JP2014197834A - マイクロ波電力増幅器及びマイクロ波電力増幅器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載用に適用することができるマイクロ波電力増幅器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数のトランジスタセル15を並列に接続したマルチフィンガ型の電界効果トランジスタ10と、前記電界効果トランジスタ10に隣接された整合回路51、61と、前記電界効果トランジスタ10と前記整合回路51、61とを電気的に接続する配線板20とを備え、前記配線板20は、前記電界効果トランジスタ10に形成された複数のパッド12、13に対応して設けられた複数のパッド接合用ピラー31、33と、前記整合回路51、61に対応して設けられた単一構造の整合回路接合用ピラー32、34と、前記複数のパッド接合用ピラー31、33を前記整合回路接合用ピラー32、34に接合する複数の配線41、42とを有することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】複数のトランジスタセル15を並列に接続したマルチフィンガ型の電界効果トランジスタ10と、前記電界効果トランジスタ10に隣接された整合回路51、61と、前記電界効果トランジスタ10と前記整合回路51、61とを電気的に接続する配線板20とを備え、前記配線板20は、前記電界効果トランジスタ10に形成された複数のパッド12、13に対応して設けられた複数のパッド接合用ピラー31、33と、前記整合回路51、61に対応して設けられた単一構造の整合回路接合用ピラー32、34と、前記複数のパッド接合用ピラー31、33を前記整合回路接合用ピラー32、34に接合する複数の配線41、42とを有することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、電界効果トランジスタ及び整合回路を含むマイクロ波電力増幅器、並びに電界効果トランジスタ及び整合回路を含むマイクロ波電力増幅器の製造方法に関する。
自動車のエンジンにおいて、点火プラグの放電時に、局所的にマイクロ波を照射してプラズマを生成し燃費効率を上げる検討がなされている(特許文献1)。また排気ガスをマイクロ波照射で熱分解・浄化する検討もなされている(特許文献2)。いずれも車載用マイクロ波電源が必要であるが、従来からマイクロ波電源用素子として用いられているマグネトロンは、寿命が短いため、車載用としては不向きである。このような事情から、小型かつ軽量で高寿命が期待できる、マイクロ波用電界効果トランジスタを用いた車載用マイクロ波電源のニーズが強まっている。特にGaN系HEMT(高電子移動度トランジスタ、High Electron Mobility Transistor)は高出力が期待できるため、マイクロ波電源用としてマイクロ波電力増幅器の実現性が高まっている。
従来、高出力の内部整合型電界効果トランジスタはレーダ、通信用途に使用されてきたが、いずれも静置での動作であり、これまで車載に伴う振動対策がなされたことはなかった。車載用として特に問題となるのは、インピーダンス整合回路の一手段として使用しているボンディングワイヤである。プラズマ励起の周波数は2.45GHzであり、マイクロ波帯においては低周波数であるため、ゲートのボンディングワイヤ(HEMTのゲート電極と整合回路とを接続する配線)はループ状に長い距離を張ることになる。このため、ワイヤが振動により傾く不具合(リーニング現象)が起こりやすく、ワイヤが傾くことによってマイクロ波電力増幅器のマイクロ波特性が不安定となり、やがてワイヤの振動破断に至るおそれがある(特許文献3)。
特許文献4には、ワイヤボンディングを使用しないで配線接続をする技術が開示されている。この技術は、透明の高分子フィルムに配線を形成し、これを屈曲可能な配線フィルムとして電界効果トランジスタ及び隣接する回路に接続するものである。
しかしながら上記特許文献4に記載の技術では、大電力用トランジスタの発熱が考慮されていないため、車載の過酷な環境条件に適用するには不十分である。
そこで本発明は、車載用に適用することができるマイクロ波電力増幅器及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のマイクロ波電力増幅器は、複数のトランジスタセルを並列に接続したマルチフィンガ型の電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタに隣接された整合回路と、前記電界効果トランジスタと前記整合回路とを電気的に接続する配線板とを備え、前記配線板は、前記電界効果トランジスタに形成された複数のパッドに対応して設けられた複数のパッド接合用ピラーと、前記整合回路に対応して設けられた単一構造の整合回路接合用ピラーと、前記複数のパッド接合用ピラーを前記整合回路接合用ピラーに接合する複数の配線とを有することを特徴とする。
