JP2014159391A - α−オレフィン低重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフィン低重合体の製造方法 Download PDF

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哲史 戸田
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Abstract

【課題】α−オレフィンの低重合反応によるα−オレフィン低重合体の製造方法、特にエチレンの三量化反応による1−ヘキセンの製造方法において、従来よりも目的生成物の高い選択率を達成できる、工業的に有利なα−オレフィン低重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも遷移金属含有化合物、アルミニウム含有化合物及びハロゲン含有化合物のそれぞれに由来する成分から構成される触媒の存在下、溶媒中で原料α−オレフィンの低重合反応を行うことにより、反応生成物であるα−オレフィン低重合体を得るにあたり、一般式(I)で表される化合物を該触媒と共に存在させ、一般式(I)で表される化合物の該遷移金属含有化合物の量に対するモル比が20以上200未満の範囲であるα−オレフィン低重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、触媒の存在下、溶媒中でα−オレフィンを低重合反応させ、α−オレフィン低重合体を得る方法に関し、より詳細には、原料のエチレンを低重合反応させ、1−ヘキセンを得る方法に関するものである。
α−オレフィン低重合体は、オレフィン系重合体のモノマーの原料として、また各種高分子のコモノマーとして、さらには可塑剤や界面活性剤、潤滑油などの原料として広く用いられている有用な物質である。中でも、エチレンを原料として低重合反応により得ることができる1−ヘキセンは、直鎖状低密度ポリエチレンの原料として有用であることが知られている。
通常、α−オレフィンの低重合体は、触媒、中でも均一系触媒を用いて、溶媒の存在下でα−オレフィンを低重合反応させる方法で製造されている。例えば、エチレンの三量化反応により1−ヘキセンを製造する際には、従来より、触媒の構成成分として、遷移金属含有化合物、アルミニウム含有化合物及びハロゲン含有化合物を含む様々な触媒系が検討されてきた。中でも、遷移金属含有化合物として、クロム含有化合物を使用した触媒系(クロム系触媒)はエチレンの三量化反応において、高活性で且つ1−ヘキセンを高い選択率で得ることができる触媒として知られている。この触媒系の成分の一つとして使用されるハロゲン含有化合物は触媒活性や反応生成物の選択率の向上に寄与することが知られており、種々のハロゲン含有化合物が検討されている。例えば、特許文献1には、そのハロゲン含有化合物として、無機あるいは有機ハロゲン化合物を使用できることが記載されており、特許文献2には、2−フルオロ−6−クロロベンゾトリクロリドのような有機ハロゲン化物が有効なハロゲン含有化合物として例示されており、更に特許文献3にはハロゲン含有化合物として直鎖状炭化水素類のハロゲン化物が例示されている。特許文献4には、クロム系触媒を使用してエチレンを三量化して1−ヘキセンを製造した際に、その1−ヘキセン中に有機ハロゲン化物が含有されることが記載されており、その有機ハロゲン化物は、クロム系触媒で使用したハロゲン含有化合物の分解物によって副生するものであり、不飽和有機ハロゲン化物などが例示されている。
特開平6−239920号 公報 中国特許第1256968号明細書 特開平8−134131号 公報 特開2008−179801号 公報
工業的規模でエチレンなどのα−オレフィンを原料として1−ヘキセンなどのα−オレフィン低重合体を製造するにあたり、1−ヘキセンの更なる選択率の向上が望まれており、上記特許文献1〜4に記載のクロム系触媒で使用するハロゲン含有化合物ではその選択率の向上が十分に達成できないという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、α−オレフィンの低重合反応によるα−オレフィン低重合体の製造方法、特にエチレンの三量化反応による1−ヘキセンの製造方法において、従来よりも目的生成物の高い選択率を達成できる、工業的に有利なα−オレフィン低重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、均一系触媒、中でもクロム系における触媒成分としてのハロゲン含有化合物として、従来のハロゲン含有化合物とは異なる、ある特定の構造を有するハロゲンを含む化合物を、触媒と共に反応系内に存在させて反応を行うことで、目的生成物の選択率を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[5]に存する。
[1] 少なくとも遷移金属含有化合物、アルミニウム含有化合物及びハロゲン含有化合物のそれぞれに由来する成分から構成される触媒の存在下、溶媒中で原料α−オレフィンの低重合反応を行うことにより、反応生成物であるα−オレフィン低重合体を得るにあたり、下記一般式(I)で表される化合物を該触媒と共に存在させ、下記一般式(I)で表される化合物の該遷移金属含有化合物の量に対するモル比が20以上200未満の範囲であるα−オレフィン低重合体の製造方法。
Figure 2014159391
(上記式(I)中、Xはハロゲン原子を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。RとR、RとRは互いに連結して環を形成していてもよい。但し、上記式(I)で示される化合物は該ハロゲン含有化合物とは異なる。)
[2] 前記触媒が、構成成分として更に窒素含有化合物を含むことを特徴とする[1]に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
[3] 前記一般式(I)中のハロゲン原子が、塩素であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
[4] 前記遷移金属含有化合物の遷移金属が、クロムであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
