JP2014162129A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一液量の液滴を安定的に吐出することができ、かつ吐出口に連通する流路が高精度に形成された液体吐出ヘッドを製造する。
【解決手段】エネルギー発生素子が配置された基板と、液体を吐出する吐出口を有し、該吐出口に連通する流路の内壁を形成する流路壁部材と、を備える液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記基板を用意する工程と、前記基板上に流路となる型形状を形成する工程と、前記型形状上に、流路壁部材となる第1の被覆材料を含む第1の被覆材料層を形成する工程と、前記第1の被覆材料層の凹部に、前記第1の被覆材料より高粘弾性の第2の被覆材料を付与する工程と、前記第1の被覆材料層及び前記第2の被覆材料上に平板型を押し付け、前記第1の被覆材料層及び前記第2の被覆材料の表面を平坦化する工程と、を含む液体吐出ヘッドの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
インク等の記録液を吐出して記録を行うインクジェット記録方式(液体吐出記録方式)に適用されるインクジェットヘッドは、一般に以下の構成を備える。インク流路と、該インク流路の一部に設けられるインク滴を吐出するためのエネルギー発生素子と、該インク流路のインクをエネルギー発生素子のエネルギーによって吐出するための微細なインク吐出口(「オリフィス」とも呼ばれる)とを備える。
インクジェットヘッドには、圧電素子を用いるピエゾインクジェットヘッドと、薄膜抵抗素子を加熱し、その熱により発生した泡の圧力でインクを吐出するサーマルインクジェットヘッドがある。ピエゾインクジェットヘッドは、圧電素子の圧力によりインクを吐出するためインク種によらず吐出可能であるが、インクを吐出できるエネルギーを得るには素子の大きさが必要となるため、小型化には不向きである。これに対し、サーマルインクジェットヘッドの薄膜抵抗素子で生成する発泡エネルギーは、小型でもインクを吐出するに十分であるため、サーマルインクジェットヘッドは小型化に向いた方式である。サーマルインクジェットヘッドでは、薄膜抵抗素子による発泡エネルギー発生直後にオリフィスからインクが吐出され、液室内のインクがすべて吐出される前にインクが分離する場合と、液室内すべてのインクが吐出される場合とに大別される。前者はBJモードと呼ばれ、後者はBTJモードと呼ばれる。
BJモードでは、温度によりインクの物性が変化するため、個々のノズルにおいて吐出時に分離したインク滴量にばらつきが生じ、紙面に着弾するインク滴量がばらつく場合がある。したがって、より高画質を要求する場合にはBTJモードが適している。BTJモードでは、高画質記録のための微小インク滴の吐出を可能にするため、吐出量に影響を及ぼすヒーターと吐出口との間の距離が重要であり、これを高精度で加工することが要求されている。
これらのインクジェットヘッドを製造する方法としては、例えば特許文献1に開示される方法が用いられる。具体的には、エネルギー発生素子の形成された基板上にポジ型の感光性材料を被覆し、フォトリソグラフィー工程にてインク流路の型をパターニングする。次いでこれをインク流路壁となるネガ型の感光性材料で被覆し、フォトリソグラフィー工程にて前記インク流路の型に連通するインク吐出口を形成する。その後、インク流路の型に使用した感光性材料を除去してインクジェットヘッドを製造する。この方法は注型法とも称される。この製造方法によれば、半導体のフォトリソグラフィーの手法を適用しているため、インク流路、インク吐出口等の形成において極めて高精度で微細な加工が可能である。
特許第3143307号公報 米国特許第6716767号明細書
近年では、より高いレベルで高画質化を行うため、吐出されるインク滴の体積を更に均一化することが要求されている。このため、前述したヒーターと吐出口との間の距離をより高い精度で加工することが求められている。
以下、図2を用いてインクジェットヘッドの製造方法における課題を説明する。特許文献1に示される製造方法において、基板101、エネルギー発生素子102及び流路となる型形状201を流路壁部材となる第1の被覆樹脂層202で被覆する方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ドライフィルム埋込法等が適用できる。これらの方法は、半導体素子やディスプレイの製造工程で用いられる一般的な方法である。しかしながら、これらの方法を用いた場合、基板101上に存在する型形状201の形状の影響を受け、図2(a)に示すように第1の被覆樹脂層202表面にうねりが生じ、これにより最終的にヒーターと吐出口との間の距離にばらつきが生じる。また、スピンコート法又はスプレーコート法を適用する場合には、第1の被覆樹脂層202の乾燥時の流動性や表面張力の影響等によっても、ヒーターと吐出口との間の距離にばらつきが生じる。また、ドライフィルム埋込法を適用する場合には、ドライフィルム自体の膜厚分布等によっても、ヒーターと吐出口との間の距離にばらつきが生じる。
