JP2014192027A - リチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置および製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法および製造装置において、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立できるリチウムイオン二次電池用セパレータを高い生産性で製造することができる製造方法および製造装置を提供することにある。
【解決手段】不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールが、走行方向と略並行方向に溝が設けられたロールであり、塗工液が付与された面とは反対側の面を該搬送ロールで支持することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法および製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置および製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、「電池」と略記することがある)は、高いエネルギー密度を有することから、携帯機器、電気自動車、電気貯蔵システム等に用いる蓄電デバイスとして注目されている。しかし、リチウムイオン二次電池には、内部に可燃性の電解液や負極を用いることから、内部短絡等が引き金となって発火する等の危険性がある。とりわけ、セパレータの小さな穿孔から始まり、「短絡」−「短絡電流による発熱」−「セパレータの収縮による穿孔の拡大」−「短絡電流の増大」のサイクルを繰り返して急激に短絡電流が増大する事象(熱暴走)は、特に危険な事象として知られている。
リチウムイオン二次電池セパレータ(以下、「セパレータ」と略記することがある)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔質フィルムが広く用いられている。しかし、これら多孔質フィルムからなるセパレータは高温下で収縮しやすく、熱暴走防止という観点から好ましいとは言えない。高温下での収縮を抑制するために、多孔質フィルムの表面に耐熱性粒子を主体とする塗工層を設けたセパレータが提案されているが、熱収縮を好ましい水準まで抑制できるには至っていない。
高温下での収縮が少ないセパレータとして、耐熱性の良好な不織布基材に、耐熱性粒子を含む層(例えば、特許文献1参照)を形成してなるセパレータが提案されている。このようなセパレータは、不織布基材に耐熱性粒子を含む塗工液を付与後、乾燥させることによって連続的に製造される。しかし、不織布基材の目の開きは、一般に塗工層を構成する耐熱性粒子の粒子径よりも大きいため、塗工液が不織布基材を通り抜けて塗工面の反対側にまで回りこみやすく、塗布液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールに塗工液がランダムに転写し、さらには搬送ロールに付着した塗工液やその乾固物が不織布基材に再付着する等が繰り返されることによって、不織布基材の面内において、塗工量のムラが生じやすいという問題があった。
一般に、不織布基材に耐熱性粒子を含む層を形成してなるセパレータにおいては、塗工量が少なくなると内部抵抗が低くなり、塗工量が多くなると自己放電が起こりにくくなる。自己放電は、不織布基材の面内で最も塗工量が少ない部分に支配される。そのため、塗工量ムラがある場合、最も塗工量の少ない部分でも自己放電が十分に抑制されるように、全体の塗工量を増加させる必要がある。その結果、内部抵抗の上昇は避けられなくなる。したがって、内部抵抗と自己放電を最も良好な水準で両立するためには、面内での塗工量分布が均一であることが必要である。しかし、不織布基材に耐熱性粒子を含む層を形成してなるセパレータにおいて、従来の技術で製造されたものは、塗工量の面内均一性が十分な水準に達しておらず、内部抵抗と自己放電の両立度合いにも限界があった。
この問題を避けるため、不織布基材の両面から塗工液を付与する製造方法(例えば、特許文献1および2参照)が提案されている。しかし、このような製造方法を用いた場合、不織布基材の走行速度が速くなると、不織布基材内部のポアに存在する空気が十分に除去(塗工液により置換)されず、残存した気泡に起因するボイドが発生し、耐熱性粒子の存在しない微小空間が形成されやすい。このようなボイドが形成された場合、自己放電が抑制された良好なセパレータを得ることができない。そのため、不織布基材の両面から塗工液を付与する製造方法を用いる場合には、ボイドの形成を避けるために、不織布基材の走行速度を相当に低くせざるを得ず、高い生産性は得られない。具体例として、特許文献1の実施例における走行速度は1.9m/minであり、特許文献2の実施例における走行速度は2m/minであり、どちらもかなりの低速で塗工している。
特開2008−179903号公報 特開2002−166218号公報
本発明の課題は、不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法および製造装置において、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立できるリチウムイオン二次電池用セパレータを高い生産性で製造することができる製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、
