JP2014198799A - 酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた酸素吸収性を有し、食品、飲料、医薬品などの酸素の存在により劣化する内容物を包装するための包装材料を構成するために好適に用いられる酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性積層体を提供すること。【解決手段】共役ジエン重合体環化物である酸素吸収性樹脂と、ポリオレフィンおよび脂肪族ポリアミドから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である基材樹脂とを含んでなり、ステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として5μg/g以下である酸素吸収性樹脂組成物。前記の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層と、酸素吸収性層に積層された熱可塑性樹脂からなる隣接樹脂層とを有してなる酸素吸収性積層体であって、隣接樹脂層のステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として20μg/g以下である酸素吸収性積層体。【選択図】なし
Description
本発明は、酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性積層体に関し、さらに詳しくは、優れた酸素吸収性を有し、食品、飲料、医薬品などの酸素の存在により劣化する内容物を包装するための包装材料を構成するために好適に用いられる酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性積層体に関する。
食品、飲料、医薬品などは、酸素と接触することにより品質の劣化が起こるため、極力酸素と接触しないように貯蔵することが要求される。そのため、食品、飲料、医薬品などを貯蔵する容器または包装内に窒素などの不活性ガスを充填することも行なわれている。しかし、この方法には、製造時にコストアップになる問題や、一旦開封すると外部から空気が流入し、それ以後の品質劣化を防止することができなくなる問題が存在する。そのため、容器または包装内に残存する酸素を除去する手法について種々の検討が行なわれている。
近年、酸素を除去する手法として、酸素吸収性を有する樹脂材料を用いて容器または包装を構成し、その容器または包装自体に酸素を吸収させる手法が注目されている。酸素吸収性を有する樹脂材料としては、種々のものが検討されているが、広く用いられているものの一つとして、例えば特許文献1に記載されるような、酸化反応を受け得る樹脂に、その酸化反応を促進させる遷移金属塩などの遷移金属触媒を添加したものを挙げることができる。
しかし、遷移金属触媒を添加した酸素吸収性を有する樹脂材料では、酸素の吸収に伴って、強い臭気が発生し易いという問題が存在する。酸素吸収性を有する樹脂材料は、食品、飲料、医薬品などの容器や包装として用いられるものであるので、臭気の発生は、重大な問題となるものである。
そこで、遷移金属触媒を配合しなくとも酸素吸収性を発揮することができる樹脂の利用が検討されている。例えば、特許文献2には、特定の脂環構造を有するポリエステル樹脂に放射線処理を施すと、遷移金属触媒を配合しなくとも酸素吸収能力を発揮し、酸素吸収性容器の材料などとして好適に用いられる酸素吸収性樹脂が得られることが開示されている。また、特許文献3には、共役ジエン重合体環化物が、遷移金属触媒を配合しなくとも酸素吸収能力を発揮し、包装容器などの酸素吸収性成形体の材料などとして好適に用いられることが開示されている。
しかし、特許文献2や特許文献3に開示されるような材料には、遷移金属触媒を添加した酸素吸収性の樹脂材料に比べると、酸素吸収能力が不足する傾向があった。そのため、これらの材料については、遷移金属触媒を配合することなく、酸素吸収能力を改良するための検討が行われている。例えば、特許文献4では、酸化防止剤が酸素吸収性樹脂の酸素吸収性能に悪影響を及ぼすとの知見に基づき、酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収層とそれに隣接して積層した層において、酸化防止剤の含有量をそれぞれ特定値以下とした酸素吸収性多層体が提案されている。
しかしながら、特許文献4に開示される酸素吸収性多層体であっても、その酸素吸収能力が不足する場合があり、さらなる改良が望まれていた。
そこで、本発明は、優れた酸素吸収性を有し、食品、飲料、医薬品などの酸素の存在により劣化する内容物を包装するための包装材料を構成するために好適に用いられる酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、市販されている多くの樹脂に滑剤として配合されているステアリン酸カルシウムが、共役ジエン重合体環化物の酸素吸収を阻害する傾向があることを突き止めた。そして、共役ジエン重合体環化物とポリオレフィンや脂肪族ポリアミドとを混合して酸素吸収性樹脂組成物を構成する場合や、その酸素吸収性樹脂組成物の層と他の樹脂からなる層とを積層して酸素吸収性積層体を構成する場合において、他の樹脂として、ステアリン酸カルシウムを実質的に含有しないものを選択して用いると、酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収能力が著しく改良されることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、共役ジエン重合体環化物である酸素吸収性樹脂と、ポリオレフィンおよび脂肪族ポリアミドから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である基材樹脂とを含んでなり、ステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として5μg/g以下である酸素吸収性樹脂組成物が提供される。
上記の酸素吸収性樹脂組成物では、酸化防止剤含有量が200μg/g以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層と、酸素吸収性層に積層された熱可塑性樹脂からなる隣接樹脂層とを有してなる酸素吸収性積層体であって、隣接樹脂層のステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として20μg/g以下である酸素吸収性積層体が提供される。
上記の酸素吸収性積層体では、隣接樹脂層の酸化防止剤含有量が500μg/g以下であることが好ましい。
本発明によれば、優れた酸素吸収性を有し、食品、飲料、医薬品などの酸素の存在により劣化する内容物を包装するための包装材料を構成するために好適に用いられる酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性積層体が提供される。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、共役ジエン重合体環化物である酸素吸収性樹脂と、ポリオレフィンおよび脂肪族ポリアミドから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である基材樹脂とを含んでなるものである。本発明の酸素吸収性樹脂組成物において、酸素吸収性樹脂として用いられる共役ジエン重合体環化物は、共役ジエン重合体を酸触媒の存在下に環化反応させて得られるものであり、その分子中に、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含んでなる環構造を有するものである。
共役ジエン重合体環化物を得るために用いられる共役ジエン重合体としては、共役ジエン単量体の単独重合体、2種以上の共役ジエン単量体の共重合体、および共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体を使用することができる。共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンが挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの鎖状オレフィン単量体、シクロペンテン、2−ノルボルネンなどの環状オレフィン単量体、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他の(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、共重合様式も特に限定されず、例えば、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよい。
共役ジエン重合体の具体例としては、天然ゴム(NR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、イソプレン−イソブチレン共重合体ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体ゴム(EPDM)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)、スチレン−イソプレンブロック重合体、スチレン−ブタジエンブロック重合体を挙げることができる。これらのなかでも、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−イソプレンブロック重合体が好ましく用いられ、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック重合体がより好ましく用いられ、ポリイソプレンゴムが最も好ましく用いられる。これらの共役ジエン重合体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、特に限定されないが、通常40モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80モル%以上である。共役ジエン重合体の製造方法は常法に従えばよく、例えば、チーグラー系重合触媒、アルキルリチウム重合触媒、ラジカル重合触媒などの適切な触媒を用いて、溶液重合法や乳化重合法により共役ジエン単量体を重合することにより、共役ジエン重合体を得ることができる。また、チーグラー系重合触媒で重合した後、ルテニウムやタングステンなどの触媒を用いてメタセシス分解した共役ジエン重合体も用いることもできる。
