JP2014184366A - 濾過装置および濾過モジュールの洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間の濾過を継続した場合であっても、濾過効率を充分に高い状態に維持することができる濾過装置および濾過モジュールの洗浄方法を提供する。
【解決手段】中空糸膜が複数束ねられた中空糸膜束を有する濾過モジュールと、濾過モジュールを収容する濾過容器と、濾過モジュールを洗浄する洗浄部とを備えた濾過装置であって、洗浄部が、中空糸膜束の内部に挿入された内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、中空糸膜束を内部から洗浄する内部洗浄部を備えている濾過装置および前記濾過装置を用いた濾過モジュールの洗浄方法。
【選択図】図1
【解決手段】中空糸膜が複数束ねられた中空糸膜束を有する濾過モジュールと、濾過モジュールを収容する濾過容器と、濾過モジュールを洗浄する洗浄部とを備えた濾過装置であって、洗浄部が、中空糸膜束の内部に挿入された内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、中空糸膜束を内部から洗浄する内部洗浄部を備えている濾過装置および前記濾過装置を用いた濾過モジュールの洗浄方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、中空糸膜を複数束ねた中空糸膜束を有する濾過モジュールを備えた濾過装置であって、中空糸膜に付着した濁質成分を洗浄により除去する洗浄部を備えた濾過装置および濾過モジュールの洗浄方法に関する。
海水、河川水、排水、石油随伴水等に含まれる濁質成分(有機分子、微粒子、油滴、プランクトンなどの生物、および微生物が細胞外に分泌するTEP(transparent exopolymer particle:透明細胞外高分子粒子)等)を除去するため、中空糸膜束を備えた濾過モジュールを容器内に収納した濾過装置が広く用いられている。
このような濾過装置では、濾過モジュールの外部から供給された原水(被処理水)を中空糸膜の外側から内側の中空部に向かって通過させることにより、濾過が行われる。
しかし、このような濾過装置を使用した場合、濾過の継続に伴って、上記した濁質成分が中空糸膜の表面に付着して中空糸膜に目詰りを生じさせ、濾過効率を低下させる。
そこで、このような目詰まりを解消し、濾過効率を高い状態で維持するために、例えば、濾過時とは逆方向に通水を行って、中空糸膜の表面に付着した濁質成分を除去すること(逆洗)が広く行われている。
そして、通常の逆洗では除去することが難しい濁質成分を適切に除去するために、洗浄水を中空糸膜束の表面に高圧力で吹き付けて濾過モジュールを洗浄するスプレー洗浄や、エダクターノズルやバブリングジェットノズルから洗浄水を噴出させることにより濾過容器内に洗浄水のジェット水流を生じさせて濾過モジュールを洗浄するジェット洗浄などが行われている(例えば特許文献1)。
しかしながら、長期間の濾過を継続した場合、スプレー洗浄やジェット洗浄により濁質成分を除去しているにも拘わらず、濾過効率を充分に高い状態に維持することができないという問題があった。
そこで、本発明は、長期間の濾過を継続した場合であっても、濾過効率を充分に高い状態に維持することができる濾過装置および濾過モジュールの洗浄方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決について鋭意検討を行うにあたって、従来の濾過装置の場合、何故に濾過効率を充分に高い状態で維持することができなかったのか、その原因について検討を行った。
その結果、従来の濾過装置の場合、中空糸膜束の内側にある中空糸膜が充分に洗浄されていなかったため、濾過効率を充分に高い状態で維持することができなかったことが分かった。
即ち、中空糸膜束は複数の中空糸膜を束ねて構成されており、中空糸膜束の表面にスプレー洗浄やジェット洗浄を行ったとしても、中空糸膜束の外側の中空糸膜は洗浄できるものの、内側にある中空糸膜にまでは充分な洗浄水が供給されないため、濁質成分の除去を充分に行うことができず、中空糸膜束の内部に洗い残しが生じやすい。
そして、濾過の継続に伴って、この中空糸膜束の内部における洗い残しが徐々に堆積されていくため、洗浄を行っても、濾過効率を充分に高い状態に維持することが難しくなる。
