JP2014165247A - 熱電変換材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Mg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】SixGe1−x〔0<x≦1〕の原料粒子と、MgOまたはSiO2の原料粒子とを混合しつつ粉砕して上記SixGe1−xの原料ナノ粒子と上記MgOまたはSiO2の原料ナノ粒子との原料複合ナノ粒子を形成する工程、
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気と接触させて固気反応によりMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子との複合ナノ粒子を形成する工程、および
上記複合ナノ粒子から成る粉末を焼結する工程
を含むことを特徴とするSixGe1−x系ナノコンポジット熱電変換材料の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】SixGe1−x〔0<x≦1〕の原料粒子と、MgOまたはSiO2の原料粒子とを混合しつつ粉砕して上記SixGe1−xの原料ナノ粒子と上記MgOまたはSiO2の原料ナノ粒子との原料複合ナノ粒子を形成する工程、
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気と接触させて固気反応によりMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子との複合ナノ粒子を形成する工程、および
上記複合ナノ粒子から成る粉末を焼結する工程
を含むことを特徴とするSixGe1−x系ナノコンポジット熱電変換材料の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、Mg2(SixGe1−x)〔0<x≦1〕系ナノコンポジット熱電変換材料の製造方法に関する。
ナノコンポジット熱電変換材料は、熱電変換材料をマトリクスとし、このマトリクス中にナノサイズのフォノン散乱粒子をナノオーダーの間隔で分散させたナノコンポジット構造を有する熱電変換材料である。
熱電変換材料の変換効率は下記の無次元性能指数ZTによって表される。また、α2×σ=PFは、出力因子あるいは電気特性と呼ばれる。
ZT=α2×σ×T/κ………変換効率(無次元性能指数)
α2×σ=PF…………………出力因子(電気特性)
α:ゼーベック係数
σ:電気伝導率
κ:熱伝導率
T:絶対温度
ZT=α2×σ×T/κ………変換効率(無次元性能指数)
α2×σ=PF…………………出力因子(電気特性)
α:ゼーベック係数
σ:電気伝導率
κ:熱伝導率
T:絶対温度
最上式に示したように変換効率は熱伝導率κの逆数に比例するため、熱伝導率が小さいほど変換効率は高まる。ナノコンポジット熱電変換材料は、ナノサイズのフォノン散乱粒子をナノオーダーの間隔で配置してフォノン散乱を増強し、熱伝導率κのうちフォノン伝導分を低下させて熱伝導率κを低下させる。
熱電変換材料のMg2(SixGe1−x)〔0<x≦1〕は、毒性がなく、資源が豊富であることから、それを活用したナノコンポジット熱電変換材料が着目されている。Mg2(SixGe1−x)から成るマトリクス中に、フォノン散乱粒子としてMgO等のセラミックスのナノ粒子をナノ間隔で分散させる。ナノ粒子の間隔をナノオーダーとするためには、間隔を埋めるMg2(SixGe1−x)マトリクス相もナノサイズとして相互混在させる必要がある。
一般に合金ナノ粒子を得るには、溶液中で各合金元素の塩を還元して各合金元素をナノ粒子として析出させ、これを水熱処理等により合金化する。この合金ナノ粒子を焼結して一体化し、ナノコンポジット熱電変換材料が形成される。
しかしMg2(SixGe1−x)の場合、Mgの標準還元電位が大きな負の値であるため、Mg塩からの還元によりMgナノ粒子を生成させることができない。
しかしMg2(SixGe1−x)の場合、Mgの標準還元電位が大きな負の値であるため、Mg塩からの還元によりMgナノ粒子を生成させることができない。
これに対し、溶解法で作製したMg2(SixGe1−x)インゴットをボールミルで微細化する方法が考えられる。例えば、特許文献1には、Bi−Te系等の熱電変換材料をボールミル等で粉砕してミクロンサイズに微細化する方法が開示されている。
しかし、Mg2(SixGe1−x)は活性が非常に高いため、ナノサイズに微細化するために高エネルギーで粉砕を行うと、粉砕用の溶媒と反応して炭素化合物の残留や粉末表面の酸化等が生じ、熱電特性が低下するという問題がある。
しかし、Mg2(SixGe1−x)は活性が非常に高いため、ナノサイズに微細化するために高エネルギーで粉砕を行うと、粉砕用の溶媒と反応して炭素化合物の残留や粉末表面の酸化等が生じ、熱電特性が低下するという問題がある。
