JP2014196978A - 排水中有機汚染物質のモニタリング方法 - Google Patents

排水中有機汚染物質のモニタリング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学工場プラント等のプラント排水に含まれる多種多様な有機汚染物質を迅速かつ的確に、連続的にモニタリングする。【解決手段】プラント排水に含まれる有機汚染物質をモニタリングする方法において、該排水から発生する臭気を検知する臭気センサを設け、該臭気センサの検出結果に基いて、該排水中の有機汚染物質をモニタリングする。該排水をバブリングしながらモニタリングしてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、排水中の有機汚染物質のモニタリング方法に係り、特に化学工場プラント等のプラント排水に含まれる有機汚染物質を、臭気センサを用いて迅速かつ的確に、連続的にモニタリングする方法に関する。
化学工場プラント等のプラントの運転で発生する排水は、生物処理、酸化又は還元処理等により、予め設定された排水基準以下の水質に処理された後、公共水域へ放流されている。放流される排水が排水基準を上回ると、周囲環境の汚染原因となるため、プラント内の排水排出系統には、各種の水質検知器を設けてモニタリングを行い、排出される排水が排水基準を下回ることを確認した上で放流することが行われている。
従来、この排水のモニタリングには、例えば、排水を活性汚泥処理して排出しているプラントでは、COD(化学的酸素要求量)計やTOC(全有機炭素)計が用いられている。また、pH計、SS計、油膜検知器、紫外線吸光度(UV)計などが用いられる場合もある。
また、一般的な水質監視技術として、特許文献1には、上下水の水質管理のために、物理的、化学的センサによって、濁度、浮遊物質量、プランクトン量、酸素量、二酸化炭素量、pH、窒素化合物量、温度、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD、その他各種イオン濃度を測定することが記載されている。また、特許文献2には、汽力発電所、工場等から排出される排水の最終放流槽内の全窒素、全リン及びCODを測定して水質管理することが記載されている。
特許文献3には、河川等から供給された原水を清浄化する浄水場において、毒性物質検出装置、臭気検出装置及び油分検出装置で水源の水質を監視することが記載されている。具体的には、特許文献3では、河川から取水場を介して取り込んだ水の一部を臭気検出装置の臭気検出水槽に移送して臭気の判定を行っている。
この特許文献3は、浄水場の原水の水質を監視するものであり、プラント排水のモニタリングに関するものではない。
特開2002−311016号公報 特開2009−165911号公報 特開平4−83575号公報
従来の水質のモニタリングに用いられている計器は、応答性が悪い;検知できる有機汚染物質が限られている;といった問題があり、各種プラント排水の有機汚染物質の漏洩を迅速かつ的確に、連続的にモニタリングするための計器としては十分に満足し得るものではなかった。
即ち、COD計やTOC計は測定に通常1時間程度、最短でも10分間を要し、漏洩事故に即時的に対応することができない。また、COD計では酸化率、沸点、水への溶解性等の点から、多くの有機汚染物質は測定不可能である。pH計、SS計、油膜検知器、UV計もまた、検知できる有機汚染物質が限られている。
このようなことから、プラント排水中の有機汚染物質としては例えばメタノールやアクリロニトリルなどのようにUV吸光度を示さない物質が多く存在するが、これらはUV計では対応し得ない。また、フェノール等はCOD計で検知可能であるが、検出に時間を要し、即時的な対応ができない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、化学工場プラント等のプラント排水に含まれる多種多様な有機汚染物質を迅速かつ的確に、連続的にモニタリングすることができる方法を提供することを課題とする。
[1] プラント排水に含まれる有機汚染物質をモニタリングする方法において、該排水から発生する臭気を検知する臭気センサを設け、該臭気センサの検出結果に基いて、該排水中の有機汚染物質をモニタリングすることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
[2] [1]において、前記排水の排出系統の液面近傍に前記臭気センサの検出部を設けてモニタリングすることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
[3] [1]又は[2]において、前記排水をバブリングしながら前記臭気センサによるモニタリングを行うことを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記排水が化学工場プラントから排出される排水であることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記有機汚染物質が、分子量300以下、沸点100℃以下、或いは炭素数6以上の有機汚染物質であることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
