JP2014163003A - 芯材入り多孔質管材 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界紡糸法により製造した管状の多孔質管材において、製造後に発生し得る収縮を可及的に抑制して高品質を維持できるようにし、折れ癖や潰れ変形の防止により流通コストの削減を達成し、カットロスの問題も解消できるようにする。
【解決手段】ナノファイバーの集積層により管壁2が形成されて成る管形体の多孔質管材であって、管壁2で取り囲まれて成る管内の中空部には電界紡糸法によってナノファイバーを集積して管壁2に形成させる際のコレクターとなる導電芯材3が串刺し状に挿入されており、導電芯材3は中空部を満たして管壁2を内側から全周的にバックアップする状態で流通時の保形材とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界紡糸法により製造した芯材入り多孔質管材に関する。
電界紡糸法は、ポリマー溶液の噴射孔(シリンジニードルやノズルなど)とコレクターとの間で電位差のある高電圧を印加することで、噴射孔からコレクターへ向けたポリマー溶液の噴射状態(コレクター側に吸引する状態)をつくり、噴射過程で溶液成分が瞬間蒸発すると共にポリマーが極細繊維状に造形されつつ更に伸長してナノファイバー化することを利用して、コレクター側でナノファイバーの集積した多孔質成形体(ナノファイバーが絡み合って恰も不織布の如く連通気孔が形成された構造であって『不織布製成形体』と言い換えることも可能)を製造する方法を言う。製造された多孔質成形体は、高密度フィルターや再生医療用の足場材などとして好適に使用することができる。
この電界紡糸法では、コレクターとして、円柱状又は円筒状のもの、或いはロッド状のものを採用することで、多孔質成形体を円筒形乃至管状にすることが提案されている(例えば、特許文献1や2等参照)。このような形体にすることで、多孔質成形体を人造血管などとしても使用できることになる。
特許第4904083号公報 特公昭62−61703号公報
電界紡糸法で製造した多孔質成形体を再生医療の現場で使用するには、予め、滅菌処理(例えばオートクレーブ滅菌処理など)を施しておく必要がある。この滅菌処理を施すことで多孔質成形体は収縮する傾向となる。多孔質成形体を管形体とする場合では、製造直後に多孔質成形体をコレクターから取り出した時点で、一気に管径(内径及び外径)の縮小や管壁の肉厚減少、更には長さの短縮化が起こることになる。従って、場合によっては品質(外形精度)上の重大問題に繋がるおそれもあった。
一方で、多孔質成形体は可撓性や伸縮性がある程度許容される軟質状態にある。しかし、言い換えれば多孔質成形体は取り扱い方が悪ければ折れ癖や潰れ変形などが比較的簡単に発生してしまう可能性を有している。また、多孔質成形体は一旦、折れ癖や潰れ変形が生じると元の形状に回復させることができないために、使用不能になり廃棄せざるを得ない。これらのことから、多孔質成形体を管形体とする場合には変形を防止するために嵩高の厳重包装や梱包が必要とされ、流通コストが高騰する問題があった。
なお、多孔質成形体を管形体にして人造血管などとして使用する際において、必要となる長さは施術箇所に応じて様々であり、決して一定しているわけではない。ところが、一般に人造血管用として製造される多孔質成形体は長さ的に定寸(例えば100〜300mm)が設定されており、この定寸単位で滅菌包装された状態として、流通されるようになっている。そのため、カットロス(無駄な長さを切断して廃棄すること)が多く発生するという問題も指摘されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電界紡糸法により製造した管形体の多孔質成形体(以下、「多孔質管材」と言う)において、製造後に発生し得る収縮を可及的に抑制して高品質を維持できるようにし、折れ癖や潰れ変形の防止により流通コストの削減を達成し、カットロスの問題も解消できるようにした芯材入り多孔質管材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る芯材入り多孔質管材は、ナノファイバーの集積層により管壁が形成されて成る管形体の多孔質管材であって、前記管壁で取り囲まれて成る管内の中空部には