一方、特許文献2には、金属Mgと金属SiとSiO2とを固相反応させて熱電変換材料を製造する方法が記載されている。しかし、微細化はミクロンオーダーが限界であるため、熱伝導率はほとんど低下せず、逆に絶縁体であるMgOが存在することにより比抵抗が増加し、結局、前記式に示した変換効率ZTを高めることができない。
すなわち、ナノオーダーのコンポジットとするためには、SiやSiO2だけでなくMgもナノサイズとする必要がある。それは、固相反応では相互拡散により反応が進行するため、均一なナノコンポジット組織を形成するには、金属Mgもナノサイズとすることが必要だからである。そして、仮にナノサイズにできたとしても、Mgは非常に活性なため、安定な粉として管理できない。すなわち、大気中では発火しやすく、不活性雰囲気中でも僅かな酸素や水分が存在すると酸化してしまう。また、Mg、Si、SiO2のナノ粒子を複合化するためにボールミル等で混合する際にMgナノ粒子の酸化が避けられない。
すなわち、ナノオーダーのコンポジットとするためには、SiやSiO2だけでなくMgもナノサイズとする必要がある。それは、固相反応では相互拡散により反応が進行するため、均一なナノコンポジット組織を形成するには、金属Mgもナノサイズとすることが必要だからである。そして、仮にナノサイズにできたとしても、Mgは非常に活性なため、安定な粉として管理できない。すなわち、大気中では発火しやすく、不活性雰囲気中でも僅かな酸素や水分が存在すると酸化してしまう。また、Mg、Si、SiO2のナノ粒子を複合化するためにボールミル等で混合する際にMgナノ粒子の酸化が避けられない。
したがって従来は、MgやMgを含む合金あるいは混合物をナノ粒子化することができないため、Mg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料を製造することができなかった。
本発明は、上記従来の限界を超えて、Mg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、SixGe1−x〔0<x≦1〕の原料粒子と、MgOまたはSiO2の原料粒子とを混合しつつ粉砕して上記SixGe1−xの原料ナノ粒子と上記MgOまたはSiO2の原料ナノ粒子との原料複合ナノ粒子を形成する工程、
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気と接触させて固気反応によりMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子との複合ナノ粒子を形成する工程、および
上記複合ナノ粒子から成る粉末を焼結する工程
を含むことを特徴とするSixGe1−x系ナノコンポジット熱電変換材料の製造方法が提供される。
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気と接触させて固気反応によりMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子との複合ナノ粒子を形成する工程、および
上記複合ナノ粒子から成る粉末を焼結する工程
を含むことを特徴とするSixGe1−x系ナノコンポジット熱電変換材料の製造方法が提供される。
Mg2(SixGe1−x)熱電変換材料の原料粒子として高活性のMgを含まないSixGe1−xを用いたことにより、例えばボールミル等による混合・粉砕の際に溶媒との反応物の残留や酸化を生ずることなく原料複合ナノ粒子を形成することができるので、Mg2(SixGe1−x)マトリクス中にナノオーダーの間隔でナノサイズのフォノン散乱粒子が分散したMg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料を製造することができる。
本発明においては、高活性のMgを含まない安定なSixGe1−xナノ粒子とMgOまたはSiO2のナノ粒子とから成る原料複合ナノ粒子をまず形成し、その後にMg蒸気と反応させることでMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子とから成る複合ナノ粒子を形成し、これを焼結することでMg2(SixGe1−x)/MgOナノコンポジット熱電変換材料を製造する。
図1を参照して、本発明の方法の過程を説明する。
<原料複合ナノ粒子の作製>
図1(1)に示すように、Mgを含まないSixGe1−xナノ粒子と(A)MgOまたは(B)SiO2のナノ粒子とから成る原料複合ナノ粒子を形成する。
<原料複合ナノ粒子の作製>
図1(1)に示すように、Mgを含まないSixGe1−xナノ粒子と(A)MgOまたは(B)SiO2のナノ粒子とから成る原料複合ナノ粒子を形成する。
