JP2014160631A - 発電システム及び発電システムの運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SOFCとガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせた発電システムを、電力の需給ギャップに追従して運転させること。
【解決手段】発電システム10は、圧縮機21と燃焼器22とを有し、発電機12を駆動して電力を発生するガスタービン11と、空気極及び燃料極を有するSOFC13と、前記圧縮機で圧縮された圧縮酸化性ガスを、前記燃料電池の前記空気極に供給する第2圧縮空気供給ライン31と、前記燃料電池の前記燃料極に燃料ガスを供給する第2燃料ガス供給ライン41と、前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの供給量を変更する前の所定時間における前記燃料電池の出力の平均値を求め、得られた平均値に対しSOFC13に供給する前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの量を調整する制御装置100と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも燃料電池とガスタービンとを組み合わせた発電システム及び発電システムの運転方法に関するものである。
燃料電池としての固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下SOFC)は、用途の広い高効率な燃料電池として知られている。このSOFCは、イオン導電率を高めるために作動温度が高くされているので、ガスタービンの圧縮機から吐出された空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用することができる。また、SOFCは、利用できなかった高温の燃料及び排熱をガスタービンの燃焼器において燃料及び酸化性ガスとして使用することができる。また、SOFCの他に作動温度が高い燃料電池として溶融炭酸塩形燃料電池が知られており、SOFCと同様にガスタービンとの連携による排熱利用が検討されている。
このため、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されるように、高効率発電を達成することができる発電システムとして、SOFCとガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせたものが各種提案されている。特許文献1及び特許文献2に記載されたコンバインドシステムは、SOFCと、このSOFCから排出された排燃料ガスと排出空気とを燃焼するガスタービン燃焼器と、空気を圧縮してSOFCに供給する圧縮機を有するガスタービンとを設けたものである。
特開2009−205930号公報 特開2004−220941号公報
近年、電力供給に対する取り組みとして、送電の損失を低減するため、マイクログリッド又はスマートグリッドといった比較的小さなエリア内で、需要と供給とを完結させることが検討されている。特に、そのような電力供給に対する取り組みの中で、電力供給源として、風力発電又は太陽光発電等の自然エネルギーの導入が進められている。既存の電力供給と比較して、マイクログリッド又はスマートグリッドを導入することにより、容量設定に対して需要側の変動による電力系統への影響が大きくなると想定される。さらに、自然エネルギーを導入することによっても供給側の変動が大きくなる。需要と供給との差(短時間の負荷変動)が大きいと、負荷変動に伴う需給ギャップを緩和するための制御が必要となり、短時間に負荷変動に対応できなければ、系統の電力の周波数又は電圧が変動し、電源品質が低下する可能性があるので、発電システム側は、負荷変動に追従して発電量(出力)を調整する必要がある。
また、一般に、ガスタービンコンバインドサイクル等の火力発電設備は、電力系統が短時間の周期で負荷変動する瞬時負荷変動に対しては応答性が低いことから、例えば、二次電池(蓄電池)による需給ギャップの調整、負荷器等で余剰電力を消費、一部の自然エネルギー発電機器の停止若しくは導入量の制限又はスマートグリッド外部からの電力補充等で負荷変動への対応を行っている。しかし、このような方法は、経済性や効率が低い傾向にあり、電力の供給安定性に課題があることから、火力発電設備において早い応答性を確保することが求められている。
本発明は、SOFCとガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせた発電システムにおいて、電力の需給ギャップに追従して運転させることを目的とする。