[5] 前記α−オレフィンがエチレンであり、前記α−オレフィン低重合体が1−ヘキセンである[1]〜[4]のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
本発明によれば、α−オレフィンの低重合反応によりα−オレフィン低重合体を製造するにあたり、α−オレフィン低重合体の選択率を向上させることができる。
本実施の形態におけるα−オレフィン低重合体(1−ヘキセン)の製造フロー例を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲
内で種々変形して実施することが出来る。
(触媒)
本発明で使用する触媒は、原料α−オレフィンを低重合反応させ、α−オレフィン低重合体を生成できる触媒であれば、特に限定されないが、少なくとも遷移金属含有化合物、アルミニウム含有化合物及びハロゲン含有化合物を、触媒の構成成分として使用し、それら化合物由来の成分からなる触媒系のことを言う。また、触媒活性の向上という観点から、窒素含有化合物を触媒の構成成分として含有することがより好ましい。
(遷移金属含有化合物)
本発明のα−オレフィン低重合体の製造方法において、触媒として使用する遷移金属含有化合物に含有する金属としては、遷移金属であれば特に限定されないが、中でも、周期表第4〜6族の遷移金属が好ましく用いられる。具体的に、好ましくは、クロム、チタン、ジルコニウム、バナジウム及びハフニウムからなる群より選ばれる1種類以上の金属であり、更に好ましくは、クロム又はチタンであり、最も好ましくは、クロムである。
本発明において、触媒の原料として使用される遷移金属含有化合物は、一般式MeZで表される1種以上の化合物である。ここで、一般式中、Meは遷移金属元素、Zは任意の有機基又は無機基もしくは陰性原子、nは1から6の整数を表し、2以上が好ましい。nが2以上の場合、Zは同一又は相互に異なっていても良い。有機基としては、置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基であればよく、具体的には、カルボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル基、アミド基等が挙げられる。また、無機基としては、硝酸基、硫酸基等の金属塩形成基が挙げられる。また、陰性原子としては、酸素、ハロゲン等が挙げられる。なお、ハロゲンが含まれる遷移金属含有化合物は、後述するハロゲン含有化合物には含まれない。
遷移金属がクロムである遷移金属含有化合物(以下、クロム含有化合物と呼ぶことがある)の場合、具体例としては、クロム(IV)−tert−ブトキシド、クロム(III)ア
セチルアセトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル
−3,5−ヘプタンジオナート)、Cr(PhCOCHCOPh)(但し、ここでPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、クロム(III)アセテート、クロム
(III)2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテ
ネート、クロム(III)ヘプタノエート、Cr(CHCOCHCOOCH、塩化
第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム等が挙げられる。
遷移金属がチタンである遷移金属含有化合物(以下、チタン含有化合物と呼ぶことがある)の場合、具体例としては、TiCl4 ,TiBr4 ,TiI4 ,TiBrCl3 ,TiBr2 Cl2 ,Ti(OC2 5 4 ,Ti(OC2 5 2 Cl2 ,Ti(O−n−C3 74 ,Ti(O−n−C3 7 2 Cl2 ,Ti(O−iso−C3 7 4
Ti(O−iso−C3 7 2 Cl2 ,Ti(O−n−C4 9 4 ,Ti(O−n−C4 9 2 Cl2 ,Ti(O−iso−C4 9 4 ,Ti(O−iso−C4 9 2 Cl2 ,Ti(O−tert−C4 9 4 ,Ti(O−tert−C4 9 2 Cl2 ,TiCl(thf)(左記化学式中、thfはテトラヒドロフランを表す)、Ti((CH3 2 N)4 ,Ti((C2 5 2 N)4 ,Ti((n−C3 7 2 N)4 ,Ti((iso−C3 7 2 N)4 ,Ti((n−C4 9 2 N)4 ,Ti((tert−C4 9 2 N)4 ,Ti(OSO3 CH3 4 ,Ti(OSO3 2 5 4 ,Ti(OSO33 7 4 ,Ti(OSO3 4 9 4 ,TiCp2 Cl2 ,T
iCp2 ClBr,Ti(OCOC2 5 4 ,Ti(OCOC2 5 2 Cl2 ,Ti
(OCOC3 7 4 ,Ti(OCOC3 7 2 Cl2 ,Ti(OCOC3 7 4 ,Ti(OCOC3 7 2 Cl2 ,Ti(OCOC4 9 4 ,Ti(OCOC4 9 2 Cl2などが挙げられる。
遷移金属がジルコニウムである遷移金属含有化合物(以下、ジルコニウム含有化合物と呼ぶことがある)の場合、具体例としては、ZrCl4 ,ZrBr4 ,ZrI4 ,ZrBrCl3 ,ZrBr2 Cl2 ,Zr(OC2 5 4 ,Zr(OC2 5 2 Cl2 ,Zr(O−n−C3 7 4 ,Zr(O−n−C3 7 2 Cl2 ,Zr(O−iso−C3 7 4 ,Zr(O−iso−C3 7 2 Cl2 ,Zr(O−n−C4 9 4 ,Zr(O−n−C4 9 2 Cl2 ,Zr(O−iso−C4 9 4 ,Zr(O−iso−C4 9 2 Cl2 ,Zr(O−tert−C4 9 4 ,Zr(O−tert−C4 9 2 Cl2 ,Zr((CH3 2 N)4 ,Zr((C2 5 2 N)4,Zr((n
−C3 7 2 N)4 ,Zr((iso−C3 7 2 N)4 ,Zr((n−C4 9 2 N)4 ,Zr((tert−C4 9 2 N)4 ,Zr(OSO3 CH3 4 ,Zr(OSO3 2 5 4 ,Zr(OSO3 3 74 ,Zr(OSO3 4 9 4 ,Z
rCp2 Cl2 ,ZrCp2 ClBr,Zr(OCOC2 5 4 ,Zr(OCOC2 5 2 Cl2 ,Zr(OCOC3 7 4 ,Zr(OCOC3 7 2 Cl2 ,Zr(OCOC3 74 ,Zr(OCOC3 7 2 Cl2 ,Zr(OCOC4 9 4 ,Zr
