JP2014192015A - リチウムイオン二次電池の検査方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不良品のリチウムイオン二次電池を,エージング処理において正確に選別することのできるリチウムイオン二次電池の検査方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のリチウムイオン二次電池の検査方法では,第2エージングにおける電池電圧の低下量である電圧差ΔV2が,電圧差ΔV2についての閾値以上のリチウムイオン二次電池を不良品として判定する。また,電圧差ΔV2についての閾値として,第2エージングの前の第1エージングにおける電池電圧の低下量である電圧差ΔV1が高いほど,低い値を用いる。
【選択図】図8
【解決手段】 本発明のリチウムイオン二次電池の検査方法では,第2エージングにおける電池電圧の低下量である電圧差ΔV2が,電圧差ΔV2についての閾値以上のリチウムイオン二次電池を不良品として判定する。また,電圧差ΔV2についての閾値として,第2エージングの前の第1エージングにおける電池電圧の低下量である電圧差ΔV1が高いほど,低い値を用いる。
【選択図】図8
Description
本発明は,リチウムイオン二次電池の検査方法および製造方法に関する。さらに詳細には,エージング処理時に良品と不良品との選別を行うリチウムイオン二次電池の検査方法および製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の製造工程では,組付けの完了したリチウムイオン二次電池を良好な電池性能が安定して発揮される状態にするため,エージング処理などが行われる。エージング処理は,リチウムイオン二次電池を,所定の温度環境下で放置することにより行われる。
また,エージング処理において,リチウムイオン二次電池の電池電圧は,自己放電によって低下する。その電池電圧の低下量は,良品と不良品とでは異なる値となる。このため,従来より,リチウムイオン二次電池が良品か否かの判定を,エージング処理における電池電圧の低下量に基づいて行う方法が知られている。
例えば,特許文献1には,第1エージングと第2エージングとを行い,第2エージングの前後の電池電圧を測定し,第2エージングにおける電池電圧の低下量より,電池の良否判定を行う電池の検査方法が開示されている。そして,特許文献1の電池の検査方法では,第2エージングにおける電池電圧の低下量が所定の閾値より低い電池を,不良品として判定している。
ところで,同じ良品あるいは不良品のリチウムイオン二次電池であっても,第1エージングの条件により,その後の第2エージングにおける電池電圧の低下量が異なる値となることがある。よって,このことを考慮しない従来の検査方法によっては,良品と不良品とを誤判定してしまうおそれがあった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,不良品のリチウムイオン二次電池を,エージング処理において正確に選別することのできるリチウムイオン二次電池の検査方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のリチウムイオン二次電池の検査方法は,リチウムイオン二次電池を予め定めた条件下で放置することによるエージング処理について,第1のエージングを行い,第1のエージングの後に電池電圧の測定を行い,その測定値を第1の電池電圧とし,第1の電池電圧の測定後に第2のエージングを行い,第2のエージングの後に電池電圧の測定を行い,その測定値を第2の電池電圧とし,第1の電池電圧と第2の電池電圧との電圧差が,予め定めた電圧差閾値以上であるリチウムイオン二次電池を不良品であると判定するリチウムイオン二次電池の検査方法であって,第1のエージングの前の電池電圧を基準電圧とし,電圧差閾値として,基準電圧と第1の電池電圧との電圧差が高いほど,低い値を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池の検査方法である。
本発明のリチウムイオン二次電池の検査方法では,第1の電池電圧と第2の電池電圧との電圧差が電圧差閾値以上のリチウムイオン二次電池を不良品として判定する。ここで,第1の電池電圧と第2の電池電圧との電圧差は,第1のエージングにおいて休止があったリチウムイオン二次電池では,第1のエージングにおいて休止がなかったリチウムイオン二次電池よりも,低い値となる。また,第1のエージングにおける休止時間が長いほど,また,休止回数が多いほど,第1の電池電圧と第2の電池電圧との電圧差は低くなりがちである。このため,不良品のリチウムイオン二次電池であっても,第1のエージングにおける休止条件によっては,良品のリチウムイオン二次電池よりも,第1の電池電圧と第2の電池電圧との電圧差が低くなることがある。
