JP2014172265A - 感熱型平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な耐刷性と耐汚れ性を兼ね備えた、特にブランケット汚れが発生しにくい感熱型平版印刷版を提供する。
【解決手段】支持体上に熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、および親水性バインダーを含有する画像形成層を有し、該画像形成層の加熱部分を画像部、および該画像形成層の非加熱部分を非画像部として利用する感熱型平版印刷版であって、該画像形成層が重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする感熱型平版印刷版。
【選択図】なし

Description

本発明は感熱型平版印刷版に関し、従来のアブレーション方式や機上現像方式等における層除去処理等、所謂デブリ処理を必要としない感熱型平版印刷版に関する。
近年、コンピューター及びその周辺機器の発展により各種デジタルプリンタを用いた平版印刷版の製版方法が各種提案されている。例えば、特開平6−138719号公報、特開平6−250424号公報には、乾式電子写真法レーザープリンタにより製版するもの、特開平9−58144号公報には、熱溶融型インクを用いたオンデマンドインクジェットプリンタにより製版するもの、更に、特開昭63−166590号公報には熱転写インクリボンを用いるサーマルプリンタにより製版するもの等が知られている。
上記のようなプリンタを用いた製版方法は、従来の可視光レーザー等を用いた光モードタイプとは大別され、取り扱い上において安全光の制約を受けないことから、この点で大きな利点を有する。また従来の光モードタイプにおいて通常用いられる露光後の現像処理を全く必要としない点から、これらの製版方式で製版された印刷版はプロセスレス印刷版と総称されている。
しかし上記プロセスレス印刷版は、何れも保水性付与層が設けられた支持体表面に、感脂性(即ち、平版印刷インク着肉性)の記録画像を転写付与することにより印刷版を形成する方式であったため、次のような問題点があった。
1)画像を形成する層が親水性であるためトナーやインク等の付着が十分ではなく、例えば転写トナー画像濃度が不足したり、転写画像に白抜けが発生するような問題。
2)転写画像の定着が十分ではなく、耐刷性が低下し、特に小ポイント文字の一部やハイライト部の網点画像に欠落が生じるような問題。
3)非画像部に少量のトナーが不規則に転写されたり、熱転写インクリボンが擦れること等によって、全体的に薄い地汚れが発生する等の問題。
一方、支持体上に熱可塑性樹脂あるいは熱溶融性粒子を含有する画像形成層を設けて、サーマルヘッドや赤外線レーザー等により加熱印字することで親油性の画像部が得られる感熱型平版印刷版等も提案されている。
例えば、特開昭58−199153号公報(特許文献1)、あるいは特開昭59−174395号公報(特許文献2)には、画像形成層に熱転写リボン等を介さずサーマルヘッド等で直接加熱描画することにより親油性の画像部が得られる感熱型平版印刷版が記載されている。特開2000−190649号公報(特許文献3)、特開2000−301846号公報(特許文献4)には、赤外線レーザー等で直接加熱描画することにより親油性の画像部が得られる感熱型平版印刷版も記載されている。これらは何れも相変換型印刷版であり、元々親水性であった部分が相変換を起こし、疎水性(親油性)に変化するものである。通常の平版印刷では、上記のようにして得られた親油性の画像部に、水とインキの両方が同時に供給され、該画像部が着色性のインキを受理、他の非画像部は親水性のために水を選択的に受け入れ、インキを受理しない。そして該画像部上に受理したインキを、例えば、紙等の被印刷体に転写させることによって印刷がなされるようになる。
しかしながら、上記した相変換を利用した感熱型平版印刷版は、画像形成層の加熱部分を画像部、および画像形成層の非加熱部分を非画像部として利用するため、画像形成層自身が画像部と非画像部を兼ねている。このため同じ感熱型平版印刷版であっても、従来のアブレーション方式や機上現像方式等の所謂デブリ処理により画像部と非画像部を形成する印刷版(例えば、水や湿し水等で現像処理することで非加熱の画像形成層を除去し、画像形成層と支持体の間に設けられた親水性層を露出させる感熱型平版印刷版)とは異なり、非画像部であっても熱可塑性樹脂や熱溶融性物質を含有する。即ち、上記デブリ処理が一切行われないことから、加熱部であっても、非加熱部分であっても、塗設された塗膜はそのまま印刷に利用されることになる。このため、加熱部の感脂性(親油性)を上げると、一方で親水性が犠牲になるという、相反する傾向を持ち合わせており、耐刷性と耐汚れ性をバランスよく向上させることは極めて困難であった。
上記したような問題を改善するため、特開平11−95417号公報(特許文献5)では、画像形成層にポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の親水性樹脂を架橋して用いることで耐刷性や保水性が改善されると記載されているが、親水性樹脂自体の相変換を利用するものであるので、画像部の親油化のレベルが低く、親油性/親水性の差が十分ではなかった。特開2000−75471号公報(特許文献6)では、疎水性発現物質に熱可塑性樹脂、ワックス分散物、撥水剤等を用い、親水性物質にゼラチンやポリビニルアルコール等を用いることで、特に耐水性、印刷再現性等を向上させたとあるが、これも親油性/親水性の差が十分ではなかった。さらに、特開2001−96710号公報(特許文献7)には、親水材が物理的に被覆固定された熱溶融性粒子により画像形成される平版印刷版が開示され、特開2010−234724号公報(特許文献8)には、特定の熱可塑性樹脂と水溶性高分子化合物を含有する画像形成層を有する感熱型平版印刷版が開示されているが、耐刷性と耐汚れ性のバランスの更なる改善が求められており、一方で、ブランケット上の非画像部にインキが堆積するブランケット汚れといった問題も有していた。