(OCOC4 9 2 Cl2 ,ZrCl2 (HCOCFCOF)2,ZrCl2 (CH3
COCFCOCH3 2 などが挙げられる。
遷移金属がハフニウムである遷移金属含有化合物(以下、ハフニウム含有化合物と呼ぶことがある)の場合、具体例としては、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4―(3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレ2ン[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}][1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニ
ル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ハフニウムジクロリド等が挙げられる。
これらの遷移金属含有化合物の中でも、クロム含有化合物が好ましく、クロム含有化合物の中でも、特に好ましくは、クロム(III)2−エチルヘキサノエートである。
(α−オレフィン)
本実施の形態が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法において、原料として使用するα−オレフィンとしては、例えば、炭素数が2〜30の置換又は非置換のα−オレフィンが挙げられる。このようなα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。中でも、本発明の原料のα−オレフィンとしてはエチレンが好適であり、エチレンを原料とした場合、エチレンの三量体である1−ヘキセンが高収率かつ高選択率で得ることができる。
また、エチレンを原料として用いる場合、原料中にエチレン以外の不純物成分を含んでいても構わない。具体的な成分としては、メタン、エタン、窒素、アセチレン、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、硫黄分、水分等が挙げられる。メタン、エタン、窒素については、特に限定されないが、原料のエチレンに対して0.1mol%以下、その他不純物は原料のエチレンに対して1molppm以下であることが好ましい。
(溶媒)
本発明のα−オレフィン低重合体の製造方法では、α−オレフィンの低重合反応を溶媒中で行うことができる。このような溶媒としては特に限定されないが、飽和炭化水素が好適に使用され、好ましくは、例えば、ブタン、ペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、デカリン等の炭素数が1〜20の鎖状飽和炭化水素、又は炭素数が1〜20脂環式飽和炭化水素である。また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素をα−オレフィン低重合体の溶媒として用いてもよい。さらには、α−オレフィンを低重合反応させ生成した1−ヘキセン、デセン等を反応溶媒として用いることもできる。これらは、単独で使用する他、混合溶媒として使用することもできる。
これらの溶媒の中でも、ポリエチレン等の副生ポリマーの生成あるいは析出を抑制できるという点、更に、高い触媒活性が得られる傾向にあるという点から、炭素数が4〜10の鎖状飽和炭化水素又は脂環式飽和炭化水素を用いるのが好ましく、具体的には、n−ヘプタン又はシクロヘキサンが好ましく、最も好ましくは、n−ヘプタンである。
(アルミニウム含有化合物)
本発明で使用するアルミニウム含有化合物は、トリアルキルアルミニウム化合物、アルコキシアルキルアルミニウム化合物、又は水素化アルキルアルミニウム化合物等などが挙げられる。トリアルキルアルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが挙げられる。アルコキシアルミニウム化合物の具体的な例としては、ジエチルアルミニウムエトキシドが挙げられる。水素化アルキルアルミニウム化合物の具体的な例としては、ジエチルアルミニウムヒドリドが挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアルミニウム化合物が好ましく、トリエチルアルミニウムが更に好ましい。これらの化合物は、単一の化合物を使用しても、複数の化合物を混合して用いても良い。
(ハロゲン含有化合物)
本発明において、ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合
物、ベンジルクロリド骨格含有化合物、3個以上のハロゲン原子を有する炭素数1以上の直鎖状ハロゲン化炭化水素、3個以上のハロゲン原子を有する炭素数3以上の環状ハロゲン化炭化水素の1種以上の化合物が挙げられる(ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物は、アルミニウム含有化合物には含まない)。例えば、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ベンジルクロリド、(1−クロロエチル)ベンゼン、2−メチルベンジルクロリド、3−メチルベンジルクロリド、4−メチルベンジルクロリド、4−エチルベンジルクロリド、4−イソプロピルベンジルクロリド、4−tert−ブチルベンジルクロリド、4−ビニルベンジルクロリド、α−エチル−4−メチルベンジルクロリド、α,α´−ジクロロ−o−キシレン、α,α´−ジクロロ−m−キシレン、α,α´−ジクロロ−p−キシレン、2,4−ジメチルベンジルクロリド、2,5−ジメチルベンジルクロリド、2,6−ジメチルベンジルクロリド、3,4−ジメチルベンジルクロリド、2,3,5,6−テトラメチルベンジルクロリド、1−(クロロメチル)ナフタレン、1−(クロロメチル)−2−メチルナフタレン、1,4−ビス−クロロメチル−2,3−ジメチルナフタレン、1,8−ビス−クロロメチル−2,3,4,5,6,7−ヘキサメチルナフタレン、9−(クロロメチル)アントラセン、9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン、7−(クロロメチル)ベンズアントラセン、7−クロロメチル−12−メチルベンズアントラセン、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,2,3−トリクロロシクロプロパン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,4−ビス(トリクロロメチル)−2,3,5,6−テトラクロロベンゼン等が挙げられる。ただし、本発明のハロゲン含有化合物には後述の一般式(I)で示される化合物は含まれない。
