JP2014191094A - 太陽光集光用フィルムミラー - Google Patents

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Abstract

【課題】反射率に優れる太陽光集光用のフィルムミラーを提供する。
【解決手段】光入射側から順に、有機フッ素化合物を含有するフッ素含有層16、銀反射層14、および基材12を少なくとも有し、フッ素含有層16と銀反射層14とを隣接して配置させ、フッ素含有層16の屈折率が1.42以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光集光用フィルムミラーに係り、特に、銀反射層に所定の屈折率を示すフッ素含有層が隣接して配置された太陽光集光用フィルムミラーに関する。
太陽光の反射装置には、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂塵等に晒されるため、従来、ガラス製ミラーが用いられてきた。
しかしながら、ガラス製ミラーを用いる場合、輸送時に破損する問題や、ミラーを設置する架台に高い強度が要求されるため建設費がかさむといった問題があった。
このような問題を解決するために、近年では、ガラス製ミラーを樹脂製反射シート(フィルムミラー)に置き換えることが提案されている。
例えば、特許文献1には、樹脂基材と、該樹脂基材上に少なくとも銀反射層および保護層を有するフィルムミラーが開示されている。なお、特許文献1の実施例においては、保護層としてポリエステル樹脂が開示されている。
特開2011−158752号公報
一方、近年、太陽光のより効率的なエネルギー変換が求められており、それに伴って、フィルムミラーの反射率のより一層の向上が求められている。
本発明者らが、特許文献1を参照してフィルムミラーの反射率に関して評価したところ、昨今要求されるレベルに達しておらず、更なる向上が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、反射率に優れるフィルムミラーを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、銀反射層に所定の屈折率を示すフッ素含有層を隣接させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 光入射側から順に、有機フッ素化合物を含有するフッ素含有層、銀反射層、および基材を少なくとも有し、フッ素含有層と銀反射層とが隣接して配置され、フッ素含有層の屈折率が1.42以下である、太陽光集光用フィルムミラー。
(2) フッ素含有層の屈折率が1.40以下である、(1)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(3) フッ素含有層の厚みが、20nm以上である、(1)または(2)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(4) 有機フッ素化合物が、有機フッ素樹脂である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の太陽光集光用フィルムミラー。
(5) 有機フッ素樹脂が、後述する式(1)で表される繰り返し単位を有する、(4)に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
本発明によれば、反射率に優れるフィルムミラーを提供することができる。
本発明のフィルムミラーの第1の実施形態を示す断面図である。 本発明のフィルムミラーの第2の実施形態を示す断面図である。 本発明のフィルムミラーの第3の実施形態を示す断面図である。
以下に、本発明のフィルムミラーの好適実施態様について説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明の特徴点の一つとしては、銀反射層上の光入射側の表面上に所定の屈折率を示すフッ素含有層を隣接させることが挙げられる。以下に、本発明のメカニズムについて詳述する。
銀反射層の表面には微細な凹凸があり、光が銀反射層上に入射される際に、表面プラズモン吸収が生じる。表面プラズモン吸収が生じる(励起される)と、入射光のエネルギーが表面プラズモンの励起によって奪われるため、反射率は低下する。特に、銀反射層に隣接する層の屈折率が高いほど、可視光(400〜500nm)の反射率が低下する。それに対して、後述するように、所定の低屈折率のフッ素含有層を銀反射層の光入射層側に配置すると、表面プラズモン吸収の励起が抑制され、結果として反射率が向上する。
<第1の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1に、本発明のフィルムミラーの一実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー10は、基材12と、銀反射層14と、フッ素含有層16とをこの順で有する。なお、太陽光などの光は、フッ素含有層16側から入射されて、銀反射層14表面上で反射する。
以下に、フィルムミラー10を構成する各層について詳述する。
[基材]
基材12は、後述する銀反射層14およびフッ素含有層16を支持する基材であればその種類は特に制限されない。例えば、樹脂基材、金属基材、ガラス基材、セラミック基材、紙基材などが挙げられる。なかでも、フィルムミラー10にフレキシブル性を付与できる点で、樹脂基材が好ましい。
基材12が樹脂基材の場合、基材12を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリエーテルサルフォン系樹脂;ポリエチレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;スチレン系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;等が挙げられる。
これらのうち、フィルムミラーの耐候性が高い理由から、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂が好ましい。