しかし,第1のエージングにおいて休止があった場合には,第1のエージングにおいて休止がなかった場合よりも,基準電圧と第1の電池電圧との電圧差が高い値となる。さらに,第1のエージングにおける休止時間が長いほど,また,休止回数が多いほど,基準電圧と第1の電池電圧との電圧差は高くなりがちである。第1のエージングにおいてリチウムイオン二次電池に与えられる熱量が多いほど自己放電量が多くなり,これにより,第1の電池電圧の値が低くなるからである。よって,電圧差閾値として,基準電圧と第1の電池電圧との電圧差が高いほど低い値を用いることにより,第1の電池電圧と第2の電池電圧との電圧差に基づいて正確に,不良品のリチウムイオン二次電池を選別することができる。
また本発明は,正負の電極板を,これらの間にはセパレータを挟み込みつつ捲回または平積みにより積層してなる電極体と,電解液とを,電池容器に封入することによるリチウムイオン二次電池の製造方法において,電極体と電解液とを電池容器に封入した後に,上記に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法を行い,不良品であると判定したリチウムイオン二次電池を排除することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法にもおよぶ。
本発明によれば,不良品のリチウムイオン二次電池を,エージング処理において正確に選別することのできるリチウムイオン二次電池の検査方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法が提供されている。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず,本形態のリチウムイオン二次電池の製造方法により製造される二次電池10(図1参照)について説明する。図1は,本形態に係る二次電池10の断面図である。二次電池10は,図1に断面で示すように,電極体20および電解液30を電池ケース40の内部に収容してなるリチウムイオン二次電池である。電解液30は,有機溶剤にリチウム塩を溶解させたものである。電池ケース40は,電池ケース本体41と封口板42とを備えている。また,封口板42は,絶縁部材43を備えている。
図2は,二次電池10として組付けられる前の電極体20の斜視図である。電極体20は,正極板70,負極板80,セパレータ90を扁平形状に捲回した扁平型の電極体である(図2〜図5参照)。
正極板70は,図3に示すように,長手方向DAに長い帯状のものである。正極板70は,アルミニウム箔からなる正極集電箔75と,この正極集電箔75の一部に形成された正極合材層76とを有している。正極合材層76には,リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる正極活物質が含まれている。また,正極集電箔75のうち,正極合材層76が形成されていない部位を,正極合材層非形成部71という。他方,正極合材層76が形成されている部位を,正極合材層形成部72という。
図3に示すように,正極合材層非形成部71は,正極板70の幅方向DB(図3の左右方向)の左端部に位置している。正極合材層形成部72は,正極板70の幅方向DBの右端部に位置している。正極合材層非形成部71および正極合材層形成部72はいずれも,正極板70の一方長辺に沿って,正極板70の長手方向DA(図3の上下方向)に帯状に延びている。
負極板80は,図4に示すように,長手方向DAに長い帯状のものである。負極板80は,銅箔からなる負極集電箔85と,この負極集電箔85の一部に形成された負極合材層86とを有している。負極合材層86には,リチウムイオンを吸蔵および放出することのできる負極活物質が含まれている。また,負極集電箔85のうち,負極合材層86が形成されていない部位を,負極合材層非形成部81という。他方,負極合材層86が形成されている部位を,負極合材層形成部82という。なお,上記の正極合材層76や負極合材層86には適宜,電極合材層内の導電性を高めるための導電助材や,電極活物質などを集電箔上に固定するための結着剤などが含まれていることが好ましい。
図4に示すように,負極合材層非形成部81は,負極板80の幅方向DB(図4の左右方向)の左端部に位置している。負極合材層形成部82は,負極板80の幅方向DBの右端部に位置している。負極合材層非形成部81および負極合材層形成部82はいずれも,負極板80の一方長辺に沿って,負極板80の長手方向DA(図4の上下方向)に帯状に延びている。
図2に示す電極体20は,正極板70,負極板80,およびセパレータ90を,図5に示すように重ね合わせつつ捲回したものである。図5に示す重ね合わせにおいては,正極板70と負極板80と2枚のセパレータ90が重ね合わせられている。
なお,セパレータ90は,リチウムイオンを透過させることができる多孔質部材である。セパレータ90としては,ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)などからなる多孔質フィルムを単体で,または,これらをその厚さ方向に複数積層させた複合材料を用いることができる。またセパレータ90の幅は,正極合材層形成部72や負極合材層形成部82の幅とほぼ同じである。