そこで、本発明者は、このような中空糸膜束の内部における微量の洗い残しの発生を防止する手段について、種々の実験と検討を行った。その結果、中空糸膜束の内部に内部洗浄用のノズルを挿入し、内部洗浄用ノズルから洗浄水を噴射して、中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させた場合、中空糸膜束を内部から適切に洗浄して、洗い残しの発生が防止できることを確認し、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、上記の知見に基づく発明であり、
中空糸膜が複数束ねられた中空糸膜束を有する濾過モジュールと、前記濾過モジュールを収容する濾過容器と、前記濾過モジュールを洗浄する洗浄部とを備えた濾過装置であって、
前記洗浄部が、前記中空糸膜束の内部に挿入された内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を内部から洗浄する内部洗浄部を備えている濾過装置である。
中空糸膜が複数束ねられた中空糸膜束を有する濾過モジュールと、前記濾過モジュールを収容する濾過容器と、前記濾過モジュールを洗浄する洗浄部とを備えた濾過装置であって、
前記洗浄部が、前記中空糸膜束の内部に挿入された内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を内部から洗浄する内部洗浄部を備えている濾過装置である。
上記のような内部洗浄部を設けることにより、中空糸膜束内部の中空糸膜に付着した濁質成分を効率よく除去することができるため、長期間の濾過を継続した場合であっても、濾過効率を充分に高い状態に維持することができる。
請求項2に記載の発明は、
前記内部洗浄用ノズルが、前記中空糸膜束の長手方向に対して垂直に挿入されており、前記中空糸膜束の長手方向に沿って前記洗浄水を噴射する噴射口が先端に設けられた直交ノズルである請求項1に記載の濾過装置である。
前記内部洗浄用ノズルが、前記中空糸膜束の長手方向に対して垂直に挿入されており、前記中空糸膜束の長手方向に沿って前記洗浄水を噴射する噴射口が先端に設けられた直交ノズルである請求項1に記載の濾過装置である。
上記のような直交ノズルを内部洗浄用ノズルとして設けることにより、中空糸膜束の内部にある中空糸膜の全長に亘って、洗浄水を充分に供給することができるため、洗浄効率をより向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、
前記洗浄部が、前記内部洗浄部に加えて、
前記内部洗浄用ノズルとは別に前記濾過容器の内壁面に設けられた外部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の周囲を旋回する旋回洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を外部から洗浄する外部洗浄部を備えている請求項1または請求項2に記載の濾過装置である。
前記洗浄部が、前記内部洗浄部に加えて、
前記内部洗浄用ノズルとは別に前記濾過容器の内壁面に設けられた外部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の周囲を旋回する旋回洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を外部から洗浄する外部洗浄部を備えている請求項1または請求項2に記載の濾過装置である。
本請求項の発明においては、内部洗浄流に加えて旋回洗浄流を生じさせているため、中空糸膜束を構成する中空糸膜の間隔が内部洗浄流により広がって、中空糸膜束の内部にまで旋回洗浄流が入り込む。これにより、中空糸膜のそれぞれがもみ洗いされる状態となり、中空糸膜束の内部及び外部から濁質成分の除去を行うことができる。
なお、旋回洗浄流を発生させる外部洗浄用ノズルとしては、例えば、ジェット水流を生じさせるエダクターノズルやバブリングジェットノズルが好ましく使用される。
請求項4に記載の発明は、
前記外部洗浄用ノズルが、前記濾過容器の壁面を貫通して、前記中空糸膜束の長手方向に対して所定の角度に傾斜して取り付けられており、前記濾過容器の内壁面に沿って洗浄水を噴射する噴射口が先端に設けられた斜めノズルである請求項3に記載の濾過装置である。
前記外部洗浄用ノズルが、前記濾過容器の壁面を貫通して、前記中空糸膜束の長手方向に対して所定の角度に傾斜して取り付けられており、前記濾過容器の内壁面に沿って洗浄水を噴射する噴射口が先端に設けられた斜めノズルである請求項3に記載の濾過装置である。
外部洗浄用ノズルとして、所定の角度に傾斜して取り付けられた斜めノズルを用いることにより、濾過装置内に、容易に旋回洗浄流を発生させることができる。
