JP2014165221A - 含浸方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】物品に含浸されている液の量を制御することのできる含浸方法を提供すること。
【解決手段】コンデンサ素子11等の物品に電解液12を含浸するにあたって、減圧工程において、コンデンサ素子11が配置された含浸室2を圧力値P1まで減圧した後、浸漬工程でコンデンサ素子11を電解液12に浸漬し、その後、復圧工程において、含浸室2内の圧力を圧力値P1より高い圧力値P2まで高める。そして、引き上げ工程においてコンデンサ素子11を電解液12から引き上げた後、余剰液除去工程において、含浸室2内の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に減圧してコンデンサ素子11に含浸された電解液12の一部をコンデンサ素子11から垂れさせる。ここで減圧工程での圧力値P1を40hPa以下とし、復圧工程での圧力値P2を大気圧とし、余剰液除去工程では、含浸室2の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に保持する。
【選択図】図1
【解決手段】コンデンサ素子11等の物品に電解液12を含浸するにあたって、減圧工程において、コンデンサ素子11が配置された含浸室2を圧力値P1まで減圧した後、浸漬工程でコンデンサ素子11を電解液12に浸漬し、その後、復圧工程において、含浸室2内の圧力を圧力値P1より高い圧力値P2まで高める。そして、引き上げ工程においてコンデンサ素子11を電解液12から引き上げた後、余剰液除去工程において、含浸室2内の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に減圧してコンデンサ素子11に含浸された電解液12の一部をコンデンサ素子11から垂れさせる。ここで減圧工程での圧力値P1を40hPa以下とし、復圧工程での圧力値P2を大気圧とし、余剰液除去工程では、含浸室2の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に保持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解コンデンサ用の素子、電気二重層コンデンサ用の素子、電池用の素子等の物品に液を含浸する含浸方法に関するものである。
電解コンデンサ用の素子、電気二重層コンデンサ用の素子、電池用の素子等の物品に液を含浸する際には、液中に物品を浸漬した状態で減圧する方法等が採用されている。また、物品に液を効率よく含浸する方法として、電解コンデンサ用の素子に電解液を含浸する際、含浸前の素子が配置された含浸室内を減圧した後、素子を電解液中に浸漬し、その後、含浸室の圧力を大気圧まで戻す方法が提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献1には、素子を電解液から引き上げた後、含浸室を減圧し、素子に含浸された電解液の一部を素子から垂れさせて素子から除去する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、素子に含浸された電解液の一部を素子から除去することができるが、最終的に素子に含浸されている電解液の量を十分に制御できないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、物品に含浸されている液の量を制御することのできる含浸方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る含浸方法は、含浸前の物品が配置された含浸室内の圧力を40hPa以下の圧力値P1まで減圧する減圧工程と、該減圧工程により減圧された前記含浸室内で前記物品を液中に浸漬する浸漬工程と、前記含浸室内の圧力を前記圧力値P1より高い圧力値P2まで高めて前記物品の間隙内に前記液を浸透させる復圧工程と、前記物品を前記液から引き上げる引き上げ工程と、を有し、前記引き上げ工程の後、前記液が含浸された前記物品が配置されている室内の圧力を前記圧力値P1より高く、前記圧力値P2より低い圧力値P3に保持し、前記物品に含浸された前記液のうち、前記圧力値P3に対応する量の液を前記物品から垂れさせる余剰液除去工程を行うことを特徴とする。
本発明に係る含浸方法では、減圧工程において、含浸前の物品が配置された含浸室内の圧力を圧力値P1まで減圧した後、浸漬工程で物品を液に浸漬し、その後、復圧工程において、含浸室内の圧力を圧力値P1より高い圧力値P2まで高めて物品の間隙内に液を浸透させる。そして、引き上げ工程において、物品を液から引き上げた後、余剰液除去工程において、物品が配置されている室内の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に減圧して物品に含浸された液の一部を物品から垂れさせる。本発明では、かかる含浸方法において、減圧工程から引き上げ工程までの間で物品に含浸される液の量が、減圧工程での圧力値P1と復圧工程での圧力値P2との差や比率によって規定され、余剰液除去工程において、物品が配置されている室内の圧力を圧力値P3に保持すると、復圧工程での圧力値P2と余剰液除去工程での圧力値P3との差や比率に応じた量の液が物品から垂れ落ちることに着目する。具体的には、減圧工程での圧力値P1を40hPa以下とし、余剰液除去工程を行う前の時点で、物品に含浸されている液の量を最終的な適正量より多い値に設定しておき、その後、余剰液除去工程で適正な量の液を除去する。このため、余剰液除去工程を行った後、物品に含浸されている液の量を適正な値に制御することができる。
