JP2014198435A - 保護層転写シート、及び中間転写媒体 - Google Patents

保護層転写シート、及び中間転写媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】転写時の箔切れ性、及び転写性が良好であり、かつ熱転写画像に十分な耐久性を付与することができる保護層転写シートや中間転写媒体を提供すること。【解決手段】基材1の一方の面に、当該基材1から剥離可能な転写層20が設けられた保護層転写シート100であって、転写層20は、基材1側から剥離層2、保護層3がこの順で積層されてなり、剥離層2は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、保護層3は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有している。【選択図】図1

Description

本発明は、保護層転写シート、及び中間転写媒体に関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できるという理由から、昇華転写方式により被転写体上に熱転写画像を形成することが広く行われている。被転写体上に熱転写画像が形成された印画物としては、デジタル写真や、身分証明書、運転免許証、会員証等多く分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式による熱転写画像の形成には、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、被転写体、例えば、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートが使用される。そして、被転写体と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から熱を印加して3色または4色の多数の色ドットを、被転写体上に移行させることにより、被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。このような昇華転写方式によれば、熱転写シートに印加するエネルギー量によって染料の移行量を制御出来るため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
近時、熱転写受像シート以外の任意の被転写体上に、熱転写画像が形成された印画物を得たいとの要求に対応すべく、基材上に受容層が剥離可能に設けられた中間転写媒体が提案されている(例えば、特許文献1)。この中間転写媒体によれば、熱転写シートの染料層の染料を、中間転写媒体の受容層上に転写して熱転写画像を形成し、その後に中間転写媒体の背面側を加熱して、受容層を任意の被転写体上に転写することができ、任意の被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。
昇華転写方式により熱転写受像シートの受容層上に熱転写画像を形成することで得られる印画物、或いは、昇華転写方式により中間転写媒体の受容層に熱転写画像を形成し、この受容層を任意の被転写体上に再転写することで得られる印画物は、当該印画物の最表面に、熱転写画像が形成された受容層が位置することとなる。しかしながら、昇華転写方式で受容層上に形成される熱転写画像は、上記の如く階調性画像の形成に優れるものの、形成された印画物は通常の印刷インキによるものとは異なり、染料が顔料でなく比較的低分子量の染料であり且つビヒクルが存在しないため、耐可塑剤性、耐摩耗性、耐溶剤性等の耐久性に劣るといった欠点を有する。
そこで、近時、熱転写画像が形成された熱転写受像シートの受容層と、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて保護層を転写させ、熱転写画像が形成された受容層上にさらに保護層を形成する方法が用いられている。このように熱転写画像が形成された受容層上にさらに保護層を形成することで、熱転写画像の耐久性を向上させることができる。例えば、特許文献2には、基材上に、剥離層、保護層、受容層兼接着層が設けられた中間転写媒体が提案されている。この中間転写媒体によれば、任意の基材上に、熱転写画像が形成された受容層、保護層を転写した時に、熱転写画像が形成された受容層の表面に保護層が位置することから、熱転写画像に耐久性を付与することができる。
特開昭62−238791号公報 特開2004−351656号公報
しかしながら、耐久性の向上を主目的とする保護層を用いた場合には、保護層の箔切れ性が悪く、保護層転写シートの保護層、或いは熱転写画像が形成された中間転写媒体の受容層、及び保護層を、被転写体上に転写する際、転写される保護層に尾引きの発生や、転写部分の端部で転写不良が生じることとなる。箔切れ性を向上させるために、保護層の膜厚を下げることも考えられるが、保護層の膜厚を下げた場合には、耐久性が低下してしまう問題が生ずることとなる。
保護層に要求される重要な機能としては耐久性とともに箔切れ性が挙げられるものの、上記のように耐久性と箔切れ性はトレードオフの関係にあり、保護層の耐久性を向上させようとした場合には保護層の箔切れ性が低下する。このことから、1つの保護層で耐久性と箔切れ性の双方を満足させることができていないのが現状である。また、保護層の基材からの離型性が低い場合には、部分的に保護層が転写されない問題などを生じさせる場合もあり、保護層の基材からの離型性を向上させることも重要である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、転写層の箔切れ性や転写性が良好で、かつ熱転写画像に十分な耐久性を付与することができる保護層転写シート、及び中間転写媒体を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に、当該基材から剥離可能な転写層が設けられた保護層転写シートであって、前記転写層は、前記基材側から剥離層、保護層がこの順で積層されてなり、前記剥離層は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、前記保護層は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする。
また、上記保護層転写シートにおいて、前記アクリル系ポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)が、8000以上70000以下の範囲内であってもよい。また、前記アクリル系ポリオール樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を硬化剤によって硬化せしめたアクリル系ポリオール樹脂であってもよい。また、前記アクリル系ポリオール樹脂の水酸基価が、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下の範囲内であってもよい。
また、前記硬化剤が、XDI系、HMDI系、IPDI系の群から選択されるイソシアネート系硬化剤であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に、当該基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体であって、前記転写層は、前記基材側から剥離層、保護層、受容層がこの順で積層されてなり、前記剥離層は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、前記保護層は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする。
本発明の保護層転写シート、及び中間転写媒体によれば、当該保護層転写シート、及び中間転写媒体に含まれる保護層に、トレードオフの関係にある箔切れ性と、耐久性の双方を付与することができ、保護層転写シートにおいては、熱転写画像が形成された受容層上に保護層を転写する際の転写層の箔切れ性が良好であり、熱転写画像が形成された印画物に高い耐久性を付与することができる。また、中間転写媒体においては、熱転写画像が形成された受容層、及び保護層を、任意の基材上に転写する際の保護層の箔切れ性が良好で、かつ受容層上に形成された熱転写画像に高い耐久性を付与することができる。
本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。
<<保護層転写シート>>
以下に、本発明の保護層転写シート10について詳細に説明する。図1は、本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。図1、図2に示すように、本発明の保護層転写シート10は、基材1の一方の面上に、当該基材1から剥離可能な転写層20が設けられており、当該転写層20は、基材1側から、剥離層2、保護層3がこの順で積層されてなる積層構造を呈している。基材1、及び転写層20に含まれる剥離層2、保護層3は、本発明の保護層転写シート10における必須の構成である。
ここで、本発明の保護層転写シート10は、転写層20に含まれる剥離層2が、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、保護層が、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有している点を特徴とする。この特徴を有する本発明の保護層転写シート10によれば、転写層20の転写性や、箔切れ性に優れ、かつ、転写層20が転写された印画物に十分な耐久性を付与することができる。
本発明の保護層転写シート10は、図1に示す形態に限定されるものではなく、基材1と転写層20との間や、基材1の他方の面上に任意の層が設けられていてもよい。図1、図2では、基材1の他方の面上に任意の背面層5が設けられている。また、転写層20は、必須の構成である剥離層2、保護層3以外に任意の層を含んでいてもよい。例えば、図2に示すように、転写層20が、基材1側から、剥離層2、保護層3、接着層4がこの順で積層された構成をとっていてもよい。また、剥離層2と、保護層3との間に、任意の層が含まれていてもよい。以下、本発明の保護層転写シート10の各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材1は本発明の保護層転写シート10における必須の構成であり、転写層20、及び基材1の他方の面上に任意に設けられる背面層5を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、転写層20を被転写体上に転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材1として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5〜100μm程度が一般的である。
(転写層)