また、共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位のミクロ構造も特に限定されず、シス−1,4構造、トランス−1,4構造、ビニル−1,2構造およびビニル−3,4構造のそれぞれが任意の割合で存在していてよい。
共役ジエン重合体環化物は、上述したような共役ジエン重合体を酸触媒の存在下に環化反応させることにより得ることができる。環化反応に用いる酸触媒としては、公知のものを使用することができる。その具体例としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物およびアルキルエステルなどの有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアンモニウムクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄などのルイス酸;が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、助触媒として、ターシャルブチルクロライド、トリクロロ酢酸を併用してもよい。これらのなかでも、有機スルホン酸化合物が好ましく用いられ、p−トルエンスルホン酸やキシレンスルホン酸がより好ましく用いられる。酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を溶媒中に溶解して行なう。溶媒としては、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;などの炭化水素溶媒が好ましく用いられる。これらの溶媒の沸点は、70℃以上であることが好ましい。共役ジエン重合体の重合反応に用いる溶媒と環化反応に用いる溶媒とは、同一種であってもよい。この場合は、重合反応が終了した重合反応液に環化反応用の酸触媒を添加して、重合反応に引き続いて環化反応を行なうことができる。溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧及び大気圧のいずれの圧力下でも行なうことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行なうことが望ましい。環化反応を、乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行なうと水分によって引き起こされる副反応を抑えることができる。環化反応における反応温度や反応時間は、特に限定されない。反応温度は、通常50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは2〜10時間である。環化反応を行なった後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去し、次いで溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得ることができる。
酸素吸収性樹脂として用いる共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、特に限定されるものではないが、45%以上であることが好ましく、50〜80%であることがより好ましく、55〜75%であることが特に好ましい。不飽和結合減少率がこのような範囲にある共役ジエン重合体環化物を用いることにより、酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収に伴う臭気の発生を良好に抑制することができる。なお、共役ジエン重合体環化物として、不飽和結合減少率の異なる共役ジエン重合体環化物を2種以上組み合わせて用いることもできる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。即ち、プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。具体的には、次に述べるようにして、共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率を求めることができる。すなわち、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、式:SB=SBU/SBTで表され、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、式:SA=SAU/SATで表される。そして、不飽和結合減少率は、式:不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SBで求められる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体の環化反応における酸触媒の量、反応温度、反応時間などを適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値として、通常1000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000、より好ましくは80,000〜300,000である。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、環化反応に供する共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。なお、共役ジエン重合体環化物が共役ジエン/芳香族ビニル単量体共重合体環化物である場合においては、芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、1000〜300,000であることが好ましい。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量を適切に設定することにより、環化反応の際の溶液粘度が適切なものとなると共に、得られる酸素吸収性樹脂組成物の加工性や機械的強度が良好となる。
共役ジエン重合体環化物におけるゲルの含有量は、トルエン不溶分の含有量として、通常10重量%以下であり、5重量%以下であることが好ましく、実質的にゲルを含有しないことが特に好ましい。ゲルの含有量が多いと、得られる酸素吸収性樹脂組成物の加工性が悪くなる場合がある。
共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度は特に限定されるものではないが、通常0℃以上であり、20℃以上であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度は、共役ジエン重合体環化物を得るために用いられる共役ジエン重合体の種類に応じて、共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率を調節することなどにより調節することができる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物においては、共役ジエン重合体環化物に脂肪酸を配合して用いることが好ましい。共役ジエン重合体環化物に脂肪酸を配合することにより、共役ジエン重合体環化物の酸素吸収性を改良することができる。共役ジエン重合体環化物に配合する脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数18〜44の高級不飽和脂肪酸または高級飽和脂肪酸が好適である。炭素数18〜44の高級不飽和脂肪酸の具体例としては、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸などの直鎖不飽和脂肪酸、2−メチル−9−オクタデセン酸、2−メチル−2−エイコセン酸などの分岐不飽和脂肪酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪酸の多量体などを挙げることができる。また、炭素数18〜44の高級飽和脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などの直鎖飽和脂肪酸、イソステアリン酸、イソアラキジン酸、イソベヘン酸、イソリグノセリン酸などの分岐飽和脂肪酸、ダイマー酸の水素添加物などの不飽和脂肪酸の多量体の水素添加物などを挙げることができる。これらのなかでも、エルカ酸またはダイマー酸の水素添加物が好ましく用いられる。これらの脂肪酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。脂肪酸の配合量は、特に限定されるものではないが、共役ジエン重合体環化物の重量に対して、通常20重量%以下であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