また、基材12が金属基材の場合、基材12を構成する材料としては、アルミ、アルミ合金、ステンレス、鉄鋼、銅、ニッケルが挙げられる。これらのうち、金属の耐腐食性の観点から、アルミ、アルミ合金、ステンレスが好ましい。
基材12の形状は平面状であるが、その形状は図1の形態に特に限定されず、例えば、凹面、凸面等のいずれであってもよい。
基材12の厚さはその形状によっても左右されるため特に限定されないが、図1に示すように基材12が平面形状である場合は、通常、25〜300μmであるのが好ましい。
[銀反射層]
銀反射層14は、上記基材12上に設けられる層であり、入射される光を反射する機能を有する。
銀反射層14には、銀原子が主成分として含まれる。なお、主成分とは、銀反射層14を構成する金属成分のうち最も含有量が多い成分を意図する。より具体的には、主成分とは、銀反射層14を構成する金属成分中、90質量%以上である態様が好ましい。
銀反射層14には、反射特性に影響がない程度に銀以外の他の金属が含まれていてもよく、他の金属としては、例えば、金、銅、ニッケル、鉄、パラジウムなどが挙げられる。
銀反射層14の厚さは特に限定されないが、反射率等の観点から、50〜500nmが好ましく、80〜300nmがより好ましい。
銀反射層14の形成方法は特に限定されず、湿式法および乾式法のいずれも採用することができる。
湿式法としては、例えば、いわゆる金属めっき法(無電解めっき、または、電気めっき)として公知の方法が挙げられる。
また、乾式法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
[フッ素含有層]
フッ素含有層16は、銀反射層14と隣接して設けられる層であり、銀反射層14表面上での表面プラズモン吸収の発現を抑制する層である。つまり、フッ素含有層16と銀反射層14とは接するように配置される。
フッ素含有層16の屈折率は、1.42以下である。なかでも、フィルムミラーの反射率がより優れる点で、1.40以下が好ましい。なお、下限は特に制限されないが、合成上の問題より、1.35以上の場合が多い。
屈折率が1.42超の場合、フィルムミラーの反射率が劣る。
なお、フッ素含有層16の屈折率の測定方法は、エリプソメータを使用する方法が挙げられる。
フッ素含有層16の厚さは特に限定されないが、フィルムミラーの反射率もより優れる点から、10〜500nmが好ましく、20〜500nmがより好ましく、60〜300nmがさらに好ましい。
フッ素含有層16には、有機フッ素化合物が含有される。
有機フッ素化合物としては、フッ素原子が含まれる有機化合物であれば特にその種類は制限されない。なかでも、成膜性に優れると共に、フィルムミラーの反射率がより向上する点で、有機フッ素樹脂(言い換えると、フッ素系樹脂またはフッ素原子含有ポリマー)であることが好ましい。
有機フッ素樹脂としては、フッ素原子を含む樹脂(ポリマー)であれば特にその種類は限定されない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフロオロエチレン−ペルフロオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)の環化重合体(サイトップ(登録商標))などが挙げられる。
有機フッ素樹脂の好適態様の一つとしては、成膜性に優れると共に、フィルムミラーの反射率がより向上する点で、フッ素含有エチレン性モノマー由来の繰り返し単位を有する有機フッ素樹脂が挙げられる。
フッ素含有エチレン性モノマーとしては、例えば、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、三フッ化塩化ビニル、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ素含有(メタ)アクリル系単量体などが挙げられ、なかでも、フッ素含有(メタ)アクリル系単量体が好ましい。
フッ素含有(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、パーフロロオクチルエチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレート)などが挙げられる。
上記有機フッ素樹脂の最好適態様の一つとしては、取り扱い性に優れ、フィルムミラーの反射率もより優れる点から、以下の式(1)で表される繰り返し単位を有するフッ素樹脂が挙げられる。
式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基としては、取扱い性に優れる点で、炭素数1〜4が好ましく、炭素数1〜2がより好ましい。
1は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜5)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、またはブチレン基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
2は、炭化水素基を表し、炭化水素中の一部または全部の水素原子はフッ素原子で置換されている。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基など)、芳香族炭化水素基、または、これらを組み合わせた基を表す。なお、脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
炭化水素基中の炭素原子の数は特に制限されないが、フッ素樹脂の取り扱いにより優れる点で、1〜5個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
炭化水素基中の炭素原子に結合する水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されている。
なかでも、炭化水素基中の全水素原子の個数のうち、20%以上の水素原子がフッ素原子に置換されていることが好ましく、50%以上の水素原子がフッ素原子に置換されていることがより好ましい。上限は特に制限されないが、100%である。
上記式(1)で表される繰り返し単位の好適態様としては、取り扱い性に優れ、フィルムミラーの反射率もより優れる点から、式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(2)中、R1の定義は、上述の通りである。