請求項5に記載の発明は、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の濾過装置を用いた濾過モジュールの洗浄方法であって、
前記内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を内部から洗浄する濾過モジュールの洗浄方法である。
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の濾過装置を用いた濾過モジュールの洗浄方法であって、
前記内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を内部から洗浄する濾過モジュールの洗浄方法である。
前記したように、内部洗浄流により、中空糸膜束を内部から洗浄することにより、中空糸膜束内部の中空糸膜に付着した濁質成分を効率よく除去することができる。
請求項6に記載の発明は、
前記洗浄水として、酸、アルカリ、次亜塩素酸塩、洗剤のいずれかの薬剤が水に添加された洗浄水を用いて前記濾過モジュールを洗浄する請求項5に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
前記洗浄水として、酸、アルカリ、次亜塩素酸塩、洗剤のいずれかの薬剤が水に添加された洗浄水を用いて前記濾過モジュールを洗浄する請求項5に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
酸、アルカリ、次亜塩素酸塩、洗剤のいずれかの薬剤が水に添加された洗浄水を用いることにより、洗浄効果をより向上させることができる。
従来の濾過装置においては、濾過効率が低下した場合、濾過モジュールを濾過装置から取り外し、上記した各薬剤の水溶液に所定時間(例えば、半日程度)浸漬することにより、濾過効率の回復を図っていた。
これに対して、本発明に係る濾過装置では、これらの薬剤が添加された水溶液を洗浄水として使用することにより、上記のような浸漬処理を行わずとも濁質成分を適切に除去できるため、濾過モジュールの取り外しや取り付け、また浸漬に伴う時間や洗浄コストを効果的に低減させることができる。また、薬剤の使用量も低減させることができる。
請求項7に記載の発明は、
前記酸がクエン酸であり、前記アルカリが水酸化ナトリウムであり、前記次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであり、前記洗剤がリモネンである請求項6に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
前記酸がクエン酸であり、前記アルカリが水酸化ナトリウムであり、前記次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであり、前記洗剤がリモネンである請求項6に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
これらの薬剤は、従来より、中空糸膜に付着する濁質成分を除去する適切な薬剤として使用されている薬剤であるため、入手も容易であり、使用に際して新たな考慮をする必要がない。
具体的には、酸としてクエン酸を用いることにより、様々な濁質成分全般に対する洗浄効率を向上させることができる。また、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いることにより、砂や石などの無機質の濁質成分に対する洗浄効率を特に向上させることができ、次亜塩素酸塩として次亜塩素酸ナトリウムを用いることにより、微生物やプランクトンに由来する有機物の濁質成分に対する洗浄効率を特に向上させることができる。さらに、洗剤としてリモネン(オレンジオイル)を用いることにより、TEPの分解、洗浄を好適に行うことができる。
請求項8に記載の発明は、
前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された洗浄水、前記水酸化ナトリウムが添加された洗浄水、前記クエン酸が添加された洗浄水の順に、洗浄水を変更して前記濾過モジュールを洗浄する請求項7に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された洗浄水、前記水酸化ナトリウムが添加された洗浄水、前記クエン酸が添加された洗浄水の順に、洗浄水を変更して前記濾過モジュールを洗浄する請求項7に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
