JP2014178011A - 回転ダンパ - Google Patents

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正浩 吉田
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Abstract

【課題】連通路が弁体によって開かれ、それによってロータが開回転するときに、ロータをより高速で開回転させることができる回転ダンパを提供する。
【解決手段】ケーシング1の収容孔の内周面に第1連通溝7Aを形成する。ピストン3の外周面に第2連通溝7Bを形成する。第1連通溝7Aと第2連通溝7Bが一つの孔状になって一つの連通路7を構成するよう、第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとを収容孔の周方向において同一位置に配置する。
【選択図】図10

Description

この発明は、躯体と回転体との間に設けられ、回転体の回転速度を低速に抑えるための回転ダンパに関する。
一般に、この種の回転ダンパは、下記特許文献1に記載されているように、一端部が開口し、他端部が底部によって閉じられた収容孔を有するケーシングと、収容孔の開口部側の端部に回転可能に設けられたロータと、このロータと底部との間の収容孔の内部に、摺動可能に、かつ回転不能に設けられたピストンとを備えている。ロータには、雄ねじが形成されている。一方、ピストンには、ねじ孔が形成されている。このねじ孔には、雄ねじが螺合されている。したがって、ロータが回転すると、ピストンがケーシングの軸線方向へ移動する。例えば、ロータが時計方向へ回転すると、ピストンが底部側へ移動し、ロータが反時計方向へ回転すると、ピストンがロータ側へ移動する。
収容孔の内部にピストンが設けられることにより、収容孔の内部がロータ側の第1の室と、底部側の第2の室とに区分されている。第1及び第2の室には、粘性流体等の流体が充填されている。第1及び第2の室は、連通路によって互いに連通されている。
ピストンには、弁体が設けられている。この弁体は、連通路を開閉するためのものであり、ピストンが底部側へ移動するときには連通路を閉じ、ピストンがロータ側へ移動するときには連通路を開く。弁体が連通路を閉じると、第2の室内の流体がオリフィス等の抵抗路を通って第1室内に流入する。このときの流通抵抗により、ピストンの移動速度が低速に抑えられ、ひいてはロータの回転速度が低速に抑えられる。弁体が連通路を開くと、第1の室内の流体が連通路を通って第2の室内に流入する。連通路の流通抵抗は小さい。したがって、ピストンが高速で移動することができ、ロータが高速で回転することができる。
中国実用新案公告第CN201288784Y号公報
回転ダンパにおいては、弁体が連通路を開いたとき、ロータがより高速で回転することができるものであることが要望される。このような要望は、連通路の流量を大きくすることによって達成することができる。流量を大きくするための一つの方法として、連通路の流路面積(断面積)を大きくすることが考えられる。しかし、連通路の流路面積を大きくすると、それに対応して回転ダンパが大型化してしまう。この発明は、回転ダンパが大型化することなく、連通路の流量を大きくすることができる回転ダンパを提供することを課題としている。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、一端部が開口し、他端部が底部によって閉じられたケーシングと、上記ケーシングに回転可能に設けられたロータと、このロータと上記底部との間の上記ケーシングの内部に摺動可能にかつ回転不能に設けられ、上記底部と上記ロータとの間の上記ケーシングの内部を第1の室と第2の室とに区分するピストンと、このピストンを上記ロータの回転に追随して移動させる移動手段と、上記第1の室と上記第2の室とを連通させる連通路と、この連通路を開閉する弁体とを備え、上記底部と上記ロータとの間に位置する上記ケーシングの内部に流体が充填された回転ダンパにおいて、上記ケーシングの内周面には第1連通溝が形成され、上記ピストンの外周面には第2連通溝が形成され、上記第1連通溝と上記第2連通溝とが上記ケーシングの径方向に互いに対向して配置され、上記第1及び第2連通溝によって上記連通路が構成されていることを特徴としている。
この場合、上記ピストンが第1の位置と第2の位置との間を摺動可能であり、上記第1連通溝は、上記ピストンが上記第1の位置とこの第1の位置と上記第2の位置との間の所定の中間位置との間に位置しているときには開状態に維持され、上記ピストンが上記中間位置と上記第2の位置との間に位置しているときには上記弁体によって閉じられ、上記第2連通溝は、上記ピストンが上記第1の位置から上記第2の位置まで移動するときには、上記弁体によって閉じられ、上記ピストンが上記第2の位置から上記第1の位置まで移動するときには、開状態に維持されることが望ましい。
