JP2014184452A - アーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接ワイヤの送給速度を適切に制御し、アーク溶接を良好に行うことができるアーク溶接用電源装置(制御方法)を提供する。
【解決手段】溶接ワイヤ12の送給制御として、溶接ワイヤ12の正送から逆送への切り替わり付近でアーク期間に切り替わるように溶接ワイヤ12の送給速度Vftを周期的に変化させており、その逆送期間で溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整を行う。そして、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御を実施し、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御を実施する。
【選択図】図1
【解決手段】溶接ワイヤ12の送給制御として、溶接ワイヤ12の正送から逆送への切り替わり付近でアーク期間に切り替わるように溶接ワイヤ12の送給速度Vftを周期的に変化させており、その逆送期間で溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整を行う。そして、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御を実施し、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御を実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は、消耗電極式のアーク溶接用電源装置、及び消耗電極式のアーク溶接用電源装置の制御方法に関する。
消耗電極式のアーク溶接では、溶接ワイヤを放電電極としたその電極先端からアークを生じさせて被溶接物(母材)の溶接が行われるが、その際、溶接ワイヤはアークにより消耗するため、その消耗に応じて溶接ワイヤの送給を行いながら溶接が行われている。また、この消耗電極式のアーク溶接では、溶接ワイヤが被溶接物に接触する短絡期間と、溶接ワイヤが被溶接物から離間してアークを生じさせるアーク期間とが交互に生じるようにしているが、アーク溶接を適切に行うために各期間に応じて、溶接ワイヤの前進(正送)と後退(逆送)とが繰り返されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、溶接時においては、例えば溶接トーチの変位や被溶接物の表面状態等、溶接トーチと被溶接物との距離は相対的に変化する。つまり、溶接ワイヤへの給電を行う溶接トーチの給電チップと被溶接物との間の距離、所謂チップ母材間距離が変化することがあるため、これに合わせて溶接ワイヤの正送・逆送の送給速度を変化させる必要がある。
例えば、チップ母材間距離が縮んだ状況において溶接ワイヤの正送速度が速いと、溶接ワイヤが被溶接物と接触した後に更なる正送動作が行われて溶接ワイヤが座屈する虞がある。チップ母材間距離が伸びる状況において溶接ワイヤの正送速度が遅いと、溶接ワイヤの先端と被溶接物とが離間してアーク切れが生じる虞がある。このようにチップ母材間距離変化に対応して溶接ワイヤの送給速度を適切に調整しないと、溶接性能が低下したり、場合によっては溶接の継続に支障を来したりする虞があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、溶接ワイヤの送給速度を適切に制御し、アーク溶接を良好に行うことができるアーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するアーク溶接用電源装置は、溶接ワイヤを放電電極としたその電極先端にてアークを生じさせて被溶接物のアーク溶接を行うべく、アーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との各期間に適した出力電力に調整する出力制御部と、前記溶接ワイヤのアークによる消耗に加えアーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との周期的変化を発生させるべく前記溶接ワイヤの正逆送を含むその送給速度を周期的に変化させる送給制御部とを備えたアーク溶接用電源装置であって、前記各期間に対する前記溶接ワイヤの送給速度同期ずれを判定する同期ずれ判定部を更に備え、前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの正送から逆送への切り替わり付近で前記アーク期間に切り替わるべく前記溶接ワイヤの送給速度を周期的に変化させており、その逆送期間で前記溶接ワイヤの送給速度の調整を行うものであり、前記同期ずれ判定部にて前記溶接ワイヤの送給速度が遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御を実施し、前記同期ずれ判定部にて前記溶接ワイヤの送給速度が速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御を実施する。
この構成によれば、溶接ワイヤの送給制御として、溶接ワイヤの正送から逆送への切り替わり付近でアーク期間に切り替わるように溶接ワイヤの送給速度を周期的に変化させており、その逆送期間で溶接ワイヤの送給速度の調整が行われる。そして、溶接ワイヤの送給速度が遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御が実施され、溶接ワイヤの送給速度が速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御が実施される。つまり、溶接トーチの給電チップと被溶接物との間の距離、所謂チップ母材間距離が変化する等の溶接環境変化が生じて、溶接ワイヤの送給速度が遅い状況となった時には逆送期間にて加速制御として溶接ワイヤの送給速度の加速が行われ、溶接ワイヤの送給速度が速い状況となった時には逆送期間にて減速制御として溶接ワイヤの送給速度の減速が行われることから、それぞれの状況においていち早く所望速度に近似させることが可能となる。