この場合、復圧工程での前記圧力値P2を大気圧に設定することが好ましい。減圧工程での圧力値P1を40hPa以下とし、復圧工程での圧力値P2を大気圧に設定すれば、圧力値P1と圧力値P2との差や比率を十分大きくすることができるので、余剰液除去工程を行う前の時点で、物品に含浸されている液の量を十分な量に設定しておくことができる。
また、本発明の別の形態に係る含浸方法では、減圧工程から引き上げ工程までの間で物品に含浸される液の量を制御する。具体的には、本発明の別の形態に係る含浸方法は、含浸前の物品が配置された含浸室内の圧力を40hPa以下の圧力値P1まで減圧する減圧工程と、該減圧工程により減圧された前記含浸室内で前記物品を液中に浸漬する浸漬工程と、前記含浸室内の圧力を前記圧力値P1より高い圧力値P2まで高めて前記物品の間隙内に前記液を浸透させる復圧工程と、前記物品を前記液から引き上げる引き上げ工程と、を有し、前記圧力値P2を大気圧より低く設定して、当該圧力値P2に対応する量の前記液を前記物品に含浸することを特徴とする。
本発明では、減圧工程から引き上げ工程までの間で物品に含浸される液の量が、減圧工程での圧力値P1と復圧工程での圧力値P2との差や比率によって規定されることに着目して、復圧工程での圧力値P2を大気圧より低く設定して、引き上げ工程を終えた段階での物品に含浸されている液の量を、復圧工程での圧力値P2を大気圧に設定した場合より少なめの適正な値に設定する。このため、物品に含浸されている液の量を適正な値に制御することができる。
本発明において、前記物品は、電解コンデンサ用、電気二重層コンデンサ用、または電池用の電気化学素子であり、この場合、前記液は、前記電気光学素子の間隙に含浸される電解液である。電解コンデンサ用、電気二重層コンデンサ用、または電池用の電気化学素子の場合、電解液の量が電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、または電池の信頼性等に大きな影響を及ぼすため、本発明を適用すれば、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ、または電池の信頼性を向上することができる。
本発明では、減圧工程での圧力値P1を40hPa以下とし、余剰液除去工程を行う前の時点で、物品に含浸されている液の量を最終的な適正量より多い値に設定しておき、その後、余剰液除去工程で適正な量の液を除去する。このため、余剰液除去工程を行った後、物品に含浸されている液の量を適正な値に制御することができる。
本発明の別の形態では、復圧工程での圧力値P2を大気圧より低く設定して、引き上げ工程を終えた段階での物品に含浸されている液の量を、復圧工程での圧力値P2を大気圧に設定した場合より少なめの適正な値に設定する。このため、物品に含浸されている液の量を適正な値に制御することができる。
図面を参照して、本発明を電解コンデンサ用の素子(電気化学素子)の含浸に適用した場合を説明する。
[実施の形態1]
(電解コンデンサの素子構成)
電解コンデンサは一般に、陽極箔と陰極箔とを電解紙を挟んで筒状に巻回してなるコンデンサ素子(物品)と、コンデンサ素子が内側に収容されたケースとを有している。コンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔との間隙に電解液(液)が含浸された後、ケースに収納される。電解液は、例えば、エチレングリコールや、必要に応じて水を配合した溶媒に、ホウ酸や有機酸のアンモニウム塩などが配合されてなる。また、電解液は、γ−ブチロラクトンなどの有機溶剤に有機酸のアンモニウム塩やアミン塩が配合されてなる。
(電解コンデンサの素子構成)
電解コンデンサは一般に、陽極箔と陰極箔とを電解紙を挟んで筒状に巻回してなるコンデンサ素子(物品)と、コンデンサ素子が内側に収容されたケースとを有している。コンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔との間隙に電解液(液)が含浸された後、ケースに収納される。電解液は、例えば、エチレングリコールや、必要に応じて水を配合した溶媒に、ホウ酸や有機酸のアンモニウム塩などが配合されてなる。また、電解液は、γ−ブチロラクトンなどの有機溶剤に有機酸のアンモニウム塩やアミン塩が配合されてなる。
(含浸装置1の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る含浸装置および含浸方法を模式的に示す説明図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る含浸装置および含浸方法を模式的に示す説明図である。
図1において、含浸装置1は、含浸室2、複数のコンデンサ素子11を保持する治具4、制御装置(図示せず)等を備えている。含浸室2は、コンデンサ素子11に電解液12を真空含浸するためのものであって、電解液12が貯留された電解液槽10を有している。含浸室2には真空引き用の管81が接続され、管81には真空引き装置80が接続されている。真空引き装置80は、含浸室2内の空気を排気して含浸室2内を減圧状態(真空状態)とする。かかる真空引きは、管81に接続された電磁バルブ82により制御される。また、含浸室2には外気導入管91が接続されており、外気導入管91は、減圧状態となった含浸室2内に大気を導入し、含浸室2を大気圧等に戻す。かかる復帰は、外気導入管91に接続された電磁バルブ92により制御される。