基材1上に設けられている転写層20は、熱転写時に、基材上から剥離され被転写体上に転写される層である。本発明では、転写層20は、剥離層2、保護層3を必須の層として含んでおり、転写層20は、図1、図2に示すように、基材1側から、剥離層2、保護層3がこの順で積層されてなる積層構成をとる。転写層20は、剥離層2、保護層3以外の任意の層を含んでいてもよく、例えば、図2に示すように、接着層が含まれていてもよい。また、剥離層2と保護層3との間に任意の層が含まれていてもよい。
上記剥離層2、保護層3を含む転写層20には、(1)当該転写層20を、被転写体上に転写するときに良好な箔切れ性を有していること、(2)耐熱性や、耐摩耗性、耐可塑剤性、耐溶剤性等の耐久性(以下、単に耐久性という。)を有していること、(3)転写層20の基材からの離型性が良好であることが要求されている。ところで、転写層20の箔切れ性と、耐久性は、トレードオフの関係にあり、箔切れ性の向上を主眼とした場合には、転写層20に十分な耐久性を付与することができず、一方で、耐久性の向上を主眼とした場合には、転写層20の箔切れ性が低下するといった問題がある。そこで、本発明では、転写層20に要求される上記(1)〜(3)の要求を満たすべく、転写層20に含まれる剥離層2、及び保護層3が、以下で説明する特徴を有している。以下、剥離層2、保護層3について具体的に説明する。
(保護層)
図1、図2に示すように、転写層20には、必須の層として保護層3が含まれており、当該保護層3は、後述する剥離層2上に直接的、又は間接的に設けられている(図示する形態では剥離層2上に直接的に設けられている)。なお、保護層3は、熱転写時に被転写体上に転写される層である。
本発明では、転写層20を構成する保護層3に、アクリル系ポリオール樹脂が含有されている。本願明細書におけるアクリル系ポリオール樹脂とは、水酸基を有するアクリル系樹脂を意味し、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを1種又は2種以上と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを1種又は2種以上と、更に必要に応じ、スチレン等のその他の重合性モノマー1種又は2種以上とを共重合させて得られるアクリル系ポリオール樹脂を挙げることができる。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート−エチルヘキシル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
アクリル系ポリオール樹脂のガラス転移温度(Tg)は、アクリル系ポリオール樹脂を含有する保護層3に付与される耐久性と密接的な関係を有している。ここで、保護層3の説明にあたり、基材1から剥離可能に設けられた転写層が、保護層のみからなる転写層であると仮定した時の耐久性について説明する。保護層のみからなる単層の転写層にガラス転移温度(Tg)が50℃未満のアクリル系ポリオール樹脂のみを含有せしめた場合には、保護層のみからなる単層の転写層に、十分な耐久性を付与することができない。
また、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満のアクリル系ポリオール樹脂を十分に硬化させた場合であっても、耐摩耗性、耐可塑剤性、耐溶剤性等の耐久性は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂よりも低いものとなる。
つまり、単層の転写層に、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満のアクリル系ポリオール樹脂のみを含有せしめる場合には、当該アクリル系ポリオール樹脂が硬化剤によって硬化されているか否かにかかわらず、耐久性の要求を満たすことができない。
そこで、本発明では、転写層20に含まれる保護層3が、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする。ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂は、転写層20を構成する保護層3に耐久性を付与することを主眼として含有される成分であり、保護層3の耐久性を向上させることで、転写層20全体の耐久性を向上させている。以下、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂のことを、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」という場合がある。なお、本願明細書において、ガラス転移温度(Tg)とは、Foxの理論計算式に基づき求められる温度(ケルビン(K))を、摂氏(℃)換算したものである。
「特定のアクリル系ポリオール樹脂」は、当該「特定のアクリル系ポリオール樹脂」が硬化剤によって硬化されているか否かに関わらず、また、硬化剤による硬化の度合に関わらず、転写層20に十分な耐久性を付与することができる。
なお、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」は未硬化のものであっても、当該未硬化の「特定のアクリル系ポリオール樹脂」と、剥離層2とを含む転写層20の耐久性は、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満のアクリル系ポリオール樹脂を硬化剤によって完全に硬化せしめたアクリル系ポリオール樹脂を含有している単層の転写層よりも高くなる。
転写層20の耐久性のさらなる向上を目的とする場合には、保護層3は、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を硬化剤によって硬化せしめた硬化型のアクリル系ポリオール樹脂が含有していることが好ましい。以下、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を硬化剤によって硬化せしめた硬化型のアクリル系ポリオール樹脂のことを、「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」という場合がある。「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」を含有する保護層3によれば、転写層20の耐久性をさらに向上させることができる。
保護層3に、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」、「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」が含有されているか否かは、例えば、赤外線吸収(FT−IR)分析により特定することができる。具体的には、保護層を測定したときに、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの吸収の有無によって、保護層3に含有されている樹脂が、アクリル系の樹脂であるかを特定することができ、また、硬化剤として、イソシアネート系硬化剤を用いる場合には、イソシアネート基と水酸基とが反応したウレタン結合や、未反応残存イソシアネートの吸収の有無によって、硬化型アクリル系ポリオール樹脂であるか否かを特定することができる。これ以外にも、赤外分光(IR)測定によって、水酸基と結合した別のピークが検出されるか否かによっても硬化型アクリル系ポリオール樹脂であるか否かを特定することができる。さらに、これらの測定によって、保護層3にアクリル系ポリオール樹脂、硬化型アクリル系ポリオール樹脂が含有されていると特定された場合には、当該吸収、或いはピークとなるアクリル系ポリオール樹脂、硬化型アクリル系ポリオール樹脂を別途準備し、この別途準備したアクリル系ポリオール樹脂、硬化型アクリル系ポリオール樹脂のガラス転移温度(Tg)を測定することによって、保護層3に含有されているアクリル系ポリオール樹脂、硬化型アクリル系ポリオール樹脂のガラス転移温度(Tg)を特定することができる。
「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の分子量について特に限定はないが、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の重量平均分子量(Mw)が8000未満である場合には、保護層3を含む転写層20の耐久性が低下する傾向にある。本発明では、後述する剥離層2によって、転写層20全体の箔切れ性の向上が図られているが、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の重量平均分子量(Mw)が70000を超える場合には、転写層20の箔切れ性が低下していく傾向にある。この点を考慮すると、保護層3は、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」として、重量平均分子量(Mw)が8000以上70000以下のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることが好ましい。特には、保護層3は、重量平均分子量(Mw)がこの範囲内の「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を硬化剤によって硬化せしめた「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」を含有していることがより好ましい。なお、このことは、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の分子量を限定するものではなく、上記好ましい範囲外の分子量であっても、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満のアクリル系ポリオール樹脂や、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂以外のポリオール樹脂を保護層に含有せしめた場合と比較して、保護層3、剥離層2を含む転写層20に付与される耐久性や、転写性、箔切れ性などの印画適性は良好となる。また、重量平均分子量(Mw)が上記好ましい範囲を下回る場合であっても、当該重量平均分子量のアクリル系ポリオール樹脂を、硬化剤によって硬化せしめることで、重量平均分子量が上記好ましい範囲内のアクリル系ポリオール樹脂と同等の耐久性を付与することができる。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値を意味する。
