JP2014185976A - ホウ酸廃液の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】投入した粉末薬剤を起源とする固形分が、タンクの内壁面に付着し蓄積することが抑制されるホウ酸廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】ホウ酸廃液の処理方法において、ホウ酸廃液をタンクに注入し撹拌しながら所定温度に設定するステップと、前記タンクの内壁面に洗浄液を流動させながら前記ホウ酸廃液に粉末薬剤を投入するステップと、前記ホウ酸廃液及び前記粉末薬剤の混合体を前記タンク内において撹拌しながら反応を進行させるステップと、前記反応により生成したスラリーを前記タンクから排出するステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】ホウ酸廃液の処理方法において、ホウ酸廃液をタンクに注入し撹拌しながら所定温度に設定するステップと、前記タンクの内壁面に洗浄液を流動させながら前記ホウ酸廃液に粉末薬剤を投入するステップと、前記ホウ酸廃液及び前記粉末薬剤の混合体を前記タンク内において撹拌しながら反応を進行させるステップと、前記反応により生成したスラリーを前記タンクから排出するステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、粉末薬剤を処理タンクに投入する工程を含むホウ酸廃液の処理方法に関する。
加圧水型原子炉(PWR)では出力調整等に使用したホウ酸溶液が廃液として多く排出される。このホウ酸含有廃液は、放射性核種を含むために、最終的にはセメントなどで固化したうえで廃棄処分される。
このホウ酸含有廃液は、酸性であるために中和剤としてアルカリ金属元素化合物(例えば水酸化ナトリウム(NaOH))が添加され、ホウ酸ナトリウム廃液等に変換される。
このホウ酸含有廃液は、酸性であるために中和剤としてアルカリ金属元素化合物(例えば水酸化ナトリウム(NaOH))が添加され、ホウ酸ナトリウム廃液等に変換される。
ところで、ホウ酸は、セメントの凝結反応を妨害し硬化遅延や強度低下を生じさせる。
そこで、ホウ酸ナトリウム廃液に、アルカリ土類金属元素化合物(例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2))の粉末薬剤を投入し、ホウ酸を不溶化したホウ酸カルシウムとして析出させる前処理が行われる。
そこで、ホウ酸ナトリウム廃液に、アルカリ土類金属元素化合物(例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2))の粉末薬剤を投入し、ホウ酸を不溶化したホウ酸カルシウムとして析出させる前処理が行われる。
なお、このホウ酸カルシウムの析出により生成したスラリーの粘度上昇を抑制するために、中和処理後のホウ酸ナトリウム廃液をタンクに注入して90℃に設定してから、水酸化カルシウムの粉末薬剤を投入している。
そして、この生成したスラリーは、タンクから排出された後に乾燥され、粉体化したホウ酸カルシウムが、セメント固化される(例えば、特許文献1)。
そして、この生成したスラリーは、タンクから排出された後に乾燥され、粉体化したホウ酸カルシウムが、セメント固化される(例えば、特許文献1)。
ところで、前記したタンクにおいて、ホウ酸ナトリウム廃液のバッチ処理を繰り返すうちに、その内壁面等に、投入した水酸化カルシウムを起源とした固形分が付着し蓄積する事態が生じる。
タンク内において固形分の付着量が増大すると、加熱伝熱効率の低下、液位計の制御精度低下、インペラによる撹拌効率低下、及びタンク液位のかさ上げに起因する薬剤の過剰投与などの課題が発生するおそれがある。
タンク内において固形分の付着量が増大すると、加熱伝熱効率の低下、液位計の制御精度低下、インペラによる撹拌効率低下、及びタンク液位のかさ上げに起因する薬剤の過剰投与などの課題が発生するおそれがある。
このように、タンク内において固形分の付着量が増大すると、ホウ酸ナトリウム廃液処理の運転安定性が損なわれるばかりでなく、メンテナンスの頻繁化に伴う作業員の被ばく量の増加が懸念される。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、投入した粉末薬剤を起源とする固形分が、タンクの内壁面に付着し蓄積することが抑制されるホウ酸廃液の処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係るホウ酸廃液の処理方法において、ホウ酸廃液をタンクに注入し撹拌しながら所定温度に設定するステップと、前記タンクの内壁面に洗浄液を流動させながら前記ホウ酸廃液に粉末薬剤を投入するステップと、前記ホウ酸廃液及び前記粉末薬剤の混合体を前記タンク内において撹拌しながら反応を進行させるステップと、前記反応により生成したスラリーを前記タンクから排出するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明により、投入した粉末薬剤を起源とする固形分が、タンクの内壁面に付着し蓄積することが抑制されるホウ酸廃液の処理方法が提供される。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るホウ酸廃液の処理方法に適用されるタンク10は、ホウ酸廃液12をタンク内部に注入する廃液槽11と、このホウ酸廃液12を所定温度に設定するためのヒータ13と、粉末薬剤をタンク内部のホウ酸廃液12に投入する薬剤槽14と、タンク内壁面10aに流動させる洗浄液23を保持する洗浄槽15と、ホウ酸廃液及び粉末薬剤の混合体をタンク内において撹拌しながら反応を進行させる撹拌機16と、反応により生成したスラリーをタンク10から排出する排出部17とから構成されている。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るホウ酸廃液の処理方法に適用されるタンク10は、ホウ酸廃液12をタンク内部に注入する廃液槽11と、このホウ酸廃液12を所定温度に設定するためのヒータ13と、粉末薬剤をタンク内部のホウ酸廃液12に投入する薬剤槽14と、タンク内壁面10aに流動させる洗浄液23を保持する洗浄槽15と、ホウ酸廃液及び粉末薬剤の混合体をタンク内において撹拌しながら反応を進行させる撹拌機16と、反応により生成したスラリーをタンク10から排出する排出部17とから構成されている。