特開昭58−199153号公報 特開昭59−174395号公報 特開2000−190649号公報 特開2000−301846号公報 特開平11−95417号公報 特開2000−75471号公報 特開2001−96710号公報 特開2010−234724号公報
本発明の目的は、良好な耐刷性と耐汚れ性を兼ね備えた、特にブランケット汚れが発生しにくい感熱型平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記目的は、支持体上に熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、および親水性バインダーを含有する画像形成層を有し、該画像形成層の加熱部分を画像部、および該画像形成層の非加熱部分を非画像部として利用する感熱型平版印刷版であって、該画像形成層が重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする感熱型平版印刷版によって達成された。
本発明により、良好な耐刷性と耐汚れ性を兼ね備えた、特にブランケット汚れが発生しにくい感熱型平版印刷版を提供することができる。
本発明の感熱型平版印刷版は、熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、親水性バインダーを含有し、更に重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物を含有する画像形成層を有する。該画像形成層はサーマルヘッドや赤外線レーザーで加熱描画すると、熱の加わった部位では、親水性バインダーに埋もれた熱可塑性樹脂が溶融を起こし、層の極表面に一部滲み出る形で溶出することで疎水性を発現する。さらに、熱の加わった部位では、重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物の重合性二重結合基が熱重合することによってより強固な画像を形成する。一方、熱が加わらなかった部位の熱可塑性樹脂は親水性バインダーに埋もれたままで疎水性を発現せず、画像形成層が元々有する親水性に加え、前記した重合性二重結合基を有する高分子化合物が更に親水性基を有することで、より高い親水性が維持されており、これにより良好な耐刷性と耐汚れ性を兼ね備えた、特にブランケット汚れ耐性に優れた感熱型平版印刷版を得ることができる。
本発明の感熱型平版印刷版において画像形成層が含有する重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物について説明する。この重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物は、任意の繰り返し単位によって形成された高分子化合物であり、任意の連結基を介して重合性二重結合基が側鎖に結合し、親水性基が直接もしくは任意の連結基を介して主鎖と結合した高分子化合物であることが好ましい。親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられ、これらは塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等)を形成しても良い。中でもビニル基を重合性二重結合基として有する高分子化合物が好ましく用いられ、例えば特公昭49−34041号、同平6−105353号、特開2000−187322号公報などに記載されるような種々の高分子化合物を利用することができる。本発明において好ましく使用される高分子化合物の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を示す。
Figure 2014172265
上記のような側鎖に重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物の更に好ましい例として、ビニル基が置換したフェニル基が直接もしくは任意の連結基を介して主鎖と結合した高分子化合物が特に好ましく用いられる。また、非画像部の親水性をより高めて良好な耐汚れ性を得るため、親水性基として任意の連結基を介してスルホ基を有する高分子化合物を好ましく用いることができる。なお、スルホ基は前述の通り塩を形成しても良い。これらの連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。ビニル基が置換したフェニル基及びスルホ基は、それぞれ独立して主鎖に結合していても良いし、あるいはビニル基が置換したフェニル基とスルホ基が連結基の一部または全部を共有する形で結合していても良い。
上記ビニル基が置換したフェニル基において、該フェニル基は置換されていても良く、また、該ビニル基はハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。