本発明によれば、化学工場プラント等のプラント排水に含まれる多種多様な有機汚染物質を迅速かつ的確に、連続的にモニタリングすることができる。
このため、このモニタリング結果に基いて、有機汚染物質の漏洩を早期に検知して、排水排出口の遮断、排水の回収、再処理といった対策を講じることができ、有機汚染物質漏洩の問題を最低限に抑えることができる。
実験例1の結果を示すグラフである。 実験例2の結果を示すグラフである。 実験例3の結果を示すグラフである。
以下に本発明の排水中有機汚染物質のモニタリング方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明においては、プラント排水に含まれる有機汚染物質をモニタリングする方法において、該排水から発生する臭気を検知する臭気センサを設け、該臭気センサの検出結果に基いて、該排水中の有機汚染物質をモニタリングすることを特徴とする。
本発明で用いる臭気センサとしては特に制限はなく、例えば、市販の熱線型焼結半導体センサなどを用いることができる。
熱線型焼結半導体センサとは、白金線コイル上に金属酸化物を焼結させた構造の検知部を有し、この金属酸化物半導体表面ににおい分子が吸着すると、その吸着量に応じて電気伝導度が上がり、抵抗値が低下する。この抵抗値変化をブリッジ回路の偏差電圧として取り出すようにしたものである。
臭気成分となる有機汚染物質分子の多くは、分子中に電荷の強い偏りを持った極性結合で化学的にも活性が高く、検知部となる半導体の電気抵抗を変える表面酸化反応が活発に進行しているため、上記のような臭気センサで的確に検知することができる。
このような臭気センサによれば、プラント排水中の多くの有機汚染物質を検知することができる。特に、分子量が300以下であるか、沸点が100℃以下であるか、或いは炭素数6以上である有機汚染物質は、臭気センサで検知することが容易である。
なお、エチレングリコール、ジメチルホルムアミドは、それぞれ蒸気圧が7Pa(20℃)、0.33kPa(20℃)と比較的低いために臭気センサでの検知が不可能である。
臭気センサによるモニタリングは、プラント排水の排出系統から排水の一部を分取し、別途設けたサンプリング容器で行うこともできるが、この場合には、サンプリングに要する時間分だけ検知遅れが出る問題があり、またサンプリング設備のためのコストがかかり、有機汚染物質の比重によっては、排水溝の底部に沈降してサンプリングされない場合もあるといった不具合もある。
従って、臭気センサは、排水の排出系統の液面近傍に設けるようにすることが好ましく、従って、例えば、排水溝を流れる排水の液面近傍に臭気センサの検知部を設置して、モニタリングを行うことが好ましい。この場合、排水の液面上の臭気が放散されたり、臭気以外の外気の影響を受けることがないように、例えば、排水の液面上に筒状体を立設し、排水からの臭気が臭気センサの検知部になるべく高濃度の状態で達するような工夫を行うことが好ましい。
なお、検知部は、臭気を検知する部位のみではなく、臭気を含む気体を検知する部位まで導く管等も含む。
また、排水から検知対象の有機汚染物質の臭気が高濃度で放出されるように、排水をバブリングしながら臭気センサによるモニタリングを行うことも好ましい。この場合は、例えば、排水溝を流れる排水に散気管を挿入して空気曝気を行い、この曝気部の上方に上述のような筒状体を立設し、この筒状体内の臭気を臭気センサの検知部によりモニタリングを行えばよい。
なお、臭気センサの検知部は、高濃度ガス雰囲気中に晒されると、検知部の金属酸化物半導体が劣化する場合がある。また、塩素系ガスやオゾンガス、NO、SOに触れると検知部の白金線が腐食を起こしたり、シリコン蒸気により検知部がガラスコーティングされて検知不能となったり、タールの吸着で検知部が検知不能となったりするため、これらの臭気センサを劣化させる阻害物質については十分に管理する必要がある。
本発明は、化学工場プラントから排出される有機汚染物質含有排水のモニタリングに特に有効であり、本発明によれば、排水中の有機汚染物質の存在及びその濃度を迅速かつ的確に、連続的にモニタリングして、有機汚染物質の漏洩対策を早期に講じることができる。
以下に実施例に代わる実験例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下において、臭気センサとしては、新コスモス電機(株)製熱線型焼結半導体臭気センサ「V−819」を用いた。この臭気センサでは、臭気レベルを0〜1000の範囲で示すものであり、レベルが大きい程、臭気が強く、従って、有機汚染物質量が多いと判断される。臭気センサによる測定は、いずれも試験水の水面上のガスを吸引して行った。