また、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の水酸基価は、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下の範囲内であることが好ましい。水酸基価がこの範囲内である「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を用いることで、硬化の度合にかかわらず、転写層20全体としての箔切れ性を満足させることができ、かつ、耐久性の更なる向上を図ることができる。本発明では、剥離層2によって転写層20全体の箔切れ性の向上が図られているが、水酸基価が100mgKOH/gを超える「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を、硬化剤によって十分に硬化させた場合には、当該「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を含有する保護層3の膜が脆くなり、転写層20全体としての箔切れ性が低下していく傾向にある。一方、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の水酸基価が10mgKOH/g未満である場合には、当該「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を完全に硬化させた場合であっても、未硬化のものと耐久性は殆ど変わらず、転写層20全体としての耐久性のさらなる向上を図ることができない。
なお、本願明細書において、アクリル系ポリオール樹脂の「水酸基価」とは、アクリル系ポリオール樹脂1g中に含まれる水酸基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数を意味する。水酸基価は、アクリル系ポリオール樹脂を、無水酢酸を含むピリジン溶液とし、水酸基をアセチル化させ、過剰のアセチル化試薬を水によって加水分解し、生成した酢酸を水酸化カリウムで滴定を行うことで求めることができる。
上記「特定のアクリル系ポリオール樹脂」とするための硬化剤としては、イソシアネート系硬化剤や、チタンキレート剤、ジルコニウムキレート剤、アルミニウムキレート剤などの金属キレート剤を好適に用いることができる。イソシアネート系硬化剤は、水酸基を有するアクリル系ポリオール樹脂を、その水酸基を利用して架橋させるものである。イソシアネート系硬化剤としてはポリイソシアネート樹脂を好ましく使用することができる。ポリイソシアネート樹脂としては、従来種々のものが知られているが、そのうち芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
上記イソシアネート系硬化剤は、XDI系、HMDI系、IPDI系の群から選択されるイソシアネート系硬化剤であることが好ましい。これらのイソシアネート系硬化剤を用いて、アクリル系ポリオール樹脂を硬化せしめることで、「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」を含有する保護層3が黄変してしまうことを防止することができる。なお、これらの群から選択されるイソシアネート系硬化剤以外のイソシアネート系硬化剤、例えば、TDI系、MDI系のイソシアネート系硬化剤によって、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を硬化せしめた場合には、当該「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」を含有する保護層3が黄変してしまい、当該保護層3を含む転写層20が転写された印画物の外観が低下する場合がある。
上記で説明したように、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」は、未硬化の状態で、当該アクリル系ポリオール樹脂を含有する保護層3を含む転写層20に十分な耐久性を付与することができ、特に、「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」においては、この硬化の度合いが低い場合であっても極めて高い耐久性を、保護層3を含む転写層20に付与することができる。なお、アクリル系ポリオール樹脂の水酸基価によっては、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の硬化を進行させていった場合に、保護層3が脆くなる傾向にあることから、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を硬化剤によって硬化せしめる場合には、この点を考慮して硬化度の調整を行うことが好ましい。
具体的には、イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基と、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」が有する水酸基とのモル当量比(―NCO/−OH)が0.2以上3.0以下の範囲内で硬化されていることが好ましい。
保護層3の固形分総量に対する、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」及び/又は「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」の含有量について特に限定はなく、他の任意の成分等の含有量に応じて適宜設定することができる。なお、保護層3の固形分総量に対する、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」及び/又は「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」の含有量が30質量%未満である場合には、転写層20全体としての耐久性を十分に満足させることができない場合がある。この点を考慮すると、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」及び/又は「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」は、保護層3の固形分総量に対し30質量%以上の割合で含有されていることが好ましく、50質量%以上の割合で含有されていることがより好ましく、75質量%以上が特に好ましい。なお、上限値について特に限定はなく、100質量%である。
保護層3は、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」、或いは「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」を単独で含有していてもよく、双方を含有していてもよい。また、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上であるとの条件を満たすものであれば、ガラス転移温度(Tg)が異なる、2種以上の「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を含有していてもよい。また、保護層3は、水酸基価や、重量平均分子量が異なる2種以上の「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を含有していてもよい。この場合、これらの「特定のアクリル系ポリオール樹脂」の合計質量が、保護層3の固形分総量に対し、上記好ましい含有量の範囲内となっていることが好ましい。
(他の任意の成分)
保護層3は、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」や「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」とともに、他の任意の成分を含有していてもよい。例えば、図1に示す形態において、転写層20が転写される被転写体側で、接着性を満たすための対策が取られていない場合には、保護層3に、被転写体との接着性が要求される。したがって、この形態では、保護層3に、接着性を有する成分が含有されていることが好ましい。なお、被転写体側に、保護層3との接着性を満たす対応をとる、例えば、被転写体上に接着層を設けることもでき、この場合には、保護層3に接着性を有する材料が含まれていることを必ずしも要しない。また、後述するように、図1に示す形態における保護層3に要求される役割を、図2に示すように、別途の層によって補うこともできる。例えば、保護層3上に、被転写体との接着性に対する要求を満たすことができる接着層4を設ける場合には、被転写体との接着性を有する成分を保護層3に含有させることを必ずしも要しない。
なお、任意の成分は、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」や「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」によって付与される耐久性を損なわない範囲で含有されていることが必要であり、具体的には、任意の成分の含有量は、保護層3の固形分総量に対し、70質量%以下であることが好ましい。以下、任意の成分について説明する。
「被転写体との接着性を有する成分」
被転写体との接着性を有する成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂等を主成分とする従来既知の接着剤が広く使用できる。
「耐擦過性を有する成分」
耐擦過性を有する成分としては、例えば、メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等が挙げられる。なかでも、紫外線吸収性樹脂は、耐擦過性に特に優れる点で好適に使用することができる。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
「その他任意の成分」
また、保護層3には、上記で例示した任意の成分以外に、他の任意の成分が含有されていてもよい。他の任意の成分としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系、酸化チタン、酸化亜鉛などの公知の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系、Niキレート系などの光安定剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系、ラクトン系などの酸化防止剤等を挙げることができる。これらの任意の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いることもできる。
また、保護層3の耐擦過性の更なる向上を目的として、保護層3に滑剤を含有してもよい。滑剤としては、例えば、変性シリコーンオイル、シリコーン変性樹脂などのシリコーン類、ステアリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸類、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、カルバナワックス、パラフィンワックスなどを挙げることができる。
