JP2014190237A - 風車ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】分割構造の風車ブレードとして所望の剛性を備え、簡便な作業で組立てることができる風車ブレードの提供を目的としている。
【解決手段】2分割した風車ブレード5に対して剛性を持たせて接続する補強リング8は、内面形状として、分割部10の周辺における根元側ブレード6aの外皮部分と先端側ブレード6bの外皮部分における外表面形状に倣った面形状を有している。これにより、補強リング8を風車ブレード5の翼外皮6に密着させた状態で固定することができ、分割構造の風車ブレード5に剛性を持たせておくことができる。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、風車ブレードに関する。
再生可能エネルギー利用の拡大に対応して、風力発電においても大容量化が進められている。風力発電量は、風速の3乗に比例し、かつ風車ブレード長さ寸法の2乗に比例することから、単機あたりの出力増大を行うためには、風車ブレードの長さ寸法を長く構成した長翼化が必須の構成になっている。例えば、風車ブレードの直径としては、3MW級の発電では、100m前後の直径になり、それ以上の発電容量では100m超級の直径になる。
一般道路で搬送することのできる積荷の長さ寸法が、法令によって定められている。風車ブレードを陸上輸送するときは、一般的にトレーラを用いた陸上輸送が行われることになる。このとき、風車ブレードの長さにトレーラの長さを加えた寸法を考慮しておくことが必要であり、輸送路に関しては次のような注意が必要になる。
即ち、例えば、1)トンネル、歩道橋、電線などがある場合には、高さ制限に関して注意を払うことが必要になり、2)橋などを通過するときには、重量制限に関して注意を払うことが必要になり、3)急カーブや交差点など、風車ブレードを乗せたまま旋回するのが難しい箇所に関して注意を払うことが必要になり、4)長い直線道路で迂回路がなく、待避所を作ることができず離合が難しい場合に関して注意を払うことが必要になり、5)交差点、信号機が多い箇所に関して注意を払うことが必要になる。
場合によっては、途中の店舗の駐車場を借用しなければならない状況が発生したり、ガードレールや信号機などを外す必要が出てくる場合もあり得る。このように、長さ寸法の長い風車ブレードを搬送するためには、輸送経路に制限が加わることになり、輸送経路が長くなってしまうことが多くなる。また、輸送路を新規に舗装することが必要になるなど、輸送コストの増大が問題になっている。更に、風車ブレードの長さ寸法が、従来のブレード長以上に構成されている場合や、狭小地域に設置する場合などでは、陸上輸送が困難になってしまう場合もある。
このような問題に対して、風車ブレードを分割できる構成にして、輸送性を向上させた構成が各種提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2005−147085号公報 特開2005−147086号公報 特開2005−299620号公報 特開2006−123277号公報
しかし、上述した特許文献1〜4に記載されているような、風車ブレードを分割した構成では、分割部分を強固に接続し、かつその組立時間を短縮することに問題があった。
本発明の実施形態では、上述した問題を解決するためになされたものであり、長翼化した風車ブレードを陸上輸送する上において、問題なく輸送できる長さ寸法に分割することができる構造とし、しかも、組み立てた際には、風車ブレードとして要求される剛性を備えさせておくことができ、現地で組立作業を行うときでも、簡便な作業で組立てることができる風車ブレードの提供を目的としている。
上述の目的を達成することのできる本発明の実施形態に係る風車ブレードでは、根元側と先端側との間が、2分割以上された風車ブレードにおいて、分割部周辺における翼の外皮形状に倣った内面を有し、かつ分割部を跨いで補強する接続治具により、前記分割部が密接固定されていることを最も主要な特徴としている。
本発明の実施形態に係る風車ブレードでは、接続治具の内面形状が、分割部周辺における翼の外皮形状に倣った形状を有しているので、接続治具によって分割部の補強を行うことができるとともに、分割部における根元側と先端側との間を密接状態で固定することができる。
しかも、風車ブレードに作用した外力によって、分割部に折り曲げ力やねじれ力が作用しても、分割部に設けた接続治具によって、風車ブレードが分割部で折れ曲がったり、ねじれたり、ねじ曲がったりするのを確実に防止できる。