(1)不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールが、走行方向と略並行方向に溝が設けられたロールであり、塗工液が付与された面とは反対側の面を該搬送ロールで支持することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法、
(2)該搬送ロールの通過厚みが20〜250μmである(1)記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法、
(3)該搬送ロールの周速と不織布基材の走行速度とが非等速である(1)または(2)記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法、
(4)不織布基材に塗工層を形成するための、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールが、走行方向と略並行方向に溝が設けられたロールであり、塗工液が付与された面とは反対側の面を該搬送ロールで支持することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置、
(5)該搬送ロールの通過厚みが20〜250μmである(4)記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置、
(6)該搬送ロールの周速と不織布基材の走行速度とが非等速である(4)または(5)記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置、
を見出した。
本発明によれば、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立できるリチウムイオン二次電池用セパレータを高い生産性で製造することができる製造方法および製造装置を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置の一例を示した概略図である。 本発明における「通過厚み」の概念を示す概略図である。
本発明は、不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法および製造装置であり、耐熱性粒子を含む塗工液を不織布基材に付与してセパレータを製造するに用いる製造装置および製造方法である。本発明では、不織布基材の片面に塗工液を付与する工程(塗工工程)後、塗工液を付与したのとは反対面を搬送ロールで適宜支持しながら、不織布基材を乾燥する工程(乾燥工程)にまで搬送する。この搬送ロールが、不織布基材の走行方向と略並行に溝が設けられたロールであることを特徴とする。「搬送ロール」とは、不織布基材のバタツキや自重による垂れ下がりを防ぎ、走行を安定させるために不織布基材を支持するための円筒状の回転機構である。以下、「搬送ロール」と記した場合は、塗工工程から乾燥工程までの間の搬送ロールを示す。
搬送ロールとしては、一般に、その表面が略平滑なプレーンロールが用いられる。プレーンロールを用いた場合、不織布基材表面の塗工液が搬送ロールにランダムに転写され、さらに、搬送ロールに転写された塗工液やその乾固物が不織布基材に再転写することが繰り返されることによって、不織布基材の面内において塗工量のムラが生じやすい。このような問題を避けるために、塗工工程を経た不織布基材を、ロールに接触させること無く乾燥工程に搬送することも考えられるが、乾燥用空気の風圧等によって不織布基材がばたつき、塗工工程に振動が伝播することから、面内の塗工量分布が均一にならないという問題が発生する。
本発明では、搬送ロールが、不織布基材の走行方向と略並行に溝を設けられたロールであることで、不織布基材表面から搬送ロールへの塗工液の転写、搬送ロールから不織布基材表面への塗工液の再転写が均一になり、不織布基材面内の塗工量分布が均一なセパレータを製造することができる。すなわち、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立するセパレータを製造することができる。
本発明では、搬送ロールが、塗工液が付与された面とは反対側の面を支持することで、不織布基材表面から搬送ロールへの塗工液の転写、搬送ロールから不織布基材表面への塗工液の再転写が生じにくく、不織布基材面内の塗工量分布が均一なセパレータを製造することができる。すなわち、内部抵抗および自己放電性を良好な水準で両立するセパレータを製造することができる。
「略並行」とは、溝の長手方向と不織布基材の走行方向がなす角の正接が0.5以下であることを言う。好ましくは、当該正接は0.2以下である。溝の長手方向と不織布基材の走行方向がなす角が大きい場合、本発明の効果である、面内の塗工量分布を均一にし、内部抵抗および自己放電を良好な水準で両立するセパレータが製造できるという効果を得ることができない。
溝が設けられたロールの製作方法は特に制限されない。例えばロールの表面に、鉄線、ステンレス線、ニクロム線、銅線、スズめっき銅線等の各種金属線を捲回して製作することができる。これら金属線の断面形状も、捲回後に溝が形成される限り特に制限が無く、円形、三角形、楕円形等の形状とすることができる。また、ロールの表面に切削・転造・エッチング等の方法で溝を設けることもできる。搬送ロールの表面に設けられる溝の断面形状は特に制限されず、円弧であっても良いし、正弦曲線状、三角形、台形、その他の形状であっても良い。
本発明の効果を好適に得るためには、搬送ロールの通過厚みが20〜250μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましい。通過厚みが薄すぎる搬送ロールを用いた場合、不織布基材表面から搬送ロールへの塗工液の転写、搬送ロールから不織布基材表面への塗工液の再転写を均一にする作用が十分に発現せず、内部抵抗と自己放電性の両立度合いが低下する。通過厚みが厚すぎる搬送ロールを用いた場合、製造されたセパレータの表面に、溝のパターンに対応するパターンが形成され、内部抵抗と自己放電性の両立度合いが低下する。