保護層3の形成方法については特に制限はなく、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」及び/又は「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」、必要に応じて添加される任意の成分を、適当な溶剤に溶解または分散させた保護層用塗工液を調製し、この保護層用塗工液を、後述する剥離層2上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。保護層3の厚みについて特に限定はなく、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」や「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」による耐久性を十分に発揮できる厚みの範囲内で適宜設定することができる。好ましくは、0.5μm以上10μm以下の範囲内である。
(剥離層)
図1、図2に示すように、転写層20には、必須の層として剥離層2が含まれており、当該剥離層2は、基材1と上記保護層3との間に設けられている。なお、剥離層2は、熱転写時に被転写体上に転写される層である。
転写層20の耐久性を満足させるべく、上記では保護層3に、「特定のアクリル系ポリオール樹脂」や「特定の硬化型アクリル系ポリオール樹脂」が含有されている実施形態について説明を行ったが、当該保護層3のみからなる転写層とした場合には、転写層の転写性が不十分となる場合や、転写層の箔切れ性が不十分となる場合がある。そこで、本発明では、転写層20を構成する層として以下の特徴を有する剥離層2が設けられており、この剥離層2によって、転写層20の転写性、及び転写層20の箔切れ性の向上が図られている。具体的には、剥離層2が、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有していることを特徴とする。この特徴を有する剥離層2を含む転写層20によれば、転写層20の転写性を向上させることができ、かつ転写層20の箔切れ性に優れる。さらに、上記保護層3との相乗効果によって転写層20が転写された印画物に高い耐久性を付与することができる。
ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有している剥離層2によって、転写層20全体の箔切れ性の向上が図られる詳細なメカニズムは現在のところ必ずしも明らかではないが、転写層20の箔切れ性は、転写層20を構成する層のうち、基材に最も近い位置に存在する層の箔切れ性に大きく影響を受けると考えられており、基材1との密着性や、転写層20の転写時における、基材1からの転写性(離型性、剥離性という場合もある。)が、箔切れ性と密接的な関連を有しているものと推察される。ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有している剥離層2は、転写層20の転写前における基材1との密着性が適度に保たれており、また、転写性にも優れることから、剥離層2自体の箔切れ性自体が良好であり、剥離層2上に設けられている保護層3も、この剥離層2の良好な箔切れ性に追従することで、転写層20全体としての箔切れ性の向上が図られているものと推察される。
なお、上記で説明した保護層3と、従来公知の剥離層とを組合せた転写層とした場合には、転写層20の転写性が不十分となる場合がある。従来公知の剥離層として、転写性に優れるものも存在しているが、転写性に優れる従来公知の剥離層を用いた場合には、転写層20の箔切れ性を十分に満足させることができない場合や、耐久性を十分に満足させることができない場合がある。つまり、上記で説明した「特定のアクリル系ポリオール樹脂」を含む保護層3と、従来公知の剥離層とを含む転写層では、転写層の転写性、及び箔切れ性、並びに、耐久性の全ての要求を同時に満足させることができない。
また、上記特徴を有する剥離層2と、従来公知の保護層とを組合せた転写層とした場合には、転写層の転写性は良好であるものの、印画物に付与される耐久性も低いものとなる。また、保護層に含有されている成分によっては、保護層自体の箔切れ性が悪く、上記特徴を有する剥離層2と組合せた場合であっても、転写層全体の箔切れ性を十分に満足させることができない場合がある。なお、従来公知の保護層には、耐久性に優れるものも存在しているが、耐久性に優れる従来公知の保護層と、上記特徴を有する剥離層2とを組合せた転写層では、箔切れ性が著しく低下する。このことは、後述する、実施例、及び比較例の結果からも明らかとなっている。
「ポリエステル系樹脂」
本願明細書で言うポリエステル系樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを意味する。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。さらに本発明で用いるポリエステル系樹脂は、3種類以上の多価カルボン酸や多価アルコールの共重合であってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。また、本願明細書で言うポリエステル系樹脂には、上記ポリエステル系樹脂の変性物も含まれる。ポリエステル系樹脂の変性物としては、例えば、ポリエステルウレタン樹脂などを挙げることができる。ポリエステル系樹脂の変性物の一例であるポリエステルウレタン樹脂は、市販品をそのまま用いることができ、市販品としては、例えば、東洋紡(株)製のURシリーズ等を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂としては、重量平均分子量(Mn)が、2000以上25000以下のものが好適である。また、ガラス転移温度(Tg)が、40℃以上90℃以下のものが好適である。重量平均分子量(Mw)や、ガラス転移温度(Tg)がこの範囲のポリエステル樹脂を用いることで、転写層20全体としての、箔切れ性や、耐久性をさらに向上させることができる。
「アクリルウレタン系樹脂」
本願明細書で言うアクリルウレタン系樹脂は、酸価を有するアクリル系樹脂と、イソシアネート系硬化剤との反応によって得られる樹脂(A1)、又はアクリル系ポリオール樹脂とイソシアネート系硬化剤との反応によって得られる樹脂(A2)を意味する。なお、アクリルウレタン系樹脂にかえて、従来公知のウレタン樹脂を含有する剥離層とした場合には、転写層20全体としての箔切れ性や、耐久性を十分に満足させることができない。
(A1)のアクリルウレタン系樹脂をなす酸価を有するアクリル系樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂などを挙げることができる。酸価を有するアクリル系樹脂の酸価は、2以上30以下であることが好ましい。なお、アクリル系樹脂の酸価は、JIS K 0070に準拠する方法により測定することができる。
また、酸価を有するアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以上110℃以下のものが好ましい。また、酸価を有するアクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は15000以上80000以下であることが好ましい。
(A2)のアクリルウレタン系樹脂をなすアクリル系ポリオール樹脂は、水酸基を有するアクリル系樹脂を意味し、上記保護層3で説明したアクリル系ポリオール樹脂を適宜選択して用いることができる。
また、(A1)、(A2)のアクリルウレタン系樹脂をなすイソシアネート系硬化剤としては、上記保護層で説明したイソシアネート系硬化剤をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、上記(A1)のアクリルウレタン系樹脂を含有している剥離層と、上記(A2)のアクリルウレタン系樹脂を含有している剥離層の箔切れ性を比較すると、上記(A1)のアクリルウレタン系樹脂を含有している剥離層の方が、箔切れ性は良好である。したがって、箔切れ性のさらなる向上を目的とする場合には、剥離層2は、上記(A1)のアクリルウレタン系樹脂を含有していることが好ましい。なお、ポリエステル系樹脂を含有している剥離層2、及び以下のエポキシ系樹脂を含有している剥離層2の箔切れ性は、上記(A1)のアクリルウレタン系樹脂を含有している剥離層2の箔切れ性と同等であり、箔切れ性に好ましい実施形態であるといえる。
「エポキシ系樹脂」
本願明細書で言うエポキシ系樹脂は、エポキシ基の反応によって得られる樹脂(B1)、又はエポキシ基を有する硬化剤と、当該エポキシ基と反応する反応性樹脂との反応によって得られる樹脂(B2)を意味する。
上記(B1)のエポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンから誘導される、下記一般式(I)を繰り返し単位として有するフェノキシ樹脂等を挙げることができる。
Figure 2014198435
(B1)のエポキシ系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が20000以上80000以下であることが好ましい。
また、(B1)のエポキシ系樹脂は、変性されたエポキシ系樹脂であってもよい。変性されたエポキシ系樹脂としては、多官能性シランカップリング剤の部分加水分解物で変性したエポキシ系樹脂や、フェノキシ樹脂のヒドロキシル基をエステル基・アミド基・エーテル基・シリルエーテル基で封鎖した変性エポキシ系樹脂等を挙げることができる。
(B2)のエポキシ系樹脂は、エポキシ基と反応する官能基を有する反応性樹脂を、エポキシ基を有するエポキシ硬化剤によって硬化反応させることで得られる樹脂である。エポキシ基を有する硬化剤は、「1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する硬化剤」を意味する。エポキシ基を有する硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂などを挙げることができる。
エポキシ基と反応する官能基を有する反応性樹脂としては、例えば、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、水酸基、酸無水物、チオール基、及びアミド基等の官能基を有する樹脂を挙げることができる。具体的な例としては、アミノ変性アクリル樹脂、水酸基含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂などを挙げることができる。アミノ変性アクリル樹脂を、エポキシ基を有する硬化剤によって硬化せしめたエポキシ系樹脂は、耐久性や、箔切れ性に極めて優れる点で好適である。
剥離層2は、上記で説明したポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂のいずれか1つの樹脂を含有していればよいが、これらの2種以上を含有していてもよい。ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の何れか1種を単独で用いた場合であっても、これらの樹脂を組合せて用いた場合であっても、転写層20の転写性、転写層20の箔切れ性、転写層20が転写された印画物に付与される耐久性を向上させることができる。