タンク10は、円筒形で丸底形状が洗浄性に優れ好ましいが、角型でもよく、特にタンク形状に限定はない。また、このタンク10の上面には、その内部への作業員を出入りさせるマンホール18が設けられている。
廃液槽11からタンク内部に注入されるホウ酸廃液12は、加圧水型原子炉の出力調整等に使用したホウ酸溶液の廃液に、水酸化ナトリウム(NaOH)を混合して中和し、さらに加熱濃縮したホウ酸ナトリウム廃液を想定している。
ここで、使用される中和剤は、水酸化ナトリウムに限定されるものではなく、その他のアルカリ金属元素化合物(例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、又はこれらの混合物)も好適に用いることができる。
しかし、各実施形態で処理されるホウ酸廃液12は、中和処理が実施されていない場合も対象に含まれ、さらに廃液中のホウ酸濃度も特に限定されない。
ここで、使用される中和剤は、水酸化ナトリウムに限定されるものではなく、その他のアルカリ金属元素化合物(例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、又はこれらの混合物)も好適に用いることができる。
しかし、各実施形態で処理されるホウ酸廃液12は、中和処理が実施されていない場合も対象に含まれ、さらに廃液中のホウ酸濃度も特に限定されない。
薬剤槽14からタンク内部のホウ酸廃液12に投入される粉末薬剤は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)であることを想定している。
これは、ホウ酸廃液12は、最終的にセメント固化処理することを想定しているために、セメントの凝結反応を妨害し硬化遅延や強度低下を生じさせるホウ酸を、ホウ酸カルシウムとして析出させ不溶化するためである。
これは、ホウ酸廃液12は、最終的にセメント固化処理することを想定しているために、セメントの凝結反応を妨害し硬化遅延や強度低下を生じさせるホウ酸を、ホウ酸カルシウムとして析出させ不溶化するためである。
ここで、廃液中のホウ酸をホウ酸塩として析出させる粉末薬剤は、水酸化ナトリウムに限定されるものではなく、その他のアルカリ土類金属元素化合物(例えば、水酸化マグネシウム)も好適に用いることができる。
また、各実施形態で投入される粉末薬剤は、前記したような廃液中のホウ酸をホウ酸塩として析出させる作用がない場合も対象に含まれる。
また、各実施形態で投入される粉末薬剤は、前記したような廃液中のホウ酸をホウ酸塩として析出させる作用がない場合も対象に含まれる。
ヒータ13は、タンク10に注入されたホウ酸廃液12(ホウ酸ナトリウム廃液)を85℃より高温(例えば90℃)に加熱する。
そして、薬剤槽14から投入された粉末薬剤(Ca(OH)2))を所定量添加し、撹拌機16によりホウ酸廃液12及び粉末薬剤の混合体を一定時間(3時間以上)撹拌し反応を進行させる。しかる後に、反応により生成したスラリーを冷却装置(図示略)又は自然放冷によって所定温度(70℃程度)まで降温させて、排出部17から排出する。
このようにホウ酸廃液12を薬剤で処理したり熱処理したりすることで、廃液性状を安定化するとともに粘度上昇も抑制することができる。
そして、薬剤槽14から投入された粉末薬剤(Ca(OH)2))を所定量添加し、撹拌機16によりホウ酸廃液12及び粉末薬剤の混合体を一定時間(3時間以上)撹拌し反応を進行させる。しかる後に、反応により生成したスラリーを冷却装置(図示略)又は自然放冷によって所定温度(70℃程度)まで降温させて、排出部17から排出する。
このようにホウ酸廃液12を薬剤で処理したり熱処理したりすることで、廃液性状を安定化するとともに粘度上昇も抑制することができる。
洗浄槽15は、保持している洗浄液を、タンク10に同軸に設けられた円環パイプ21に供給する。この円環パイプ21は、複数の噴出孔22から放射状に下向きに洗浄液23を噴射し、タンク内壁面10aに流動させる。
なお、この噴射される洗浄液23は、洗浄効果を向上させるために30℃以上好ましくは60℃以上に温度設定されている。
なお、この噴射される洗浄液23は、洗浄効果を向上させるために30℃以上好ましくは60℃以上に温度設定されている。
また円環パイプ21の複数の噴出孔22からタンク内壁面10aまでの距離は、タンク直径に対して5%以下に設定されることが望ましい。
噴出孔22からタンク内壁面10aまでの距離が、タンク直径に対して5%を超えると、タンク内壁面を伝う洗浄液の流速が下がり、洗浄効率が低下するために望ましくない。
噴出孔22からタンク内壁面10aまでの距離が、タンク直径に対して5%を超えると、タンク内壁面を伝う洗浄液の流速が下がり、洗浄効率が低下するために望ましくない。
また噴出孔22は、円環パイプ21の全周にわたり等間隔で30個以上設けられることが望ましい。
噴出孔22の数がこれよりも少なく間隔が広がると、噴出した洗浄液23がタンク内壁面10aの全体に広がらず、隙間ができるため好ましくない。
また、洗浄液23をタンク内壁面10aに対して垂直に噴出させると、跳ね返りによって洗浄効率が下がるため、噴出孔22は円環パイプ21の若干下側に設けられることが望ましい。