3は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。なかでも、炭素数1〜2が好ましく、炭素数1がより好ましい。なお、R3は、n+1価の脂肪族炭化水素基である。
4は、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表す。なかでも、炭素数1〜5が好ましく、炭素数1〜3がより好ましい。
nは、1〜3の整数を表す。
フッ素樹脂に上記式(1)で表される繰り返し単位が含まれる場合、式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、フッ素樹脂の全繰り返し単位に対して、50モル%以上が好ましく、80モル%以上が好ましい。上限は特に制限されないが、100モル%である。
フッ素含有層16の形成方法は特に限定されないが、例えば、有機フッ素化合物を含むフッ素含有フィルムを銀反射層14上に貼り合わせる方法(貼り合わせ法)や、上述した有機フッ素化合物を含む組成物を銀反射層14上に塗布した後、必要に応じて乾燥処理を施し、フッ素含有層16を形成する方法(塗布法)などが挙げられる。なかでも、フッ素含有層16の厚みの調整が容易である点より、塗布法が好ましい。
なお、塗布法を実施した場合、塗布後、必要に応じて、加熱処理や露光処理などの硬膜処理を実施してもよい。
なお、塗布法の際に実施される塗布方法は特に制限されず、具体的な方法としては、スピンコーター、ダブルロールコーター、スリットコーター、エアナイフコーター、ワイヤーバーコーター、スライドホッパー、スプレーコーティング、ブレードコーター、ドクターコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、エクストロージョンコーター、カーテンコーター、ディップコーター、ダイコーター、グラビアロールによる塗工法、押し出し塗布法、ロール塗布法等の公知の方法を用いることができる。
また、有機フッ素化合物を含む組成物には、必要に応じて、有機フッ素化合物が溶解する溶媒が含まれていてもよい。
フッ素含有層16中における有機フッ素化合物の含有量は、上記屈折率の範囲になれば特に制限されない。なかでも、フィルムミラーの反射率がより優れる点で、フッ素含有層16全質量に対して、有機フッ素化合物の含有量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%である。
なお、フッ素含有層16には、上述した有機フッ素化合物以外の成分(例えば、glycidyl methacrylate)が含まれていてもよい。
[フィルムミラー]
フィルムミラー10は、太陽光を集光する目的(太陽光集光用)において、好ましく使用できる。つまり、太陽電池や太陽熱発電などの太陽光用部材として好適に使用できる。
<第2の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態について図面を参照して説明する。図2に、本発明のフィルムミラーの第2の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー100は、基材12と、プライマー層20と、銀反射層14と、フッ素含有層16とをこの順で有する。
図2に示すフィルムミラー100は、プライマー層20を備える点を除いて、図1に示すフィルムミラー10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では主としてプライマー層20について詳述する。
[プライマー層]
プライマー層20は、基材12と銀反射層14との間に配置される層であり、両者の密着性を高める層である。
プライマー層20は、金属(特に、銀)と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマーを含む層に、加熱処理および/または光照射処理を施して得られる層である。
以下では、まず、使用されるポリマーについて詳述し、その後層形成の手順について詳述する。
(金属と相互作用する官能基および重合性基を有するポリマー)
ポリマーには、金属と相互作用する官能基(以後、相互作用性基とも称する)および重合性基が含まれる。相互作用性基は、上述した銀反射層14と相互作用する基であり、銀反射層14とプライマー層20との密着性を高める役割を果たす。重合性基は、後述する加熱処理および/または光照射処理を施すことにより、架橋反応が進行し、プライマー層20の強度を高めると共に、その一部が基材12と反応して基材12とプライマー層20との密着性を高める役割を果たす。
重合性基は、エネルギー付与により、ポリマー同士、または、ポリマーと基材12との間で化学結合を形成しうる官能基であればよい。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。なかでも、反応性の観点から、ラジカル重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、イタコン酸エステル基、クロトン酸エステル基、イソクロトン酸エステル基、マレイン酸エステル基、スチリル基、ビニル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基などが挙げられる。なかでも、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基が好ましく、なかでも、ラジカル重合反応性、合成汎用性の点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がより好ましく、耐アルカリ性の観点から、アクリルアミド基、メタクリルアミド基がさらに好ましい。