まず、高温で溶解して作製したSixGe1−xインゴットを例えば乳鉢等で粉砕して粒径1mm以下にする。これに例えば粒径50nm以下のMgO粉末またはSiO2粉末を添加して、粉砕用のメディア(粒径1〜5mm)とともにボールミル容器にセットする。MgO粉末またはSiO2粉末の添加量は、SixGe1−xとの全体量に対して13〜50vol%が適当である。湿式で行う場合は有機溶剤等を添加することができる。遊星ボールミル装置にて混合・粉砕することで、SixGe1−x粒子を粒径100nm以下にまで微細化することができる。これにより、SixGe1−x粒子とMgO粒子またはSiO2粒子とが複合化され、図1(1)に示したような原料複合ナノ粒子〔(A)SixGe1−x/MgOまたは(B)SixGe1−x/SiO2〕が形成される。
なお、SixGe1−xナノ粒子の作製を上記のようにインゴットの粉砕による方法に代えて、還元の困難なMgが存在しないので、溶液法によりSi、Geの塩を還元する方法で直接ナノ粒子を得ることも可能である。
<Mgガスとの固気反応>
上記(A)または(B)の原料複合ナノ粒子をMg蒸気中で典型的には600〜800℃で反応させる。(A)および(B)それぞれについて下記反応が起きる。
(A)SixGe1−x+2Mg(蒸気)→Mg2(SixGe1−x)
(MgOはそのまま存続)
(B)SixGe1−x+2Mg(蒸気)→Mg2(SixGe1−x)
SiO2+4Mg(蒸気)→Mg2Si+2MgO
上記(A)または(B)の原料複合ナノ粒子をMg蒸気中で典型的には600〜800℃で反応させる。(A)および(B)それぞれについて下記反応が起きる。
(A)SixGe1−x+2Mg(蒸気)→Mg2(SixGe1−x)
(MgOはそのまま存続)
(B)SixGe1−x+2Mg(蒸気)→Mg2(SixGe1−x)
SiO2+4Mg(蒸気)→Mg2Si+2MgO
これにより、(A)(B)いずれの場合にも、図1(2)に示すようにMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子との複合ナノ粒子が形成される。
<焼結>
複合ナノ粒子をカーボンダイス等の焼結用ダイス中にセットし、典型的には700〜1000℃で焼結する。
複合ナノ粒子をカーボンダイス等の焼結用ダイス中にセットし、典型的には700〜1000℃で焼結する。
これにより、図1(3)に示したように、Mg2(SixGe1−x)マトリクス中に、粒径50nm以下のMgOナノ粒子またはSiO2ナノ粒子が5〜30vol%の量で間隔50nm以下で分散したMg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料が得られる。図1(3)において、(A)は模式図、(B)は後述する実施例1で実際に得られた試料のTEM像の一例である。
本発明においては、原料のSixGe1−xが均一な固溶体でなくて単にSiとGeとが混合した状態であってもよい。固気反応および焼結工程により、固溶体としてのMg2(SixGe1−x)マトリクスを形成することができる。
本発明のナノコンポジット熱電変換材料は、Mg蒸気との固気反応後や焼結後においても、粉砕用の溶媒の反応残滓や結晶粒界の酸化膜の生成が防止されるので、高い出力因子を維持したまま、ナノ間隔で分散したMgOナノ粒子が有効なフォノン散乱粒子として作用し、熱伝導率が顕著に低減し、その結果、熱電変換性能が大幅に向上する。
本発明は原料複合ナノ粒子とMg蒸気との固気反応により、Mg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料の製造を可能にしている。本発明において固気反応が必須である理由を、以下に図2を参照して説明する。
図2(1)に、本発明の固気反応を模式的に示す。
原料複合ナノ粒子〔SixGe1−x/MgOまたはSixGe1−x/SiO2〕は数十nm〜数十μmのサイズに凝集しているが、粒子間の隙間にMg蒸気が入り込むため、凝集体の内部まで反応が進行するので、均一な反応生成物が得られる。
原料複合ナノ粒子〔SixGe1−x/MgOまたはSixGe1−x/SiO2〕は数十nm〜数十μmのサイズに凝集しているが、粒子間の隙間にMg蒸気が入り込むため、凝集体の内部まで反応が進行するので、均一な反応生成物が得られる。
また、Mg:(SixGe1−x)が2:1の一定の化学量論比で反応し、Mgの反応に過不足が生じない。
図2(2)は、固相反応の場合を模式的に示す。
固体Mgは既に説明したようにμmサイズまでしか微細化できないので、原料複合ナノ粒子〔SixGe1−x/MgOまたはSixGe1−x/SiO2〕の凝集体内部までMgが拡散し難く、均一な反応生成物が得難い。高温で長時間の保持により凝集体内部まで反応を進行させても、SiやMgOまたはSiO2が粗大化してしまう。