噴出孔22の数がこれよりも少なく間隔が広がると、噴出した洗浄液23がタンク内壁面10aの全体に広がらず、隙間ができるため好ましくない。
また、洗浄液23をタンク内壁面10aに対して垂直に噴出させると、跳ね返りによって洗浄効率が下がるため、噴出孔22は円環パイプ21の若干下側に設けられることが望ましい。
各実施形態において、タンク10の内壁面に粉末薬剤が付着する部分は、(1)液面上部(気相部)、(2)液面界面(気相、液相の境界部)及び(3)液面下部(液相内)の大きく3箇所に分類される。
各々の内壁面の部分において粉末薬剤が付着する要因は異なるため、付着量を減少させるために、それぞれに対し異なる洗浄方策が検討される。
各々の内壁面の部分において粉末薬剤が付着する要因は異なるため、付着量を減少させるために、それぞれに対し異なる洗浄方策が検討される。
(1)の液面上部における粉末薬剤の付着は、粉末薬剤を投入する際に多量に付着する傾向がある。このために、洗浄液23をタンク内壁面10aに流動させて濡れ壁状態にして粉末薬剤を洗い落としながら投入することが、付着防止に有効である。
またホウ酸廃液12は、濃縮すると粘性が高くなる性質を有し、タンク投入後の撹拌作用で内壁面上部に飛散・付着し水分が気化して高粘性化すると、糊作用によりその後投入された粉末薬剤が付着する。
このようなホウ酸廃液12の液面上部への飛散を防止するために、撹拌機16の回転数を極力下げ、さらに粉末薬剤の投入前後に洗浄液23をタンク内壁面10aに流動させて付着物を洗い落とすことが効果的である。
このようなホウ酸廃液12の液面上部への飛散を防止するために、撹拌機16の回転数を極力下げ、さらに粉末薬剤の投入前後に洗浄液23をタンク内壁面10aに流動させて付着物を洗い落とすことが効果的である。
(2)の液面界面における粉末薬剤の付着は、ホウ酸廃液12がタンク内部に注入され撹拌されると、液面の波立ちにより界面に接するタンク内壁面に高粘性化したホウ酸廃液12の膜が形成され、そこに投入された粉末薬剤が付着することに拠る。
このように高粘性化したホウ酸廃液12の膜が、タンク内壁面に形成されることを防止するためには、撹拌機16の回転数を極力下げて液面の波立ちを抑制する必要がある。
さらには、粉末薬剤を投入する前後に、洗浄液23をタンク内壁面10aに流動させて付着物を洗い流すことが効果的である。
このように高粘性化したホウ酸廃液12の膜が、タンク内壁面に形成されることを防止するためには、撹拌機16の回転数を極力下げて液面の波立ちを抑制する必要がある。
さらには、粉末薬剤を投入する前後に、洗浄液23をタンク内壁面10aに流動させて付着物を洗い流すことが効果的である。
また、(2)の液面界面における粉末薬剤の付着は、空気中で湿度の高い条件において炭酸カルシウムに変化して不溶化する水酸化カルシウム(粉末薬剤)の性質にも拠る。
この水酸化カルシウムから変化した炭酸カルシウムは、タンク内壁面における付着物の基点となることが推測されている。
このように水酸化カルシウムから炭酸カルシウムに変化することを防止するために、タンク10の内部の気相を窒素などの不活性ガスで置換する。
この水酸化カルシウムから変化した炭酸カルシウムは、タンク内壁面における付着物の基点となることが推測されている。
このように水酸化カルシウムから炭酸カルシウムに変化することを防止するために、タンク10の内部の気相を窒素などの不活性ガスで置換する。
(3)の液面下部における粉末薬剤の付着防止は、タンク10の排出部17からスラリーを排出する度に、洗浄液23を流動させてタンク内壁面10aを洗い流すことが効果的である。
つまり、一回のバッチ処理毎に、洗浄液23でタンク内壁面10aを洗い流してから、次のバッチ処理に移り、ホウ酸廃液12を廃液槽11からタンク内部に注入する。
つまり、一回のバッチ処理毎に、洗浄液23でタンク内壁面10aを洗い流してから、次のバッチ処理に移り、ホウ酸廃液12を廃液槽11からタンク内部に注入する。
さらに、タンク10におけるホウ酸廃液12のバッチ処理を繰り返し行った結果蓄積した内壁面10aの付着物は、定期検査の際にタンクに近づく作業員の被ばく線量低減の観点から、徹底洗浄する必要がある。
具体的には、加圧水型原子炉(PWR)の発電所で定期的に発生するホウ酸溶液の廃棄物を洗浄液としてタンク10に充填し、撹拌機16を動作させることにより徹底洗浄を行う。
なおこの徹底洗浄で使用される洗浄剤は、ホウ酸溶液に限定されるものではなく、希硫酸などを用いることができるが、新たな廃棄物の処理対象が発生してしまう難点がある。
具体的には、加圧水型原子炉(PWR)の発電所で定期的に発生するホウ酸溶液の廃棄物を洗浄液としてタンク10に充填し、撹拌機16を動作させることにより徹底洗浄を行う。
なおこの徹底洗浄で使用される洗浄剤は、ホウ酸溶液に限定されるものではなく、希硫酸などを用いることができるが、新たな廃棄物の処理対象が発生してしまう難点がある。
図2のタイミングチャートに基づいて(適宜図1参照)第1実施形態におけるホウ酸廃液の処理方法を説明する。なおこのタイミングチャートは、1回のバッチ処理のプロセスを示している。
先ず、廃液槽11において約70℃で保持されているホウ酸廃液(ホウ酸ナトリウム溶液)をタンク10に注入し撹拌しながら昇温し所定温度(約90℃)に設定する。
この注入したホウ酸廃液の昇温過程における撹拌は、タンク内温度を均一にするために行われるものである。
従って、粉末薬剤(Ca(OH)2)の投入開始前におけるホウ酸廃液の撹拌は、界面の波立ちが±2mm以内となるように撹拌機16の回転数が低速に調整されている。
先ず、廃液槽11において約70℃で保持されているホウ酸廃液(ホウ酸ナトリウム溶液)をタンク10に注入し撹拌しながら昇温し所定温度(約90℃)に設定する。
