JP2014163696A - 電磁波イメージングシステムの計測治具および計測方法 - Google Patents

電磁波イメージングシステムの計測治具および計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スキャナーによる被計測物の計測領域全体の網羅的且つ効率的な走査を容易に行い得るようにすることである。
【解決手段】電磁波を媒体とするスキャナー2により被計測物3の表面3aを走査する電磁波イメージングシステム1の計測治具10であって、直線棒状の走査案内部15と、一辺の長さがスキャナー2の計測幅Wに等しい正N角形(N≧3)の断面形状を有する角柱に形成され走査案内部15の少なくとも一方の端部に同軸に設けられる回転位置決め部14と、を備えた治具本体11と、被計測物3の表面3aに固定される第1ファスナー12aと、回転位置決め部14の外面に固定される第1ファスナー12aに貼り付け可能な第2ファスナー12bとを備え、治具本体11を被計測物3に固定する面ファスナー12と、被計測物3の表面3aに固定され、スキャナー2の走査開始位置を指示する開始位置用マーカー13とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物を走査する電磁波イメージングシステムの計測治具および計測方法に関する。
コンクリート構造物の耐久性を評価するために用いられる点検項目には、コンクリート内の鉄筋の配筋やかぶり厚、コンクリート表面のひび割れなどがある。コンクリート内部の鉄筋はもとより、コンクリート表面のひび割れにおいても、実際の構造物の表面は塗装や壁紙装飾あるいは補修材などの隠蔽物によって被覆されている場合が多い。このような隠蔽物に覆われるがゆえに直接目視によって点検できない鉄筋やひび割れを可視化する透視診断技術が望まれている。
このような透視診断技術として、電磁波を媒体とした透視技術である電磁波イメージングシステムが実用化されている。電磁波イメージングシステムは、電磁波の照射・検知を行うスキャナー、スキャナーが検知した電磁波の反射強度データ(計測データ)を出力するロックインアンプおよびスキャナーの制御や計測データの演算処理を行うパーソナルコンピュータ(制御PC)等を備え、使用する電磁波の周波数と波長を検知する箇所の境界条件に合わせて調整し、被計測物であるコンクリート構造物の表面(計測領域)をスキャナーで走査することにより、その表面のひび割れや内部の鉄筋の損傷などを検知することができる(例えば特許文献1参照)。
特開2010−286308号公報
上記のような電磁波イメージングシステムを用いて被計測物の幅広い計測領域を網羅的に検査するためには、スキャナーを計測領域の全体に亘って走査する必要がある。
しかしながら、従来の技術では、被計測物の表面に対するスキャナーの走査を作業者がフリーハンドで行うようにしていたので、計測領域に走査漏れの箇所や走査が重複する箇所が発生し、その計測や得られたデータの解析に多大な時間を要するという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、スキャナーによる被計測物の計測領域全体の網羅的且つ効率的な走査を容易に行い得るようにすることにある。
本発明の電磁波イメージングシステムの計測治具は、電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物の表面を走査する電磁波イメージングシステムの計測治具であって、直線棒状の走査案内部と、一辺の長さが前記スキャナーの計測幅に等しい正N角形(N≧3)の断面形状を有する角柱に形成され前記走査案内部の少なくとも一方の端部に該走査案内部と同軸に設けられる回転位置決め部と、を備えた治具本体と、前記被計測物の表面に固定される第1ファスナーと、前記回転位置決め部の外面に固定される前記第1ファスナーに貼り付け可能な第2ファスナーとを備え、前記治具本体を前記被計測物に固定する面ファスナーと、前記被計測物の表面に固定され、前記スキャナーの走査開始位置を指示する開始位置用マーカーと、を有することを特徴とする。
