや、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等を挙げることができる。また、これらの材料を2種以上積層した複合シートも使用することができる。
好ましい態様によれば、本発明における基材には、レジンコート紙(以下、RC紙ということがある)が用いられる。好ましい態様によれば、RC紙は、非コート紙からなる芯材の染料受容層側と裏面側(染料受容層側の反対側)の両面にポリオレフィン樹脂層を設けたものである。非コート紙からなる芯材としては、通常使用されるパルプを主体とした非コート紙が用いられる。非コート紙としては、例えば、原紙、写真原紙、および上質紙等が挙げられる。
RC紙に含まれるポリオレフィン樹脂層は、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体等が挙げられ、中でも、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。なお、染料受容層側のポリオレフィン樹脂層には、白色度を向上させるために、酸化チタン等の充填材を添加することが好ましく行われる。
RC紙に染料受容層側のポリオレフィン樹脂層を設けることで、染料受容層側の平滑度が高くなるため、印画物の地合を維持することができる。また、RC紙に裏面側のポリオレフィン樹脂層を設けることで、受像紙のカールのバランスを調整することができる。染料受容層側のポリオレフィン樹脂層の厚さは、5〜25μm程度、裏面側のポリオレフィン樹脂層の厚さは、20〜40μm程度であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂層は、上記の樹脂の塗工液を調整して、塗工、乾燥させて形成したり、紙からなる芯材に、溶融押出し法により形成したりすることができる。本発明では厚さの制御を正確にできる点から、特に溶融押出し法によりポリオレフィン樹脂層を形成することが好ましい。
本発明に用いられる基材の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常1μm〜300μm、好ましくは60μm〜200μm程度である。
(複合多孔質層)
本発明の熱転写受像シートが有する複合多孔質層は、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備える。
前記多孔質コア層は、内部に微細な空隙を有する層であり、一方、前記非孔質スキン層は、内部に微細な空隙を実質的に有しない層である。なお、微細な空隙を実質的に有しないとは、空隙率が1体積%以下であることをいう。
前記複合多孔質層は、熱可塑性樹脂を主成分として含有する層であり、すなわち、前記複合多孔質層を構成する多孔質コア層及び非孔質スキン層は、各々熱可塑性樹脂を主成分として含有する。主成分とは、50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有される成分である。非孔質スキン層は、典型的には熱可塑性樹脂からなる。
多孔質コア層用材料に含まれる熱可塑性樹脂、及び非孔質スキン層用材料に含まれる熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。前記熱可塑性樹脂の主成分としては、中でも、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂が好ましく、更にポリオレフィン樹脂が好ましく、特に、複合多孔質層の密度を本発明で規定する範囲に調整することが容易な点から、ポリプロピレンが好ましい。
また、多孔質コア層と非孔質スキン層とに含まれる熱可塑性樹脂は、異なる種類であっても良いし、同種のものであっても良いが、同種であることが密着性や製造上の点から好ましい。
前記多孔質コア層内部に微細な空隙を形成する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、主成分となる熱可塑性樹脂に、非相溶な有機微粒子及び無機微粒子から選ばれる少なくとも1種を含有した多孔質コア層用材料をシート化し、延伸することにより、海島界面の剥離、または、島を形成する領域の大きな変形によって微細空隙を発生させる方法等が挙げられる。
多孔質コア層用材料としては、具体的には、例えば、ポリプロピレンを主成分とし、それにポリプロピレンより高い融点を有するポリエステルやアクリル樹脂を加えた組成物が挙げられる。この場合、ポリエステルやアクリル樹脂が微細空隙を形成する核剤の役割をする。該ポリエステル、アクリル樹脂の含有量は、いずれの場合もポリプロピレン100質量部に対して2〜10質量部であることが好ましい。上記含有量が2質量部以上の場合には、微細空隙を十分に発生させることができ、印画感度をより向上させることができる。また、含有量が10質量部以下の場合には、耐熱性を十分に担保することができる。
微細で緻密な空隙をより発生させるためには、前記多孔質コア層用材料に、さらにポリイソプレンを加えることができる。すなわち、ポリプロピレンを主成分とし、これにアクリル樹脂又はポリエステル、及びポリイソプレンを配合した組成物をシート化し、延伸することにより多孔質コア層を形成することで、微細で緻密な空隙をより発生させることができる。これにより、熱転写受像シートの印画感度をより向上させることができる。