また上記のアーク溶接用電源装置において、前記同期ずれ判定部は、前記短絡期間中の出力電圧の検出に基づいて前記溶接ワイヤの送給速度同期ずれが生じていると判定するのが好ましい。
この構成によれば、溶接ワイヤの送給速度同期ずれが生じているかの判定が、短絡期間中の出力電圧(平均電圧等)の検出に基づいて行われる。つまり、溶接ワイヤの送給速度同期ずれの判定が出力電圧の検出値にて容易に行われる。
また上記のアーク溶接用電源装置において、前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの送給速度を周期的な変化曲線に沿って変化させるものであり、前記加速制御時にはその送給速度の調整時点の所定速度となるまで前記変化曲線の位相を逆送期間で進ませる制御を実施し、前記減速制御時にはその送給速度の調整時点の所定速度となるまで前記変化曲線の位相を逆送期間で遅らせる制御を実施するのが好ましい。
この構成によれば、溶接ワイヤの送給速度を周期的な変化曲線に沿って変化させる送給制御が行われ、溶接ワイヤの送給速度が遅い状況での加速制御時には、その送給速度の調整時点の所定速度となるまで変化曲線の位相が逆送期間で進められる。また溶接ワイヤの送給速度が速い状況での減速制御時には、その送給速度の調整時点の所定速度となるまで変化曲線の位相が逆送期間で遅らせられる。つまり、溶接ワイヤの送給速度を都度設定するための周期的な変化曲線の位相調整による制御であることから、溶接ワイヤの送給制御の簡略化に貢献する。
また上記のアーク溶接用電源装置において、前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの送給速度を周期的な変化曲線に沿って変化させるものであり、前記加速制御時には前記変化曲線の振幅を振幅小の変化曲線を用いて逆送期間で小さくする制御を実施し、前記減速制御時には前記変化曲線の振幅を振幅大の変化曲線を用いて逆送期間で大きくする制御を実施するのが好ましい。
この構成によれば、溶接ワイヤの送給速度を周期的な変化曲線に沿って変化させる送給制御が行われ、溶接ワイヤの送給速度が遅い状況での加速制御時には、その変化曲線の振幅が振幅小の変化曲線を用いて逆送期間で小さくされる。また溶接ワイヤの送給速度が速い状況での減速制御時には、その変化曲線の振幅が振幅大の変化曲線を用いて逆送期間で大きくされる。つまり、溶接ワイヤの送給速度を都度設定するための周期的な変化曲線の振幅調整による制御であることから、溶接ワイヤの送給制御の簡略化に貢献する。
また上記課題を解決するアーク溶接用電源装置の制御方法は、溶接ワイヤを放電電極としたその電極先端にてアークを生じさせて被溶接物のアーク溶接を行うべく、アーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との各期間に適した出力電力に調整する出力制御と、前記溶接ワイヤのアークによる消耗に加えアーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との周期的変化を発生させるべく前記溶接ワイヤの正逆送を含むその送給速度を周期的に変化させる送給制御とを実施するアーク溶接用電源装置の制御方法であって、前記溶接ワイヤの正送から逆送への切り替わり付近で前記アーク期間に切り替わるべく前記溶接ワイヤの送給速度を周期的に変化させており、その逆送期間で前記溶接ワイヤの送給速度の調整を行うものであり、前記各期間に対する前記溶接ワイヤの送給速度同期ずれを判定する同期ずれ判定を行い、前記溶接ワイヤの送給速度が遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御を実施し、前記溶接ワイヤの送給速度が速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御を実施する。
この構成においても上記と同様に、溶接トーチの給電チップと被溶接物との間の距離、所謂チップ母材間距離が変化する等の溶接環境変化が生じて、溶接ワイヤの送給速度が遅い状況となった時には逆送方向における加速を含む加速制御が、溶接ワイヤの送給速度が速い状況となった時には逆送方向における減速を含む減速制御がそれぞれ実施され、それぞれの状況においていち早く所望速度に近似させることが可能となる。
本発明のアーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法によれば、溶接ワイヤの送給速度を適切に制御し、アーク溶接を良好に行うことができる。
(第1実施形態)
以下、アーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法の第1実施形態を説明する。
以下、アーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、アーク溶接機10としては、アーク溶接に適した出力電力を生成するアーク溶接用電源装置11と共に、アークを生じさせる放電電極としての溶接ワイヤ12への給電及びその保持を行う溶接トーチ13と、溶接ワイヤ12の送給を行う送給装置14と、溶接ワイヤ12が巻装されるワイヤスタンド15とを備えている。