剥離層2の固形分総量に対する、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の含有量は1質量%以上であることが好ましい。これらの樹脂の2種以上を用いる場合には、含有量はその合計質量を基準とする。含有量が1質量%未満である場合には、これらの樹脂によって剥離層2に付与される転写性や、箔切れ性の向上効果が低くなる傾向にある。転写性や、箔切れ性のさらなる向上を目的とする場合には、アクリルウレタン系樹脂や、エポキシ系樹脂は、剥離層2の固形分総量に対し30質量%以上の範囲内で含有されていることが好ましい。なお、ポリエステル系樹脂は、剥離層の固形分総量に対する含有量が少ない場合、例えば、30質量%未満であっても、剥離層2に良好な転写性や、箔切れ性を付与することができる。上限値については、他の任意の成分等に応じて適宜設定することができ、特に限定はなく100質量%である。なお、本発明は、上記記載により、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の含有量を限定しているものではなく、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂を含んでいる分だけ、剥離層2の転写性や、箔切れ性を、これらの樹脂を含んでいない従来公知の剥離層よりも向上させることができる。
また、剥離層2には、必要に応じて、他の任意の成分を含有させることができる。例えば、基材1からの転写層20の転写性のさらなる向上を図るべく、剥離層2は、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等のワックス類、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を含有していてもよい。
また、基材1からの転写性に優れる成分以外にも、剥離層2は、上記保護層3で説明した、耐擦過性を有する成分や、滑剤などを含有していてもよい。
剥離層2の形成方法については特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂、必要に応じて添加される任意の成分を、適当な溶剤に溶解または分散させた剥離層用塗工液を調製し、この剥離層用塗工液を、基材1、或いは基材上に設けられている任意の層上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。剥離層2の厚みについて特に限定はないが、好ましくは、0.2μm以上5μm以下の範囲内である。
上記では、図1に示す構成の保護層転写シートにおいて、保護層3に、被転写体との接着性を付与した構成を中心に説明を行ったが、図2に示すように、接着性の役割を別途の層に付与する構成としてもよい。図2では、基材1の一方の面に設けられた転写層20が、保護層3上に設けられる接着層4を含み、基材1の他方の面に背面層5が設けられた保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。以下、任意の各層について説明する。
(接着層)
図2に示すように、保護層3上に接着層4を設けてもよい。接着層4の成分としては、上記「被転写体との接着性を有する成分」で例示した成分等を適宜選択して用いることができる。なお、被転写体側で、転写層20との接着性を満足させる対応をとる場合には、接着層4を設けることを必ずしも要しない。
接着層4の形成方法としては、上記「被転写体との接着性を有する成分」を適当な溶剤に溶解または分散させた接着層用塗工液を調製し、この接着層用塗工液を、保護層3上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成することができる。接着層4の厚みは、0.5μm〜10μm程度が一般的である。
(耐可塑剤性層)
転写層20が転写された印画物の耐可塑剤性を向上させるために、剥離層2と保護層3との間に耐可塑剤性層(図示しない)を設けてもよい。
耐可塑剤性層としては、可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料を好ましく使用することができる。可塑剤成分を弾く材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等を挙げることができる。可塑剤成分が画像に到達しにくい材料としては、カチオン性のウレタンエマルジョン等のカチオン性樹脂を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いることもできる。
また、可塑剤成分を弾く材料として例示したポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が30〜100%のものが好ましく、60〜100%のものが更に好ましい。ケン化度がこの範囲のポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を耐可塑剤性層に含有させることで、転写層の耐可塑剤性を更に向上させることができる。なお、本発明におけるケン化度とは、ポリマー中のビニルアルコール構造のモル数を、ポリマー中の全モノマーのモル数で割った値をいう。可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料は、耐可塑剤性層の固形分総量に対し20質量%〜100質量%の範囲内で含有されていることが好ましい。
また、耐可塑剤性層には、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、蛍光増白剤、その他の添加剤等を添加してもよい。
必要に応じて設けられる耐可塑剤性層は、上記で例示した材料の1種又は2種以上と、必要に応じて添加される各種材料を適当な溶剤により溶解または分散させて耐可塑剤性層用塗工液を調製し、これを基材1、あるいは必要に応じて設けられる剥離層2上に塗工・乾燥して形成することができる。耐可塑剤性層の厚さについて特に限定はないが、通常は乾燥後の厚みで0.1μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜20μm程度である。
(背面層)
また、図2に示すように、基材1の保護層3が設けられている面とは異なる面上に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5を設けてもよい。なお、背面層5は本発明の保護層転写シート10における任意の構成である。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。
また、背面層5には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層5は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1g/m2〜5g/m2程度が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2程度がより好ましい。
以上、本発明の保護層転写シート10について説明を行ったが、本発明の保護層転写シートは本発明の趣旨を妨げない範囲内での種々の態様をとることができる。例えば、基材1の保護層3が設けられた面と同一面上に、染料層を面順次に設けた染料層一体型の保護層転写シート(図示しない)とすることもできる。この染料層は単一の染料層であってもよく、例えば、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層がこの順で面順次に設けられた構成とすることもできる。
<<中間転写媒体>>
次に、図3を用いて本発明の中間転写媒体100について説明する。本発明の中間転写媒体100は、基材1の一方の面上に、当該基材1から剥離可能な転写層20が設けられており、当該転写層20は、基材側から剥離層2、保護層3、受容層50がこの順で積層されてなる。基材1、剥離層2、保護層3、受容層50は、本発明の中間転写媒体100における必須の構成である。本発明の中間転写媒体100は、図3に示すように、基材1の他方の面上に背面層5が設けられていてもよい。また、受容層50上に図示しない接着層が設けられていてもよい。以下、本発明の中間転写媒体100の各構成について具体的に説明する。
(基材)
基材1は、上記本発明の保護層転写シート10の基材1と同様のものを用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(保護層)
転写層20に含まれる保護層3は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有している。
(剥離層)
転写層20に含まれる剥離層2は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有している。
本発明の中間転写媒体100によってもたらされる効果は、上記本発明の保護層転写シート10の、剥離層2、及び保護層3と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。したがって、本発明の中間転写媒体100においては、上記本発明の保護層転写シート10で説明した保護層3や、剥離層2をそのまま用いることができる。なお、本発明では、保護層3上に設けられる受容層50が、被転写体と直接的、又は接着層等の任意の層を介して間接的に積層されることから保護層3が接着性を有していることを特に要しない。
(受容層)
図3に示すように、保護層3上には受容層50が設けられている。受容層50は、転写層20に含まれる層である。この受容層上には、熱転写画像が形成される。そして、画像が形成された受容層50は、剥離層2、保護層3とともに被転写体上に転写され、その結果、印画物が形成される。受容層50を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
受容層50が接着層を介して被転写体に転写される場合には、受容層50自体の接着性は必ずしも要求されない。しかし、受容層50が接着層を介さないで被転写体に転写される場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層50を形成することが好ましい。
受容層50は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で1〜10g/m2程度である。
受容層50が接着性を有しない場合には、当該受容層50上に接着層(図示しない)を設けることとしてもよい。接着層は、本発明の中間転写媒体100における任意の構成であり、被転写体側に接着処理等が施されている場合には、接着層を設けることを要しない。受容層50上に任意に設けられる接着層としては、上記本発明の保護層転写シート10の接着層4をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(背面層)
また、図3に示すように基材1の他方の面上に背面層5が設けられていてもよい。背面層5としては、上記本発明の保護層転写シート10の背面層5をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(画像形成方法)
本発明の中間転写媒体を用いて、受容層50上に画像形成を行う方法としては、特に限定されず、公知の熱転写方式にて行うことができる。