一方、特許文献2には、様々なパターンの形成された基板上に様々な材料を載せ、該材料に平坦な物体を接触させて該材料の表面を平坦化する方法が提案されている。この方法を特許文献1に開示された方法と組み合わせた場合、平板型203により第1の被覆樹脂層202表面を平坦化することで、前述の第1の被覆樹脂層202の乾燥時の流動性や表面張力の影響、ドライフィルム自体の膜厚分布等による影響を軽減できる。しかしながら、この場合図2(c)に示すように、型形状201の間の部分に形成される第1の被覆樹脂層202の凹部に合わせて平板型203及び基板101が変形する。これにより、図2(d)に示すように第1の被覆樹脂層202表面のうねりを補正しきれず、最終的に図2(e)に示すようにヒーターと吐出口との間の距離にばらつきが生じる。
本発明は上述した課題を鑑みなされたものであって、均一液量の液滴を安定的に吐出することができ、かつ吐出口に連通する流路が高精度に形成された液体吐出ヘッドを製造することを目的とする。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、エネルギー発生素子が配置された基板と、液体を吐出する吐出口を有し、該吐出口に連通する流路の内壁を形成する流路壁部材と、を備える液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記基板を用意する工程と、前記基板上に流路となる型形状を形成する工程と、前記型形状上に、流路壁部材となる第1の被覆材料を含む第1の被覆材料層を形成する工程と、前記第1の被覆材料層の凹部に、前記第1の被覆材料より高粘弾性の第2の被覆材料を付与する工程と、前記第1の被覆材料層及び前記第2の被覆材料上に平板型を押し付け、前記第1の被覆材料層及び前記第2の被覆材料の表面を平坦化する工程と、を含む。
本発明によれば、均一液量の液滴を安定的に吐出することができ、かつ吐出口に連通する流路が高精度に形成された液体吐出ヘッドを製造することができる。
本発明に係る方法により製造される液体吐出ヘッドの一例の模式図である。 インクジェットヘッドの製造方法における課題を説明するための模式的断面図である。 本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法の一例を示した模式的断面図である。 本発明における第2の被覆材料の塗布方法の一例を示した模式的上面図である。 本発明における第2の被覆材料の塗布方法の一例を示した模式的上面図である。 本発明における第2の被覆材料の塗布方法の一例を示した模式的上面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態の一例を説明する。なお、本発明に係る方法により製造されるインクジェットヘッド等の液体吐出ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。例えば、バイオッチップ作製や電子回路印刷、薬物を噴霧状に吐出することなどの用途にも用いることができる。
図1は本発明に係る方法により製造される液体吐出ヘッドの一例の模式図である。図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図、図1(c)は図1(a)のB−B’断面図である。図1に示される液体吐出ヘッドは、インク等の液体を吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子102が所定のピッチで配置された基板101を有する。基板101には液体を供給する供給口106が設けられている。基板101上には、エネルギー発生素子102の上方に開口する液体を吐出する吐出口105を有し、供給口106から各吐出口105に連通する液体の流路103の内壁を形成する流路壁部材104が設けられている。
次いで、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。本発明に係る方法では、型形状の存在により第1の被覆材料層上に形成される凹部に、第1の被覆材料より高粘弾性の第二の被覆材料を付与し、平板型により平坦化を行う。この場合、凹部において高粘弾性の第二の被覆材料が支えとして機能するため、平板型による平坦化において凹部による平板型203及び基板101の変形を抑制することができる。これにより、第1の被覆樹脂層表面を十分に平坦化することができ、エネルギー発生素子と吐出口との間の距離を均一にすることができる。