本発明の画像形成層が含有するビニル基が置換したフェニル基が直接もしくは任意の連結基を介して主鎖と結合した高分子化合物は、詳細には、下記一般式(1)で表される基を側鎖に有するものが好ましい。
Figure 2014172265
式中、R、R及びRは、同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、R、Rが水素原子であり、Rが水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)であるものが特に好ましい。
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表す。また、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
式中、Lは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子群からなる多価の連結基を表す。具体的には下記に例示される構造単位より構成される基及び下記に示す複素環基が挙げられる。これらの基は単独でも任意の2つ以上が組み合わされていても良い。
Figure 2014172265
連結基Lとしては複素環を含むものが好ましい。Lを構成する複素環の例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらの複素環は置換基を有していても良い。
上述した多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
式中、mは0〜4の整数を表し、pは0または1の整数を表し、qは1〜4の整数を表す。
本発明の画像形成層が含有する重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物は、上述した重合性二重結合基を有する繰り返し単位や、カルボキシル基、スルホ基、四級アンモニウム基等を有する繰り返し単位からのみなる重合体であっても良いし、あるいは本発明の効果を妨げない限り、更に他の繰り返し単位を導入した重合体であっても良い。更に、他のモノマーとの共重合体であってもよく、このようなモノマーは1種で用いても良いし、任意の2種類以上を用いても良い。
また、本発明の画像形成層が含有する重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物は連鎖移動剤を用いることで、任意の置換基を高分子主鎖の末端に導入することができる。具体的には直鎖アルカンチオール、特にアルコキシ基やハロゲン原子が結合した珪素原子が置換した直鎖アルカンチオールを連鎖移動剤として重合時に用いることで、高い画像強度を得ることができるため好ましく用いることができる。このような連鎖移動剤の例として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルジクロロメチルシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルジメトキシメチルシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリクロロシラン、4−メルカプトブチルジクロロメチルシラン等が挙げられ、これらの分子末端の珪素原子同士は加水分解縮合することで酸素原子を介して結合してシロキサン結合を形成しても良い。
画像形成層が含有する重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物の好ましい例を以下に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例示された構造式の中の数字は共重合体トータル組成100質量%中における各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2014172265
Figure 2014172265
本発明において画像形成層が含有する重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物の重量平均分子量は、1000から100万の範囲であることが好ましく、更に1万から50万の範囲にあることが特に好ましい。本発明における重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物は1種のみの単独で用いても良いし、任意の2種以上を混合して用いても良い。
本発明において画像形成層が含有する該重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物の好ましい配合量としては、画像形成層の全固形分量に対して0.01〜20質量%が好ましく、さらに0.1〜10質量%が好ましい。