電界紡糸法によってナノファイバーを集積して前記管壁に形成させる際のコレクターとなる導電芯材が串刺し状に挿入されており、前記導電芯材は前記中空部を満たして前記管壁を内側から全体的にバックアップする状態で流通時の保形材とされていることを特徴としている。
前記管壁の内周面と前記導電芯材の外周面との周間に当該導電芯材の軸方向移動を促す剥離層が設けられたものとするのが好適である。
前記導電芯材は可撓性の金属線材により形成するのが好適である。
本発明に係る芯材入り多孔質管材では、製造後に発生し得る収縮を可及的に抑制できて高品質を維持でき、また折れ癖や潰れ変形を防止できて流通コストの削減が可能となり、そのうえカットロスの問題も解消できるものである。
本発明に係る芯材入り多孔質管材を示した斜視図である。 本発明に係る芯材入り多孔質管材の製造装置を模式的に示した図である。 本発明に係る芯材入り多孔質管材の製造方法を説明した斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る芯材入り多孔質管材1を示している。この多孔質管材1は、断面形状が円環状(リング状)で、この断面形状を管軸方向に連続させて成る管形体に形成されている。そして管壁2で取り囲まれて成る管内の中空部には、導電芯材3が串刺し状に挿入されている。また、管壁2の内周面と導電芯材3の外周面との周間には剥離層4が設けられている。
なお、この多孔質管材1はヒト用の人造血管に適用できるものとしてあり、この場合で例示すれば、管壁2で取り囲まれた中空部の内径(導電芯材3の外径に略同じ)は0.5mm〜数mm程度が好適とされる。但し、この寸法はヒト以外の動物の人造血管に適用する場合や、多孔質管材1をフィルター等の他用途で使用する場合であれば種々に変更されるものであり、本発明においては何ら限定されるものではない。また、管壁2の肉厚についても同様であり、本発明においては何ら限定されるものではない。
このような管壁2は、電界紡糸法によって形成されたものであって、ポリマー溶液から発生させたナノファイバーを集積させて成る集積層となっている。このようにナノファイバーの集積によって形成された管壁2は、ナノファイバーが絡み合って、恰も不織布の如く連通気孔が形成された構造となっている。
管壁2の形成素材とするポリマーやその溶媒には、一般に電界紡糸法において採用可能とされる種々のものをそのまま利用できる。
例えば、ポリマーとしては次に例示するものを使用可能である。すなわち、
[天然高分子]コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、デキストラン、キチン、キトサン、絹、ヒアルロン酸、アルブミン、エラスチン、核酸、ヘパリン及びヘパラン硫酸からなる群から選ばれる少なくとも1つ又はこれらの誘導体、等々。
[合成高分子]ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド、ポリグルタミン酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−p−ジオキサン、ポリα−リンゴ酸及びポリ−β−ヒドロキシ酪酸、並びにポリ乳酸とポリカプロラクトンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つ、或いは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレング リコール、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアル コール、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン、ポリNイソプロピルアクリルアミド、ポリビニルクロライド、ポリメタクリル酸メチル、ポリジメチルシロキ サン、ポリアリルスルホン及びポリスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1つ、等々である。