以下、図3を用いて本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例について説明する。図3は、図1(b)に対応する各工程での切断面を表す液体吐出ヘッドの模式的断面図である。なお、インクジェットヘッドを、半導体プロセスを応用して製造する際には、通常1枚の基板上に複数のインクジェットヘッドを並べて製造し、これを切断して図1に示す状態にする。そこで、便宜上、図3では図1(b)に対応するインクジェットヘッドを3個並べて示す。
まず、エネルギー発生素子102が配置された基板101を準備する。基板としては特に限定されないが、例えばシリコン基板を用いることができる。
次に、基板101上に流路となる型形状201を形成する。型形状201の材料としてはレジスト材料を用いることができ、例えば光崩壊性ポジ型レジストを用いることができる。具体的には、ポリメチルイソプロペニルケトンなどを用いることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を用いてもよい。型形状201の形成方法としては、例えば溶媒で希釈したレジスト材料をスピンコート法により基板101上に塗布し、乾燥した後、流路パターンの描かれたマスクを介して露光し、現像することで形成することができる。図3に示すように、型形状201は基板101上に複数形成することができる。型形状201を複数形成する場合、型形状201の配列は特に限定されないが、例えば型形状201を縦横に直線状に配列させる、いわゆる長方配列状に配列させることができる。型形状201を複数形成する場合、各型形状201の間隔としては、第一の被覆材料層を形成した際に凹部が形成される間隔であれば特に限定されないが、例えば0.5mm以上、20mm以下とすることができる。型形状201の厚みとしては、第一の被覆材料層を形成した際に凹部が形成される厚みであれば特に限定されないが、例えば2μm以上、50μm以下とすることができる。
次に、型形状上に、流路壁部材となる第1の被覆材料を含む第1の被覆材料層202を形成する。第1の被覆材料としては、光感光性樹脂を用いることが好ましく、光硬化性樹脂を用いることがより好ましい。光硬化性樹脂としては、カチオン重合系の樹脂やラジカル重合系の樹脂が挙げられる。カチオン重合系の樹脂の具体例としてはエポキシ樹脂が、ラジカル重合系の樹脂の具体例としてはアクリル樹脂が挙げられる。市販品では、EHPE−3150(商品名、(株)ダイセル製)等を用いることができる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を用いてもよい。第1の被覆材料層202の形成方法としては、例えば第1の被覆材料をスピンコート法により基板101上に塗布することで形成することができる。なお、第1の被覆材料層202はその表面に凹部が形成されるように形成する。例えば図3に示すように、基板101の表面全面に第1の被覆材料層202を形成すると、各型形状201の間に凹部が形成される。第1の被覆材料層202の厚みとしては特に限定されないが、例えば1μm以上、50μm以下とすることができる。また、第1の被覆材料層202に形成される凹部の深さとしては、例えば1.5μm以上、30μm以下とすることができる。
次に、第1の被覆材料層202の凹部に、第1の被覆材料より高粘弾性の第2の被覆材料301を付与する(図3(a))。第2の被覆材料301としては、光感光性樹脂を用いることが好ましく、光硬化性樹脂を用いることがより好ましい。光硬化性樹脂としては、第1の被覆材料と同様の材料を用いることができる。また、例えば第1の被覆材料及び第2の被覆材料301として、光硬化性エポキシ樹脂同士等、お互いが化学結合する組み合わせを用いることが好ましい。
第2の被覆材料301には、後述する平板型203によるプレス時の環境下、特にその温度下において、第1の被覆材料より高粘弾性の材料を使用する。仮に第2の被覆材料301として第1の被覆材料より低粘弾性の材料を使用した場合、後述するプレス工程において第2の被覆材料301が先に変形し、第1の被覆材料層202の凹部の支えとなることができない。このため、基板101及び平板型203の変形を抑制しきれず、結果として第1の被覆材料層202表面のうねりを低減することができない。