また、接続治具は、接着剤やボルト等を用いて風車ブレードに固定することができるので、現地で組立作業を行う際にも簡単に組み付けることができる。しかも、風車ブレードに所望の剛性を持たせておくことができる。
風車の全体斜視図である。(実施例1〜10) 風車ブレードの長手方向における要部断面図である。(実施例1) 長手方向における接続治具の要部拡大断面図である。(実施例1) 長手方向における接続治具の要部拡大断面図である。(実施例2) 長手方向における接続治具の要部拡大断面図である。(実施例3) 長手方向における接続治具の要部拡大断面図である。(実施例4) 幅方向における接続治具の要部拡大断面図である。(実施例5) 長手方向における接続治具の要部拡大断面図である。(実施例6) 図1のA−A断面図である。(実施例1〜10) 長手方向における翼桁の要部断面図である。(実施例7) 長手方向における翼桁の要部構成図である。(実施例7) 風車ブレードの長手方向における要部断面図である。(実施例8) 折り畳み構造の要部拡大図である。(実施例8) 風車ブレードを折り畳んだ状態を示す側面図である。(実施例8) 長手方向における翼桁の要部断面図である。(実施例9) 折り畳み構造の要部拡大図である。(実施例9) 図9におけるB−B断面図である。(実施例10) 図12におけるC−C断面図である。(実施例10)
以下、本発明に係る風車ブレードについて、図面を参照して説明する。
図1を用いて、本実施形態に係る風車ブレード5が搭載される風力発電タービン1の構成について説明する。風力発電タービン1は、所定の地点に設置されるタワー2、タワー2の頂部に回動自在に取り付けられたナセル3、ナセル3内部に設けられる発電機(図示せず)及び略水平な軸線周りに回転可能に取り付けられたロータ(図示せず)、図示せぬロータの軸に取り付けられたハブ4、ハブ4の回転軸線周りに放射状に取り付けられた複数枚、例えば3枚の風車ブレード5を備えている。
図示せぬ発電機は、発電機のハウジング側に固定されたステータと、ステータ内で回転可能に支持されたロータと、を備えて構成されている。
即ち、風車ブレード5に当たった風力によって、ハブ4は回転軸周りに回転させられる。ハブ4の回転によって図示せぬロータが回転して、ロータの回転が図示せぬステータとの間で電力に変換される。
図2、図3に示すように、本発明に係る風車ブレード5は、その長さ方向において根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとに2分割できる構成になっている。
尚、風車ブレード5の構成として2分割した構成について以下では説明を行うが、本発明は2分割した構成に限定されるものではなく、3分割以上に分割した構成に対しても好適に適用することができる。
2分した風車ブレード5における分割部10には、接続治具7が設置されており、接続治具7によって、分割構造の風車ブレード5に対して剛性を持たせて、その剛性を保持している。接続治具7は、剛性を有する構成であり、図示例では、接続治具7として補強リング8を用いた構成を示している。
補強リング8の内面形状、特に、補強リング8を分割部10の周辺における翼外皮6に嵌合する内面側の部位形状は、分割部10の周辺における根元側ブレード6aの外皮部分と先端側ブレード6bの外皮部分における外表面形状に倣った面形状に形成されている。
補強リング8を予め、風車ブレード5の根元側ブレード6aあるいは先端側ブレード6bの一方に設置しておき、風車ブレード5の組立て作業時に補強リング8をスライドさせ、接着剤等を介して風車ブレード5に固定することができる。あるいは、予め、根元側ブレード6aに補強リング8を設置して固定しておき、先端側ブレード6bを補強リング8内に挿入して固定することも可能である。
また、図3に示すように風車ブレード5の翼外皮6と補強リング8との間に接着剤を充填できる隙間状の接着剤充填部12を設けておき、補強リング8に形成した接着剤注入口13から接着剤を充填することによって、補強リング8を翼外皮6に対して強固に固定することが可能となる。補強リング8を構成する材料としては、翼外皮6と同じ材料を用いて構成しておくことができる。接着剤充填部12に充填された接着剤は、分割部10にも浸入することができ、根元側ブレード6aの端面と先端側ブレード6bの接合強度を向上させることができる。
風車ブレード5の翼外皮6としては、ガラス強化プラスチックやカーボン繊維強化プラスチック等の繊維で強化された繊維強化プラスチック(FRP)等を用いて構成されている。