本発明において画像形成層が含有する熱可塑性樹脂は鎖状ポリマーからなり、加熱によって可塑性を示す固体状の非水溶性有機高分子化合物であって、画像形成層の塗工液として水系塗工液を使用する場合には水分散体(エマルジョン、ラテックス)であることが好ましい。代表例はスチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、メチルメタクリレートブタジエン共重合体、スチレンアクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレンメチルメタクリレートブタジエン共重合体等の、その変性物を含めた合成ゴムラテックスであるが、スチレン無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル/メタアクリル酸エステル共重合体、及び低融点ポリアミド樹脂等の水分散体も使用可能である。これら熱可塑性樹脂は単独もしくは2種以上併用して用いることができる。印刷インクのビヒクル(バインダー成分)との親和性から、かかる熱可塑性樹脂としては合成ゴムラテックスが好ましく用いられる。かかる合成ゴムラテックスは耐刷性の観点から、熱により自己架橋するタイプが好ましい。自己架橋タイプとは、架橋剤の存在なしでも熱により三次元網状化することが可能であることを意味し、かかる合成ゴムラテックスを作製する際に、共重合成分として、カルボキシル基、水酸基、メチロールアミド基、エポキシ基、カルボニル基、アミノ基などの反応性官能基を存在させることにより得ることができる。また反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、及びアミノ基が好ましく、特にカルボキシル基を反応性官能基として有する合成ゴムラテックスが好ましい。これにより画像部は自己架橋することで良好な耐刷性が得られると同時に、加熱されない非画像部は優れた保水性が得られるため好ましい。特に好ましい合成ゴムラテックスはカルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体である。熱可塑性樹脂の好ましい配合量としては画像形成層の全固形分量に対して5〜50質量%が好ましく、更に20〜40質量%が好ましい。
また熱による溶融、融着効果を発現しやすくするためには、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は50〜150℃、更に好ましくは55〜120℃のものを使用するのが良い。ガラス転移温度が50℃未満では製造工程中に液状に相変化を起こし、非画像部にも親油性が発現するため印刷地汚れの原因となる場合がある。また150℃を超える場合はポリマーの熱溶融が起こりにくく、比較的小出力のレーザーや小型サーマルプリンタでは強固な画像を形成するのが困難となる場合がある。
本発明において画像形成層が含有する熱溶融性物質としては、例えば、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸の金属塩類、エステル類、アミド類の他、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル、m−ターフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上混合して使用することができ、融点が50〜150℃の熱溶融性物質が好ましく用いられる。融点が50℃未満では製造工程中に溶融してしまい、印刷物の地汚れの原因となる場合がある。一方、150℃を超えるとサーマルヘッド等の熱印加で溶融しにくく、親油性の発現が乏しくなる場合がある。画像形成層における熱溶融性物質の好ましい使用量としては、画像形成層の全固形分量に対して1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。
また、上記熱溶融性物質のうち、ワックス類、脂肪酸及びそのエステル類、アミド類以外の化合物については、熱による反応性を高めるために、微分散処理を行って使用されることが好ましい。微分散処理の方法は、一般に塗料製造時に用いられる湿式分散法であるロールミル、コロイドミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等のビーズミル等を使用することができる。ビーズミルでは、ジルコニア、チタニア、アルミナ等のセラミックビーズや、クロム、スチール等の金属ビーズ、ガラスビーズ等が使用できる。分散粒径はメジアン径で0.1〜1.2μmが望ましく、特に好ましくは0.3〜0.8μmである。なお、メジアン径とは、粒子体の一つの集団の全体積を100%として累積曲線を求めた時、累積曲線が50%となる点の粒子径(累積平均径)であり、粒度分布を評価するパラメータの一つとしてレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA920((株)堀場製作所製)等を用いて測定することができる。
本発明の画像形成層は親水性バインダーを含有する。親水性バインダーとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、デキストラン、プルラン等の多糖類、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレン・マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。これらの親水性バインダーは単独使用でも2種類以上を併用することもできるが、特にゼラチンを好ましく使用することができる。本発明の画像形成層に用いる親水性バインダーの好ましい使用量としては、画像形成層の全固形分量に対して5〜55質量%とすることが好ましい。
本発明の感熱型平版印刷版が有する画像形成層には、画像形成層の膜強度や接着強度等を向上させるために、架橋剤を含有させることが好ましい。架橋剤の例としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート化合物、アルデヒド化合物、シラン化合物、クロム明礬、ジビニルスルホン等が好適に用いることができる。特に好ましい架橋剤はジビニルスルホンである。また必要な耐水性及び機械的強度が得られ、更に保存した際の経時での特性変動を避ける意味から、架橋剤の配合量は画像形成層が含有する親水性バインダーの固形分量に対して1〜30質量%が好ましく、より好ましい使用量としては2〜20質量%の範囲である。