また、上記ピストンが第1の位置と第2の位置との間を摺動可能であり、上記第1連通溝及び上記第2連通溝は、上記ピストンが上記第1の位置から上記第2の位置に向かって移動するときには、上記弁体によって閉じられ、上記ピストンが上記第2の位置から上記第1の位置に向かって移動するときには、開状態に維持されることが望ましい。
上記構成を有するこの発明によれば、第1連通溝と第2連通溝とが互いに対向して配置されているので、第1及び第2連通溝が一つの連通路を構成する。このように構成した場合と、第1連通溝と第2連通溝とが互いに対向せず、互いに別個に連通路をそれぞれ構成しているものと比較すると、第1及び第2連通溝の断面積(流路面積)を一定とした場合、この発明の連通路の周長を比較対象の場合の連通路の周長より短くすることができる。換言すれば、この発明の連通路の周長と比較対象の連通路の周長とを同一にした場合には、この発明の連通路の流路面積を比較対象の連通路の流路面積より大きくすることができる。したがって、この発明によれば、連通路の流量を大きくすることができる。よって、ピストンをより高速で移動させることができ、それに応じてロータをより高速で回転させることができる。しかも、第1及び第2連通溝を互いに対向して配置するだけであり、それらの断面積を大きくするものではない。したがって、回転ダンパが大型することもない。
図1は、この発明の第1実施の形態を、そのロータを初期位置に回転させた状態で示す図であって、図1(A)はその正面図、図1(B)はその平面図である。 図2は、同実施の形態を、そのロータを初期位置から限界位置に向かってほぼ70°回転させた状態で示す図であって、図2(A)はその正面図、図2(B)はその平面図である。 図3は、同実施の形態を、そのロータを限界位置に回転させた状態で示す図であって、図3(A)はその正面図、図3(B)はその平面図である。 図4は、図1(B)のX−X線に沿う拡大断面図である。 図5は、図2(B)のX−X線に沿う拡大断面図である。 図6は、図3(B)のX−X線に沿う拡大断面図である。 図7は、ロータを限界位置から初期位置側へ回転させた直後の状態を示す図6と同様の断面図である。 図8は、ロータを限界位置から初期位置へ向かって図2に示す位置と同一位置まで回転させたときの状態を示す図5と同様の断面図である。 図9は、ロータを限界位置から初期位置まで回転させたときの状態を示す図4と同様の断面図である。 図10は、図9のX−X断面図である。 図11は、図9のY−Y断面図である。 図12は、同実施の形態を示す分解斜視図である。 図13は、同実施の形態を図12と異なる方向から見たときの分解斜視図である。 図14は、この発明の第2実施の形態を、ロータを初期位置に位置させた状態で示す正面図である。 図15は、同実施の形態の図4と同様の断面図である。 図16は、同実施の形態の図5と同様の断面図である。 図17は、同実施の形態の図6と同様の断面図である。 図18は、図16のX−X線に沿う拡大断面図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図13は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態の回転ダンパAは、特に図4〜図13に示すように、ケーシング1、ロータ2、ピストン3及び弁体4を主な構成要素としている。なお、図1〜図9においては、ダンパAがその軸線(この軸線は、ケーシング1の軸線であり、ロータ2の回転中心線でもある。)を上下方向に向けて配置されている。そこで、回転ダンパAの各構成については、上下を用いて説明することとする。回転ダンパAは、水平方向又は他の方向に向けて配置してもよい。
ケーシング1は、断面円形の金属製の筒体からなるものであり、その内部が収容孔11になっている。収容孔11は、その上端部に開口部1dを有し、下端部が底部1aによって閉じられている。
ケーシング1の周壁部には、一対の幅広平坦部1b,1b及び一対の幅狭平坦部1c,1cが形成されている。両平坦部1b,1cは、ケーシング1の上端から所定の同一距離だけ下側へ離れた箇所からケーシング1の下端まで延びている。収容孔11のうちの両平坦部1b,1cが形成された部分が、摺動孔部12になっている。
一対の幅広平坦部1b,1bは、ケーシング1の軸線と平行に延びており、ケーシング1の周方向へ180°離れて配置されている。つまり、一対の幅広平坦部1b,1bは、ケーシング1の軸線を挟んで互いに対向するように配置されている。幅広平坦部1b,1bが形成されることにより、摺動孔部12の内周面には、ケーシング1の軸線と平行に延びる第1摺動面13,13が形成されている。