相互作用性基は、金属と相互作用を形成する基であればその種類は特に制限されず、例えば、アミノ基、アミド基、イミド基、ウレア基、3級のアミノ基、アンモニウム基、アミジノ基、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール基、イミダゾール基、ベンズイミダゾール基、キノリン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、キナゾリン基、キノキサリン基、プリン基、トリアジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、ピロリジン基、ピラゾール基、アニリン基、アルキルアミン構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基;エーテル基、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基;チオフェン基、チオール基、チオウレア基、チオシアヌール酸基、ベンズチアゾール基、メルカプトトリアジン基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホン酸塩構造を含む基、スルホン酸基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基;ホスフェート基、ホスフォロアミド基、ホスフィン基、リン酸エステル構造を含む基などの含リン官能基;塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基などが挙げられ、塩構造をとりうる官能基においてはそれらの塩も使用することができる。
なかでも、極性が高く、金属への吸着能が高いことから、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、およびボロン酸基などのイオン性極性基や、エーテル基またはシアノ基などの非解離性官能基がより好ましい。
ポリマーの合成がより容易で、銀反射層14の密着性がより向上する点で、ポリマー中には以下の式(3)で表されるユニット(繰り返し単位)、および、式(4)で表されるユニットが含まれることが好ましい。
式(3)中、R10は、水素またはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基など)を表す。
式(3)中、L2は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上記式(1)中のL1中の連結基の定義と同義である。
式(3)中、R11は、相互作用性基を表す。相互作用性基の定義は、上述の通りである。
なお、ポリマー中においては、R11で表される相互作用性基の種類が異なる2種以上の式(3)で表されるユニットが含まれていてもよい。例えば、R11がイオン性極性基である式(3)で表されるユニットと、R11が非解離性官能基である式(3)で表されるユニットとが、ポリマー中に含まれていてもよい。
式(4)中、R12〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
12〜R15が、置換または無置換のアルキル基である場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。より具体的には、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)などで置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、R12としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R13としては、水素原子、メチル基、または、ヒドロキシ基若しくは臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。R14としては、水素原子が好ましい。R15としては、水素原子が好ましい。
式(4)中、L3は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上記式(1)中のL1中の連結基の定義と同義である。
ポリマーの最好適範囲としては、式(A)で表されるユニットと、式(B)で表されるユニットと、式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体、などが挙げられる。
上記式(A)〜(C)中、R21〜R26は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数1〜4の置換若しくは無置換のアルキル基を表す。X、Y、Z、およびUは、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。L4、L5、およびL6は、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。Wは、非解離性の相互作用基(非解離性官能基)を表す。Vは、イオン性極性基を表す。連結基の定義は、上述の通りである。
式(A)で表されるユニットにおいて、YおよびZは、それぞれ独立に、エステル基、アミド基、フェニレン基(−C64−)が好ましい。L4は、炭素数1〜10の置換または無置換の2価の有機基(特に、炭化水素基)であることが好ましい。
式(B)で表されるユニットにおいて、Wは、シアノ基またはエーテル基であることが好ましい。また、XおよびL5は、いずれも単結合であることが好ましい。
式(C)で表されるユニットにおいて、Vはカルボン酸基であることが好ましく、また、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6がVと連結する部分において4員〜8員の環構造を含む態様が好ましく、さらに、Vがカルボン酸基であり、且つ、L6の鎖長が6原子〜18原子である態様も好ましい。さらに、式(C)で表されるユニットにおいて、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6が単結合であることも好ましい態様の1つである。なかでも、Vがカルボン酸基であり、且つ、UおよびL6のいずれも単結合である態様が最も好ましい。
式(A)〜式(C)で表されるユニットの含有量は、以下の範囲が好ましい。
即ち、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:5〜40mol%:20〜70mol%であることが好ましく、10〜40mol%:10〜35mol%:20〜60mol%であることがより好ましい。