本発明において、「通過厚み」とは、搬送ロールに設けられた溝を、不織布基材の走行方向から見た場合に、単位長さあたりに液が通過可能な面積から算出される。その具体例を、図2を用いて説明する。図2は、ロールの表面に断面形状が円形の金属線を捲回して作製した溝について、その通過厚みを説明している図である。網掛け部Bは金属部である。Wは不織布基材である。網掛けしていないP部は、金属部Bと不織布基材Wとで囲まれていて、塗工液が紙面の奥行き方向に通過可能な溝である。幅方向長さLの部分におけるP部の総面積Spを、Lで除することで、通過厚みtが求められる。例えば、半径rの金属線を捲回したロールの通過厚みtは一般に、(1−π/4)r=0.2146rで求められる。例えば、直径1.0mm(半径500μm)の金属線を捲回したロールの通過厚みは500×0.2146=107μmである。
搬送ロールは、不織布基材と連れ回転(連れ回り、不織布基材と搬送ロールとの間の摩擦により、その周速が不織布基材の走行速度と一致して回転すること)するように用いても、本発明の効果を得ることができる。しかし、この場合、長時間連続でセパレータを製造し続けると、搬送ロールに塗工液の凝集物等が堆積し、セパレータに欠陥が生じる原因となる場合がある。これを防ぐためには、搬送ロールを、非等速回転させることが好ましい。すなわち、搬送ロールの周速と不織布基材の走行速度とが異なる速度になるように、外部動力により搬送ロールを駆動することが好ましい。なお、搬送ロールの周速が、不織布基材の走行速度よりも、遅くなってもよいし、速くなってもよい。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す概略図である。不織布基材はアンワインダーによって、不織布基材ロールMより引き出される。次に、塗工装置Hで、不織布基材の片面に塗工液が付与される。塗工液が付与された不織布基材は、塗工液を付与されたのと反対面を1本または複数本の搬送ロールTに支持されながら走行し、乾燥装置Dによって乾燥される。乾燥は、塗工液の付着量が少ない点および迅速に乾燥することができる点から、塗工液を付与したのとは反対の面を先に乾燥させることが好ましい。少なくとも溶媒の一部が蒸発し、付与された塗工液が流動性を失った後の不織布基材を支持するために用いる搬送ロールには、溝を設けたロールを用いる必要は無く、プレーンロールや、その他のロールを適宜用いることができる。
本発明において、塗工装置に特に制限は無い。不織布基材に過剰量の塗工液を付与した後、ドクター装置により過剰分の塗工液の除去および塗工面の平滑化を行う後計量方式の装置、基材に所定量の塗工液を付与しつつ、同時に塗工面の平滑化を行う前計量方式の装置等を用いることができる。後計量方式の装置としては、例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、含浸(ディップ)コーター等が代表的である。前計量方式の装置としては、例えばグラビアコーター、キスロールコーター、ダイコーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、スプレーコーター、ローターダンプニング等が代表的である。
本発明において、乾燥装置にも特に制限は無く、不織布基材の表面に熱風や乾燥空気を吹きつけて乾燥するエアドライヤー、加熱した金属製円筒の表面に不織布基材を接触させることで加熱乾燥するシリンダードライヤー、赤外線により不織布基材を加熱する赤外線ドライヤー等の乾燥装置を用いることができる。
本発明において、不織布基材は、直径が3.5μm以下の繊維を50質量%以上含むことが好ましい。これによって、面内の塗工量分布が不均一になることをより確実に防止することができる。また、不織布基材の厚みは、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。これによって、面内の塗工量分布が不均一になることをより確実に防止することができる。一方、不織布基材の厚みが厚すぎる場合は、セパレータの厚みが厚くなりすぎることから、不織布基材の厚みは好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。
本発明において、塗工液としては、耐熱性粒子として、不定形シリカ等の珪素酸化物、αアルミナ、γアルミナ、ベーマイト等のアルミナ水和物、ダイアスポア、ギプサイト等のアルミニウム酸化物およびその水和物、アルミナ−シリカ複合酸化物、チタン酸バリウム等の耐熱性無機粒子;架橋ポリスチレン、架橋メタクリル酸メチル等の耐熱性有機粒子を用いることができる。スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル系ポリマー等のバインダー、各種の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド等の液性調整剤等の各種添加剤を加えたものを用いることができる、溶媒としては、水を用いても有機溶媒を用いても良い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものでは無い。
実施例1
[不織布基材]
繊度0.1dtex、カット長3mmの延伸結晶化ポリエチレンテレフタレートステープル70質量部および繊度0.2dtex、カット長3mmの非延伸ポリエチレンテレフタレートステープル30質量部からなり、表面温度200℃の熱カレンダーにより繊維間を融着させつつ厚み調整を行った、坪量10g/m、厚み18μmの湿式抄造不織布を不織布基材として用いた。