一対の幅狭平坦部1c,1cは、ケーシング1の軸線と平行に延びており、ケーシング1の周方向へ180°離れて配置されている。しかも、一対の幅狭平坦部1c,1cは、一対の幅広平坦部1b,1bに対してケーシング1の周方向へ90°離れて配置されている。この結果、幅広平坦部1bと幅狭平坦部1cが、ケーシング1の周方向へ90°毎に交互に配置されている。幅狭平坦部1cは、その幅が幅広平坦部1bの幅より狭くなっている。幅狭平坦部1c,1cが形成されることにより、摺動孔部12の内周面には、ケーシング1の軸線と平行に延びる第2摺動面14,14が形成されている。
摺動孔部12の内周面に第1摺動面13,13及び第2摺動面14,14が形成されることにより、摺動孔部12の断面形状が、第1摺動面13に沿う方向を長手方向とし、第2摺動面14に沿う方向を短手方向とする断面略長方形の長孔状に形成されている。しかも、摺動孔部12の4つの角部は、ケーシング1の軸線を曲率中心とする円弧面によって構成されている。
一対の幅広平坦部1b,1b及び一対の幅狭平坦部1c,1cは、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、摺動孔部12と同一の断面形状を有する芯金(図示せず)を収容孔11に挿入する。その後、ケーシング1の周壁部をプレスして芯金の第1摺動面13,13に対応する平坦面に押し付ける。それによって幅広平坦部1b,1bを形成する。次にケーシング1の周壁部をプレスして芯金の第2摺動面14,14に対応する平坦面に押し付ける。それによって、幅狭平坦部1cを形成する。幅広平坦部1b及び幅狭平坦部1cの形成順序は、上記と逆にしてもよく、両者の形成を同時に行ってもよい。
ロータ2は、断面円形の嵌合軸部21を有している。嵌合軸部21は、収容孔11の内径と同一の外径を有しており、収容孔11の開口部1d側の端部に収容孔11の軸線(ケーシング1の軸線)を中心として回転可能に嵌合されている。これにより、ロータ2がケーシング1に回転可能に支持されている。嵌合軸部21の外周面と収容孔11の内周面との間は、Oリング等のシール部材51によってシールされている。なお、嵌合軸部21が収容孔11に嵌合された後、ケーシング1の周壁部の上端部が径方向内側へ向かって折り返されることにより、嵌合軸部21がケーシング1にストップリング52を介して上方へ抜け止めされている。
嵌合軸部21の上端面には、連結軸部22が嵌合軸部21と一体に形成されている。連結軸部22は、ケーシング1から上方へ突出させられている。連結軸部2は、非円形に形成されており、建物の柱や便器本体等の躯体(図示せず)と、扉や便蓋等の回転体(図示せず)とのいずれか一方に回転不能に連結される。躯体と回転体とのいずれか他方には、ケーシング1が回転不能に連結される。この実施の形態では、ケーシング1が便器本体に連結され、連結軸部22が便蓋に連結されている。したがって、便蓋が回転すると、ロータ2がケーシング1に対して回転する。
ロータ2は、便蓋が閉位置に位置すると、図1に示す初期位置に位置し、便蓋が開位置に位置すると、図3に示す最大回転位置に位置する。ただし、ロータ2の最大回転角度は、初期位置と最大回転位置との間の角度より若干大きい角度に設定されており、ロータ2は、初期位置から最大回転位置側へ向かう方向(便蓋が閉位置から開位置へ向かう方向であり、図1(B)〜図3(B)において反時計方向;以下、開方向という。)へは最大回転位置を越えて若干の角度(例えば5°程度)だけ回転可能であり、最大回転位置から初期位置側へ向かう方向(便蓋が開位置から閉位置へ向かう方向であり、図1(B)〜図3(B)において時計方向;以下、閉方向という。)へは初期位置を越えて若干の角度(例えば5°程度)だけ回転可能である。
嵌合軸部21の下端面には、雄ねじ部23が嵌合軸部21と一体に形成されている。雄ねじ部23は、その軸線を嵌合軸部21の軸線と一致させて配置されている。雄ねじ部23は、複数条のねじを有している。複数条のねじは、ねじのリード角を大きくするために形成されている。リード角を大きくする必要がない場合には、1条のねじを形成してもよい。
雄ねじ部23の下端面には、小径軸部24が雄ねじ部23と一体に形成されている。小径軸部24は、その軸線を雄ねじ部23の軸線と一致させて配置されている。小径軸部24の外径は、雄ねじ部23の谷の径より小径になっている。小径軸部24の外径は、雄ねじ部23のねじの谷の径と同一にしてもよい。
収容孔11のうちのロータ2の嵌合軸部21と底部1aとの間の部分、つまり摺動孔部12には、ピストン3が収容されている。これにより、収容孔11の内部が、嵌合軸部21とピストン3との間の第1の室6Aと、ピストン3と底部1aとの間の第2の室6Bとに区分されている。第1及び第2室6A,6B内を含む、嵌合軸部21と底部1aとの間の収容孔11の内部空間には、粘性流体等の流体が収容されている。