第2の被覆材料301と第1の被覆材料との粘弾性の差は、例えば揮発性溶媒の含有量の差により生み出すことが出来る。すなわち、第1の被覆材料及び第2の被覆材料301が揮発性溶媒を含み、揮発性溶媒の含有量の差により第2の被覆材料301が第1の被覆材料層より高粘弾性であることが好ましい。特に、第1の被覆材料から揮発性溶媒を除いた成分が、第2の被覆材料から揮発性溶媒を除いた成分と同一であることが好ましい。このような材料の組み合わせの場合、ベーク工程等で揮発性溶媒を気化し除去することで両者を同一組成とすることができるため、露光硬化後に両者をほぼ完全に一体化することができる。これにより、機械的強度が向上し、熱膨張量、硬化収縮量、耐候性及び耐薬品性を均一化できるため、インクジェットヘッドの高精度化とともに高信頼性が得られる。
前述の粘弾性の差は、異なる組成の材料の組み合わせ等、他の方法でも生み出すことができる。特にプレス時の温度に対して、ガラス転移温度の高い材料を第2の被覆材料301として用い、ガラス転移温度の低い材料を第1の被覆材料として使用することにより、大きな粘弾性の差を生みだすことができる。また、第2の被覆材料301に光硬化性樹脂を用い、光照射により第2の被覆材料301を第1の被覆材料より高粘弾性にすることもできる。これらにおいても、光硬化性エポキシ樹脂同士等、お互いが化学結合する組み合わせを用いることが好ましい。なお、第1の被覆材料及び第2の被覆材料301の粘弾性は、一般的なレオメーター等により測定することができる。
第2の被覆材料301を付与する方法としては、液体状態で塗布可能な材料であれば、ディスペンサやスクリーン印刷等、一般的な局所塗布手段が使用可能である。また、粘弾性の特に高い材料の場合には、あらかじめ所望の形状に別途成形した上で、これを第1の被覆材料層202の凹部に配置する等の方法も用いることができる。
付与する第2の被覆材料301の高さは、後述する平板型203を押し付ける際の圧力、第1の被覆材料及び第2の被覆材料の粘弾性、第2の被覆材料を付与する面積、又は第2の被覆材料を付与する位置に応じて決定することができる。例えば、平板型203を押し付ける際の圧力が大きい場合、第2の被覆材料301の変形量が大きくなる上、基板101及び平板型203の変形量も大きくなるため、付与する第2の被覆材料301の高さは高い方が好ましい。また、第2の被覆材料301の粘弾性が小さい場合、第2の被覆材料301の変形量が大きくなるため、付与する第2の被覆材料301の高さは高い方が好ましい。また、第2の被覆材料を付与する面積が小さい場合、第2の被覆材料301の変形量が大きくなるため、付与する第2の被覆材料301の高さは高い方が好ましい。第2の被覆材料を付与する位置については後述する。
このように、付与する第2の被覆材料301の高さは前述した各要素によって変化するものの、第2の被覆材料301が変形しつつ基板101と平板型203との間を支えることができることから、基板101からの第1の被覆材料層202表面の高さより高いことが好ましい。しかしながら、付与する第2の被覆材料301の高さが高すぎると、第2の被覆材料301が変形する際に安定した形状で変形できず、プレスされた第2の被覆材料301の高さがまちまちとなって、各吐出口105の基板101からの高さがばらつく場合がある。以上の理由から、具体的には、基板101からの第1の被覆材料層202表面の高さに対して、基板101からの第2の被覆材料301頂点の高さは、1.1倍以上、2.5倍以下であることが好ましく、1.2倍以上、1.8倍以下であることがより好ましい。
第2の被覆材料301を付与する位置としては、第1の被覆樹脂層202の凹部内であれば特に限定されないが、例えば以下に示す位置に第2の被覆材料301を付与することができる。
例えば、型形状201を取り囲むように第2の被覆材料301を付与することができる。具体的には、例えば図4に示すように、型形状201が縦横に直線状に配列した長方配列状に配列する場合、第2の被覆材料301を各型形状201の間の凹部全体に、長方格子状に付与することができる。この場合、第2の被覆材料301の使用量が多く、またその塗布時間も長くなるが、平板型203を支える面積が大きく、第2の被覆材料301の粘弾性があまり大きくとれない場合に好適である。また、吐出口105となる部分を全体に取り囲むように付与されるため、全体的な平坦性確保が容易である。
また、基板101上に複数の型形状201が長方配列状に形成されるとき、凹部の交点に第2の被覆材料301を付与することができる。具体的には、例えば図5に示すように、第2の被覆材料301を各型形状201の頂点が相対する位置の凹部に点状に付与することができる。この位置は型形状201の間の凹部の交点にあたり、最も周囲に支えとなるものが少なく、基板101及び平板型203が最も大きく変形する部分である。ここに第2の被覆材料301を局所配置することで、第2の被覆材料301同士の間に広い凹部が残ることから、基板101及び平板型203の変形抑制能力の点では図4に示す配置には及ばないものの、小さい塗布面積で平坦性の改善が可能である。また、塗布時間の短縮と第2の被覆材料301の節約が可能である。