真空引き装置80は真空ポンプにより構成することができる。また、真空引き装置80は、真空ポンプとダンパとによって構成する場合があり、かかる構成を採用した場合、ダンパが管81に接続される。ダンパと真空ポンプとの間には電磁バルブが接続されており、真空ポンプは、含浸室2を真空引きしない期間中もダンパを真空引きする。このため、真空ポンプの容量が小さい場合でも、ダンパによって含浸室2の内部を一気に真空にすることができる。
(含浸動作)
本形態の含浸装置1においては、まず、図1(a)に示すように、治具4に保持されている複数のコンデンサ素子11を含浸室2に搬入する。この状態で、含浸室2の圧力は大気圧(1013hPa)である。
本形態の含浸装置1においては、まず、図1(a)に示すように、治具4に保持されている複数のコンデンサ素子11を含浸室2に搬入する。この状態で、含浸室2の圧力は大気圧(1013hPa)である。
次に、減圧工程ST1では、電磁バルブ92を閉状態にして含浸室2を密閉状態とした後、電磁バルブ82を開状態にし、矢印Aで示すように、真空引き装置80により含浸室2を真空吸引し、内部の圧力を大気圧より低い圧力値P1(真空状態)とする。
次に、浸漬工程ST2では、図1(b)に示すように、電解液槽10とコンデンサ素子11とが相対移動し、コンデンサ素子11が電解液12中に浸漬される。本形態では、電解液槽10が待機位置から上昇する。ここで、電解液12の液面がコンデンサ素子11の上方位置まで到達すると、電解液槽10の移動が停止し、電解液槽10を含浸位置に停止させる。
次に、復圧工程ST3では、電磁バルブ82を閉状態にした後、電磁バルブ92を開状態にする。その結果、矢印Bで示すように外気導入管91を介して含浸室2の内部に大気が導入されるので、含浸室2の圧力は、圧力値P1より高い圧力値P2となる。その結果、電解液12がコンデンサ素子11に一気に含浸される。
次に、引き上げ工程ST4では、図1(c)に示すように、含浸室2の圧力を圧力値P2に保持した状態で、コンデンサ素子11を電解液12から引き上げる。本形態では、電解液槽10が含浸位置から待機位置まで下降し、コンデンサ素子11を電解液12から引き上げる。この状態で、コンデンサ素子11の下端面116には電解液12aが溜まっている。
次に、余剰液除去工程ST5では、図1(d)に示すように、電解液12が含浸されたコンデンサ素子11が配置されている室内の圧力を減圧工程ST1での圧力値P1より高く、復圧工程ST3での圧力値P2より低い圧力値P3まで減圧する。本形態では、コンデンサ素子11を含浸室2に滞在させたまま、電磁バルブ92を閉状態にして含浸室2を密閉状態とした後、電磁バルブ82を開状態にし、矢印Aで示すように、真空引き装置80により含浸室2を真空吸引し、含浸室2の圧力を減圧工程ST1での圧力値P1より高く、復圧工程ST3での圧力値P2より低い圧力値P3まで減圧する。そして、含浸室2の圧力を、所定の時間、圧力値P3に保持する。本形態では、含浸室2の圧力を1秒間から5秒間、圧力値P3に保持する。その結果、コンデンサ素子11に含浸された電解液12の一部がコンデンサ素子11から垂れ落ち、図1(e)に示すように、余剰な電解液12が除去された状態となる。
次に、電磁バルブ82を閉状態にした後、電磁バルブ92を開状態にする。その結果、外気導入管91を介して含浸室2の内部に大気が導入されるので、含浸室2の圧力は、大気圧に戻る。しかる後に、含浸済みコンデンサ素子11を含浸室2から搬出する。
(含浸液量の制御)
図2は、本発明の実施の形態1における復圧工程ST3での圧力値P2と引き上げ工程ST4を終えた時点でのコンデンサ素子11への電解液12の含浸量との関係を示す説明図であり、図2(a)、(b)には、復圧工程ST3での圧力値P2と電解液12の含浸量との関係を示すグラフ、および復圧工程ST3での圧力値P2によって電解液12の含浸量が変化する様子を模式的に示すグラフが示されている。
図2は、本発明の実施の形態1における復圧工程ST3での圧力値P2と引き上げ工程ST4を終えた時点でのコンデンサ素子11への電解液12の含浸量との関係を示す説明図であり、図2(a)、(b)には、復圧工程ST3での圧力値P2と電解液12の含浸量との関係を示すグラフ、および復圧工程ST3での圧力値P2によって電解液12の含浸量が変化する様子を模式的に示すグラフが示されている。
図1を参照して説明した含浸方法において、本形態では、最終的にコンデンサ素子11に含浸された電解液12の液量を制御するために、以下の構成を採用する。すなわち、本形態では、減圧工程ST1での圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比率によって、引き上げ工程ST4を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量が規定されること、および復圧工程ST3での圧力値P2と余剰液除去工程ST5での圧力値P3との差や比率によって、余剰液除去工程ST5で除去される電解液12の量が規定されることに着目し、コンデンサ素子11に十分な量の電解液12を含浸した後、適正な量の電解液12を除去する。