翼外皮6は、ハンドレイアップ法(湿式積層法)、RTM(Resin Transfer Molding)法、VaRTM(Vacuum Assist RTM)法等などにより成形することができる。接着剤としては、例えば、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。
補強リング8の材料として金属材等を用いることもできるが、落雷時において雷を誘導しないようにするため、金属材や導電性の材料を用いたときには、補強リング8の外表面側を絶縁性の部材で覆った構成にしたり、被覆した構成にしておくことが望ましい構成になる。
尚、補強リング8を翼外皮6に固定するのに、接着剤を用いた構成について説明を行ったが、例えばボルト等の固定手段を用いて補強リング8を翼外皮6に固定することもできる。
上述したように構成されているので、風車の組立時において使用するクレーン等の重機器を用いて、補強リング8の設置作業や、先端側ブレード6bを補強リング8内に挿入する作業等を行うことが可能になる。また、組立時は風車ブレード5を水平に設置しての作業が、組立作業上スムーズに行うことができるので、ブレード組立用の架台等を用いて作業を実施することにより、風車ブレード5の移動、設置、固定等が容易に行うことができる。
また、風車ブレード5に加わる風速によって、風車ブレード5の長手方向に対して曲げ荷重やねじり荷重等が加わる。これらの荷重のうちで、特に長手方向に加わる荷重が支配的となる。このため、風車ブレード5の剛性として、長手方向の曲げ剛性を保持することが重要であり、特に分割構造で構成された風車ブレード5においては、分割部10の長手方向に関して剛性を保持させることが必須となる。このことから、補強リング8の設置としては、組立上の容易さも含めて剛性保持に対して重要な構造となる。
上述したように、本発明によれば分割部10での剛性を損なうことなく、簡便に組立作業を行うことが可能になり、補強リング8と風車ブレード5との一体化が可能となる。
図4を用いて、本発明に係る実施例2の構成を説明する。実施例2では、実施例1における構成と同様の構成については、実施例1で用いた部材符号を用いることでその部材について重複する説明を省略する。
実施例2の構成では、分割部10の外周側に嵌合した補強リング8の両端部14における厚さを、両端部14に沿って漸次薄くなるように形成している。風力発電タービン1における発電量は、風速の3乗に比例し、かつ風車ブレード5の長さ寸法の2乗に比例するが、風車ブレード5の翼外皮6の外表面形状によっても、流体特性に対して大きく影響を及ぼすことになる。
風車ブレード5の形状としては、一般的に根元側ブレード6aでの横断面積が大きく、横幅も大きく形成されており、先端側ブレード6bでは、先端側に行くのに従って横幅が狭く、横断面積も小さく形成されている。しかも、翼外皮6の外表面形状としては、外表面に凹環状の凸部がない滑らかな面形状に形成されている。
翼外皮6における流動特性を損なわないようにするため、即ち、補強リング8の両端部における形状として、急激な形状変化が形成されないようにするため、言い換えると、流体特性への影響を無くすために、本発明では、補強リング8の両端部側における厚さに変化を持たせている。補強リング8の中央部から両端部にかけて滑らから外表面形状として形成し、しかも、補強リング8の外表面から翼外皮6表面への接続も滑らかに接続するように形成している。
このように補強リング8を構成することにより、補強リング8においても流体特性の影響を減少させることができる。そして、本発明では、分割部10における剛性を損なうことなく、簡便に組立てることが可能となり、分割構成の風車ブレード5に強度を持たせて一体的な構造として組み立てることが可能となる。
図5を用いて、本発明に係る実施例3の構成を説明する。実施例3では、実施例1、2における構成と同様の構成については、実施例1、2で用いた部材符号を用いることでその部材について重複する説明を省略する。
実施例3では、風車ブレード5における分割部10における構成として、対向する根元側ブレード6aの端部と先端側ブレード6bの端部とにおけるそれぞれの外表面に、環状のくぼみ部15を形成している。根元側ブレード6aの端部と先端側ブレード6bの端部とに形成された環状のくぼみ部15とによって、分割部10において端部の端面同志を当接固定したときには、補強リング8を埋め込み固定することができる環状のくぼみ溝を構成できる。そして、補強リング8の内面8aにおける形状として、環状のくぼみ部15の面形状に倣った凸状のふくらみを持たせた形状に構成している。