また、基板101上に複数のエネルギー発生素子102が並んで配置されるとき、エネルギー発生素子102の並び方向の延長線上にあたる凹部に第2の被覆材料301を付与することができる。具体的には、例えば図6に示すように、第2の被覆材料301をエネルギー発生素子102に対応する位置に形成される吐出口105(図6の時点では未形成)の並び方向の延長線上にあたる凹部に点状に付与することができる。ここで、並び方向とは物が2つ以上並ぶ方向を示す。この場合、基板101及び平板型203の変形抑制能力の点では図4に示す配置には及ばず、第2の被覆材料301の使用量は図5に示す配置より多い。しかしながら、平坦化対象である吐出口105付近の形状制御性が良く、精度とコスト(塗布時間及び被覆材料使用量)のバランスが良い配置である。
次に、第1の被覆材料層202及び第2の被覆材料上に平板型203を押し付け、第1の被覆材料層202及び第2の被覆材料301の表面を平坦化する(図3(b)及び(c))。本発明では、第2の被覆材料301が第1の被覆材料層202の凹部において支えとなり、基板101及び平板型203の変形を抑制することができる。第1の被覆材料及び第2の被覆材料301の材料特性によっては流動性向上のために加熱下で、また、泡の混入を防ぐため真空下でこの工程を行うことができる。平板型203としては特に限定されないが、例えば溶融石英ガラスなどを用いることができる。また、表面に離型処理が施された平板型を用いることが、第1の被覆材料層202及び第2の被覆材料301の離型性向上の観点から好ましい。平板型203を押し付ける際の圧力としては、前述したように第2の被覆材料301の高さや材料の種類等によって適宜選択することができるが、例えば0.001MPa以上、1MPa以下とすることができる。
次に、平板型203を第1の被覆材料層202及び第2の被覆材料301から離型する(図3(d))。その後、一般的なフォトリソグラフィー工程により吐出口105を形成し、異方性エッチング等により供給口106を形成する。さらに、型形状201を溶解除去し(図3(e))、基板101を切り分けることでインクジェットヘッドを製造することができる。
本発明に係る方法によれば、吐出液滴の液量のバラツキが低減され、均一液量の液滴を安定的に繰り返し吐出することができ、かつ吐出口に連通する流路が高精度に形成された信頼性の高い液体吐出ヘッドを歩留まりよく製造することができる。
[実施例1]
以下、図3を用いて本実施例について説明する。まずインクを吐出させるためのエネルギー発生素子とドライバーやロジック回路が配置された単結晶シリコンの基板101を準備した。次に基板101と同径の溶融石英ガラスからなる平行平面基板の表面をフッ素コーティング剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX)にて離型処理した。これを平板型203として準備した。
次に基板101上に、光崩壊性ポジ型レジストからなるポジ型レジスト層を形成した。具体的には、ポリメチルイソプロペニルケトン(商品名:ODUR−1010、東京応化工業(株)製)を樹脂濃度が20質量%になるように調節した。この液をスピンコート法によって基板101上に塗布し、ホットプレート上にて120℃の温度で3分間、引き続き窒素置換されたオーブンにて150℃の温度で30分間プリベークを行い、5μmの膜厚のポジ型レジスト層を形成した。その後、ポジ型レジスト層上に、Deep−UV露光装置(製品名:UX−3000、ウシオ電機(株)製)を用い、流路パターンの描かれたマスクを介して、18000mJ/cm2の露光量でDeep−UV光を照射した。その後、非極性溶剤であるメチルイソブチルケトン(MIBK)/キシレン(Xylene)=2/3の溶液により現像し、キシレン(Xylene)を用いてリンス処理を行うことで、基板101上に流路の形状を有する複数の型形状201を形成した。
次に、基板101上に、光硬化性樹脂を含む第1の被覆材料層を被覆した。該光硬化性樹脂としては以下の組成のレジスト溶液を使用した。
・EHPE−3150(商品名、(株)ダイセル製) 100質量部
・HFAB(商品名、セントラル硝子(株)製) 20質量部
・A−187(商品名、日本ユニカー(株)製) 5質量部
・SP170(商品名、(株)ADEKA製) 2質量部
・キシレン 80質量部
これをスピンコート法によって塗布し、光硬化性樹脂からなる流路壁となる第1の被覆樹脂層202を形成した。