非孔質スキン層は、例えば、前記熱可塑性樹脂に、必要に応じて適宜添加剤、具体的には例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン等の白色度を高めるための充填材等を含有させた非孔質スキン層用材料を用いて形成することができる。
また、非孔質スキン層は、表側及び裏側共に、単層からなるものであっても良いし、複数の層を積層した多層からなるものであっても良い。
本発明の熱転写受像シートにおいては、前記非孔質スキン層の合計厚みが、前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、好ましくは6.5〜14.5%である。前記複合多孔質層における前記非孔質スキン層の合計厚みの割合が前記範囲内であることにより、本発明の熱転写受像シートは、印画感度に優れ、さらに、良好な平滑性を有するため、コゲの発生を防止することができる。
前記両面の非孔質スキン層のうち、各片面の非孔質スキン層の厚みは、適宜調整されれば良い。中でも、染料受容層側の非孔質スキン層の厚みは、上記合計厚みの割合を満たしながら、3.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることが更に好ましく、1.0μm以下であることが、印画感度の観点から好ましい。また、コゲの抑制の点からは、染料受容層側の非孔質スキン層の厚みは、0.5μm以上であることが好ましい。
なお、本発明において、熱転写受像シートを構成する各層の厚みは、一般的な厚み測定機を用いて測定することができる。
前記非孔質スキン層は、染料受容層側の非孔質スキン層の厚みをaμmとし、基材側の非孔質スキン層の厚みをbμmとしたときに、a<bであることが好ましく、a/bが0.1以上1未満であることが特に好ましい。これにより、コゲの発生を抑制しつつ、印画感度を向上させることができる。コゲの発生を抑制する観点から、非孔質スキン層の合計厚みは一定の割合とする必要があるが、基材側の非孔質スキン層の厚みを大きくすれば当該目的を達成可能であり、染料受容層側の非孔質スキン層の厚みを相対的に小さくすることにより、中でも印画感度に優れ、且つコゲの発生を抑制できることが見出された。
前記多孔質コア層の厚みは、特に限定されないが、通常15〜60μmであり、中でも好ましくは27〜45μmである。
前記複合多孔質層全体の厚みは、特に限定されないが、通常20〜70μmであり、中でも好ましくは30〜50μmである。
本発明の熱転写受像シートにおいては、前記複合多孔質層の密度が、0.65〜0.74g/cmである。これにより、印画感度を向上させ、コゲの発生を抑制し、且つ折れジワの発生を低減させることができる。なお、複合多孔質層の密度は、多孔質コア層及び各非孔質スキン層の密度と厚み、並びに複合多孔質層全体の厚みから、下記式(1)により算出することができる。なお、下記式(1)においては、多孔質コア層を「コア層」とし、表面側(染料受容層側)の非孔質スキン層を「表スキン層」とし、裏面側(染料受容層側とは反対側)の非孔質スキン層を「裏スキン層」とする。
式(1)
(コア層厚み×コア層密度)+(表スキン層厚み×表スキン層密度)+(裏スキン層厚み×裏スキン層密度)=複合多孔質層厚み×複合多孔質層密度
前記複合多孔質層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、予め準備したシート状の複合多孔質層用シートを用いる方法が挙げられる。
前記複合多孔質層用シートの製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、特に限定されないが、例えば以下の(a)〜(d)の方法等が挙げられる。
(a)2台の押出機を使用し、1台の押出機から多孔質コア層用材料を溶融押出しすると共に、他の押出機から非孔質スキン層用材料を溶融押し出しし、それらをダイス内またはダイス外で重ね合わせて積層し、次いで延伸する方法。
(b)多孔質コア層用材料をシート状に押出し成形することにより得られた多孔質コア層用シートを、そのまま若しくは1軸延伸し、その両面に非孔質スキン層用材料を溶融押出しして積層し、次いで延伸する方法。
(c)多孔質コア層用材料及び非孔質スキン層用材料を各々シート状に押出し成形することにより多孔質コア層用シート及び非孔質スキン層用シートを製造し、得られた多孔質コア層用シートの両面に、非孔質スキン層用シートを貼り合わせ、次いで延伸する方法。
(d)多孔質コア層用材料及び非孔質スキン層用材料を各々シート状に押出し成形することにより得られた多孔質コア層用シート及び非孔質スキン層用シートを、各々更に1軸もしくは2軸延伸しておき、延伸後の多孔質コア層用シートの両面に、延伸後の非孔質スキン層用シートを貼り合わせる方法。
前記複合多孔質層用シートの形成方法としては、中でも、上記(a)の方法が、各層の膜厚の制御が容易な点から好ましい。
また、前記複合多孔質層用シートは、適宜必要に応じて接着層を介して基材上に積層することができる。
(染料受容層)
本発明における染料受容層は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。染料受容層に含まれる樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、およびエポキシ樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合体樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートは、熱転写シートとの離型性を向上させるために、染料受容層中に離型剤を含有させることができる。離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものを用いることもできるが、硬化型のものが好ましい。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、および触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型および触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