補強リング8の装着方法としては、接着剤等を用いて補強リング8を、根元側ブレード6a又は先端側ブレード6bに形成した環状のくぼみ部15の一方に予め固定しておく。そして、風車ブレード5の組立時に、根元側ブレード6a又は先端側ブレード6bに固定した補強リング8の内面8aに先端側ブレード6b又は根元側ブレード6aの端部を嵌合させる。このとき、補強リング8の内面8aや嵌入する端部に形成した環状のくぼみ部15に接着剤等を塗布しておくことができる。
この組立て時では、接合前に予め接着剤を塗布しておいて、接合することも可能であるが、嵌め込み後に両者の当接合部に接着剤を注入して接合することも可能である。このように組み立て作業を行うと、予め補強リング8が片側の翼端部に接合された構成になっているため、現地での組み立て作業が容易になる。
このように本発明では、補強リング8を風車ブレード5における分割部10の端部に容易に設置することができ、しかも、分割部10における剛性を損なうことなく、分割構成の風車ブレード5の一体化が可能となる。
図6を用いて、本発明に係る実施例4の構成を説明する。実施例4は、実施例3の構成を更に改良した構成になっている。そのため、実施例3における構成と同様の構成については、実施例3で用いた部材符号を用いることでその部材について重複する説明を省略する。
実施例4では、補強リング8を環状のくぼみ部15間に埋め込んだ状態のとき、分割部10における根元側ブレード6aの端部端面と先端側ブレード6bの端部端面とが離間した隙間が形成された配置関係になっている。この隙間に挿入することができる環状の凸部16を補強リング8の中央部における内面8aから突出させた構成になっている。
一対の環状のくぼみ部15間に嵌め込んだ補強リング8の中央部には、凸部16が形成されているので、凸部16の両側面を、分割部10における根元側ブレード6aの端部端面と先端側ブレード6bの端部端面とで挟み込んだ状態で固定することができる。これにより、補強リング8と分割部10の両端部との固定状態がより強固に構成できる。
そして、実施例3と同様に、組立時の接合作業が容易なものとなる。そして、剛性を持たせた状態で、分割した風車ブレード5の一体化が可能となる。
図7を用いて、本発明に係る実施例5の構成を説明する。実施例5では、実施例1〜4における構成と同様の構成については、実施例1〜4で用いた部材符号を用いることでその部材について重複する説明を省略する。
実施例1〜実施例4では、接続治具7として補強リング8を用いた構成について説明を行ったが、接続治具7としては、環状のリング形状に限定されるものではなく、実施例5で説明するように、半割型に分割した上部補強リング部18aと下部補強リング部18bとからなる補強リング18を用いた構成にすることができる。
実施例1〜実施例4で説明した一体型の補強リング8では、分割した風車ブレード5を一体化する際には分割された翼を補強リング8内に嵌入させる作業が生じる。しかし、補強リング18を分割構造に構成しておけば、半割り部分である下部補強リング部18bを分割部10において接合した翼外皮6の部位に固定しておくことができる。その後、この部位に対して上部からもう一方の上部補強リング部18aを被せて固定することにより組立てが完了となる。
上部補強リング部18aの固定は、予め接合部に対して接着剤を塗布しておいても可能であり、また組立て後に接着剤を注入しても同様な効果が得られる。
補強リング18の分割部分は、上部補強リング部18aと下部補強リング部18bとの組立てが容易となるように、合わせ面18cに凹溝とこの凹溝に嵌入する凸条とを形成しておくことも可能である。即ち、対向する合わせ面18cのうち、一方の合わせ面18cに凹溝を形成し、他方の合わせ面18cに凸状を形成しておくことができる。凹溝と凸条とによって、上部補強リング部18aと下部補強リング部18bとを組み立てるときの位置合わせが容易になる。
このように、本発明では、補強リング18を簡便に風車ブレード5の翼外皮6に固定することができ、しかも、分割部10における剛性を損なうことなく、分割構成の風車ブレード5の一体化が可能となる。
図8を用いて、本発明に係る実施例6の構成を説明する。実施例6では、実施例1〜5における構成と同様の構成については、実施例1〜5で用いた部材符号を用いることでその部材について重複する説明を省略する。
実施例6では、先端側ブレード6bを根元側ブレード6aの端部内に差し込み、両者の外周側に補強リング8を設置して、固定して一体化させている。翼差込部に関する固定としては、接着剤を注入したのち、外周側に補強リング8を設置して固定することができる。
