JP2014190829A - 構造物表面からの汚染物質除去方法 - Google Patents

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克彦 村木
Yushichi Ishihara
有七 石原
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政也 鍵
Yuya Hiramoto
勇也 平本
Keisuke Nakamachi
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Abstract

【課題】壁、屋上、屋根等の構造物の表面に付着した汚染物質の除去を容易にし、且つ汚染物質の除去効率を向上させる汚染物質除去方法を提供すること。
【解決手段】汚染物質が付着した構造物表面において、界面活性剤を含む洗浄液(A)を用いて汚染物質を上記表面から遊離させた後に、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗布して剥離性被膜を形成後、上記剥離性被膜を剥離することにより構造物表面から汚染物質を除去することを特徴とする汚染物質除去方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁、屋上、屋根等の構造物表面から汚染物質を除去する方法に関する。
構造物の壁、屋上、屋根等の表面に付着した汚染物質の除去は、水洗や研磨等により広く行われている。しかし、汚染物質の種類によっては、上記水洗によって汚染物質が混ざった水や、研磨によって発生した汚染物質を含む粉塵が、土壌や河川等の周辺環境に拡散して環境汚染に繋がる恐れがある。このような環境汚染を起こさない汚染物質の除去方法として、壁や屋根等の表面に被膜形成性の溶液を塗布し、乾燥後に得られた被膜を剥離することにより、表面の汚染物質をこの被膜に付着させて除去する方法が従来から知られている。例えば、特許文献1には、多糖類を含む溶液を塗布し、形成したフィルムを適当な液体により膨潤させて剥離することによる固相表面の汚れ除去方法が開示されている。また、特許文献2には、水溶性高分子を含む液状組成物を固体表面に流延し、形成したゲル被膜を剥離することによる汚れ除去方法が開示されている。しかし、汚染物質が清浄にしたい構造物の表面に強く付着している場合、上記の汚れ除去方法だけでは汚染物質を表面から除去することが困難なことがあった。
特表平2−503881号公報 特開平9−316351号公報
本発明の目的は、壁、屋上、屋根等の構造物の表面に付着した汚染物質の除去を容易にすることである。
本発明者らは前記目的を達成するべく鋭意検討を行い、汚染物質が付着した構造物表面において、界面活性剤を含む洗浄液(A)を用いて汚染物質を表面から遊離させた後に、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗布して剥離性被膜を形成後、上記剥離性被膜を剥離することにより、表面からの汚染物質の除去が容易になり、且つ除去率が向上することを見出し、本発明を開示するに至った。
すなわち、本発明は、以下の項からなる。
項1.汚染物質が付着した構造物表面において、界面活性剤を含む洗浄液(A)を用いて汚染物質を上記表面から遊離させた後に、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗布して剥離性被膜を形成後、上記剥離性被膜を剥離することにより構造物表面から汚染物質を除去することを特徴とする汚染物質除去方法。
項2.前記界面活性剤が脂肪酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である項1に記載の汚染物質除去方法。
項3.前記構造物表面が塗膜防水工法又はシート防水工法により形成された表面である項1又は2に記載の汚染物質除去方法。
項4.前記汚染物質が放射性物質を含むものである項1〜3のいずれか一項に記載の汚染物質除去方法。
本発明の汚染物質の除去方法により、構造物表面からの汚染物質の除去が容易になり、且つ汚染物質の除去効率を上げることができる。
本発明の汚染物質除去方法を行った構造物屋上における各区画の位置関係と、区画内の測定箇所を示したものである。
以下、本発明の汚染物質除去方法を詳細に説明する。
本発明の汚染物質除去方法は、汚染物質が付着した構造物表面において、界面活性剤を含む洗浄液(A)を用いて汚染物質を上記表面から遊離させた後に、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗布して剥離性被膜を形成後、上記剥離性被膜を剥離することにより構造物表面から汚染物質を除去することを特徴とする。
洗浄液(A)
洗浄液(A)に含まれる界面活性剤は、公知のノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性イオン系のいずれも使用することができ、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタン、アルキルエステルポリオキシアルキレングリコール、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなどのノニオン系界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン系界面活性剤、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤、アルキルベダインなど両性イオン界面活性剤を挙げることができる。上記した中でも汚染物質の除去性の点において、脂肪酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が好適である。