(窒素含有化合物)
本発明では、上記の遷移金属含有化合物、アルミニウム含有化合物、及びハロゲン含有化合物に加えて、更に、窒素含有化合物を触媒成分として含むことが好ましい。本発明において、窒素含有化合物としては、アミン、アミド又はイミド等が挙げられる。アミン類としては、例えばピロール化合物が挙げられ、具体例としては、ピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、2,5−ジエチルピロール、2,4−ジエチルピロール、2,5−ジ−n−プロピルピロール、2,5−ジ−n−ブチルピロール、2,
5−ジ−n−ペンチルピロール,2,5−ジ−n−ヘキシルピロール、2,5−ジベンジルピロール,2,5−ジイソプロピルピロール、2−メチル−5−エチルピロール、2,5−ジメチル−3−エチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アセチルピロール、インドール、2−メチルインドール、2つのピロール環が置換基を介して結合したジピロール等のピロール又はこれらの誘導体が挙げられる。誘導体としては、例えば、金属ピロライド誘導体が挙げられ、具体例としては、例えば、ジエチルアルミニウムピロライド、エチルアルミニウムジピロライド、アルミニウムトリピロライド、ジエチルアルミニウム(2,5−ジメチルピロライド)、エチルアルミニウムビス(2,5−ジメチルピロライド)、アルミニウムトリス(2,5−ジメチルピロライド)、ジエチルアルミニウム(2,5−ジエチルピロライド)、エチルアルミニウムビス(2,5−ジエチルピロライド)、アルミニウムトリス(2,5−ジエチルピロライド)等のアルミニウムピロライド類、ナトリウムピロライド、ナトリウム(2,5−ジメチルピロライド)等のナトリウムピロライド類、リチウムピロライド、リチウム(2,5−ジメチルピロライド)等のリチウムピロライド類、カリウムピロライド、カリウム(2,5−ジメチルピロライド)等のカリウムピロライド類が挙げられる。なお、アルミニウムピロライド類は、上述のアルミニウム含有化合物には含まれない。また、ハロゲンを含有するピロール化合物は、上述のハロゲン含有化合物には含まれない。
アミド類としては、例えば、アセトアミド、N−メチルヘキサンアミド、スクシンアミ
ド、マレアミド、N−メチルベンズアミド、イミダゾール−2−カルボキソアミド、ジ−2−テノイルアミン、β−ラクタム、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム又はこれらと周期表の1、2若しくは13族の金属との塩が挙げられる。
イミド類としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボキシイミド、スクシンイミド、フタルイミド、マレイミド、2,4,6−ピペリジントリオン、ペルヒドロアゼシン−2,10−ジオン又はこれらと周期律表の1、2若しくは13族の金属との塩が挙げられる。スルホンアミド類およびスルホンイミド類としては、例えば、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−メチルトリフルオロメチルスルホンアミド、又はこれらと周期律表の1〜2若しくは13族の金属との塩が挙げられる。これらの化合物は単一の化合物で使用しても、複数の化合物で使用しても良い。
本発明では、これらの中でも、アミン類が好ましく、中でも、ピロール化合物がより好ましく、特に好ましくは2,5−ジメチルピロール又はジエチルアルミニウム(2,5−ジメチルピロライド)である。
(触媒前調製)
本発明において、低重合反応に用いられる触媒は、遷移金属含有化合物とアルミニウム含有化合物とが予め接触しない、又は予めの接触時間が短い態様で、原料α−オレフィンと触媒とを接触させるのが好ましい。このような接触態様により、選択的に原料α−オレフィンの低重合反応を行うことができ、原料α−オレフィンの低重合体を高収率で得ることができる。なお、本発明において、「遷移金属含有化合物と、アルミニウム含有化合物とが予め接触しない、又は予めの接触時間が短い態様」とは、反応の開始時だけでなく、その後原料α−オレフィン及び各触媒成分を反応器へ追加供給する際においても上記の態様が維持されることを意味する。しかし、上記の特定の態様は、触媒の調製の際に要求される好ましい態様であり、触媒が調製された後は無関係である。従って、すでに調製された触媒を反応系から回収し再利用する場合は、上記の好ましい態様に関係なく触媒を再利用することができる。
遷移金属含有化合物とアルキルアルミニウム化合物とが予め接触する態様で触媒を使用した場合にα−オレフィンの低重合反応の活性が低くなる理由は、未だ詳らかではないが、次の様に推定される。
すなわち、遷移金属含有化合物とアルキルアルミニウムとを接触させた場合、遷移金属含有化合物に配位している配位子とアルキルアルミニウム化合物中のアルキル基との間で配位子交換反応が進行し、不安定になると考えられる。そのため、アルキル−遷移金属含有化合物の分解還元反応が優先して進行し、その結果、α−オレフィンの低重合反応に不適当なメタル化が起こり、α−オレフィンの低重合反応の活性が低下する。
そのため、触媒が、例えば、上記の4成分、即ち遷移金属含有化合物(a)、窒素含有化合物(b)、アルミニウム含有化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)の場合は、各成分の接触の態様は、通常、(1)触媒成分(b)、(c)及び(d)を含む溶液中に触媒成分(a)を導入する方法、(2)触媒成分(a)、(b)及び(d)を含む溶液中に触媒成分(c)を導入する方法、(3)触媒成分(a)及び(d)を含む溶液中に触媒成分(b)及び(c)を導入する方法、(4)触媒成分(c)及び(d)を含む溶液中に触媒成分(a)及び(b)を導入する方法、(5)触媒成分(a)及び(b)を含む溶液中に触媒成分(c)及び(d)を導入する方法、(6)触媒成分(b)及び(c)を含む溶液中に触媒成分(a)及び(d)を導入する方法、(7)触媒成分(c)を含む溶液中に触媒成分(a)、(b)及び(d)を導入する方法、(8)触媒成分(a)を含む溶液中に触媒成分(b)〜(d)を導入する方法、(9)各触媒成分(a)〜(d)をそれぞれ同時かつ独立に反応器に導入する方法などによって行われる。そして、上記の各溶液は、通常、反応に使用される溶媒を使用して調製される。
