JP2014181431A - 繊維強化複合材料の積層用繊維基材を切り出すための繊維シート及び繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減する。
【解決手段】繊維強化複合材料用繊維基材11は、互いに平行に配列された複数の第1の繊維としての緯糸12と、互いに平行にかつ緯糸12と直交する方向に配列された複数の第2の繊維としての経糸13とからなり、繊維強化複合材料の積層用繊維基材として使用される。緯糸12は、繊維強化複合材料用繊維基材11が繊維シートとしての一方向織物10から切り出された際の切り出し形状に対応する領域14にのみ強化繊維16が存在するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化複合材料の積層用繊維基材を切り出すための繊維シート及び繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法に関する。
軽量、高強度の材料として繊維強化複合材料が使用されている。繊維強化複合材料は、強化繊維が樹脂や金属等のマトリックス中に複合化されることにより、マトリックス自体に比べて力学的特性(機械的特性)が向上するため、構造部品として好ましい。特にマトリックスとして樹脂を使用した繊維強化プラスチック(以下、FRPとも言う。)の場合はより軽量化が図れるため好ましい。
繊維強化複合材料の機械的特性に疑似等方性を持たせるには、例えば、図8に示すように、強化繊維の配列方向が一方向の一方向織物51から、強化繊維の配列方向が45°、90°及び0°となる形状のシート52a,52b,52cを切り出して、そのシート52a,52b,52cを積層・賦形してプリフォームを製作している。強化繊維の配列方向が−45°のシートはシート52aを裏返しした状態で使用する。しかし、このように一種類の一方向織物51から強化繊維の配列角度が異なるシートを切り出す方法では、織物からシートを切り出す歩留まりが50〜60%と悪い。また、一方向織物51は反物から引き出す際に繊維蛇行や織物組織の乱れが起こり易く、繊維蛇行や織物組織の乱れが生じた状態の一方向織物51から強化繊維の配向角度が所定の角度となるようにシート52a等を切り出すと、そのシートの強化繊維の配向性が悪くなる場合がある。
従来、強化繊維の長手方向に対する所定のズレ角が+45°、0°、−45°、90°のロール状の巻き体から、強化繊維基材を所定のズレ角となるように所定の間隔で余りが出ないよう平行四辺形状に裁断する方法が開示されている(特許文献1参照)。ここで、「平行四辺形状」には、「長方形状、正方形状」をも含む概念である。
また、熱可塑性繊維を交織した強化繊維の織物を内層に含む積層体を、所望の形状に裁断するに際し、予め、該積層体の裁断ラインに沿って裁断ラインを含む一定幅を加熱し、加熱部分の熱可塑性繊維を溶融させ積層体を部分的に接着せしめ、次いで、該積層体を裁断ラインに沿って切断する積層体の裁断方法が提案されている(特許文献2参照)。詳述すると、図9に示すように、積層体61上に、所望の裁断ライン62に沿った切抜き線64によって切り抜かれた部分を有する型紙65が載置された状態で、積層体61の加熱境界を示す破線63と型紙65の切抜き線64とに挟まれた領域を、例えばアイロンで熱可塑性繊維の融点以上の温度に加熱する。これによって、加熱された領域の熱可塑性繊維は溶融し、積層体61が部分的に接着される。その後、積層体61を裁断ライン62に沿って切断すれば、端部(切断部)がほつれ止めされたプリフォームが得られる。
特開2006−76158号公報 特開2007−126793号公報