次に各型形状201の間の部分に存在する第1の被覆樹脂層202の凹部に、光硬化性樹脂を含む第2の被覆材料を追加塗布した。該光硬化性樹脂としては以下の組成のレジスト溶液を使用した。
・EHPE−3150(商品名、(株)ダイセル製) 100質量部
・HFAB(商品名、セントラル硝子(株)製) 20質量部
・A−187(商品名、日本ユニカー(株)製) 5質量部
・SP170(商品名、(株)ADEKA製) 2質量部
・キシレン 40質量部
これをエア方式のディスペンサ(製品名:SuperΣCMII、武蔵エンジニアリング(株)製)を使用して、前記凹部に沿って線状に塗布し、図4に示すパターンで第2の被覆材料301を形成した。
次に、基板101をホットプレート上にて90℃の温度で3分間プリベークを行った。以上のようにして、図3(a)に示す状態とした。第2の被覆材料301は第1の被覆樹脂層202よりも塗布時の溶媒(キシレン)の含有量が少なく、これらを同時にプリベークした後も第2の被覆材料301の方が溶剤の含有量は少ない。このため、第2の被覆材料301は第1の被覆樹脂層202より高粘弾性(粘度が高い)であった。なお、第1の被覆樹脂層202表面露出部の基板101表面からの平均高さは10μmであり、第2の被覆材料301頂点の基板101表面からの高さは12μmであった。
次に、第1の被覆樹脂層202と平板型203の離型処理された面とを相対させ(図3(b))、プレス装置(製品名:ST−50、東芝機械(株)製)を用いて、両者を80℃に加温し、真空環境下で0.1MPaの圧力にてプレスした(図3(c))。プレス後、平板型203を第1の被覆樹脂層202及び第2の被覆材料301の表面から離型した(図3(d))。さらに、マスクアライナー(製品名:MPA600FA、キヤノン(株)製)を用い、吐出口パターンが描かれたマスクを介して、3000mJ/cm2の露光量にてパターン露光した。次に、90℃で180秒PEB(Post Exposure Bake)を行い、硬化させた。次に、メチルイソブチルケトン/キシレン=2/3の溶液を用いて現像し、キシレンを用いてリンス処理を行うことで、吐出口105を形成した(図3(e))。
次に、基板101の裏面に供給口106をエッチング処理により形成した。具体的には、保護層を基板101の表面全面に形成し、基板101の裏面にポジ型レジストでスリット状のエッチングマスクを形成した。80℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液中に基板101を浸漬することで、基板101に対して異方性エッチングを行い、供給口106を形成した。次に、保護層を除去した後、Deep−UV露光装置(製品名:UX−3000、ウシオ電機(株)製)を用いて7000mJ/cm2の露光量で基板101全面に露光し、型形状201を可溶化した。そして基板101を乳酸メチル中に超音波を付与しつつ浸漬することで、型形状201を除去し、インクジェットヘッドを作製した。
上記の方法で作製したインクジェットヘッドは、図3(e)に示されるように、各吐出口105の基板101からの高さばらつきが0.5μm以下であり、均一な形状であった。また、基板101を切断し、図1(b)及び(c)に相当する断面を光学顕微鏡にて観察したが、流路壁104のうち、第1の被覆樹脂層202からなる部分と第2の被覆材料301からなる部分との間に継ぎ目や材料上の差異は観察されなかった。このインクジェットヘッドをプリンタに搭載し、インク吐出及び記録評価を行ったところ、安定な吐出量の液滴を飛翔させることが可能であり、得られた印字物は高品位であった。
[実施例2]
本実施例と実施例1との差異は、第1の被覆樹脂層202と第2の被覆材料301の形成に関わる工程であるため、この工程について説明する。本実施例においては、実施例1と同様に基板101上に第1の被覆樹脂層202をスピンコート法により形成した後、第2の被覆材料301を塗布することなくホットプレート上にて90℃の温度で3分間プリベークを行った。
次に実施例1における平板型203を別途用意し、その離型処理された表面に実施例1と同様のディスペンサを使用して、点状に光硬化性樹脂を塗布した。該光硬化性樹脂としては第1の被覆樹脂層202と同じ組成のものを使用した。さらにこの点状の光硬化性樹脂の載った平板型203をホットプレート上にて90℃の温度で20分間プリベークを行った。このとき、平板型203上の光硬化性樹脂は基板101上の光硬化性樹脂と元の組成比は同じものの、プリベーク時間が長いため、溶媒の含有量が少なく、高粘弾性(粘度が高い)である。また、平板型203上の光硬化性樹脂は非常に粘度が高いため、操作において実質固体として扱うことができる。