溶接トーチ13は、電源装置11とパワーケーブル16を介して接続され、電源装置11から電力供給を受ける。溶接トーチ13は、溶接ワイヤ12への給電を行う給電チップ13aを備えている。給電チップ13aは、溶接ワイヤ12の送給動作を許容しつつ、電源装置11にて生成された出力電力を溶接ワイヤ12に供給すべく電気的に接触している。このような溶接トーチ13は、溶接ワイヤ12(給電チップ13a)側が被溶接物(母材)Mに対向するように配置されて使用される。
送給装置14は、駆動源としてモータ14aを備え、溶接ワイヤ12のワイヤスタンド15からの引き出し及び溶接トーチ13への送出をそのモータ14aの駆動により行っている。放電電極である溶接ワイヤ12はアークの発生に伴って消耗するため、送給装置14は溶接ワイヤ12の消耗を補うべく溶接ワイヤ12の送給を行っている。また、この溶接ワイヤ12の送給においては、単なる一方向・一定速度の送給態様ではなく、前進(正送)や後退(逆送)、更にはその時々の送給速度Vftをも変更して行われている。このような送給装置14(モータ14a)は、電源装置11内の制御回路20にて制御され、溶接ワイヤ12の送給動作における正送と逆送の切り替え(モータ14aの正逆転)や、溶接ワイヤ12の送給速度Vft(モータ14aの回転速度)等が制御される。
アーク溶接用電源装置11は、CPUを含んで構成される制御回路20を備えている。制御回路20は、アーク溶接のための出力電力を生成する出力制御部20a、短絡・アーク期間Ts,Taを検出する期間検出部20b、溶接ワイヤ12の送給動作を制御する送給制御部20c、及び溶接ワイヤ12の送給速度同期ずれが生じたかを判定する同期ずれ判定部20d等を備え、これらにてアーク溶接を適切に行うための制御を行っている。
ここで、図2及び図3を参照すると、本実施形態のような消耗電極式のアーク溶接機10では、溶接ワイヤ12が被溶接物Mに接触する短絡期間Tsと、溶接ワイヤ12が被溶接物Mから離間してアークを生じさせるアーク期間Taとを交互に生じさせている。制御回路20は、短絡期間Tsとアーク期間Taとが適切に生じるように、出力制御部20aによる出力電力(出力電圧Vw、出力電流Iw)の調整や、送給制御部20cによる溶接ワイヤ12の送給方向及び送給速度Vftの調整を行っている。その際、制御回路20は、期間検出部20bによる電源装置11の出力電圧Vwの検出に基づいて短絡期間Tsとアーク期間Taとを検出している。
ところで、溶接トーチ13の給電チップ13aと被溶接物Mとの間の相対的距離、所謂チップ母材間距離L等、溶接環境は変化する。この場合、溶接ワイヤ12の送給速度Vftをその距離Lに応じて変更しないと、アーク溶接における短絡期間Tsとアーク期間Taとの周期的な発生に悪影響を与え、アーク溶接が適切に行えない虞がある。そこで、制御回路20は、出力電力の調整と共に、溶接ワイヤ12の送給方向及び送給速度Vftの調整を都度行っている。
図2及び図3に示すように、チップ母材間距離Lに変化が生じる前(時刻A1,A2以前)の状況では、出力電圧(アーク電圧)Vwや出力電流(溶接電流)Iwから分かる短絡期間Tsとアーク期間Taとの変化に対して、溶接ワイヤ12の送給速度Vftは正負(正逆送)も含めた正弦波状の変化曲線Xa上で変化させている。換言すると、溶接ワイヤ12の送給速度Vftを正弦波状の変化曲線Xa上で変化させて、短絡期間Tsとアーク期間Taとを周期的に発生させている。
溶接ワイヤ12の送給速度Vftは、一定の正の送給速度Vf1に送給速度の周波数成分Vaが重畳されて設定されている。送給速度Vftがゼロより大となる正の領域では、溶接ワイヤ12を前進させる正送であり、送給速度Vftがゼロより小となる負の領域では、溶接ワイヤ12を後退させる逆送である。アーク期間Taの中期から短絡期間Tsの後期にかけては溶接ワイヤ12の正送の送給がなされ、短絡期間Tsの後期からアーク期間Taの中期にかけては溶接ワイヤ12の逆送の送給がなされる。
チップ母材間距離Lの変化等が生じていない正常時では、他の溶接環境が変化しなければアーク期間Taに切り替わる時刻は略同じ時間間隔である。またこの正常時では、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが逆送中の加速域(負の加速域)上の所定速度Vfa(周波数成分はVa1)となる時刻でアーク期間Taに切り替わるのが好ましい。
これに対して、例えばチップ母材間距離Lに変化が生じた場合、図2の時刻A1直後の短絡期間Tsが短く次のアーク期間Taへの切り替わりが早くなったり、図3の時刻A2直後の短絡期間Tsが長く次のアーク期間Taへの切り替わりが遅くなったりする等の事象が生じる。
例えば図2のように、チップ母材間距離Lが距離L0から距離Lhまで伸びた場合、その時刻A1直後の短絡期間Tsが短く、次のアーク期間Taへの切り替わりが早くなる。このような状況で、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが正常時の設定のままであると、溶接ワイヤ12の逆送時の送給速度Vftが遅くなりがちである。
また例えば図3のように、チップ母材間距離Lが距離L0から距離Llまで縮んだ場合、その時刻A2直後の短絡期間Tsが長く、次のアーク期間Taへの切り替わりが遅くなる。このような状況で、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが正常時の設定のままであると、溶接ワイヤ12の逆送時の送給速度Vftが速くなりがちである。