図5に示すように,正極板70の正極合材層非形成部71と,負極板80の負極合材層非形成部81とはそれぞれ,図5の左右方向において逆向きに突出するように配置されている。よって,捲回した状態を示す図2において,左端部に位置する正極合材層非形成部71は,複数枚の正極集電箔75が重ね合わせられたものである。また,右端部に位置する負極合材層非形成部81は,複数枚の負極集電箔85が重ね合わせられたものである。
図2の電極体20の左右方向の中央に位置する蓄電部21は,図5に示すように正極合材層形成部72と,負極合材層形成部82と,セパレータ90とが重ね合わせられつつ捲回されてなる部分である。このため,蓄電部21は,充放電に寄与する部分である。
また図1に示す二次電池10において,電極体20の正極合材層非形成部71には,正極端子50が接続されている。電極体20の負極合材層非形成部81には,負極端子60が接続されている。正極端子50および負極端子60は,それぞれ電極体20に接続されていない側の端51,61を,封口板42に設けられた絶縁部材43を介し,電池ケース40の外部に突出させている。そして,二次電池10は,正極端子50および負極端子60を介し,電極体20の蓄電部21において,充電および放電を行うものである。
このような二次電池10の製造工程では,二次電池10を構成する組付け工程後,二次電池10の充放電反応を活性化させ,良好な電池性能を安定して発揮できる状態とするため,コンディショニングやエージング処理などが行われる。
二次電池10の組付け工程では,まず,正極集電箔75の正極合材層形成部72となる部分に正極活物質などを含むペーストを塗工し,これを乾燥させて正極合材層76を形成することにより正極板70を製造する。負極板80についても,正極板70と同様の方法により製造することができる。次に,製造した正極板70と負極板80とをセパレータ90とともに捲回することにより電極体20を製造する。続いて,製造した電極体20に正極端子50および負極端子60を接続した後,電解液30とともに電池ケース40に封入する。以上により,二次電池10が構成される。
また,コンディショニングは,組付け後の二次電池10を,比較的低い電流値で充放電させるものである。エージング処理は,二次電池10を所定の温度環境で放置することにより行われる。本形態では,二次電池10のエージング処理において,第1エージングと,第1エージングの後の第2エージングとを行う。さらに,エージング処理では,良品の二次電池10と不良品の二次電池10とを選別するための検査を行う。不良品の二次電池10を確実に,製造工程の段階で排除するためである。
エージング処理における二次電池10の検査は,具体的には,第2エージングにおける二次電池10の自己放電による電池電圧の低下量に基づいた良否判定により行う。第2エージングにおける二次電池10の電池電圧の低下量は,第1エージングの後,第2エージングの前の二次電池10の電圧V1と,第2エージングの後の二次電池10の電圧V2とを測定し,電圧V1から電圧V2を減ずることにより,電圧差ΔV2として算出することができる。
内部短絡などが発生している不良品の二次電池10では,良品の二次電池10と比較して,第2エージングにおける自己放電量が多くなる。第2エージングにおける自己放電量が多いほど,その間の電圧差ΔV2は大きな値となる。つまり,第2エージングにおける電圧差ΔV2は,不良品の二次電池10では,良品の二次電池10と比較して大きな値となる。よって,良否判定では,算出した電圧差ΔV2が,電圧差ΔV2についての閾値以上の二次電池10を,不良品と判定することができる。電圧差ΔV2についての閾値は,良品の二次電池10と不良品の二次電池10とを用いた実験により,予め算出しておくことができる。
ここにおいて,第2エージングにおける電圧差ΔV2の値は,同じ二次電池10でも第1エージングの条件よって異なる値となる。具体的には,電圧差ΔV2の値は,第1エージング中にこれが休止されていた場合には,第1エージングに休止がなかった通常時と異なる値となる。なお,第1エージングが休止される場合には,例えば,第1エージングを長期休暇の前に開始し,長期休暇の後に終了するような長期休暇を挟んで実施する場合や,第1エージング中に停電が発生した場合などが挙げられる。
図6に,第1エージングにおいて休止があったときの二次電池10の温度の推移を示す。図6では,横軸に時間を,縦軸に二次電池10の温度を示している。図6の横軸には,第1エージングの開始時刻をt0,終了時刻をt3として示している。縦軸には,第1エージングの温度をT1として示している。