また、式(A)で表されるユニットと式(B)で表されるユニットとを含む共重合体の場合には、式(A)で表されるユニット:式(B)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であるこがより好ましい。
さらに、式(A)で表されるユニットと式(C)で表されるユニットとを含む共重合体の場合は、式(A)で表されるユニット:式(C)で表されるユニット=5〜50mol%:50〜95mol%であることが好ましく、10〜40mol%:60〜90mol%であることがより好ましい。
この範囲にて、加熱処理または光照射処理によるポリマーの重合性の向上、プライマー層20の抵抗値の低下、また耐湿密着力の向上などが達成される。
上記ポリマーを含む層の形成方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、上記ポリマーを含む層形成用組成物を基材12上に塗布して、必要に応じて乾燥処理を施して層を形成する方法が挙げられる。
上記ポリマーを含む層には、加熱処理および/または光照射処理が施される。上記ポリマーを含む層に実施される処理は、加熱処理および光照射処理の一方のみが実施されても、両者が実施されてもよい。また、両者の処理を実施する場合、別々の工程で実施してもよいし、同時に実施してもよい。
これらの処理を実施することにより、重合性基が活性化され、重合性基間および重合性基と基材12との間で反応が進行し、基材12とプライマー層20との密着性が向上する。
加熱処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層20の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、60〜150℃(好ましくは、80〜120℃)で0.1〜3時間(好ましくは、0.5〜2時間)処理することが好ましい。
光照射処理の条件は使用されるポリマーの種類に応じて最適な条件が選択されるが、なかでもプライマー層20の架橋密度が高まり、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより高まる点で、露光量は10〜8000mJ/cm2が好ましく、100〜3000mJ/cm2がより好ましい。
なお、露光に使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。
プライマー層20の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、0.05〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましい。
第2の実施形態において、プライマー層20上に銀反射層14を形成する際には、プライマー層20にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対して銀めっき処理を実施するめっき工程とを実施することが好ましい。これらの工程を実施することにより形成された銀反射層14はプライマー層20との密着性がより優れる。つまり、プライマー層20が、めっき下塗り層として機能する。
以下に、それぞれの工程の手順について詳述する。
(触媒付与工程)
触媒付与工程は、プライマー層20にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。本工程においては、プライマー層20に相互作用性基が、その機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を吸着する。例えば、めっき触媒前駆体として金属イオンを使用した場合は、金属イオンがプライマー層20に吸着する。
めっき触媒またはその前駆体としては、後述するめっき工程における、めっきの触媒や、めっきの電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒またはその前駆体は、めっき工程におけるめっきの種類により決定される。
以下に、使用されるめっき触媒またはその前駆体について詳述する。
無電解めっき触媒としては、無電解めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができる。具体的には、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられ、具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数、触媒能の高さから、Pdが特に好ましい。
無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンをプライマー層20へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いてプライマー層20に付与されることが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)Pd(OAc)n(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Cuイオン、Pdイオンが好ましい。
なお、無電解めっき触媒前駆体をめっき工程の前に還元させる場合、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤と還元剤を活性化するためのpH調整剤が含有される場合が多い。
液全体に対する還元剤の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
特に、ホルムアルデヒドを含有するアルカリ水溶液で還元することが好ましい。
なお、めっき触媒として、無電解めっきを行わず直接電気めっきを行うために用いられる触媒を使用してもよい。このような触媒としては、例えば、0価金属が挙げられ、より具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。なかでも、多座配位可能なものが好ましく、特に、相互作用性基に対する吸着(付着)性、触媒能の高さから、Pd、Ag、Cuが好ましい。