本発明の電磁波イメージングシステムの計測方法は、電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物の表面を走査する電磁波イメージングシステムの計測方法であって、前記被計測物の表面に、第1ファスナーと開始位置用マーカーとを固定する固定工程と、直線棒状の走査案内部と、一辺の長さが前記スキャナーの計測幅に等しい正N角形(N≧3)の断面形状を有する角柱に形成され前記走査案内部の少なくとも一方の端部に該走査案内部と同軸に設けられる回転位置決め部と、を備えた治具本体を、前記回転位置決め部の外面に固定される第2ファスナーを前記第1ファスナーに貼り付けることにより、前記被計測物の表面に設置する設置工程と、前記スキャナーを前記開始位置用マーカーから前記走査案内部に沿って移動させて前記被計測物の表面を走査する第1走査工程と、前記回転位置決め部を前記被計測物の表面上で1/N回転させて前記治具本体を前記スキャナーの反復方向に移動させる移動工程と、前記移動工程の後、前記スキャナーを前記開始位置用マーカーから前記走査案内部に沿って移動させて前記被計測物の表面を走査する第2走査工程と、を有することを特徴とする。
本発明の電磁波イメージングシステムの計測治具は、電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物の表面を走査する電磁波イメージングシステムの計測治具であって、直線棒状の走査案内部と、正N角形(N≧3)の断面形状を有する角錐台に形成され前記走査案内部の少なくとも一方の端部に該走査案内部と同軸に設けられる回転位置決め部と、を備えた治具本体と、前記被計測物の表面に固定される第1ファスナーと、前記回転位置決め部の外面に固定される前記第1ファスナーに貼り付け可能な第2ファスナーとを備え、前記治具本体を前記被計測物に固定する面ファスナーと、前記被計測物の表面に固定され、前記スキャナーの走査開始位置を指示する開始位置用マーカーと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、治具本体の走査案内部に沿ってスキャナーを移動させることにより被計測物の表面を正確に真っ直ぐに走査することができるとともに、回転位置決め部を被計測物の表面上で1/N回転させることにより、治具本体を容易にスキャナーの反復方向に向けて当該スキャナーの計測幅ずつ移動させることができる。したがって、治具本体の走査案内部に沿ったスキャナーの走査と、回転位置決め部の回転とを順次繰り返し行うことにより、計測領域に走査漏れや走査の重複箇所を発生させることなく被計測物の計測領域全体をスキャナーにより容易に網羅的且つ効率的に走査することができる。これにより、この電磁波イメージングシステムを用いた被計測物の計測ないし検査を短時間に容易に行うことができる。
本発明の一実施の形態である計測治具を用いて平壁状の被計測物を電磁波イメージングシステムにより計測する様子を示す図である。 図1に示すスキャナーの構成を模式的に示す図である。 図1に示す被計測物の計測領域におけるスキャナーの走査方向と反復方向とを示す図である。 本発明の一実施の形態である計測方法の計測手順を示すフローチャート図である。 回転位置決め部を被計測物の表面上で回転させて治具本体をスキャナーの反復方向に移動させる様子を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれスキャナーの走査により得られる被計測物の2次元マッピングデータを示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ図1に示す計測治具の変形例を示す図である。 図1に示す計測治具を用いて円柱形状の被計測物を電磁波イメージングシステムにより計測する様子を示す図である。 本発明の他の実施の形態である計測治具を用いてテーパー付き円柱形状の被計測物を電磁波イメージングシステムにより計測する様子を示す図である。 図9に示す被計測物と治具本体の形状の詳細を示す図である。 図9に示す被計測物の計測領域におけるスキャナーの走査方向と反復方向とを示す該計測領域の展開図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。
図1に示す電磁波イメージングシステム1は、電磁波を媒体とするスキャナー2によって被計測物3の表面(計測面)3aを走査することにより、当該被計測物3の内部状況や表面のひび割れ等を検査するものである。図1には、電磁波イメージングシステム1により、鉄筋コンクリート製の四角い平壁状の被計測物3の表面3aないし内部を検査する場合を示す。