ピストン3は、その外周面の断面形状が摺動孔部12の内周面と同一の断面形状になるように形成されており、摺動孔部12に上下方向(ケーシング1の軸線方向)へ摺動可能に、かつ回転不能に収容されている。したがって、ピストン3の外周面には、一対の第1摺動面13,13に対応する第1平面部31,31が形成されるとともに、一対の第2摺動面14,14に対応する第2平面部32,32が形成されている。第1及び第2摺動面13,14は、ピストン3の上端面から下端面まで延びている。第1及び第2平面部31,32が第1及び第2摺動面13,14にそれぞれ面接触することにより、ピストン3のケーシング1に対する回転が阻止されている。
ピストン3には、その軸線上を上端面から下端面まで延びる雌ねじ部33が形成されている。この雌ねじ部33には、ロータ2の雄ねじ部23が螺合されている。したがって、ロータ2が回転すると、ピストン3が上下方向へ移動する。この場合、ピストン3は、ロータ2が開方向へ回転すると上方へ移動し、ロータ2が閉方向へ回転すると下方へ移動する。これから明らかなように、この回転ダンパAにおいては、雄ねじ部23及び雌ねじ部33により、ピストン3をロータ2の回転に追随して移動させる移動手段が構成されている。
ピストン3は、ロータ2が最大回転位置に回転すると、図6及び図7に示す上限位置(第1の位置)に位置し、ロータ2が初期位置に回転すると、図4及び図9に示す下限位置(第2の位置)に位置する。ただし、ピストン3は、ロータ2が初期位置と最大回転位置との間の角度より若干大きい角度だけ回転可能であることに対応して、上限位置を超えて若干の距離だけ上方へ移動可能であり、下限位置を越えて若干の距離だけ下方へ移動可能である。
ピストン3の下端面には、支持筒部34が形成されている。この支持筒部34の内径は、ロータ2の小径軸部24の外径と同一に設定されている。支持筒部34には、小径軸部24が回転可能に、かつ摺動可能に挿入されている。支持筒部34の内周面と小径軸部24の外周面との間は、Oリング等のシール部材53によってシールされている。
図4〜図9に示すように、ピストン3が上方へ移動すると、第1の室6Aの内部容積が減少し、第2の室6Bの内部容積が増大する。この結果、第1の室6A内の流体が第2の室6Bへ流入しようとする。逆に、ピストン3が下方へ移動すると、第1の室6Aの内部容積が増大し、第2の室6Bの内部容積が減少する。この結果、第2の室6B内の流体が第1の室6Aに流入しようとする。
流体が第1の室6Aと第2の室6Bとの間を流通することができるようにするために、第1の室6Aと第2の室6Bと間には、それらを連通させる連通路7が設けられている。連通路7は、ケーシング1の摺動孔部12の内周面に形成された第1連通溝7Aと、ピストン3の外周面に形成された連通溝7Bとによって構成されている。
第1連通溝7Aは、幅狭平坦部1cの幅方向(ケーシング1の周方向)の中央部をケーシング1の径方向外側へ向かって突出させることにより、第2摺動面14に形成されている。なお、第1連通溝7Aを形成するための幅狭平坦部1cの突出量は、当該突出部の外面のうちの最も外側に位置する部分がケーシング1の外周面を構成する円弧面に接するように、その大きさが設定されている。
第1連通溝7Aは、その幅が第2摺動面14の幅より狭くなっており、第2摺動面14の幅方向の中央部に配置されている。第1連通溝7Aの上端部は、図4〜図9に示すように、第2摺動面14の上端部とほぼ同一位置に配置されており、第1の室6Aと常時連通している。一方、第1連通溝7Aの下端部は、図4及び図9に示すように、下限位置に位置しているピストン3の下端面より所定距離だけ上方に位置するように配置されている。第1連通溝7Aの下端部は、後述するように、第2の室6Bに対しピストン3及び弁体4により連通状態と遮断状態とに切り換えられる。
なお、第1連通溝7Aの幅が第2摺動面14の幅より狭くなっているので、第2摺動面14の幅方向の両側部は、平坦面としてそのまま残っている。そして、当該第2摺動面14の両側部にピストン3の第2平面部32の両側部が摺動可能に面接触している。これから明らかなように、第2摺動面14の幅方向の両側部が、内向き平面部であり、第2平面部32の両側部が外向き平面部である。
第2連通溝7Bは、ピストン3の各第2平面部32にそれぞれ形成されている。ここで、第2平面部32は、断面長方形状をなすピストン3の断面形状における長手方向の両端部に配置されている。したがって、第2連通溝7B,7Bも、ピストン3の外周面のうちの断面形状における長手方向の両端部にそれぞれ配置されている。第2連通溝7Bの長さは、ピストン3の長さと同一であり、第2平面部32の上端から下端まで延びている。第2連通溝7Bの上端は、第1の室6Aに常時連通している。第2連通溝7Bの下端は、後述するように、第2の室6Bに対し弁体4により連通状態と遮断状態とに切り換えられる。