特許文献1では、強化繊維の長手方向に対する所定のズレ角が+45°、0°、−45°、90°のロール状の巻き体から、強化繊維基材を所定のズレ角(繊維配向角)となるように所定の間隔で余りが出ないように平行四辺形状に裁断するため、各強化繊維基材を裁断した時点では余りがでない。しかし、異なる繊維配向角の強化繊維基材を積層して疑似等方性の積層体を形成する場合に余りが出る。また、特許文献2の場合は強化繊維の織物を内層に含む積層体を所望の形状に裁断した場合の織物の無駄になる部分に関する配慮は何らなされていない。即ち、従来技術では、炭素繊維やセラミック繊維などの高価な強化繊維の無駄になる割合が多い。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減することができる繊維強化複合材料の積層用繊維基材を切り出すための繊維シート及び繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する繊維シートは、互いに平行に配列された複数の第1の繊維と、互いに平行にかつ前記第1の繊維と交差する方向に配列された複数の第2の繊維とからなる繊維強化複合材料の積層用繊維基材を切り出すための繊維シートであって、前記第1の繊維及び前記第2の繊維の少なくとも一方の繊維は、前記繊維基材が繊維シートから切り出された際の切り出し形状に対応する領域にのみ強化繊維が存在するように構成されている。ここで、「繊維」とは、撚りの掛かっていない繊維束や撚りの掛かった繊維束だけでなく、少なくとも強化繊維の部分が繊維束で強化繊維以外の部分がテープ状のものも含む。
この構成によれば、繊維シートは、繊維基材を切り出す際の切り出し形状に対応する領域にのみ強化繊維が存在する。そのため、積層用繊維基材として使用されない部分にも強化繊維が使用されている繊維シートから繊維基材を切り出す従来技術と異なり、繊維強化複合材料用繊維基材の製造のために使用される高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減することができる。
前記第1の繊維及び前記第2の繊維は織物を構成していることが好ましい。繊維シートは、第1の繊維及び第2の繊維が、平織り、繻子織り、綾織り等の織物を構成する場合に限らず、第1の繊維と第2の繊維とがそれぞれ別の平面を構成する状態で積層された構成であってもよい。しかし、第1の繊維と第2の繊維とが織物を構成する場合の方が、織機を用いて繊維シートを製造することができ、繊維シートを効率良く製造することができる。
前記織物は、緯糸又は経糸を構成する前記第1の繊維及び前記第2の繊維のいずれか一方の繊維の一部が強化繊維で構成されていることが好ましい。織物を製織する場合、緯糸及び経糸の両方が途中に強化繊維の部分が存在する構成の場合は、製造が難しい。しかし、いずれか一方が途中に強化繊維の部分が存在する構成、例えば、緯糸のみが途中に強化繊維の部分が存在する構成であれば、製織が容易になる。
前記織物は、緯糸又は経糸を構成する前記第1の繊維及び前記第2の繊維の両方の繊維の一部が強化繊維で構成されていることが好ましい。この構成によれば、織物は、強化繊維の配向方向が互いに直交する2方向となる構造となるため、一方向織物から切り出した積層用繊維基材を積層して疑似等方性の積層体を形成する場合に比べて、積層枚数を少なくすることができ、積層のための工数を小さくすることができる。
上記課題を解決する繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法は、互いに平行に配列された複数の第1の繊維としての緯糸と、互いに平行にかつ前記第1の繊維と交差する方向に配列された複数の第2の繊維としての経糸とからなる繊維強化複合材料の積層用繊維基材として使用される繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法である。そして、CAEにより製品となる前記繊維強化複合材料を構成する前記積層用繊維基材の積層パターンを作成する積層パターン作成工程と、前記繊維強化複合材料用繊維基材を切り出す織物への前記積層用繊維基材の積層パターンの切り出し位置の配置と、その織物を構成する緯糸の構成を決定する緯糸構成決定工程と、前記緯糸構成決定工程で決定された構成の緯糸を作製する緯糸作製工程と、経糸として融着繊維を使用し、緯糸として前記緯糸作製工程で作製された緯糸を使用して前記織物を製織する製織工程と、前記製織工程で製織された織物の前記積層パターンに対応して強化繊維が存在する領域から前記積層用繊維基材としての繊維強化複合材料用繊維基材を切り出す切り出し工程とを備えている。