また、本発明の酸素吸収性樹脂組成物においては、共役ジエン重合体環化物に軟化剤を配合してもよい。共役ジエン重合体環化物に軟化剤を配合することにより、共役ジエン重合体環化物が酸素吸収能力を十分に発揮することができる最低温度を調節することができる。軟化剤としては、それ自体のガラス転移温度が−30℃以下である液状物が好適に用いられ、その具体例としては、イソパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、流動パラフィンなどの炭化水素オイル;ポリブテン、ポリイソブチレン、アタクティックポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)など)などのオレフィン重合体(低分子量のもの);ポリイソプレンやポリブタジエンなどの共役ジエン重合体の水素化物(低分子量のもの);スチレン−共役ジエン重合体の水素化物(低分子量のもの)が挙げられる。これらの軟化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。軟化剤の配合量は、特に限定されるものではないが、共役ジエン重合体環化物の重量に対して、通常15重量%以下であり、好ましくは5重量%以下である。
本発明で用いる共役ジエン重合体環化物(酸素吸収性樹脂)には、その酸素吸収能力を発揮させる目的やその酸素吸収能力を改良する目的で、遷移金属触媒を添加することができる。遷移金属触媒としては、酸化触媒として公知の遷移金属化合物を用いることが可能であり、例えば、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウムなどの遷移金属の塩をその代表例として挙げることができる。遷移金属塩の形態の例としては、塩化物、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、2−エチルヘキサン酸エチル、ネオデカン酸塩、ナフトエ酸塩が挙げられる。但し、本発明では、酸素吸収に伴う臭気の発生を抑制する観点から、遷移金属触媒を実質的に含有しない共役ジエン重合体環化物を用いることが好ましい。
本発明で用いる酸素吸収性樹脂の酸素吸収速度は特に限定されるものではないが、30℃における酸素吸収速度が、0.01cc/100cm2・日以上のものであることが好ましい。ここで、酸素吸収性樹脂の酸素吸収速度は、対象とする酸素吸収性樹脂を厚さ20μmのフィルムとし、そのフィルムを、30℃、大気圧の下、一定容量の乾燥空気中に置いた場合に、そのフィルムが単位面積(100cm2)当り1日(24時間)で吸収する酸素の容量(単位:cc)で表すものとする。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物の成分となる基材樹脂は、ポリオレフィンおよび脂肪族ポリアミドから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である。基材樹脂として用いられうるポリオレフィンは、オレフィンを主たる繰り返し単位とする熱可塑性樹脂であり、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体、およびα−オレフィンとα−オレフィン以外の単量体との共重合体の何れであってもよく、また、これらの(共)重合体を変性したものであってもよい。ポリオレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセンポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセンポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテンなどのα−オレフィン単独重合体;エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体およびエチレン−環状オレフィン共重合体;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンとカルボン酸不飽和アルコールとの共重合体およびその鹸化物、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸エステルまたはα,β−不飽和カルボン酸等との共重合体、例えば、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体(エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等);ポリエチレンやポリプロピレンなどのα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸および/またはその無水物で変性した酸変性オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体などにNaイオンやZnイオンなどを作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;を挙げることができる。
また、基材樹脂として用いられうる脂肪族ポリアミドは、その分子構造中に芳香環構造を実質的に含まない、熱可塑性樹脂である脂肪族ポリアミドである。脂肪族ポリアミドの具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6/66、ポリアミド6/10、ポリアミド11、ポリアミド12を挙げることができる。なお、ポリオレフィンおよび脂肪族ポリアミドから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
酸素吸収性樹脂組成物における酸素吸収性樹脂と基材樹脂との配合比は特に限定されないが、酸素吸収性樹脂/基材樹脂の重量比が、20/80〜50/50であることが好ましく、25/75〜45/55であることがより好ましい。酸素吸収性樹脂/基材樹脂の重量比がこの範囲にあると、得られる酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収性と成形性とのバランスが特に良好なものとなる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物には、後述するように酸素吸収性樹脂組成物のステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として特定値以下となる限りにおいて、上述したもの以外の他の成分を配合してもよい。配合されうる樹脂以外の成分の具体例としては、酸化防止剤;滑剤;熱安定剤;相溶化剤;紫外線吸収剤;着色剤;顔料;中和剤;フタル酸エステル、グリコールエステルなどの可塑剤;アルミナ、酸化チタンなどの充填剤;粘着性付与剤;界面活性剤;レベリング剤;紫外線吸収剤;光安定剤;脱水剤;ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチルなど);ハジキ改良剤;を挙げることができる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、そのステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として、5μg/g以下である必要があり、3μg/g以下であることが好ましく、2μg/g以下であることがより好ましい。本発明の酸素吸収性樹脂組成物では、ステアリン酸カルシウム含有量が特定量以下であることによって、酸素吸収性樹脂の酸素吸収のステアリン酸カルシウムによる阻害が抑制され、その結果、優れた酸素吸収性を有するものとなる。なお、本発明において、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES法)によって、測定するものとする。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物のステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量を特定値以下とする手法は、特に限定されないが、酸素吸収性樹脂組成物を構成するためのそれぞれの成分について、ステアリン酸カルシウムを実質的に含まないか、含んでいてもその濃度が極めて低いものを選択する方法が簡便である。この方法に従う場合、市販されている多くの熱可塑性樹脂には、ステアリン酸カルシウムが滑剤として配合されているので、酸素吸収性樹脂や基材樹脂としてステアリン酸カルシウムが実質的に配合されていないものを選択することが、特に重要である。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、酸化防止剤を含むものであってもよい。ただし、酸化防止剤の含有量が多すぎると、酸素吸収性樹脂の酸素吸収が阻害されるおそれがあるので、酸素吸収性樹脂組成物における酸化防止剤含有量は、200μg/g以下であることが好ましく、150μg/g以下であることがより好ましく、100μg/g以下であることが特に好ましい。なお、本発明において、酸化防止剤含有量は、原則として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、測定するものとする。
酸化防止剤の種類は、樹脂材料やゴム材料の分野において通常使用されるものであれば、特に制限されない。このような酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードフェノール系、リン系およびラクトン系の酸化防止剤を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらのなかでも、リン系酸化防止剤を用いることが好ましい。なお、これらの酸化防止剤に加えて、さらに、アミン系光安定化剤(HALS)を添加してもよい。
酸素吸収性樹脂組成物を得るにあたり、酸素吸収性樹脂、基材樹脂および必要に応じて添加される他の成分を混合する方法は特に限定されず、公知の手法を採用すればよいが、工程の簡便さやコストの観点から、溶融混練法が好適に使用される。