また、COD計としては過マンガン酸カリウム法によるものを用いた。
[実験例1]
水に1−プロパノールを各種のTOC濃度(1−プロパノール2.5g/LでTOC濃度1500mg/Lとなる)となるように溶解させた試験水を調製し、TOC濃度と臭気センサによる臭気レベルとの関係を調べ、結果を表1及び図1に示した。
Figure 2014196978
表1及び図1より明らかなように、TOC濃度と臭気センサの測定値には良好な相関が認められた。
[実験例2]
A社化学工場プラントの任意の排水排出ポイントNo.1〜7から排水を採水し、各々の排水について、COD計によりCOD値を測定すると共に、臭気センサによる臭気レベルを調べ、結果を表2及び図2に示した。
Figure 2014196978
表2及び図2より排水のCOD値と臭気センサの測定値には良好な相関が認められた。
図1,2より、予め排水中の有機汚染物質に応じて、有機汚染物質濃度、TOC濃度、或いはCOD値と臭気センサによる臭気レベルとの関係を示す検量線を作製しておき、モニタリング現場において、臭気センサにより測定された臭気レベルから、排水の有機汚染物質濃度を求めることができることが分かる。
[実験例3]
メタノール及び/又はアクリロニトリルを用い、これらを水に溶解させて各種のCOD値の試験水を調製し、これらの試験水を空気噴き込みによるバブリングを行いながら、臭気センサによる測定を行い、COD値と臭気センサの検出感度との関係を調べ、結果を図3に示した。
なお、メタノール1000mg/LはCOD値770mg/Lに相当し、アクリロニトリル1000mg/LはCOD値1130mg/Lに相当する。
図3より、メタノール及びアクリロニトリルは、COD値50mg/Lの低濃度から臭気センサにより検出可能であり、COD排出基準に十分に対応できることが分かる。
なお、上記の臭気センサによる臭気測定において、メタノール、及びアクリロニトリルの90%応答(臭気レベル90%の値)及び100%応答(臭気レベル100%の値)に要する時間を調べたところ、下記表3の通り、応答速度は十分に高く、実用レベルであることが確認された。
Figure 2014196978
また、上記の実験例3において、バブリングの有無と臭気センサの検出感度との関係を調べたところ、バブリングにより検出感度が2割向上することが分かった。
[実験例4]
表4に示す有機汚染物質をそれぞれ水に1000mg/L濃度で溶解させた試験水を調製し、COD計によりCOD値を測定すると共に、臭気センサによる測定を行い、結果を表4に示した。
また、表4には各有機汚染物質の水に対する溶解性と、臭気センサによる感度(応答性)を併記した。ここで、応答性は90%応答が20秒以内の場合を「速い」とし、20秒を超え40秒以内を「若干遅い」とし、40秒を超える場合を「遅い」とした。
Figure 2014196978
表4より明らかなように、ジメチルホルムアミドとエチレングリコールは臭気センサによりモニタリング不可であったが、それ以外の多くの有機汚染物質は、臭気センサにより高感度にかつ迅速にモニタリングすることができる。
一方で、これらの有機汚染物質には、酸化率や溶解性の問題からCOD値として測定できない物質も多い。

Claims (5)

  1. プラント排水に含まれる有機汚染物質をモニタリングする方法において、該排水から発生する臭気を検知する臭気センサを設け、該臭気センサの検出結果に基いて、該排水中の有機汚染物質をモニタリングすることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
  2. 請求項1において、前記排水の排出系統の液面近傍に前記臭気センサの検出部を設けてモニタリングすることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
  3. 請求項1又は2において、前記排水をバブリングしながら前記臭気センサによるモニタリングを行うことを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記排水が化学工場プラントから排出される排水であることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記有機汚染物質が、分子量300以下、沸点100℃以下、或いは炭素数6以上の有機汚染物質であることを特徴とする排水中有機汚染物質のモニタリング方法。
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CN105259326A (zh) * 2015-11-19 2016-01-20 北京汇杰鼎盛科技有限公司 排污控制系统
WO2018232919A1 (zh) * 2017-06-23 2018-12-27 深圳市盛路物联通讯技术有限公司 一种可管控的排污监测方法及系统

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