また、上記画像形成の際に使用する熱転写シートとしては、例えば、ポリエステルフィルム等の基材の一方の面に熱転写性色材層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた従来公知の熱転写シートを使用することができる。以下、熱転写シートについて説明する。
(熱転写シートの基材)
基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム;コンデンサー紙、パラフィン紙、合成紙等の紙類;不織布;紙や不織布と樹脂との複合体等が挙げられる。
基材の厚みについて特に限定はないが、通常0.5μm〜50μmであり、好ましくは約1.5〜10μmである。
基材は、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)が設けられていてもよい。
(熱転写性色材層)
熱転写性色材層は、熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性染料を含有する層となり、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物を含有する層となる。また、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域とを連続した1枚の基材上に面順次に設けられた熱転写シートを用いることもできる。以下、熱転写シートが、昇華型熱転写シートである場合を中心に説明するが、本発明の中間転写媒体100は、昇華型熱転写シートと組み合されて用いられることに限定されるものではない。
昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示の化合物等が挙げられる。上記熱転写性色材層において、昇華性染料は熱転写性色材層の全固形分に対し5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の量である。昇華性染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を超えると保存性等が低下することがある。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
また、熱転写性色材層は、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等を含有していてもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、リン酸エステル等が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル、および変性シリコーンオイルやその硬化物等が挙げられる。シリコーンオイルは反応性のものでもよいし、非反応性のものでも良い。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルに分類できる。反応性シリコーンオイルには、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシ変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性がある。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性等がある。シリコーンオイルの添加量は、バインダーの質量に対し、0.1〜15質量%が好ましく、更に好ましくは0.3〜10質量%である。また、上記有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
熱転写性色材層は、例えば、昇華性染料、バインダー樹脂、及び必要に応じて任意に添加される各種の成分を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した熱転写性色材層用塗工液を、基材上に、従来公知の塗工方法を用いて、塗工・乾燥することで形成することができる。従来公知の塗工方法としては、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等が挙げられる。また、溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。
熱転写性色材層の厚みについて特に限定はなく、通常0.2μm〜5μm程度である。
(熱転写シートの背面層)
また、基材の他方の面上に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層が設けられていてもよい。熱転写シートの背面層としては、上記本発明の保護層転写シート10の背面層5をそのまま用いることができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。また、Tgはガラス転移温度を、Mwは重量平均分子量を、Mnは数平均分子量を意味する。また、水酸基価の単位はmgKOH/gである。
(実施例1)
基材として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)を用い、該基材上に下記組成の剥離層用塗工液1を乾燥状態で1.0g/m2の厚さとなるように塗工し剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液1を、乾燥状態で2.0g/m2の厚さとなるように塗工し保護層を形成した。更に該保護層の上に下記組成の受容層用塗工液を、乾燥状態で1.0g/m2の厚さとなるように塗工し受容層を形成して実施例1の中間転写媒体を得た。なお、上記の剥離層用塗工液1、保護層用塗工液1、受容層用塗工液は、全てグラビアコーティングにて塗工した。
<剥離層用塗工液1>
・アクリル樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 80部
(BR−87、三菱レイヨン(株))
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、東洋紡(株))
・ポリエチレンワックス 5部 (ポリワックス1000、東洋アドレ(株))
・紫外線吸収アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株)、固形分:40%)
・トルエン 192.5部
・MEK 192.5部
<保護層用塗工液1>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 100部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 17.6部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 170部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(CNL、日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(KP−1800U、信越化学工業(株))
・トルエン 200部
・MEK 200部
(実施例2)
剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の中間転写媒体を得た。
<剥離層用塗工液2>
・アクリル樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 80部
(BR−87、三菱レイヨン(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 4部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・ポリエチレンワックス 5部 (ポリワックス1000、東洋アドレ(株))
・紫外線吸収アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株)、固形分:40%)
・トルエン 192.5部
・MEK 192.5部
(実施例3)
剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の中間転写媒体を得た。
<剥離層用塗工液3>
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 187.5部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 13.3部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・ポリエチレンワックス 5部 (ポリワックス1000、東洋アドレ(株))
・紫外線吸収アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株)、固形分:40%)
・トルエン 192.5部
・MEK 192.5部
(実施例4)
剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液4に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の中間転写媒体を得た。
<剥離層用塗工液4>
モル当量比(−アミノ基/−エポキシ基):1.0
・アミノ変性アクリル樹脂(固形分40%、Tg75℃、Mw53000) 200部
(LK−730、東レファインケミカル(株))
・エポキシ硬化剤 8.5部
(デナコール、EX−612) ナガセケムテックス(株))
・ポリエチレンワックス 5部 (ポリワックス1000、東洋アドレ(株))
・紫外線吸収アクリル樹脂 10部
(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株))
・トルエン/イソブタノール=1/1混合溶剤 200部
(実施例5)
剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液5に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の中間転写媒体を得た。
<剥離層用塗工液5>
・フェノキシ樹脂(エポキシ系樹脂) 80部
(PKHA、巴工業(株))
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、東洋紡(株))
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、東洋アドレ(株))
・紫外線吸収アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株)、固形分:40%)
・MEK 385部
(実施例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液2>
モル当量比(―NCO/−OH):0.5