本発明のマイクロ波電力増幅器の製造方法は、複数のトランジスタセルを並列に接続したマルチフィンガ型の電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタに隣接された整合回路とを、配線板を介して電気的に接続するマイクロ波電力増幅器の製造方法であって、低温焼結性の金属粒子を焼結させることにより、前記配線板と、前記電界効果トランジスタ及び前記整合回路とを接合することを特徴とする。
本発明によれば、配線部を有する硬質の配線板を介して、電界効果トランジスタを整合回路に接続することとしたので、配線部が振動によって傾くことを防止することができる。また、整合回路接合用ピラーは、それぞれ単一構造であるから、整合回路との接合面積を大きくすることができるので、接合強度を向上することができる。したがってマイクロ波電力増幅器は、耐振動性を向上することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
1.マイクロ波電力増幅器
図1に示すマイクロ波電力増幅器1は、電界効果トランジスタ10、配線板20、整合回路としての第1の入力側整合回路51、第2の入力側整合回路52、整合回路としての第1の出力側整合回路61、第2の出力側整合回路62、及び外囲器70を備える。
図1に示すマイクロ波電力増幅器1は、電界効果トランジスタ10、配線板20、整合回路としての第1の入力側整合回路51、第2の入力側整合回路52、整合回路としての第1の出力側整合回路61、第2の出力側整合回路62、及び外囲器70を備える。
電界効果トランジスタ10は、複数のゲートパッドと複数のドレインパッドとを備えるマルチフィンガ型であり、例えばGaN系HEMTを用いることができ、外囲器70の略中央に配置されている。電界効果トランジスタ10の一側には、配線板20を介して第1の入力側整合回路51が設けられている。この第1の入力側整合回路51は、電界効果トランジスタ10と接続された一側と反対の他側に、ボンディングワイヤ81を介して第2の入力側整合回路52が接続されている。第2の入力側整合回路52は、接続用金属箔83を介して入力側リード91に接続されている。
電界効果トランジスタ10の他側には、前記配線板20を介して第1の出力側整合回路61が設けられている。この第1の出力側整合回路61は、電界効果トランジスタ10と接続された一側と反対の他側に、ボンディングワイヤ82を介して第2の出力側整合回路62が接続されている。第2の出力側整合回路62は、接続用金属箔84を介して入力側リード92に接続されている。
第1、第2の入力側整合回路51、52は、各々誘電率の異なる基板上に形成され、両方で2段の入力側整合回路を構成する。また第1、第2の出力側整合回路61、62は、各々誘電率の異なる基板上に形成され、両方で2段の出力側整合回路を構成する。例えば、第1の入力側整合回路51及び第1の出力側整合回路61は、高誘電率基板上に回路パターンが形成され、また第2の入力側整合回路52及び第2の出力側整合回路62は、アルミナセラミック基板上に回路パターンが形成される。電界効果トランジスタ10として高出力のGaN系HEMTを用いた場合、インピーダンスが相当に低くなるため、限られたスペースで所望のインピーダンス変換比を得るには電界効果トランジスタ10の近傍で集中定数的容量性の整合回路が必要になる。すなわち整合回路は、用いる周波数の波長よりも十分小さい形状の電子部品や十分短い配線長で構成され、かつ、部品間の配線のインピーダンスが無視できるほど小さい容量性回路である必要がある。
第2の入力側整合回路52及び第2の出力側整合回路62の基板厚は、例えば0.25mmとすることができる。また、第1の入力側整合回路51及び第2の出力側整合回路62の基板厚は、例えばGaN系HEMT10の厚さと同じく0.1mmとすることができる。
ボンディングワイヤ81、82はインピーダンス整合の一手段として用いられるものではなく、単に電気的接続のために用いられるものである。したがってボンディングワイヤ81、82は、長さをできるだけ短くすることができる。