この注入したホウ酸廃液の昇温過程における撹拌は、タンク内温度を均一にするために行われるものである。
従って、粉末薬剤(Ca(OH)2)の投入開始前におけるホウ酸廃液の撹拌は、界面の波立ちが±2mm以内となるように撹拌機16の回転数が低速に調整されている。
この界面の波立ちが±2mmを超えると、ホウ酸廃液12が気相部に飛散しタンク内壁面に付着しさらに濃縮し、後に投入される粉末薬剤(Ca(OH)2)の付着を助長するおそれがある。
なお、波立ちが観測されない程度に撹拌回転数を低減すると、タンク内の廃液温度が不均一になり、場合によっては突沸が生じる等して好ましくない。
なお、波立ちが観測されない程度に撹拌回転数を低減すると、タンク内の廃液温度が不均一になり、場合によっては突沸が生じる等して好ましくない。
タンク内の廃液温度が90℃に達したところで、薬剤槽14からタンク10に粉末薬剤(Ca(OH)2)を投入する。
粉末薬剤の投入開始後におけるホウ酸廃液の撹拌は、界面の波立ちが±50mm以内となるように撹拌機16の回転数を高速に調整し、反応を効果的に進行させる。
この撹拌機16の回転数が高速に切り替わった後は、タンク内壁面10aへの廃液飛散が避けられない。
粉末薬剤の投入開始後におけるホウ酸廃液の撹拌は、界面の波立ちが±50mm以内となるように撹拌機16の回転数を高速に調整し、反応を効果的に進行させる。
この撹拌機16の回転数が高速に切り替わった後は、タンク内壁面10aへの廃液飛散が避けられない。
そこで、ホウ酸廃液12に粉末薬剤(Ca(OH)2)を投入する期間において、タンク内壁面10aに洗浄液23を流動させることとした。
なお図2に示す粉末薬剤を投入する期間の前段階A又は後段階Cにおいて円環パイプの噴出孔22から噴射される洗浄液の流速は6m/s以上の高速で5秒以上とし、この前段階A及び後段階Cの間の期間Bの流速は0.8m/s以上で6m/s未満の低速に設定されることとした。
なお図2に示す粉末薬剤を投入する期間の前段階A又は後段階Cにおいて円環パイプの噴出孔22から噴射される洗浄液の流速は6m/s以上の高速で5秒以上とし、この前段階A及び後段階Cの間の期間Bの流速は0.8m/s以上で6m/s未満の低速に設定されることとした。
前段階A又は後段階Cにおける洗浄液の流速は、6m/s未満に設定すると、タンク内壁面10aに粉末薬剤が付着して残留しやすくなる。
期間Bの流速が6m/sを超えるとこの洗浄液の供給によりタンク内廃液が増量するおそれがあり、0.8m/sを下回るとタンク内壁面10aの全面にわたる濡れ壁状態を維持できなくなる。
期間Bの流速が6m/sを超えるとこの洗浄液の供給によりタンク内廃液が増量するおそれがあり、0.8m/sを下回るとタンク内壁面10aの全面にわたる濡れ壁状態を維持できなくなる。
この期間Bでは、粉末薬剤を3.5〜7分かけて投入したが、タンク内壁面10aに洗浄液の膜が生成されているために、付着が抑制される。
しかし、それでも期間Bにおける撹拌の作用によって、タンク内壁面10aの液界面部には、数mm幅の帯状付着が生じることは避けられない。
このため、期間Bの後段階Cにおいて、再び流速を高くして短時間の洗浄を実施し、タンク内壁面の界面部分の残留付着物を洗い落とす。
なお、粉末薬剤の投入期間の前段階Aと後段階Cの両段階において、洗浄液の流動速度を高く設定することを例示したが、そのように高く設定することは必須の要件としない。
しかし、それでも期間Bにおける撹拌の作用によって、タンク内壁面10aの液界面部には、数mm幅の帯状付着が生じることは避けられない。
このため、期間Bの後段階Cにおいて、再び流速を高くして短時間の洗浄を実施し、タンク内壁面の界面部分の残留付着物を洗い落とす。
なお、粉末薬剤の投入期間の前段階Aと後段階Cの両段階において、洗浄液の流動速度を高く設定することを例示したが、そのように高く設定することは必須の要件としない。
粉末薬剤の投入及び洗浄液の噴射を停止した後は、撹拌機16の回転数を高速に維持したままホウ酸廃液及び粉末薬剤(Ca(OH)2)の混合体をタンク内において所定温度(90℃)・所定時間(8時間)で撹拌しながら反応を進行させる。
そして、反応により生成したスラリーをタンク10から排出するのに適した温度(74℃)になるまで高速撹拌を維持したまま降温する。
そして、反応により生成したスラリーをタンク10から排出するのに適した温度(74℃)になるまで高速撹拌を維持したまま降温する。
反応を進行させ降温するといった長時間にわたるプロセスにおいて、タンク内壁面10aには、気相部、液面界面部及び液面下部にわたり付着物が生成する。さらに、反応により不溶化した成分(ホウ酸カルシウム)が、廃液に多量に含まれることになる。
この状態で、廃液を前記タンクから排出し、次回のバッチのホウ酸廃液が廃液槽11から注入されると、前回のバッチの残留付着物が核となって、新たに投入した粉末薬剤が付着し成長する起点となる。
この状態で、廃液を前記タンクから排出し、次回のバッチのホウ酸廃液が廃液槽11から注入されると、前回のバッチの残留付着物が核となって、新たに投入した粉末薬剤が付着し成長する起点となる。
そこでタンク10から廃液を排出する期間において内壁面に洗浄液を流動させることとした。
具体的には、廃液の排出段階Dにおいて、撹拌速度を低速にし、洗浄液を流速6m/s以上で5秒間、タンク内壁面10aに洗浄液を流動させて洗浄する。
これによって、前回のバッチの残留付着物が洗い流されて、次回のバッチのホウ酸廃液の処理において、粉末薬剤が付着し成長する起点となる核が少なくなる。
具体的には、廃液の排出段階Dにおいて、撹拌速度を低速にし、洗浄液を流速6m/s以上で5秒間、タンク内壁面10aに洗浄液を流動させて洗浄する。
これによって、前回のバッチの残留付着物が洗い流されて、次回のバッチのホウ酸廃液の処理において、粉末薬剤が付着し成長する起点となる核が少なくなる。