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 100部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 8.8部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・トルエン 192.5部
・MEK 192.5部
(実施例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液3>
モル当量比(―NCO/−OH):2.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 100部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 35.2部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・トルエン 192.5部
・MEK 192.5部
(実施例8)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液4に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液4>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 100部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:15.5%) 11.9部
(デュラネート21S−75E(HDI系)、旭化成(株))
・MEK 95部
(実施例9)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液5に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液5>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 100部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:10.5%) 17.1部
(タケネートD140N(IPDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(実施例10)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液6に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液6>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:97℃ Mw:23000 水酸基価(solid):60、−OH:24) 95部
(Q167−40、三井化学(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 16.7部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・紫外線吸収剤 5部
(TINUBIN900、チバ・ジャパン(株))
・MEK 95部
(実施例11)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液7に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液7>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:40% Tg:70℃ 水酸基価(solid):52.5 、−OH:21) 100部
(UV−G137、日本触媒(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 13.7部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(実施例12)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液8に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液8>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:46% Tg:75℃ Mw:29000 水酸基価(solid):61、−OH:28.06) 100部
(LH−613、東レ・ファインケミカル(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 18.3部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(実施例13)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液9に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液9>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:46% Tg:75℃ Mw:29000 水酸基価(solid):61、−OH:28.06) 95部
(LH−613、東レ・ファインケミカル(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 17.4部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・紫外線吸収剤 5部
(TINUBIN900、チバ・ジャパン(株))
・MEK 95部
(実施例14)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液10に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例14の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液10>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:50% Tg:63℃ Mw:31000) 水酸基価(solid):25.9、−OH:12.95) 100部
(LK−723、東レ・ファインケミカル(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 8.43部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(実施例15)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液11に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例15の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液11>
モル当量比(―NCO/−OH):1.0
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:55% Tg:53℃ Mw:26600 水酸基価(solid):72.7、−OH:40) 100部
(WZU−591、DIC(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 28.5部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(比較例1)
剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液Aに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の中間転写媒体を得た。
<剥離層用塗工液A>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 85部
(BR−87、三菱レイヨン(株))
・ポリエチレンワックス 5部 (ポリワックス1000、東洋アドレ(株))
・紫外線吸収アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、大塚化学(株)、固形分:40%)
・トルエン 192.5部
・MEK 192.5部
(比較例2)
剥離層用塗工液1を上記組成の剥離層用塗工液Aに変更し、保護層用塗工液1を上記組成の保護層用塗工液8に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の中間転写媒体を得た。
(比較例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Aに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液A>
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:50% Tg:48℃ Mw:40000 水酸基価(solid):100、−OH:50) 100部
(A−801−P、DIC(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 32.6部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(比較例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Bに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液B>
・アクリル系ポリオール樹脂(固形分:54% Tg:31℃ Mw:20000 水酸基価(solid):51、−OH:27.54) 100部
(LH−681、東レ・ファインケミカル(株))
・イソシアネート系硬化剤(固形分:75% −NCO:11.5%) 19.6部
(タケネートD110N(XDI系)、三井化学(株))
・MEK 95部
(比較例5)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Cに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液C>
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン200、東洋紡(株))
・MEK 80部
(比較例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Dに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液D>
・ポリエステル樹脂 18部
(バイロン200、東洋紡(株))
・紫外線吸収剤 2部
(TINUBIN900、チバ・ジャパン(株))
・MEK 80部