この構成によれば、積層パターン作成工程において、コンピュータにより製品となる繊維強化複合材料を構成する積層用繊維基材の積層パターンが作成される。また、緯糸構成決定工程において、コンピュータにより繊維強化複合材料用繊維基材を切り出す織物への積層用繊維基材の積層パターンの切り出し位置の配置が決定されるとともに、その織物を構成する緯糸の構成が決定される。緯糸の構成とは、織り幅に対応して経糸開口内に挿入される緯糸のどの位置に強化繊維の部分が存在するか、即ち、緯糸の長手方向における強化繊維の領域と非強化繊維の領域との位置関係を意味する。そして、緯糸作製工程において、緯糸構成決定工程で決定された構成の緯糸が作製され、製織工程において緯糸作製工程で作製された緯糸を使用して織物が製織される。そして、切り出し工程において製織工程で製織された織物の積層パターンに対応して強化繊維が存在する領域から積層用繊維基材としての繊維強化複合材料用繊維基材を切り出す。したがって、繊維強化複合材料用繊維基材を製造する際に、高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減することができる。
本発明によれば、繊維強化複合材料用繊維基材に使用される高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減することができる。
一実施形態の繊維強化複合材料用繊維基材と繊維シートの模式平面図。 緯糸の模式図。 緯糸の模式部分側面図。 繊維強化複合材料用繊維基材の製造工程を示すフローチャート。 繊維シートの製織状態を示す概略斜視図。 別の実施形態の繊維強化複合材料用繊維基材と繊維シートの模式平面図。 別の実施形態の緯糸の模式部分側面図。 従来技術の積層用繊維基材の切り出し方法を説明する模式図。 別の従来技術の裁断方法を説明するための図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、繊維強化複合材料用繊維基材11は、互いに平行に配列された複数の第1の繊維としての緯糸12と、互いに平行にかつ第1の繊維と直交する方向に配列された複数の第2の繊維としての経糸13とからなり、繊維強化複合材料の積層用繊維基材として使用される。この実施形態では、繊維強化複合材料用繊維基材11は、繊維シートとしての一方向織物10から切り出されて形成され、図1において、一方向織物10のうちの細かい点が施された領域14に二点鎖線で示す切り出し線15において一方向織物10から切り出されたものが繊維強化複合材料用繊維基材11となる。
この実施形態は、繊維強化複合材料用繊維基材11は矩形状で、領域14はその外形が繊維強化複合材料用繊維基材11より大きな略矩形状で、かつ緯糸12及び経糸13が矩形の辺に対して45°の角度を成す状態で配向した状態に形成されている。緯糸12は、繊維強化複合材料用繊維基材11が切り出された際の切り出し形状に対応する領域14にのみ強化繊維16が存在するように構成されている。即ち、織物は、緯糸12及び経糸13のいずれか一方(この実施形態では緯糸12)の一部が強化繊維16で構成されている。「強化繊維」とは、繊維強化複合材料用繊維基材11を繊維強化複合材料の積層用繊維基材として使用した際に、繊維強化複合材料のマトリックスを強化する役割を担う繊維束を意味する。
図2及び図3に示すように、緯糸12は、幅広に形成されるとともに、強化繊維16の領域を挟んで長手方向の両側にテープ状部17を有する。強化繊維16としては、炭素繊維やセラミック繊維が使用される。セラミック繊維としては、例えば、アルミナ繊維や炭化ケイ素繊維が挙げられる。テープ状部17は、紙あるいは樹脂フィルムで形成されている。テープ状部17は、一方向織物10の領域14から繊維強化複合材料用繊維基材11が切り出されるまでの形態保持の役割を果たせばよく、強化繊維16に比べて安価な材料で形成されている。この実施形態では、テープ状部17は、強化繊維16の両端をそれぞれ厚さ方向の両側から挟んで強化繊維16の両面に接着された状態で接合されている。テープ状部17はその幅が、強化繊維16の幅より少し狭く形成されている。