めっき触媒またはその前駆体をプライマー層20に付与する方法としては、これらを含む溶液(例えば、金属を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液)を調製し、その分散液若しくは溶液をプライマー層20上に塗布するか、または、その分散液若しくは溶液中にプライマー層20が形成された基材12を浸漬すればよい。
(めっき工程)
めっき工程は、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対し、銀めっき処理を施すことで、銀反射層14を形成する工程である。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっき、電気めっきが挙げられ、上記触媒付与工程でプライマー層20に付与されためっき触媒またはその前駆体の機能によって、適宜選択することができる。つまり、本工程では、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対し、電気めっきを行ってもよいし、無電解めっきを行ってもよい。
以下、本工程において好適に行われるめっき処理について説明する。
無電解めっきとは、銀イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって銀を析出させる操作のことをいう。
無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与されたプライマー層20を備える基材12を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与されたプライマー層20を備える基材12を、無電解めっき触媒前駆体がプライマー層20に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を洗浄して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬することが好ましい。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
本工程おいては、付与されためっき触媒またはその前駆体が電極としての機能を有する場合、めっき触媒またはその前駆体が付与されたプライマー層20に対して、電気めっきを行うことができる。
電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成された銀めっき膜を電極とし、さらに、電気めっきを行ってもよい。
なお、めっきに用いる銀化合物としては、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、アンモニア銀、シアン化銀、チオシアン酸銀、塩化銀、臭化銀、クロム酸銀、クロラニル酸銀、サリチル酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、ジエチルジチオカルバミド酸銀、p−トルエンスルホン酸銀が挙げられる。
<第3の実施形態>
以下に、本発明のフィルムミラーの第3の実施形態について図面を参照して説明する。図3に、本発明のフィルムミラーの第3の実施形態の断面図を示す。
フィルムミラー200は、基材12と、銀反射層14と、フッ素含有層16と、表面保護層22とをこの順で有する。
図3に示すフィルムミラー200は、表面保護層22を備える点を除いて、図1に示すフィルムミラー10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では主として表面保護層22について詳述する。
[表面保護層]
表面保護層22は、フッ素含有層16上に配置される層であり、通常、図に示すようにフィルムミラー200の最表層に配置され、フィルムミラー200の表面の耐傷性、防汚性を高めるために設けられる。
表面保護層22を構成する材料は特に制限されず、光を透過する透明性を有していればよい。例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどが挙げられ、なかでも、フレキシブル性に優れる点で樹脂が好ましい。言い換えれば、表面保護層22は樹脂層(樹脂保護層)であることが好ましい。
樹脂としては、硬化性樹脂(例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂などの光硬化性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂(尿素樹脂)、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂)または、熱可塑性樹脂(例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォンなど)が挙げられる。
なかでも、表面保護層22を形成する樹脂フィルムとしては、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムなどを挙げることができる。
なかでも、耐候性の観点から、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム、オレフィン系樹脂フィルムなどが好ましく、より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムが好ましく、PMMAフィルムがより好ましい。
表面保護層22の層厚は特に制限されないが、フィルムミラーの耐侯性およびフレキシブル性がより優れる点で、10〜200μmが好ましく、25〜100μmがより好ましい。
また、表面保護層22の形成方法は特に限定されないが、例えば、所定の表面保護層22をフッ素含有層16上に貼り合わせる方法や、上述した光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有する硬化性組成物をフッ素含有層16上に塗布した後、紫外線照射による光硬化や加熱による加熱硬化する方法等が挙げられる。
なかでも、表面保護層22のフッ素含有層16に対する密着性を高めるために、フッ素含有層16の表面にプラズマ処理、オゾン処理、またはコロナ放電処理などの表面処理を実施した後、表面保護層22を配置することが好ましい。