また図6には,第1エージングが休止されたときの時刻を,t1で示している。さらに,第1エージングが休止された後,これが再開されて二次電池10の温度が再びT1となったときの時刻をt2で示している。つまり,時刻t0から時刻t3までの時間から,時刻t1から時刻t2までの休止時間を差し引いた時間が,休止のない通常の第1エージングの時間である。そして,時刻t1から時刻t2までの休止時間の間に二次電池10に与えられる熱量は,通常の第1エージングと比較して余分な熱量である。
ここで,一般的に,与えられる熱量が多いほど,その二次電池10の自己放電量は多くなる。つまり,時刻t1から時刻t2までの休止時間の間にも,二次電池10の自己放電量は0ではなく,自己放電が継続している。
このため,第1エージングにおいて休止があったときの二次電池10の自己放電量は,休止のない通常時よりも多くなる。さらに,その休止時間が長いほど,休止回数が多いほど,第1エージングにおける二次電池10の自己放電量は多くなる傾向にある。また,第1エージングの後,第2エージングの前に測定される電圧V1の値は,第1エージングにおける自己放電量が多いほど低い値となる。すなわち,第1エージングにおいて二次電池10に与えられる熱量が多いほど,第1エージングにおける電池電圧の低下量である電圧差ΔV1の値は高くなる。電圧差ΔV1は,第1エージングの前の二次電池10の電圧V0から電圧V1を減ずることにより算出することができる。
そして,電圧差ΔV1の値が高いほど,電圧差ΔV2は低い値となる。電圧差ΔV1の値が高い場合はすなわち電圧V1の値が低い場合であり,電圧差ΔV2は,電圧V1と第2エージングの後に測定される電圧V2との差だからである。このため,第1エージングにおいて休止があったときの二次電池10の電圧差ΔV2の値は,休止がなかったときの二次電池の電圧差ΔV2の値よりも低い値となる。さらには,第1エージングにおける休止時間が長いほど,また,休止回数が多いほど,電圧差ΔV2の値は低くなる傾向にある。
よって,本形態では,エージング処理における二次電池10の良否判定において,電圧差ΔV2についての閾値は,電圧差ΔV1が高い値であるほど,低い値となるように定められている。
図7に示すのは,いずれも不良品である二次電池10の電圧差ΔV2について,第1エージング中における停電回数ごとに表した図である。そして,図7に示すように,停電回数が多いほど,電圧差ΔV2は低い値となっている。図6において前述したように,第1エージングにおける休止回数が多いほど,第2エージングにおける電圧差ΔV2は低い値となるからである。
また図7には,電圧差ΔV2についての閾値を実線により示している。図6において前述したように,本形態では,電圧差ΔV2についての閾値は,電圧差ΔV1の値が高い値であるほど,低い値となるように定められている。また,電圧差ΔV1の値は,第1エージングにおいて二次電池10に与えられる熱量が多いほど高い値となる。第1エージングにおいて二次電池10に与えられる熱量は,第1エージングにおける休止回数が多いほど自己放電量が多くなることにより多くなる。よって,図7に示すように,電圧差ΔV2についての閾値は,停電回数が多いほど,低い値となるように定められている。
そして,図7に示す不良品の二次電池10の電圧差ΔV2はいずれも,閾値以上の値である。よって,本形態では,二次電池10の良否判定を,第1エージングに休止があった場合においても,電圧差ΔV2に基づいて正確に行うことができる。
次に,図8に示すフローチャートにより,本形態のエージング処理における二次電池10の良否判定の手順について説明する。エージング処理においては,まず,二次電池10の残電池容量を満充電状態の電池容量に対する比で表したSOCを,所定のSOCに調整するため,二次電池10の充電を行う(S101)。充電後の二次電池10のSOCは,例えば,90%などに設定することができる。また,充電後の二次電池10の電圧V0の測定を行う(S102)。
次に,二次電池10に対して第1エージングを行い(S103),第1エージング後の電圧V1の測定を行う(S104)。さらに,第2エージングを行い(S105),第2エージング後の電圧V2の測定を行う(S106)。なお,第1エージングおよび第2エージングの温度や時間などの条件は,これらについて従来より行われている条件により行うことができる。
続いて,ステップS102で測定した電圧V0からステップS104で測定した電圧V1を減ずることにより,第1エージングにおける二次電池10の電圧の低下量である電圧差ΔV1を算出する(S107)。また,算出した電圧差ΔV1より,電圧差ΔV2についての閾値を設定する(S108)。ステップS108において設定される閾値は,電圧差ΔV1が高いほど,低い値となるようにされている。
なお,電圧差ΔV2についての閾値は,電圧差ΔV1ごとに,予め実験などを行うことにより定めておくことができる。これにより,ステップS107で算出した電圧差ΔV1に基づいて閾値を設定することができる。また,電圧差ΔV2についての閾値は,第1エージングにおいて休止がなかった通常時の電圧差ΔV1における閾値を基準閾値として定めておき,その通常時の電圧差ΔV1とステップS107で算出した電圧差ΔV1との差に応じて,基準閾値に補正係数を乗じて算出することとしてもよい。その補正係数についても,予め行った実験などに基づいて定めておけばよい。