これを踏まえ、本実施形態の制御回路20は、先ず、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧Vave1,Vave2,Vave3を検出する。つまり、チップ母材間距離Lが伸びる図2の状況では、短絡期間Tsの平均電圧が例えばVave1からVave2に上昇し、チップ母材間距離Lが縮む図3の状況では、短絡期間Tsの平均電圧が例えばVave1からVave3に低下する。これに着目し、平均電圧Vave1〜Vave3の検出に基づいてチップ母材間距離Lの変化の検出が行われる。因みに、平均電圧Vave1〜Vave3の高低は、直前のものとの比較や予め定めたものとの比較等から検出可能である。そして、制御回路20は、平均電圧Vave1〜Vave3の電圧値の検出からチップ母材間距離Lの変化等の溶接環境変化を判定し、その時の状況に適した溶接ワイヤ12の送給速度Vftに調整する。
次に、本実施形態の動作(作用)について説明する。
「チップ母材間距離Lに変化無し」
短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲内のVave1である場合、制御回路20の同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lの変化が略生じておらず現状の溶接ワイヤ12の送給速度Vftが適切(同期している)と判定し、送給制御部20cは溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化態様(変化曲線Xa)を維持する。
「チップ母材間距離Lに変化無し」
短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲内のVave1である場合、制御回路20の同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lの変化が略生じておらず現状の溶接ワイヤ12の送給速度Vftが適切(同期している)と判定し、送給制御部20cは溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化態様(変化曲線Xa)を維持する。
「チップ母材間距離Lが伸びた場合」
図2に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave2まで上昇した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが伸び溶接ワイヤ12の逆送時の送給速度Vftが遅いと判定し、送給制御部20cは溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの位相を逆送時においてα1だけ早くする。つまり、この短絡期間Tsを経てアーク期間Taに切り替わる時の正規の速度、例えば図2の場合では溶接ワイヤ12の送給速度Vftが逆送中の減速域上の所定速度Vfaとなる変化曲線Xa上まで位相がα1だけ進められる。従って、チップ母材間距離Lが伸びると溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅くなりがちとなるが、逆送時において位相を進めたアーク期間Taの切り替わり時以降は、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの加速が行われて逆送から正送側への切り替えが早まって、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(加速制御)。
図2に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave2まで上昇した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが伸び溶接ワイヤ12の逆送時の送給速度Vftが遅いと判定し、送給制御部20cは溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの位相を逆送時においてα1だけ早くする。つまり、この短絡期間Tsを経てアーク期間Taに切り替わる時の正規の速度、例えば図2の場合では溶接ワイヤ12の送給速度Vftが逆送中の減速域上の所定速度Vfaとなる変化曲線Xa上まで位相がα1だけ進められる。従って、チップ母材間距離Lが伸びると溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅くなりがちとなるが、逆送時において位相を進めたアーク期間Taの切り替わり時以降は、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの加速が行われて逆送から正送側への切り替えが早まって、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(加速制御)。
また、送給制御部20cは、チップ母材間距離Lの変化直後の1箇所において上記の位相調整を行うのみで、以降において距離Lの変化が無ければ位相調整を行わない。尚、位相調整後に距離Lが再度変化した場合では、その変化直後に上記の位相調整が行われる。つまり、1度の距離Lの変化に対して直後の1箇所で位相調整が行われる。
このようにチップ母材間距離Lが伸びる状況では、溶接ワイヤ12の逆送時の送給速度Vftの上記位相調整により、結果的に溶接ワイヤ12の給電チップ13aからの突き出し長さが距離Lの伸びた分相当長くされ、ワイヤ12の先端と被溶接物(母材)Mとの間隔が略維持されるように調整している。
「チップ母材間距離Lが縮んだ場合」