反応型シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたものが好ましく、アミノ変性シリコーンオイルとしては、KF−393、KF−857、KF−858、X−22−3680、およびX−22−3801C(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられ、エポキシ変性シリコーンオイルとしてはKF−100T、KF−101、KF−60−164、およびKF−103(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。触媒硬化型シリコーンオイルとしてはKS−705、FKS−770、およびX−22−1212(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
これらの硬化型シリコーンオイルの添加量は、染料受容層用材料全体の0.5〜30質量%(固形分換算)が好ましい。なお、本発明において「固形分」とは、溶剤以外のすべての成分を意味する。
染料受容層には、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度をさらに高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、および微粉末シリカ等の顔料や充填材を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、およびリン酸エステル化合物等の可塑剤を添加してもよい。
染料受容層の形成に際し、染料受容層用塗工液の塗工量は、特に限定されないが、乾燥状態で0.5〜10g/m2とすることが好ましい。
(離型層)
また、本発明の熱転写受像シートは、前記染料受容層の表面の少なくとも一部に、上記の離型剤を適当な溶剤に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾燥させることにより、離型層をさらに設けることもできる。離型層を構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物が特に好ましく、離型層の厚さは、特に限定されないが、通常0.01〜5.0μmであり、0.05〜2.0μmが好ましい。また、染料受容層を形成する際に、シリコーンオイルを添加した染料受容層用塗工液を塗布し、塗布後に表面にブリードアウトしたシリコーンオイルを硬化させることによっても離型層を形成することができる。
(接着層)
本発明に係る熱転写受像シートは、図2に記載するように、複合多孔質層2と基材1との間や、後述する裏面層6と基材1との間等に、必要に応じて接着層4を設けることができる。接着層は、ドライラミイネーション、ウェットラミネーション、および貼着後電子線照射により接着させる方法等の貼合方法に応じて、適宜選択することができ、限定されるものではない。接着層を構成する接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリウレタン樹脂等を成分としたものが挙げられる。
(中間層)
本発明の熱転写受像シートは、図2に記載するように、前記複合多孔質層2と前記染料受容層3との間に中間層5を設けても良い。中間層は、複合多孔質層と染料受容層との接着性、白色度、クッション性、隠蔽性、帯電防止性、およびカール防止性等の付与を目的とするものである。中間層としては、従来公知のあらゆる中間層を設けることができる。中間層に含まれるバインダー樹脂としてはポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン系樹脂、およびポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂のうちの活性水酸基を有するものについてはさらにそれらのイソシアネート硬化物をバインダーとすることもできる。
また、中間層には、白色性や隠蔽性を付与するために酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、および炭酸カルシウム等の充填材を添加することができる。さらに、中間層には、白色性を高めるためにスチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、およびベンゾオキサゾール系化合物等を蛍光増白剤として添加したり、印画物の耐光性を高めるためにヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびベンゾフェノン系化合物等を紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤として添加したり、あるいは帯電防止性を付与するためにカチオン系アクリル樹脂、ポリアニリン樹脂、および各種導電性充填材等を添加することができる。中間層の塗工量は、特に限定されないが、乾燥状態で0.5〜5g/m程度が好ましい。