さらに、図2に示されるバッチ処理を複数回連続して繰り返すことにより、ホウ酸廃液の処理がすすめられる。
そして、定期検査等によりホウ酸廃液の処理が暫く停止する場合は、タンク10の内部を徹底洗浄するために、最終バッチにおける廃液排出後に、タンク10にホウ酸溶液を充填し撹拌して内壁面10aの付着物の完全除去を実施する。
このホウ酸溶液のタンク10への注入は、廃液槽11、薬剤槽14、洗浄槽15、マンホール18のいずれかから行うことができる。
そして、定期検査等によりホウ酸廃液の処理が暫く停止する場合は、タンク10の内部を徹底洗浄するために、最終バッチにおける廃液排出後に、タンク10にホウ酸溶液を充填し撹拌して内壁面10aの付着物の完全除去を実施する。
このホウ酸溶液のタンク10への注入は、廃液槽11、薬剤槽14、洗浄槽15、マンホール18のいずれかから行うことができる。
この付着物の主成分である水酸化カルシウムは、溶解度が非常に低く(0.17g/100cm3(25℃))、また温度を高くすると溶解度が低下する性質を有するために、溶解させることが困難な物質である。
これは、次の反応(1)が遅いためであり、この反応を加速させるためには、(1)式の右辺の生成物を別の物質に変える等して除去する必要がある。
Ca(OH)2(付着固形分)+H2O(液体)=Ca2+(溶解) +2OH- (1)
これは、次の反応(1)が遅いためであり、この反応を加速させるためには、(1)式の右辺の生成物を別の物質に変える等して除去する必要がある。
Ca(OH)2(付着固形分)+H2O(液体)=Ca2+(溶解) +2OH- (1)
この(1)式の右辺の生成物を別の物質に変える効果は、温水や水酸化ナトリウムではえられないが、弱い酸であるホウ酸は、(2)式に示すように、生成した水酸イオン(OH-)を引き抜く作用を有する。
このように、ホウ酸溶液を用いることにより、(1)式の平衡反応を常に右側に移動させ、水酸化カルシウムの付着物の溶解反応を進行させることができる。
OH- + H3BO3(液体) = B(OH)4− (2)
このように、ホウ酸溶液を用いることにより、(1)式の平衡反応を常に右側に移動させ、水酸化カルシウムの付着物の溶解反応を進行させることができる。
OH- + H3BO3(液体) = B(OH)4− (2)
(第2実施形態)
次に図3を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図3は、第2実施形態に係るホウ酸廃液の処理方法に適用されるタンク10の基本構成を示す縦断面図である。なお、図3において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
次に図3を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図3は、第2実施形態に係るホウ酸廃液の処理方法に適用されるタンク10の基本構成を示す縦断面図である。なお、図3において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
第2実施形態に適用されるタンク10は、内壁面に流動させる洗浄液は、タンク10の内部からポンプ20を介して循環配管24によって円環パイプ21に接続される循環機構19を経由して供給されるものであることを特徴としている。
これにより、第1実施形態の場合と相違して、タンク10からの排出総量において、洗浄液の加算分がなくなる。
なお、洗浄液23の内壁面10aへの噴射は、図示した円環パイプ21を利用するものに限定されるものではなく、タンク内を経由したチューブポンプに拠る場合もある。
これにより、第1実施形態の場合と相違して、タンク10からの排出総量において、洗浄液の加算分がなくなる。
なお、洗浄液23の内壁面10aへの噴射は、図示した円環パイプ21を利用するものに限定されるものではなく、タンク内を経由したチューブポンプに拠る場合もある。
〔実施例1〕
次に、図1、図2で示される第1実施形態の効果を確認した実施例1について説明する。
使用したタンクは、寸法1200mmφ×1350mmH程度の丸底形状であり、内容量は公称1m3である。
タンク最上部に設けられた洗浄用の円環パイプは、タンク内壁面側に3mmφの噴出孔が30個、全周にわたり均等に配置されている。
この円環パイプの噴出孔は、60℃に設定された温水が、配管接続された洗浄槽からポンプにより噴射される。
次に、図1、図2で示される第1実施形態の効果を確認した実施例1について説明する。
使用したタンクは、寸法1200mmφ×1350mmH程度の丸底形状であり、内容量は公称1m3である。
タンク最上部に設けられた洗浄用の円環パイプは、タンク内壁面側に3mmφの噴出孔が30個、全周にわたり均等に配置されている。
この円環パイプの噴出孔は、60℃に設定された温水が、配管接続された洗浄槽からポンプにより噴射される。
このタンクには、廃液槽から注入された廃液を模擬して予め温度約70℃、ホウ酸濃度約12wt%、NaOHでNa/Bモル比0.3に調整されたホウ酸ナトリウム水溶液約400kgが投入されている。
この模擬廃液であるホウ酸ナトリウム水溶液を70℃から90℃まで昇温する過程において、撹拌機の回転数を140min-1(回転数低)に設定して撹拌した。
この撹拌機の回転数の設定条件において、界面液位の波立ちは±2mmに調整され、模擬廃液の飛散防止と液温の温度むらが解消された。
この模擬廃液であるホウ酸ナトリウム水溶液を70℃から90℃まで昇温する過程において、撹拌機の回転数を140min-1(回転数低)に設定して撹拌した。
この撹拌機の回転数の設定条件において、界面液位の波立ちは±2mmに調整され、模擬廃液の飛散防止と液温の温度むらが解消された。