上記したように、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸は、除去できる濁質成分がそれぞれ異なっており、上述の順序で洗浄水を変更して、異なる濁質成分を対象とした洗浄を順次行うことにより、洗浄効率をさらに向上させることができる。
請求項9に記載の発明は、
前記クエン酸が添加された洗浄水と前記水酸化ナトリウムが添加された洗浄水とを混合して中和させてから前記洗浄水を排出する請求項7または請求項8に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
前記クエン酸が添加された洗浄水と前記水酸化ナトリウムが添加された洗浄水とを混合して中和させてから前記洗浄水を排出する請求項7または請求項8に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
使用済みのクエン酸添加洗浄水と、使用済みの水酸化ナトリウム添加洗浄水とを混合することにより、薬剤を添加した洗浄水を廃棄する際に必要となる中和処理が不要になるため、洗浄コストの低減に貢献できる。
請求項10に記載の発明は、
前記薬剤が添加された洗浄水を貯蔵する貯蔵タンクと前記濾過容器との間で前記洗浄水を循環させて、前記濾過モジュールを洗浄する請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
前記薬剤が添加された洗浄水を貯蔵する貯蔵タンクと前記濾過容器との間で前記洗浄水を循環させて、前記濾過モジュールを洗浄する請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の濾過モジュールの洗浄方法である。
貯蔵タンクと濾過容器との間で、薬剤が添加された洗浄水を循環させることにより、薬剤を効率的に活用することができるため、薬剤の使用量をより低減させて洗浄コストをより低減させることができる。
本発明によれば、長期間の濾過を継続した場合であっても、濾過効率を充分に高い状態に維持することができる濾過装置および濾過モジュールの洗浄方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
1.濾過装置および濾過モジュールの洗浄の概要
はじめに、本発明の一実施の形態に係る濾過装置について説明する。図1は本実施の形態に係る濾過装置を説明する図であり、図2は本実施の形態に係る濾過装置の外観を示す側面図である。
はじめに、本発明の一実施の形態に係る濾過装置について説明する。図1は本実施の形態に係る濾過装置を説明する図であり、図2は本実施の形態に係る濾過装置の外観を示す側面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る濾過装置1は、中空糸膜が複数束ねられた中空糸膜束3を有する濾過モジュール2と、濾過モジュール2を収容する濾過容器6とを備えている。なお、図面において、7は原水の流入管であり、8は濾過水の流出管である。
本実施の形態の濾過装置1は、上記の構成に加えて、濾過モジュール2を内部から洗浄する内部洗浄部を備えている点で、従来の濾過装置と異なっている。
この内部洗浄部は、中空糸膜束3の内部に中空糸膜束3の長手方向に対して垂直に挿入された内部洗浄用ノズル(直交ノズル)4の先端に設けられた噴射口から、中空糸膜束3の長手方向に沿って洗浄水を噴射して、中空糸膜束3の内部において上下方向に内部洗浄流J1を発生させることにより、濾過モジュール2を中空糸膜束3の内部から洗浄する。
また、本実施の形態の濾過装置1は、濾過容器6の壁面に設けられた外部洗浄用ノズル(斜めノズル)5の先端から洗浄水を噴射して、中空糸膜束3の周囲を旋回する旋回洗浄流J2を発生させることにより、濾過モジュール2を中空糸膜束3の外部から洗浄する外部洗浄部を備えている。
斜めノズル5は、濾過容器6の壁面を貫通して、中空糸膜束3の長手方向に対して所定の角度(例えば、5°〜45°)に傾斜して取り付け、濾過容器6の内壁面に沿って洗浄水を噴射する噴射口を先端に設けることにより、容易に旋回洗浄流J2を生じさせることができる。
次に、本実施の形態に係る濾過装置の各動作について図1および図3を用いて説明する。なお、図3は、濾過装置の各動作を模式的に示した図である。