この電磁波イメージングシステム1に用いられるスキャナー2は移動型(携帯型)となっており、作業者はこのスキャナー2を手で持って被計測物3の表面3aを走査することができる。図2に示すように、スキャナー2は5つの電磁波送受信器4を備えており、これらの電磁波送受信器4はスキャナー2の走査方向に対して直交する方向に一直線状に並べて配置されている。各電磁波送受信器4は、それぞれ電磁波を被計測物3に向けて照射(送信)することができるとともに照射した電磁波の被計測物3からの反射波を検出(受信)することができる。電磁波送受信器4が照射する電磁波としては、例えば周波数が30GHzから300GHzのミリ波帯の電磁波を用いるのが好ましいが、これ以外の周波数帯の電磁波を用いることもできる。電磁波送受信器4は、照射する電磁波の周波数と波長とを変更可能な構成とすることもできる。スキャナー2には距離センサ5が設けられ、この距離センサ5によりスキャナー2の走査距離が検出される。スキャナー2にはバッテリ6が接続され、このバッテリ6からスキャナー2に電力が供給される。
スキャナー2の走査により得られた計測データは、パーソナルコンピュータ7上で演算処理され、被計測物3の2次元マッピングされたデータを得ることができる。
このような構成の電磁波イメージングシステム1では、スキャナー2で被計測物3の表面を走査すると、距離センサ5によりスキャナー2の走査距離が検出されつつ電磁波送受信器4により電磁波の被計測物3からの反射波が受信され、これらのデータに基づき被計測物3の各位置における内部状況や表面のひび割れ状況を知ることができる。
図2に示すように、スキャナー2が直線的な1ラインの走査により被計測物3を計測できる幅つまり計測幅Wは5つ分の電磁波送受信器4の幅となる。そのため、被計測物3の計測領域がスキャナー2の計測幅Wよりも広い場合には、この幅広い計測領域を網羅的に検査するために、スキャナー2を計測領域の全体に亘って走査する必要がある。このような場合、本発明の計測治具10を用いることにより、被計測物3の計測領域の全体をスキャナー2により網羅的且つ効率的に走査することができる。
図1に示すように、本発明の一実施の形態である計測治具10は治具本体11、面ファスナー12および開始位置用マーカー13を備えている。
本実施の形態においては、治具本体11は、その一辺の長さがスキャナー2の計測幅Wに等しい正四角形の断面形状を有する直線棒状の四角柱に形成されており、その長さ寸法は被計測物3の計測領域の走査方向の長さ寸法よりも長くなっている。治具本体11の上端から所定範囲の部分は回転位置決め部14となっており、回転位置決め部14よりも下方側の残りの部分は走査案内部15となっている。つまり、本実施の形態では、治具本体11はその走査案内部15が回転位置決め部14と同一の正四角形の断面形状を有し、回転位置決め部14の軸方向の一端側に同軸且つ一体に設けられた構成となっている。この治具本体11は、例えば木材(角材)、樹脂材料、金属材料等の種々の材料により形成することができる。
面ファスナー12は、第1ファスナー12aと、第1ファスナー12aに着脱自在に貼り付け可能な第2ファスナー12bとから成る。第1ファスナー12aは帯状に形成され、被計測物3の表面3aの計測領域の上方側に水平に固定(設置)される。第1ファスナー12aの被計測物3の表面3aへの固定は、例えば両面テープ等の固定手段を用いて行うことができる。
一方、第2ファスナー12bは、治具本体11の回転位置決め部14の4つの外面に固定される。本実施の形態においては、第2ファスナー12bは帯状に形成され、回転位置決め部14の外面に巻き付けられて両面テープや接着剤等の固定手段で当該外面に固定される。なお、第2ファスナー12bは上記構成に限らず、それぞれ矩形に形成された4枚の第2ファスナー12bを回転位置決め部14の4つの各外面にそれぞれ別々に固定する構成とすることもできる。
第2ファスナー12bを第1ファスナー12aに貼り付けることにより、治具本体11を面ファスナー12により被計測物3の表面3aに固定して当該表面3aに設置することができる。このとき、治具本体11は地面に対してその長手方向が垂直となる姿勢で配置される。このように、治具本体11を面ファスナー12で被計測物3の表面3aに固定する構成としたことにより、治具本体11を被計測物3の表面3aに自立させることができる。したがって、スキャナー2の走査を行う作業者が治具本体11を保持する負担を低減させて、その作業を容易にすることができる。
治具本体11が被計測物3の表面3aに垂直に設置されると、図3に示すように、スキャナー2の走査方向は被計測物3の表面3aの上下方向つまり地面に対して垂直な方向となる。また、被計測物3の計測領域Sの全体を走査するためにスキャナー2は複数の計測ラインで反復して走査されることになるが、図3に示すように、その反復方向は水平方向とされる。