また、翼差込部の内径側についても、接着剤を塗付した接着補強部19を形成して強度を高めておくことができる。分割面10において根元側ブレード6aの端面と先端側ブレード6bの端面とを接合する場合に比べて、分割された翼の部位における外形上の差が大きくなるため、その外形差に倣った内面形状を有する補強リング8を設置して、固定することが必要となる。このように、本発明の構成によって、容易に分割部10における剛性を損なうことなく、分割構成の風車ブレードの一体化が可能となる。
図9〜図11を用いて、本発明の実施例7の構成を説明する。実施例7は、翼外皮6を内側から補強している翼桁の構成に関するものである。風車ブレード5が分割構成になっている関係から、翼桁も風車ブレード5の分割位置で分割可能に構成されている。
一般的に風車ブレード5の内部は空洞に構成されているが、風車ブレード5における長手方向での内部補強を確保するため、図9に示すように、一対の翼桁20a、20bが、風車ブレード5の長手方向に設置されている。一対の翼桁20a、20bによって、翼外皮6を内側から補強している。
尚、風車ブレード5の内部に形成した空洞を空洞の状態のまま使用することも、図9に示すように、翼外皮6と翼桁20a、20bとの間に充填剤30を充てんさせた構成にしておくこともできる。
翼桁20a、20bの構成材料としては、翼外皮6と同様に繊維強化プラスチックを用いた構成にしておくこともできる。また、他の素材を用いた構成にしておくこともできる。強度や剛性の高い炭素繊維強化樹脂等を用いて構成すると、風車ブレード5の軽量化が可能になり、長翼化の構成に対しては好適な材料になる。
翼外皮6は、実施例1の欄に記載したように、ハンドレイアップ法(湿式積層法)、RTM(Resin Transfer Molding)法、VaRTM(Vacuum Assist RTM)法等などにより成形することができる。また、翼桁20a、20bは、FW(Filament Winding)法等を採用して成形することができる。FW(Filament Winding)法等により成形した翼桁20a、20bは、剛性と強度とを向上させることが出来る。
充填剤30としては、軽量な発泡ウレタン等を採用することが出来る。充填剤30を使用しなくても十分に風車ブレード5の剛性が確保できる場合は、充填剤30の使用を省略することもできる。
図示例では、一対の翼桁20a、20bを設けた構成を示しているが、風車ブレード5の幅寸法等に応じて、3本以上の翼桁を設けた構成にしておくこともできる。
長翼構造での一般的な内部補強は、複数本の翼桁20a、20bが長手方向に設置された構成になっているが、風車ブレード5を分割構造とした場合には、分割された翼桁20a、20bによる剛性力の低下を防いでおく必要がある。
本発明では、翼桁20aと翼桁20bとの接続部に補強部材22を設けることで、翼桁20aと翼桁20bとの間での接合に強度を持たせている。補強部材22は、翼桁20aと翼桁20bとの接合部をカバーするように被覆させておくことができる。
上述した実施例で説明した補強リング8と同様に、翼桁20a、20bの接続の外周から補強部材22を設置、固定することができる。翼桁20a、20bの端面同志が当接する接合部や、補強部材22を設置する翼桁20a、20bの外周面に、予め接着剤を塗布しておくことができる。また、上述した接合部や補強部材22を設置した部位に接着剤を注入することでより強固な接続を行わせることができる。
翼桁20a、20bを配設する部位は、風車ブレード5の内部になるので、流体特性の影響を考慮する必要がなく、補強部材22の形状としては、U字型、コ字型等の適宜の形状に構成しておくことができる。また、風車ブレード5を組立てる際の設置の容易性や、製造上の観点などから、補強部材22として、より最適な形状や取付の容易性が高い形状を選択して設置、固定することができる。
このように、本発明によれば、分割構造の風車ブレード5における剛性を損なうことなく、風車ブレード5を一体化した構成にすることが可能となる。
上述したように、実施例1〜7では、風車ブレード5を根元側と先端側との間で分割して、分割した根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとを分離できる構成について説明を行ったが、本発明は、分離できる構成に限定されるものではなく、分割した根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとを折り畳むことができる構成に対しても、好適に適用することができる。そこで、根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとを折り畳むことができる構成に関して、実施例8〜実施例10を用いて説明を行う。