本実施の形態に係る濾過装置1において、通常の濾過運転時に、生物、微粒子、油滴、TEPなどの濁質成分を含んだ原水を、流入管7(図1、2参照)から濾過容器6内部に流入させて、濾過モジュール2を構成する中空糸膜束3の各中空糸膜の外表面側から内表面側に向けて通過させることにより、これらの濁質成分を中空糸膜表面に残して原水の濾過が行われる。濾過された水は、その後、中空糸膜の内部空洞を中空糸膜束3の長手方向に沿って移動し、流出管8から外部に流出される(図3(a)参照)。
前記したように、これらの濁質成分は中空糸膜表面に付着するため、濾過運転の継続によって中空糸膜が濁質成分によって目詰りする(図3(b)参照)。
このように目詰りが生じた場合、先ず、原水の流入管7を外部に開放した状態で濾過水の流出管8を封止してから、直交ノズル4と斜めノズル5から洗浄水を噴射する。
このとき、図1および図3(c)に示すように、直交ノズル4から洗浄水が噴射されることにより、中空糸膜束3内部において中空糸膜束3の長手方向に沿った内部洗浄流J1が発生する。これによって、中空糸膜束3が内部から適切に洗浄される。
一方、斜めノズル5から洗浄水が噴射されることにより、中空糸膜束3の周囲を旋回する旋回洗浄流J2が濾過容器6内に発生する。これにより、中空糸膜束3が外部から洗浄される。
さらに、内部洗浄流J1の発生に伴って中空糸膜同士の間隔が広がり、中空糸膜束3が広がるため、広がった中空糸膜束3の隙間から旋回洗浄流J2が入り込み、内部洗浄流J1と協働して、中空糸膜のそれぞれをもみ洗いするように洗浄する。
内部洗浄流J1および旋回洗浄流J2により中空糸膜の外表面から除去された濁質成分を含んだ洗浄水は、その後、外部に開放されている原水の流入管7から外部に排出される。これにより、濾過装置1の濾過能力(中空糸膜の前後の差圧)が回復し、濾過運転が再開される(図3(d)参照)。
本実施の形態に係る濾過装置1によれば、中空糸膜束3の内部に内部洗浄流J1を生じさせて中空糸膜束3を内部から適切に洗浄するため、中空糸膜束3の内部に洗い残しが生じることを防止できる。
また、内部洗浄流J1と旋回洗浄流J2とを同時に発生させることにより、中空糸膜のそれぞれをもみ洗いするような洗浄流を生じさせているため、中空糸膜束3を構成するそれぞれの中空糸膜を洗い残しなく適切に洗浄することができる。
以上のとおり、本実施の形態に係る濾過装置は、中空糸膜束の外側のみならず、内側の中空糸膜に付着した濁質成分をも適切に除去することができるため、従来よりも長期間に亘って高い濾過効率を維持できる。
2.具体的な洗浄方法
上記の実施の形態において示した濾過装置を用いた具体的な濾過モジュールの洗浄方法の一例について図4を参照しながら説明する。
上記の実施の形態において示した濾過装置を用いた具体的な濾過モジュールの洗浄方法の一例について図4を参照しながら説明する。
本実施の形態においては、濾過モジュール2を洗浄する洗浄水として、酸、アルカリ、次亜塩素酸塩、洗剤のいずれかの薬剤が水に添加された洗浄水を使用している。
具体的には、図4に示すように、濾過装置1は、洗浄水に薬剤を添加する薬剤添加部(図示省略)と、薬剤が添加された洗浄水を貯蔵する貯蔵タンク11と、貯蔵タンク11と濾過容器6との間で薬剤が添加された洗浄水を循環させる洗浄水循環ライン12とを備えている。
また、貯蔵タンク11として、次亜塩素酸ナトリウム添加済の洗浄水を貯蔵するNaClOタンク11aと、クエン酸添加済の洗浄水を貯蔵するクエン酸タンク11bと、水酸化ナトリウム添加済の洗浄水を貯蔵するNaOHタンク11cとを備えている。
それぞれの貯蔵タンク11a、11b、11cは、給水管を介して直交ノズル4や斜めノズル5に接続されており、給水管の接続を切り替えてポンプPを稼働させることにより、直交ノズル4や斜めノズル5から上記の薬剤の何れかが添加された洗浄水を濾過容器6内に噴出させることができる。
また、クエン酸タンク11bとNaOHタンク11cとが、排水管13を介して接続されている。
濾過装置1に濁質成分の付着による中空糸膜の目詰りが生じると、先ず、NaClOタンク11aから直交ノズル4や斜めノズル5に、次亜塩素酸ナトリウムを添加した洗浄水を供給し、濾過モジュール2を洗浄することにより、中空糸膜に付着した有機物の濁質成分を除去する。
このとき、使用済みの洗浄水は、濾過容器6内から薬剤循環ライン12に排出され、薬剤循環ライン12を通じてNaClOタンク11aに供給され、再利用される。
次に、NaOHタンク11c、クエン酸タンク11bの順に、それぞれの薬剤が添加された洗浄水を直交ノズル4や斜めノズル5から噴射させる。これによって、中空糸膜に付着した砂や石などの無機質の濁質成分が除去される。
なお、これらの洗浄水についても、次亜塩素酸ナトリウムを添加した洗浄水の場合と同様に、薬剤循環ライン12を通ってそれぞれの貯蔵タンク11に供給されて再利用される。