本発明の感熱型平版印刷版では、視認性確保のため一般的な感熱記録紙、感圧記録紙に使用されるフェノール誘導体や芳香族カルボン酸誘導体等の顕色剤や発色剤(電子供与性染料前駆体)を含有させることができる。
顕色剤の具体的な例としては、4−クミルフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4′−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3′,4′−テトラメチレンビフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−p−トリルスルホン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、N,N′−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−(フェノキシエチル)−4−ヒドロキシフェニルスルホンアミド等のフェノール性化合物、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、p−クロロ安息香酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体等の有機酸性物質等が例示される。
また、発色剤(電子供与性染料前駆体)の具体的な例としては、(1)トリアリールメタン系化合物として3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)、3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチル−アミノフタリド等:(2)ジフェニルメタン系化合物として、4,4′−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等:(3)キサンテン系化合物として、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン等:(4)チアジン系化合物として、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等:(5)スピロ系化合物として、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3′−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。また、これらは単独でも2種以上を併用して用いても良い。
更に、本発明の感熱型平版印刷版には、光熱変換物質を配合することもできる。光熱変換剤を用いることによって、サーマルヘッドだけでなく赤外線レーザー等の活性光による描き込みも可能となる。光熱変換物質の例としては、効率よく光を吸収し熱に変換する材料が好ましく、使用する光源によって異なるが、例えば、近赤外光を放出する半導体レーザーを光源として使用する場合には、近赤外に吸収帯を有する近赤外光吸収剤が好ましく、例えば、カーボンブラック、シアニン系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素等の有機化合物や、フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等の金属化合物類等が挙げられる。
本発明の感熱型平版印刷版が有する画像形成層は、二酸化ケイ素、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどの無機顔料を含有することができ、これらは併用しても良い。特に、酸化亜鉛、硫酸バリウムを用いることによってより優れた印刷適性が得られる場合があり、用いる無機顔料の総量は、画像形成層の全固形分に対して0.1〜5質量%とすることが好ましい。
他、本発明の画像形成層には、防腐剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、pH調節剤、その他の塗布助剤なども必要に応じて添加することができる。
また、本発明の画像形成層は単層のみならず、分割して多層構成にすることもできる。その場合、熱可塑性樹脂は、支持体に近い画像形成層の水溶性高分子化合物の質量に対する熱可塑性樹脂の質量の比が、最表層の画像形成層の比よりも高いことが好ましい。重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物は、支持体に近い画像形成層、最表層の画像形成層の何れか単独でも両方でも添加することができるが、両方の画像形成層が含有することがより好ましい。
本発明の感熱型平版印刷版が有する画像形成層は、画像部の耐刷性、非画像部の耐水性および機械的強度の観点から、全体の乾燥固形分が2〜12g/mの範囲にあることが好ましい。画像形成層を複層とする場合の塗設方法については、順次塗布して重ねていく方法や、スライドホッパー方式等で同時多層塗布する方法などがあるが、どちらの方法でもよい。