図12〜14を用いて、本発明に係る実施例8の構成を説明する。実施例8では、実施例1〜7における構成と同様の構成については、実施例1〜7で用いた部材符号を用いることでその部材について重複する説明を省略する。風車ブレード5の横断面形状としては、図9に示した図を使用する。
図12に示すように、風車ブレード5は長さ方向の中央部において根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとが、分割部10において分割された分割構造を有している。根元側ブレード6a及び先端側ブレード6bにおける分割部10近傍では、図9に示す翼桁20aの構成が、図14に示すように、根元側翼桁21aと、先端側翼桁21bと、ヒンジ部27によって接続された中翼桁24と、から構成されている。また、図12に示すように、翼桁20bの構成は、根元側翼桁23aと、先端側翼桁23bと、ヒンジ部27によって接続された中翼桁25と、から構成されている。
ヒンジ部27を根元側翼桁21a、23aと中翼桁24、25との間及び先端側翼桁21b、23bと中翼桁24、25との間にそれぞれ設けることによって、根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとは、中間翼26を外した状態において、図12における紙面の表裏方向に回動することができる。
即ち、図14に示すように、先端側ブレード6bを根元側ブレード6aに対して折りたたむことが可能な構成になる。根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとは、同じ材料で構成することも、異なった材料で構成することもできる。異なった材料で構成するときには、例えば、先端側ブレード6bの材料を根元側ブレード6aの材料よりも軽量な材料として、例えば炭素繊維強化樹脂で構成することができる。この場合には、根元側ブレード6aやハブ4に作用する荷重を低減させることができる。
また、図14に示すように、折り畳まれた風車ブレード5を、図12に示すように展開して、根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとの間に中間翼26を配した構成では、翼外皮6の長さ方向及び翼弦方向が延在するように配置されている。そして、このように構成した風車ブレード5において、中間翼26を跨ぐ形で補強リング8を設けておくことができる。
このとき、図13に示すように、根元側翼桁21a、23aと中翼桁24、25とが当接する当接面の部位、中翼桁24、25と先端側ブレード6bとが当接する当接面の部位に、それぞれヒンジ部27を配置しておけば、展開したときには、根元側翼桁21aと先端側翼桁21b及び根元側翼桁23aと先端側翼桁23bがそれぞれ同軸線上に配することができる。
そして、根元側ブレード6aと中央翼26と先端側ブレード6bとをそれぞれ固定することが可能となる。風車ブレード5では、中間翼26によって、根元側ブレード6aの翼外皮と先端側ブレード6bの翼外皮との間が滑らかに接続されている。
中間翼26は、背側の翼外皮と腹側の翼外皮とからなる二つ割の半割体から構成することができ、翼形状をした曲板状構造物として構成されている。中間翼26を根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとの間に配したときには、中間翼26は根元側ブレード6aの翼外皮と先端側ブレード6bの翼外皮とに強固に接続されている。この接続方法としては、ボルト締めによる接続方法で良く、また接着剤を用いた接続方法でも良い。施工性と強度との関係から、接続強度が高いボルト締めが好適である。
中央翼26は、翼外皮6や翼桁20a、20bと同様に、繊維強化樹脂を用いて構成することもできるし、他の素材を用いて構成することもできる。強度や剛性の高い炭素繊維強化樹脂等を用いた場合には、風車ブレード5の軽量化が可能であり、長翼化させた風車ブレード5を構成するのに好適な素材となる。
実施例1の説明でも記載したが、翼外皮6は、ハンドレイアップ法やRTM法等を採用して、繊維織物の積層体に樹脂を含浸させ硬化させて成形することができる。中央翼26を構成する樹脂としては、翼外皮6や翼桁20a、20bを構成する樹脂と同一のもの(例えばエポキシ樹脂)を採用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更・変形が可能である。