図3に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave3まで低下した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが縮み溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速いと判定し、送給制御部20cは溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの位相を逆送時においてα2だけ遅くする。つまり、この短絡期間Tsを経てアーク期間Taに切り替わる時の正規の速度、例えば図3の場合では溶接ワイヤ12の送給速度Vftが再び逆送中の加速域上の所定速度Vfaとなる変化曲線Xa上まで位相がα2だけ遅くされる。従って、チップ母材間距離Lが縮むと溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速くなりがちとなるが、逆送時において位相を遅らせたアーク期間Taの切り替わり時以降は、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの減速が行われて逆送から正送側への切り替えが遅くなって、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(減速制御)。
図3に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave3まで低下した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが縮み溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速いと判定し、送給制御部20cは溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの位相を逆送時においてα2だけ遅くする。つまり、この短絡期間Tsを経てアーク期間Taに切り替わる時の正規の速度、例えば図3の場合では溶接ワイヤ12の送給速度Vftが再び逆送中の加速域上の所定速度Vfaとなる変化曲線Xa上まで位相がα2だけ遅くされる。従って、チップ母材間距離Lが縮むと溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速くなりがちとなるが、逆送時において位相を遅らせたアーク期間Taの切り替わり時以降は、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの減速が行われて逆送から正送側への切り替えが遅くなって、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(減速制御)。
また、送給制御部20cは、チップ母材間距離Lが伸びた時と同様に、距離Lの変化直後の1箇所において上記の位相調整を行うのみで、以降において距離Lの変化が無ければ位相調整を行わない。つまり、このチップ母材間距離Lが縮んだ場合においても、1度の距離Lの変化に対して直後の1箇所で位相調整が行われる。
このようにチップ母材間距離Lが縮む状況においても、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの上記位相調整により、結果的に溶接ワイヤ12の給電チップ13aからの突き出し長さが距離Lの縮んだ分相当短くされ、ワイヤ12の先端と被溶接物(母材)Mとの間隔が略維持されるように調整している。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)溶接ワイヤ12の送給制御として、溶接ワイヤ12の正送から逆送への切り替わり付近でアーク期間Taに切り替わるように溶接ワイヤ12の送給速度Vftを周期的に変化させており、その逆送期間で溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整が行われる。そして、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御が実施され(図2)、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御が実施される(図3)。つまり、溶接トーチ13の給電チップ13aと被溶接物Mとの間の距離(チップ母材間距離L)が変化する等の溶接環境変化は短絡期間Ts中の出力電圧Vwの平均電圧(Vave1〜Vave3)から検出でき、その平均電圧との関係で溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い状況となった時には逆送期間にて加速制御として溶接ワイヤ12の送給速度Vftの加速が行われ、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い状況となった時には逆送期間にて減速制御として溶接ワイヤ12の送給速度Vftの減速が行われることから、それぞれの状況においていち早く所望速度に近似させることができ、アーク溶接を良好に行うことができる。