本発明では、α−オレフィン低重合体の生成する反応系内に、上述の触媒と共に下記一
般式(I)で表される化合物を存在させることを特徴とする。
Figure 2014159391
(上記式(I)中、Xはハロゲン原子を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。RとR、RとRは互いに連結して環を形成していてもよい。但し、上記式(I)で示される化合物は該ハロゲン含有化合物の構造とは異なる。)
上記式(I)で表される化合物が上述の触媒系と共に反応系に存在すると、目的生成物の選択率が向上する理由は、明確でないが、以下のような理由が推測される。
オレフィンの重合の触媒触媒においては、一般的に、活性点が多種類のマルチサイト触媒と一種類のシングルサイト触媒があることが知られている。マルチサイト触媒では各活性点から様々な分子量の重合物が生成し組成分布が広くなるが、シングルサイト触媒では目的の分子量の重合物が生成し組成分布が狭くなる。本反応系内で触媒の構成成分となりうる上記の化合物を混合し、溶媒中で均一系触媒が形成されるが、この時に形成される触媒は、目的とするα−オレフィン低重合体を高選択率で生成できる能力を有する触媒(A
)と様々な分子量のα−オレフィン低重合体を生成する触媒(B)の少なくとも2種類が
存在するマルチサイト触媒であると考えられる。この触媒(B)は原料α−オレフィンの低重合反応では目的とする低重合以外の低重合体も多く生成することから、触媒(B)が存在すると目的の低重合体の選択率を低下させる。上記式(I)で表される化合物は、触媒(A)よりも触媒(B)により強く結合することにより、触媒(B)の触媒としての機能を低下させるため、目的の低重合体以外の低重合体の生成が抑制され、結果として目的の低重合体の選択率が向上すると考えられる。
本発明において、遷移金属含有化合物に対する上記一般式(I)で示される化合物のモル比は20以上200未満、好ましくは20以上150以下、さらに好ましくは20以上100以下である。このモル比は、反応系に触媒を構成する成分である化合物と共に供給したり、反応後に触媒系を含む溶媒をリサイクルして反応系に再度供給して使用する際には、その反応系の後工程の精製工程において、使用される蒸留塔の還流比を調整して溶媒から分離して供給量を減らしたりすることで調整することができる。
なお、上記一般式(I)で示される化合物は、上述のハロゲン含有化合物と構造が異なるものであり、触媒の構成成分として使用されるハロゲン含有化合物が反応系内で分解し他の成分(原料のα−オレフィンも含む)と反応して生成する副生物であってもよい。
上記式(I)中のXは、ハロゲン原子を表し、具体的には、塩素、臭素、フッ素、又はヨウ素が挙げられ、好ましくは塩素又は臭素であり、最も好ましくは、塩素である。
上記式(I)中のR〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、特には限定されないが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。置換基を有していてもよい炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ビニル基などが挙げられ、好ましくはアルキル基であり、更に好ましくは、炭素数が1〜10の直鎖状または分岐状の
アルキル基である。また、R〜Rが炭化水素基の場合、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、任意の炭素原子上に置換基を有していてもよく、その置換基の具体例として、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基などがある。また、RとR、RとRは互いに連結して環を形成していてもよい。
式(I)中のXが塩素であるハロゲン添加剤の具体例としては、テトラクロロエチレン
、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、塩化ビニル、1,3−ジクロロプロペン、2,3−ジクロロ−1−プロペン、2−クロロプロペン、1−クロロ−2−メチルプロペン、ヘキサクロロプロペン、テトラクロロシクロプロペン、2−クロロ−3−メチレン−1,4−ペンタジエン、3,3−ジフルオロヘキサクロロ−1,4−ペンタジエン、1−クロロシクロヘキセン等が挙げられる。好ましくは、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレンである。
式(I)中のXが臭素である芳香族系ハロゲン含有化合物の具体例としては、1,2−
ジブロモエチレン、臭化ビニル、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン等が挙げられる。
式(I)中のXがフッ素又はヨウ素である芳香族系ハロゲン含有化合物の具体例として
は、1,1−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヨウ化ビニル、ヘキサフルオロプロペン等が挙げられる。
(低重合反応条件)
本発明で使用する触媒の各構成成分の比率は、特に限定されないが、通常、遷移金属含有化合物1モルに対し、ハロゲン含有化合物は1モル〜50モル、好ましくは1モル〜30モルである。又は窒素含有化合物やアルミニウム含有化合物を含む場合は、遷移金属含有化合物1モルに対し、窒素含有化合物は、1モル〜50モル、好ましくは1モル〜30
モルであり、アルミニウム含有化合物は1モル〜200モル、好ましくは10モル〜150モルである。
本発明において、触媒の使用量は特に限定されないが、通常、溶媒1リットルあたり、遷移金属含有化合物の遷移金属1原子あたり1.0×10−9モル〜0.5モル、好ましくは5.0×10−9モル〜0.2モル、更に好ましくは1.0×10−8モル〜0.05モルとなる量である。