本発明の発電システムは、圧縮機と燃焼器とを有し、発電機を駆動して電力を発生するガスタービンと、空気極及び燃料極を有する燃料電池と、前記圧縮機で圧縮された圧縮酸化性ガスを、前記燃料電池の前記空気極に供給する圧縮酸化性ガス供給ラインと、前記燃料電池の前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの供給量を変更する前の所定時間における前記燃料電池の出力の平均値を求め、得られた平均値に対して前記燃料電池に供給する前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの量を調整する制御装置と、を備える。
この発電システムは、燃料電池の出力が、燃料ガス及び圧縮酸化性ガスの供給量を制御する機能、例えば、制御弁又はブロワ等が動作する前の所定時間における出力の平均値となるように、燃料ガス及び圧縮酸化性ガスの供給量を求め、燃料電池に供給する。このようにすることで、この発電システムは、バッファとして機能する燃料電池の系内に保有される燃料及び圧縮酸化性ガスの量を略一定とすることができるので、電力の需給ギャップ、特に短期間における電力の需給ギャップが発生した場合でも、燃料電池から安定して電力を取り出すことができる。その結果、発電システムは、電力の需給ギャップに追従した運転が可能になる。
前記ガスタービンの排ガスGによって生成された蒸気Sによって駆動されて発電する蒸気タービンを備え、前記制御装置は、前記燃料電池の出力が所定の閾値以下となった場合には、前記ガスタービン及び前記蒸気タービンのうち少なくとも一方の出力を低下させ、前記ガスタービン及び前記蒸気タービンのうち少なくとも一方の出力の低下分を前記燃料電池に出力させることが好ましい。このようにすることで、発電システムは、燃料電池のバッファとしての機能を有効に発揮させることができるので、電力の需給ギャップに追従した運転が可能になる。
前記制御装置は、前記燃料電池の出力が予め定めた所定の範囲内となるように、前記ガスタービンの出力を調整することが好ましい。このようにすることで、燃料電池の出力は、予め設定された燃料電池の出力の上限及び下限の間になるので、燃料電池は、バッファとしての機能を有効に発揮することができる。
前記圧縮酸化性ガスの温度を上昇させて前記燃料電池の前記空気極に供給する昇温装置を備えることが好ましい。発電システムは、昇温装置を備えることにより、燃料電池の作動温度の低下を抑制することができるので、燃料電池を安定して動作させることができる。
前記燃料電池に前記燃料ガス供給ライン及び前記圧縮酸化性ガス供給ラインの少なくとも一方にバッファタンクを設けることで、需給ギャップへの対応能力を向上させることが可能である。バッファタンクに燃料ガス、圧縮酸化性ガスが蓄えられることにより、燃料電池がガス系統に保持するガス量を増加させることができる。その結果、発電システムは、燃料電池のバッファとしての機能をさらに有効に発揮させることができるので、電力の需給ギャップが大きい場合等であっても、これに追従した運転が可能になる。
前記燃料ガスを供給するライン側のバッファタンクと前記燃料ガスを供給するラインとの間及び前記圧縮酸化性ガス供給ライン側のバッファタンクと前記圧縮酸化性ガス供給ラインとの間の少なくとも一方に、弁装置を有することが好ましい。このようにすることで、燃料電池を起動又は停止する場合等において、バッファタンクを燃料電池から切り離して燃料電池の系内容積の増加を抑制できるので、迅速な起動又は停止が実現できる。
本発明の発電システムの運転方法は、圧縮機と燃焼器とを有し、発電機を駆動して電力を発生するガスタービンと、空気極及び燃料極を有する燃料電池と、前記圧縮機で圧縮された圧縮酸化性ガスを、前記燃料電池の前記空気極に供給する圧縮酸化性ガス供給ラインと、前記燃料電池の前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、を備えた発電システムによって発電するにあたり、前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの供給量を変更する前の所定時間における前記燃料電池の出力の平均値を求める工程と、前記平均値に対して前記燃料電池に供給する前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの量を調整する工程と、を備えることを特徴とする。
この発電システムの運転方法は、燃料電池の出力が、燃料ガス及び圧縮酸化性ガスの供給量を制御する機能、例えば、制御弁又はブロワ等が動作する前の所定時間における出力の平均値となるように、燃料ガス及び圧縮酸化性ガスの供給量を求め、燃料電池に供給する。このようにすることで、この発電システムの運転方法は、バッファとして機能する燃料電池の系内に保有される燃料及び圧縮酸化性ガスの量を略一定とすることができるので、電力の需給ギャップ、特に短期間における電力の需給ギャップが発生した場合でも、燃料電池から安定して電力を取り出すことができる。その結果、発電システムの運転方法は、電力の需給ギャップに追従した運転が可能になる。