電界効果トランジスタ10は、図2に示すように、ソース、ゲート、ドレインからなる複数のフィンガ14に対し、ゲートパッド12とドレインパッド13とを配置したトランジスタセル15を複数有する。電界効果トランジスタ10は、出力設計に応じて、トランジスタセル15を複数、並列に設けることにより、所望の出力を得ることができる。電界効果トランジスタ10の基板厚は放熱も考慮して、例えば0.1mmとすることができる。
配線板20は、図3に示すように、硬質の基板19と、当該基板19上に金属で形成された配線部21を有する。配線部21は、パッド接合用ピラーとしてのゲート接合用ピラー31と、整合回路接合用ピラーとしての入力側接合用ピラー32と、パッド接合用ピラーとしてのドレイン接合用ピラー33と、整合回路接合用ピラーとしての出力側接合用ピラー34と、配線としての入力側配線41及び出力側配線42とを備える。
ゲート接合用ピラー31は、複数のゲートパッド12に対応して基板19の表面に複数、一列に設けられている。ゲート接合用ピラー31は、基端が基板19の表面に接合しており、先端が基板19の表面から突出している柱状部材である。ゲート接合用ピラー31は、基端において入力側配線41の一端に接続されている。入力側配線41の他端は、入力側接合用ピラー32に接合されている。入力側接合用ピラー32は、基板19の表面に、複数のゲート接合用ピラー31に略平行に設けられたリブ状の部材である。すなわち入力側接合用ピラー32は、単一構造を有し、複数の入力側配線41の他端が接続されている。また入力側接合用ピラー32は、第1の入力側整合回路51のレイアウトパターンに対応する形状を有する一体の金属ピラーである。
ドレイン接合用ピラー33は、複数のドレインパッド13に対応して基板19の表面に複数、一列に設けられている。ドレイン接合用ピラー33は、基端が基板19の表面に接合しており、先端が基板19の表面から突出している柱状部材である。ドレイン接合用ピラー33は、基端において出力側配線42の一端に接続されている。出力側配線42の他端は、出力側接合用ピラー34に接合されている。出力側接合用ピラー34は、基板19の表面に、ドレイン接合用ピラー33に平行に設けられたリブ状の部材である。すなわち出力側接合用ピラー34は、単一構造を有し、複数の出力側配線42の他端が接続されている。また出力側接合用ピラー34は、第1の出力側整合回路61のレイアウトパターンに対応する形状を有する一体の金属ピラーである。
基板19としては、誘電率の低い硬質の無機材料が好ましく、ガラスやアルミナセラミックなどが好適である。より好ましくは、さらに誘電率が小さく、軽量な多孔質ガラスや多孔質セラミックを用いることができる。またエポキシ、ポリイミドなどの樹脂基板やカーボン繊維で強化したコンポジット基板、窒化ケイ素基板、窒化アルミ基板なども使用できる。配線部21は、Cuで形成することができる。Cuは抵抗率が小さく、厚めっきが容易なので最適な金属であり得る。Cuで形成された配線部21の上面に、Au膜又はAg膜を形成してもよい。
入力側配線41は、所望のインダクタンスとなるように配線長と幅が決められる。例えば、入力側配線41は、幅10μm、長さ1mm程度にすることができる。本実施形態のマイクロ波電力増幅器1によれば、例えば電磁界シミュレータなどを用いて所望のインダクタンスになるように配線の長さと幅を決定することができるから、ボンディングワイヤでインダクタンスを設定する場合に比べて、より高い精度でインダクタンスを設定することができる。ただし配線板20は誘電体基板上に配線を形成するため、隣接する配線間の高周波結合(カップリング)が存在する。この影響を小さくするには、低誘電率の基板を使用することが望ましい。また配線が並置される場合には、自己インダクタンスの他に相互インダクタンスも考慮する必要があるが、電磁界シミュレータなどを用いることにより、複数ある入力側配線41のインダクタンスを全て同じ値となるように、複数の入力側配線41の各々の形状を個別に決めることも可能である。
上記のように構成された配線板20は、図4に示すように、ゲート接合用ピラー31を対応するゲートパッド12にそれぞれ接合し、入力側接合用ピラー32を第1の入力側整合回路51に接合する。これにより複数のゲートパッド12は、ゲート接合用ピラー31と、入力側配線41と、入力側接合用ピラー32とを介して、第1の入力側整合回路51に電気的に接続される。
またドレイン接合用ピラー33を対応するドレインパッド13にそれぞれ接合し、出力側接合用ピラー34を第1の出力側整合回路61に接合する。これにより複数のドレインパッド13は、ドレイン接合用ピラー33と、出力側配線42と、出力側接合用ピラー34とを介して、第1の出力側整合回路61に電気的に接続される。