(裏面層)
また、本発明に係る熱転写受像シートは、図2に記載するように、基材1の裏面側(染料受容層3が設けられている側と反対側)に裏面層6を設けても良い。裏面層は、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。中でも本発明においては、裏面層として、熱転写受像シートの搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層を用いることが好ましい。
上記搬送性向上機能およびカール防止機能を示す裏面層を構成する材料としては、所望の搬送性やカール防止性を付与できる材料であれば特に限定されないが、通常、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等からなるバインダー樹脂中に、添加剤として充填材を加えたものが用いられる。
(熱転写受像シートの製造方法)
本発明に係る熱転写受像シートの製造方法は、上述した本発明に係る熱転写受像シートを得られる方法であれば特に限定されず、公知の方法により前記各層を積層することにより製造することができる。例えば、上述した方法により得られた複合多孔質層用シート上に、染料受容層用塗工液、及びその他の必要に応じて設けられる層を形成するための塗工液を、順次塗工、乾燥することにより、染料受容層及びその他の層を形成し、次いで、複合多孔質層用シートの染料受容層側とは反対側の面に、接着層を介して基材を貼り合わせる方法が挙げられる。また、基材上に接着層を介して、上述した方法により得られた複合多孔質層用シートを貼り合わせた後、染料受容層用塗工液、及びその他の必要に応じて設けられる層を形成するための塗工液を、順次塗工、乾燥することにより、本発明に係る熱転写受像シートを製造しても良い。なお、各層を形成するための塗工液としては、必要に応じて溶剤に溶解又は分散させたものを用いることができる。塗工方法は特に限定されず、グラビアコーティング等の公知の方法により行うことができる。
また、本発明に係る熱転写受像シートを構成する各層は、当該各層を形成する材料を予めシートとし、接着層を介して積層することにより、形成することもできる。
(画像形成方法)
本発明に係る画像形成方法は、熱転写受像シートと、熱移行性染料とバインダーとを含有する染料層を設けた熱転写シートとを重ね、印画速度0.5〜1.5msec/lineで、前記熱移行性染料を熱移行させることにより前記熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法において、前記熱転写受像シートとして、上述した本発明に係る熱転写受像シートを用いることを特徴とする。
本発明に係る画像形成方法によれば、上述した本発明に係る熱転写受像シートを使用するため、印画速度0.5〜1.5msec/lineの高速印画においても、高濃度印画を実現することができ、コゲの発生や熱転写受像シートに発生する折れジワを防止することができる。
なお、本発明に係る画像形成方法において、解像度は例えば300dpiとすることができる。
なお、本発明に係る画像形成方法においては、上述の本発明の熱転写受像シートを被転写体とする以外は特に限定されず、熱転写記録装置及び熱転写シートとしては、公知のものを用いることができる。熱転写シートとしては、例えば、基材シートの一方の面に昇華性染料を含有する染料層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱性樹脂を含有する耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものを用いることができ、具体的には例えば、特開2012−158121号公報に記載されるもの等を用いることができる。
(実施例1)
1.複合多孔質層用シートの製造
まず、以下の手順により、複合多孔質層を構成する複合多孔質層用シートを準備した。
メルトインデックス2.5g/10分のポリプロピレン100質量部に対して、水滴保持時間が2秒以内、平均粒子径1.7μmのほぼ単分散の粒径分布を示す球状の架橋アクリル−スチレン系共重合体粒子[メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/スチレン/ジベニルベンゼン=36/27/36/1(質量比)からなるモノマー成分を乳化重合法により重合調製したもの]12質量部、グリセリン樹脂酸エステル0.3質量部およびエルカ酸アミド0.3質量部を混合した樹脂組成物(a)と、メルトインデックス3.0g/10分のポリプロピレン100質量部に対し、上記樹脂組成物(a)における架橋アクリル−スチレン系共重合体微粒子をポリマー型シランカップリング剤で表面処理して得た、水滴保持時間が10分以上の架橋共重合体微粒子を0.1質量部配合した樹脂組成物(b)を使用し、これらを夫々別の溶融押出機を用いて、樹脂温度270℃で厚みが延伸後の状態で(b)/(a)/(b)=4/70/1となる様に重ね合わせて溶融押出しし60℃の冷却ロールで冷却することにより未延伸シートを得た。
次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用し、延伸温度135℃で縦方向に4.5倍延伸し、引き続きテンター式延伸機により、165℃で横方向に8倍延伸した。次いで170℃で熱処理を行い、厚さ45μmの2軸延伸シートとした後、片面にコロナ処理を施すことにより、複合多孔質層用シートを得た。