第2連通溝7Bは、第2平面部32の幅方向の中央部に配置されている。したがって、第2連通溝7Bは、図10に示すように、第1連通溝7Aと対向しており、互いに連通している。この結果、第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとによって一つの孔が形成されており、その孔が連通路7になっている。なお、第2連通溝7Bの幅は、第2平面部32の幅より狭くなっているが、第2連通溝7Bの幅は、第1連通溝7Aの幅と同一にしてもよく、第1連通溝7Aの幅より狭くしてもよい。
ピストン3の支持筒部34には、弁体4がピストン3の軸線方向(ケーシング1の軸線方向)へ開位置と閉位置との間を移動可能に設けられている。すなわち、支持筒部34の下端部には、係止突出部35が形成されている。係止突出部35は、断面長円状をなしており、その長手方向を摺動孔部12の長手方向と直交する方向に向けて配置されている。
弁体4は、リング状に形成されている。弁体4の内部の断面形状は、係止突出部35の断面形状と同一に形成されている。したがって、弁体4には係止突出部35を挿通可能であり、係止突出部35が弁体4を通り抜けると、弁体4の内部には支持筒部34のうちの係止突出部35より上側の部分が挿通される。その状態で弁体4を係止突出部35に対して90°回転させると、弁体4の短手方向が係止突出部35の長手方向と対向するようになる。この結果、弁体4が支持筒部34から下方へ抜け出ようとすると、弁体4の短手方向の両端部が係止突出部35の長手方向の両端部に突き当たる。これによって、弁体4が支持筒部34から下方へ抜け出ることが阻止されている。
弁体4は、その外部の断面形状が摺動孔部12の断面形状と同一に形成されている。したがって、弁体4は、摺動孔部12に挿脱可能であり、係止突出部35を挿通した後、90°回転させた状態で摺動孔部12に挿入されている。この結果、弁体4がケーシング1の摺動孔部12に回動不能に、かつ摺動可能に嵌合されている。
弁体4の厚さ(ケーシング1の軸線方向の寸法)は、ピストン3の下端面と係止突出部35の上面との間の距離より薄くなっている。したがって、弁体4は、ピストン3の下端面と係止突出部35の上面との間の距離と弁体4の厚さとの差の分だけ上下方向へ移動可能である。弁体4は、ピストン3の下端面に突き当たると、それ以上上方へ移動することができなくなる。このときのピストン3の位置が閉位置である。弁体4は、係止突出部35に突き当たると、それ以上下方へ移動することができなくなる。このときの弁体4の位置が開位置である。
第1の室6Aと第2の室6Bとの間の第1連通溝7A及び第2連通溝7Bによる連通状態及び遮断状態は、ピストン3の位置及び弁体4の位置に応じて次のように変化する。
先ず、弁体4が開位置に位置している場合について説明すると、図4〜図6に示すように、弁体4が開位置に位置している場合には、弁体4の上面とピストン3の下端面との間に環状の隙間S1が形成される。この結果、第2連通溝7Bの下端部が、隙間S1と、弁体4の内周面のうちの断面において長手方向に位置する部分と支持筒部34の外周面との間に形成された隙間S2とを介して第2の室6Bに連通する。したがって、弁体4が開位置に位置している場合には、ピストン3の位置に拘わらず、第1の室6Aと第2の室6Bとが第2連通溝7Bを介して連通している。
第1連通溝7Aと第2の室6Aとの間の連通状態について述べると、弁体4が開位置に位置している場合において、ピストン3が図6に示す上限位置と、弁体4の下面が第1連通溝7Aの下端縁と同一位置に位置した図8に示す中間位置との間に位置しているときには、第1連通溝7Aの下端部が第2の室6Bに直接連通している。したがって、第1の室6Aと第2の室6Bとが第1連通溝7Aを介して連通する。よって、弁体4が開位置に位置している場合において、ピストン3が上限位置と中間位置との間に位置しているときには、第1の室6Aと第2の室6Bとが第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとの両者、つまり連通路7全体を介して連通する。
ピストン3が、中間位置と、ピストン3の下端面が第1連通溝7Aの下端縁と同一位置に位置する遮断位置と間に位置しているときには、第1連通溝7Aの下端部が、第2連通溝7Bの下端部、隙間S1,S2を介して第2の室6Bに連通する。したがって、この場合にも、第1の室6Aと第2の室6Bとが第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとの両者を介して連通する。