(1)溶接ワイヤ12の送給制御として、溶接ワイヤ12の正送から逆送への切り替わり付近でアーク期間Taに切り替わるように溶接ワイヤ12の送給速度Vftを周期的に変化させており、その逆送期間で溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整が行われる。そして、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御が実施され(図2)、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御が実施される(図3)。つまり、溶接トーチ13の給電チップ13aと被溶接物Mとの間の距離(チップ母材間距離L)が変化する等の溶接環境変化は短絡期間Ts中の出力電圧Vwの平均電圧(Vave1〜Vave3)から検出でき、その平均電圧との関係で溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い状況となった時には逆送期間にて加速制御として溶接ワイヤ12の送給速度Vftの加速が行われ、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い状況となった時には逆送期間にて減速制御として溶接ワイヤ12の送給速度Vftの減速が行われることから、それぞれの状況においていち早く所望速度に近似させることができ、アーク溶接を良好に行うことができる。
尚、チップ母材間距離Lの変化に対する溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整を中心に説明したが、チップ母材間距離L以外の溶接環境変化に対する溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整も行われる。
(2)溶接ワイヤ12の送給速度Vftの同期ずれが生じているかの判定が、短絡期間Ts中の出力電圧Vwの平均電圧(Vave1〜Vave3)に基づいて行われる。つまり、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの同期ずれの判定を出力電圧Vwの平均電圧(Vave1〜Vave3)にて容易に行うことができる。
また本実施形態では、直前の短絡期間Tsの平均電圧による判定で、その直後のアーク期間Taへの切り替わり時に溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整が行われることから、その送給速度Vftへの反映が速やかである。
(3)溶接ワイヤ12の送給速度Vftを周期的な変化曲線Xaに沿って変化させる送給制御が行われ、溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い状況での加速制御時には、その送給速度の調整時点(アーク期間Taへの切り替わり時)の所定速度Vfaとなるまで変化曲線Xaの位相が逆送期間でα1進められる。また溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い状況での減速制御時には、その送給速度の調整時点(アーク期間Taへの切り替わり時)の所定速度Vfaとなるまで変化曲線Xaの位相が逆送期間でα2遅らせられる。つまり、溶接ワイヤ12の送給速度Vftを都度設定するための周期的な変化曲線Xaの位相調整による制御であることから、溶接ワイヤ12の送給制御の簡略化に貢献する。
(第2実施形態)
以下、アーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法の第2実施形態を説明する。
以下、アーク溶接用電源装置及びアーク溶接用電源装置の制御方法の第2実施形態を説明する。
本実施形態では、制御回路20の送給制御部20cでの制御態様が先の第1実施形態と異なる。第1実施形態では、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの位相調整(振幅固定)を行ったのに対し、本実施形態では、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの振幅調整(位相固定)を行う制御態様となっている。
「チップ母材間距離Lが伸びた場合」
図4に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave2まで上昇した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが伸び溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅いと判定し、送給制御部20cはこの短絡期間Ts後のアーク期間Taへの切り替わり時に溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの振幅を逆送時において小さくする。従って、チップ母材間距離Lが伸びると溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅くなりがちとなるが、逆送時において振幅の小さい変化曲線Xbを用いることで、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(加速制御)。
図4に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave2まで上昇した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが伸び溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅いと判定し、送給制御部20cはこの短絡期間Ts後のアーク期間Taへの切り替わり時に溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの振幅を逆送時において小さくする。従って、チップ母材間距離Lが伸びると溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅くなりがちとなるが、逆送時において振幅の小さい変化曲線Xbを用いることで、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(加速制御)。