また溶媒としては、HFIP(1,1,1−3,3,3ヘキサフルオロイソプロパノール)、DMF(N,Nジメチルフォルムアミド)、硫酸、塩酸、ギ酸、メタノール、エタノール、DMSO(ジメチルスルフォキシド)、THF(テトラヒドロフラン)、アセトン
、MEK(メチルエチルケトン)、トルエン、シクロヘキサン、等々を使用することができる。
導電芯材3は、管壁2で取り囲まれた中空部を満たすことのできるものとされており、本実施形態では前記のように多孔質管材1の断面形状を円環状としていることから、導電芯材3の断面形状は円形としてある。このように、導電芯材3は剥離層4を介して管壁2をその内面側から全体的(周方向及び管軸方向)にバックアップできるものであり、これによって管壁2に対する保形効果が得られる。但し、剥離層4は場合によっては省略することも可能であり、省略する場合であれば、導電芯材3が管壁2の内周面に面接触して直接的にバックアップできるものとなる。
なお、多孔質管材1の断面形状はそもそも円環状に限定されるものではなく、楕円乃至長円の環状にしてもよいし、角形の中空形状にしてもよい。従って当然に、導電芯材3の断面形状も、多孔質管材1の断面形状に対応した形状とすればよいものである。
このような導電芯材3は、電界紡糸法を行って管壁2を形成する際にコレクター(電極)として使用可能とされるものであり、例えば金属線材を使用可能である。金属線材としては、可撓性を有したものを採用するのが好適とされる。具体的には、ステンレス、銅、アルミ、金などの針金を使用すればよい。なかでも、純度の高い金、銀、白金等を選択することで、多孔質管材1を人造血管に使用する際に万が一、金属イオンが中空部の内面側に残留していたとしても、この金属イオンを原因とする金属アレルギーの発症は防止できる効果が期待できる。
導電芯材3において、導電性を持たせるに際しては、金属線材を用いることが限定されるわけではない。例えば、樹脂製線材や弾性を有したシリコン又はゴムなどの非導通材に対してその外周面に金属箔を貼り付けたり、金属成分を含んだ塗布物を塗布(析出、蒸着、メッキ等を含む)したりすることで金属被膜を形成させ、もって導電芯材3を形成させることができる。
また糸(マルチフィラメントでもモノフィラメントでもよい)をはじめ、織布や不織布などで糸状、帯状、撚り紐状に形成したものを用い、これに金属成分を含んだ含浸物を含浸させることにより、導電芯材3を形成させることもできる。
更には、導電芯材3を賦形させるためのメイン素材(例えばフッ素樹脂など)に対し、導電性を有する充填材(フィラー:例えばグラファイトなど)を練り込み、導電芯材3を成形させるような方法を採用することもできる。
導電芯材3は、コレクターとして使用された後(すなわち、管壁2の形成後であって更に言えば多孔質管材1の製造後)も多孔質管材1の中空部に挿入されたまま残置される。そのため、この状態で多孔質管材1として流通される際(在庫状態を含む)には、前記したように導電芯材3が管壁2の保形材として作用することになる。このように導電芯材3は保形材としての作用を期待するものであり、その意味で、管壁2をバックアップできるだけの強度は必要である。
剥離層4は、導電芯材3の軸方向移動を促すためのものである。すなわち、多孔質管材1の使用に際し、中空部から導電芯材3を取り除く(引き抜く)のを容易にさせるためのものである。
この剥離層4は、一例としてフッ素樹脂等により形成することができる。具体例には、ポリテトラフルオロエチレンや、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などとすることができる。フッ素樹脂は、非粘着性を有しているものが多く、この特性により、菌の付着混入がしにくい点で好ましい。ただ、これらはあくまでも一例であり、フッ素樹脂以外(例えば、シリコン樹脂等)とすることをも含めて、何ら限定されるものではない。例えば、フッ素樹脂に対して抗菌性物質を分散させておくことにより、剥離層4に対して積極的に制菌性を持たせるようにしてもよい。