(比較例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Eに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例7の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液E>
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン600、東洋紡(株))
・MEK 80部
(比較例8)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Fに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例8の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液F>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:95000) 20部
(BR−80、三菱レイヨン(株))
・MEK 80部
(比較例9)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Gに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例9の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液G>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 20部
(BR−87、三菱レイヨン(株))
・MEK 80部
(比較例10)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Hに変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例10の中間転写媒体を得た。
<保護層用塗工液H>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 18部
(BR−87、三菱レイヨン(株))
・紫外線吸収剤 2部
(TINUBIN900、チバ・ジャパン(株))
・MEK 80部
(印画物の形成)
HDP−600(HID社)プリンタと、下記の方法で作成した熱転写シートを用いて、デフォルト条件下で各実施例、及び比較例の中間転写媒体の受容層へ黒ベタ画像を形成し、次いで、同プリンタを用いて塩ビカード(DNP社製)上に、175℃、2sec/inchの再転写条件で、黒ベタ画像形成後の受容層、保護層、及び剥離層を転写させ、実施例1〜15、比較例1〜10の印画物を得た。
(熱転写シートの作成)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱活性層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、耐熱活性層を形成した。次いで、基材の他方の面に、イエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、染料層を形成し、熱転写シートを得た。
<耐熱活性層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノック、D750、大日本インキ化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフA208N、第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株))
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
<イエロー染料層用塗工液>
・下式に示される染料 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5、積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
Figure 2014198435
<マゼンタ染料層用塗工液>
・分散染料(ディスパースレッド60) 1.5部
・分散染料(ディスパースバイオレッ26) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックKS−5、積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液>
・分散染料(ソルベントブルー63) 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5、積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(転写性評価)
上記実施例1〜15、比較例1〜10の印画物の形成における、剥離層、保護層、受容層を含む転写層の転写性を以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
○:塩ビカードの全面に問題なく転写ができている。
×:転写層の転写不良が部分的に生じている。
××:全面的に転写不良が生じている。
(箔切れ性評価)
各実施例及び比較例の箔切れ性の評価として、印画物の尾引きの確認を目視にて行い、以下の評価基準で評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、尾引きとは、転写層の転写領域と非転写領域の境界を起点とし、該境界から非転写領域側にはみ出した転写層の長さを意味する。
<評価基準>
○:尾引きが0.3mm以下である。
△:僅かな尾引きが生じているが使用上問題なし(0.3mm〜1.0mm)。
×:尾引きがかなり生じている(1.0mm以上)。
(耐可塑剤性評価)
各実施例及び比較例の印画物上に、可塑剤(DOP)を添加した後に、PETフィルムでカバーをし、40℃ 8h後の印画物の表面状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価試験を行った。評価試験結果を表1に示す。
<評価基準>
○:画像にダメージが見られない。
△:画像に僅かなダメージが見られるが使用上問題ないレベルである。
×:使用上問題となる画像のダメージが見られる。
(耐溶剤性評価)
各実施例及び比較例の印画物を、メチルエチルケトン(MEK)に浸した綿棒で30回往復した後の画像の状態を目視で確認を行い、以下の評価基準に基づいて耐溶剤性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
○:画像にダメージが見られない。
△:画像に僅かなダメージが見られるが使用上問題ないレベルである。
×:使用上問題となる画像のダメージが見られる。
Figure 2014198435
1…基材
2…剥離層
3…保護層
4…接着層
5…背面層
20…転写層
10…保護層転写シート
50…受容層
100…中間転写媒体
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に、当該基材から剥離可能な転写層が設けられた保護層転写シートであって、前記転写層は、前記基材側から剥離層、保護層がこの順で積層されてなり、前記剥離層は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、前記保護層は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上であって、且つ水酸基価が、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする。
また、上記保護層転写シートにおいて、前記アクリル系ポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)が、8000以上70000以下の範囲内であってもよい。また、前記アクリル系ポリオール樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を硬化剤によって硬化せしめたアクリル系ポリオール樹脂であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に、当該基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体であって、前記転写層は、前記基材側から剥離層、保護層、受容層がこの順で積層されてなり、前記剥離層は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、前記保護層は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上であって、且つ水酸基価が、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 基材の一方の面に、当該基材から剥離可能な転写層が設けられた保護層転写シートであって、
    前記転写層は、前記基材側から剥離層、保護層がこの順で積層されてなり、
    前記剥離層は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、
    前記保護層は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする保護層転写シート。
  2. 前記アクリル系ポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)が、8000以上70000以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記アクリル系ポリオール樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を硬化剤によって硬化せしめたアクリル系ポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
  4. 前記アクリル系ポリオール樹脂の水酸基価が、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の保護層転写シート。
  5. 前記硬化剤が、XDI系、HMDI系、IPDI系の群から選択されるイソシアネート系硬化剤であることを特徴とする請求項3又は4に記載の保護層転写シート。
  6. 基材の一方の面に、当該基材から剥離可能な転写層が設けられた中間転写媒体であって、
    前記転写層は、前記基材側から剥離層、保護層、受容層がこの順で積層されてなり、
    前記剥離層は、ポリエステル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂の群から選択される少なくとも1種を含有しており、
    前記保護層は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上のアクリル系ポリオール樹脂を含有していることを特徴とする中間転写媒体。
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