次に,ステップS104で測定した電圧V1からステップS106で測定した電圧V2を減ずることにより,第2エージングにおける二次電池10の電圧の低下量である電圧差ΔV2を算出する(S109)。そして,算出した電圧差ΔV2がステップS108で設定した電圧差ΔV2についての閾値未満である場合には(S110:YES),その二次電池10を良品と判定する(S111)。一方,算出した電圧差ΔV2がステップS108で設定した閾値以上である場合には(S110:NO),その二次電池10を不良品と判定する(S112)。そして,不良品と判定された二次電池10は通常の製造工程より排除され,不良のまま出荷されることはない。
なお,第1エージングの前の二次電池10の電圧V0は,測定によらず,ステップS101の充電条件により定めることとしてもよい。すなわち,例えば,ステップS101において充電後の二次電池10の電池電圧を4Vとするような条件で充電した場合には,電圧V0の値を4Vに定めることとしてもよい。そして,この場合には,電圧差ΔV2についての閾値は,電圧差ΔV1を算出することなく,電圧V1によって設定することとしてもよい。電圧差ΔV1の値は,電圧V1の値によって定まるからである。電圧V1によって設定される閾値は,電圧V1の値が低いほど,低い値となるようにすればよい。つまり,閾値を電圧V1によって設定する場合においても,閾値は,電圧差ΔV1の値が高いほど,低い値に設定されることに変わりはない。
また,本発明者らは,以下の実験を行うことにより,本発明の効果の確認を行った。すなわち,まず,正極合材層76および負極合材層86にそれぞれ以下に示す材料を用い,いずれも二次電池10と同じ構成の二次電池A〜Gを作製した。
正極合材層76
正極活物質:三元系(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)
導電助材 :アセチレンブラック(AB)
結着剤 :ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
負極合材層86
負極活物質:黒鉛
結着剤 :スチレンブタジエンゴム(SBR)
増粘剤 :カルボキシメチルセルロース(CMC)
正極合材層76
正極活物質:三元系(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)
導電助材 :アセチレンブラック(AB)
結着剤 :ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
負極合材層86
負極活物質:黒鉛
結着剤 :スチレンブタジエンゴム(SBR)
増粘剤 :カルボキシメチルセルロース(CMC)
また,二次電池A〜Gはいずれも,同様の内部短絡箇所を有する不良品の二次電池とした。さらに,いずれも不良品の二次電池A〜Gについてそれぞれ,SOCを調整する充電後の電圧V0の測定を行った後,第1エージングを以下の表1に示す条件で休止させつつ行った。
表1に示すように,二次電池Gについては,休止のない通常の第1エージングを行った。また,二次電池A,B,Cについてはそれぞれ,図6において前述した時刻t1から時刻t2までの休止時間が,表1に示す休止期間となるように第1エージングを行った。
また,二次電池D,E,Fについての停電の1回の条件は,停電時間を96時間,室温を25℃,停電状態から二次電池の温度が再び第1エージングの温度になるまでの立ち上げ時間を10時間とした。つまり,二次電池D,E,Fについては,停電1回につき,図6において前述した時刻t1から時刻t2までの休止時間を,106時間としたものである。
続いて,二次電池A〜Gについて,第1エージング後の電圧V1を測定した。さらに,二次電池A〜Gについていずれも同条件の第2エージングを行った後,電圧V2を測定した。
図9に,二次電池A〜Gについてそれぞれ算出した電圧差ΔV1と電圧差ΔV2との関係を示す。図9より,第1エージングにおいて与えられた熱量の多かった二次電池ほど,横軸に示す電圧差ΔV1の値が高い傾向にあることがわかる。また,第1エージングにおいて与えられた熱量の多かった二次電池ほど,縦軸に示す電圧差ΔV2の値が低い傾向にあることがわかる。第1エージングにおいて与えられた熱量の多かった二次電池ほど,第1エージングにおける自己放電量が多く,電圧V1の値が低い傾向にあるからである。さらには,電圧差ΔV2の値は,電圧差ΔV1の値が高いものほど,低くなる傾向にあることがわかる。
そして,図9には,エージング処理における二次電池の良否判定において,従来より用いられている電圧差ΔVについての閾値の例を,一点鎖線により示している。また,本形態の電圧差ΔV2についての閾値を,実線により示している。