また、送給制御部20cは、例えば図4の場合では、溶接ワイヤ12の送給速度Vftを逆送中の減速域上の所定速度Vfaから送給速度Vf1まで振幅の小さい変化曲線Xb上で変化させ、それ以降は通常の変化曲線Xa上で変化させる。つまり、この振幅調整においても、1度の距離Lの変化に対して直後の1箇所で振幅調整が行われる。
このようにチップ母材間距離Lが伸びる状況では、逆送時の溶接ワイヤ12の送給速度Vftの上記振幅調整により、結果的に溶接ワイヤ12の給電チップ13aからの突き出し長さが距離Lの伸びた分相当長くされ、ワイヤ12の先端と被溶接物(母材)Mとの間隔が略維持される調整となっている。
「チップ母材間距離Lが縮んだ場合」
図5に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave3まで低下した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが縮み溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速いと判定し、送給制御部20cはこの短絡期間Ts後のアーク期間Taへの切り替わり時に溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの振幅を逆送時において大きくする。従って、チップ母材間距離Lが縮むと溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速くなりがちとなるが、逆送時において振幅の大きい変化曲線Xcを用いることで、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(減速制御)。
図5に示すように、短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧が許容範囲を超え、例えばVave1からVave3まで低下した場合、同期ずれ判定部20dはチップ母材間距離Lが縮み溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速いと判定し、送給制御部20cはこの短絡期間Ts後のアーク期間Taへの切り替わり時に溶接ワイヤ12の送給速度Vftの変化曲線Xaの振幅を逆送時において大きくする。従って、チップ母材間距離Lが縮むと溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速くなりがちとなるが、逆送時において振幅の大きい変化曲線Xcを用いることで、溶接ワイヤ12の送給速度Vfaがいち早く所望速度に近似するようになっている(減速制御)。
また、送給制御部20cは、例えば図5の場合では、溶接ワイヤ12の送給速度Vftを逆送中の加速域上の所定速度Vfaから送給速度Vf1まで振幅の大きい変化曲線Xc上で変化させ、それ以降は通常の変化曲線Xa上で変化させる。つまり、この振幅調整においても、1度の距離Lの変化に対して直後の1箇所で振幅調整が行われる。
このようにチップ母材間距離Lが縮む状況においても、逆送時の溶接ワイヤ12の送給速度Vftの上記振幅調整により、結果的に溶接ワイヤ12の給電チップ13aからの突き出し長さが距離Lの縮んだ分相当短くされ、ワイヤ12の先端と被溶接物(母材)Mとの間隔が略維持される調整となっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)(2)この第2実施形態においても、第1実施形態の効果(1)(2)と同様な効果が得られる。
(1)(2)この第2実施形態においても、第1実施形態の効果(1)(2)と同様な効果が得られる。
(3)溶接ワイヤ12の送給速度Vftが遅い状況での加速制御時には、その変化曲線Xaの振幅が振幅小の変化曲線Xbを用いて逆送期間で小さくされる。また溶接ワイヤ12の送給速度Vftが速い状況での減速制御時には、その変化曲線Xaの振幅が振幅大の変化曲線Xcを用いて逆送期間で大きくされる。つまり、溶接ワイヤ12の送給速度Vftを都度設定するための周期的な変化曲線Xaの振幅調整による制御であることから、溶接ワイヤの送給制御の簡略化に貢献する。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧を用いて、チップ母材間距離Lの変化等の溶接環境変化に起因する溶接ワイヤ12の送給速度Vftの同期ずれ判定を行ったが、出力電圧Vwの平均電圧以外の電圧値を用いてもよい。また1つの短絡期間Tsでの電圧値だけでなく、複数の短絡期間Tsの電圧値を用いてもよい。また出力電流Iwを用いてもよい。また予定時刻と実時刻との時間ずれを用いて判定してもよい。更には測距装置による直接的なチップ母材間距離Lの計測を用いる等、他のパラメータを1つ又は複数用いて、送給速度同期ずれの判定を行ってもよい。
・短絡期間Tsの出力電圧Vwの平均電圧を用いて、チップ母材間距離Lの変化等の溶接環境変化に起因する溶接ワイヤ12の送給速度Vftの同期ずれ判定を行ったが、出力電圧Vwの平均電圧以外の電圧値を用いてもよい。また1つの短絡期間Tsでの電圧値だけでなく、複数の短絡期間Tsの電圧値を用いてもよい。また出力電流Iwを用いてもよい。また予定時刻と実時刻との時間ずれを用いて判定してもよい。更には測距装置による直接的なチップ母材間距離Lの計測を用いる等、他のパラメータを1つ又は複数用いて、送給速度同期ずれの判定を行ってもよい。
・アーク期間Taへの切り替わり時に溶接ワイヤ12の送給速度Vftの調整を行ったが、逆送期間のこれ以外のタイミングで行ってもよい。