より具体的には、まず、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPa以下とする一方、復圧工程ST3での圧力値P2を圧力値P1より十分高い値に設定し、引き上げ工程ST4を終えた時点(余剰液除去工程ST5を行う前の時点)で、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を十分多い量に設定しておく。
ここで、減圧工程ST1での圧力値P1を30hPaに固定し、復圧工程ST3での圧力値P2を200hPaから大気圧(1013hPa)まで変化させると、図2(a)に示すように、復圧工程ST3での圧力値P2によって、引き上げ工程ST4を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量が規定される。具体的には、減圧工程ST1での圧力値P1を一定(30hPa)に設定した場合、復圧工程ST3での圧力値P2を高い値に設定する程、引き上げ工程ST4を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量が増大する。すなわち、減圧工程ST1で圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比が大きい程、引き上げ工程ST4を終えた時点(余剰液除去工程ST5を行う前の時点)でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量が増大する。
そこで、本形態では、減圧工程ST1での圧力値P1を30hPaとし、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧とし、引き上げ工程ST4を終えた時点(余剰液除去工程ST5を行う前の時点)でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を十分多い量、例えば、100ccとする。
本形態において、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧とした理由は、減圧工程ST1での圧力値P1が40hPa以下、例えば、30hPaである場合、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧にすれば、減圧工程ST1での圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比率が十分、大きいので、引き上げ工程ST4を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を十分な値とすることができるからである。また、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧にすれば、加圧装置が必要でない等、工程面や装置面で都合がよいことに起因する。また、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPa以下、例えば、30hPaとした理由は、復圧工程ST3での圧力値P2を一定にした場合、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPa以下で変化させても、引き上げ工程ST4を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量がほとんど変化しないことに起因する。また、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPaを超える値とした場合には、減圧工程ST1での圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比を大きくするには、復圧工程ST3での圧力値P2を高くするために加圧装置を必要する等、装置の構成的な負担が加わることに起因する。
また、減圧工程ST1で圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比が大きい程、引き上げ工程ST4を終えた時点(余剰液除去工程ST5を行う前の時点)での電解液12の含浸量が増大する理由は、図2(b)に矢印L1で示すように、毛細管現象によって電解液12がコンデンサ素子11に入り込む際、コンデンサ素子11の間隙内の圧力値P1と、コンデンサ素子11の外部から電解液12に加わる圧力値P2との差や比が大きい程、電解液12がコンデンサ素子11に入り込みやすいためと考えられる。
(除去液量の制御)
図3は、本発明の実施の形態1における余剰液除去工程ST5での圧力値P3と、余剰液除去工程ST5での電解液12の除去量との関係を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、余剰液除去工程ST5での圧力値P3と電解液12の除去量との関係を示すグラフ、および余剰液除去工程ST5において電解液12の除去される様子を模式的に示す説明図である。
図3は、本発明の実施の形態1における余剰液除去工程ST5での圧力値P3と、余剰液除去工程ST5での電解液12の除去量との関係を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、余剰液除去工程ST5での圧力値P3と電解液12の除去量との関係を示すグラフ、および余剰液除去工程ST5において電解液12の除去される様子を模式的に示す説明図である。