固体Mgは既に説明したようにμmサイズまでしか微細化できないので、原料複合ナノ粒子〔SixGe1−x/MgOまたはSixGe1−x/SiO2〕の凝集体内部までMgが拡散し難く、均一な反応生成物が得難い。高温で長時間の保持により凝集体内部まで反応を進行させても、SiやMgOまたはSiO2が粗大化してしまう。
図2(3)は、固液反応の場合を模式的に示す。
例えば、MgインゴットとMgOまたはSiO2を窒化ホウ素坩堝内で加熱することにより、液相MgとMgOまたはSiO2との反応系は構成できる。しかし、液相Mgは、MgOやSiO2との濡れ性が悪く、MgOやSiO2が先に凝集して粗大化してしまう。
例えば、MgインゴットとMgOまたはSiO2を窒化ホウ素坩堝内で加熱することにより、液相MgとMgOまたはSiO2との反応系は構成できる。しかし、液相Mgは、MgOやSiO2との濡れ性が悪く、MgOやSiO2が先に凝集して粗大化してしまう。
更に、図2(2)(3)の固相反応および固液反応の場合には、Mgの過不足が生じやすく、組成制御が困難であるという問題もある。すなわち、Mgは蒸気圧が高く、高温下では揮発するし、液相Mgを用いる場合は過剰なMgが未反応のまま残留する。
したがって、本発明においては、原料複合ナノ粒子(固相)と反応させるMgは気相でなければならない。
〔実施例1〕
図1(1)(A)→(2)→(3)の手順で本発明のナノコンポジット熱電変換材料を作製した。
図1(1)(A)→(2)→(3)の手順で本発明のナノコンポジット熱電変換材料を作製した。
<原料複合ナノ粒子の作製>
高温で溶解して作製したSi0.6Ge0.4インゴットを乳鉢等で粉砕して粒径1mm以下にした。これに粒径20nmのMgOナノ粒子を24vol%添加し、遊星ボールミルにて混合・粉砕し、原料複合ナノ粒子〔Si0.6Ge0.4/MgO〕を作製した。
高温で溶解して作製したSi0.6Ge0.4インゴットを乳鉢等で粉砕して粒径1mm以下にした。これに粒径20nmのMgOナノ粒子を24vol%添加し、遊星ボールミルにて混合・粉砕し、原料複合ナノ粒子〔Si0.6Ge0.4/MgO〕を作製した。
<Mgガスとの固気反応>
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気中で600℃で3hr反応させて、複合ナノ粒子〔Mg2(Si0.6Ge0.4)/10vol%MgO〕を得た。
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気中で600℃で3hr反応させて、複合ナノ粒子〔Mg2(Si0.6Ge0.4)/10vol%MgO〕を得た。
<焼結>
上記複合ナノ粒子を焼結用カーボンダイス中にセットし、850℃で10minの焼結を行った。これにより、図1(3)(B)に示すように、Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス中に、フォノン散乱粒子として粒径20nm程度のMgOナノ粒子が間隔20nm程度で分散したナノコンポジット熱電変換材料が得られた。
上記複合ナノ粒子を焼結用カーボンダイス中にセットし、850℃で10minの焼結を行った。これにより、図1(3)(B)に示すように、Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス中に、フォノン散乱粒子として粒径20nm程度のMgOナノ粒子が間隔20nm程度で分散したナノコンポジット熱電変換材料が得られた。
〔実施例2〕
図1(1)(B)→(2)→(3)の手順で本発明のナノコンポジット熱電変換材料を作製した。
図1(1)(B)→(2)→(3)の手順で本発明のナノコンポジット熱電変換材料を作製した。
<原料複合ナノ粒子の作製>
高温で溶解して作製したSi0.6Ge0.4インゴットを乳鉢等で粉砕して粒径1mm以下にした。これに粒径10nmのSiO2ナノ粒子を32vol%添加し、遊星ボールミルにて混合・粉砕し、原料複合ナノ粒子〔Si0.6Ge0.4/SiO2〕を作製した。
高温で溶解して作製したSi0.6Ge0.4インゴットを乳鉢等で粉砕して粒径1mm以下にした。これに粒径10nmのSiO2ナノ粒子を32vol%添加し、遊星ボールミルにて混合・粉砕し、原料複合ナノ粒子〔Si0.6Ge0.4/SiO2〕を作製した。
<Mgガスとの固気反応>
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気中で600℃で3hr反応させて、複合ナノ粒子〔Mg2(Si0.6Ge0.4)/10vol%MgO〕を得た。
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気中で600℃で3hr反応させて、複合ナノ粒子〔Mg2(Si0.6Ge0.4)/10vol%MgO〕を得た。