本発明は、SOFCとガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせた発電システムにおいて、電力系統の短時間の負荷変動に追従して運転させることができるので、応答性を高めた運転が可能となる。その結果、本発明は、ガスタービンと蒸気タービンとのコンバインドシステムにSOFCを組み合わせた発電システムにおいて、SOFCの運転制御を行うことで、既存の発電システムよりも経済性と効率が高く、さらに需要側の負荷変動速度と同等の出力変化速度(数ミリ秒〜数十ミリ秒オーダ)で応答できる発電システムを実現することができる。
図1は、実施例1の発電システムを表す概略構成図である。 図2は、発電システムの発電量の変動を示す図である。 図3は、発電システムが備えるSOFCに対する燃料ガス及び空気の供給量を示す図である。 図4は、実施例2の発電システムを表す概略構成図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る発電システム及び発電システムの運転方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
実施例1の発電システムは、固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCと称する)とガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたトリプルコンバインドサイクル(Triple Combined Cycle:登録商標)である。このトリプルコンバインドサイクルは、ガスタービンコンバインドサイクル発電(GTCC)の上流側にSOFCを設置することにより、SOFC、ガスタービン、蒸気タービンの3段階で電気を取り出すことができるため、極めて高い発電効率を実現することができる。なお、以下の説明では、本発明の燃料電池として固体酸化物形燃料電池を適用して説明するが、この形式の燃料電池に限定されるものではない。
図1は、実施例1の発電システムを表す概略構成図である。実施例1において、図1に示すように、発電システム10は、ガスタービン11及び発電機12と、SOFC13と、蒸気タービン14及び発電機15とを有している。この発電システム10は、ガスタービン11による発電と、SOFC13による発電と、蒸気タービン14による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るようにしたものである。
ガスタービン11は、圧縮機21、燃焼器22、タービン23を有しており、圧縮機21とタービン23とは、回転軸24により一体回転可能に連結されている。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気Aを圧縮する。燃焼器22は、圧縮機21から第1圧縮空気供給ライン26を通して供給された圧縮空気A1と、第1燃料ガス供給ライン27から供給された燃料ガスL1とを混合して燃焼する。タービン23は、燃焼器22から排ガス供給ライン28を通して供給された排ガス(燃焼ガス)Gにより回転する。なお、図示しないが、タービン23は、圧縮機21で圧縮された圧縮空気A1が車室を通して供給され、この圧縮空気A1を冷却空気として翼などを冷却する。発電機12は、タービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転することで発電することができる。なお、ここで、燃焼器22に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2の各燃料ガスは、例えば、液化天然ガス(LNG)、水素(H2)及び一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)などの炭化水素ガス、石炭など炭素質原料のガス化設備により製造したガスを用いることが可能である。
SOFC13は、還元剤としての高温の燃料ガスと、酸化剤としての高温の空気(酸化性ガス)とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行うものである。このSOFC13は、圧力容器内に空気極と固体電解質と燃料極が収容されて構成される。空気極に圧縮機21で圧縮された一部の圧縮空気A2が供給され、燃料極に燃料ガスL2が供給されることで発電を行う。また、SOFC13に供給される酸化性ガスは、酸素を略15%〜30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気との混合ガス又は酸素と空気の混合ガス等が使用可能である(以下、SOFC13に供給される酸化性ガスを空気という)。