2.熱転写受像シートの製造
続いて、得られた複合多孔質層用シート上に、下記組成の中間層用塗工液を乾燥後2g/mとなるようにグラビアコーターで塗工し、110℃で1分乾燥した後、その上に下記組成の染料受容層用塗工液を乾燥後4g/mとなるようにグラビアコーターで塗工し、110℃で1分乾燥させて、中間層と染料受容層を形成した。
<中間層用塗工液の組成>
・ポリエステル樹脂(WR−905、日本合成化学(株)製) 13.1質量部
・酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ社製) 26.2質量部
・蛍光増白剤(ベンゾイミダゾール誘導体、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
、商品名:ユビテックスBAC) 0.39質量部
・水/イソプロピルアルコール〔IPA〕(質量比2/1) 60質量部
<染料受容層用塗工液の組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学工業(株)製、商品名:ソルバインC)
60質量部
・エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−3000T)
1.2質量部
・メチルスチル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:24−510)
0.6質量部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5質量部
中間層及び染料受容層が設けられた面とは反対側の複合多孔質層用シートの面に、下記組成の接着層用塗工液を3本リバースロールコート方式で塗布、乾燥して接着層を形成し、当該接着層の上に、RC紙(三菱製紙(株)製、厚さ190μm)をドライラミネーション法により貼り合わせることで、実施例1の熱転写受像シートを作製した。
<接着層用塗工液の組成>
・タケラック A969V(三井化学(株)) 3質量部
・タケネート A−5(三井化学(株)) 1質量部
・酢酸エチル 8質量部
得られた熱転写受像シートは、複合多孔質層を構成する表面側(染料受容層側)非孔質スキン層、多孔質コア層、裏面側(染料受容層側とは反対側)非孔質スキン層の厚みが、それぞれ2.4μm、42.0μm、0.6μmであった。なお、表1においては、表面側非孔質スキン層、多孔質コア層、裏面側非孔質スキン層をそれぞれ単に、表スキン層、コア層、裏スキン層と表示する。
複合多孔質層全体の厚みに対する非孔質スキン層の合計厚みの割合は、6.7%であった。
また、非孔質スキン層の密度は表面側、裏面側とも0.92g/cmであり、多孔質コア層の密度は0.706g/cmであり、各層の密度と厚みから、下記式(1)により算出した複合多孔質層全体の密度は0.72g/cmであった。
式(1)
(コア層厚み×コア層密度)+(表スキン層厚み×表スキン層密度)+(裏スキン層厚み×裏スキン層密度)=複合多孔質層厚み×複合多孔質層密度
(実施例2)
複合多孔質層全体の密度が0.67g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
(実施例3)
表面側スキン層と裏面側スキン層の厚みが表1に示す値となるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
(実施例4)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.70g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
(実施例5)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.70g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
(実施例6)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.70g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。
(実施例7)
各層の厚みが表1に示す値となるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。
(比較例1)
複合多孔質層全体の密度が0.75g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
(比較例2)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.63g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(比較例3)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.69g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
(比較例4)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.61g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを得た。