[塗工液]
固形分の質量構成比が、アルミナ水和物(ベーマイト):アクリル系ポリマーのラテックス:マレイン酸−アクリル酸共重合体のナトリウム塩:1質量%水溶液の粘度が7000mPa・secであるカルボキシメチルセルロース=40.0:2.0:0.4:0.2である、固形分濃度40質量%の塗工液を調製した。
[搬送ロールの作製]
直径40mmのプレーンロールに、断面が直径1.0mmの円形であるスズめっき銅線を隙間無く捲回し、溝が設けられた搬送ロールを作製した。通過厚みは107μmであった。
[セパレータの製造]
搬送ロールTとして、前記搬送ロールを不織布基材と連れ回転するように用い、塗工装置Hとしてリバースダイレクトグラビアコーターを備えた、概要を図1に示した製造装置を用いて、前記不織布基材に、前記塗工液を、乾燥後の塗工量が10.0g/mになるように塗工し、セパレータを得た。不織布基材の走行速度は15m/minであった。
実施例2
搬送ロールTとして、直径40mmのプレーンロールに、断面が直径0.3mmの円形であるスズめっき銅線が隙間無く捲回された、通過厚み32μmの溝が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例3
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールに、断面が直径1.5mmの円形であるスズめっき銅線が隙間無く捲回された、通過厚み161μmの溝が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例4
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールに、断面が直径0.2mmの円形であるスズめっき銅線が隙間無く捲回された、通過厚み21μmの溝が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例5
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールに、断面が直径2.0mmの円形であるスズめっき銅線が隙間無く捲回された、通過厚み215μmの溝が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例6
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールに、断面が直径0.15mmの円形であるスズめっき銅線が隙間無く捲回された、通過厚み16μmの溝が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例7
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールに、断面が直径3.0mmの円形であるスズめっき銅線が隙間無く捲回された、通過厚み322μmの溝が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
なお、実施例1〜7で、搬送ロールに設けられた溝の長手方向と不織布基材の走行方向がなす角の正接が最も大きいのは、最も径の太いスズめっき銅線を捲回した実施例7の搬送ロールであり、当該正接は、周径144mm({プレーンロールの直径+スズめっき銅線の直径×2}×円周率)あたり3.0mm斜行するため、3/144=0.021である。
実施例8
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールに、旋盤による切削加工により、ピッチ1.0mm、深さ200μmの螺旋三角溝(通過厚み100μm)が設けられた搬送ロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
比較例1
搬送ロールとして、直径40mmのプレーンロールを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
比較例2
搬送ロールとして、直径40mmのグラビアロール(格子型、30線/25.4mm、セル体積117cm/m)を用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
比較例3
搬送ロールとして、直径40mmのグラビアロール(45°斜線型、80線/25.4mm、セル体積80cm/m)を用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
比較例4
塗工装置Hとして、リバースダイレクトグラビアの代わりに、過剰の塗工液を付与した後、ロッドを用いて過剰の塗工液を除去しながら塗工面を平滑化するロッドコーターを用い、かつ、塗工液の付与面を反対面にした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
比較例5
塗工装置Hとして、不織布基材の両面に塗工液を付与しながらロール間を通過させて塗工量を調整するスクイズコーターを用いた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
<評価>
各実施例および各比較例で作製したリチウムイオン二次電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[評価用電池の作製]