ピストン3が遮断位置と下限位置との間に位置しているときには、第1連通溝7Aの下端部がピストン3によって閉じられる。このため、第1の室6Aと第2の室6Bとの間を流れる流体は、一旦第2連通溝7Bの下端部だけを流れることになる。したがって、弁体4が開位置に位置している場合において、ピストン3が遮断位置と下限位置との間に位置しているときには、第1の室6Aと第2の室6Bとが、実質的には第2連通溝7Bだけを介して連通する。
次に、弁体4が閉位置に位置している場合について述べると、弁体4が閉位置に位置している場合には、隙間S1が閉じられる。この結果、第2連通溝7Bの下端部と第2の室6Bとの間が弁体4によって閉じられる。したがって、弁体4が閉位置に位置している場合には、第2連通溝7Bが第1の室6Aと第2の室6Bとの間の連通に関与することがない。
第1連通溝7Aは、ピストン3が図7に示す上限位置と図8に示す中間位置(このときの中間位置は、弁体4が開位置に位置しているときのピストン3の中間位置に対し、所定の距離だけ、つまり弁体4の閉位置と開位置との間の距離だけ下側の位置になっている。)との間に位置しているときには、第1連通溝7Aの下端部が第2の室6Bに直接連通している。したがって、弁体4が閉位置に位置している場合において、ピストン7が上限位置と中間位置との間に位置しているときには第1の室6Aと第2の室6Bとが第1連通溝7Aだけを介して連通する。
ピストン3が中間位置より下方へ移動すると、第1連通溝7Aの下端部が弁体4によって閉じられる。したがって、弁体4が閉位置に位置している場合において、ピストン3が中間位置と下限位置との間に位置しているときには、連通路7全体が弁体4によって遮断されることになり、第1及び第2の室6A,6B内の流体が、連通路7、つまり第1連通溝7A及び第2連通溝7Bを介して流れることがない。第1及び第2の室6A,6B内の流体は、摺動孔部12の内周面と弁体4の外周面との間の摺動に必要な僅かな隙間を通って流れる。このとき、当該僅かな隙間がオリフィスとして機能し、流体が隙間を流れるときに大きな流通抵抗が発生する。この流通抵抗により、ピストン3の下方への移動速度が低速に抑えられ、ひいてはロータ2の閉方向への回転速度が低速に抑えられる。
上記構成の回転ダンパAにおいて、いま、回転ダンパAが設けられた便器の便蓋が閉位置に位置しているものとする。このときには、ロータ2が初期位置に位置し、ピストン3が図4に示す下限位置に位置し、弁体4が開位置に位置している。便蓋及びロータ2を開方向へ回転させると、ピストン3が下限位置から上方へ移動する。すると、第1の室6A内の流体が連通路7を通って第2の室6Bへ流入しようとする。この流体によって弁体4が下方へ押される。その結果、弁体4が開位置に維持される。
ロータ2が初期位置から開方向へ回転し、それに伴ってピストン3が下限位置から遮断位置まで移動するときには、上記のように、第1の室6Aと第2の室6Bとが実質的には連通路7のうちの第2連通溝7Bだけを介して連通する。したがって、ピストン3は、高速で上方へ移動するが、第1の室6Aと第2の室6Bとが連通路7全体を介して連通する場合よりも若干低速で移動する。よって、ロータ2も高速で回転するが、その回転速度は若干低速回転に抑えられる。
ロータ2の開方向への回転に伴ってピストン3が遮断位置と中間位置との間に達すると、第1連通溝7Aの下端部が第2連通溝7B及び隙間S1,S2を介して第2の室6Bに連通する。したがって、第1の室6Aと第2の室6Bとが第1連通溝7A及び第2連通溝7Bを介して連通する。よって、ロータ2が高速回転する。ただし、第1連通溝7Aの下端部が第2の室6Bに第2連通溝7Bを介して連通しているので、第1連通溝7Aの下端部が第2の室6Bに直接連通する場合よりも、流体に対する抵抗が僅かに大きい。したがって、ピストン3が中間位置から上限位置まで移動するときよりもロータ2の回転速度が僅かに低速に抑えられる。
ピストン3が中間位置を上方へ越えると、第1連通溝7Aが第2の室6Bと直接連通する。この結果、第1の室6Aと第2の室6Bとが第2連通溝7B及び第1連通溝7Aの両者を介して連通する。これは、ピストン3が遮断位置と中間位置との間に位置している場合と同様であるが、その場合よりも第1連通溝7Aの下端部が第2の室6Bに直接連通している分だけ流体に対する流通抵抗が小さい。したがって、ピストン3がより高速で上方へ移動することができ、ロータ2がより高速で開方向へ回転することができる。