開始位置用マーカー13は帯状に形成され、被計測物3の表面3aの計測領域の下方側に水平に固定(設置)される。開始位置用マーカー13の被計測物3の表面3aへの固定は、第1ファスナー12aと同様に、例えば両面テープ等の固定手段を用いて行うことができる。開始位置用マーカー13はスキャナー2の走査の開始位置を指示するものであり、作業者はこの開始位置用マーカー13を起点としてスキャナー2の走査を開始することになる。したがって、開始位置用マーカー13よりも上方側が被計測物3の計測領域つまり計測面となる。
次に、本発明の計測治具10を用いて行われる本発明の一実施の形態である電磁波イメージングシステムの計測方法の手順について図4に示すフローチャート図に沿って説明する。
まず、ステップ1において、被計測物3の表面3aの計測領域の上方側に第1ファスナー12aが固定されるとともに計測領域の下方側に開始位置用マーカー13が固定される(固定工程)。
次に、ステップS2において、回転位置決め部14に設けた第2ファスナー12bが被計測物3の表面3aに固定された第1ファスナー12aに貼り付けられて治具本体11が被計測物3の表面3aに地面に対して垂直に設置される(設置工程)。このとき、作業者が右利きである場合には治具本体11を計測領域の左端に設置するのがよい。
治具本体11が被計測物3の表面3aに設置されると、ステップS3において、スキャナー2を被計測物3の表面3aに接触させるとともに治具本体11の走査案内部15に側面を接触させた状態として開始位置用マーカー13に位置合わせする。そして、スキャナー2を常に走査案内部15に接触させながら当該走査案内部15に沿って開始位置用マーカー13から上方に向けて移動させ、被計測物3の表面3aを走査する(第1走査工程)。このように、直線棒状に形成される治具本体11の走査案内部15に沿ってスキャナー2を走査することにより、スキャナー2により被計測物3の表面3aを正確に直線的に走査することができる。またこのとき、スキャナー2に設けられた距離センサ5により、スキャナー2の開始位置用マーカー13を起点とした走査距離が検出される。
スキャナー2による1ラインの走査が終了すると、ステップS4において、回転位置決め部14を被計測物3の表面3a上で1/4回転させて治具本体11を未だ走査が行われていない反復方向の一方側(図1中では右側)に移動させる(移動工程)。回転位置決め部14は一辺の長さがスキャナー2の計測幅Wと等しい正四角形の断面形状を有する四角柱に形成されているので、図5に示すように、回転位置決め部14を被計測物3の表面3aで1/4回転させることにより、治具本体11をスキャナー2の計測幅Wと同一距離だけ反復方向に平行に移動させることができる。
このように、回転位置決め部14を被計測物3の表面3aで1/4回転させることにより治具本体11をスキャナー2の計測幅Wと同一距離だけ反復方向に平行に移動させることができるので、治具本体11を反復方向へ移動させる際に、その反復方向の位置出しを行うことが不要として、治具本体11の移動を容易に行うことができる。
治具本体11の移動が完了すると、ステップS5において、前回の走査と同様に、スキャナー2を被計測物3の表面3aに接触させるとともに治具本体11の走査案内部15に側面を接触させた状態として開始位置用マーカー13に位置合わせする。そして、スキャナー2を常に走査案内部15に接触させながら当該走査案内部15に沿って開始位置用マーカー13から上方に向けて移動させ、計測面を走査する(第2走査工程)。
このとき、走査案内部15に沿ってスキャナー2を走査することによりスキャナー2を正確に直線的に走査することができるとともに、治具本体11は前回の走査に対してスキャナー2の計測幅Wと同一距離だけ反復方向に移動しているので、前回の走査領域に対して隙間や重複を生じさせることなく被計測物3の表面3aをスキャナー2により走査することができる。
また、被計測物3の表面3aに開始位置用マーカー13を固定し、スキャナー2の走査の開始位置を開始位置用マーカー13により指示するようにしたので、スキャナー2の走査の開始位置の位置出しを不要としてスキャナー2の走査を容易に行うことができる。
以下、スキャナー2の走査と治具本体11の反復方向への移動とを被計測物3の計測領域の全域を網羅するまで、つまり未計測の計測ラインが無くなるまで繰り返すことにより、計測領域に走査漏れや走査の重複箇所を発生させることなく、被計測物3の計測領域全体を網羅的且つ効率的に走査することができる(ステップS6)。