前記界面活性剤は、水又は水を含む媒体により0.01〜10質量%の濃度に希釈して洗浄液(A)を作成することができる。水を含む上記媒体は、有機溶剤を含んでいてもよい。また、洗浄液(A)は、消泡剤、消臭剤、防腐剤、粘度調整剤等の公知の洗浄剤に使用される添加剤を含んでいてもよい。
洗浄液(A)による汚染物質の表面からの遊離
洗浄液(A)は、汚染物質の付着した構造物の表面を濡らして、約5分〜4時間の間放置した後に、後述する剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗装してもよいが、汚染物質の付着した構造物の表面を洗浄液(A)で濡らしながら、モップ、彗、ブラシ、刷毛、雑巾、スクレーパー等の公知の除去具を用いて上記表面を物理的に擦ることにより、汚染物質を表面から遊離させた後に剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗装することが汚染物質の除去効率の点から好ましい。
汚染物質の構造物の表面からの遊離は、前記作業により洗浄液(A)の汚れ具合から目視によって確認することができる。洗浄液(A)は、構造物の表面1m当たり約100〜400グラムの範囲内で用いることが好適である。過剰量の洗浄液(A)を用いると、構造物から外部の環境へ流出することがある。汚染物質の種類は特に限定されないが、土埃、煤煙、事故により外部へ放出された化学物質や放射性物質等を挙げることができる。
汚染物質の付着した構造物の表面を洗浄液(A)で濡らしながら、除去具を用いて上記表面を物理的に擦った後に、汚染物質が濡れた状態のときに、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗装することが好ましい。上記汚染物質が乾燥してから、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗装すると、汚染物質の除去効率が低下することがある。
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)は、被塗物に塗装後に形成した被膜を剥離することが可能な公知の水性塗料組成物を用いることができる。水性塗料組成物(B)は被膜形成性の樹脂を必須成分として含むものである。上記被膜形成性の樹脂としてはアクリル系共重合体、天然ゴム、合成ゴム、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール等の水を含む溶媒に分散または溶解するものを使用できる。上記樹脂の中でも、形成した被膜の剥離の容易さの点で、アクリル系樹脂、スチレン・ブタジエン共重合系の合成ゴムが好適である。
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)は溶媒として水を含むが、必要に応じて有機溶剤を含んでもよい。剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)の固形分濃度は、塗装作業性、乾燥性の観点から、通常30〜70質量%の範囲が適当であり、該組成物の塗装方法に応じて上記溶媒含有量を適宜調整してもよい。
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)は、必要に応じて上記以外の樹脂、顔料、染料、架橋剤、沈降防止剤、凍結防止剤、消泡剤、吸着剤、キレート剤、界面活性剤などを適宜選択してそれぞれ含有することができる。
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)の塗装は、従来公知の塗装方法、例えば、流し塗り、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー塗りなどの方法を採用でき、塗装された被膜は、常温で乾燥することが好ましい。
塗装及び複層皮膜の剥離
本発明の汚染物質除去方法においては、界面活性剤を含む洗浄液(A)を用いて汚染物質を上記表面から遊離させた後に、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗布する。そして剥離性被膜を形成後、汚染物質が付着または混入した上記剥離性被膜を剥離する。本発明の汚染物質除去方法は、汚染物質が付着した素地としてはモルタル、コンクリ−ト、リシン、磁器タイル、石材、レンガ、金属、ガラス、漆喰、土砂、自然石、木材など特に制限なく適用できるが、モルタル又はコンクリートのような水が浸透する素地の場合、公知の防水工法により形成された表面を有するものが好ましい。上記防水工法は、アスファルト防水工法、シート防水工法、塗膜防水工法などを挙げることができるが、シート防水工法や塗膜防水工法が好ましい。
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)の塗布量は、塗装作業性、複層被膜の剥離作業性の観点から、通常約0.1〜2kg/m2となるように塗装することが望ましい。