次に平板型203からピンセットにて前記点状の光硬化性樹脂を取り外し、第1の被覆樹脂層202の凹部のうち、図5に示すように凹部の交点に前記点状の光硬化性樹脂を配置して、第2の被覆材料301を形成した。なお、第1の被覆樹脂層202表面露出部の基板101表面からの平均高さは10μmであり、第2の被覆材料301頂点の基板101表面からの高さは18μmであった。
以後、平板型203を用いたプレス以下の工程は実施例1と同様に行った。上記の方法で作製したインクジェットヘッドは、図3(e)に示されるように、各吐出口105の基板101からの高さばらつきが1μm以下であり、均一な形状であった。また、基板101を切断し、図1(b)及び(c)に相当する断面を光学顕微鏡にて観察したが、流路壁104のうち、第1の被覆樹脂層202からなる部分と第2の被覆材料301からなる部分との間に継ぎ目や材料上の差異は観察されなかった。このインクジェットヘッドをプリンタに搭載し、インク吐出及び記録評価を行ったところ、安定な吐出量の液滴を飛翔させることが可能であり、得られた印字物は高品位であった。
[実施例3]
本実施例と実施例2との差異は、第1の被覆樹脂層202と第2の被覆材料301の形成に関わる工程であるため、この工程について説明する。本実施例においては、実施例2と同様に平板型203を別途用意し、その離型処理された表面に点状に光硬化性樹脂を塗布した。さらに、この点状の光硬化性樹脂の載った平板型203をホットプレート上にて90℃の温度で3分間プリベークを行った後、UV光源(製品名:UL−750、HOYA CANDEO OPTRONICS(株)製)を用いて500mJ/cm2の露光を行った。このとき、平板型203上の光硬化性樹脂は基板101上の光硬化性樹脂と元の組成比は同じものの、光照射が行われているため高粘弾性(粘度が高い)である。また、平板型203上の光硬化性樹脂は一部成分の重合により固体となっているものの、その他は未反応のまま残っているため、後の露光工程で第1の被覆樹脂層202と重合し、化学的に強固に結合することが可能である。
次に平板型203から点状の光硬化性樹脂を取り外し、第1の被覆樹脂層202の凹部のうち、図6に示すようにエネルギー発生素子の並び方向の延長線上にあたる部分に点状の光硬化性樹脂を配置して、第2の被覆材料301を形成した。なお、第1の被覆樹脂層202表面露出部の基板101表面からの平均高さは10μmであり、第2の被覆材料301頂点の基板101表面からの高さは14μmであった。
以後、平板型203を用いたプレス以下の工程は実施例1と同様に行った。上記の方法で作製したインクジェットヘッドは、図3(e)に示されるように、各吐出口105の基板101からの高さばらつきが0.5μm以下であり、均一な形状であった。また、基板101を切断し、図1(b)及び(c)に相当する断面を光学顕微鏡にて観察したが、流路壁104のうち、第1の被覆樹脂層202からなる部分と第2の被覆材料301からなる部分との間に継ぎ目や差異は観察されなかった。
[比較例1]
本比較例では、図2に示すように第1の被覆樹脂層202を被覆させた後に、第2の被覆材料301を塗布することなく平板型203でプレスした以外は実施例1と同様にインクジェットヘッドを作製した。この方法で作製したインクジェットヘッドは、図2(e)に示されるように、各吐出口105の基板101からの高さが3μm以上ばらついていた。このインクジェットヘッドをプリンタに搭載し、インク吐出及び記録評価を行ったところ、吐出量のばらつきに起因する文字のゆがみが見られた。
[比較例2]
本比較例では、第2の被覆材料301として第1の被覆樹脂層202の材料を用いた。すなわち、第2の被覆材料301と第1の被覆樹脂層202の粘弾性は同じである。それ以外は実施例1と同様にインクジェットヘッドを作製した。この方法で作製したインクジェットヘッドは、図2(e)に示されるように、各吐出口105の基板101からの高さが2μm以上ばらついていた。このインクジェットヘッドをプリンタに搭載し、インク吐出及び記録評価を行ったところ、吐出量のばらつきに起因する文字のゆがみが見られた。
[比較例3]
本比較例では、第2の被覆材料301として以下の組成のレジスト溶液を使用した。
・EHPE−3150(商品名、(株)ダイセル製) 100質量部
・HFAB(商品名、セントラル硝子(株)製) 20質量部
・A−187(商品名、日本ユニカー(株)製) 5質量部
・SP170(商品名、(株)ADEKA製) 2質量部
・キシレン 160質量部
すなわち、溶媒であるキシレンの含有量が多いため、第2の被覆材料301は第1の被覆樹脂層202より低粘弾性である。それ以外は実施例1と同様にインクジェットヘッドを作製した。