このような触媒を用いることにより、例えば、エチレンを原料とした場合、選択率90%以上でエチレンの三量体であるヘキセンを得ることができる。さらに、この場合、ヘキセンに占める1−ヘキセンの比率を99%以上にすることができる。
本発明では、反応温度としては、特に限定されないが、通常、0〜250℃であり、好ましくは50〜200℃、更に好ましくは80〜170℃である。
また、反応圧力としては、特に限定されないが、通常、常圧〜250kgf/cmであり、好ましくは、5〜150kgf/cm、さらに好ましくは、10〜100kgf/cmの範囲である。
本発明では、反応器内での滞留時間は、特に限定されないが、通常1分〜10時間、好ましくは3分〜3時間、更に好ましくは5分〜40分の範囲である。
本発明の反応形式は、特に限定されないが、回分式、半回分式または連続式のいずれであってもよい。
(α−オレフィン低重合体の製造方法)
本発明におけるα−オレフィン低重合体とは、モノマーであるα−オレフィンが数個結合したオリゴマーを意味する。具体的には、モノマーであるα−オレフィンが2個〜10個結合した重合体のことである。
次に、α−オレフィンとしてエチレンを用い、α−オレフィン低重合体としてエチレンの三量体である1−ヘキセンへの低重合を例に挙げ、α−オレフィン低重合体の製造方法について説明する。
図1は、本実施の形態におけるα−オレフィン低重合体の製造フロー例を説明する図である。
図1に示すエチレンを原料とする1−ヘキセンの製造フロー例には、エチレンを触媒存在下で重合させる完全混合撹拌型の反応器10と、反応器10から抜き出された反応液から未反応エチレンガスを分離する脱ガス槽20と、脱ガス槽20から抜き出された反応液中のエチレンを溜出させるエチレン分離塔30と、エチレン分離塔30から抜き出された反応液中の高沸点物質(以下、HB(ハイボイラー)と記すことがある。)を分離する高沸分離塔40と、高沸分離塔40の塔頂から抜き出された反応液を蒸留し、1−ヘキセンを溜出させるヘキセン分離塔50とが示されている。また、脱ガス槽20及びコンデンサー16において分離された未反応エチレンを循環配管21を介して反応器10に循環させる圧縮機17が設けられている。
図1おいて、反応器10としては、例えば、撹拌機10a、バッフル、ジャケット等が付設された従来周知の形式のものが挙げられる。撹拌機10aとしては、パドル、ファウドラー、プロぺラ、タービン等の形式の撹拌翼が、平板、円筒、ヘアピンコイル等のバッフルとの組み合わせで用いられる。
図1に示すように、エチレン供給配管12aから圧縮機17及び第1供給配管12を介して、反応器10にエチレンが連続的に供給される。ここで、圧縮機17が、例えば、2段圧縮方式の場合、1段目に循環配管31を接続し、2段目に循環配管21を接続することにより、電気代の低減が可能である。また、第2供給配管13からは、エチレンの低重合反応に使用する溶媒が反応器10に供給される。
他方、予め、触媒槽1cで調製された遷移金属含有化合物及び窒素含有化合物が、触媒供給配管13aを介して第2供給配管13から反応器10に供給され、第3供給配管14からアルミニウム含有化合物が供給され、第4供給配管15からハロゲン含有化合物が供給される。ここで、ハロゲン含有化合物は、供給管を介して第2供給配管13から反応器10に供給してもよい。また、アルミニウム含有化合物も遷移金属含有化合物との接触時間が数分以内で反応器10に供給されるのであれば、供給管を介して第2供給配管13から反応器10に供給してもよい。この方式の際には、第2供給配管13と反応器10の間にスタティックミキサー等を設置すれば、各触媒成分の均一混合液を反応器10に供給できる為、反応器10の撹拌動力が低減される。なお、上述の一般式(I)で示される化合物を反応器に存在させる方法としては、触媒供給配管13a、第3供給配管14、第4供給配管15などから触媒の構成成分とする化合物と共に供給すればよい。また、反応器から留出した上述の一般式(I)で示される化合物は、反応器の後系にある蒸留塔で溶媒から分離される。ヘキセン分離塔50の塔底で溶媒が抜き出され、溶媒循環配管52を通して、第2供給配管13から反応器に溶媒を循環再使用する際に、蒸留塔の蒸留条件によっては、第2供給配管13からも一般式(I)で示される化合物の一部が反応器に供給することができる。そのため、連続運転においては、反応器内の一般式(I)で示される化合物の存在量を調製するには、各蒸留塔の蒸留条件を調整することで、その量を調整することができる。
本実施の形態では、反応器10における反応温度としては、特に限定されないが、通常、0℃〜250℃、好ましくは50℃〜200℃、更に好ましくは80℃〜170℃である。
また、反応圧力としては、特に限定されないが、通常、常圧〜250kgf/cm、好ましくは、5kgf/cm〜150kgf/cm、さらに好ましくは、10kgf
/cm〜100kgf/cmの範囲である。
さらに、エチレンの三量化反応は、特に限定されないが、反応液中のエチレンに対する1−ヘキセンのモル比((反応液中の1−ヘキセンのモル濃度)/(反応液中のエチレンのモル濃度))が0.05〜1.5であることが好ましく、特に0.10〜1.0となるように行うのが好ましい。即ち、連続反応の場合には、反応液中のエチレンと1−ヘキセンとのモル比が上記の範囲になるように、触媒濃度、反応圧力その他の条件を調節することが好ましい。また、回分反応の場合には、モル比が、上記の範囲にある時点において、エチレンの三量化反応を中止させることが好ましい。
このような条件でエチレンの三量化反応を行うことにより、1−ヘキセンよりも沸点の高い成分の副生が抑制されて、1−ヘキセンの選択率が更に高められる傾向がある。
次に、反応器10の底から配管11を介して連続的に抜き出された反応液は、失活剤供給配管11aから供給された失活剤によりエチレンの三量化反応が停止され、脱ガス槽20に供給される。脱ガス槽20では上部から未反応エチレンが脱ガスされ循環配管21、コンデンサー16、圧縮機17及び第1供給配管12を介して反応器10に循環供給される。また、脱ガス槽20の槽底から未反応エチレンが脱ガスされた反応液が抜き出される。脱ガス槽20の運転条件は、特に限定されないが、通常、温度0℃〜250℃、好ましくは、50℃〜200℃であり、圧力は常圧〜150kgf/cm、好ましくは、常圧〜90kgf/cmである。