<焼結>
上記複合ナノ粒子を焼結用カーボンダイス中にセットし、850℃で10minの焼結を行った。これにより、実施例1において図1(3)(B)に示したと同様に、Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス中に、フォノン散乱粒子として粒径20nm程度のMgOナノ粒子が間隔20nm程度で分散したナノコンポジット熱電変換材料が得られた。
上記複合ナノ粒子を焼結用カーボンダイス中にセットし、850℃で10minの焼結を行った。これにより、実施例1において図1(3)(B)に示したと同様に、Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス中に、フォノン散乱粒子として粒径20nm程度のMgOナノ粒子が間隔20nm程度で分散したナノコンポジット熱電変換材料が得られた。
〔比較例〕
比較のため、本発明のMg蒸気との固気反応を用いずに、Mg2(Si0.6Ge0.4)/MgOナノコンポジット熱電変換材料を作製した。
溶解法で作製したMg2(Si0.6Ge0.4)インゴットを乳鉢で粉砕した粉末を出発原料とした。MgOとナノレベルで複合化するためにMg2(Si0.6Ge0.4)の微細化が必要であり、高エネルギーでのボールミル処理により混合・粉砕した。これを実施例1、2と同様に焼結して、Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス中に、フォノン散乱粒子として粒径20nm程度のMgOナノ粒子が間隔20nm程度で分散したナノコンポジット熱電変換材料が得られた。
比較のため、本発明のMg蒸気との固気反応を用いずに、Mg2(Si0.6Ge0.4)/MgOナノコンポジット熱電変換材料を作製した。
溶解法で作製したMg2(Si0.6Ge0.4)インゴットを乳鉢で粉砕した粉末を出発原料とした。MgOとナノレベルで複合化するためにMg2(Si0.6Ge0.4)の微細化が必要であり、高エネルギーでのボールミル処理により混合・粉砕した。これを実施例1、2と同様に焼結して、Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス中に、フォノン散乱粒子として粒径20nm程度のMgOナノ粒子が間隔20nm程度で分散したナノコンポジット熱電変換材料が得られた。
≪熱電変換特性の評価≫
実施例1、2および比較例で作製したナノコンポジット熱電変換材料の試料について、熱伝導率κおよび出力因子PFを測定した。結果をまとめて表1に示す。
実施例1、2および比較例で作製したナノコンポジット熱電変換材料の試料について、熱伝導率κおよび出力因子PFを測定した。結果をまとめて表1に示す。
基準試料(Mg2(Si0.6Ge0.4)マトリクス単独(フォノン散乱粒子なし))は熱伝導率2.5W/mK、出力因子1.3mW/mK2である。これに比べて、実施例1、実施例2はそれぞれ熱伝導率1.7、1.5W/mK、出力因子1.2、1.1mW/mK2であり、いずれも大幅に向上している。
これに対して固気反応していない比較例は、熱伝導率は1.6W/mKであり、実施例1、2に対して遜色はないが、出力因子は0.3mW/mK2と著しく劣っている。この理由は下記のように推察される。すなわち、活性なMgを含むMg2(Si0.6Ge0.4)は微細化すると非常に活性になり、ボールミル処理中にボールミル用の溶媒と反応し、あるいは、雰囲気中に存在するわずかな水分や酸素と容易に反応して酸化物が生成した。そのため、熱伝導率κは低下したが、出力因子PFは向上しなかった。
本発明の実施例1、2は、ボールミル処理の際には、金属Mgを含まない複合原料ナノ粒子であるため、比較例のようにボールミル用の溶媒との反応や雰囲気中に存在するわずかな水分や酸素と反応することがないので、熱伝導率と出力因子とが両方ともに向上している。
本発明によれば、従来作製が不可能であったMg2(SixGe1−x)系ナノコンポジット熱電変換材料を製造する方法が提供される。
Claims (1)
- SixGe1−x〔0<x≦1〕の原料粒子と、MgOまたはSiO2の原料粒子とを混合しつつ粉砕して上記SixGe1−xの原料ナノ粒子と上記MgOまたはSiO2の原料ナノ粒子との原料複合ナノ粒子を形成する工程、
上記原料複合ナノ粒子をMg蒸気と接触させて固気反応によりMg2(SixGe1−x)ナノ粒子とMgOナノ粒子との複合ナノ粒子を形成する工程、および
上記複合ナノ粒子から成る粉末を焼結する工程
を含むことを特徴とするSixGe1−x系ナノコンポジット熱電変換材料の製造方法。
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