配線板20は、図5に示すように、ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34によって、電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第1の出力側整合回路61に対しZ方向側に浮いた状態で、すなわち空間的に離れた状態で支持される。
2.マイクロ波電力増幅器の製造方法
本発明のマイクロ波電力増幅器1の製造方法は、配線板20を形成する工程と、配線板20を電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第1の出力側整合回路61に接合する工程とにより作製することができる。
本発明のマイクロ波電力増幅器1の製造方法は、配線板20を形成する工程と、配線板20を電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第1の出力側整合回路61に接合する工程とにより作製することができる。
配線板20を形成する工程について図6を参照して説明する。まず基板19を用意し、当該基板19上に予め配線パターン(図示しない)を形成しておく。配線パターンは例えば金属ペーストにより厚膜焼成印刷で形成する。次にフォトレジスト23により選択的にCuめっきを行い、入力側配線41及び出力側配線42を形成する(図6A)。Cuめっき厚は、例えば50μm程度である。次いで金属ピラー用のフォトレジスト25を形成し、同様に選択的にCuめっきを行い、ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34を形成する(図6B)。この場合のCuめっき厚は、200〜300μm程度に形成する。その後、平坦研削をしてゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34の高さを例えば200μmに揃える(図6C)。最後にフォトレジスト25を溶解する。このようにして、高さが同じゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34を有する配線板20を形成することができる。
フォトレジスト23、25は厚膜のパターン形成が可能なSU−8(東京応化工業製)が好適である。ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34の高さを均一に揃えるためには、外囲器70にマウントされた電界効果トランジスタ10の厚さと、隣接する第1の入力側整合回路51の基板の厚さと、隣接する第1の出力側整合回路61の基板の厚さとが同じであることが必要となる。ただし、マイクロ波特性の面からそれぞれの基板の厚さを同じにすることが難しい場合には、台座を使用することで容易に高さを合わせることが可能である。
異なる高さのゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34を形成することは可能であるが、この場合には図6B及び図6Cの工程を繰り返すことになり、コスト高になってしまう。従って、ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34の高さを揃えることが望ましい。なお、「金属ピラーの高さを全て同じにする」或いは「全ての金属ピラーの高さを揃える」という表現は、全ての金属ピラーの高さを厳密に等しくすることを意味するわけではない。配線板20の製造工程で通常に生じる寸法誤差が許容されることは当然であり、またこのような寸法誤差が本発明の効果に及ぼす影響は無視できるものである。
次に、配線板20を電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第1の出力側整合回路61に接合する工程について説明する。配線板20と、電界効果トランジスタ10及び整合回路51、61とは、低温焼結が可能で、接合強度が高く、そして抵抗率が小さい低温焼結性の金属粒子を焼結させることにより、接合されている。金属粒子としては、例えばAg粒子、Cu粒子を用いることができる。金属粒子としてAg粒子を用いる場合、例えば、増粘剤と溶剤とAg粒子とを含むAgナノペーストを用いることができる。