続いて、脱ガス槽20において未反応エチレンが脱ガスされた反応液は、脱ガス槽20の槽底から抜き出され、配管22によりエチレン分離塔30に供給される。エチレン分離塔30では蒸留により塔頂部からエチレンが溜出され、循環配管31及び第1供給配管12を介して反応器10に循環供給される。また、塔底部からエチレンが除去された反応液が抜き出される。
エチレン分離塔30の運転条件は、特に限定されないが、通常、塔頂部圧力は常圧〜30kgf/cm、好ましくは、常圧〜20kgf/cm、また、還流比(R/D)は、特に限定されないが、通常、0〜500、好ましくは、0.1〜100である。
次に、エチレン分離塔30においてエチレンを溜出した反応液は、エチレン分離塔30の塔底から抜き出され、配管32により高沸分離塔40に供給される。高沸分離塔40では、塔底から高沸点成分(HB:ハイボイラー)が抜き出される。また、塔頂から配管42により高沸点成分が分離された溜出物が抜き出される。高沸分離塔40の運転条件は、特に限定されないが、通常、塔頂部圧力0.1kgf/cm〜10kgf/cm、好ましくは、0.5kgf/cm〜5kgf/cm、また、還流比(R/D)は、特に限定されないが、通常、0〜100、好ましくは、0.1〜20である。
続いて、高沸分離塔40の塔頂部から溜出物として抜き出された反応液は、配管41によりヘキセン分離塔50に供給される。ヘキセン分離塔50では塔頂部から蒸留による1−ヘキセンが配管51により溜出される。また、ヘキセン分離塔50の塔底部からヘプタンが抜き出され、溶媒循環配管52を介して溶媒ドラム60にバイパスされ、さらに、第2供給配管13を介して反応溶媒として反応器10に循環供給される。このとき、ヘキセン分離塔50の塔底部から抜き出され反応器10に連続的に循環供給されるヘプタン溶媒中に、触媒成分の一つである窒素含有化合物もヘプタン溶媒と同様に循環されて反応器10に連続的に循環供給されてもよい。定常状態における循環供給する溶媒中の窒素含有化合物の濃度は、特に限定されないが、5.0wtppm以上であることが好ましい。ヘキセン分離塔50の運転条件は、特に限定されないが、通常、塔頂部圧力0.1kgf/cm〜10kgf/cm、好ましくは、0.5kgf/cm〜5kgf/cm、また、還流比(R/D)は、通常、0〜100、好ましくは0.1〜20である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す製造フローおいて、原料α−オレフィンにエチレンを用いてエチレンの連続低重合反応による1−ヘキセンの製造を行った。図1の製造フローは、エチレンをn−ヘプタン溶媒、触媒存在下で低重合させる完全混合撹拌型の反応器10と、反応器10から抜き出された反応液から未反応エチレンガスを分離する脱ガス槽20、脱ガス槽20から抜き出された反応液中のエチレンを溜出させるエチレン分離塔30、エチレン分離塔30から抜き出された反応液中の高沸点物質を分離する高沸分離塔40、高沸分離塔40の塔頂から抜き出された反応液を蒸留し1−ヘキセンを溜出させるヘキセン分離塔50を有している。また、ヘキセン分離塔50にて分離されたn−ヘプタン溶媒を溶媒循環配管52、第2供給配管13を介して、溶媒ドラム60を経由せずに直接反応器10に循環させている。さらには、脱ガス槽20及びコンデンサー16において分離された未反応エチレンを循環配管21、圧縮機17を介して反応器10に循環させている。
まず、触媒各成分の溶液を、0.2MPaGの窒素シールタンク(図示せず)から供給した。触媒供給配管13aから、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)と、2,5−ジメチルピロール(b)をクロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)に対し3.0当量で第2供給配管13を介して反応器10に連続供給した。また、トリエチルアルミニウム(c)を第3供給配管14から反応器10に連続供給した。さらに、ヘキサクロロエタン(d)を第4供給配管15から反応器10に連続供給した。反応条件は、反応器内温度が140℃、反応器内圧力は7.0MPaGであった。
反応器10から連続的に抜き出される反応液は、失活剤供給配管11aから触媒失活剤として2−エチルヘキサノールが添加され、その後、順次、脱ガス槽20、エチレン分離塔30、高沸分離塔40、ヘキセン分離塔50にて処理された。
第2供給配管13から、ヘキセン分離塔50にて分離される回収n−ヘプタン溶媒を、溶媒ドラム60(0.2MPa窒素シール)をバイパスさせ、反応器10に連続供給した。なお、このときの高沸分離塔40の還流比は0.6であった。また、2,5−ジメチルピロール(b)は高沸分離塔で全量分離されず、一部は回収n−ヘプタン溶媒とともにリサイクルされて再度反応器にフィードした。この時、回収n−ヘプタン溶媒中の2,5−ジメチルピロール(b)の濃度は、10wtppmであった。
定常状態における反応器10内での上記の(a)〜(d)の各触媒成分の比(モル比)は(a):(b):(c):(d)=1:20:80:5であり、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)に対するパークロロエチレンのモル比は20であった。なお、このパークロロエチレンはハロゲン含有化合物の分解により副生し反応器に存在しているものであった。
C6選択率は循環n−ヘプタン溶媒とエチレン分離塔30の塔底液をそれぞれガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、GC−17AAF)でそれぞれの組成分析を行い、反応器内で生成した各成分の選択率を算出した。触媒活性は、1時間で供給される触媒成分のクロム原子重量(単位:g)当たりの1時間で生成する生成物重量(単位:g)である。結果を表−1に示す。
[実施例2]
実施例1において、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)に対するパークロロエチレンのモル比を53とした以外は全て同様の方法で行った。結果を表−1に示す

[比較例1]