導電芯材3に対して剥離層4を設ける方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、導電芯材3を通過搬送するダイへ向けて溶融させたフッ素樹脂を供給し、導電芯材3の外周面へフッ素樹脂膜を付着させる溶融押出法や、溶融させたフッ素樹脂を導電芯材3へ噴射して付着させるスプレー掛け法などを採用することができる。また、溶融状態の
フッ素樹脂を貯留させたプール中へ導電芯材3を通過させることによるドブ漬け法なども採用可能である。
なお、これらの各種方法では、溶融性の樹脂に代えて溶解性の樹脂(溶液)を用いることも可能である。溶解性の樹脂を用いる場合は、溶媒の除去を促進させて迅速、確実な硬化を起こさせるために、必要に応じて、乾燥工程や硬化剤付与工程などを付随させるようにすればよい。
また、導電芯材3として被覆電線のような線材(当初から樹脂材等による絶縁被膜を備えた線材)を採用する場合に、この被膜部分を剥離層4として作用させることも可能である。
次に、本発明に係る多孔質管材1を製造する方法(電界紡糸法による管壁2の形成方法)について説明する。
電界紡糸法では、図2に示すように、導電芯材3を直線状態に保持させつつ供給する芯材送り装置10と、直線保持された導電芯材3へ向けてポリマー溶液を噴射する噴射孔を備えたノズル(又はシリンジニードル)11と、導電芯材3がコレクターになるように導電芯材3とノズル11との間で電位差のある高電圧を印加する帯電装置12とを用いる。なお、ノズル11には、必要に応じ、噴射孔へ向けてポリマー溶液を加圧供給するポンプ装置13を接続しておくのが好適である。
芯材送り装置10は、巻出リール15から導電芯材3を巻き出しながら巻取リール16で導電芯材3を巻き取るようにしてあり、途中、直線状態で移動する導電芯材3を電界紡糸法に呈するようになっている。巻出リール15及び巻取リール16の回転は駆動制御部17によって制御する。この駆動制御部17では、巻出リール15と巻取リール16との速度差が、原則的に[巻出リール15]≦[巻取リール16]となるように制御して、導電芯材3に適度なテンションを持たせるようにする。
なお、図2では、帯電装置12がノズル11側を正極とし導電芯材3側を負極として印加するように例示してあるが、これらの極性を逆にしてもよいし、正極側、又は負極側のいずれかをアースとしてもよい。また、導電芯材3に対しては、通電シューの摺接などによる直接的な通電構造を採用してもよいし、巻出リール15(又は巻取リール16)を金属製としてこれらのリール胴からの間接的な通電構造などを採用してもよい。
巻出リール15から巻き出された導電芯材3に対しては、電界紡糸法を行う位置よりも一次側(図2ではノズル11より左側)で溶融押出装置18などを設置して、導電芯材3に対する剥離層4の形成を行う。言うまでもなく、導電芯材3として、当初より剥離層4を備えたもの(被覆電線など)を使用する場合には、この剥離層4の形成工程は省略できる。
このような装置構成のもと、まず芯材送り装置10によって巻出リール15から巻取リール16へ向けて導電芯材3を直線送りしつつ、帯電装置12で導電芯材3とノズル11との間に電位差のある高電圧を印加する。必要に応じて、ポンプ装置13を作動させてノズル11の噴射孔へ供給するポリマー溶液を加圧させる。また導電芯材3が剥離層4を備えたものでない場合には、溶融押出装置18などの作動により、予め導電芯材3に剥離層4を形成させるようにする。
ノズル11から導電芯材3へ向けてポリマー溶液が噴射される(導電芯材3側に吸引される)過程では、溶液成分が瞬間蒸発すると共にポリマーが極細繊維状に造形されつつ更に伸長してナノファイバー化し、このナノファイバーが絡み合いながら導電芯材3の外周面に集積されることになる。かくして、ナノファイバーの集積層の中に連通気孔が形成される状態となって、管壁2が形成される(すなわち、本発明に係る多孔質管材1が製造される)。