このように、本発明では、直線棒状に形成される治具本体11の走査案内部15に沿ってスキャナー2を走査することにより被計測物3をスキャナー2により正確に直線的に走査することができるとともに、回転位置決め部14を被計測物3の表面3aで1/4回転させることによって治具本体11をスキャナー2の計測幅Wと同一距離だけ反復方向に平行に移動させることができるので、計測領域に走査漏れや走査の重複箇所を発生させることなく被計測物3の計測領域全体をスキャナー2により容易に網羅的且つ効率的に走査することができる。
スキャナー2の各計測ラインでの走査における走査開始位置は開始位置用マーカー13の位置に固定されているので、各計測ラインの走査で得られた計測データの走査開始位置を容易に合わせることができる。したがって、各計測ラインの走査により得られた計測データを反復方向で連結することにより、図6(a)に示すように、被計測物3の計測結果である2次元マッピングデータを容易に得ることができる。
ところで、上記実施の形態では、スキャナー2を全ての計測ラインにおいて開始位置用マーカー13を起点として上方に向けて走査するようにしているが、固定工程において、被計測物3の表面3aの計測領域の下方側だけでなく、図1に二点鎖線で示すように、当該計測領域の上方側にも開始位置用マーカー13を固定して、第1走査工程におけるスキャナー2の走査方向に対して第2走査工程におけるスキャナー2の走査方向を逆向きに行わせることもできる。
このように、計測領域のスキャナー2の走査方向の両側に開始位置用マーカー13を設置した場合、1つの計測ラインの走査を終了したスキャナー2を治具本体11とともに反復方向にずらし、そのまま逆方向に向けて走査することができるので、スキャナー2を開始位置にまで戻す作業を不要として作業効率を高めることができる。このような走査方法により得られた各計測ラインの計測データを反復方向で連結することにより、図6(b)に示すように、図6(a)に示すのと同様の被計測物3の2次元マッピングデータを得ることができる。
図7(a)、(b)はそれぞれ図1に示す計測治具の変形例を示す図である。
図1に示す場合では、走査案内部15の軸方向の一端にのみ回転位置決め部14が設けられているが、図7(a)に示すように、走査案内部15の軸方向の両端に回転位置決め部14を設けることもできる。この場合、被計測物3の表面3aには、その計測領域の上方側と下方側とにそれぞれの回転位置決め部14に対応した2つの第1ファスナー12aが水平に固定されることになる。
このように、走査案内部15の軸方向の両端にそれぞれ回転位置決め部14を設ける構成とすることにより、治具本体11を被計測物3の表面3aで安定して回転させることができる。また、治具本体11をその長手方向の両端側において被計測物3に固定させることができるので、被計測物3の表面3aに設置される治具本体11を安定させてスキャナー2の走査をより正確に行うことができる。
また、図1に示す場合では、治具本体11の走査案内部15と回転位置決め部14とを一体に形成するようにしているが、図7(b)に示すように、走査案内部15と回転位置決め部14とを別々に形成し、これらを互いに連結した構成とすることもできる。図7(b)に示す場合では、治具本体11は、一辺の長さがスキャナー2の計測幅Wに等しい正四角形の断面形状を有する直線棒状の四角柱に形成された回転位置決め部14に、金属等により断面形状が正四角形となる直線棒状に形成された走査案内部15が連結された構成とされている。この走査案内部15の断面は長手方向に一様である。なお、走査案内部15の断面形状は正四角形に限らず、例えば断面円形などスキャナー2と接触して当該スキャナー2の走査を直線状に案内することができるものであれば他の形状やサイズのものとすることもできる。
図8は図1に示す計測治具を用いて円柱形状の被計測物を電磁波イメージングシステムにより計測する様子を示す図である。なお、図8においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付してある。
図8に示すように、本発明の計測治具10および計測方法は円柱形状の被計測物3にも適用することができる。この場合、第1ファスナー12aおよび開始位置用マーカー13は被計測物3の円筒状の表面3aに、その軸心を中心として円環状に固定される。なお、この場合、第1ファスナー12aおよび開始位置用マーカー13は、被計測物3の表面3aへの固定手段として前述の両面テープ等に限らず、留め金(バックル)等を用いて被計測物3の外周に巻き付けて固定する構成とすることもできる。
このような円柱形状の被計測物3に対しても、被計測物3の表面3aに治具本体11を設置し、スキャナー2を治具本体11の走査案内部15に常に接触させた状態で該走査案内部15に沿って移動させて走査を行うとともに、回転位置決め部14を被計測物3の円筒状の表面3aで、その円周方向に向けて1/4回転させる作業を繰り返し行うことにより、被計測物3の計測領域全体を網羅的且つ効率的に走査することができる。