次に、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧(1013hPa)に固定した場合において、余剰液除去工程ST5での圧力値P3を大気圧から200hPaまで変化させると、図3(a)に一点鎖線L10で示すように、余剰液除去工程ST5での圧力値P3によって、余剰液除去工程ST5で除去される電解液12の量が規定される。具体的には、復圧工程ST3での圧力値P2を一定に設定した場合、余剰液除去工程ST5での圧力値P3を低い値に設定する程、電解液12の除去量が増大する。すなわち、復圧工程ST3での圧力値P2と余剰液除去工程ST5での圧力値P3との差や比率が大きい程、電解液12の除去量が増大する。ここで、余剰液除去工程ST5を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量は、余剰液除去工程ST5を行う前の時点での電解液12の含浸量から、余剰液除去工程ST5で除去された電解液12の量を差し引いた量である。従って、図3(a)に実線L20で示すように、復圧工程ST3での圧力値P2と余剰液除去工程ST5での圧力値P3との差や比率によって、余剰液除去工程ST5を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12を規定することができる。
例えば、減圧工程ST1での圧力値P1を30hPaとし、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧とすることにより、引き上げ工程ST4を終えた時点(余剰液除去工程ST5を行う前の時点)でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を100ccとし、余剰液除去工程ST5での圧力値P3を800hPaとすることにより、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12のうち、20ccの電解液12を除去する。その結果、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を80ccと適正化することができる。
なお、復圧工程ST3での圧力値P2と余剰液除去工程ST5での圧力値P3との差や比率によって、余剰液除去工程ST5で除去される電解液12の量が規定される理由は、以下のように考えられる。まず、余剰液除去工程ST5において、含浸室2を減圧すると、図3(b)に示すように、コンデンサ素子11の下端面に余剰な電解液12が溜まって液滴として落下する。さらに、含浸室2の圧力が圧力値P3に到達した後、含浸室2の圧力を圧力値P3に保持すると、コンデンサ素子11の内部から電解液12が連続的に垂れ、余剰な電解液12が除去さる。その理由は、コンデンサ素子11の雰囲気の圧力(余剰液除去工程ST5での含浸室2の圧力)が低下すると、電解液12が毛細管現象によってコンデンサ素子11の隙間に保持されようとする力が低下するためと考えられる。従って、含浸室2の圧力と電解液12が毛細管現象によってコンデンサ素子11の隙間に保持されようとする力とが釣り合うまでコンデンサ素子11から電解液12が落下し、除去される。それ故、余剰液除去工程ST5での圧力値P3が低い程、電解液12の除去量が増大する等、余剰液除去工程ST5での圧力値P3に対応する量の電解液12がコンデンサ素子11から除去される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、減圧工程ST1において、含浸前のコンデンサ素子11が配置された含浸室2内の圧力を圧力値P1まで減圧した後、浸漬工程ST2でコンデンサ素子11を電解液12に浸漬し、その後、復圧工程ST3において、含浸室2内の圧力を圧力値P1より高い圧力値P2まで高めてコンデンサ素子11の間隙内に電解液12を浸透させる。そして、引き上げ工程ST4において、コンデンサ素子11を電解液12から引き上げた後、余剰液除去工程ST5において、コンデンサ素子11が配置されている含浸室2内の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に減圧してコンデンサ素子11に含浸された電解液12の一部をコンデンサ素子11から垂れさせる。
以上説明したように、本形態では、減圧工程ST1において、含浸前のコンデンサ素子11が配置された含浸室2内の圧力を圧力値P1まで減圧した後、浸漬工程ST2でコンデンサ素子11を電解液12に浸漬し、その後、復圧工程ST3において、含浸室2内の圧力を圧力値P1より高い圧力値P2まで高めてコンデンサ素子11の間隙内に電解液12を浸透させる。そして、引き上げ工程ST4において、コンデンサ素子11を電解液12から引き上げた後、余剰液除去工程ST5において、コンデンサ素子11が配置されている含浸室2内の圧力を圧力値P1より高く、圧力値P2より低い圧力値P3に減圧してコンデンサ素子11に含浸された電解液12の一部をコンデンサ素子11から垂れさせる。