本発明の感熱型平版印刷版は、支持体と画像形成層の間に、画像形成層と支持体との接着性を改善したり、帯電防止性を改善する等の目的に応じ適宜下塗り層を設けることもできる。例えば、支持体と画像形成層の間に二酸化チタンとバインダー樹脂、および架橋剤からなる下塗り層を設けることによって、製版性・印刷性を低下させることなく、印刷時の版圧変化に伴う汚れを改善することが可能となる。
本発明の感熱型平版印刷版に用いる支持体としては、プラスチックフィルム、樹脂被覆紙、耐水紙等の耐水性支持体が好ましく使用できる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド及びポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムとこれらプラスチックを表面にラミネートやコーティングした樹脂被覆紙、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等の湿潤紙力剤によって耐水化された紙を好適に用いることができる。
次に、上述した本発明の感熱型平版印刷版を用いた製版方法について説明する。本発明の感熱型平版印刷版は、感熱型の画像形成層を有するため、画像形成層中に光熱変換物質を配合することにより例えば760nmから1200nmの赤外光を含む光を照射することで画像部を形成することが可能であり、更に赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーにより画像部を形成することが好ましい。特にレーザー露光によれば、コンピューターのデジタル情報から直接所望の画像様の記録が可能となる。またサーマルヘッドやヒートブロック等により画像形成層を直接熱により描画し画像部を形成することも可能であるが、サーマルヘッドによればコンピューターのデジタル情報から直接所望の画像様の記録が可能となる。
サーマルヘッドを使用する場合は、厚膜または薄膜のラインヘッドを用いたラインプリンタや薄膜のシリアルヘッドを用いたシリアルプリンタ等が使用できる。記録エネルギー密度は、10〜100mJ/mmであることが好ましく、また比較的高品質な出力画像を得るためにはヘッドの画像記録密度が300dpi以上であることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、無論この記述により本発明が限定されるものではない。なお、以下の記述の中における%や部は、特に記載がない限りは全て質量比を示すものである。
(実施例1)
両面にラミネート加工が施された厚さ約180μmのポリエチレン被覆紙の片面に、下記画像形成層Aと画像形成層Bの塗工液をスライドホッパーコーティング法により、湿分塗布量で画像形成層Aを30g/m、画像形成層Bを10g/mになるように、支持体側から画像形成層A、画像形成層Bとなるように2層同時塗布を行った。
<画像形成層A塗工液−1>
ゼラチン 0.7部
重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物 AP−1 0.1部
(重量平均分子量1万)
熱可塑性樹脂:固形分として 1.35部
(DIC(株)製ラックスター7132C、カルボキシル化SBRラテックス、Tg60℃)
界面活性剤(0.5%溶液) 0.4部
ジビニルスルホン硬膜剤(5%溶液) 2.0部
発色剤混合スラリー 7.0部
水で全量を30部とした。
<画像形成層B塗工液−1>
ゼラチン 0.3部
熱可塑性樹脂:固形分として 0.27部
(DIC(株)製ラックスター7132C、カルボキシル化SBRラテックス、Tg60℃)
界面活性剤(0.5%溶液) 0.2部
熱溶融性物質:固形分として 0.03部
(モンタン酸エステルワックスエマルジョン)
ジビニルスルホン硬膜剤(5%溶液) 0.8部
発色剤混合スラリー 0.3部
水で全量を10部とした。
上記画像形成層A塗工液及び画像形成層B塗工液に用いる発色剤混合スラリーは、下記調製方法で予め製造したものを使用した。
<発色剤混合スラリーの調製>
材料a(熱溶融性物質):1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン
(三光(株)製:KS−232)
材料b:4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン
(日本曹達(株)製:D−8)
材料c:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(山本化成(株)製:ODB2)
上記の材料a、b、cを予め、個々に小型ダイノーミル(ビーズミル)でジルコニアビーズを用いて0.7μmまで微分散処理を施し、固形分濃度約30%に調製された分散液をそれぞれ作製し、分散液a、分散液b、分散液cとした。分散液a、bを各々3部に対し、分散液cを1部常温下で混合することで発色剤混合スラリーを調製した。
上記湿分塗布量にて2層同時塗布を行った後、直ちに3℃の冷風にて塗膜をゲル化させ、その後30℃の温風にて乾燥を行った。乾燥後、温度40℃/湿度40%に調整された恒温恒湿器を用いて7日間の加温を行うことにより、実施例1の感熱型平版印刷版を得た。
(実施例2)
実施例1の画像形成層A塗工液−1に用いる重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物AP−1をSP−2(重量平均分子量40万)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の感熱型平版印刷版を得た。
(実施例3)