模擬廃液が90℃に達したところで、円環パイプから温水を流量80L/min(流速6m/s)で5秒間噴射して、タンク内壁面に付着した模擬廃液を洗浄した。
続いて、撹拌機の回転数を350min-1(回転数高)に設定して、界面液位の波立ちが±50mmとなるように調整した。
そして、撹拌機を回転数高に設定した直後、タンク上部に据え付けた薬剤槽から粉末薬剤(Ca(OH)2)26kgを、3.5minかけてタンクに投入し、Ca/Bモル比0.45に調整した。
続いて、撹拌機の回転数を350min-1(回転数高)に設定して、界面液位の波立ちが±50mmとなるように調整した。
そして、撹拌機を回転数高に設定した直後、タンク上部に据え付けた薬剤槽から粉末薬剤(Ca(OH)2)26kgを、3.5minかけてタンクに投入し、Ca/Bモル比0.45に調整した。
また、粉末薬剤の投入開始と同時に、円環パイプから温水を流量10L/min(流速0.8m/s)で噴射し、投入終了まで継続した。
そして、粉末薬剤の投入終了と同時に、円環パイプから温水を流量80L/min(流速6m/s)で5秒間噴射して、タンク内壁面を洗浄した。
この直後に、タンク上部のマンホールから内部状況を目視観察したところ、タンク内壁面の気相部、界面部には付着物が全く見られなかった。
そして、粉末薬剤の投入終了と同時に、円環パイプから温水を流量80L/min(流速6m/s)で5秒間噴射して、タンク内壁面を洗浄した。
この直後に、タンク上部のマンホールから内部状況を目視観察したところ、タンク内壁面の気相部、界面部には付着物が全く見られなかった。
模擬廃液を90℃、撹拌を回転数高に設定して8時間継続した後、74℃に降温し撹拌を回転数低に設定した上でヒータを停止し、タンク下部の排出部を開けて反応液を排出した。
この反応液の排出直後に、円環パイプから温水を流量80L/min(流速6m/s)で5秒間噴射してタンク内壁面を洗浄した。
タンク上部のマンホールから内部状況を観察したところ、反応液の排出直後は、タンク内壁面の液界面部に全周にわたり高さ50mm程度の付着帯が、気相部には高さ300mm程度の廃液飛散による付着物が、液相部には不溶性粒子の付着が見られた。
一方、タンク内壁面を温水洗浄した後は、タンク内気相部、界面における付着物は概ね除去できており、液相部は完全に洗浄除去されていた。
タンク上部のマンホールから内部状況を観察したところ、反応液の排出直後は、タンク内壁面の液界面部に全周にわたり高さ50mm程度の付着帯が、気相部には高さ300mm程度の廃液飛散による付着物が、液相部には不溶性粒子の付着が見られた。
一方、タンク内壁面を温水洗浄した後は、タンク内気相部、界面における付着物は概ね除去できており、液相部は完全に洗浄除去されていた。
実施例1においてタンクで処理された模擬廃液は約420Lであるが、排出総量は、さらに洗浄液約60Lが加算される。この程度の加算量であれば、後段の乾燥処理工程(説明略)に与える影響は、軽微である。
さらに上記条件でバッチ処理を3回繰り返した結果、タンク内における付着物の成長は見られなかった。
さらに上記条件でバッチ処理を3回繰り返した結果、タンク内における付着物の成長は見られなかった。
なお追加例として、模擬廃液のタンクへの初期投入量を約730Lに増量し、Ca/Bモル比0.45を共通にするために粉末薬剤(Ca(OH)2)45kgに増量して7minかけてタンクに投入したこと以外は、前記した同じ条件で実験を行った。
その結果、タンク内壁面の気相部、界面部における付着物が概ね除去できており、液相部は完全に洗浄除去できていた。
その結果、タンク内壁面の気相部、界面部における付着物が概ね除去できており、液相部は完全に洗浄除去できていた。
これにより、廃液の注入量が増加しても、固形分の付着抑制、洗浄除去効果に差異は無く、良好であることが確認された。
この追加例においてタンクで処理された模擬廃液は約770Lであり、排出総量は、さらに洗浄液約96Lが加算される。この程度の加算量であれば、後段の乾燥処理工程(説明略)に与える影響は、軽微である。
この追加例においてタンクで処理された模擬廃液は約770Lであり、排出総量は、さらに洗浄液約96Lが加算される。この程度の加算量であれば、後段の乾燥処理工程(説明略)に与える影響は、軽微である。
さらに追加例として、前記設定で60℃温水であった洗浄液を30℃温水に設定したこと以外は、前記した同じ条件で実験を行った。
その結果、タンク内壁面における液相部の付着粒子は概ね除去できていた。
タンク内壁面の気相部と界面部については、若干の固形分が残留し、温水60℃設定である場合と比較してやや洗浄性に劣るが、一定の固形分付着抑制、洗浄除去効果が得られることを確認した。
その結果、タンク内壁面における液相部の付着粒子は概ね除去できていた。
タンク内壁面の気相部と界面部については、若干の固形分が残留し、温水60℃設定である場合と比較してやや洗浄性に劣るが、一定の固形分付着抑制、洗浄除去効果が得られることを確認した。
〔比較例1〕
前記した実施例1の特徴となる処理を省略した比較例1を示す。
実施例1と同様に、予め温度約70℃に調整したホウ酸ナトリウム水溶液の模擬廃液約400kgをタンクに投入する。
この後、ホウ酸ナトリウム水溶液を70℃から90℃まで昇温する過程において、撹拌機の回転数を350min-1(回転数高)に設定して撹拌し、界面液位の波立ちを±50mmに調整した。
前記した実施例1の特徴となる処理を省略した比較例1を示す。
実施例1と同様に、予め温度約70℃に調整したホウ酸ナトリウム水溶液の模擬廃液約400kgをタンクに投入する。
この後、ホウ酸ナトリウム水溶液を70℃から90℃まで昇温する過程において、撹拌機の回転数を350min-1(回転数高)に設定して撹拌し、界面液位の波立ちを±50mmに調整した。