経糸13は、融着繊維で構成されている。融着繊維としては、例えば、ガラス繊維に熱可塑性樹脂をコーティングしたものあるいはガラス繊維に熱可塑性樹脂の糸を合糸したものが使用されている。
次に繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法を説明する。
図4に示すように、繊維強化複合材料用繊維基材11の製造方法は、ステップS1の積層パターン作成工程と、ステップS2の緯糸構成決定工程と、ステップS3の緯糸作製工程と、ステップS4の製織工程と、ステップS5の切り出し工程とを備えている。
ステップS1の積層パターン作成工程では、CAE(Computer Aided Engineering)により製品となる繊維強化複合材料を構成する積層用繊維基材の積層パターンを作成する。詳述すると、図1に示すように、一方向織物10は、一方向織物10を構成する緯糸12として一部が強化繊維16で構成された緯糸12が使用されており、一方向織物10中での緯糸12の位置によって、1本の緯糸12における強化繊維16の占める長さや位置が、切り出される形状に対応して異なる。そのため、コンピュータは、先ず、積層パターン作成工程で積層用繊維基材の積層パターンを作成する。
ステップS2の緯糸構成決定工程では、コンピュータは、一方向織物10への積層用繊維基材の積層パターンの切り出し位置の配置と、一方向織物10を構成する緯糸12の構成を決定する。詳述すると、コンピュータは、一方向織物10における積層用繊維基材の積層パターンに対応する切り出し位置を画面上の座標データとして設定して記憶する。また、その積層パターンを構成する各緯糸12の構成、即ち各緯糸12の長手方向における強化繊維16の位置と長さをデータとして設定して記憶する。
ステップS3の緯糸作製工程では、緯糸構成決定工程で決定された構成の緯糸12を作製する。具体的には、各緯糸12を構成する長さの強化繊維16の両端部にテープを貼り付けた後、強化繊維16の位置が設定された位置となるようにテープの長さを調整して所定位置でテープを切断することにより、目的の緯糸12を作製する。緯糸12の作製は緯糸供給装置で行われる。
ステップS4の製織工程では、緯糸作製工程で作製された緯糸12を使用して一方向織物10を製織する。一方向織物10の製織は、レピア織機を使用して行う。図5に示すように、レピア織機20は、幅広の緯糸12を扁平状態で把持可能な把持部21aを有するレピア21を備えている。そして、レピア21が経糸13の開口の一端側から開口に侵入し、他端側で緯糸12を把持して一端側に戻り、緯糸12の把持が解除された後、筬22による筬打ちが行われることが繰り返されて一方向織物10が製織される。レピア織機20の他端側には、緯糸12を緯入れ順にレピア21に受け渡す緯糸受け渡し装置(図示せず)が設けられており、レピア21が順次受け取った緯糸12を緯入れすることにより、強化繊維16が所定の形状となるように配置された一方向織物10が製織されて巻き取りロールに巻き取られる。なお、緯糸受け渡し装置には緯糸供給装置から緯糸12が供給される。
ステップS5の切り出し工程では、製織工程で製織された一方向織物10の積層パターンに対応して強化繊維16が存在する領域14から繊維強化複合材料用繊維基材11を切り出す。製織された一方向織物10には図1に示す切り出し線15で囲まれた領域14が所定間隔で形成されている。そして、ステップS5において、一方向織物10から切り出し線15で囲まれた部分が切り出され、切り出された領域14が繊維強化複合材料用繊維基材11となる。