例えば、風車ブレード5を2分割する構成の代わりに、3分割以上の多分割構造に風車ブレード5を構成しておくことも可能である。また、回動する方向は風車ブレード5のドラッギング方向でも良い。
実施例8に係る風車ブレード5は、長さ方向の略中央部において根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとに分割される分割構造を有している。従って、風車ブレード5の内部に配した翼桁20a、20bの構造を、根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとに作用する荷重に応じて変更することが可能となり、適切な剛性を与える構成にすることができ、不要な部材を省略することもできるので、風車ブレード5の軽量化が可能となる。
また、風車ブレード5が分割構造を有していることにより、風車ブレード5の輸送時においては、分割された分だけ長さの短い構造物として輸送することが可能になる。例えば、出力5〜7.5MW相当で60mの半径を有する風車ブレード5の場合、2分割構造にすることによって、長さ寸法が30mとなり、3分割構造にすれば全長が約20mの構造物として輸送することができる。
このように、「全長20メートル以下」の規制がある輸送経路を使用する場合であっても、通行が可能となる。このため、輸送車の確保、輸送経路の選択等が容易となり、効率的な輸送を行うことができる。また、輸送作業時間の短縮及び輸送コストの低減を図ることができる。
輸送後の組立作業においても、ヒンジ部27を介して回動させることで風車ブレード5を展開させ、組立を行うことができる。これにより、他の分割方法によるに比べて組立工数、組立時間を短縮させ、組立コストを低減することができる。
また、以上説明した実施形態に係る風車ブレード5においては、根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとを別個に製作することが可能である。例えば、60m級の風車ブレード5であっても、2分割構造の場合には、30m級のブレード製作設備を用いて風車ブレード5を製作することが可能であり、風車ブレード5が大型化しても大型設備の導入が不要となるため、風車ブレード5の大型化が容易となる。
図15、図16を用いて、本発明の実施例9の構成を説明する。実施例9では、根元側翼桁21aと先端側翼桁21bとの間には、ヒンジ部27が配設された構成になっているが、根元側翼桁23aと先端側翼桁23bとの間には、係合部28が形成された構成になっている。
係合部28の構成としては、鉤部28aと係合凹部28bとを有した構成になっており、一方の鉤部28aが相手側となる他方の係合凹部28bに係合し、一方の係合凹部28bが他方の鉤部28aを受け入れる構成になっている。
このように構成することによって、風車ブレード5が展開した時には、係合部28における鉤部28aと相手側の係合凹部28bとが係合して、根元側翼桁23aと先端側翼桁23bとを直線状に締結することができる。
これにより、風車ブレード5が展開したときには、翼桁20a、20bがそれぞれ同軸線上の配置構成となるように、根元側ブレード6a、中央翼25、先端側ブレード6bを固定することが可能となり、風車ブレード5の剛性を向上できる。そして、同軸線上に配した風車ブレード5において、中央翼25を跨ぐように補強リング8を配設しておくことができる。
図17、図18を用いて、本発明の実施例10の構成を説明する。実施例10では、根元側翼桁21aと先端側翼桁21bとの横断面形状を異ならせた構成になっている。他の構成は、実施例8、実施例8における構成と同様の構成になっている。そのため、実施例8、実施例9における構成と同様の構成については、重複する説明を省略する。
風車ブレード5は、図12に示すように、長さ方向の中央部において根元側ブレード6aと先端側ブレード6bとに分割される分割構造に構成されている。そして、根元側翼桁21aの断面形状と先端側翼桁21bの断面形状とが、図17、図18にそれぞれ示しているように異なる断面形状を有している。根元側翼桁21aに作用する荷重と先端側翼桁21bに作用する荷重とが異なっているが、根元側翼桁21aの断面形状と先端側翼桁21bの断面形状とを異ならせることによって、それぞれの翼桁21a、21bに対して必要な剛性を与えておくことができる。これにより、翼桁を構成する桁材の使用量を低減することが可能になり、風車ブレード5の軽量化が可能となる。