酸素吸収性樹脂組成物を得る際に、溶融混練法を採用する場合に用いる装置は、特に限定されないが、例えば、連続式インテンシブミキサー、(同方向または異方向)ニーディングタイプ二軸押出機、ミキシングロール、コニーダーなどの連続型混練機;高速ミキサー、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混練機;KCK社製のKCK混練押出機などの、石臼のような摩砕機構を有する回転円板を使用した装置;一軸押出機に混練部(ダルメージ、CTMなど)を設けたもの;リボンブレンダー、ブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機を挙げることができる。混練温度は、特に限定されるものではないが、160〜260℃であることが好ましく、180〜240℃であることがより好ましい。
以上のようにして得られる本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、酸素吸収性を有する材料として種々の用途に好適に用いることができるが、なかでも、食品、飲料、医薬品などの内容物を包装するための包装材の材料として特に好適に用いられるものである。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物を用いて包装材を構成する場合、その形態は特に限定されず、例えば、フィルム、シート、パリソン、プリフォーム、チューブなどの包装資材の材料となる形態や、ボトル、カップ、袋、トレーなどの包装資材の形態とすることができる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物を、フィルム状にする場合には、公知の樹脂フィルムの成形方法に従って、フィルムの形状に成形すればよい。例えば、本発明の酸素吸収性樹脂組成物を溶媒に溶かした後、概ね平坦な面上に溶液を塗布・乾燥する溶液キャスト法によりフィルムが得られる。また、例えば、本発明の酸素吸収性樹脂組成物を押出し機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラーダイ(リングダイ)などを通して所定の形状に押出すことにより、T−ダイ法フィルム、ブローンフィルムなどが得られる。押出し機としては、一軸押出し機、二軸押出し機、バンバリーミキサーなどの混練機を使用することができる。なお、本発明の酸素吸収性樹脂組成物をフィルム状にする場合、そのフィルムは、延伸処理されたものであってもよいし、一方向以上に延伸されたものであってもよい。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物をフィルム状にする場合のフィルムの形態は、特に限定されず、例えば、本発明の酸素吸収性樹脂組成物のみからなる単層体であってもよいし、本発明の酸素吸収性樹脂組成物からなる層を酸素吸収性層として、これに他の層を積層してなる積層体であってもよい。但し、本発明の酸素吸収性樹脂組成物の層に、熱可塑性樹脂からなる他の層を隣接させて積層する場合、その積層させる層に、ステアリン酸カルシウムが特定量以上含有されていると、酸素吸収性樹脂組成物の酸素吸収が阻害されるおそれがある。そのため、本発明の酸素吸収性樹脂組成物の層に隣接させて積層する、熱可塑性樹脂からなる他の層のステアリン酸カルシウム含有量は特定量以下であることが好ましい。すなわち、本発明の酸素吸収性積層体は、本発明の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層と、酸素吸収性層に積層された熱可塑性樹脂からなる隣接樹脂層とを有してなる酸素吸収性積層体であって、隣接樹脂層のステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として、20μg/g以下であるものである。なお、本発明において、「隣接樹脂層」は、熱可塑性樹脂からなる層であって、本発明の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層に直接接するように積層された層または本発明の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層に酸素吸収性層と隣接樹脂層との密着性改良の機能を果たす層(後述する接着剤層)のみを介して積層された層を意味するものとする。
本発明の酸素吸収性積層体は、隣接樹脂層のステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として、カルシウム元素含有量が、20μg/g以下である必要があり、10μg/g以下であることが好ましく、5μg/g以下であることがより好ましい。本発明の酸素吸収性積層体は、隣接樹脂層のステアリン酸カルシウムの含有量が、特定量以下であることによって、本発明の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層の酸素吸収が阻害されず、その結果、優れた酸素吸収性を有するものとなる。
隣接樹脂層は、酸化防止剤を含むものであってもよいが、隣接樹脂層の酸化防止剤の含有量が多すぎると、酸素吸収性層の酸素吸収が阻害されるおそれがある。したがって、隣接樹脂層の酸化防止剤含有量は、500μg/g以下であることが好ましく、300μg/g以下であることがより好ましく、100μg/g以下であることが特に好ましい。なお、隣接樹脂層に添加しうる酸化防止剤としては、酸素吸収性樹脂組成物に添加しうる酸化防止剤として例示したものと同じものを挙げることができる。
本発明の酸素吸収性積層体において、隣接樹脂層が果たす機能は、用いる熱可塑性樹脂が果たし得る機能であれば特に限定されず、隣接樹脂層は、例えば、密封材層、保護層、酸素バリア層などとして機能させることができる。また、隣接樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の種類は、その目的とする機能に応じて決定すればよい。
密封材層は、熱によって溶融して相互に接着する(ヒートシールされる)ことによって、酸素吸収性積層体によって構成される包装容器に包装容器外部と遮断された空間を形成する機能を有する層である。密封材層の形成に用いられる材料としては、ヒートシールすることが容易な熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体例としては、エチレンの単独重合体およびプロピレンなどのα−オレフィンの単独重合体、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン;エチレンとα−オレフィンとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合体;α−オレフィンを主体とする、α−オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどとの共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などのポリα−オレフィン樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンなどのα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリα−オレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体などにNaイオンやZnイオンを作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;などが挙げられる。
保護層は、酸素吸収性積層体に耐熱性や印刷容易性を付与する目的で、主に酸素吸収性積層体の最外層に設けられる層である。保護層に用いる熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレンなどのエチレン重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体などのプロピレン重合体;ポリアミド6、ポリアミド66、共重合ポリアミド6/66、ポリカプロアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリメタキシリレンアジパミドなどのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリアクリレート;ポリケトン;などを挙げることができる。
酸素バリア層は、酸素吸収性積層体で構成される包装容器の外部から、酸素吸収性層や包装容器内部への酸素の侵入量を低減させる目的で、主に酸素吸収性層よりも外側に設けられる層である。酸素バリア層を熱可塑性樹脂で構成する場合に用いられうる熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレンービニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD6、共重合ポリアミド6/66などのポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテル系、アジペートエステル系、カプロラクトンエステル系、ポリ炭酸エステル系などの熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体などのポリα一オレフィン樹脂、ポリエチレンやα一オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレンとメタクリル酸との共重合体などにNaイオンやZnイオンを作用させたアイオノマー樹脂やこれらの混合物などを挙げることができる。
隣接樹脂層を構成する熱可塑性樹脂には、本発明を逸脱しない範囲で、紫外線吸収剤;着色剤;顔料;中和剤;炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタンなどの充填剤;粘着性付与剤;界面活性剤;レベリング剤;紫外線吸収剤;光安定剤;脱水剤;ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチルなど);ハジキ改良剤;などを添加することができる。