また、必要に応じて、フッ素含有層16と表面保護層22との間の接着性を高めるために、接着層を設けてもよい。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
PET支持体(A4300、東洋紡社製)上に、以下の式で表されるアクリルポリマーを含む溶液を、厚さ0.5μmになるようにバーコート法により塗布し、80℃にて5分乾燥して塗膜を得た。
なお、上記式で表されるアクリルポリマーの合成方法は以下の通りである。
(合成例)
2Lの三口フラスコに酢酸エチル1L、2−アミノエタノール159gを入れ、氷浴にて冷却をした。そこへ、2−ブロモイソ酪酸ブロミド150gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、内温を室温(25℃)まで上昇させて2時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加して反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去することで原料Aを80g得た。
次に、500mLの三口フラスコに、原料A47.4g、ピリジン22g、酢酸エチル150mLを入れて氷浴にて冷却した。そこへ、アクリル酸クロライド25gを内温20℃以下になるように調節して滴下した。その後、室温に上げて3時間反応させた。反応終了後、蒸留水300mLを追加し、反応を停止させた。その後、酢酸エチル層を蒸留水300mLで4回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、さらに酢酸エチルを留去した。その後、カラムクロマトグラフィーにて、以下のモノマーM1を精製し20g得た。
500mLの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド8gを入れ、窒素気流下65℃まで加熱した。そこへ、上記で得たモノマーM1:14.3g、アクリロニトリル(東京化成工業(株)製)3.0g、アクリル酸(東京化成製)6.5g、V−65(和光純薬製)0.4gのN,N−ジメチルアセトアミド8g溶液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルアセトアミド41gを足し、室温まで反応溶液を冷却した。上記の反応溶液に、4−ヒドロキシTEMPO(東京化成製)0.09g、DBU54.8gを加え、室温で12時間反応を行った。その後、反応溶液に70質量%メタンスルホン酸水溶液54gを加えた。反応終了後、水で再沈を行い、固形物を取り出し、上記式で表されるアクリルポリマー(重量平均分子量5.3万)を12g得た。
また、上記式で表されるアクリルポリマーを含む溶液の調製法は以下の通りである。
上記式で表されるアクリルポリマー(7質量部)、1−メトキシ−2−プロパノール(74質量部)、水(19質量部)の割合で混合し、さらにこの混合溶液に対して、光重合開始剤(エサキュアKTO−46、ランベルディー社製)(0.35質量部)を添加して、攪拌混合した。
その後、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、上記で得られた塗膜に対して254nmの波長で1000mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、プライマー層(厚み:500nm)を製造した。
得られたプライマー層付きPET支持体(プライマー層付き樹脂基材)を1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、その後さらに純水で洗浄した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を1wt%硝酸銀水溶液中に5分間浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層に無電解めっき触媒前駆体(銀イオン)を付与した。
次に、プライマー層付き樹脂基材を、40mmol/LのNaOHと2.2重量%のホルマリンとを含むアルカリ水溶液(pH12)(還元剤に該当)に浸漬し、その後純水で洗浄して、プライマー層中に銀を付与した。
次に、還元銀が付与されたプライマー層に対して、以下の電気めっき処理を行い、銀反射層(厚み:100nm)を製造した。
電気めっき液として、ダインシルバーブライトPL50(大和化成社製)を用い、8M水酸化カリウムによりpH9.0に調整した。還元銀を表面にもつプライマー層付き樹脂基材を、電気めっき液に浸漬し、0.5A/dm2にて20秒間めっきし、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。
電気めっき後処理として、めっき後のプライマー層付き樹脂基材を、ダインシルバーACC(大和化成社製)の10質量%水溶液に90秒間浸漬後、純水で1分間掛け流しにより洗浄した。こうして、銀反射層付き樹脂基材を得た。
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)(sigma aldrich社製)をmethylene chlorideに溶解させて得られたフッ素含有層形成用組成物に、Irgacure184(BASF社製)を溶質に対して1%添加し、銀反射層上に塗布して、80℃で5分間乾燥処理を行い、フッ素含有層(厚み100nm)を形成した。形成したフッ素含有層に三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、上記で得られた塗膜に対して365nmの波長で1000mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、フィルムミラーを製造した。
(屈折率測定)