一方向織物10は、経糸13の融着繊維が溶融する温度で処理された後、繊維強化複合材料用繊維基材11の切り出しが行われる。経糸13の融着繊維が溶融する温度での処理は、例えば、製織された一方向織物10が巻き取りロールに巻き取られる前に、一方向織物10の移動経路に加熱ローラを配置して、加熱ローラで一方向織物10を加圧、加熱することにより行われる。一方向織物10が加熱ローラを通過することにより経糸13の融着繊維が溶融した後、凝固することで緯糸12と経糸13とが固着されて、一方向織物10が安定化された状態で巻き取りロールに巻き取られる。そのため、一方向織物10を巻き取りロールから繰り出して、繊維強化複合材料用繊維基材11を切り出す時に、繊維の蛇行や織物組織の乱れが防止される。
一方向織物10は、強化繊維16の配向角が45°の他、0°及び90°の一方向織物10が製織され、各一方向織物10の領域14から繊維強化複合材料用繊維基材11が切り出される。そして、異なる配向角の繊維強化複合材料用繊維基材11が複数枚積層された状態で賦形されて疑似等方性のプリフォームが形成され、例えば、RTM法で硬化前の液状の熱硬化性樹脂が含浸硬化されて繊維強化複合材料が形成される。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)繊維強化複合材料用繊維基材11は、互いに平行に配列された複数の第1の繊維と、互いに平行にかつ前記第1の繊維と直交する方向に配列された複数の第2の繊維とからなり、繊維強化複合材料の積層用繊維基材として使用される。第1の繊維及び第2の繊維の少なくとも一方の繊維は、繊維強化複合材料用繊維基材11が繊維シート(一方向織物10)から切り出された際の切り出し形状に対応する領域14にのみ強化繊維16が存在するように構成されている。したがって、繊維強化複合材料用繊維基材11の製造のために使用される高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減することができる。
(2)繊維シートは、第1の繊維としての緯糸12と、第2の繊維としての経糸13で織物(一方向織物10)を構成している。繊維シートは、第1の繊維及び第2の繊維が、平織り、繻子織り、綾織り等の織物を構成する場合に限らず、第1の繊維と第2の繊維とがそれぞれ別の平面を構成する状態で積層された構成であってもよい。しかし、第1の繊維と第2の繊維とが織物を構成する場合の方が、織機を用いて繊維強化複合材料用繊維基材11を切り出す繊維シートを製造することができ、繊維強化複合材料用繊維基材11を効率良く製造することができる。
(3)一方向織物10は、緯糸12又は経糸13を構成する第1の繊維及び第2の繊維のいずれか一方の繊維の一部が強化繊維16で構成されている。織物を製織する場合、緯糸12及び経糸13の両方が途中に強化繊維16の部分が存在する構成の場合は、製造が難しい。しかし、いずれか一方が途中に強化繊維16の部分が存在する構成、例えば、緯糸12のみが途中に強化繊維16の部分が存在する構成であれば、製織が容易になる。
(4)強化繊維16として炭素繊維が使用されている場合は、市販の炭素繊維により容易に太さを選定して入手することができる。
(5)強化繊維16の幅よりテープ状部17の幅が少し狭く形成されているため、隣接する緯糸12の強化繊維16の部分が接触する状態で配列することが容易になり、隣接する強化繊維16が、隙間が有る状態で配列された場合に比べて、繊維強化複合材料用繊維基材11の物性が向上する。
(6)繊維強化複合材料用繊維基材11の製造方法は、積層パターン作成工程と、緯糸構成決定工程と、緯糸作製工程と、製織工程と、切り出し工程とを備えている。積層パターン作成工程は、CAEにより製品となる繊維強化複合材料を構成する積層用繊維基材の積層パターンを作成し、緯糸構成決定工程は、繊維強化複合材料用繊維基材11を切り出す織物への積層用繊維基材の積層パターンの切り出し位置の配置と、その織物を構成する緯糸12の構成を決定する。緯糸作製工程は、緯糸構成決定工程で決定された構成の緯糸12を作製し、製織工程は、経糸13として融着繊維を使用し、緯糸12として緯糸作製工程で作製された緯糸12を使用して織物を製織する。