また、上記の洗浄が終了すると、クエン酸タンク11bとNaOHタンク11cとを接続する排水管13のバルブが開き、クエン酸と水酸化ナトリウムとが中和されてから排出されるため、洗浄水に添加した薬剤を別途中和する必要がない。
なお、洗浄水に添加する薬剤として洗剤を添加してもよい。当該洗剤としては、TEPの分解、洗浄に好適であるリモネンが特に好ましく用いられる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 濾過装置
2 濾過モジュール
3 中空糸膜束
4 直交ノズル(内部洗浄用ノズル)
5 斜めノズル(外部洗浄用ノズル)
6 濾過容器
7 流入管
8 流出管
11 貯蔵タンク
11a NaClOタンク
11b クエン酸タンク
11c NaOHタンク
12 洗浄水循環ライン
13 排水管
J1 内部洗浄流
J2 旋回洗浄流
P ポンプ
2 濾過モジュール
3 中空糸膜束
4 直交ノズル(内部洗浄用ノズル)
5 斜めノズル(外部洗浄用ノズル)
6 濾過容器
7 流入管
8 流出管
11 貯蔵タンク
11a NaClOタンク
11b クエン酸タンク
11c NaOHタンク
12 洗浄水循環ライン
13 排水管
J1 内部洗浄流
J2 旋回洗浄流
P ポンプ
Claims (10)
- 中空糸膜が複数束ねられた中空糸膜束を有する濾過モジュールと、前記濾過モジュールを収容する濾過容器と、前記濾過モジュールを洗浄する洗浄部とを備えた濾過装置であって、
前記洗浄部が、前記中空糸膜束の内部に挿入された内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を内部から洗浄する内部洗浄部を備えている濾過装置。 - 前記内部洗浄用ノズルが、前記中空糸膜束の長手方向に対して垂直に挿入されており、前記中空糸膜束の長手方向に沿って前記洗浄水を噴射する噴射口が先端に設けられた直交ノズルである請求項1に記載の濾過装置。
- 前記洗浄部が、前記内部洗浄部に加えて、
前記内部洗浄用ノズルとは別に前記濾過容器の内壁面に設けられた外部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の周囲を旋回する旋回洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を外部から洗浄する外部洗浄部を備えている請求項1または請求項2に記載の濾過装置。 - 前記外部洗浄用ノズルが、前記濾過容器の壁面を貫通して、前記中空糸膜束の長手方向に対して所定の角度に傾斜して取り付けられており、前記濾過容器の内壁面に沿って洗浄水を噴射する噴射口が先端に設けられた斜めノズルである請求項3に記載の濾過装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の濾過装置を用いた濾過モジュールの洗浄方法であって、
前記内部洗浄用ノズルの先端から洗浄水を噴射して、前記中空糸膜束の内部に内部洗浄流を発生させることにより、前記中空糸膜束を内部から洗浄する濾過モジュールの洗浄方法。 - 前記洗浄水として、酸、アルカリ、次亜塩素酸塩、洗剤のいずれかの薬剤が水に添加された洗浄水を用いて前記濾過モジュールを洗浄する請求項5に記載の濾過モジュールの洗浄方法。
- 前記酸がクエン酸であり、前記アルカリが水酸化ナトリウムであり、前記次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであり、前記洗剤がリモネンである請求項6に記載の濾過モジュールの洗浄方法。
- 前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された洗浄水、前記水酸化ナトリウムが添加された洗浄水、前記クエン酸が添加された洗浄水の順に、洗浄水を変更して前記濾過モジュールを洗浄する請求項7に記載の濾過モジュールの洗浄方法。
- 前記クエン酸が添加された洗浄水と前記水酸化ナトリウムが添加された洗浄水とを混合して中和させてから前記洗浄水を排出する請求項7または請求項8に記載の濾過モジュールの洗浄方法。
- 前記薬剤が添加された洗浄水を貯蔵する貯蔵タンクと前記濾過容器との間で前記洗浄水を循環させて、前記濾過モジュールを洗浄する請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の濾過モジュールの洗浄方法。
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