また、第1の室6Aと第2の室6Bとが、第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとの両者を通って流れるときには、両連通溝7A,7Bが互いに対向して一つの連通路7を構成しているので、第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとが対向せずに、互いに独立して連通路をそれぞれ構成している場合に比して流通路7の内周面の周長を短くすることができる。換言すれば、第1及び第2連通溝7A,7Bによって構成された一つの連通路7の周長と、第1及び第2連通溝によってそれぞれ構成された二つの連通路の合計周長とを同一にした場合には、一つの連通路7の流路面積(断面積)を二つの連通路の合計の流路面積より大きくすることができ、流路面積の差の分だけ連通路7の流通抵抗を小さくすることができる。よって、ピストン3はより一層高速で移動することができ、ロータ2がさらに高速で回転することができる。便蓋及びロータ2は、開位置に達すると停止する。このときの状態が図6に示されている。
便蓋及びロータ2が開位置から閉回転すると、ピストン3が下方へ移動し、第2の室6B内の流体が連通路7を通って第1の室6Aに流入しようとする。すると、弁体4が流体によって閉位置まで押し上げられる。この結果、第2連通溝7Bが閉じられる。一方、内向き連通路7Aは、上記のように、ピストン3が開位置から中間位置に達するまでの間、第2の室6Bと連通した状態を維持する。したがって、第1の室6Aと第2の室6Bとが実質的に第1連通溝7Aだけを介して連通し、第2の室6B内の流体が第1連通溝7Aを通って第1の室6A内に流入する。ここで、第1連通溝7Aの流通抵抗は、比較的小さいものの、第1連通溝7Aの断面積、つまり流路面積が、第2連通溝7Bの流路面積より小さくなっている。したがって、第1連通溝7Aの流通抵抗は、第2連通溝7Bの流通抵抗より大きい。このため、ピストン3は、比較的高速で下方へ移動することができるが、上方へ移動する場合よりも低速に抑えられる。よって、ロータ2も、開回転時よりも低速で閉回転する。
ロータ2の閉回転に伴ってピストン3が中間位置を越えると、第1連通溝7Aの下端部と第2の室6Bとの間が弁体4によって遮断される。この結果、第1の室6Aと第2の室6Bとの間が遮断される。このため、第2の室6B内の流体は、摺動孔部12の内周面と弁体4の外周面との間の摺動に必要な僅かな隙間を通って第1の室6A側へ流れる。摺動孔部12の内周面と弁体4の外周面との間を通過した流体は、摺動孔部12の内周面とピストンの外周面との間の隙間(連通路7を含む)を通って第1の室6Aに流入する。ここで、流体が摺動孔部12の内周面と弁体4の外周面との間の隙間を流れるときには、当該隙間がオリフィスとして作用し、大きな流通抵抗を発生させる。この流通抵抗により、ピストン3の下方への移動速度が低速に抑えられ、ひいてはロータ2の閉方向への回転速度が低速に抑えられる。ロータ2が閉位置に達して停止すると、ピストン4が下限位置において停止する。その後、弁体4がその自重によって開位置まで下方へ移動して、回転ダンパAが図4に示す状態になる。
上記構成の回転ダンパAにおいては、第1連通溝7A及び第2連通溝7Bによって一つの連通路7が構成されている。この連通路7と、第1連通溝7Aと第2連通溝7Bとが互いに独立した二つの連通路をそれぞれ構成している場合とを比較すると、前者の連通路7と後者の二つの連通路との流通面積を同一にしたものとすると、前者の連通路7の内周面の周長、つまり周方向の長さを、後者の互いに独立した二つの連通路の合計の周長より短くすることができる。換言すれば、前者の連通路の周長と、後者の二つの連通路の合計の周長とを同一にした場合には、前者の連通路の流路面積を後者の二つの連通路の合計の流路面積より大きくすることができる。したがって、この回転ダンパAによれば、連通路7の流通抵抗を小さくすることができ、その分だけ連通路7の流量を大きくすることができる。したがって、ロータ2をより高速で開回転させることができる。しかも、第1及び第2連通溝7A,7Bについては、それぞれの流路面積を大きくする必要がない。したがって、回転ダンパAが大型することがない。
また、ロータ2が最大回転位置から閉方向へ回転する場合において、ピストン3が上限位置と下限位置との間に位置しているときには、第2連通溝7Bが弁体4によって閉じられるものの、第1連通溝7Aが第1の室6Aと第2の室6Bとを連通させているので、ピストン3は下方へ比較的高速で回転することができ、ロータ2が比較的高速で閉回転することができる。これにより、ロータ2が最大回転位置から初期位置まで回転するのに要する時間、つまり便蓋が開位置から閉位置まで回転するのに要する時間を短くすることができる。