このSOFC13は、第1圧縮空気供給ライン26から分岐した第2圧縮空気供給ライン(圧縮酸化性ガス供給ライン)31が連結され、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気(圧縮酸化性ガス)A2を空気極の導入部に供給することができる。この第2圧縮空気供給ライン31は、供給する空気量を調整可能な制御弁32と、圧縮空気A2を昇圧可能なブロワ(昇圧機)33とが空気の流れ方向に沿って設けられている。制御弁32は、第2圧縮空気供給ライン31における空気の流れ方向の上流側に設けられ、ブロワ33は、制御弁32の下流側に設けられている。なお、制御弁32とブロワ33の配置は、図1の配置に限定されることはなく、ブロワや制御弁の形式によって、順序を逆にして配置してもよい。SOFC13は、空気極で用いられた排空気(排酸化性ガス)A3を排出する排空気ライン34が連結されている。この排空気ライン34は、空気極で用いられた排空気A3を外部に排出する排出ライン35と、燃焼器22に連結される排酸化性ガス供給ライン36とに分岐される。つまり、排空気ライン34と排酸化性ガス供給ライン36とは、SOFC13の空気極で用いられた排空気A3を、燃焼器22に供給する排酸化性ガス供給ラインとして機能する。換言すれば、排酸化性ガス供給ライン36は、排空気A3の流れ方向の上流側の一部が、排空気ライン34となっている。排出ライン35は、排出する空気量を調整可能な制御弁37が設けられ、排酸化性ガス供給ライン36は、SOFC13及びガスタービン11間の系統を切り離すための遮蔽弁38が設けられている。
また、SOFC13は、燃料ガスL2を燃料極の導入部に供給する、燃料ガス供給ラインとしての第2燃料ガス供給ライン41が設けられている。第2燃料ガス供給ライン41は、供給する燃料ガス量を調整可能な制御弁42が設けられている。SOFC13は、燃料極で用いられた排燃料ガスL3を排出する排燃料ライン43が連結されている。この排燃料ライン43は、外部に排出する排出ライン44と、燃焼器22に連結される排燃料ガス供給ライン45とに分岐される。排出ライン44は、排出する燃料ガス量を調整可能な制御弁46が設けられ、排燃料ガス供給ライン45は、供給する燃料ガス量を調整可能な制御弁47と、燃料を昇圧可能なブロワ48が排燃料ガスL3の流れ方向に沿って設けられている。制御弁47は、排燃料ガス供給ライン45における排燃料ガスL3の流れ方向の上流側に設けられ、ブロワ48は、制御弁47の排燃料ガスL3の流れ方向の下流側に設けられている。なお、制御弁47とブロワ48の配置は、図1の配置に限定されることはなく、ブロワや制御弁の形式によって、順序を逆にして配置してもよい。
また、SOFC13は、排燃料ライン43と第2燃料ガス供給ライン41とを連結する燃料ガス再循環ライン49が設けられている。燃料ガス再循環ライン49は、排燃料ライン43の排燃料ガスL3を第2燃料ガス供給ライン41に再循環する再循環ブロワ50が設けられている。燃料ガス再循環ライン49は、SOFC13の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインとして機能する。
蒸気タービン14は、排熱回収ボイラ(HRSG)51で生成された蒸気Sによりタービン52を回転するものである。この排熱回収ボイラ51は、ガスタービン11(タービン23)からの排ガスライン53が連結されており、空気と高温の排ガスGとの間で熱交換を行うことで、蒸気Sを生成する。蒸気タービン14(タービン52)は、排熱回収ボイラ51との間に、蒸気供給ライン54と給水ライン55とが設けられている。そして、給水ライン55は、復水器56と給水ポンプ57とが設けられている。発電機15は、タービン52と同軸上に設けられており、タービン52が回転することで発電することができる。なお、排熱回収ボイラ51で熱が回収された排ガスGは、大気へ放出される。なお、本実施例においては、排ガスGをHRSG51の熱源として利用しているが、排ガスGはHRSG51以外の各種機器の熱源として利用することも可能である。
本実施例の発電システム10の作動について説明する。発電システム10を起動する場合、ガスタービン11が起動した後に、蒸気タービン14及びSOFC13が起動する。
まず、ガスタービン11にて、圧縮機21が空気Aを圧縮し、燃焼器22が圧縮空気A1と燃料ガスL1とを混合して燃焼し、タービン23が排ガスGにより回転することで、発電機12が発電を開始する。次に、蒸気タービン14において、排熱回収ボイラ51により生成された蒸気Sによりタービン52が回転し、これにより発電機15が発電を開始する。