ディスペンサを用いて、例えばAgナノペーストを電界効果トランジスタ10のゲートパッド12及びドレインパッド13に滴下する。また、第1の入力側整合回路51と第1の出力側整合回路61のレイアウトパターンにはAgナノペーストを用いて線状印刷をする。次に、配線板20と電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第1の出力側整合回路61との位置合せを行い、ゲート接合用ピラー31及びドレイン接合用ピラー33をゲートパッド12及びドレインパッド13に載せ、入力側接合用ピラー32及び出力側接合用ピラー34を第1の入力側整合回路51と第1の出力側整合回路61のレイアウトパターンに載せる。この状態Agナノペーストに含まれる溶剤を揮発させるための熱処理を行う。100〜120℃、5分間程度のドライベークで溶剤は揮発する。
次いで、金属粒子を焼結するための熱処理を行う。金属粒子の焼結温度(熱処理温度)は、200〜300℃である。これにより、ゲート接合用ピラー31及びドレイン接合用ピラー33をゲートパッド12及びドレインパッド13に接合すると共に、入力側接合用ピラー32及び出力側接合用ピラー34を第1の入力側整合回路51と第1の出力側整合回路61のレイアウトパターンに接合する。
以上のようにして配線板20を電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第1の出力側整合回路61に接合することにより、マイクロ波電力増幅器1を製造することができる。
なお接合に係る全ての部材には寸法誤差があるが、ペーストの成形性を利用して接合層を確保することができる。ペーストの粘度が高ければ微細パターンでも厚く形成することができるので、30〜40μmの寸法バラツキ(各基板の厚さバラツキ)を吸収することができる。以上説明したように、Agナノペーストなどの低温焼結性金属ナノペーストに匹敵する他の代替手段を見いだすことは現時点では難しい。例えば導電性樹脂では接合強度及び抵抗率が共に低く、また共晶半田では寸法バラツキの吸収に限度があり、さらにフラックスを使用するため半導体を汚すおそれがある。
Agナノペーストは、TG−DTA(示差熱−熱重量同時測定)で約200℃にピークが見られるAgナノペーストを使用することができる。このAgナノペーストの粘度は230Pa・sである。Agナノペーストとしては、例えば(株)応用ナノ粒子研究所(製品名:アルコナノ銀ペースト、Agナノ粒子の平均粒子径:1nmから100nm(35mass%以上)、Ag微粒子の平均粒子径:300nmから2μm(60mass%)、増粘剤:イソボロニルシクロヘキサノール、溶剤:デカノール)のAgナノペーストを用いることができる。このAgナノペーストを用いて、CuブロックとAu膜を形成したベース板とを200℃において無加圧で接合すると、約30MPaの接合強度が得られた。この接合強度に基づいて接合面積に対する耐荷重を計算した結果を図7に示す。ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34の総接合面積を約0.6mm2(電界効果トランジスタの寸法は5.5mm×1mm程度)に設計する場合には、図7に示すように耐荷重(接合破断荷重)は約1.7kgfとなる。アルミナセラミックを使用した配線板20の重量は約6mgと見積もることができるので、配線板20の重量に対して約30万倍の耐荷重がある。図7から明らかなように、接合面積を増やしていくと耐荷重も増えるので、本発明のAgナノペーストによる接合が振動対策に対して有効な構造及び手法であることが分かる。
ボンディングワイヤに用いられる直径25μmのAu線の超音波・熱圧着の接合強度は30〜40MPa(下地がAuの場合)であり、Agナノペーストを使用した接合強度は概ねこれに匹敵する。上述したように、ループ形状のボンディングワイヤの振動による不具合は、先ずループ倒れ(リーニング現象)が起こり、やがてネック部の振動破断に至る。
これに対し本実施形態の場合、金属ピラーの接合面積を増やしたり、配線板を軽量化したりするなどにより、ゲート接合用ピラー31及びドレイン接合用ピラー33とゲートパッド12及びドレインパッド13との接合、入力側接合用ピラー32及び出力側接合用ピラー34と、第1の入力側整合回路51及び第1の出力側整合回路61のレイアウトパターンとの接合における振動破断を防止することができる。
またCuで形成された配線部21の上面に、Au膜又はAg膜を形成しておくことにより、Agナノペーストの接合性がさらに向上するので、ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34の接合強度のバラツキを低減することができる。
3.作用及び効果