このような多孔質管材1の製造方法では、芯材送り装置10を用いて導電芯材3の巻き出し及び巻き取りを行いながら、同時に電界紡糸法を実施するようにしているので、連続操業が可能となり、製造コストの大幅な抑制が可能である。従って例えば、巻出リール15として、100mを超えるような長大な導電芯材3が巻回されたものを準備すれば、多孔質管材1としても同長さのものを製造することができ、極めて生産性に優れ、低コスト
化が可能となるものである。
巻取リール16に巻き取られた多孔質管材1は、巻取リール16への巻回状態のまま、或いはこの巻回状態から巻取リール16を取り外したロール状態として、包装又は梱包する。この際、多孔質管材1にオートクレーブ滅菌処理や紫外線照射滅菌処理などの滅菌処理を施し、その後に、対細胞毒性が低い滅菌包装材を用いて包装又は梱包するのが好適である。
包装又は梱包を終えた多孔質管材1は、その状態のまま流通(在庫状態を含む)させるのがよい。そして、使用現場(例えば、再生医療の施術現場など)において、必要長さをその都度、滅菌包装又は滅菌梱包から繰り出しつつ切り出し、切り出したものから導電芯材3を取り出して使用する。導電芯材3の取り出しは剥離層4によって容易化されており、何ら手間を要するものではない。
なお、多孔質管材1は、巻取リール16への巻回状態や巻取リール16から取り外したロール状態として流通させる場合の他、巻取リール16への巻き取りを行わずに、電界紡糸後にそのまま定寸(例えば100〜300mm)で切断しつつ、定寸単位で滅菌包装(袋詰めやラミネートなど)を同時に行うようにして、この滅菌包装の状態で流通させるようにしてもよい。
なお、芯材送り装置10(駆動制御部17)における導電芯材3の送り速度、ノズル11の孔径や噴射距離、ポンプ装置13の供給圧、帯電装置12の電圧などは、導電芯材3の太さや導電率、要求される多孔質管材1としての管壁2の肉厚などに応じて適宜変更可能である。
例えば、図3に示すように、ノズル11は、導電芯材3を中心としてその周りにリング状配置で複数個を設けるようにしてもよい。図3では、ノズル11を4個用い、互いに周方向に等間隔となるように配置してある。また、導電芯材3を挟んで対峙する2個のノズル11が互いに対向関係となるように配置してある。このようなノズル11の配置にすることで、導電芯材3の外周面に対して複数の方向からナノファイバーの吹きつけを行うことができるので、集積層(管壁2)の肉厚を必要量確保する(分厚くする意味を含む)観点、及び生産能率を高める観点から好適であると言うことができる。
図3ではノズル11の個数を4個としているが、個数面での限定はなく、例えば導電芯材3を挟んだ対向配置でノズル11を2個だけとしたり、6個、8個、12個などと、ノズル11の個数を増やすことも可能である。
ノズル11の配置として、前記のように導電芯材3を挟んだ対向配置とする場合、ナノファイバーが導電芯材3に集中しやすくなる作用を得ることができる。それ故、集積層として連続気孔の発生状態が均質で、肉厚的にも均一となる良質な管壁2が得られる効果がある。ただ、導電芯材3を挟んだ対向配置とすることも特段、限定されるものではなく、ノズル11を奇数個(例えば3個とか5個)用いるものとして、対向させない配置にすることも可能である。
また、導電芯材3を中心としてその周りにノズル11をリング状配置で設けることに関して、リング状配置の配置数を、導電芯材3の長さ方向で複数に増やしてもよい。この場合、隣り合うリング状配置体として、それぞれのノズル11の配置角をずらすようにするとよい。
例えば、一つのリング状配置体で4個のノズル11を設ける場合で説明すると、某リング状配置体において水平垂直(0°、90°、180°、270°)にノズル11を配置させ、この隣のリング状配置体では、ノズル11の配置角を45°づつずらして(45°、135°、225°、315°)ノズル11を配置させる、といった具合である。
当然に、リング状配置体の増加数についても限定されず、3連、4連にすることが可能である。このような場合も、ノズル11の配置角を隣合うリング状配置体との間で30°ずらしや、22.5°ずらし、といった具合に変化させるようにすればよい。