SOFC13では、まず、圧縮空気A2を供給して昇圧を開始し、加熱を開始する。排出ライン35の制御弁37と排酸化性ガス供給ライン36の遮蔽弁38を閉止し、第2圧縮空気供給ライン31のブロワ33を停止した状態又はブロワ33を運転した状態で、制御弁32又は加圧専用の図示されていない制御弁を所定開度だけ開放する。なお、ここで制御弁32において昇圧速度を制御するための開度調整を行う。すると、圧縮機21で圧縮した一部の圧縮空気A2が第2圧縮空気供給ライン31からSOFC13側へ供給される。これにより、SOFC13側は、圧縮空気A2が供給されることで圧力が上昇する。
一方、SOFC13では、その燃料極側に、第2燃料ガス供給ライン41から燃料ガスL2、図示されていない圧縮空気供給ライン31の分岐から圧縮空気(酸化性ガス)A2、窒素等の不活性ガスを供給して昇圧を開始する。排出ライン44の制御弁46と排燃料ガス供給ライン45の制御弁47を閉止し、ブロワ48を停止した状態で、第2燃料ガス供給ライン41の制御弁42を開放すると共に、燃料ガス再循環ライン49の再循環ブロワ50を駆動する。なお、再循環ブロワ50は、燃料極側の加圧前に起動していてもよい。すると、燃料ガスL2が第2燃料ガス供給ライン41からSOFC13側へ供給されると共に、排燃料ガスL3が燃料ガス再循環ライン49により再循環する。これにより、SOFC13側は、燃料ガスL2、圧縮空気A2、不活性ガス等が供給されることで圧力が上昇する。
そして、SOFC13の空気極側の圧力が圧縮機21の出口圧力になると、制御弁32にてSOFC13への供給空気流量を制御すると共に、ブロワ33が起動していなければ、ブロワ33を駆動する。それと同時に遮蔽弁38を開放してSOFC13からの排空気A3を排酸化性ガス供給ライン36から燃焼器22に供給する。このとき、制御弁37も開放してSOFC13からの排空気A3の一部を排出ライン35から排出してもよい。すると、圧縮空気A2がブロワ33によりSOFC13側へ供給される。それと同時に制御弁46を開放してSOFC13からの排燃料ガスL3を排出ライン44から排出する。そして、SOFC13における空気極側の圧力と燃料極側の圧力とが目標圧力に到達すると、SOFC13の昇圧が完了する。
その後、SOFC13の圧力制御が安定したら、制御弁37が開となっている場合は閉止する一方、遮蔽弁38の開放を維持する。このため、SOFC13からの排空気A3が排酸化性ガス供給ライン36から燃焼器22に供給され続ける。また、排燃料ガスL3の成分が燃焼器22での燃焼が可能な成分となったら、制御弁46を閉止する一方、制御弁47を開放してブロワ48を駆動する。すると、SOFC13からの排燃料ガスL3が排燃料ガス供給ライン45から燃焼器22に供給される。このとき、第1燃料ガス供給ライン27から燃焼器22に供給される燃料ガスL1を排燃料ガスL3の供給量に応じて減量する。
この状態になると、ガスタービン11の駆動による発電機12での発電、SOFC13での発電、蒸気タービン14の駆動による発電機15での発電が全て行われることとなり、発電システム10が定常運転となる。
図示しないが、SOFC13は、複数の圧力容器が並列に配置されており、それぞれにSOFCのセルが複数集積したモジュールを複数容器内に配置することで大きな出力が得られる電源設備である。SOFC13が備える圧力容器のそれぞれは、第2圧縮空気供給ライン(圧縮酸化性ガス供給ライン)31から昇圧された空気が供給されるとともに、第2燃料ガス供給ライン41から昇圧された燃料ガスL2及び燃料ガス再循環ライン49により再循環される排燃料ガスL3が供給されている。SOFC13において、複数の圧力容器、第2圧縮空気供給ライン31、第2燃料ガス供給ライン41及び燃料ガス再循環ライン49は、SOFC13に対するガス系統(系内)を構成している。
発電システム10は、制御装置100を備えている。制御装置100は、例えば、コンピュータを有した装置である。制御装置100は、発電システム10が備えるガスタービン11、SOFC13及び蒸気タービン14の発電量(出力)を制御する。例えば、制御装置100は、前述した制御弁32、ブロワ33、制御弁37、遮蔽弁38、制御弁42、制御弁46、制御弁47、ブロワ48及び再循環ブロワ50等を制御することにより、SOFC13の発電量を制御する
発電システム10が備えるSOFC13は、一般に燃料電池単体では出力密度が小さく、複数の燃料電池を集積させた構成となっていることから、熱容量及び系内容積が大きくなる。よって、比較的短時間かつ小さな負荷変化によって消費される燃料ガス及び空気に対し、SOFC13のガス系統に保持される燃料ガス及び空気が相対的に大きい。また、SOFC13は、熱容量が大きいことから、燃料ガス及び空気の流量制御等の制御が追従しないような早い負荷変化において温度変化が小さい。また、SOFC13の出力は、一般にSOFC13から直流電力を抜き出し、電力系統と連系するパワーコンディショナによって制御される。パワーコンディショナは、半導体素子等を使用した電気回路であり、一般的には制御弁32、42等よりもはるかに早い追従速度を有する。例えば、制御弁32、42等の追従速度が数秒オーダであるのに対し、パワーコンディショナは、数ミリ秒ms〜数十ミリ秒(1/1000秒)のオーダでSOFC13の出力を制御することが可能である。発電システム10が備える制御装置100は、このパワーコンディショナと連携した制御を行う機能も有している。