本形態では、かかる含浸方法において、減圧工程ST1から引き上げ工程ST4までの間でコンデンサ素子11に含浸される電解液12の量が、減圧工程ST1での圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比率によって規定され、余剰液除去工程ST5において、コンデンサ素子11が配置されている室内の圧力を圧力値P3に保持すると、復圧工程ST3での圧力値P2と余剰液除去工程ST5での圧力値P3との差や比率に応じた量の電解液12がコンデンサ素子11から除去される液量が規定されることを利用して、コンデンサ素子11に保持される電解液12の量を制御する。具体的には、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPa以下とし、余剰液除去工程ST5を行う前の時点で、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を最終的な適正量より多い値に設定しておき、その後、余剰液除去工程ST5で適正な量の液を除去する。このため、余剰液除去工程ST5を行った後、コンデンサ素子11に含浸されている液の量を適正な値に制御することができる。
また、本形態では、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を最終的な適正量より多い値に設定しておき、その後、適正な量の液を除去する。このため、コンデンサ素子11の間隙に奥まで電解液12を含浸することができ、含浸不足が発生しにくい。
また、本形態では、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧に設定してある。このため、減圧工程ST1での圧力値P1(40hPa以下)と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比率を十分大きくすることができるので、余剰液除去工程ST5を行う前の時点で、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を十分多めに設定することができる。
[実施の形態1の変形例]
上記実施の形態1では、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧に設定したが、復圧工程ST3での圧力値P2については大気圧より高い値、あるいは大気圧より低い値に設定してもよい。
上記実施の形態1では、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧に設定したが、復圧工程ST3での圧力値P2については大気圧より高い値、あるいは大気圧より低い値に設定してもよい。
上記実施の形態1では、減圧工程ST1から引き上げ工程ST4までの工程と、余剰液除去工程ST5とを同一の含浸室2で行なったが、余剰液除去工程ST5については、含浸室2とは別の処理室で行ってもよい。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る含浸装置および含浸方法を模式的に示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る含浸装置および含浸方法を模式的に示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
本形態の含浸装置1においては、まず、図4(a)に示すように、治具4に把持されている複数のコンデンサ素子11を含浸室2に搬入する。この状態で、含浸室2の内部は大気圧(1013hPa)である。
次に、減圧工程ST1では、真空引き装置80により含浸室2を真空吸引し、内部の圧力を大気圧より低い圧力値P1(減圧状態/真空状態)とする。
次に、浸漬工程ST2では、図4(b)に示すように、電解液槽10とコンデンサ素子11とが相対移動し、コンデンサ素子11が電解液12中に浸漬される。
次に、復圧工程ST3では、矢印Bで示すように含浸室2の内部に大気を導入して、含浸室2の圧力を、圧力値P1より高い圧力値P2とする。その結果、電解液12がコンデンサ素子11に一気に含浸される。
次に、引き上げ工程ST4では、図4(c)に示すように、含浸室2の圧力を圧力値P2に保持した状態で、コンデンサ素子11を電解液12から引き上げる。本形態では、電解液槽10を含浸位置から待機位置まで下降させ、コンデンサ素子11を電解液12から引き上げる。
本形態では、復圧工程ST3での圧力値P2を大気圧以下とする。そして、引き上げ工程ST4を終えた後は、電磁バルブ82を閉状態にした後、電磁バルブ92を開状態とし、含浸室2の圧力を大気圧に戻した後、含浸済みコンデンサ素子11を含浸室2から搬出する。
このような含浸方法において、本形態では、図2を参照して説明したように、減圧工程ST1での圧力値P1と復圧工程ST3での圧力値P2との差や比率によって、引き上げ工程ST4を終えた時点でコンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量が規定されることを利用して、コンデンサ素子11に保持される電解液12の量を制御する。具体的には、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPa以下とする一方、復圧工程ST3での圧力値P2を圧力値P1より十分高く、かつ、大気圧より低い値に設定し、引き上げ工程ST4を終えた時点で、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を適正化する。