なお、本発明の計測治具10ないし計測方法は円柱形状の被計測物3に限らず、その表面3aにスキャナー2が接触可能であり、また、その断面形状が計測領域において一様であれば、例えば角柱形状の被計測物3や円筒形状の被計測物3に対しても適用することができる。
図9は本発明の他の実施の形態である計測治具を用いてテーパー付き円柱形状の被計測物を電磁波イメージングシステムにより計測する様子を示す図である。なお、図9においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付してある。
図9に示す本発明の他の実施の形態である計測治具10は、電磁波イメージングシステム1によりテーパー付きの円柱形状つまり円錐台形状の被計測物3を計測する場合に用いられるものである。
この場合、治具本体11は正四角形の断面形状を有する角錐台に形成される。図10に示すように、角錐台に形成される治具本体11のテーパー率は、被計測物3のテーパー率α=(元口寸法B−末口寸法A)/長さL、と同一とされている。
治具本体11の上端から所定の範囲は回転位置決め部14となっており、回転位置決め部14の外面には第2ファスナー12bが固定されている。また、治具本体11の回転位置決め部14よりも下方側の部分は走査案内部15となっており、走査案内部15の下端側つまり開始位置用マーカー13に配置される部分における断面形状は、その一辺の長さがスキャナー2の計測幅Wに等しい正四角形となっている。
このような形状の治具本体11を、その回転位置決め部14に固定された第2ファスナー12bを被計測物3の表面3aに固定された第1ファスナー12aに貼り付けてテーパー付き円柱形状の被計測物3の表面3aに設置し、スキャナー2を治具本体11の走査案内部15に常に接触させた状態で該走査案内部15に沿って移動させることにより、被計測物3の表面3aをスキャナー2により直線的に走査することができる。また、治具本体11の回転位置決め部14は被計測物3と同一のテーパー率を有する角錐台形状に形成されているので、図11に示すように、回転位置決め部14を被計測物3の円筒状の表面3aでその円周方向に向けて1/4回転させることにより、テーパー付き円柱形状の被計測物3の表面3aで治具本体11を計測領域の反復方向つまり円周方向に沿って移動させることができる。そして、スキャナー2の走査と治具本体11の反復方向への移動とを被計測物3の計測領域の全域を網羅するまで、つまり未計測の計測ラインが無くなるまで繰り返すことにより、被計測物3の計測領域全体を網羅的且つ効率的に走査することができる。このとき、走査案内部15の下端側つまり開始位置用マーカー13に配置される部分の断面形状が、その一辺の長さがスキャナー2の計測幅Wに等しい正四角形とされているので、スキャナー2の最小限の反復走査で被計測物3の表面3aの全体を網羅的に走査することができる。
なお、本実施の形態では治具本体11はテーパー付きの角錐台形状に形成されているのに対してスキャナー2の計測幅Wは一定であるため、各計測ラインの計測領域の上方側においてスキャナー2による走査領域に重複が生じることになる。この重複は、パーソナルコンピュータ7により計測データを演算処理する際に、被計測物3のテーパー率αに基づいて当該データを補正する等して解消することができ、これにより被計測物3の2次元マッピングを得ることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、スキャナー2として5つの電磁波送受信器4を備えたものを例示しているが、スキャナー2は少なくとも1つの電磁波送受信器4を備えていればよい。また、スキャナー2に設けられる電磁波送受信器4は、電磁波送信機と電磁波受信機とに分けた構成とすることもできる。
また、本実施の形態においては、回転位置決め部14として正四角形の断面形状を有する4角柱に形成されたものを例示しているが、回転位置決め部14は、正N角形(N≧3)の断面形状を有する角柱に形成されていればよい。この場合、治具本体11を反復方向へ移動させる際には回転位置決め部14は被計測物3の表面3a上で1/N回転されることになる。
さらに、本実施の形態においては、第1ファスナー12aと開始位置用マーカー13とを被計測物3の表面3aの計測領域の上下に水平に固定するようにしているが、例えば第1ファスナー12aと開始位置用マーカー13とを被計測物3の表面3aの計測領域の左右に地面に対して垂直に固定するなど、その現場の状況に応じてその方向を任意に設定することができる。