(比較例5)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.57g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写受像シートを得た。
(比較例6)
各層の厚みが表1に示す値となるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6の熱転写受像シートを得た。
(比較例7)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.68g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例7の熱転写受像シートを得た。
(比較例8)
各層の厚みが表1に示す値となり、且つ複合多孔質層全体の密度が0.62g/cmとなるように、複合多孔質層用シートを形成したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例8の熱転写受像シートを得た。
(評価)
(1)コゲ評価
各実施例及び各比較例で得られた熱転写受像シートと、下記熱転写シートと組み合わせて、下記印画条件にてイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の順に印画を行い、黒ベタ画像(255/255画像)を形成し、得られた黒ベタ画像についてコゲ評価を行った。
(熱転写シート)
基材シートとして厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製 製品名、ルミラー)を用い、その基材シートの一方の面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗工液をグラビアコーティング法で、乾燥後1.0g/m2の厚さになるように塗工、乾燥することにより耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層形成用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 4.55質量部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0質量部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0質量部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・金属石鹸(LBT1830、堺化学工業(株)製) 0.45質量部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.3質量部
・メチルエチルケトン 100.0質量部
・トルエン 100.0質量部
上記の基材シートの耐熱滑性層を設けた面とは反対側の面に、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層用塗工液を、それぞれ固形分換算で1.0g/mの割合で、グラビアコーティング法で塗工、乾燥することにより、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層を形成した。
<イエロー染料層用塗工液>
・分散染料(ホロンブリリアントイエロー−S−6GL) 5.5質量部
・バインダー樹脂 4.5質量部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1質量部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
<マゼンタ染料層用塗工液>
・分散染料(MSレッドG) 1.5質量部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0質量部
・バインダー樹脂 4.5質量部
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1質量部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
<シアン染料層用塗工液>
・分散染料(カヤセットブルー714) 4.5質量部
・バインダー樹脂
(ポリビニルアセトアセタール樹脂KS−5、積水化学工業(株)製) 4.5質量部
・リン酸エステル系界面活性剤 0.1質量部
(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
(印画条件)
サーマルヘッド:F−3598(東芝ホクト電子工業(株)製)
印圧:5kg
発熱体平均抵抗値:5186 Ω
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印加電力:0.16W/dot
印字(記録)速度:0.7msec/line
印字幅:150mm
印加電圧:29V
印字開始温度:28℃
得られた黒ベタ画像を目視により観察し、下記評価基準によりコゲの発生しやすさを評価した。なお、本発明において「コゲ」とは、黒色部の色相変動が起こり、その結果印画物表面がマット化し、光沢感が無くなることをいう。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:印画物にコゲが発生しなかった。
○:印画物全面積の10%未満の面積でコゲが発生した。
△:印画物全面積の10%以上30%未満の面積でコゲが発生した。
×:印画物全面積の30%以上の面積でコゲが発生した。