切り出し工程は、製織工程で製織された織物の積層パターンに対応して強化繊維16が存在する領域14から積層用繊維基材としての繊維強化複合材料用繊維基材11を切り出す。したがって、繊維強化複合材料用繊維基材11を製造する際に、高価な強化繊維の使用量の歩留まりを良くして製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図6に示すように、繊維強化複合材料用繊維基材11は、繊維シートとしての織物30が、緯糸12又は経糸13を構成する第1の繊維及び第2の繊維の両方の繊維の一部が強化繊維16で構成されていてもよい。緯糸12では細かい点が施された部分が強化繊維16で構成されており、経糸13では経糸13の配列方向に延びる細線が施された部分が強化繊維16で構成されている。繊維強化複合材料用繊維基材11は、図6において、強化繊維16で構成された領域14から二点鎖線で示す切り出し線15の部分で切り出されて形成される。経糸13は、緯糸12と異なり、強化繊維16の両端部にテープ状部17を有する構成ではなく、連続するテープ18の上の所定の領域に強化繊維16が貼付されている。強化繊維16は、その両端部においてテープ18に貼付されている。
そして、経糸13は、強化繊維16が貼付されていない状態でワープビームに巻かれたテープ18が、ワープビームから繰り出されて経糸開口を形成する位置に到達する前に、テープ18の所定位置に強化繊維16が貼付された状態で経糸開口に導かれるようになっている。なお、切り出される領域14内に存在するテープ18は、経糸13がワープビームに巻かれる前又は製織後に除去し、繊維強化複合材料用繊維基材11にテープ18が残らないようにする。このように構成された織物30は、強化繊維16の配向方向が互いに直交する2方向となる構造のため、切り出された繊維強化複合材料用繊維基材11は、一層で互いに直交する方向に延びる強化繊維16が存在する構成となる。そのため、繊維強化複合材料で箱状の製品あるいは箱状部を有する製品を形成した場合、一方向織物10から形成された繊維強化複合材料用繊維基材11を用いた場合に比べて、コーナー部の強度が高くなる。また、繊維強化複合材料用繊維基材11は、一層で互いに直交する方向に延びる強化繊維16が存在する構成となるため、一方向織物10から切り出した繊維強化複合材料用繊維基材11を積層して疑似等方性の積層体を形成する場合に比べて、積層枚数を少なくすることができ、積層のための工数を小さくすることができる。なお、緯糸12も経糸13と同様に連続するテープ18の上の所定の領域に強化繊維16が貼付されている構成としてもよい。
○ 図7に示すように、緯糸12は、強化繊維16とテープ状部17との接続構造として強化繊維16の端部の片面にテープ状部17が接着された構成としてもよい。
○ 緯糸12あるいは経糸13は、強化繊維16の長手方向の端部に熱可塑性樹脂を含浸させたり、あるいは、図7に二点鎖線で示すように、強化繊維16の長手方向の端面とテープ状部17にかけて熱可塑性樹脂貼付部19を形成したりしてもよい。この場合、強化繊維16の毛羽立ちが抑制される。
○ 緯糸12を構成するテープ状部17は、強化繊維16の幅と同じか広くてもよい。
○ 繊維シートは、織物に限らず第1の繊維と第2の繊維とがそれぞれ別の平面を構成する状態で積層された構成であってもよい。
○ ステップS3の緯糸作製工程において、各緯糸12を構成する長さの強化繊維16の両端部にテープを貼り付けた後、強化繊維16の位置が設定された位置となるようにテープの長さを調整して所定位置でテープを切断する作業は、人手により行われてもよい。
○ 繊維シートから切り出される繊維強化複合材料用繊維基材11は、外形が矩形状の場合、緯糸12が矩形の長手方向と成す角度が0°、45°、90°ではなく、他の角度、例えば、30°又は60°であってもよい。
○ 繊維シートからの繊維強化複合材料用繊維基材11の切り出しは、レーザ切断に代えて超音波切断により行ってもよい。しかし、超音波切断の場合は、繊維基材をバギングフィルムで包んで減圧状態に保持した状態で切断を行う必要がある。