本実施形態に係るマイクロ波電力増幅器1は、インピーダンス整合の一手段としてループ状の長いボンディングワイヤを用いずに、配線部21を有する硬質の配線板20を介して、電界効果トランジスタ10を第1の入力側整合回路51及び第2の出力側整合回路61に接続することとした。これによりマイクロ波電力増幅器1は、配線部21が振動によって傾くことを防止することができるので、高周波特性の劣化や振動破断などの不具合を回避することができる。また、入力側接合用ピラー32及び出力側接合用ピラー34は、それぞれ単一構造であるから、第1の入力側整合回路51及び第1の出力側整合回路61との接合面積を大きくすることができるので、接合強度を向上することができる。したがってマイクロ波電力増幅器1は、耐振動性を向上することができる。
本実施形態に係るマイクロ波電力増幅器1は、インピーダンス整合の一手段としてループ状の長いボンディングワイヤを用いずに、配線部21を有する硬質の配線板20を介して、電界効果トランジスタ10を第1の入力側整合回路51及び第2の出力側整合回路61に接続することとした。これによりマイクロ波電力増幅器1は、配線部21が振動によって傾くことを防止することができるので、高周波特性の劣化や振動破断などの不具合を回避することができる。また、入力側接合用ピラー32及び出力側接合用ピラー34は、それぞれ単一構造であるから、第1の入力側整合回路51及び第1の出力側整合回路61との接合面積を大きくすることができるので、接合強度を向上することができる。したがってマイクロ波電力増幅器1は、耐振動性を向上することができる。
また配線板20は硬質の基板19で形成されていることにより、従来の高分子フィルムに配線を形成したフレキシブル配線基板に比べ、耐熱性を向上することができる。
以上により、本実施形態に係るマイクロ波電力増幅器1は、耐振動性及び耐熱性を向上することができるので、車載用に適用することができる。
本実施形態の場合、配線板20は、ドレイン接合用ピラー33の径を大きくすることができるので、接合強度と溶断電流の面から有効である。同様に、出力側配線42の幅を大きくすることも有効である。
配線部21は、ゲート接合用ピラー31、入力側接合用ピラー32、ドレイン接合用ピラー33、及び出力側接合用ピラー34で形成されていることにより、入力側配線41及び出力側配線42の長さ及び幅を所望のインダクタンスになるように設定することができる。したがってマイクロ波電力増幅器1は、高周波特性を向上することができる。
またマイクロ波電力増幅器1は、高い接合強度を有する低温焼結性の金属粒子を用いて配線板20を、電界効果トランジスタ10、第1の入力側整合回路51、及び第2の出力側整合回路52に接合することとした。低温焼結性の金属粒子は200℃程度で焼結するので、接合の際に、マイクロ波電力増幅器1を構成する各部材の熱膨張係数の差により発生する応力を低減することができる。また、低温焼結性の金属粒子としてAg粒子は抵抗率が小さいから、接合部分の電気抵抗を低減することができる。
4.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。例えば本実施形態の場合、電界効果トランジスタ10は、GaN系HEMTを適用し得ることについて説明したが、本発明はこれに限らず、Si−LDMOSやDiamond FET、Ga2O3系FETなど、マイクロ波用途の高耐圧・高出力デバイスに適用し得ることはいうまでもない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。例えば本実施形態の場合、電界効果トランジスタ10は、GaN系HEMTを適用し得ることについて説明したが、本発明はこれに限らず、Si−LDMOSやDiamond FET、Ga2O3系FETなど、マイクロ波用途の高耐圧・高出力デバイスに適用し得ることはいうまでもない。
1 マイクロ波電力増幅器
10 電界効果トランジスタ
12 ゲートパッド
13 ドレインパッド
14 フィンガ
15 トランジスタセル
19 基板
20 配線板
21 配線部
23 フォトレジスト
25 フォトレジスト
31 ゲート接合用ピラー(パッド接合用ピラー)
32 入力側接合用ピラー(整合回路接合用ピラー)
33 ドレイン接合用ピラー(パッド接合用ピラー)
34 出力側接合用ピラー(整合回路接合用ピラー)
41 入力側配線(配線)
42 出力側配線(配線)
51 第1の入力側整合回路(整合回路)
52 第2の入力側整合回路
61 第1の出力側整合回路(整合回路)
62 第2の出力側整合回路
70 外囲器
81 ボンディングワイヤ
82 ボンディングワイヤ
83 接続用金属箔
84 接続用金属箔
91 入力側リード
92 入力側リード
10 電界効果トランジスタ
12 ゲートパッド
13 ドレインパッド
14 フィンガ
15 トランジスタセル