実施例1の画像形成層A塗工液−1、画像形成層B塗工液−1を以下に示す画像形成層A塗工液−2、画像形成層B塗工液−2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の感熱型平版印刷版を得た。
<画像形成層A塗工液−2>
ゼラチン 0.7部
熱可塑性樹脂:固形分として 1.35部
(DIC(株)製ラックスター7132C、カルボキシル化SBRラテックス、Tg60℃)
界面活性剤(0.5%溶液) 0.4部
ジビニルスルホン硬膜剤(5%溶液) 2.0部
発色剤混合スラリー 7.0部
水で全量を30部とした。
<画像形成層B塗工液−2>
ゼラチン 0.3部
重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物 SP−2 0.1部
(重量平均分子量40万)
熱可塑性樹脂:固形分として 0.27部
(DIC(株)製ラックスター7132C、カルボキシル化SBRラテックス、Tg60℃)
界面活性剤(0.5%溶液) 0.2部
熱溶融性物質:固形分として 0.03部
(モンタン酸エステルワックスエマルジョン)
ジビニルスルホン硬膜剤(5%溶液) 0.8部
発色剤混合スラリー 0.3部
水で全量を10部とした。
(実施例4)
実施例2の画像形成層Bの塗工液を、実施例3の画像形成層B塗工液−2に変更した以外は実施例2と同様にして、実施例4の感熱型平版印刷版を得た。
(実施例5)
実施例1の画像形成層A塗工液1の塗工液に用いる重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物をCP−3(重量平均分子量40万)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の感熱型平版印刷版を得た。
(比較例1)
実施例1の画像形成層A塗工液−1に用いる重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物を除いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の感熱型平版印刷版を得た。
(比較例2)
実施例1の画像形成層A塗工液−1に用いる重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物を下記高分子化合物に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の感熱型平版印刷版を得た。
Figure 2014172265
上記のように作製した感熱型平版印刷版を、CTP用サーマルデジタルプリンター(三菱製紙(株)製Thermal Digiplater TDP−459:1200dpi/120lpi)を用いて画像出力(記録エネルギー密度70〜100mJ/mm、電気容量330W)を行い、印刷刷版を作製した。この印刷刷版を用いて以下の方法にて印刷適性の評価を行った。
<耐刷性評価>
印刷機にはオフセット枚葉印刷機RYOBI3200CCD、インキにはDIC(株)製ニューチャンピオン Fグロス墨H、給湿液には三菱製紙(株)製SLM−ODの10%希釈液、エッチング処理には三菱製紙(株)製SLM−OD30の25%希釈液をそれぞれ用い、50μm厚みのPETフィルムをプレートと版シリンダーの間に挟み込んだ状態でプレートを装着し印刷を行った。耐刷性評価は、印刷物の画像に欠落を生じ印刷できなくなった枚数を以下の評価基準を用いて判定した。結果を表1に示す。
<耐刷性評価基準>
◎:4,000枚以上
○:3,000枚以上4,000枚未満
△:2,000枚以上3,000枚未満
×:2,000枚未満
<耐汚れ性評価およびブランケット汚れ耐性評価>
インキをDIC(株)製ニューチャンピオンFグロス紫Sに、給湿液とエッチング処理に使用する液を三菱製紙(株)製SLM−ODの0.5%希釈液に変更した以外は、上記耐刷性評価と同様にして3,000枚の印刷を行った。耐汚れ性評価としては、地汚れまたは網絡みが発生し良好な印刷物が得られなくなった枚数を下記の評価基準を用いて判定した。ブランケット汚れ耐性評価としては、印刷開始時と3,000枚刷了後のブランケットの状態を比較して、下記の基準を用いて判定した。結果を表1に示す。
<耐汚れ性評価基準>
◎:3,000枚良好
○:2,000枚以上3,000枚未満
△:1,000枚以上2,000枚未満
×:1,000未満
<ブランケット汚れ耐性評価基準>
○:印刷開始時と同等もしくは僅かに汚れている程度で、ブランケットの地色が十分判別できる。
△:印刷開始時より汚れているが、ブランケットの地色は判別できる。
×:印刷開始時より汚れて、ブランケットの地色が判別できない。
Figure 2014172265
表1に示す結果から判るように、本発明によって、良好な耐刷性と耐汚れ性をバランスよく兼ね備えた、特にブランケット汚れが発生しにくい感熱型平版印刷版が得られることが判る。

Claims (1)

  1. 支持体上に熱可塑性樹脂、熱溶融性物質、および親水性バインダーを含有する画像形成層を有し、該画像形成層の加熱部分を画像部、および該画像形成層の非加熱部分を非画像部として利用する感熱型平版印刷版であって、該画像形成層が重合性二重結合基および親水性基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする感熱型平版印刷版。
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