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)(sigma aldrich社製)をmethylene chlorideに溶解させて得られたフッ素含有層形成用組成物に、Irgacure184(BASF社製)を溶質に対して1%添加し、PETフィルム上に塗布して、80℃で5分間乾燥処理を行い、フッ素含有層(厚み10μm)を形成した。形成したフッ素含有層に三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、上記で得られた塗膜に対して365nmの波長で1000mJ/cm2の積算露光量にて照射を行い、サンプルを形成した。サンプルを、可視分光エリプソメータ(Smart SE、株式会社堀場製作所製)にて測定した。
(反射率評価)
製造したフィルムミラーの450nmにおける反射率を測定した。反射率の測定には、紫外可視近赤外分光光度計UV−3100(島津製作所製)を用いて、評価を行った。以下の基準に従って評価した。結果を表1に示す。実用上、AまたはBであることが必要である。
「A」:88%以上
「B」:80%以上88%未満
「C」:80%未満
<実施例2>
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)の代わりに、Poly(1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropyl methacrylate)(sigma aldrich社製)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)の代わりに、Poly(2,2,3,3,3-pentafluoropropyl methacrylate)(sigma aldrich社製)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)の代わりに、Poly(2,2,2-trifluoroethyl acrylate)(sigma aldrich社製)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)の代わりに、Poly(2,2,2-trifluoroethyl methacrylate)(sigma aldrich社製)を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
フッ素含有層の厚みを100nmから70nmに変更した以外は、実施例2と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例7>
フッ素含有層の厚みを100nmから50nmに変更した以外は、実施例2と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例8>
フッ素含有層の厚みを100nmから20nmに変更した以外は、実施例2と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例9>
フッ素含有層の厚みを100nmから10nmに変更した以外は、実施例2と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
Poly(2,2,3,3,4,4,4-heptafluorobutyl methacrylate)(sigma aldrich社製)をmethylene chlorideに溶解させて得られたフッ素含有層形成用組成物の代わりに、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820、DIC社製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HMDI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に混合した樹脂中に、さらに腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテートを塗布後に0.2g/m2となるよう調整した量を添加した組成物を使用した以外は、実施例2と同様の手順に従って、フィルムミラーを製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
上記使用された組成物は、特許文献1の実施例で使用されていた組成物に該当する。
表1中、「屈折率」は、フッ素含有層の屈折率を示す。「厚み」は、フッ素含有層の厚みを示す。
表1に示すように、本発明のフィルムミラーは優れた反射特性を示すことが確認された。なかでも、実施例1〜5の比較から分かるように、屈折率が1.40以下の場合、より反射特性に優れることが確認された。また、実施例2、6〜9から分かるように、フッ素含有層の厚みが20nm以上の場合、より反射特性に優れることが確認された。
一方、所定の屈折率を示さない層を使用した比較例1においては、反射特性が劣っていた。
10,100,200 フィルムミラー
12 樹脂基材
14 銀反射層
16 フッ素含有層
20 プライマー層
22 表面保護層

Claims (5)

  1. 光入射側から順に、有機フッ素化合物を含有するフッ素含有層、銀反射層、および基材を少なくとも有し、
    前記フッ素含有層と前記銀反射層とが隣接して配置され、
    前記フッ素含有層の屈折率が1.42以下である、太陽光集光用フィルムミラー。
  2. 前記フッ素含有層の屈折率が1.40以下である、請求項1に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  3. 前記フッ素含有層の厚みが、20nm以上である、請求項1または2に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  4. 前記有機フッ素化合物が、有機フッ素樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
  5. 前記有機フッ素樹脂が、式(1)で表される繰り返し単位を有する、請求項4に記載の太陽光集光用フィルムミラー。
    (式(1)中、R1は、水素原子またはアルキル基を表す。L1は、単結合または2価の連結基を表す。R2は、炭化水素基を表し、前記炭化水素中の一部または全部の水素原子はフッ素原子で置換されている。)
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