実施例1において、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)に対するパークロロエチレンのモル比を14した以外は全て同様の方法で行った。結果を表−1に示す。
[実施例3]
実施例1において、反応器10内での触媒成分のモル比を(a):(b):(c):(d)=1:20:80:4、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)に対するパークロロエチレンのモル比を67とした以外は全て同様の方法で行った。結果を表−1に示す。
[比較例2]
実施例3において、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)に対するパークロロエチレンのモル比を7とした以外は全て同様の方法で行った。結果を表−1に示す。
[実施例4]
140℃で2時間以上加熱乾燥させた500mlの撹拌機を有したガラス製3つ口フラスコに、窒素雰囲気下で2,5−ジメチルピロールを0.37g(3.9mmol)とn−ヘプタンを234ml仕込み、これにn−ヘプタンで50g/Lに希釈したトリエチルアルミニウムを8.91ml(3.9mmol)添加した。その後、フラスコをオイルバスに浸した後に昇温し、窒素雰囲気下でn−ヘプタンの還流を98℃で3時間行うことで、窒素含有化合物であるアルミニウムピロライドを調製した。その後、80℃まで冷却した。続いて、n−ヘプタンで50g/Lに希釈した2−エチルヘキサン酸クロムを6.26ml(0.65mmol)添加した。添加後、窒素雰囲気下で80℃、30分間加熱、撹拌し、触媒液を調製した。
次に、140℃で2時間以上加熱乾燥させた500mlオートクレーブ一式を熱時のまま組み立て、真空窒素置換を行った。このオートクレーブには耐圧の破裂板を備えた触媒フィード管を取り付けた。フィード管には、予め上記のように調製した触媒液を2ml仕込んだ。オートクレーブの胴側には、反応溶媒であるn−ヘプタンを235ml、n−ヘプタンで43g/Lに希釈したパークロロエチレンを2ml(0.52mmol)及びガスクロマトグラフィーで組成分析する際の内部標準として使用するn−ウンデカンを5ml、n−ヘプタンで6.67g/Lに希釈したトリエチルアルミニウムを5.3ml(0.31mmol)とn−ヘプタンで2.76g/Lに希釈したヘキサクロロエタンを3ml(0.031mmol)仕込んだ。
オートクレーブを140℃まで加温した後、触媒フィード管よりエチレンを導入し、エチレンの低重合反応を開始した。反応中はオートクレーブ内の温度を140℃、全圧を7MPaGに保持した。
60分後、エタノールを加えて反応を停止させた。そして反応液と反応ガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィーでそれぞれの組成分析を行った。また反応液をろ過して乾燥後、反応液中に含まれるポリマー重量の測定を行った。触媒活性は、60分の反応により得られた反応生成物の質量(単位:g)を、反応に使用した遷移金属触媒成分中の遷移触媒金属原子量(単位:g)で除して求めた。結果を表−2に示す。
[比較例3]
実施例4において、オートクレーブの胴側に仕込むn−ヘプタンを233ml、n−ヘプタンで43g/Lに希釈したパークロロエチレンを仕込まなかった以外は、全て同様の方法で行った。結果を表−2に示す。
[比較例4]
実施例4において、オートクレーブの胴側に仕込むn−ヘプタンを231ml、n−ヘ
プタンで43g/Lに希釈したパークロロエチレンを4ml(1.04mmol)仕込んだこと以外は、全て同様の方法で行った。結果を表−2に示す。
Figure 2014159391
Figure 2014159391
表−1,表−2より、反応器内のクロム含有化合物とパークロロエチレン(一般式(I)で示される化合物)のモル比が20以上200未満の範囲にある時は、触媒活性をある程度保ったまま、C6選択率やC6中の1−ヘキセン含有量が向上することが分かる。
10…反応器、
10a…撹拌機、
11,22,32,41,42,51…配管、
11a…失活剤供給配管
12…第1供給配管、
12a…エチレン供給配管、
13…第2供給配管、
13a…触媒供給配管、
14…第3供給配管、
15…第4供給配管、
21,31…循環配管、
16…コンデンサー、
17…圧縮機、
20…脱ガス槽、
30…エチレン分離塔、
40…高沸分離塔、
50…ヘキセン分離塔、
52…溶媒循環配管、
60…溶媒ドラム

Claims (5)

  1. 少なくとも遷移金属含有化合物、アルミニウム含有化合物及びハロゲン含有化合物のそれぞれに由来する成分から構成される触媒の存在下、溶媒中で原料α−オレフィンの低重合反応を行うことにより、反応生成物であるα−オレフィン低重合体を得るにあたり、下記一般式(I)で表される化合物を該触媒と共に存在させ、下記一般式(I)で表される化合物の該遷移金属含有化合物の量に対するモル比が20以上200未満の範囲であるα−オレフィン低重合体の製造方法。
    Figure 2014159391
    (上記式(I)中、Xはハロゲン原子を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。RとR、RとRは互いに連結して環を形成していてもよい。但し、上記式(I)で示される化合物は該ハロゲン含有化合物とは異なる。)
  2. 前記触媒が、構成成分として更に窒素含有化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
  3. 前記一般式(I)中のハロゲン原子が、塩素であることを特徴とする請求項1又は2に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
  4. 前記遷移金属含有化合物の遷移金属が、クロムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
  5. 前記α−オレフィンがエチレンであり、前記α−オレフィン低重合体が1−ヘキセンである請求項1〜4のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
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