更には、リング状配置体に含まれる複数個のノズル11を、導電芯材3を中心にしてその周りで回転させる(図3中の矢符A参照)ようにしてもよい。リング状配置体を複数設ける場合は、隣り合うリング状配置体を互いに逆回転させるようにしてもよいし、一体回
転させるようにしてもよい。
場合によっては、リング状配置体は回転させず、導電芯材3を回転させるようにしてもよい。すなわち、導電芯材3の回転は、芯材送り装置10を全体として回転させる(巻出リール15をB回転させると共に巻取リール16も同速でC回転させる)ことにより行う。
以上、詳説したところから明らかなように、本発明に係る芯材入り多孔質管材1では、製造後から流通段階を経て使用に至るまで、多孔質管材1の中空部には導電芯材3による保形材が挿入された状態にある。そのため、流通時などにおいて多孔質管材1に無理な外力が加わっても、多孔質管材1に対して折れ癖や潰れ変形などが生じるのを防止することが可能となっている。従って、多孔質管材1を流通のために(変形防止のために)嵩高の厳重包装や梱包などする必要がなくなり、流通コストを削減することができる。また当然に、多孔質管材1として、折れ癖や潰れ変形等を原因とする廃棄を防止できることになるので、コスト削減に繋がる。
また、多孔質管材1を人造血管などとして使用する際において、施術箇所に応じた必要長さをその都度切り出して使用できるので、カットロス(無駄な長さを切断して廃棄すること)を略解消できる利点がある。
加えて、滅菌処理が原因となり多孔質管材1の管壁2に発生する収縮に対しても、形状安定化(いわゆるエイジング)が得られるまで、導電芯材3が流通時を利用した保形材として作用することになる。すなわち、多孔質管材1の使用現場にて導電芯材3を取り除いても収縮変形は殆ど生じないことになり、外形状的に高品質の多孔質管材1が得られるという利点に繋がる。
ところで、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、多孔質管材1としての用途は何ら限定されない。また、多孔質管材1の形成素材、使用素材などにおいても限定されないものである。
また、本発明に係る多孔質管材1の製造方法において、電界紡糸法を行うに際しては図3で例示した各種方法(装置)の一部又は全部を組み合わせるようにすることも可能である。
多孔質管材1の長手方向断面形状において、太さを一定(ストレート形)とすることが限定されるものではない。例えば、太い部分と細い部分とが交互又はランダムに生じていたり、内周面(導電芯材3に接する側の面)に対して、長手方向に平行又は螺旋状となって細分された溝や筋、又は連続した溝や筋が生じているなどの異形タイプとすることもできる。このように、径方向に異形性を持たせることによっても、剥離層4を設けた場合であれば導電芯材3と多孔質管材1との間に滑り性を確保できることになる。そのため、使用時において多孔質管材1から導電芯材3を引く抜くうえで、何ら問題は生じない。
1 多孔質管材
2 管壁
3 導電芯材
4 剥離層
10 芯材送り装置
11 ノズル
12 帯電装置
13 ポンプ装置
15 巻出リール
16 巻取リール
17 駆動制御部
18 溶融押出装置

Claims (3)

  1. ナノファイバーの集積層により管壁が形成されて成る管形体の多孔質管材であって、
    前記管壁で取り囲まれて成る管内の中空部には電界紡糸法によってナノファイバーを集積して前記管壁に形成させる際のコレクターとなる導電芯材が串刺し状に挿入されており、
    前記導電芯材は前記中空部を満たして前記管壁を内側から全体的にバックアップする状態で流通時の保形材とされていることを特徴とする芯材入り多孔質管材。
  2. 前記管壁の内周面と前記導電芯材の外周面との周間に当該導電芯材の軸方向移動を促す剥離層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の芯材入り多孔質管材。
  3. 前記導電芯材は可撓性の金属線材により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の芯材入り多孔質管材。
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