上述した説明では、補強リング8を接着剤やボルト等の固定手段を用いて、風車ブレード5の分割部10に取り付ける構成について説明を行ったが、補強リング8の外周側から接着テープで巻き止める構成にしておくこともできる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
風車ブレードに対して、本発明を好適に適用することができる。
1…風力発電タービン、5…風車ブレード、6…翼外皮、6a…根元側ブレード、6b…先端側ブレード、7…接続治具、8…補強リング、10…分割部、15…環状のくぼみ部、16……環状の凸部、18a…上部補強リング部、18b…下部補強リング部、20a、20b…翼桁、21a…根元側翼桁、21b…先端側翼桁、22…翼桁、23a…根元側翼桁、23b…先端側翼桁、24、25…中翼桁、26…中央翼、27…ヒンジ部、28…係合部。

Claims (13)

  1. 根元側と先端側との間が、2分割以上された風車ブレードにおいて、
    分割部周辺における翼の外皮形状に倣った内面を有し、かつ分割部を跨いで補強する接続治具により、前記分割部が密接固定されていることを特徴とする風車ブレード。
  2. 前記接続治具は、前記風車ブレードのブレード流体特性が損なわれないように、前記接続治具の両端部に行くのに従って、板厚が漸減する形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の風車ブレード。
  3. 前記分割部における対向する端部の各外皮にそれぞれ環状のくぼみ部が形成され、前記接続治具が前記環状のくぼみ部内に埋め込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の風車ブレード。
  4. 前記接続治具の内面側中央部に環状の凸部が形成され、前記環状の凸部の両側面が前記分割部における対向する端面に当接していることを特徴とする請求項3に記載の風車ブレード。
  5. 前記接続治具が、環状のリングであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の風車ブレード。
  6. 前記接続治具が、前記風車ブレードの長手方向に沿った半割り形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の風車ブレード。
  7. 前記分割部における対向する端面間が、固着手段により接合され、同接合部分の外周側に前記接続治具が配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の風車ブレード。
  8. 前記分割部における構成が、先端翼部側の端部を翼先端部側の端部内に嵌入した構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の風車ブレード。
  9. 前記風車ブレードの長手方向に縦通され、前記外皮を支持する翼桁の桁分割部が、前記翼桁の外周側を覆う補強部材で補強されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の風車ブレード。
  10. 前記風車ブレードの長手方向に縦通され、前記外皮を支持する翼桁の桁分割部が、根元側と先端側とに折り畳み可能な構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の風車ブレード。
  11. 前記折り畳み可能な構造が、ヒンジ結合であり、
    前記ヒンジ結合が、前記風車ブレードを展開させた際に、前記翼桁の長手方向を同軸線上に固定できる構成であることを特徴とする請求項10に記載の風車ブレード。
  12. 前記分割部における対向する端面間に配され、根元側の外皮と先端側の外皮とを滑らかに接続する中央翼が設けられていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の風車ブレード。
  13. 前記翼桁が、平行に配した少なくとも2本の翼桁から構成され、
    前記各翼桁は、前記桁分割部での分割が許容され、
    前記各翼桁のうち少なくとも一方の翼桁は、前記風車ブレードを展開させた際に、それぞれの軸線状に配された前記各翼桁の固定状態を維持できる構成であることを特徴とする請求項11に記載の風車ブレード。
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