本発明の酸素吸収性積層体において、酸素吸収性層の厚さは、特に限定されず、必要とされる酸素吸収量などに応じて設定すればよいが、通常5〜100μm、好ましくは10〜30μmの範囲で設定される。また、隣接樹脂層の厚さも、その目的とする機能などに応じて設定すればよく、特に限定されないが、通常20〜80μm、好ましくは30〜70μmの範囲で設定される。
本発明の酸素吸収性積層体は、酸素吸収性層の片面側に隣接樹脂層が積層された二層体であっても、酸素吸収性層の両面側に隣接樹脂層が積層された三層体であってもよく、これらにさらに他の層が積層された多層体であってもよい。また、任意の層の間にそれら二層の密着性改良の機能を果たす層、すなわち、接着剤層を介在させてもよい。
接着剤層の材料は、密着性改良を必要とする二層の材料に応じて決定すればよく、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、およびこれらの重合体に、例えば無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸やその無水物で変性(付加、グラフトなど)させたものが挙げられる。これらのなかでも、不飽和カルボン酸やその無水物で変性させた重合体が好ましく用いられ、不飽和カルボン酸やその無水物で変性させたポリオレフィンが特に好ましく用いられる。接着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常2〜10μmの範囲で設定される。
本発明の酸素吸収性積層体の製造方法は特に限定されず、積層体を構成する各層を単層フィルムとして得て、これらを積層してもよく、積層体を直接成形してもよい。酸素吸収性積層体を直接成形する方法としては、公知の共押出成形法を挙げることができ、例えば各層を構成する材料の種類に応じた数の押出し機と多層多重ダイを用いて、押出成形を行なえばよい。共押出成形法の具体例としては、共押出ラミネーション法、共押出シート成形法、共押出インフレーション成形法、共押出キャスト成形法、共押出ブロー成形法などを挙げることができる。
酸素吸収性積層体を共押出成形法で製造する場合には、各層を構成する材料の温度を、160〜260℃として成形することが好ましく、180〜240℃として成形することがより好ましい。成形温度が低すぎる場合には、積層体の厚みむらや切れを生じるおそれがあり、成形温度が高すぎる場合には、積層体の切れを生じるおそれがある。積層体製造時のフィルム巻取り速度は、特に限定されないが、通常10〜200m/分、好ましくは20〜100m/分である。巻取り速度が低すぎると生産効率が悪くなるおそれがあり、速すぎると積層体の冷却を十分に行なうことができず、巻取り時に融着する場合がある。
共押出成形法で得た積層体に、さらに他の層を積層させて、目的の酸素吸収性積層体を得てもよい。特に、酸素バリア層として、より酸素バリア性の高い、金属や金属酸化物などの無機材料を用いた酸素バリア層を積層させる場合には、ドライラミネート方式、ウエットラミネート方式、ノンソルベントラミネーション方式などの積層法を用いて、酸素吸収性層と隣接樹脂層とを含む積層体に、酸素バリア層を積層させることが好ましい。このように積層させる酸素バリア層の例としては、アルミニウムなどの金属箔や、シリカやアルミナなどの金属酸化物を蒸着した樹脂フィルムを挙げることができる。また、金属酸化物の蒸着膜には、さらに酸素バリア性を向上させる目的で、例えばポリビニルアルコール/シラン化合物系の材料などによって形成されるオーバーコート層を設けてもよいし、他のフィルムと蒸着膜との密着性を向上させるためにプライマー層を設けてもよい。
本発明の酸素吸収性積層体の全体厚さは、特に限定されないが、通常800μm未満、好ましくは50〜400μmである。
本発明の酸素吸収性積層体には、必要に応じて、エンボス加工などの後加工を行ってもよい。また、酸素吸収性積層体は、種々の形態の包装容器・包装材とすることが可能であり、例えば、パウチ(袋状)、箱状、カップ状などの包装容器としたり、包装フィルム、蓋などの包装材としたりすることができる。
本発明の酸素吸収性積層体は、酸素により劣化する内容物を包装するための包装材として用いることが好ましい。酸素により劣化する内容物の例としては、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すり下ろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペーストなどのペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチューなどの液体加工食品に代表される液体系食品やそば、うどん、ラーメンなどの生麺およびゆで麺、精米、調湿米、無洗米などの調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、米粥などの加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料などに代表される高水分食品、乾燥野菜、コーヒー豆、コーヒー粉、お茶、穀物を原料としたお菓子などに代表される低水分食品、その他農薬や殺虫剤などの固体状や溶液状の化学薬品、液体およびペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤などを挙げることができる。また、本発明の酸素吸収性積層体は、レトルト処理やボイル処理などの加熱殺菌処理が適用される包装材としても好適に用いることができるものである。レトルト処理やボイル処理などの加熱殺菌処理が適用される内容物の例としては、カレー、スープ、シチュー、粥、パスタソース、丼物の具、ハンバーグ、ミートボール、介護食などの食品や輸液などの医薬品を挙げることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
各種の測定については、以下の方法に従って行った。
〔共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量(Mw)〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求めた。なお、溶出溶剤としては、テトラヒドロフランを使用した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求めた。なお、溶出溶剤としては、テトラヒドロフランを使用した。
〔共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率〕
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,第41巻,937(1963).および(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求めた。なお、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、式:SB=SBU/SBTで表され、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、式:SA=SAU/SATで表される。従って、不飽和結合減少率は、式:不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SBにより求められる。
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,第41巻,937(1963).および(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求めた。なお、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、式:SB=SBU/SBTで表され、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、式:SA=SAU/SATで表される。従って、不飽和結合減少率は、式:不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SBにより求められる。
〔ガラス転移温度〕
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製「EXSTAR6000 DSC」)を用いて、窒素気流中、昇温速度10℃/分で測定した。
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製「EXSTAR6000 DSC」)を用いて、窒素気流中、昇温速度10℃/分で測定した。
〔カルシウム元素含有量〕
試料(酸素吸収性樹脂組成物についてはペレット、密封材層については成形したフィルムから切り出したもの)約0.6gをメスフラスコに取り、これを硫硝酸湿式分解したのち、超純水で7mLにメスアップすることにより、試料溶液を作製し、これに、誘導結合プラズマ発光分光分析法を適用して、波長396.847nmのスペクトル強度よりカルシウム元素含有量(単位:μg/g)を算出した。なお、誘導結合プラズマ発光分光分析の測定条件は以下の通りであり、検量線はICP−AES用混合標準溶液(西進商事社製「XSTC−22」)により作成した。
分析装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「SPS5100」
キャリアガス:アルゴンガス
ネブライザーフロー量:0.75L/分
プラズマフロー量:15.0L/分
補助フロー量:1.5L/分
試料(酸素吸収性樹脂組成物についてはペレット、密封材層については成形したフィルムから切り出したもの)約0.6gをメスフラスコに取り、これを硫硝酸湿式分解したのち、超純水で7mLにメスアップすることにより、試料溶液を作製し、これに、誘導結合プラズマ発光分光分析法を適用して、波長396.847nmのスペクトル強度よりカルシウム元素含有量(単位:μg/g)を算出した。なお、誘導結合プラズマ発光分光分析の測定条件は以下の通りであり、検量線はICP−AES用混合標準溶液(西進商事社製「XSTC−22」)により作成した。