上記の方法で作製したインクジェットヘッドは、図2(e)に示されるように、各吐出口105の基板101からの高さが2μm以上ばらついていた。このインクジェットヘッドをプリンタに搭載し、インク吐出及び記録評価を行ったところ、吐出量のばらつきに起因する文字のゆがみが見られた。
101 基板
102 エネルギー発生素子
103 流路
104 流路壁部材
105 吐出口
106 供給口
201 型形状
202 第1の被覆樹脂層
203 平板型
301 第2の被覆樹脂

Claims (12)

  1. エネルギー発生素子が配置された基板と、液体を吐出する吐出口を有し、該吐出口に連通する流路の内壁を形成する流路壁部材と、を備える液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記基板を用意する工程と、
    前記基板上に流路となる型形状を形成する工程と、
    前記型形状上に、流路壁部材となる第1の被覆材料を含む第1の被覆材料層を形成する工程と、
    前記第1の被覆材料層の凹部に、前記第1の被覆材料より高粘弾性の第2の被覆材料を付与する工程と、
    前記第1の被覆材料層及び前記第2の被覆材料上に平板型を押し付け、前記第1の被覆材料層及び前記第2の被覆材料の表面を平坦化する工程と、
    を含む液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第1の被覆材料及び前記第2の被覆材料が光感光性樹脂である請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第1の被覆材料及び前記第2の被覆材料が揮発性溶媒を含み、前記揮発性溶媒の含有量の差により前記第2の被覆材料が前記第1の被覆材料より高粘弾性である請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記第1の被覆材料から前記揮発性溶媒を除いた成分は、前記第2の被覆材料から前記揮発性溶媒を除いた成分と同一である請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記第2の被覆材料が光硬化性樹脂であり、光照射により前記第2の被覆材料を前記第1の被覆材料より高粘弾性にする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記第1の被覆材料層の凹部に前記第2の被覆材料を付与する工程において、前記型形状を取り囲むように前記第2の被覆材料を付与する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記第1の被覆材料層の凹部に前記第2の被覆材料を付与する工程において、前記基板上に複数の前記型形状が長方配列状に形成されるとき、前記凹部の交点に前記第2の被覆材料を付与する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記第1の被覆材料層の凹部に前記第2の被覆材料を付与する工程において、前記基板上に複数の前記エネルギー発生素子が並んで配置されるとき、前記エネルギー発生素子の並び方向の延長線上にあたる前記凹部に前記第2の被覆材料を付与する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記第1の被覆材料及び前記第2の被覆材料の粘弾性に応じて、付与する前記第2の被覆材料の高さを決定する請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記第2の被覆材料を付与する面積に応じて、付与する前記第2の被覆材料の高さを決定する請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記第2の被覆材料を付与する位置に応じて、付与する前記第2の被覆材料の高さを決定する請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記平板型を押し付ける際の圧力に応じて、付与する前記第2の被覆材料の高さを決定する請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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JP2017019190A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドの製造方法

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