従来例の電圧差ΔVについての閾値は,第1エージングにおける休止を考慮せず,休止のない通常の第1エージングがなされた二次電池Gについて定められたものである。このため,図9に一点鎖線で示す従来例の電圧差ΔV2についての閾値は,電圧差ΔV1に関係なく一定の値である。
そして,二次電池A,D,Gの電圧差ΔV2については,従来例の電圧差ΔV2についての閾値よりも高い値を示している。このため,従来例の電圧差ΔV2についての閾値を用いた二次電池の良否判定において,二次電池A,D,Gについては,不良品として選別することができることがわかる。
しかし,二次電池B,C,E,Fの電圧差ΔV2については,通常の二次電池Gの電圧差ΔV2よりも低過ぎるため,従来例の電圧差ΔV2についての閾値よりも低い値を示している。よって,これら二次電池B,C,E,Fについては,従来例の電圧差ΔV2についての閾値を用いた二次電池の良否判定において,不良品であるにも関わらず,良品であると誤判定されることとなる。
一方,図9に示すように,二次電池A〜Gの電圧差ΔV2はすべて,実線で示す本形態の電圧差ΔV2についての閾値よりも高い値である。よって,本形態の電圧差ΔV2についての閾値を用いた良否判定においては,二次電池A〜Gのすべてについて,正確に,不良品として選別することができることがわかる。本形態の電圧差ΔV2についての閾値は,電圧差ΔV1が高い二次電池ほど,低い値となるように設定されるからである。
以上詳細に説明したように,本形態に係るエージング処理における良否判定では,第2エージングにおける電池電圧の低下量である電圧V1と電圧V2との電圧差ΔV2が,電圧差ΔV2についての閾値以上の二次電池10を不良品として判定する。電圧差ΔV2についての閾値は,第1エージングにおける電池電圧の低下量である電圧V0と電圧V1との電圧差ΔV1が高いほど,低い値に設定される。これにより,不良品のリチウムイオン二次電池を,エージング処理において正確に選別することのできるリチウムイオン二次電池の検査方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。すなわち,上記の実施形態において説明したリチウムイオン二次電池の構成は単なる一例であり,例えば,円筒型の電池ケースを有するリチウムイオン二次電池や,正極板,負極板,セパレータを平積みにより積層してなる電極体を有するリチウムイオン二次電池について本発明を適用することもできる。また,リチウムイオン二次電池の製造工程では,エージング処理における良否判定に加え,その他の検査を行ってもよい。その場合には,エージング処理における良否判定において良品と判定されたリチウムイオン二次電池群より,出荷する最終良品のリチウムイオン二次電池を選別すればよい。
10 二次電池
20 電極体
30 電解液
40 電池ケース
50 正極端子
60 負極端子
70 正極板
80 負極板
90 セパレータ
20 電極体
30 電解液
40 電池ケース
50 正極端子
60 負極端子
70 正極板
80 負極板
90 セパレータ
Claims (2)
- リチウムイオン二次電池を予め定めた条件下で放置することによるエージング処理について,
第1のエージングを行い,
前記第1のエージングの後に電池電圧の測定を行い,その測定値を第1の電池電圧とし,
前記第1の電池電圧の測定後に第2のエージングを行い,
前記第2のエージングの後に電池電圧の測定を行い,その測定値を第2の電池電圧とし,
前記第1の電池電圧と前記第2の電池電圧との電圧差が,予め定めた電圧差閾値以上であるリチウムイオン二次電池を不良品であると判定するリチウムイオン二次電池の検査方法において,
前記第1のエージングの前の電池電圧を基準電圧とし,
前記電圧差閾値として,前記基準電圧と前記第1の電池電圧との電圧差が高いほど,低い値を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池の検査方法。 - 正負の電極板を,これらの間にはセパレータを挟み込みつつ捲回または平積みにより積層してなる電極体と,電解液とを,電池容器に封入することによるリチウムイオン二次電池の製造方法において,
前記電極体と前記電解液とを前記電池容器に封入した後に,
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の検査方法を行い,
不良品であると判定したリチウムイオン二次電池を排除することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
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- 2013-03-27 JP JP2013067000A patent/JP2014192015A/ja active Pending
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