分析装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「SPS5100」
キャリアガス:アルゴンガス
ネブライザーフロー量:0.75L/分
プラズマフロー量:15.0L/分
補助フロー量:1.5L/分
〔酸化防止剤含有量〕
試料(酸素吸収性樹脂組成物についてはペレット、密封材層については成形したフィルムから切り出したもの)約1.3gを、ジエチルエーテルを抽出溶媒として、ソックスレー抽出器により抽出した。次いで、抽出分を濃縮したのち、トルエン200μLを加えて全体を馴染ませてから、アセトニトリルで5mLにメスアップした。そして、この溶液に、30秒間超音波照射を行ったのち、孔径0.2μmのディスクフィルターでろ過し、そのろ液を試料として、高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、酸化防止剤含有量(単位:μg/g)を算出した。なお、高速液体クロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
分析装置:アジレント・テクノロジー社製「Agilent 1200シリーズ」
カラム:アジレント・テクノロジー社製「ZORBAX XDB−C8」
カラム温度:40℃
溶媒:アセトニトリル:水=70:30(0〜3分)、アセトニトリル:水=92:8(3分〜)
流速:0.75mL/分
試料(酸素吸収性樹脂組成物についてはペレット、密封材層については成形したフィルムから切り出したもの)約1.3gを、ジエチルエーテルを抽出溶媒として、ソックスレー抽出器により抽出した。次いで、抽出分を濃縮したのち、トルエン200μLを加えて全体を馴染ませてから、アセトニトリルで5mLにメスアップした。そして、この溶液に、30秒間超音波照射を行ったのち、孔径0.2μmのディスクフィルターでろ過し、そのろ液を試料として、高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、酸化防止剤含有量(単位:μg/g)を算出した。なお、高速液体クロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
分析装置:アジレント・テクノロジー社製「Agilent 1200シリーズ」
カラム:アジレント・テクノロジー社製「ZORBAX XDB−C8」
カラム温度:40℃
溶媒:アセトニトリル:水=70:30(0〜3分)、アセトニトリル:水=92:8(3分〜)
流速:0.75mL/分
〔酸素吸収性〕
試料となるパウチ内の空気を完全に追い出した後に、パウチ内に100mLの水、10mLの空気および非破壊酸素濃度計用ガラス製センサー(PreSens社製「酸素センサーPSt3」)を封入した。次いで、このパウチを蒸気加熱式レトルト処理装置(アルプ社製「レトルト高圧蒸気滅菌器 RK−3030」)を用いて、121℃で30分間レトルト処理した。そして、レトルト処理直後のパウチについて、非破壊酸素濃度計(PreSens社製「Fibox3」)を用いてパウチ内の酸素濃度を測定した。酸素濃度が低くなっているものほど、酸素吸収性に優れる。
試料となるパウチ内の空気を完全に追い出した後に、パウチ内に100mLの水、10mLの空気および非破壊酸素濃度計用ガラス製センサー(PreSens社製「酸素センサーPSt3」)を封入した。次いで、このパウチを蒸気加熱式レトルト処理装置(アルプ社製「レトルト高圧蒸気滅菌器 RK−3030」)を用いて、121℃で30分間レトルト処理した。そして、レトルト処理直後のパウチについて、非破壊酸素濃度計(PreSens社製「Fibox3」)を用いてパウチ内の酸素濃度を測定した。酸素濃度が低くなっているものほど、酸素吸収性に優れる。
〔製造例〕
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4単位73%、トランス−1,4単位22%、3,4−単位5%、重量平均分子量243,100)100部を、シクロヘキサン374部とともに仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、75℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをシクロヘキサンに完全に溶解した後、p−トルエンスルホン酸(トルエン中で、水分量が150ppm以下になるように、還流脱水したもの)0.90部を、15%のトルエン溶液として添加し、温度が80℃を超えないように制御しながら環化反応を行った。7時間反応させた後、炭酸ナトリウム0.59部を含む25%炭酸ナトリウム水溶液を添加して反応を停止した。80℃で、共沸還流脱水により水を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターにて系中の触媒残渣を除去した。得られた溶液からシクロヘキサンを留去して、さらに、真空乾燥によってトルエンを除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得た。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は189,100であり、不飽和結合減少率は62.6%であり、ガラス転移温度は56℃であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4単位73%、トランス−1,4単位22%、3,4−単位5%、重量平均分子量243,100)100部を、シクロヘキサン374部とともに仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、75℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをシクロヘキサンに完全に溶解した後、p−トルエンスルホン酸(トルエン中で、水分量が150ppm以下になるように、還流脱水したもの)0.90部を、15%のトルエン溶液として添加し、温度が80℃を超えないように制御しながら環化反応を行った。7時間反応させた後、炭酸ナトリウム0.59部を含む25%炭酸ナトリウム水溶液を添加して反応を停止した。80℃で、共沸還流脱水により水を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターにて系中の触媒残渣を除去した。得られた溶液からシクロヘキサンを留去して、さらに、真空乾燥によってトルエンを除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得た。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は189,100であり、不飽和結合減少率は62.6%であり、ガラス転移温度は56℃であった。
得られた固形状の共役ジエン重合体環化物は、単軸混練押出機(40φ、L/D=25、ダイス径3mm×1穴、池貝社製)を用いて、シリンダー1:140℃、シリンダー2:150℃、シリンダー3:160℃、シリンダー4:170℃、ダイス温度170℃、回転数25rpmの混練条件で混練し、ペレット化した。
〔実施例1〕
製造例で得た共役ジエン重合体環化物のペレット26.5部、少量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないエチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)70部、およびエルカ酸(日油社製)3.5部を、二軸混練機(ベルストルフ社製「ZE40A」)を用いて、シリンダー1:180℃、シリンダー2:200℃、シリンダー3:200℃、シリンダー4:200℃、ダイス温度200℃、回転数180rpmの条件で混練して、ペレット化することにより、実施例1の酸素吸収性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを試料として、酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は2.0μg/g、酸化防止剤含有量は42μg/gであった。
〔実施例1〕
製造例で得た共役ジエン重合体環化物のペレット26.5部、少量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないエチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)70部、およびエルカ酸(日油社製)3.5部を、二軸混練機(ベルストルフ社製「ZE40A」)を用いて、シリンダー1:180℃、シリンダー2:200℃、シリンダー3:200℃、シリンダー4:200℃、ダイス温度200℃、回転数180rpmの条件で混練して、ペレット化することにより、実施例1の酸素吸収性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを試料として、酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は2.0μg/g、酸化防止剤含有量は42μg/gであった。