19 基板
20 配線板
21 配線部
23 フォトレジスト
25 フォトレジスト
31 ゲート接合用ピラー(パッド接合用ピラー)
32 入力側接合用ピラー(整合回路接合用ピラー)
33 ドレイン接合用ピラー(パッド接合用ピラー)
34 出力側接合用ピラー(整合回路接合用ピラー)
41 入力側配線(配線)
42 出力側配線(配線)
51 第1の入力側整合回路(整合回路)
52 第2の入力側整合回路
61 第1の出力側整合回路(整合回路)
62 第2の出力側整合回路
70 外囲器
81 ボンディングワイヤ
82 ボンディングワイヤ
83 接続用金属箔
84 接続用金属箔
91 入力側リード
92 入力側リード
Claims (3)
- 複数のトランジスタセルを並列に接続したマルチフィンガ型の電界効果トランジスタと、
前記電界効果トランジスタに隣接された整合回路と、
前記電界効果トランジスタと前記整合回路とを電気的に接続する配線板と
を備え、
前記配線板は、
前記電界効果トランジスタに形成された複数のパッドに対応して設けられた複数のパッド接合用ピラーと、
前記整合回路に対応して設けられた単一構造の整合回路接合用ピラーと、
前記複数のパッド接合用ピラーを前記整合回路接合用ピラーに接合する複数の配線と
を有することを特徴とするマイクロ波電力増幅器。 - 前記配線板は、前記電界効果トランジスタ上に空間的に離れた状態で支持されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波電力増幅器。
- 複数のトランジスタセルを並列に接続したマルチフィンガ型の電界効果トランジスタと、
前記電界効果トランジスタに隣接された整合回路とを、配線板を介して電気的に接続するマイクロ波電力増幅器の製造方法であって、
低温焼結性の金属粒子を焼結させることにより、前記配線板と、前記電界効果トランジスタ及び前記整合回路とを接合することを特徴とするマイクロ波電力増幅器の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014023615A JP2014197834A (ja) | 2013-03-07 | 2014-02-10 | マイクロ波電力増幅器及びマイクロ波電力増幅器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013065066 | 2013-03-07 | ||
| JP2013065066 | 2013-03-07 | ||
| JP2014023615A JP2014197834A (ja) | 2013-03-07 | 2014-02-10 | マイクロ波電力増幅器及びマイクロ波電力増幅器の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014197834A true JP2014197834A (ja) | 2014-10-16 |
Family
ID=52358338
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2014023615A Pending JP2014197834A (ja) | 2013-03-07 | 2014-02-10 | マイクロ波電力増幅器及びマイクロ波電力増幅器の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014197834A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3101268A1 (de) * | 2015-06-01 | 2016-12-07 | MWI Micro Wave Ignition AG | Mikrowellenpulszündgenerator für eine verbrennungskraftmaschine |
-
2014
- 2014-02-10 JP JP2014023615A patent/JP2014197834A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| EP3101268A1 (de) * | 2015-06-01 | 2016-12-07 | MWI Micro Wave Ignition AG | Mikrowellenpulszündgenerator für eine verbrennungskraftmaschine |
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