例えば、減圧工程ST1での圧力値P1を40hPa以下とする一方、復圧工程ST3での圧力値P2を800hPaとし、引き上げ工程ST4を終えた時点で、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を80ccと適正化する。このため、本形態では、余剰液除去工程ST5を行わなくても、コンデンサ素子11の下端面116に電解液12が溜まっていない等、コンデンサ素子11に含浸されている電解液12の量を適正な値に制御することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、復圧工程ST3で大気を含浸室2に導入したが、乾燥空気を導入した方がよい。復圧工程ST3では、コンデンサ素子11が電解液12から出ているため、復圧工程ST3で大気を含浸室2に導入すると、大気中の水分によってコンデンサ素子11に含浸されている電解液中の水分量が増大してしまう。これに対して、乾燥空気により含浸室2を大気圧に戻す構成を採用すれば、コンデンサ素子11が吸湿することを防止することができる。
上記実施の形態では、復圧工程ST3で大気を含浸室2に導入したが、乾燥空気を導入した方がよい。復圧工程ST3では、コンデンサ素子11が電解液12から出ているため、復圧工程ST3で大気を含浸室2に導入すると、大気中の水分によってコンデンサ素子11に含浸されている電解液中の水分量が増大してしまう。これに対して、乾燥空気により含浸室2を大気圧に戻す構成を採用すれば、コンデンサ素子11が吸湿することを防止することができる。
[物品の他の例]
上記実施の形態では、液が含浸される物品として電解コンデンサ用の素子(コンデンサ素子11)を例示したが、電気二重層コンデンサ用の素子や、リチウムイオン電池用の素子等の電気化学素子(物品)に電解液を含浸する場合に本発明を適用してもよい。また、電気化学素子以外の物品に液を含浸する場合に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、液が含浸される物品として電解コンデンサ用の素子(コンデンサ素子11)を例示したが、電気二重層コンデンサ用の素子や、リチウムイオン電池用の素子等の電気化学素子(物品)に電解液を含浸する場合に本発明を適用してもよい。また、電気化学素子以外の物品に液を含浸する場合に本発明を適用してもよい。
1 含浸装置
2 含浸室
10 電解液槽
11 コンデンサ素子
12 電解液
ST1 減圧工程
ST2 浸漬工程
ST3 復圧工程
ST4 引き上げ工程
ST5 余剰液除去工程
2 含浸室
10 電解液槽
11 コンデンサ素子
12 電解液
ST1 減圧工程
ST2 浸漬工程
ST3 復圧工程
ST4 引き上げ工程
ST5 余剰液除去工程
Claims (4)
- 含浸前の物品が配置された含浸室内の圧力を40hPa以下の圧力値P1まで減圧する減圧工程と、
該減圧工程により減圧された前記含浸室内で前記物品を液中に浸漬する浸漬工程と、
前記含浸室内の圧力を前記圧力値P1より高い圧力値P2まで高めて前記物品の間隙内に前記液を浸透させる復圧工程と、
前記物品を前記液から引き上げる引き上げ工程と、
を有し、
前記引き上げ工程の後、前記液が含浸された前記物品が配置されている室内の圧力を前記圧力値P1より高く、前記圧力値P2より低い圧力値P3に保持し、前記物品に含浸された前記液のうち、前記圧力値P3に対応する量の液を前記物品から垂れさせる余剰液除去工程を行うことを特徴とする含浸方法。 - 前記圧力値P2を大気圧に設定することを特徴とする請求項1に記載の含浸方法。
- 含浸前の物品が配置された含浸室内の圧力を40hPa以下の圧力値P1まで減圧する減圧工程と、
該減圧工程により減圧された前記含浸室内で前記物品を液中に浸漬する浸漬工程と、
前記含浸室内の圧力を前記圧力値P1より高い圧力値P2まで高めて前記物品の間隙内に前記液を浸透させる復圧工程と、
前記物品を前記液から引き上げる引き上げ工程と、
を有し、
前記圧力値P2を大気圧より低く設定して、当該圧力値P2に対応する量の前記液を前記物品に含浸することを特徴とする含浸方法。 - 前記物品は、電解コンデンサ用、電気二重層コンデンサ用、または電池用の電気化学素子であり、前記液は、前記電気光学素子の間隙に含浸される電解液であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の含浸方法。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20170111741A (ko) * | 2016-03-29 | 2017-10-12 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차전지의 제조방법 |
| US11456446B2 (en) | 2019-01-31 | 2022-09-27 | Lg Energy Solution, Ltd. | Method for pre-lithiation of negative electrode for secondary battery |
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-
2013
- 2013-02-21 JP JP2013032590A patent/JP2014165221A/ja active Pending
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