前述した理由から、SOFC13を備える発電システム10は、負荷変動に応じて出力されるパワーコンディショナからの指令によってSOFC13の発電量を調整することにより、ガスタービン11及び蒸気タービン14の運転制御に負荷指令を与えることがなく、負荷変動に追従して発電量(出力)を調整することができる。
図2は、発電システムの発電量の変動を示す図である。図3は、発電システムが備えるSOFCに対する燃料ガス及び空気の供給量を示す図である。図2の実線aは、発電システム10が備えるSOFC13の発電量Pの変動を示しており、実線bは、発電システム10が備えるガスタービン11及び蒸気タービン14の発電量Pの変動を示している。図3の実線cは、図2に示す発電量Pの変動があったときにおける、SOFC13への燃料ガス及び空気の供給量Qの変動を示している。
発電システム10は、系統に接続されている自然エネルギーの発電量又は需要側の負荷の変動、すなわち電力系統の負荷変動に対応するため、制御装置100によって数ミリ秒〜数十ミリ秒のオーダで追従するように出力が制御される。この場合、燃料ガス及び空気の供給量Qの制御は、制御弁32、42等の動作速度の制約により数秒オーダでの追従となることから、負荷変動に伴う出力制御に対応した空気及び燃料ガスの消費分を負荷変動より遅れて追従させるようにしている。
SOFC13のガス系統に保有されるガス量をバッファとしてSOFC13の発電に利用することで、瞬時の出力変動に対応することができる。SOFC13が出力変動に対応した結果、ガス系統が保有するガス量の増減分は、出力変動への対応より遅れたタイミングで、SOFC13に供給される燃料及び空気の量を制御することによって対応すればよい。制御装置100は、SOFC13がバッファとしての機能を発揮できるように、具体的には、SOFC13のガス系統に保有される燃料及び空気の量が略一定となるように、SOFC13に対する燃料ガス及び空気の供給量Qを制御する。
SOFC13の発電量Pに応じて燃料ガス及び空気の供給量Qの最適値は変化する。このため、制御装置100は、SOFC13への燃料ガス及び空気の供給量を変更する前の所定時間(例えば、数秒〜数十秒間)におけるSOFC13の発電量(出力)の平均値を求める。SOFC13への燃料ガス及び空気の供給量を変更する前とは、例えば、燃料ガス及び空気の供給量Qの制御機能、具体的には制御弁32、42等が動作する前である。制御装置100は、SOFC13への燃料ガス及び空気の供給量を変更する前、すなわち、制御弁32、42等といった、燃料ガス及び空気の供給量Qの制御機能が動作していない期間において、所定時間におけるSOFC13の発電量(出力)の平均値を求める。
制御装置100は、前述した発電量の平均値が得られたら、この平均値に対して、SOFC13に供給する燃料ガス及び空気の供給量Qを適切な値に調整する。すなわち、制御装置100は、SOFC13の発電量が、前述した発電量の平均値となるように、燃料ガス及び空気の供給量Qを求め、SOFC13に供給する。このようにすることで、発電システム10は、バッファとして機能するSOFC13のガス系統に保有される燃料及び空気の量を略一定とすることができるので、SOFC13から安定して電力を取り出すことができる。
このような制御により、SOFC13の負荷が低い状態で長時間継続した場合には、SOFC13の作動温度が最適な温度域から外れてしまう可能性がある。具体的には、SOFC13は熱容量が大きいため、短時間では温度は変化しないが、長時間では温度が変化する可能性がある。SOFC13の温度が低下すると、SOFC13は熱容量が大きいため、再度の昇温に時間を要する。このため、制御装置100は、数分〜数十分程度の間におけるSOFC13の平均の出力が予め定めた所定の閾値以下となった場合には、SOFC13の出力の平均値が前述した所定の閾値以上となるように、ガスタービン11及び蒸気タービン14の少なくとも一方の出力を低下させ、その低下分の出力をSOFC13が出力するように制御する。このような制御により、SOFC13の出力の平均値は前述した所定の閾値以上となり、SOFC13の出力低下を抑制できる。その結果、発電システム10は、SOFC13のバッファとしての機能を有効に発揮させて、系統に接続されている自然エネルギーの発電量又は需要側の負荷の短時間における変動、すなわち、短時間における電力の需給ギャップが発生した場合にも柔軟に対応できる。