○ 繊維シートから切り出される繊維強化複合材料用繊維基材11の外形は、矩形に限らず、製造する繊維強化複合材料の形状に対応した任意の形状であってもよい。
○ 強化繊維16を構成する繊維は炭素繊維やセラミック繊維に限らず、繊維強化複合材料に要求される物性に対応して、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度の有機繊維を使用してもよい。しかし、耐熱性の要求温度が高い場合は、炭素繊維やセラミック繊維が好ましい。
○ 繊維強化複合材料用繊維基材11は、RTM法で樹脂を含浸硬化させて繊維強化複合材料に形成される代わりに、賦形前に樹脂が含浸されてプリプレグに加工され、プリプレグを加熱プレスすることにより繊維強化複合材料に形成されてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料の積層用繊維基材を強化繊維基材として含む繊維強化複合材料。
(2)互いに平行に配列された複数の第1の繊維と、互いに平行にかつ前記第1の繊維と交差する方向に配列された複数の第2の繊維とからなり、前記第1の繊維及び前記第2の繊維の少なくとも一方の繊維は、前記積層用繊維基材として切り出される際の切り出し形状に対応する箇所のみに強化繊維が存在する繊維で構成されていることを特徴とする繊維シート。
(3)前記繊維シートは、前記技術的思想(2)に記載の前記第1の繊維を緯糸とし、前記第2の繊維を経糸とする一方向織物である。
10…繊維シートとしての一方向織物、11…繊維強化複合材料用繊維基材、12…緯糸、13…経糸、14…領域、16…強化繊維、30…繊維シートとしての織物。

Claims (5)

  1. 互いに平行に配列された複数の第1の繊維と、互いに平行にかつ前記第1の繊維と交差する方向に配列された複数の第2の繊維とからなる繊維強化複合材料の積層用繊維基材を切り出すための繊維シートであって、
    前記第1の繊維及び前記第2の繊維の少なくとも一方の繊維は、前記繊維基材が前記繊維シートから切り出された際の切り出し形状に対応する領域にのみ強化繊維が存在するように構成されていることを特徴とする繊維シート。
  2. 前記第1の繊維及び前記第2の繊維は織物を構成している請求項1に記載の繊維シート。
  3. 前記織物は、緯糸又は経糸を構成する前記第1の繊維及び前記第2の繊維のいずれか一方の繊維の一部が強化繊維で構成されている請求項2に記載の繊維シート。
  4. 前記織物は、緯糸又は経糸を構成する前記第1の繊維及び前記第2の繊維の両方の繊維の一部が強化繊維で構成されている請求項2に記載の繊維シート。
  5. 互いに平行に配列された複数の第1の繊維としての緯糸と、互いに平行にかつ前記第1の繊維と交差する方向に配列された複数の第2の繊維としての経糸とからなる繊維強化複合材料の積層用繊維基材として使用される繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法であって、
    CAEにより製品となる前記繊維強化複合材料を構成する前記積層用繊維基材の積層パターンを作成する積層パターン作成工程と、
    前記繊維強化複合材料用繊維基材を切り出す織物への前記積層用繊維基材の積層パターンの切り出し位置の配置と、その織物を構成する緯糸の構成を決定する緯糸構成決定工程と、
    前記緯糸構成決定工程で決定された構成の緯糸を作製する緯糸作製工程と、
    経糸として融着繊維を使用し、緯糸として前記緯糸作製工程で作製された緯糸を使用して前記織物を製織する製織工程と、
    前記製織工程で製織された織物の前記積層パターンに対応して強化繊維が存在する領域から前記積層用繊維基材としての繊維強化複合材料用繊維基材を切り出す切り出し工程と
    を備えていることを特徴とする繊維強化複合材料用繊維基材の製造方法。
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