次いで、以上のようにして得られた酸素吸収性樹脂組成物、および少量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないエチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」;カルシウム元素含有量2.8μg/g、酸化防止剤含有量60μg/g)を用いて、シリンダー温度230〜250℃、アダプター温度250℃、ダイス温度250℃、回転数12rpm、引取速度1.5m/分、引取ロール温度60℃の条件で、Tダイを備えた押出成形機(創研社製、ダイス幅300mm、口径25mm)によって多層Tダイキャスト成形を行うことにより、厚さ20μmの酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層と厚さ50μmのエチレンとプロピレンのランダム共重合体からなる密封材層(厚さ50μm)の2層からなるフィルムを得た。次いで、得られたフィルムの酸素吸収性層側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(東洋モートン社製「TM251/CAT−RT88」)を塗布し、そこに、透明シリカ蒸着フィルム(三菱樹脂社製「テックバリア TXR」)を重ねて、ホットラミネーター(GMP社製「EXCELAM−3550」)を用いて、ロール温度90℃の条件で、ドライラミネート方式で各層を接着させつつ、密封材層をヒートシールすることにより3方シールを行ない、外側から、透明シリカ蒸着フィルムからなる酸素バリア層/接着剤層/酸素吸収性層/密封材層の構成を有する酸素吸収性積層体により構成された、大きさ100mm×150mmの実施例1のパウチを得た。そして、このパウチから、を試料として、また、このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は2.6%であった。この実施例1における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
〔実施例2〕
酸素吸収性樹脂組成物を得るにあたり、製造例で得た共役ジエン重合体環化物のペレット45部と、少量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないエチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)55部とを混練したこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性樹脂組成物を得た。酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は1.5μg/g、酸化防止剤含有量は33μg/gであった。次いで、この酸素吸収性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は4.9%であった。この実施例2における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
酸素吸収性樹脂組成物を得るにあたり、製造例で得た共役ジエン重合体環化物のペレット45部と、少量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないエチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)55部とを混練したこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性樹脂組成物を得た。酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は1.5μg/g、酸化防止剤含有量は33μg/gであった。次いで、この酸素吸収性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は4.9%であった。この実施例2における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
〔実施例3〕
製造例で得た共役ジエン重合体環化物のペレット30部、および滑剤と酸化防止剤が実質的に添加されていない共重合ポリアミド6/66樹脂(宇部興産社製「UBEナイロン 5034X14」)70部を、二軸混練機(ベルストルフ社製「ZE40A」)を用いて、シリンダー1:180℃、シリンダー2:200℃、シリンダー3:200℃、シリンダー4:200℃、ダイス温度200℃、回転数150rpmの条件で混練して、ペレット化することにより、実施例3の酸素吸収性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを試料として、酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は1μg/g、酸化防止剤含有量は0μg/gであった。
製造例で得た共役ジエン重合体環化物のペレット30部、および滑剤と酸化防止剤が実質的に添加されていない共重合ポリアミド6/66樹脂(宇部興産社製「UBEナイロン 5034X14」)70部を、二軸混練機(ベルストルフ社製「ZE40A」)を用いて、シリンダー1:180℃、シリンダー2:200℃、シリンダー3:200℃、シリンダー4:200℃、ダイス温度200℃、回転数150rpmの条件で混練して、ペレット化することにより、実施例3の酸素吸収性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを試料として、酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は1μg/g、酸化防止剤含有量は0μg/gであった。
次いで、以上のようにして得られた酸素吸収性樹脂組成物、少量のヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないエチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)および変性ポリオレフィン樹脂(三井化学社製「アドマー QF551」)を用いて、シリンダー温度190〜215℃、アダプター温度215℃、ダイス温度215℃、回転数12rpm、引取速度1.5m/分、引取ロール温度40℃の条件で、Tダイを備えた押出成形機(創研社製、ダイス幅300mm、口径25mm)によって多層Tダイキャスト成形を行うことにより、酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層(厚さ20μm)/変性ポリオレフィン樹脂からなる接着剤層(厚さ5μm)/エチレンとプロピレンのランダム共重合体からなる密封材層(厚さ50μm)の3層からなるフィルムを得た。次いで、得られた3層からなるフィルムの酸素吸収性層側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(東洋モートン社製「TM251/CAT−RT88」)を塗布し、そこに、透明シリカ蒸着フィルム(三菱樹脂社製「テックバリア TXR」)を重ねて、ホットラミネーター(GMP社製「EXCELAM−3550」)を用いて、ロール温度90℃の条件で、ドライラミネート方式で各層を接着させつつ、密封材層をヒートシールすることにより3方シールを行ない、外側から、透明シリカ蒸着フィルムからなる酸素バリア層/接着剤層/酸素吸収性層/接着剤層/密封材層の構成を有する酸素吸収性積層体により構成された、大きさ100mm×150mmの実施例3のパウチを得た。そして、このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は3.0%であった。この実施例3における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
〔実施例4〕
酸素吸収性積層体の密封材層の材料として、エチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)に代えて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないポリプロピレン(プライムポリマー社製「プライムポリプロ F107」、カルシウム元素含有量1μg/g、酸化防止剤含有量420μg/g))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は5.4%であった。この実施例4における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
酸素吸収性積層体の密封材層の材料として、エチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)に代えて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が添加されているが、滑剤が実質的に添加されていないポリプロピレン(プライムポリマー社製「プライムポリプロ F107」、カルシウム元素含有量1μg/g、酸化防止剤含有量420μg/g))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は5.4%であった。この実施例4における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
〔比較例〕
酸素吸収性樹脂組成物を得るにあたり、酸化防止剤と滑剤が実質的に添加されていない共重合ポリアミド6/66樹脂(宇部興産社製「UBEナイロン 5034X14」)に代えて、酸化防止剤は実質的に添加されていないものの滑剤としてステアリン酸カルシウムが添加されている共重合ポリアミド6/66樹脂(宇部興産社製「UBEナイロン 5034B」)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、酸素吸収性樹脂組成物を得た。酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は9.1μg/g、酸化防止剤含有量は0μg/gであった。次いで、この酸素吸収性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は14.0%であった。この比較例における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