上記複層被膜の剥離作業は、塗装作業後に被膜の一部を用いて剥離できることを確認してから、破断がない程度の速さで適宜調整しながら剥離作業を行う。通常、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)の塗装を終了してから形成した被膜の剥離作業までの時間は、12時間〜7日程度である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、「部」及び「%」は特に断らない限り、夫々「質量部」及び「質量%」を意味する。
洗浄液(A)の製造例
界面活性剤「HGR30K」(パーム油脂肪酸カリウム塩を約26%含む、ミヨシ油脂株式会社製)1質量部と、水99質量部とを混合することにより、洗浄液(A1)を作成した。
界面活性剤「スパミンSA」(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを約30%含む、ミヨシ油脂株式会社製)1質量部と、水99質量部とを混合することにより、洗浄液(A2)を作成した。
剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)
「アレスRXPリセット」(関西ペイント社、スチレン・ブタジエン共重合系ラテックス含有ストリッパブルペイント、固形分53質量%)を剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)として使用した。
汚染物質除去の試験
場所:福島県福島市方木田地区の構造物におけるシート防水工法が施された屋上
日時:平成25年2月
上記屋上において、2011年3月の原子力発電所事故により放射性を有する汚染物質が付着した平坦な場所において、汚染物質除去試験のために、1区画が1.0m×1.5mの長方形の平面を、6区画選定した。6区画のうち、1区画は土汚れが少ない場所、1区画は土汚れの多い場所、他の4区画は平均的な土汚れの場所を選定した(図1を参照)。そして、下記の実施例にて、本発明の汚染物質の除去方法を実施し、実施前後の表面放射線量を測定し、表面放射線量の減少の程度から汚染物質の除去性を評価した。
表面放射線量の測定
放射線量の測定は日立アロカ社製TGS−146型を使用した。
・センサー部を対象面から1cm離し、鉛遮蔽して測定(鉛厚10mm)
・表面線量(cpm)は、測定値からバックグラウンド値(40cpm)を差し引いた値
・減少率(%)=(除去作業前の線量−除去作業後の線量)/除去作業前の線量×100
(実施例1)
洗浄前に図1に示した各区画において所定の3箇所の表面線量を測定した。洗浄液(A1)を約250g/m用いて、ブラシ(注)により、土汚れが基材表面からほぼ遊離するまで(目視)、擦った。続いて、「アレスRXPリセット」を約0.9Kg/m塗布し、24時間後に形成した被膜を剥離した。塗膜の剥離後、上記3箇所の表面線量を測定した。試験結果を表1に示す。
(注)(毛の材質:ナイロン、毛丈5センチ、18.5×6.5センチ平方に植毛)
(実施例2)
実施例1と同様にして3箇所の表面線量を測定した。洗浄液(A2)を約250g/m用いて、ブラシ(注)により、土汚れが基材表面からほぼ遊離するまで(目視)、擦った。続いて、「アレスRXPリセット」を約0.9Kg/m塗布し、24時間後に形成した被膜を剥離した。塗膜の剥離後、上記3箇所の表面線量を測定した。試験結果を表1に示す。
(比較例1、2)
実施例1と同様にして3箇所の表面線量を測定した。洗浄液を用いたブラシによる作業は行わずに、区画1及び2に「アレスRXPリセット」を約0.9Kg/m塗布し、24時間後に形成した被膜を剥離した。塗膜の剥離後、上記3箇所の表面線量を測定した。試験結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同様にして3箇所の表面線量を測定した。洗浄液(A1)を約250g/m用いて、ブラシ(注)により、土汚れが基材表面からほぼ遊離するまで(目視)、擦った。続いて、ウエスを用いて、遊離した土汚れがほぼ見えない程度にまで、拭き取った。上記拭き取り作業後、上記3箇所の表面線量を測定した。試験結果を表1に示す。
本発明の汚染物質除去方法により、ストリッパブルペイントだけを用いた除去方法や、洗浄液を用いたブラシ作業の後にウエスを用いた拭き取りによる除去方法よりも、放射線の低減率の大きさから汚染物質の除去効率が向上していることが示された。
Figure 2014190829
測定結果の数値の単位は(cpm)。

Claims (4)

  1. 汚染物質が付着した構造物表面において、界面活性剤を含む洗浄液(A)を用いて汚染物質を上記表面から遊離させた後に、剥離性被膜形成用水性塗料組成物(B)を上記表面に塗布して剥離性被膜を形成後、上記剥離性被膜を剥離することにより構造物表面から汚染物質を除去することを特徴とする汚染物質除去方法。
  2. 前記界面活性剤が脂肪酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  3. 前記構造物表面が塗膜防水工法又はシート防水工法により形成された表面である請求項1又は2に記載の汚染物質除去方法。
  4. 前記汚染物質が放射性物質を含むものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の汚染物質除去方法。
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