発電システム10は、SOFC13に供給する空気の温度を上昇させて、SOFC13の空気極に供給する昇温装置を備えてもよい。この昇温装置は、例えば、図1に示す圧縮空気供給ライン31に設けることができる。昇温装置としては、例えば、電気ヒーター又は燃焼器等を用いることができる。制御装置100は、昇温装置によってSOFC13に供給される空気の温度を調整することにより、SOFC13の作動温度を制御する。このようにすることで、制御装置100は、SOFC13の作動温度の低下を抑制することができるので、SOFC13を安定して動作させることができる。また、電気ヒーターを使用した場合には、電気ヒータでの消費電力を需給ギャップの調整機能として使用することもできる。
ガスタービン11の出力又は大気温度により、ガスタービン11との取合点の温度、圧力又はSOFC13に供給可能な空気の量は変動する。このため、SOFC13の発電量(出力)には、前述した変動に応じた上限及び下限を設定する必要がある。SOFC13の出力の上限は、ガスタービン11から供給可能な空気量、SOFC13の本体、発電システム10が備えるその他の機器の容量、その他のガスタービン11側における制約を考慮して設定される。その他のガスタービン11側における制約は、例えば、発熱量が小さいSOFC13の排燃料の受け入れ可能な量等である。SOFC13の出力の下限は、前述の通り、SOFC13の温度低下に関するものの他、発電システム10が備える各種機器の制御範囲の下限に基づいて設定される。また、SOFC13の出力の下限は、ガスタービン11の燃焼器22に戻る排燃料が過剰に小さくなることによってガスタービン11の燃焼器22で発生するNOx量を抑制する等も考慮して設定される。
制御装置100は、SOFC13の発電量(出力)が予め定めた所定の範囲内(前述した上限と下限との間)となるように、ガスタービン11の発電量(出力)を調整してもよい。この場合、制御装置100は、例えば、協調運転するガスタービン11の出力、大気温度、天候又は需要予測等の指標に基づき、ガスタービン11の発電量(出力)を調整する。このようにすることで、SOFC13の発電量が、予め設定されたSOFC13の発電量の上限及び下限の間になるので、SOFC13は、バッファとしての機能を有効に発揮することができる。
発電システム10は、SOFC13が保有するガスをバッファとして利用することができるので、負荷が瞬時に変動した場合の対応も容易に実現できる。
図4は、実施例2の発電システムを表す概略構成図である。実施例2において、発電システム10Aは、SOFC13の燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインとしての燃料ガス再循環ライン49及び空気を供給するラインとしての第2圧縮空気供給ライン31の少なくとも一方にバッファタンク60、62を設ける。本実施例では、燃料ガス再循環ライン49及び第2圧縮空気供給ライン31の両方に、それぞれバッファタンク60、62が設けられているが、前述した通り、発電システム10Aは、バッファタンク60、62のうち少なくとも一方を備えていればよい。
本実施例において、バッファタンク60は、再循環ブロワ50の出口からSOFC13の燃料極の入口の間に設けられている。バッファタンク60は、SOFC13の燃料系統に設けられていればよく、例えば、燃料ガスを供給するラインとして、第2燃料ガス供給ライン41に設けられていてもよい。また、本実施例において、バッファタンク62は、その機能を実現するために、SOFC13の空気極の出口側ではなく入口側に設けられることが好ましい。空気はSOFC13に供給された後はSOFC13の外部に放出されるため、バッファタンク62が空気極の入口側に配置されことにより、バッファとしての機能を十分に発揮させることができるからである。
発電システム10Aは、燃料ガス再循環ライン49側のバッファタンク60と燃料ガス再循環ライン49との間及び第2圧縮空気供給ライン31側のバッファタンク62と第2圧縮空気供給ライン31との間の少なくとも一方に、弁装置61、63を有する。弁装置61は、燃料ガス再循環ライン49とバッファタンク60との間に設けられ、弁装置63は、第2圧縮空気供給ライン31とバッファタンク62との間に設けられる。弁装置61、63は、例えば、制御弁又は遮断弁である。弁装置61、63は、制御装置100によって動作が制御される。
弁装置61が開くと、燃料ガス再循環ライン49とバッファタンク60との間で、再循環した燃料ガスが行き来する。弁装置63が開くと、第2圧縮空気供給ライン31とバッファタンク62との間で空気が行き来する。バッファタンク60に燃料ガスが蓄えられ、バッファタンク62に空気が蓄えられることにより、SOFC13がガス系統に保持するガス量を増加させることができる。その結果、発電システム10Aは、SOFC13のバッファとしての機能をさらに有効に発揮させて、SOFC13から安定して電力を取り出すことができる。このため、発電システム10Aは、系統に接続されている自然エネルギーの発電量又は需要側の負荷の変動、すなわち電力の需給ギャップが大きい場合又は電力の需給ギャップの周期が短い場合であっても、追従した運転が可能になる。