1 電磁波イメージングシステム
2 スキャナー
3 被計測物
3a 表面
4 電磁波送受信器
5 距離センサ
6 バッテリ
7 パーソナルコンピュータ
10 計測治具
11 治具本体
12 面ファスナー
12a 第1ファスナー
12b 第2ファスナー
13 開始位置用マーカー
14 回転位置決め部
15 走査案内部
S 計測領域

Claims (7)

  1. 電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物の表面を走査する電磁波イメージングシステムの計測治具であって、
    直線棒状の走査案内部と、一辺の長さが前記スキャナーの計測幅に等しい正N角形(N≧3)の断面形状を有する角柱に形成され前記走査案内部の少なくとも一方の端部に該走査案内部と同軸に設けられる回転位置決め部と、を備えた治具本体と、
    前記被計測物の表面に固定される第1ファスナーと、前記回転位置決め部の外面に固定される前記第1ファスナーに貼り付け可能な第2ファスナーとを備え、前記治具本体を前記被計測物に固定する面ファスナーと、
    前記被計測物の表面に固定され、前記スキャナーの走査開始位置を指示する開始位置用マーカーと、を有することを特徴とする計測治具。
  2. 前記被計測物の計測領域の、前記スキャナーの走査方向両側に固定される一対の前記開始位置用マーカーを有することを特徴とする請求項1に記載の計測治具。
  3. 前記走査案内部の両端に前記回転位置決め部が設けられるとともに、それぞれの前記回転位置決め部に固定される前記第2ファスナーに対応する2つの前記第1ファスナーを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の計測治具。
  4. 電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物の表面を走査する電磁波イメージングシステムの計測方法であって、
    前記被計測物の表面に、第1ファスナーと開始位置用マーカーとを固定する固定工程と、
    直線棒状の走査案内部と、一辺の長さが前記スキャナーの計測幅に等しい正N角形(N≧3)の断面形状を有する角柱に形成され前記走査案内部の少なくとも一方の端部に該走査案内部と同軸に設けられる回転位置決め部と、を備えた治具本体を、前記回転位置決め部の外面に固定される第2ファスナーを前記第1ファスナーに貼り付けることにより、前記被計測物の表面に設置する設置工程と、
    前記スキャナーを前記開始位置用マーカーから前記走査案内部に沿って移動させて前記被計測物の表面を走査する第1走査工程と、
    前記回転位置決め部を前記被計測物の表面上で1/N回転させて前記治具本体を前記スキャナーの反復方向に移動させる移動工程と、
    前記移動工程の後、前記スキャナーを前記開始位置用マーカーから前記走査案内部に沿って移動させて前記被計測物の表面を走査する第2走査工程と、を有することを特徴とする電磁波イメージングシステムの計測方法。
  5. 前記固定工程において、前記被計測物の計測領域の、前記スキャナーの走査方向両側に一対の前記開始位置用マーカーを固定し、
    前記第1走査工程における前記スキャナーの走査方向と前記第2走査工程における前記スキャナーの走査方向とを逆向きとすることを特徴とする請求項4に記載の電磁波イメージングシステムの計測方法。
  6. 前記スキャナーに設けた距離センサにより該スキャナーの走査距離を検出することを特徴とする請求項4または5に記載の電磁波イメージングシステムの計測方法。
  7. 電磁波を媒体とするスキャナーにより被計測物の表面を走査する電磁波イメージングシステムの計測治具であって、
    直線棒状の走査案内部と、正N角形(N≧3)の断面形状を有する角錐台に形成され前記走査案内部の少なくとも一方の端部に該走査案内部と同軸に設けられる回転位置決め部と、を備えた治具本体と、
    前記被計測物の表面に固定される第1ファスナーと、前記回転位置決め部の外面に固定される前記第1ファスナーに貼り付け可能な第2ファスナーとを備え、前記治具本体を前記被計測物に固定する面ファスナーと、
    前記被計測物の表面に固定され、前記スキャナーの走査開始位置を指示する開始位置用マーカーと、を有することを特徴とする計測治具。
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