酸素吸収性樹脂組成物を得るにあたり、酸化防止剤と滑剤が実質的に添加されていない共重合ポリアミド6/66樹脂(宇部興産社製「UBEナイロン 5034X14」)に代えて、酸化防止剤は実質的に添加されていないものの滑剤としてステアリン酸カルシウムが添加されている共重合ポリアミド6/66樹脂(宇部興産社製「UBEナイロン 5034B」)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、酸素吸収性樹脂組成物を得た。酸素吸収性樹脂組成物中のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量を測定したところ、カルシウム元素含有量は9.1μg/g、酸化防止剤含有量は0μg/gであった。次いで、この酸素吸収性樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は14.0%であった。この比較例における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
〔参考例1〕
実施例1で得られた酸素吸収性樹脂組成物を、シリンダー温度230〜250℃、アダプター温度250℃、ダイス温度250℃、回転数12rpm、引取速度1.5m/分、引取ロール温度60℃の条件で、Tダイを備えた押出成形機(創研社製、ダイス幅300mm、口径25mm)によってTダイキャスト成形を行うことにより、厚さ20μmの酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを得た。次いで、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])と滑剤としてステアリン酸カルシウムが添加されているポリプロピレンで形成された、市販の無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルムCT P1146」、カルシウム元素含有量43μg/g、酸化防止剤含有量1310μg/g)の片面側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(東洋モートン社製「TM251/CAT−RT88」)を塗布したもの、および透明シリカ蒸着フィルム(三菱樹脂社製「テックバリア TXR」)の片面側に同じウレタン系ドライラミネート用接着剤を塗布したものを、それぞれ、酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムに重ねて、ホットラミネーター(GMP社製「EXCELAM−3550」)を用いて、ロール温度90℃の条件で、ドライラミネート方式で各層を接着させつつ、密封材層をヒートシールすることにより3方シールを行ない、外側から、透明シリカ蒸着フィルムからなる酸素バリア層/接着剤層/酸素吸収性層/接着剤層/無延伸ポリプロピレンフィルムからなる密封材層の構成を有する酸素吸収性積層体により構成された、大きさ100mm×150mmの参考例1のパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は12.1%であった。この参考例1における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
実施例1で得られた酸素吸収性樹脂組成物を、シリンダー温度230〜250℃、アダプター温度250℃、ダイス温度250℃、回転数12rpm、引取速度1.5m/分、引取ロール温度60℃の条件で、Tダイを備えた押出成形機(創研社製、ダイス幅300mm、口径25mm)によってTダイキャスト成形を行うことにより、厚さ20μmの酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムを得た。次いで、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])と滑剤としてステアリン酸カルシウムが添加されているポリプロピレンで形成された、市販の無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルムCT P1146」、カルシウム元素含有量43μg/g、酸化防止剤含有量1310μg/g)の片面側にウレタン系ドライラミネート用接着剤(東洋モートン社製「TM251/CAT−RT88」)を塗布したもの、および透明シリカ蒸着フィルム(三菱樹脂社製「テックバリア TXR」)の片面側に同じウレタン系ドライラミネート用接着剤を塗布したものを、それぞれ、酸素吸収性樹脂組成物からなる単層フィルムに重ねて、ホットラミネーター(GMP社製「EXCELAM−3550」)を用いて、ロール温度90℃の条件で、ドライラミネート方式で各層を接着させつつ、密封材層をヒートシールすることにより3方シールを行ない、外側から、透明シリカ蒸着フィルムからなる酸素バリア層/接着剤層/酸素吸収性層/接着剤層/無延伸ポリプロピレンフィルムからなる密封材層の構成を有する酸素吸収性積層体により構成された、大きさ100mm×150mmの参考例1のパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は12.1%であった。この参考例1における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
〔参考例2〕
酸素吸収性積層体の密封材層の材料として、エチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)に代えて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])と滑剤としてステアリン酸カルシウムが添加されているポリプロピレン(プライムポリマー社製「プライムポリプロ F−300SP」、カルシウム元素含有量29μg/g、酸化防止剤含有量610μg/g))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は8.8%であった。この参考例2における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
酸素吸収性積層体の密封材層の材料として、エチレンとプロピレンのランダム共重合体(日本ポリプロ社製「ノバテックPP EG7C」)に代えて、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート])と滑剤としてステアリン酸カルシウムが添加されているポリプロピレン(プライムポリマー社製「プライムポリプロ F−300SP」、カルシウム元素含有量29μg/g、酸化防止剤含有量610μg/g))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、酸素吸収性積層体により構成されたパウチを得た。このパウチを、酸素吸収性評価に供したところ、レトルト処理直後のパウチの酸素濃度は8.8%であった。この参考例2における酸素吸収性樹脂組成物の組成、酸素吸収性樹脂組成物のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、密封材層の材質、密封材層のカルシウム元素含有量および酸化防止剤含有量、および酸素吸収性評価の結果は表1にまとめて示した。
表1に示される結果から分かるように、実施例1〜4の酸素吸収性樹脂組成物のように、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量が小さい酸素吸収性樹脂組成物は、優れた酸素吸収性を有すると言える。これに対して、ステアリン酸カルシウムに由来してカルシウム元素含有量が大きな比較例の酸素吸収性樹脂組成物は、実施例1〜4の酸素吸収性樹脂組成物に比して、酸素吸収性に劣るものであると言える。また、参考例1および2を参照すると、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量が小さい酸素吸収性樹脂組成物を酸素吸収性積層体の酸素吸収性層として用いた場合であっても、それに積層する密封材層(隣接樹脂層)のステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量が大きい場合には、酸素吸収性樹脂組成物の優れた酸素吸収性が十分に発揮されないと言える。したがって、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量が小さい酸素吸収性樹脂組成物を酸素吸収性積層体の酸素吸収性層として用いる場合には、密封材層などの隣接樹脂層の材料もステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量が小さいものとすることが望ましいと言える。
Claims (4)
- 共役ジエン重合体環化物である酸素吸収性樹脂と、ポリオレフィンおよび脂肪族ポリアミドから選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である基材樹脂とを含んでなり、ステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として5μg/g以下である酸素吸収性樹脂組成物。
- 酸化防止剤含有量が200μg/g以下である請求項1に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の酸素吸収性樹脂組成物からなる酸素吸収性層と、酸素吸収性層に積層された熱可塑性樹脂からなる隣接樹脂層とを有してなる酸素吸収性積層体であって、隣接樹脂層のステアリン酸カルシウムの含有量が、ステアリン酸カルシウムに由来するカルシウム元素含有量として20μg/g以下である酸素吸収性積層体。
- 隣接樹脂層の酸化防止剤含有量が500μg/g以下である請求項3に記載の酸素吸収性積層体。
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