模擬廃液が90℃に達したところで、撹拌機を回転数高に設定したまま、薬剤槽から粉末薬剤(Ca(OH)2)26kgを、12minかけてタンクに投入した。
この時点で、タンク上部のマンホールを開けて内部状況を観察すると、タンク内壁面の円周上1/4の範囲に、10mm程度の厚みで粉末薬剤が付着していた。
この時点で、タンク上部のマンホールを開けて内部状況を観察すると、タンク内壁面の円周上1/4の範囲に、10mm程度の厚みで粉末薬剤が付着していた。
模擬廃液を90℃、撹拌を回転数高に設定したまま8時間継続した後、74℃に降温し、タンク下部の排出部を開けて反応液を排出した。
この時点で、タンク上部のマンホールから内部状況を観察すると、タンク内壁面の気相部の付着は、撹拌時の飛散によって粉末薬剤の投入直後よりも付着量が増大しており、界面から300〜500mmの高さで全周にわたり付着が広がっていた。
この時点で、タンク上部のマンホールから内部状況を観察すると、タンク内壁面の気相部の付着は、撹拌時の飛散によって粉末薬剤の投入直後よりも付着量が増大しており、界面から300〜500mmの高さで全周にわたり付着が広がっていた。
また、タンク内壁面の界面部には、高さ厚み共に10mm程度の帯が全周に広がっていた。さらに、その液相部には不溶解性の粒子が、薄く全体に付着していた。
さらに上記条件でバッチ処理を3回繰り返した結果、いずれの箇所も付着物が成長していた。
さらに上記条件でバッチ処理を3回繰り返した結果、いずれの箇所も付着物が成長していた。
〔実施例2〕
次に、図3で示される第2実施形態の効果を確認した実施例2について説明する。
図4に示す表は、実施例2におけるホウ酸廃液の処理方法の実証結果であり、循環機構の循環流量を可変し、粉末薬剤を付着させたタンク内壁面を常温の水道水で洗浄した結果を示している。
なお、循環流量が80L/h設定において円環パイプの噴出流速は6m/sであった。
実施例2では、タンク内廃液の循環機構を有する以外は、実施例1に示す同様の装備を有するタンク、同様の配合の模擬廃液及び粉末薬剤を使用している。
次に、図3で示される第2実施形態の効果を確認した実施例2について説明する。
図4に示す表は、実施例2におけるホウ酸廃液の処理方法の実証結果であり、循環機構の循環流量を可変し、粉末薬剤を付着させたタンク内壁面を常温の水道水で洗浄した結果を示している。
なお、循環流量が80L/h設定において円環パイプの噴出流速は6m/sであった。
実施例2では、タンク内廃液の循環機構を有する以外は、実施例1に示す同様の装備を有するタンク、同様の配合の模擬廃液及び粉末薬剤を使用している。
約2kgの付着物に対し、洗浄液を流量20L/min及び30L/minで3分間噴射させたが、一部の付着物については除去不能であった(評価×)。
約2kgの付着物に対し、洗浄液を流量50L/minで噴射させたところ、1分間で付着物を除去することができたが、所要時間が長い(評価△)。
約2kgの付着物に対し、洗浄液を流量80L/min及び100L/minで噴射させたところ、5秒間で付着物を除去することができた(評価○)。
約6kgの付着物に対し、洗浄液を流量80L/minで噴射させたところ、15秒間で付着物を除去することができた(評価○)。
約2kgの付着物に対し、洗浄液を流量50L/minで噴射させたところ、1分間で付着物を除去することができたが、所要時間が長い(評価△)。
約2kgの付着物に対し、洗浄液を流量80L/min及び100L/minで噴射させたところ、5秒間で付着物を除去することができた(評価○)。
約6kgの付着物に対し、洗浄液を流量80L/minで噴射させたところ、15秒間で付着物を除去することができた(評価○)。
なお、図4に示す表は、洗浄液に常温の水道水を使用した結果を示すものであるが、タンク内壁面に固形分の顕著な付着が見られないために評価○となっているが、内壁全体に不溶解粒子が付着している場合があった。
そこで、洗浄液を60℃温水に切り替え、2kgの付着物に対し、洗浄液を流量80L/minで噴射させたところ、5秒間で付着物及び不溶解粒子を除去することができた。
そこで、洗浄液を60℃温水に切り替え、2kgの付着物に対し、洗浄液を流量80L/minで噴射させたところ、5秒間で付着物及び不溶解粒子を除去することができた。
〔実施例3〕
繰り返して行ったバッチ処理の最後に、タンクの内壁面を徹底洗浄することの効果について検討した。
ラボスケール装置にて、模擬廃液を調整し、粉末薬剤を投入し90℃で8時間撹拌し、74℃で18時間撹拌保持する処理を、3バッチ連続して実施し、タンク内壁面を模したステンレス材表面に付着物を形成した。
繰り返して行ったバッチ処理の最後に、タンクの内壁面を徹底洗浄することの効果について検討した。
ラボスケール装置にて、模擬廃液を調整し、粉末薬剤を投入し90℃で8時間撹拌し、74℃で18時間撹拌保持する処理を、3バッチ連続して実施し、タンク内壁面を模したステンレス材表面に付着物を形成した。
このラボスケール装置から模擬廃液を排出した後に、60〜70℃温水を投入し5時間かけて撹拌洗浄を行ったが、付着物を顕著に除去できなかった。
上記と同様の方法で付着物を形成し、ホウ酸ナトリウム液を投入して、同様に撹拌洗浄を行ったが、付着物を顕著に除去できなかった。
上記と同様の方法で付着物を形成し、ホウ酸ナトリウム液を投入して、同様に撹拌洗浄を行ったが、付着物を顕著に除去できなかった。
そこで、上記と同様の方法で付着物を形成し、60〜30℃に設定したホウ酸水(濃度10000及び21000ppm)を投入し2〜4時間かけて撹拌洗浄を行ったところ、顕著に溶解し、ステンレス金属光沢面が現れた。
次に、この使用済みのホウ酸水が廃棄物となるため、その処理法を検討した。
洗浄液を74℃に加熱し水酸化ナトリウムを添加し、Na/B=0.3に調整した。