発電システム10は、SOFC13の系内容積が大きいため、SOFC13を起動又は停止させる場合等においては加圧又は減圧に要する時間が長くなる可能性がある。その結果、起動又は停止の変動に対する追従性が低下する可能性がある。このため、制御装置100は、SOFC13を起動又は停止させる場合等には、弁装置61、63を閉じてバッファタンク60を燃料ガス再循環ライン49から切り離し、かつバッファタンク62を第2圧縮空気供給ライン31から切り離す。このようにすることで、発電システム10Aは、バッファタンク60、62によるSOFC13の系内容積の増加が抑制されるので、迅速な起動又は停止が実現できる。
10、10A 発電システム
11 ガスタービン
12、15 発電機
13 SOFC(固体酸化物形燃料電池:燃料電池)
14 蒸気タービン
15 発電機
21 圧縮機
22 燃焼器
23 タービン
26 第1圧縮空気供給ライン
31 第2圧縮空気供給ライン
32 制御弁
33 ブロワ(昇圧機)
34 排空気ライン
35 排出ライン
36 排酸化性ガス供給ライン
37 制御弁
38 遮蔽弁
41 燃料ガス供給ライン
42 制御弁
43 排燃料ライン
46、47 制御弁
49 燃料ガス再循環ライン
50 再循環ブロワ
60、62 バッファタンク
61、63 弁装置
100 制御装置

Claims (7)

  1. 圧縮機と燃焼器とを有し、発電機を駆動して電力を発生するガスタービンと、
    空気極及び燃料極を有する燃料電池と、
    前記圧縮機で圧縮された圧縮酸化性ガスを、前記燃料電池の前記空気極に供給する圧縮酸化性ガス供給ラインと、
    前記燃料電池の前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、
    前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの供給量を変更する前の所定時間における前記燃料電池の出力の平均値を求め、前記平均値に対して前記燃料電池に供給する前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの量を調整する制御装置と、
    を備えることを特徴とする発電システム。
  2. 前記ガスタービンの排ガスによって生成された蒸気によって駆動されて発電する蒸気タービンを備え、
    前記制御装置は、
    前記燃料電池の出力が所定の閾値以下となった場合には、前記ガスタービン及び前記蒸気タービンのうち少なくとも一方の出力を低下させ、前記ガスタービン及び前記蒸気タービンのうち少なくとも一方の出力の低下分を前記燃料電池に出力させる、請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記燃料電池の出力が予め定めた所定の範囲内となるように、前記ガスタービンの出力を調整する、請求項1に記載の発電システム。
  4. 前記圧縮酸化性ガスの温度を上昇させて前記燃料電池の前記空気極に供給する昇温装置を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の発電システム。
  5. 前記燃料電池に前記燃料ガス供給ライン及び前記圧縮酸化性ガス供給ラインの少なくとも一方にバッファタンクを設ける、請求項1から4のいずれか1項に記載の発電システム。
  6. 前記燃料ガス供給ライン側のバッファタンクと前記燃料ガス供給ラインとの間及び前記圧縮酸化性ガス供給ライン側のバッファタンクと前記圧縮酸化性ガス供給ラインとの間の少なくとも一方に、弁装置を有する、請求項5に記載の発電システム。
  7. 圧縮機と燃焼器とを有し、発電機を駆動して電力を発生するガスタービンと、空気極及び燃料極を有する燃料電池と、前記圧縮機で圧縮された圧縮酸化性ガスを、前記燃料電池の前記空気極に供給する圧縮酸化性ガス供給ラインと、前記燃料電池の前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインと、を備えた発電システムによって発電するにあたり、
    前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの供給量を変更する前の所定時間における前記燃料電池の出力の平均値を求める工程と、
    前記平均値に対して前記燃料電池に供給する前記燃料ガス及び前記圧縮酸化性ガスの量を調整する工程と、
    を備えることを特徴とする発電システムの運転方法。

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