・その他、アーク溶接機10、アーク溶接用電源装置11及び制御回路20の構成を適宜変更してもよい。
・その他、アーク溶接機10、アーク溶接用電源装置11及び制御回路20の構成を適宜変更してもよい。
・その他、溶接ワイヤ12の送給速度Vftの制御等、アーク溶接にかかる各種制御を適宜変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 溶接ワイヤへの給電及びその保持を行う溶接トーチと、前記溶接ワイヤの送給を行いその送給動作が制御される送給装置と、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接用電源装置とを備えたことを特徴とするアーク溶接機。
この構成によれば、溶接ワイヤの送給速度を適切に制御し、アーク溶接を良好に行うアーク溶接機として提供することができる。
11 アーク溶接用電源装置
12 溶接ワイヤ
20a 出力制御部
20c 送給制御部
20d 同期ずれ判定部
M 被溶接物
Ts 短絡期間
Ta アーク期間
Iw 出力電流(出力電力)
Vw 出力電圧(出力電力)
Vave1,Vave2,Vave3 平均電圧
Vft 送給速度
Vfa 所定速度
Xa,Xb,Xc 変化曲線
α1,α2 位相
12 溶接ワイヤ
20a 出力制御部
20c 送給制御部
20d 同期ずれ判定部
M 被溶接物
Ts 短絡期間
Ta アーク期間
Iw 出力電流(出力電力)
Vw 出力電圧(出力電力)
Vave1,Vave2,Vave3 平均電圧
Vft 送給速度
Vfa 所定速度
Xa,Xb,Xc 変化曲線
α1,α2 位相
Claims (5)
- 溶接ワイヤを放電電極としたその電極先端にてアークを生じさせて被溶接物のアーク溶接を行うべく、アーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との各期間に適した出力電力に調整する出力制御部と、前記溶接ワイヤのアークによる消耗に加えアーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との周期的変化を発生させるべく前記溶接ワイヤの正逆送を含むその送給速度を周期的に変化させる送給制御部とを備えたアーク溶接用電源装置であって、
前記各期間に対する前記溶接ワイヤの送給速度同期ずれを判定する同期ずれ判定部を更に備え、
前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの正送から逆送への切り替わり付近で前記アーク期間に切り替わるべく前記溶接ワイヤの送給速度を周期的に変化させており、その逆送期間で前記溶接ワイヤの送給速度の調整を行うものであり、前記同期ずれ判定部にて前記溶接ワイヤの送給速度が遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御を実施し、前記同期ずれ判定部にて前記溶接ワイヤの送給速度が速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御を実施することを特徴とするアーク溶接用電源装置。 - 請求項1に記載のアーク溶接用電源装置において、
前記同期ずれ判定部は、前記短絡期間中の出力電圧の検出に基づいて前記溶接ワイヤの送給速度同期ずれが生じていると判定することを特徴とするアーク溶接用電源装置。 - 請求項1又は2に記載のアーク溶接用電源装置において、
前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの送給速度を周期的な変化曲線に沿って変化させるものであり、前記加速制御時にはその送給速度の調整時点の所定速度となるまで前記変化曲線の位相を逆送期間で進ませる制御を実施し、前記減速制御時にはその送給速度の調整時点の所定速度となるまで前記変化曲線の位相を逆送期間で遅らせる制御を実施することを特徴とするアーク溶接用電源装置。 - 請求項1又は2に記載のアーク溶接用電源装置において、
前記送給制御部は、前記溶接ワイヤの送給速度を周期的な変化曲線に沿って変化させるものであり、前記加速制御時には前記変化曲線の振幅を振幅小の変化曲線を用いて逆送期間で小さくする制御を実施し、前記減速制御時には前記変化曲線の振幅を振幅大の変化曲線を用いて逆送期間で大きくする制御を実施することを特徴とするアーク溶接用電源装置。 - 溶接ワイヤを放電電極としたその電極先端にてアークを生じさせて被溶接物のアーク溶接を行うべく、アーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との各期間に適した出力電力に調整する出力制御と、前記溶接ワイヤのアークによる消耗に加えアーク溶接にかかる短絡期間とアーク期間との周期的変化を発生させるべく前記溶接ワイヤの正逆送を含むその送給速度を周期的に変化させる送給制御とを実施するアーク溶接用電源装置の制御方法であって、
前記溶接ワイヤの正送から逆送への切り替わり付近で前記アーク期間に切り替わるべく前記溶接ワイヤの送給速度を周期的に変化させており、その逆送期間で前記溶接ワイヤの送給速度の調整を行うものであり、
前記各期間に対する前記溶接ワイヤの送給速度同期ずれを判定する同期ずれ判定を行い、前記溶接ワイヤの送給速度が遅い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における加速を含む加速制御を実施し、前記溶接ワイヤの送給速度が速い旨の送給速度同期ずれの判定がなされると逆送方向における減速を含む減速制御を実施することを特徴とするアーク溶接用電源装置の制御方法。
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