さらに液温を90℃に加熱し、水酸化カルシウムをCa/B=0.45に調製し、8時間保持した。その結果、ホウ酸カルシウムが生成し不溶化処理を行う事ができた。
この結果から徹底洗浄を実施した後に発生するホウ酸水の廃棄物も、ホウ酸ナトリウム廃液と同様に問題なく処理することができる。
洗浄液を74℃に加熱し水酸化ナトリウムを添加し、Na/B=0.3に調整した。
さらに液温を90℃に加熱し、水酸化カルシウムをCa/B=0.45に調製し、8時間保持した。その結果、ホウ酸カルシウムが生成し不溶化処理を行う事ができた。
この結果から徹底洗浄を実施した後に発生するホウ酸水の廃棄物も、ホウ酸ナトリウム廃液と同様に問題なく処理することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のホウ酸廃液の処理方法によれば、タンクの内壁面に洗浄液を流動させながら粉末薬剤を投入する工程を含むことにより、この投入した粉末薬剤を起源とする固形分が、タンクの内壁面に付着し蓄積することが抑制される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…タンク、10a…内壁面、11…廃液槽、12…ホウ酸廃液、13…ヒータ、14…薬剤槽、15…洗浄槽、16…撹拌機、17…排出部、18…マンホール、19…循環機構、20…ポンプ、21…円環パイプ、22…噴出孔、23…洗浄液、24…循環配管。
Claims (13)
- ホウ酸廃液をタンクに注入し撹拌しながら所定温度に設定するステップと、
前記タンクの内壁面に洗浄液を流動させながら前記ホウ酸廃液に粉末薬剤を投入するステップと、
前記ホウ酸廃液及び前記粉末薬剤の混合体を前記タンク内において撹拌しながら反応を進行させるステップと、
前記反応により生成したスラリーを前記タンクから排出するステップと、を含むことを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記ホウ酸廃液に前記粉末薬剤を投入する期間の前段階及び後段階の少なくとも一方において前記洗浄液の流動速度を高く設定することを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記タンクから前記スラリーを排出する期間において前記内壁面に洗浄液を流動させることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記ホウ酸廃液は、原子力設備から排出されたものをアルカリ金属元素化合物で中和したものであり、
前記粉末薬剤は、アルカリ土類金属化合物であることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記粉末薬剤の投入開始前における前記ホウ酸廃液の撹拌は、界面の波立ちが±2mm以内となるように撹拌機の回転数が調整されることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記粉末薬剤の投入開始後における前記ホウ酸廃液の撹拌は、界面の波立ちが±50mm以内となるように撹拌機の回転数が調整されることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記内壁面に流動させる洗浄液は、前記タンクに同軸に設けられた円環パイプの複数の噴出孔から放射状に下向きに噴射されることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項7に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記円環パイプの複数の噴出孔から前記タンクの内壁面までの距離が、タンク直径に対して5%以下であることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項7又は請求項8に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記粉末薬剤を投入する期間の前段階又は後段階において前記円環パイプの噴出孔から噴射される前記洗浄液の流速は6m/s以上とし、前記期間の流速は0.8m/s以上で6m/s未満に設定されることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記洗浄液は、前記タンクの外部から供給されるものであることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項10に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記洗浄液は、30℃以上に温度設定された水であることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記内壁面に流動させる洗浄液は、前記タンクの内部から循環して供給されるものであることを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。 - 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のホウ酸廃液の処理方法において、
前記スラリーを排出するステップの後に、前記タンクにホウ酸溶液を充填し撹拌して前記内壁面の付着物を除去するステップをさらに含むことを特徴とするホウ酸廃液の処理方法。
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- 2013-03-25 JP JP2013062061A patent/JP2014185976A/ja active Pending
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