正極活物質がマンガン酸リチウム、負極活物質がメソフェーズカーボンマイクロビーズ、電解液がLiPFの1M EC:DEC(30:70 vol%)溶液であり、セパレータが各実施例および比較例のセパレータである、設計容量30mAhのパウチ型リチウムイオン二次電池を作製した。各評価用電池につき、下記[評価用電池の充電]による充電→30mAの定電流放電(端子間電圧2.8Vで放電終了)を3回繰り返し、以降の試験に用いた。
[評価用電池の充電]
評価用電池に対して、30mAで定電流充電を行った。正負極間の電圧が4.2Vに達した後は、この電圧で定電圧充電を行った。充電電流が3mAに低下した時点で充電終了とした。
[内部抵抗の測定]
充電済みの各評価用電池について、30mAの定電流放電を行い、放電開始6分後の電圧E30(V)を記録した。次いで各評価用電池を再度充電した後、60mAで定電流放電を行い、放電開始3分後の電圧E60(V)を記録した。内部抵抗R(Ω)=(E30−E60)/0.03(A)を算出した。
[自己放電性]
各評価用電池について、上記の条件で再度充電を行い、45℃で14日間保存後端子間電圧(V)を測定した。保存後の端子間電圧が高い程、自己放電が少なく良好な電池である。
Figure 2014192027
表1に示されるように、不織布基材に塗工液を付与し、走行方向と略並行方向に溝が設けた搬送ロールを用いて、塗工液が付与された面とは反対側の面を支持しながら、乾燥工程に搬送する本発明により、15m/minという高速で、内部抵抗が低く、自己放電も少ないリチウムイオン二次電池を製造することが可能になった。これに対し、搬送ロールとして、プレーンロールを用いた比較例1や、走行方向と平行方向でないパターンが搬送ロール表面に設けられた比較例2および3では、内部抵抗・自己放電共に大きい。塗工液を付与した面を搬送ロールで支持した比較例4や、不織布基材の両面から塗工液を付与した比較例5では、自己放電が著しく大きい。
本発明のより好適な実施態様である、搬送ロールの通過厚みが20〜250μmである実施例1〜5、8と比較すると、搬送ロールの通過厚みが20μm未満である実施例6や、搬送ロールの通過厚みが250μmを超える実施例7では、内部抵抗がやや上昇しており、自己放電もやや大きい。
実施例11
搬送ロールを、その周速が18m/minとなるように、不織布基材の走行方向と同方向に電動機により駆動した以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例12
搬送ロールを、その周速が12m/minとなるように、不織布基材の走行方向と同方向に電動機により駆動した以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
実施例13
搬送ロールを、その周速が2m/minとなるように、不織布基材の走行方向と反対方向に電動機により駆動した以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作製した。
[連続操業性]
実施例1、11〜13について、30分間連続で塗工を行った後の、搬送ロールの汚れ具合を確認した。実施例1では、搬送ロールに高粘度の付着物(塗工液の水分が、一部揮発したもの)が付着していたのに対し、実施例11〜13では、このような付着物は見出されなかった。このことから、本発明における搬送ロールを、基材と非等速で回転させることで、搬送ロールに汚れが付着することを防ぎ、長時間の連続操業が可能になることがわかる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法および製造装置はリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法として好適に使用できる。
D 乾燥装置
T 搬送ロール
H 塗工装置
M 不織布基材のロール
B 金属部
L 幅方向の長さ
P 液が紙面の奥行き方向に通過可能な部分
W 不織布基材

Claims (6)

  1. 不織布基材に塗工層を形成してなるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールが、走行方向と略並行方向に溝が設けられたロールであり、塗工液が付与された面とは反対側の面を該搬送ロールで支持することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
  2. 該搬送ロールの通過厚みが20〜250μmである請求項1記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
  3. 該搬送ロールの周速と不織布基材の走行速度とが非等速である請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法。
  4. 不織布基材に塗工層を形成するための、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置において、不織布基材に塗工液を付与後、乾燥させるまでの間の搬送ロールが、走行方向と略並行方向に溝が設けられたロールであり、塗工液が付与された面とは反対側の面を該搬送ロールで支持することを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置。
  5. 該搬送ロールの通過厚みが20〜250μmである請求項4記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置。
  6. 該搬送ロールの周速と不織布基材の走行速度とが非等速である請求項4または5記載のリチウムイオン二次電池用セパレータの製造装置。
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