次に、図14〜図18に示すこの発明の第2実施の形態を説明する。なお、この第2実施の形態については、上記第1実施の形態と異なる構成だけを説明することとし、上記第1実施の形態と同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施の形態の回転ダンパBにおいては、幅狭平坦部1cがケーシング1の下端まで延びている。これに対応して、第2摺動面14及び第1連通溝7Aがケーシング1の下端まで延びている。
弁体4の外周面のうちの幅狭平坦部1c,1cと対向する各部分には、閉鎖突出部41がそれぞれ形成されている。閉鎖突出部41は、第1連通溝7Aと同一の形状を有しており、第1連通溝7Aに摺動のための不可避の隙間を除きほとんど隙間無く摺動可能に嵌り込んでいる。これにより、第1連通溝7Aの長手方向の中間部が閉じられている。したがって、第1の室6Aと第2の室6Bとは、第1連通溝7Aだけを介して連通することはない。
上記構成の回転ダンパBにおいては、弁体4が開位置に位置すると、第1連通溝7A及び第2連通溝7Bが第2の室6Bに隙間S1,S2を介して連通する。この結果、第1及び第2の室6A,6Bが連通路7を介して連通する。
したがって、ロータ2が開回転するときには、ロータ2が高速で回転する。逆に、弁体4が閉位置に位置すると、第1連通溝7A及び第2連通溝7Bが閉じられ、第1及び第2の室6A,6B間が遮断される。したがって、ロータ2が閉回転するときには、ロータ2が低速で回転する。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、移動手段を雄ねじ部23及び雌ねじ部33によって構成しているが、公知の他の移動手段を採用してもよい。例えば、ロータ2とピストン3との間にカム機構を設けるとともに、ピストン3と底部1aとの間に圧縮コイルばねを設け、カム機構と圧縮コイルばねとにより、ピストン3をロータ2の回転に追随して移動させてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ロータ2の下端面に小径軸部24を形成し、この小径軸部24をピストン3の内周面に摺動可能に、かつ回転可能に嵌合させているが、小径軸部24は必ずしも形成する必要がない。
A 回転ダンパ
B 回転ダンパ
1 ケーシング
1a 底部
1d 開口部
2 ロータ
3 ピストン
4 弁体
6A 第1の室
6B 第2の室
7 連通路
7A 第1連通溝
7B 第2連通溝
12 摺動孔部
23 雄ねじ部(移動手段)
33 雌ねじ部(移動手段)

Claims (3)

  1. 一端部が開口し、他端部が底部によって閉じられたケーシングと、上記ケーシングに回転可能に設けられたロータと、このロータと上記底部との間の上記ケーシングの内部に摺動可能にかつ回転不能に設けられ、上記底部と上記ロータとの間の上記ケーシングの内部を第1の室と第2の室とに区分するピストンと、このピストンを上記ロータの回転に追随して移動させる移動手段と、上記第1の室と上記第2の室とを連通させる連通路と、この連通路を開閉する弁体とを備え、上記底部と上記ロータとの間に位置する上記ケーシングの内部に流体が充填された回転ダンパにおいて、
    上記ケーシングの内周面には第1連通溝が形成され、上記ピストンの外周面には第2連通溝が形成され、上記第1連通溝と上記第2連通溝とが上記ケーシングの径方向に互いに対向して配置され、上記第1及び第2連通溝によって上記連通路が構成されていることを特徴とする回転ダンパ。
  2. 上記ピストンが第1の位置と第2の位置との間を摺動可能であり、上記第1連通溝は、上記ピストンが上記第1の位置とこの第1の位置と上記第2の位置との間の所定の中間位置との間に位置しているときには開状態に維持され、上記ピストンが上記中間位置と上記第2の位置との間に位置しているときには上記弁体によって閉じられ、上記第2連通溝は、上記ピストンが上記第1の位置から上記第2の位置まで移動するときには、上記弁体によって閉じられ、上記ピストンが上記第2の位置から上記第1の位置まで移動するときには、開状態に維持されることを特徴とする請求項1に記載の回転ダンパ。
  3. 上記ピストンが第1の位置と第2の位置との間を摺動可能であり、上記第1連通溝及び上記第2連通溝は、上記ピストンが上記第1の位置から上記第2の位置に向かって移動するときには、上記弁体によって閉じられ、上記ピストンが上記第2の位置から上記第1の位置に向かって移動するときには、開状態に維持されることを特徴とする請求項1に記載の回転ダンパ。
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CN111561538A (zh) * 2020-06-11 2020-08-21 蔡燕辉 一种旋转阻尼器

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