(2)印画感度評価
各実施例及び各比較例で得られた熱転写受像シートと、上記熱転写シートと組み合わせて、上記印画条件にてイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の順に、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画することにより、3次色のブラック、イエロー、マゼンタ、シアン印画画像を形成し、下記測定条件にて光学反射濃度を測定し、下記評価基準により印画感度を評価した。評価結果を表1に示す。
(測定条件)
測色器:分光測定器 SpectroLino(GretagMacbeth社製)
光源:D65
濃度測定用フィルター:ANSI Status A
[評価基準]
◎:得られた最大光学反射濃度が2.2以上
○:得られた最大光学反射濃度が2.0以上2.2より小さい
△:得られた最大光学反射濃度が1.8以上2.0より小さい
×:得られた最大光学反射濃度が1.8より小さい
(3)折れジワ評価
上記印画感度評価において、画像形成がなされた熱転写受像シートを、染料受容層を内側にして直径20φのガラス製ローラーに巻きつけ、ローラーの軸方向に3往復させ、再度サンプルを伸ばして、目視で折れジワの状態を観察し、下記評価基準により折れジワの発生しやすさを評価した。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:目視で折れジワが判別できない
○:印画物全面積の5%未満の面積に目視で折れジワが見られる
△:印画物全面積の5%以上30%未満の面積に目視で折れジワが見られる
×:印画物全面積の30%以上の面積に目視で折れジワが見られる
(結果のまとめ)
実施例1〜7で得られた熱転写受像シートは、複合多孔質層全体の厚みに対する非孔質スキン層の合計厚みの割合が5〜15%の範囲内であり、且つ複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであったため、コゲの発生が防止され、印画感度に優れ、折れジワが発生しなかった。
一方、比較例1で得られた熱転写受像シートは、複合多孔質層の密度が本発明の特定よりも大きいため、折れジワは発生しなかったものの、印画感度に劣り、コゲが発生した。
比較例2で得られた熱転写受像シートは、非孔質スキン層の厚みが本発明の特定よりも大きく、且つ、複合多孔質層の密度が本発明の特定よりも小さいため、コゲは発生しなかったものの、印画感度に劣り、また、折れジワが発生した。
比較例3で得られた熱転写受像シートは、非孔質スキン層の厚みが本発明の特定よりも大きいため、コゲ及び折れジワは発生しなかったものの、印画感度に劣っていた。
比較例4で得られた熱転写受像シートは、非孔質スキン層の厚みが本発明の特定よりも大きく、且つ、複合多孔質層の密度が本発明の特定よりも小さいため、コゲは発生しなかったものの、折れジワが発生した。なお、印画感度に優れていたのは、非孔質スキン層の厚みが厚かったものの、複合多孔質層の密度が小さかったためと推定される。
比較例5で得られた熱転写受像シートは、複合多孔質層の密度が本発明の特定よりも小さいため、コゲは発生せず、印画感度にも優れていたが、折れジワが発生した。
比較例6及び比較例7で得られた熱転写受像シートは、非孔質スキン層の厚みが本発明の特定より小さいため、印画感度に優れ、折れジワは発生しなかったが、コゲが発生した。
比較例8で得られた熱転写受像シートは、非孔質スキン層の厚みが本発明の特定より大きく、且つ、複合多孔質層の密度が本発明の特定より小さいため、印画感度に劣り、コゲ及び折れジワが発生した。
1 基材
2 複合多孔質層
21 多孔質コア層
22a、22b 非孔質スキン層
3 染料受容層
4 接着層
5 中間層
6 裏面層
10 熱転写受像シート
11 熱転写受像シート

Claims (2)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、
    前記複合多孔質層が、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備え、前記非孔質スキン層の合計厚みが前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、前記複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであることを特徴とする、熱転写受像シート。
  2. 熱転写受像シートと、熱移行性染料とバインダーとを含有する染料層を設けた熱転写シートとを重ね、印画速度0.5〜1.5msec/lineで、前記熱移行性染料を熱移行させることにより前記熱転写受像シートに画像を形成する画像形成方法において、
    前記熱転写受像シートが、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂を含有する複合多孔質層と、染料受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートであって、前記複合多孔質層が、多孔質コア層と、当該多孔質コア層の両面に積層された非孔質スキン層とを備え、前記非孔質スキン層の合計厚みが前記複合多孔質層全体の厚みに対して5〜15%であり、前記複合多孔質層の密度が0.65〜0.74g/cmであることを特徴とする画像形成方法。
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